特許第6262609号(P6262609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262609
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】工事進捗管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20180104BHJP
   E04G 21/00 20060101ALI20180104BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   G06Q50/08
   E04G21/00ESW
   G06F13/00 560A
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-132789(P2014-132789)
(22)【出願日】2014年6月27日
(65)【公開番号】特開2016-12201(P2016-12201A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 太
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−303219(JP,A)
【文献】 特開2007−325292(JP,A)
【文献】 特開2008−225862(JP,A)
【文献】 特開2013−125535(JP,A)
【文献】 特開2013−257729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
E04G 21/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通する複数の設備を修理或いはリニューアルする現場の施工状況を通知するためにWeb上に作成された工事対象現場ページを記憶するサーバと、
通信ネットワークを介して前記サーバにアクセスして画像を前記工事対象現場ページにアップロードするためのカメラを備えた通信端末とを有し、
前記工事対象現場ページは、物件毎に画像を表示する画像台帳ページを具備すると共に、前記サーバは、前記画像台帳ページに表示する画像を保存する画像保存部を備え、
前記画像台帳ページの個々の画像表示エリアは、前記画像保存部の保存先アドレスに紐付けされており、
前記通信端末は、前記工事対象現場ページにアクセスして、前記画像表示エリアに画像を添付するために保存先アドレスを選択する所定の保存先選択操作が成されると、前記カメラを起動し、撮影された画像データを選択された前記保存先アドレスに送信する撮像制御部を具備し、
前記サーバは、前記通信端末から受信した前記画像データを前記画像保存部に保存すると共に、紐付けされている前記画像表示エリアに添付することを特徴とする工事進捗管理システム。
【請求項2】
前記画像表示エリアは、施工前表示エリアと施工後表示エリアとを有することを特徴とする請求項1記載の工事進捗管理システム。
【請求項3】
工事対象現場ページは、集合住宅におけるインターホン機器の工事に用いられるものであって、
前記画像台帳ページの画像表示エリアは、工事する住戸、管理室、共用部の各インターホン機器のエリアを有し、前記保存先選択操作により個々のインターホン機器を選択できることを特徴とする請求項1又は2記載の工事進捗管理システム。
【請求項4】
前記工事対象現場ページは、工事日程が記載された工事スケジュール一覧ページを有し、
前記通信端末により前記工事スケジュール一覧ページから前記画像台帳ページにアクセスできることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の工事進捗管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅のインターホン設備のリニューアル等、共通する複数の設備を施工する際に工事の進捗状況を把握するための工事進捗管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅のインターホン設備のリニューアル工事を行う場合、個々の住戸の工事日の予約や進捗状況を管理する必要があるため、工事の日程や進捗状況をサーバに保存し、Web上で確認できるシステムが提案されているが、写真(画像)で施工状態を確認することができなかったため、具体的な工事の状況を把握するのが難しかった。
【0003】
一方で、建築物件の検査結果をサーバに保管して事業主やユーザーがアクセスして閲覧できる施工検査の品質管理方法が特許文献1において提案されている。この特許文献1では、施工現場において所定のソフトウェアをインストールしたパーソナルコンピュータを使用して、検査結果を入力してサーバに送信して保管したり、カメラ付の通信端末を使用して検査画像を撮影してサーバに送信するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−279993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像を添付できる上記特許文献1の技術を集合住宅のインターホン設備のリニューアル工事の管理へ適用すれば、サーバに画像データを保存できるため、関係者がいつでも閲覧することが可能となり、進捗状況の把握がし易くなる。
