(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る提示装置、提示方法及び提示プログラムを実現するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提示装置、提示方法及び提示プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する記載は省略される。また、以下の説明では、提示装置の一例として、所定の入札処理を実行する入札装置について説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
〔1.入札処理〕
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る入札処理の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る入札処理の一例を示す図である。
図1に示した入札装置100は、感情情報に基づいた広告を出力する権利を取得するための入札サービスを提供する。具体的には、入札装置100は、対話エージェントシステム1に用いられるルールに関する情報である判定情報として判定ツリー(例えば、コーパス)を応答生成サーバ30から取得し、判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情を推定する。その後、入札装置100は、感情情報とともに判定ツリーを広告主に提示し、提示した判定ツリーに対して広告主から入札を受け付ける。また、
図1に示す応答生成サーバ30は、判定ツリーを用いてユーザとの対話における応答を決定する。なお、以下の説明では、ユーザの感情が前向きな任意の状態である「ポジティブ」であるか、ユーザの感情が後ろ向きな任意の状態である「ネガティブ」のいずれであるかを推定する例について説明するが、後述するように、入札装置100は、ユーザが有する他の任意の感情についても推定してよい。
【0012】
ここで、
図2を用いて、応答生成サーバ30が用いる判定ツリーについて説明する。
図2は、第1の実施形態に係る判定ツリーの一例を示す図である。つまり、対話エージェントシステム1は、対話のルールに関する情報として
図2に示すような判定ツリーを用いてユーザとの対話を実現する。具体的には、応答生成サーバ30は、
図2に示すような判定ツリーに基づいてユーザの発話である入力メッセージに対して、ユーザへ返す応答メッセージを決定する。
【0013】
図2に示す例において、破線ブロックは検出ノードを示しており、実線ブロックは動作ノードを示している。また、これらのブロックには、N101〜N112までのノードIDがそれぞれ付されている。例えば、ノードID「N101」の破線ブロック「“天気”検出」は検出ノードを示しており、ノードID「N103」の実線ブロック「“今日は雨です”」は動作ノードを示している。検出ノードはユーザからの入力メッセージに対応する処理手順を定めており、動作ノードは応答メッセージに対応する処理手順を定めている。したがって、
図2に示す判定ツリーは、検出ノード及び動作ノードを含む。
【0014】
また、
図2に示す各ノードは矢印線により接続されることで関連付けられる。具体的には、矢印線の始点側のノードが接続元ノードとして、矢先側のノードが接続先ノードとして関連付けられる。例えば、ノードID「N104」のノードとノードID「N106」のノードとを関連付ける矢印線は、接続元ノードがノードID「N104」の検出ノードであり、接続先ノードがノードID「N106」の動作ノードであることを示している。また、ノードID「N104」のノードは、接続元ノードとして、ノードID「N107」の動作ノードとも関連付けられている。ここで、応答生成サーバ30は、ユーザの発話からキーワードを検出し、そのキーワードに対応する検出ノードが接続先ノードとして関連付けられていれば、その検出ノードへ遷移する。具体的には、応答生成サーバ30は、ノードID「N103」の動作ノードに対応する応答メッセージ「“今日は雨です”」をユーザへ応答した後、ユーザの発話の中に“嬉しい”が含まれていた場合、ノードID「N104」に対応する「“嬉しい”検出」が行われたと判定し、接続先ノードであるノードID「N106」又はノードID「N107」いずれかの動作ノードへ遷移する。そして、対応する動作ノードの応答メッセージをユーザへ応答する。具体的には、ノードID「N106」へ遷移した場合、応答生成サーバ30は、ノードID「N106」の動作ノードに対応する応答メッセージ「“良かったですね”」をユーザへ応答する。このようにして、対話エージェントシステム1は、ユーザとの対話を進行させる。なお、応答生成サーバ30は、各接続元ノードから接続先ノードへ、所定の遷移確率を用いて遷移させてもよく、ランダムに遷移させてもよい。
【0015】
ここで、
図2に示す判定ツリー中の動作ノードには、広告に関する動作ノードと会話に関する動作ノードとが含まれる。例えば、ノードID「N106」の動作ノードは、「“良かったですね”」という具体的な店名や商品名を含まない応答メッセージであるため、会話に関する動作ノードに対応する。また、ノードID「N107」の動作ノードは、「“A店の出前はいかがですか?”」という具体的な店名を含む応答メッセージであるため、広告に関する動作ノードに対応する。対話エージェントシステム1は、このような広告に関するノードと、会話に関するノードとを織り交ぜることにより、自然な会話の中で広告をユーザへ提供する。
【0016】
図1に戻って、第1の実施形態に係る入札処理について説明する。
図1に示すように、入札装置100は、判定ツリーを応答生成サーバ30から取得する(ステップS11)。このとき、入札装置100は、判定ツリー全体を取得してもよいし、判定ツリーの一部を取得してもよい。また、入札装置100は、例えば1日おきなど予め設定した期間おきに判定ツリーを応答生成サーバ30から取得してもよい。
【0017】
続いて、入札装置100は、取得した判定ツリーに基づいて、その判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情を推定する。そして、入札装置100は、対話エージェントシステム1を利用するユーザの感情として推定される感情情報を含む判定ツリーを広告主へ提示する(ステップS12)。
図1に示す例において、入札装置100は、判定ツリーにおいてユーザの感情がポジティブであると推定される領域と、ネガティブであると判定された領域とをそれぞれ点線で囲み、その感情を表す文字とともに広告主へ提示する。つまり、
図1に示す例において、“ポジティブ”、“ネガティブ”などの感情を表す文字が、対話エージェントシステム1を利用するユーザの感情として推定される感情情報となる。なお、対話エージェントシステム1を利用するユーザの感情として推定される感情情報は、他のノードと識別可能に、ユーザの感情とノードとの対応関係を示すものであればどのような態様であってもよい。また、入札装置100は、判定ツリー全体を広告主へ提示してもよいし、感情情報を含む判定ツリーの一部を提示してもよい。
図1の例の場合、入札装置100は、ユーザの感情がポジティブであることを示す領域と、ユーザの感情がネガティブであることを示す領域とを識別可能に判定ツリーを提示する。なお、ユーザの感情の推定については検出ノードや動作ノードに基づいて行うが、詳細は後述する。
【0018】
続いて、入札装置100は、広告主から入札情報を受け付ける(ステップS13)。このとき、受け付ける入札情報としては、追加する新たなルールである広告に関する動作ノードの情報や入札価格に関する情報等が含まれてもよい。
【0019】
そして、入札装置100は、落札が決定した広告主から受け付けた入札情報に含まれる新たなルールである広告に関する動作ノードの情報を基に判定ツリーを更新し、その更新した判定ツリーを応答生成サーバ30へ送信する(ステップS14)。その後、応答生成サーバ30は、更新された判定ツリーに基づいて、ユーザの発話である入力メッセージに対して、ユーザへ返す応答メッセージを決定する。
【0020】
このように、第1の実施形態に係る入札装置100は、広告主に推定したユーザの感情を示す感情情報を含む判定ツリーを提示することができる。これにより、入札装置100は、推定されるユーザの感情に対して広告の入札を広告主から受け付けることができる。言い換えると、広告主は、推定したユーザの感情を示す感情情報の提示を受けることにより、自身の広告に適したユーザの感情に合わせて広告を追加することができる。これにより、入札装置100は、ユーザの感情に合わせて広告を出力する判定ツリーを生成することができる。つまり、入札装置100は、適切なタイミングでユーザに訴求力の高い広告を出力することを可能にする。なお、上記の入札処理は、提示装置と入札装置とが協調して実行してもよい。
【0021】
〔2.対話エージェントシステムの構成〕
図3に例示するように、本実施形態に係る対話エージェントシステム1には、ユーザ端末10と、音声認識サーバ20と、応答生成サーバ30と、音声合成サーバ40と、サービスAPI(Application Program Interface)サーバ50と、広告主端末60と、入札装置100とが含まれる。ユーザ端末10と、音声認識サーバ20と、応答生成サーバ30と、音声合成サーバ40と、サービスAPIサーバ50と、広告主端末60と、入札装置100とは、通信網70を介して情報の送受信を行う。
【0022】
ここから、対話エージェントシステム1がユーザへ音声サービスを提供する処理の概要について説明する。ユーザ端末10は、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型PC、ノート型PC、デスクトップ型PC等の情報処理装置である。ユーザ端末10は、アプリケーションの起動後、ユーザの発話を検知すると、発話の音声データを音声認識サーバ20へ送信する。
【0023】
音声認識サーバ20は、ユーザ端末10から発話の音声データを受信すると、音声データをテキストデータに変換し、発話のテキストデータをユーザ端末10へ送信する。音声認識サーバ20から発話のテキストデータを受信したユーザ端末10は、発話のテキストデータを応答生成サーバ30に送信する。
【0024】
応答生成サーバ30は、ユーザ端末10によって送信される発話のテキストデータに応じて、ユーザの発話に対する応答生成情報をユーザ端末10に送信するコンピュータである。応答生成サーバ30は、ユーザ端末10から発話のテキストデータを受信すると、応答の生成に必要なデータの検索条件を指定し、ユーザ端末10が起動したアプリケーションに対応するサービスAPIサーバ50に対してデータの要求を行う。
【0025】
サービスAPIサーバ50は、応答生成サーバ30から受信した検索条件に従って、データを応答生成サーバ30に送信する。例えば、サービスAPIサーバ50は、応答データを取得する処理を行い、取得した応答データを応答生成サーバ30に送信する。例えば、サービスAPIサーバ50は、XML(Extensible Markup Language)データを応答データとして応答生成サーバ30に送信する。
【0026】
応答生成サーバ30は、サービスAPIサーバ50から応答データとして、例えばXMLデータを受信すると、XMLデータからデータを抽出し、XMLデータをHTMLデータに変換する。そして、応答生成サーバ30は、応答発話表示用のテキストデータを音声合成サーバ40に送信する。音声合成サーバ40は、応答発話表示用のテキストデータから音声を合成する音声合成処理を行って生成した応答発話用の中間表記を応答生成サーバ30に送信する。応答生成サーバ30は、応答発話用の中間表記と応答発話表示用のテキストデータとHTMLデータとをユーザ端末10に送信する。
【0027】
ユーザ端末10は、受信した応答発話用の中間表記を用いて、応答の音声を出力するとともに、応答発話表示用のテキストデータとHTMLデータとを用いて、応答内容を表示する。このようにして、対話エージェントシステム1は、ユーザの発話に対して適切な応答を行う音声サービスを実現する。
【0028】
〔3.入札装置の構成〕
次に、
図4を用いて、第1の実施形態に係る入札装置100の構成について説明する。
図4は、実施例に係る入札装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、入札装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、入札装置100は、入札装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0029】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)によって実現される。かかる通信部110は、通信網70と有線又は無線で接続される。そして、通信部110は、通信網70を介して、応答生成サーバ30や広告主端末60等との間で情報の送受信を行う。
【0030】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、応答生成サーバ30から取得した判定ツリーや対話エージェントシステム1を利用するユーザの感情として推定される感情情報や広告主により登録された入札情報等を記憶する。また、記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0031】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、入札装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(入札プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0032】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、推定部132と、提示部133と、受付部134と、送信部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0033】
(取得部131)
取得部131は、応答生成サーバ30がユーザとの対話に用いている対話のルールに関する情報である判定ツリーを応答生成サーバ30から取得する。このとき、取得部131は、判定ツリー全体を取得してもよいし、判定ツリーの一部を取得してもよい。また、入札装置100は、例えば1日おきなど予め設定した期間おきに判定ツリーを応答生成サーバ30から取得してもよい。
【0034】
(推定部132)
推定部132は、対話エージェントシステム1が用いる対話のルールに基づいて、当該対話エージェントシステム1と会話を行う場合のユーザの感情を推定する。例えば、推定部132は、取得部131により応答生成サーバ30から取得した判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情を推定する。ここで、推定部132が推定する感情は、嬉しい、怒っている、哀しい、楽しい等、人間の感情の分類に沿って種々の適宜設定可能である。以下では、推定部132が推定する感情をポジティブ及びネガティブの2種類として説明する。なお、推定部132が推定するポジティブとは、テンションが高い、楽しい、心地良い、めでたい、テンポがいい等嬉しさや楽しさを示す感情を含む。また、推定部132が推定するネガティブとは、テンションが低い、楽しくない、心地悪い、めでたくない、テンポが悪い等怒り、哀しみ、罪の意識、恐怖、嫌悪を含む感情である。
【0035】
推定部132は、例えば、ノードにおけるユーザの感情を推定するために、判定ツリー中の各ノードの情報を用いる。
図2に示す例を用いて説明すると、N104の検出ノード「“嬉しい”検出」については、“嬉しい”というポジティブなキーワードが検出されているため、推定部132は、N104の検出ノードにおけるユーザの感情をポジティブであると推定する。そして、推定部132は、N104の検出ノードの接続先ノードであるN106の動作ノード「“良かったですね”」、及びN107の動作ノード「“A店の出前はいかがですか?”」についても、N104の検出ノードと同様にユーザの感情をポジティブであると推定する。一方、N105の検出ノード「“嫌”検出」については、“嫌”というネガティブなキーワードが検出されているため、推定部132は、N105の検出ノードにおけるユーザの感情をネガティブであると推定する。そして、推定部132は、N104の検出ノード以降の接続先ノードN108〜N112のノードについても、N104の検出ノードと同様にユーザの感情をネガティブであると推定する。このように、推定部132は、接続元ノードについて推定されるユーザの感情を用いて、各ノードにおけるユーザの感情を推定してもよい。また、推定部132は、接続元ノードや接続先ノードに関わらず、そのノード自身の情報のみに基づいて、そのノードにおけるユーザの感情を推定してもよい。また、推定部132は、例えば、感情の分類ごとにキーワードを対応付けて記憶しているデータベースに基づいて、ノードにおけるユーザの感情を推定してもよい。この場合、推定部132は、例えば、判定ツリー中のある領域においてキーワードの出現に偏りがある場合、その領域に含まれるノードにおける感情を、偏って出現するキーワードに対応する感情であると推定してもよい。例えば、推定部132は、特定の感情に対応付けられたキーワードが、他の感情に対応付けられたキーワードと比較して所定の割合以上に多く出現する領域に含まれるノードにおけるユーザの感情を、その特定の感情と推定してもよい。