しかしながら、撮影した画像はサーバに保管されるが、何の画像であるか撮影者等が名称を付け、更に画像毎に振り分ける作業を伴うため、画像の管理が厄介であり後から現場での画像の撮影忘れに気づく場合もあり、作成者にとっては負担増となる問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、画像と共に進捗状況を把握できる進捗管理システムであっても、撮影した画像の管理が容易で作成者の負担を削減できる工事進捗管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、共通する複数の設備を修理或いはリニューアルする現場の施工状況を通知するためにWeb上に作成された工事対象現場ページを記憶するサーバと、通信ネットワークを介してサーバにアクセスして画像を工事対象現場ページにアップロードするためのカメラを備えた通信端末とを有し、工事対象現場ページは、物件毎に画像を表示する画像台帳ページを具備すると共に、サーバは、画像台帳ページに表示する画像を保存する画像保存部を備え、画像台帳ページの個々の画像表示エリアは、画像保存部の保存先アドレスに紐付けされており、通信端末は、工事対象現場ページにアクセスして、画像表示エリアに画像を添付するために保存先アドレスを選択する所定の保存先選択操作が成されると、カメラを起動し、撮影された画像データを選択された保存先アドレスに送信する撮像制御部を具備し、サーバは、通信端末から受信した画像データを画像保存部に保存すると共に、紐付けされている画像表示エリアに添付することを特徴とする。
この構成によれば、画像台帳ページの個々の画像表示エリアは保存先アドレスが紐付けされているため、通信端末で撮影された画像は画像保存部に自動的に保存されると共に選択された画像表示エリアに添付される。そのため、作業者は撮影した画像を画像台帳ページに貼り付ける作業をする必要がなく、撮影画像のチェックもスムーズに行うことができる。よって、撮像忘れを防ぐことも可能となり作業者の負担を軽減できる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、画像表示エリアは、施工前表示エリアと施工後表示エリアとを有することを特徴とする。
この構成によれば、施工前及び施工後の画像を表示できることで、前後の状態を画像で確認でき、施工状況を把握し易い。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、工事対象現場ページは、集合住宅におけるインターホン機器の工事に用いられるものであって、画像台帳ページの画像表示エリアは、工事する住戸、管理室、共用部の各インターホン機器のエリアを有し、保存先選択操作により個々のインターホン機器を選択できることを特徴とする。
この構成によれば、工事対象現場ページの画像台帳ページは、工事する住戸、管理室、共用部の施工対象毎に画像が表示されるため、設置する機器毎に進捗具合を把握し易い。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の構成において、工事対象現場ページは、工事日程が記載された工事スケジュール一覧ページを有し、通信端末により工事スケジュール一覧ページから画像台帳ページにアクセスできることを特徴とする。
この構成によれば、工事スケジュールを確認しながら必要に応じて画像で確認でき、利便性が良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像台帳ページの個々の画像表示エリアは保存先アドレスが紐付けされているため、通信端末で撮影された画像は画像保存部に自動的に保存されると共に選択された画像表示エリアに添付される。そのため、作業者は撮影した画像を画像台帳ページに貼り付ける作業をする必要がなく、作業者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る工事進捗管理システムの一例を示す構成図である。
図2】画像の保存先選択ページの説明図である。
図3】画像台帳ページの説明図である。
図4】施工対象の集合住宅のインターホン設備の一例を示す構成図である。
図5】工事スケジュール一覧の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る工事進捗管理システムの一例を示し、1は工事対象現場ページが保存されるサーバ、2は作業者が携行して工事対象現場ページを更新するための通信端末、3は工事関係者がWebページを閲覧するための管理端末、4は居住者等の施工主やユーザーがWebページを閲覧するための居住者端末、Nはインターネット等の通信ネットワーク、5は通信端末2がサーバ1と無線通信するための基地局を示している。
【0014】
サーバ1は、共通する複数の設備をリニューアルする現場の施工状況をWeb上で通知するために作成された工事対象現場ページを記憶し、この工事対象現場ページに添付される画像を保存する画像保存部1aを備えている。
一方、通信端末2は、カメラ10a(10)を備えたスマートフォン2aや、カメラ10b(10)を備えたタブレット端末2b等が使用され、使用する際に通信ネットワークNを介してサーバ1にアクセスして画像を工事対象現場ページにアップロードするための所定のソフトウェアがインストールされる。また、管理端末3及び居住者端末4はパーソナルコンピュータが使用される。
【0015】
以下、本発明の工事進捗管理システムが集合住宅のインターホン設備をリニューアルする工事に適用された場合を説明する。図2は、集合住宅のインターホン設備をリニューアルするために作成された工事対象現場ページの一部を示し、画像の保存先選択ページを示している。このページは画像をアップロードして工事対象現場ページを更新する際に開くページであり、図2に示す「○」印の表示は画像撮影が終了して画像が添付されている物件を示し、「画像1」「画像2」の表示は画像がアップロードされてない状態を示している。
この「画像1」「画像2」の表示部とサーバ1の画像保存部1aのアドレスは1対1で対応しており、「画像1」「画像2」をタッチ操作等で選択操作することで、カメラ10が撮像を開始し、シャッター操作により撮影された画像がアップロードされて指定されたアドレスの画像保存部1aに保存される。
【0016】