【0036】
また、推定部132は、判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情の推定に、例えば、そのノードが過去に使用された際のユーザの発話に関する情報を用いてもよい。この場合、推定部132は、例えば、過去にノードが使用された際のユーザの発話の抑揚が小さい場合やユーザの発話のテンポが悪い場合、そのノードにおけるユーザの感情はネガティブであると推定してもよい。なお、過去のユーザの発話に関する情報を用いる場合、取得部131は、予め応答生成サーバ30から過去のユーザの発話に関する情報を取得する。このとき、記憶部120は、取得部131により応答生成サーバ30から取得した過去のユーザの発話に関する情報を記憶する。なお、推定部132がユーザの感情を推定する処理は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、推定部132は、あるノードに対応する発話から他のノードに対応する発話へと会話が移るまでの時間、会話に対応するノードを結んだ経路などに基づいて、ユーザの感情を推定してもよい。また、推定部132は、各ノードに対し、感情の分類ごとに算出されるスコアを付与し、かかるスコアに基づいてユーザの感情を推定してもよい。また、推定部132は、接続された複数のノードと対応する会話について言語解析を行い、かかる言語解析の結果に基づいて、かかる会話を行っている際のユーザの感情を推定し、推定したユーザの感情を、処理対象としたノードにおけるユーザの感情としてもよい。
【0037】
(提示部133)
提示部133は、推定部が推定したユーザの感情を示す感情情報を、前記会話中に出力される広告の広告主へ提示する。例えば、提示部133は、対話エージェントシステム1を利用するユーザの感情として推定部132により推定される感情情報を含む判定ツリーを広告主端末60へ提示する。
【0038】
ここで、
図5に、第1の実施形態にかかる提示部133によって広告主端末60へ提示される広告主ページの一例を示す。提示部133は、広告主ページW10に、応答生成サーバ30から取得した判定ツリーと、判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情として推定される感情情報とを掲載する。
図5に示す例において、ノードID「N101」の検出ブロック「“天気”検出」から、ノードID「N112」の動作ブロック「“C店で紅茶はいかがですか?”検出」までの12つのノードが、広告主ページW10に掲載される。そして、
図5に示す例では、N104、N106、N107の3つのノードがユーザの感情がポジティブであると推定されるノードとして掲載され、N105、N108〜N112の6つのノードがユーザの感情がネガティブであると推定されるノードとして掲載される。具体的には、提示部133は、広告主ページW10において、ユーザの感情がポジティブであると推定されるN104、N106、N107を含む領域R11を点線で囲み、文字“ポジティブ”とともに提示する。また、提示部133は、広告主ページW10において、ユーザの感情がネガティブであると推定されるN105、N108〜N112を含む領域R12を点線で囲み、文字“ネガティブ”とともに提示する。このように、提示部133は、対応する感情ごとに識別可能にクラスタリングしたノードを感情情報とともに提示する。これにより、ユーザは各ノードがどの感情に対応するかを視認しやすくなる。なお、提示部133は、対応する感情ごとにノードを識別可能に提示できればよく、例えば、対応する感情ごとにノードの色を変えて提示したり、ノードごとに感情情報を表示したりしてもよい。また、ここでは図示することは省略するが、広告主ページW10において、広告主が領域R11又は領域R12のノードを選択した場合、入札情報を登録する入札ページを広告主端末60へ提示する。広告主は、入札ページを用いて追加する新たなノードや入札価格等の情報を入力することにより入札を行う。
【0039】
(受付部134)
受付部134は、所定の入札ページを介して、入札情報を広告主端末60から受信する。その後、受付部134は、落札が決定した広告主から受け付けた入札情報に含まれる広告に関する新たなノードである動作ノード等の情報を基に判定ツリーを更新する。ここで、受付部134が受けた入札情報に含まれる新たなノードは、判定ツリーへ追加されるかについての判定が行われる。これにより、受付部134は、追加を行ってよいと判定された新たなノードのみを判定ツリーへ追加するため、使用すべきでない表現を含む等を不適切なノードが追加されることを防止できる。例えば、受付部134は、受け付けた入札情報の新たなノードを追加するかの判定を行ってもよい。また、入札装置100の管理者等が、登録された複数の入札情報の中から、判定ツリーに追加を行う新たなノードを決定して、判定ツリーへの追加を行ってもよい。このとき、受付部134や管理者は、新たなノードに基づいて判定を行ってもよく、また入札価格に基づいて判定を行っても、入札情報に含まれる種々の情報を総合して判定を行ってもよい。なお、入札情報の登録が認められた広告主には、適宜の手段によりその広告主が追加した新たなノードの追加の可否に関する結果を通知してもよい。
【0040】
図6は、
図5に示す例において更新された判定ツリーを示しており、広告主ページW10においてユーザの感情がポジティブであると推定される領域R11のN104の接続先ノードとして新たにN113が追加されている。具体的には、ノードID「N113」の動作ブロック「“小説「XYZ」はいかがですか?”」が追加される。この判定ツリーを用いることにより、ユーザの感情がポジティブであると推定される対話の流れにおいて、“小説「XYZ」はいかがですか?”という広告が出力することが可能となる。
【0041】
(送信部135)
送信部135は、その更新した判定ツリーを応答生成サーバ30へ送信する。そして、送信部135から判定ツリーを受信した応答生成サーバ30は、受信した判定ツリーに基づいて、ユーザの発話である入力メッセージに対して、ユーザへ返す応答メッセージを決定する。
【0042】
〔4.入札処理手順〕
次に、
図7を用いて、第1の実施形態に係る対話エージェントシステム1による入札処理の手順について説明する。
図7は、第1の実施形態に係る対話エージェントシステム1による入札処理手順を示すシーケンス図である。
【0043】
図7に示すように、入札装置100は、応答生成サーバ30がユーザとの対話に用いている対話のルールに関する情報である判定ツリーを応答生成サーバ30から取得する(ステップS101)。この場合、入札装置100は、取得した判定ツリーを記憶部120に格納する。
【0044】
そして、入札装置100は、取得した判定ツリーに基づいて、その判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情を推定する(ステップS102)。そして、入札装置100は、対話エージェントシステム1を利用するユーザの感情として推定される感情情報を含む判定ツリーを提示する(ステップS103)。
【0045】
続いて、入札装置100は、所定の入札ページを介して、広告主端末60から新たなノードを含む入札情報を受信する(ステップS104)。
【0046】
続いて、入札装置100は、広告主端末60から受信した新たなノードを含んだ判定ツリーを生成し(ステップS105)、新たなノードを含んだ判定ツリーを応答生成サーバ30へ送信する(ステップS106)。その後、応答生成サーバ30は、入札装置100から受信した新たなノードを含んだ判定ツリーに基づいて、ユーザの発話である入力メッセージに対して、ユーザへ返す応答メッセージを決定し、音声サービスを提供する(ステップS107)。
【0047】
〔5.変形例〕
上述した第1の実施形態に係る対話エージェントシステム1は、上記第1の実施形態以外にも様々な異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の対話エージェントシステム1を変形した実施形態について説明する。
【0048】
〔5−1.広告主の業種に応じた提示内容の変動〕
上記第1の実施形態では、入札装置100の提示部133が、対話エージェントシステム1を利用するユーザの感情として推定部132により推定される感情情報を含む判定ツリーを広告主端末60へ提示した。しかし、提示部133は、広告主の業種に応じて、ユーザが所定の感情であると推定される会話の領域を変動させる。
【0049】
図8は、提示部133によって業種が製薬会社である広告主の広告主端末60へ提示される広告主ページの一例を示す。ここで、入札装置100において、業種「製薬会社」は、感情“ネガティブ”と関連付けられているものとする。提示部133は、広告主ページW20に、応答生成サーバ30から取得した判定ツリーと、判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情として推定される感情情報とを掲載する。
図8に示す例において、
図5に示す広告主ページW10と同様に、広告主ページW20には、N101〜N112までの12つのノードが掲載される。
【0050】
ここで、
図8に示す例では、N105、N108〜N112の6つのノードがユーザの感情がネガティブであると推定されるノードとして掲載される。具体的には、提示部133は、広告主ページW20において、ユーザの感情がネガティブであると推定されるN105、N108〜N112を含む領域R21を点線で囲み、文字“ネガティブ”とともに提示する。このように、提示部133は、ユーザの感情“ネガティブ”に対応するノードをクラスタリングして感情情報とともに識別可能に表示する。一方で、
図8に示す例では、N104、N106、N107の3つのノードがユーザの感情がポジティブであると推定されない。具体的には、提示部133は、広告主ページW10において、ユーザの感情がポジティブであると推定されるN104、N106、N107もユーザの感情は推定されていない他のノードを同様の表示態様で提示する。これにより、広告主の業種に応じて、ユーザが所定の感情であると推定される会話の領域を変動させ、広告主の業種ごとに識別可能に提示する領域を出し分けることにより、広告主の業種に応じて広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0051】
図9は、
図8に示す例において更新された判定ツリーを示しており、広告主ページW20においてユーザの感情がネガティブであると推定される領域R21のN109の接続先ノードとして新たにN114が追加されている。具体的には、ノードID「N114」の動作ブロック「“風邪薬Mはいかがですか?”」が追加される。この判定ツリーを用いることにより、ユーザの感情がネガティブであると推定される対話の流れにおいて、“風邪薬Mはいかがですか?”という広告が出力することが可能となる。なお、
図8に示す例において、入札装置100は、製薬会社である広告主に対して、ユーザの感情がネガティブと推定されるノードを識別可能に提示したが、どの感情について識別可能に提示するかは、広告主自身に選択させてもよい。また、入札装置100は、広告主の業種に応じて、どの感情について識別可能に提示することを希望するかを推定してもよい。この場合、入札装置100は、広告主の業種が病院や葬儀社などであれば、ユーザの感情がネガティブと推定される会話において、広告を出力することを希望する業種の広告主であると推定してもよい。
【0052】
〔5−2.入札価格の提示〕
上記第1の実施形態では、入札装置100の提示部133が、対話エージェントシステム1を利用するユーザの感情として推定部132により推定される感情情報を含む判定ツリーを広告主端末60へ提示した。しかし、提示部133は、対話エージェントシステム1を利用するユーザの感情として推定される感情情報を含む判定ツリーとともに、所定の領域に含まれる会話中に広告を出力するための入札価格に関する情報を提示してもよい。
【0053】
ここで、
図10に、提示部133によって広告主端末60へ提示される広告主ページの一例を示す。提示部133は、広告主ページW30に、ユーザの感情として推定される感情情報を含む判定ツリーとともに入札価格を掲載する。
図10に示す例において、
図5に示す広告主ページW10と同様に、広告主ページW30には、N101〜N112までの12つのノードが掲載される。そして、
図10に示す例では、N104、N106、N107の3つのノードがユーザの感情がポジティブであると推定されるノードとして掲載され、N105、N108〜N112の6つのノードがユーザの感情がネガティブであると推定されるノードとして掲載される。具体的には、提示部133は、広告主ページW30において、ユーザの感情がポジティブであると推定されるN104、N106、N107を含む領域R31を点線で囲み、文字“ポジティブ”とともに提示する。また、提示部133は、広告主ページW30において、ユーザの感情がネガティブであると推定されるN105、N108〜N112を含む領域R32を点線で囲み、文字“ネガティブ”とともに提示する。このように、提示部133は、対応する感情ごとに識別可能にクラスタリングしたノードを感情情報とともに提示する。
【0054】
そして、
図10に示す例では、提示部133は、領域R31中に文字“ポジティブ”とともに、“参考登録料:○万円”、“参考料金:△△円/1回”という入札価格に関する情報を提示する。なお、上記の入札価格に関する情報は、領域R31に新たなルールを追加するために必要な参考価格となり、この情報を基に広告主が入札情報を登録する。また、提示部133は、領域R32に文字“ネガティブ”とともに、“参考登録料:□万円”、“参考料金:☆☆円/1回”という入札価格に関する情報を提示する。これにより、広告主は、入札価格を基に入札情報を登録するかどうかを判断できる。なお、提示部133が提示する入札価格に関する情報は、上記に限らず、例えば、期間を限定した入札を受け付ける場合は“○○万円/1ヶ月”を提示するなど、入札条件によって適宜変更可能である。また、提示部133は、即決する登録料及び料金を入札価格として提示してもよい。この場合、受付部134は、所定の入札ページを介して、広告主から入札の意思と広告に関する情報とを含む入札情報を受け付ける。
【0055】
〔5−3.入札価格〕
ここで、入札装置100は、提示部133により提示する入札価格を、その領域に含まれる会話の価値に応じて算出してもよい。例えば、入札装置100は、使用された回数の多いルールを含む領域の入札価格を他の領域の入札価格よりも高額に設定してもよい。
【0056】
また、入札装置100は、提示部133により提示する入札価格を、その領域におけるユーザの感情に応じて算出してもよい。例えば、入札装置100は、ユーザの感情がポジティブと推定される領域についての入札価格を、ユーザの感情がポジティブと推定される領域についての入札価格よりも高額に設定してもよい。また、入札装置100は、ユーザの感情がネガティブと推定される領域において広告を出力することを希望する広告主に対しては、ユーザの感情がネガティブと推定される領域について、他の広告主よりも高額な入札価格を提示してもよい。
【0057】
〔5−4.キーワードに基づく広告の抽出〕
また、上記第1の実施形態では、入札装置100は、判定ツリーを更新して応答生成サーバ30へ送信する。しかし、入札装置100は、広告情報をその都度応答生成サーバ30へ送信してもよい。この場合、入札装置100は、入札を希望する感情、広告出力を希望するキーワード、出力を希望する広告情報、例えば料金/1回につきに関する入札価格が含まれる入札情報を受け付けてもよい(
図11参照)。つまり、入札装置100は、各感情についてキーワードごとに広告の入札を受け付ける。また、この場合、入札装置100は、登録された入札情報の中から指定された感情に対応する入札情報を抽出する抽出部と備えてもよい。
【0058】