尚、図2において、P1は住戸番号、P2は保存先選択エリア、P3は画像を表示させる画像確認エリア、P4は画像をダウンロードするダウンロードエリアを示している。また図2では、施工前、施工後とで2枚ずつ画像が添付できるように構成されているが、これに限らず3枚以上添付可能としてもよい。
【0017】
図3は工事対象現場ページの中の画像が添付される画像台帳ページを示している。図3において、P5(P5a,P5b)が画像表示エリアであり、P5aは施工前表示エリア、P5bは施工後表示エリアである。通信端末2で撮影された画像がこの画像表示エリアP5に表示される。この画像表示エリアP5は、個々に画像保存部1aのアドレスが紐付けされており、図2の保存先選択ページから画像保存先を選択して入力された画像は、アドレスが紐付けされている写真台帳ページの対応する画像表示エリアP5にサーバ1の制御により添付される。
【0018】
このように、保存先選択ページを含む工事対象現場ページは施工現場毎に作成され、集合住宅のインターホン設備の場合は、Aマンション用、B集合住宅用、Cビル用等施工現場に合わせてWeb上に作成される。
図4は、施工対象の集合住宅のインターホン設備の一例を示し、21は集合玄関機、22は室内親機、23は各住戸玄関に設置される玄関子機、24は管理室親機、25は制御機を示している。工事現場において、工事する対象となっている住戸及びその住戸内の室内親機の種別や、共用部に設置される集合玄関機、管理室親機の数は図4に示す関係から予めわかっており、上記図2に示すような保存先選択ページ等の工事対象現場ページは工事に先だって容易に作成することができる。
【0019】
上記の如く構成された画像台帳ページに画像をアップロードする動作の流れは以下の様である。作業者が通信端末2を操作してサーバ1の工事対象現場ページにアクセスすると、ID、パスワードが要求される。この要求を受けて、予め登録されたID、パスワードを入力すると図示しない工事対象現場ページの図示しないフロントページが表示される。
このフロントページの表示から所定のページ選択操作で画像台帳作成ページにアクセスでき、図2に示す画像の保存先選択ページが表示される。
【0020】
図2の表示内容から、101号室は全ての画像撮影が終了し、102号室ではまだ画像を全く撮影していないことが認識できる。そこで、現場画像が未撮影な102号室の画像のアップロードを行う場合、具体的に次のように実施される。例えば、102号室の「室内親機/施工前/画像1」が表示部のタッチ操作等で選択(保存先選択操作)されると、保存先アドレスが選択されて通信端末2の図示しないCPU(撮像制御部)は、自動的に通信端末2のカメラ10を起動して能動状態とし、画像撮影可能な状態となる。
【0021】
作業者によりシャッター(図示せず)が押下されると、通信端末2は撮影された画像の保存制御を実施し、通信ネットワークNを介してサーバ1にアップロードされて選択されたアドレスの画像保存部1aに画像が保存される。こうして最初に選択された102号室の「室内親機/施工前/画像1」にリンクしているアドレスの画像保存部1aに画像が保存される。尚、「画像2」が選択されると、「画像2」にリンクしたアドレスに保存される。
尚、図2では室内親機22と玄関子機23の保存先選択ページを示しているが、集合玄関機21や管理室親機24を選択するページも作成されている。
【0022】
そして、サーバ1では画像保存部1aに保存する際に、紐付けされている画像台帳ページの画像表示エリアP5に合わせた名称が付与される。例えば、「102−1−1−1」(102号室、住戸、施工前、1枚目)の名称が付与されて保存されると共に画像表示エリアP5に添付される。
【0023】
こうして作成された工事対象現場ページは、更に図5に示すような工事スケジュール一覧ページが作成されており、これらのページは管理端末3及び居住者端末4から容易にアクセスできる。工事スケジュール一覧ページは、図5に示すように部屋毎(住戸毎)の工事日時、工事進捗状況が記載されており、工事スケジュール一覧ページを見ることで、個々の住戸の訪問予定日の管理等を容易に行うことができるし、居住者は工事の進捗状況の把握がし易い。そして、例えばこのページ上の部屋番号P6を選択操作すれば画像台帳ページに移行し、選択した住戸のインターホン機器の画像を見ることができる。
【0024】
このように、画像台帳ページの個々の画像表示エリアP5は保存先アドレスが紐付けされているため、通信端末2で撮影された画像は画像保存部1aに自動的に保存されると共に選択された画像表示エリアP5に添付される。そのため、作業者は撮影した画像を画像台帳ページに貼り付ける作業をする必要がなく、撮影画像のチェックもスムーズに行うことができる。よって、撮像忘れを防ぐことも可能となり作業者の負担を軽減できる。
また、施工前及び施工後の画像を表示できるため、前後の状態を画像で確認でき、施工状況を把握し易いし、工事対象現場ページの画像台帳ページは、工事する住戸、管理室、共用部の施工対象毎に画像が保存されるため、設置する機器毎に進捗具合を把握し易い。
更に、工事スケジュール一覧ページを表示すれば、工事スケジュールを確認しながら必要に応じて画像で確認でき、利便性が良い。
また、画像は画像表示エリアP5に合わせて名称が付与されて保存されるため、例えば作業者が作業完了報告書を作成する際に画像台帳ページの画像データをスムーズに利用でき報告書への画像添付を容易に実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
上記実施形態は、集合住宅のインターホン設備のリニューアルについて説明したが、他の施工に対しても利用でき、例えば部屋の改装工事等の個々の住戸において共通する工事に好適である。
【符号の説明】
【0026】
1・・サーバ、2・・通信端末、3・・管理端末、4・・居住者端末、10・・カメラ、N・・通信ネットワーク、P2・・保存先選択エリア、P5・・画像表示エリア、P5a・・施工前表示エリア、P5b・・施工後表示エリア。
図1
図2
図3
図4
図5