ここで、入札装置100の受付部134が広告出力を希望するキーワードを含む入札情報を受け付けた後の処理について説明する。まず、取得部131は、ユーザが対話エージェントシステムと会話している場合、取得した時点の対話において使用されているノードに関する情報や、ユーザに関する情報を応答生成サーバ30から取得する。この場合、ユーザに関する情報には、ユーザの発話の内容に関する情報、例えばテキスト情報が含まれる。そして、図示しない抽出部は、受付部134により受け付けた入札情報の中で、取得した時点の対話において使用されているノードにおいて推定される感情と一致する感情情報に対応する入札情報を抽出する。ここで、抽出された入札情報のキーワードがユーザの発話の内容に関する情報中に含まれている場合、送信部135は、その抽出された入札情報における広告情報を応答生成サーバ30へ送信する。その後、応答生成サーバ30は、受信した広告情報を基づいて広告を出力する。これにより、広告主は、自身の希望する感情とキーワードとの両方が対応する対話において広告を出力することができ、ユーザに訴求力の高い広告を出力することができる。また、送信部135は、ユーザの発話の内容に関する情報が抽出された入札情報のキーワードに関連する場合、抽出された入札情報における広告情報を応答生成サーバ30へ送信してもよい。ここでいう、キーワードに関連するとは、例えば、キーワードが“キーマ”である場合、“インド料理”や“カレー”や“ラッシー”など、そのキーワードの意味に関連する意味を有するワードがユーザの発話の内容に関する情報中に含まれていること等をいう。また、入札情報のキーワードは、検出ノードにおいて検出に用いるワードと関連付けてもよい。この場合、入札装置100は、入札情報のキーワードと取得した時点の対話において使用されている検出ノードにおいて検出に用いるワードとが、所定の条件を満たす場合、例えば、一致または関連する場合、上記の処理を行ってもよい。
【0059】
〔5−5.装置構成〕
また、
図4に示した入札装置100は、記憶部120を有しなくてもよい。具体的には、入札装置100は、記憶部120を保持するデータベースサーバと接続されてもよい。
【0060】
〔5−6.効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る入札装置100は、推定部132と、提示部133とを有する。推定部132は、ユーザと対話する対話エージェントシステムにおいて、当該対話エージェントシステムと会話を行う場合のユーザの感情を推定する。提示部133は、推定部132が推定したユーザの感情を示す感情情報を、会話中に出力される広告の広告主へ提示する。
【0061】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0062】
また、第1の実施形態に係る入札装置100は、受付部134を有する。受付部134は、提示部133により提示された感情情報に応じた広告を、広告主から受け付ける。
【0063】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、感情情報に応じた広告を広告主から受け付けることができる。
【0064】
また、第1の実施形態に係る入札装置100において提示部133は、対話エージェントシステムとの会話のうち、ユーザが所定の感情であると推定される会話の領域を感情情報とともに広告主へ提示する。
【0065】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0066】
また、第1の実施形態に係る入札装置100において提示部133は、ユーザの感情がポジティブであると推定される領域と他の領域とを識別可能に広告主へ提示する。
【0067】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、ユーザはどの領域のノードがポジティブな感情に対応するかを視認しやすくなり、広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0068】
また、第1の実施形態に係る入札装置100において提示部133は、ユーザの感情がネガティブであると推定される領域と他の領域とを識別可能に広告主へ提示する。
【0069】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、ユーザはどの領域のノードがネガティブな感情に対応するかを視認しやすくなり、広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0070】
また、第1の実施形態に係る入札装置100において提示部133は、ユーザが所定の感情であると推定される領域同士をクラスタリングすることにより、所定の感情に対応する領域を提示する。
【0071】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、ユーザは各ノードがどの感情に対応するかを視認しやすくなり、広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0072】
また、第1の実施形態に係る入札装置100において提示部133は、広告主の業種に応じて、ユーザが所定の感情であると推定される会話の領域を変動させる。
【0073】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、広告主ごとに識別可能に提示する領域を出し分けることにより、広告主の業種に応じて広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0074】
また、第1の実施形態に係る入札装置100において提示部133は、領域に含まれる会話中に広告を出力するための入札価格を提示する。
【0075】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、広告主は入札価格を基に入札するかどうかを判断できるため、広告主の業種に応じて広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0076】
また、第1の実施形態に係る入札装置100において提示部133は、領域に含まれる会話の価値に応じて算出される入札価格を提示する。
【0077】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、広告主は入札価格を基に入札するかどうかを判断できるため、広告主の業種に応じて広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0078】
また、第1の実施形態に係る入札装置100において提示部133は、領域に対応するユーザの感情に応じて算出される入札価格を提示する。
【0079】
これにより、第1の実施形態に係る入札装置100は、広告主は入札価格を基に入札するかどうかを判断できるため、広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0080】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態において説明したように、対話エージェントシステム1では、取得部131により応答生成サーバ30から取得した判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情を推定する。すなわち、対話エージェントシステム1では、判定ツリーという過去のユーザとの対話等により生成された情報から推定されるユーザの感情に基づいて入札サービスを提供している。そこで、第2の実施形態では、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報から推定されるユーザの感情に基づく入札サービスを提供する例について説明する。なお、第2の実施形態に係る対話エージェントシステムの構成は、
図3に示した構成と同様であるので、以下では説明を省略する。
【0081】
〔1.入札処理〕
まず、
図11に示す例を用いて第2の実施形態に係る入札処理について説明する。
図11に示すように、入札装置200は、推定されるユーザの各感情に対する入札一覧情報を広告主へ提示する(ステップS21)。
図11に示す例において、入札装置200は、感情“ポジティブ”について、出力を希望する広告情報が“A店のカレーおいしいよ”であり、現在の入札価格が料金/1回につき“○○円”であることを提示する。また、入札装置200は、感情“ネガティブ”について、出力を希望する広告情報が“葬儀ならF社へご相談ください”であり、現在の入札価格が料金/1回につき“□□円”であることを提示する。なお、入札価格は、上記に限らず、例えば、期間を限定した入札を受け付ける場合は“○○万円/1ヶ月”を提示するなど、入札条件によって適宜変更可能である。
【0082】
続いて、入札装置200は、広告主から入札情報を受け付ける(ステップS22)。このとき、受け付ける入札情報としては、入札を希望するユーザの感情、出力を希望する広告情報、例えば料金/1回につきに関する入札価格等が含まれる。そして、入札装置200は、受け付けた入札価格が現在の入札価格を上回る場合、広告一覧情報において対応する感情の欄の情報を受け付けた入札情報により更新する。
【0083】
そして、ユーザが対話エージェントシステムと会話している場合(ステップS23)、応答生成サーバ30は、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報を入札装置200へ送信する(ステップS24)。ここで、ユーザに関する情報には、ユーザの発話から取得した音声情報が含まれる。その後、入札装置200は、応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報に基づいてユーザの感情を推定する。このとき、入札装置200は、例えば、ユーザの発話の抑揚が小さい場合やユーザの発話のテンポが悪い場合、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザの感情はネガティブであると推定してもよい。そして、入札装置200は、入札一覧情報の中で、ユーザに関する情報から推定される感情と一致する感情に対応する入札情報を抽出する(ステップS25)。入札一覧情報の中にユーザに関する情報から推定される感情と一致する感情がある場合、入札装置200は、抽出された入札情報における広告情報を応答生成サーバ30へ送信する(ステップS26)。その後、応答生成サーバ30は、受信した広告情報の広告をユーザに対して出力する。具体的には、ユーザに関する情報から推定される感情がポジティブである場合、入札装置200は、入札一覧情報中に感情“ポジティブ”に対応する入札情報があるため、感情“ポジティブ”の広告情報“A店のカレーおいしいよ”を応答生成サーバ30へ送信する。そして、応答生成サーバ30は、適宜のタイミングで“A店のカレーおいしいよ”をユーザに対して出力する。
【0084】
このように、第2の実施形態に係る入札装置200が推定されるユーザの感情ごとに入札を受け付けて、応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報から推定されるユーザの感情と一致する広告情報を応答生成サーバ30へ送信する。そのため、対話エージェントシステムは、判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報から推定されるユーザの感情に基づく広告をユーザへ出力することが可能となる。具体的には、入札装置200は、広告主に推定したユーザの感情を示す感情情報を提示することができる。これにより、入札装置200は、推定されるユーザの感情に対して広告の入札を広告主から受け付けることができる。これにより、入札装置200は、広告の効果を向上させる入札を受け付けることができる。つまり、入札装置200は、適切なタイミングでユーザに訴求力の高い広告を出力することを可能にする。なお、入札装置100は、応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報から推定されるユーザの感情と類似又は所定の対応関係にある入札情報における広告情報を応答生成サーバ30へ送信してもよい。
【0085】
〔2.入札装置の構成〕
次に、
図12を用いて、第2の実施形態に係る入札装置200の構成について説明する。
図12は、実施例に係る入札装置200の構成例を示す図である。
図12に示すように、入札装置200は、通信部110と、記憶部220と、制御部230とを有する。なお、以下では、
図4に示す第1の実施形態に係る入札装置100と重複する説明は省略する。
【0086】
(記憶部220)
記憶部220は、例えば、
図11に示すような広告主により登録された入札情報に基づいた入札一覧情報や応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報等を記憶する。
【0087】
図12に示すように、制御部230は、取得部231と、推定部232と、提示部233と、受付部234と、送信部235と、抽出部236とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、
図12に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、
図12に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0088】
(取得部231)
取得部231は、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報を応答生成サーバ30から取得する。ここで、取得部231は、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報を、例えば対話が進むたび、つまりノードが遷移するたびに応答生成サーバ30から取得してもよい。
【0089】
(推定部232)
推定部232は、ユーザと対話する対話エージェントシステムにおいて、当該対話エージェントシステムと会話を行う場合のユーザの感情を推定する。例えば、推定部232は、取得部231により応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報に基づいてユーザの感情を推定する。ここで、推定部232が推定する感情は、嬉しい、怒っている、哀しい、楽しい等、人間の感情の分類に沿って種々の適宜設定可能である。以下では、推定部232が推定する感情をポジティブ及びネガティブの2種類として説明する。この場合、推定部232は、例えば、ユーザの発話の抑揚が大きい場合やユーザの発話のテンポが良い場合、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザの感情はポジティブであると推定してもよい。なお、取得部231が対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザの感情を取得する場合、推定部232は、取得部231が取得したユーザの感情に関する情報を用いてもよい。このとき、記憶部220は、取得部231により応答生成サーバ30から取得したユーザの感情に関する情報を記憶する。
【0090】
(提示部233)
提示部233は、推定部が推定したユーザの感情を示す感情情報を、前記会話中に出力される広告の広告主へ提示する。例えば、提示部233は、推定されるユーザの各感情に対する入札一覧情報を広告主端末60へ提示する。
図11に示す例において、提示部233は、感情“ポジティブ”について、出力を希望する広告情報が“A店のカレーおいしいよ”であり、現在の入札価格が料金/1回につき“○○円”であることを提示する。また、提示部233は、感情“ネガティブ”について、出力を希望する広告情報が“葬儀ならF社へご相談ください”であり、現在の入札価格が料金/1回につき“□□円”であることを提示する。なお、入札価格は、上記に限らず、例えば、期間を限定した入札を受け付ける場合は“○○万円/1ヶ月”を提示するなど、入札条件によって適宜変更可能である。
【0091】
ここでは図示することは省略するが、提示部233は、入札情報を登録する入札ページを広告主端末60へ提示する。広告主は、入札を希望するユーザの感情、出力を希望する広告情報、例えば料金/1回につきに関する入札価格等が含まれる入札情報を入力することにより入札を行う。
【0092】
(受付部234)
受付部234は、所定の入札ページを介して、入札情報を広告主端末60から受信する。
図11に示す例において、受付部234が受け付ける入札情報としては、入札を希望する感情、出力を希望する広告情報、例えば料金/1回につきに関する入札価格が含まれる。そして、入受付部234は、受け付けた入札価格が現在の入札価格を上回る場合、広告一覧情報における対応する感情の欄を受け付けた入札情報により更新する。
【0093】
(送信部235)
送信部235は、
図11に示す例における広告一覧情報中で、以下に説明する抽出部236により抽出された入札情報における広告情報を応答生成サーバ30へ送信する。そして、応答生成サーバ30は、ユーザに対して適宜のタイミングで、送信部235から受信した広告情報の広告を出力する。
【0094】
(抽出部236)
抽出部236は、取得部231により取得されたユーザに関する情報に基づいて推定されるユーザの感情と、ユーザが行っている会話について推定部232が推定した感情との比較結果に基づいて、会話中に出力される広告を抽出する。つまり、本実施形態において、抽出部236は、
図11に示す例における入札一覧情報の中で、推定部232により推定される感情と一致する感情に対応する入札情報を抽出する。したがって、入札一覧情報の中にユーザに関する情報から推定される感情と一致する感情がある場合、上述したように、送信部235は、抽出部236により抽出された入札情報における広告情報を応答生成サーバ30へ送信する。具体的には、ユーザに関する情報から推定される感情がネガティブである場合、抽出部236は、入札一覧情報中に感情“ネガティブ”に対応する入札情報を抽出する。そして、送信部235は、感情“ネガティブ”の広告情報“葬儀ならF社へご相談ください”を応答生成サーバ30へ送信する。その後、応答生成サーバ30は、適宜のタイミングで“葬儀ならF社へご相談ください”をユーザに対して出力する。
【0095】
〔3.入札処理手順〕
次に、
図13を用いて、第2の実施形態に係る対話エージェントシステムによる入札処理の手順について説明する。
図13は、第2の実施形態に係る対話エージェントシステムによる入札処理手順を示すシーケンス図である。
【0096】
図12に示すように、入札装置200は、対話エージェントシステムを利用するユーザの感情として推定される感情情報を含む入札一覧情報を広告主へ提示する(ステップS201)。続いて、入札装置200は、広告主端末60から広告情報を含む入札情報を受け付ける(ステップS202)。
【0097】
そして、ユーザが対話エージェントシステムと会話している場合(ステップS203)、応答生成サーバ30は、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報を入札装置200へ送信する(ステップS204)。ここで、ユーザに関する情報には、ユーザの発話から取得した音声情報が含まれる。
【0098】
続いて、入札装置200は、応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報に基づいてユーザの感情を推定する。そして、入札装置200は、入札一覧情報の中で、ユーザに関する情報から推定される感情と一致する入札情報を抽出する(ステップS205)。
【0099】
入札一覧情報の中にユーザに関する情報から推定される感情と一致する感情がある場合、入札装置200は、その感情に対応する入札情報における広告情報を応答生成サーバ30へ送信する(ステップS206)。その後、応答生成サーバ30は、受信した広告情報を反映させ、音声サービスを提供する(ステップS207)。具体的には、応答生成サーバ30は、ユーザに対して適宜のタイミングで、入札装置200から受信した広告情報の広告を出力する。
【0100】
〔4.変形例〕
上述した第2の実施形態に係る対話エージェントシステムは、上記第2の実施形態以外にも様々な異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記第2の実施形態に係る対話エージェントシステムを変形した実施形態について説明する。
【0101】
〔4−1.キーワードに応じた広告出力〕
上記第2の実施形態では、入札装置200の受付部234は、入札を希望する感情、出力を希望する広告情報、例えば料金/1回につきに関する入札価格が含まれる入札情報を受け付ける。しかし、受付部234は、上記のような感情や広告情報に加えて、広告出力を希望するキーワードも受け付けてもよい。この場合、
図11に示す例における入札一覧情報には各入札に対応するキーワードが含まれる。つまり、受付部234は、各感情についてキーワードごとに広告の入札を受け付けることができる。
【0102】
ここで、受付部234が広告出力を希望するキーワードを含む入札情報を受け付けた後の処理について説明する。まず、取得部231は、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報を応答生成サーバ30から取得する。この場合、取得部231により応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報には、ユーザの発話の内容に関する情報、例えばテキスト情報が含まれる。そして、推定部232は、取得部231が取得したユーザに関する情報に基づいてユーザの感情を推定する。そして、抽出部236は、入札一覧情報の中で、推定部232により推定される感情と一致する感情情報に対応する入札情報を抽出する。ここで、抽出された入札情報のキーワードがユーザの発話の内容に関する情報中に含まれている場合、送信部235は、その抽出された入札情報における広告情報を応答生成サーバ30へ送信する。その後、応答生成サーバ30は、受信した広告情報を基づいて広告を出力する。これにより、広告主は、自身の希望する感情とキーワードとの両方が対応する対話において広告を出力することができ、ユーザに訴求力の高い広告を出力することができる。また、送信部235は、ユーザの発話の内容に関する情報が抽出された入札情報のキーワードに関連する場合、抽出された入札情報における広告情報を応答生成サーバ30へ送信してもよい。ここでいう、ユーザの発話の内容に関する情報がキーワードに関連するとは、例えば、キーワードが“キーマ”である場合、“インド料理”や“カレー”や“ラッシー”など、そのキーワードの意味に関連する意味を有するワードがユーザの発話の内容に関する情報中に含まれていること等をいう。
【0103】
〔4−2.効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係る入札装置200は、取得部231と、推定部232と、提示部233と、抽出部236とを有する。取得部231は、対話エージェントシステムと会話しているユーザに関する情報を取得する。推定部232は、ユーザと対話する対話エージェントシステムにおいて、当該対話エージェントシステムと会話を行う場合のユーザの感情を推定する。提示部233は、推定部232が推定したユーザの感情を示す感情情報を、会話中に出力される広告の広告主へ提示する。抽出部236は、取得部231により取得されたユーザに関する情報に基づいて推定される当該ユーザの感情と、当該ユーザが行っている会話について推定部232が推定した感情との比較結果に基づいて、当該会話中に出力される広告を抽出する。
【0104】
これにより、第2の実施形態に係る入札装置200は、利用しているユーザに関する情報から推定されるユーザの感情に基づく広告をユーザへ出力することが可能し、広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0105】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、判定ツリーから推定されるユーザの感情と、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報から推定されるユーザの感情とに基づく入札サービスを提供する例について説明する。なお、第3の実施形態に係る対話エージェントシステムの構成は、
図3に示した構成と同様であるので、以下では説明を省略する。
【0106】
〔1.入札処理〕
まず、
図14に示す例を用いて第3の実施形態に係る入札処理について説明する。
図14に示すように、入札装置300は、判定ツリーを応答生成サーバ30から取得する(ステップS31)。この場合、入札装置300は、例えば判定ツリーが更新されるたびに判定ツリーを応答生成サーバ30から取得してもよい。続いて、入札装置300は、取得した判定ツリーに基づいて、その判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情を推定する。そして、入札装置300は、対話エージェントシステムを利用するユーザの感情として推定される感情情報を含む判定ツリーを提示する(ステップS32)。
図14に示す例において、入札装置300は、判定ツリーにおいてユーザの感情がポジティブであると推定される領域と、ネガティブであると判定された領域とをそれぞれ点線で囲み、その感情を表す文字とともに提示する。このとき、入札装置300は、判定ツリー全体を広告主へ提示してもよいし、感情情報を含む判定ツリーの一部を提示してもよい。
図14の例の場合、入札装置300は、ユーザの感情がポジティブであることを示す領域と、ユーザの感情がネガティブであることを示す領域とを識別可能に判定ツリーを提示する。
【0107】
続いて、入札装置300は、広告主から入札情報を受け付ける(ステップS33)。このとき、受け付ける入札情報としては、追加する新たなルールである広告に関する動作ノードの情報や入札価格に関する情報等が含まれてもよい。
【0108】
そして、ユーザ端末10が対話エージェントシステムと会話している場合(ステップS34)、応答生成サーバ30は、取得した時点の対話において使用されているノードに関する情報と、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報とを入札装置300へ送信する(ステップS35)。ここで、ユーザに関する情報には、ユーザの発話から取得した音声情報が含まれる。その後、入札装置300は、応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報に基づいてユーザの感情を推定する。このとき、入札装置300は、例えば、ユーザの発話の抑揚が小さい場合やユーザの発話のテンポが悪い場合、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザの感情はネガティブであると推定してもよい。
【0109】
そして、受け付けた入札情報に対応するノードと、取得した時点の対話において使用されているノードが一致した場合、入札装置300は、判定ツリーから推定されるユーザの感情と、ユーザに関する情報から推定される感情とを比較した結果に応じた入札情報を抽出する(ステップS36)。上記比較の結果が所定の条件を満たす場合、入札装置300は、落札が決定した広告主から受け付けた入札情報に含まれる広告に関する新たなルールである動作ノードの情報を基に判定ツリーを更新し、その更新した判定ツリーを応答生成サーバ30へ送信する(ステップS37)。なお、ここでいう、所定の条件とは、判定ツリーから推定されるユーザの感情と、ユーザに関する情報から推定される感情とが一致することであってもよい。
【0110】
このように、第3の実施形態に係る入札装置300が広告主に感情情報を含む判定ツリーを提示することができる。そのため、広告主は、自身の広告に適した会話の流れとユーザの感情とに合わせて広告を追加することができる。これにより、入札装置300は、広告の効果を向上させる入札を受け付けることができる。
【0111】
〔2.入札装置の構成〕
次に、
図15を用いて、第3の実施形態に係る入札装置300の構成について説明する。
図15は、実施例に係る入札装置300の構成例を示す図である。
図15に示すように、入札装置300は、通信部110と、記憶部320と、制御部330とを有する。なお、以下では、
図4に示す第1の実施形態に係る入札装置100や
図12に示す第2の実施形態に係る入札装置200に重複する説明は省略する。
【0112】
(記憶部320)
記憶部320は、例えば、応答生成サーバ30から取得した判定ツリーや、ユーザに関する情報や、対話エージェントシステムを利用するユーザの感情として推定される感情情報や、広告主により登録された入札情報等を記憶する。
【0113】
図15に示すように、制御部330は、取得部331と、推定部232と、提示部333と、受付部334と、送信部335と、抽出部336を有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部330の内部構成は、
図15に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部330が有する各処理部の接続関係は、
図15に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0114】
(取得部331)
取得部331は、応答生成サーバ30がユーザとの対話に用いている対話のルールに関する情報である判定ツリーを応答生成サーバ30から取得する。この場合、取得部331は、例えば判定ツリーが更新されるたびに判定ツリーを応答生成サーバ30から取得してもよい。また、取得部331は、取得した時点の対話において使用されているノードに関する情報と、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報とを応答生成サーバ30から取得する。ここで、取得部331は、取得した時点の対話において使用されているノードに関する情報と、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報とを、例えば対話が進むたび、つまりノードが遷移するたびに応答生成サーバ30から取得してもよい。
【0115】
(推定部332)
推定部332は、ユーザと対話する対話エージェントシステムにおいて、当該対話エージェントシステムと会話を行う場合のユーザの感情を推定する。例えば、推定部332は、取得部331により応答生成サーバ30から取得した判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情を推定する。また、推定部332は、取得部331により応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報に基づいてユーザの感情を推定する。つまり、推定部332は、判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情と、ユーザに関する情報に基づいたユーザの感情とを推定する。
【0116】
(提示部333)
提示部333は、推定部が推定したユーザの感情を示す感情情報を、前記会話中に出力される広告の広告主へ提示する。例えば、提示部333は、
図14に示すように、判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情として推定される感情情報を含む判定ツリーを広告主端末60へ提示する。また、提示部333は、
図4に示す提示部133と同様の機能を有する。
【0117】
ここでは図示することは省略するが、提示部333は、入札情報を登録する入札ページを広告主端末60へ提示する。広告主は、入札ページを用いて追加する新たなノードや入札価格等の情報を入力することにより入札を行う。
【0118】
(受付部334)
受付部334は、所定の入札ページを介して、入札情報を広告主端末60から受信する。また、受付部334は、
図4に示す受付部134と同様の機能を有する。
【0119】
(送信部335)
送信部335は、以下に説明する抽出部336により更新された判定ツリーを応答生成サーバ30へ送信する。そして、送信部335から判定ツリーを受信した応答生成サーバ30は、受信した判定ツリーに基づいて、ユーザの発話である入力メッセージに対して、ユーザへ返す応答メッセージを決定する。
【0120】
(抽出部336)
抽出部336は、取得部331により取得されたユーザに関する情報に基づいて推定されるユーザの感情と、ユーザが行っている会話について推定部332が推定した感情との比較結果に基づいて、会話中に出力される広告を抽出する。つまり、本実施形態において、抽出部336は、広告主が新たな動作ノードの追加を入札したノードと、取得部331により取得した使用されているノードが一致した場合、その広告主の入札した入札情報を抽出する。そして、抽出部336は、判定ツリーから推定されるユーザの感情と、ユーザに関する情報から推定される感情とを比較する。判定ツリーから推定されるユーザの感情と、ユーザに関する情報から推定される感情との比較の結果が所定の条件を満たす場合、抽出部336は、落札が決定した広告主から受け付けた入札情報に含まれる新たなルールである広告に関する動作ノードの情報を基に判定ツリーを更新する。そして、送信部335は、その更新した判定ツリーを応答生成サーバ30へ送信する。
【0121】
なお、ここでいう、判定ツリーから推定されるユーザの感情と、ユーザに関する情報から推定される感情との比較の結果についての所定の条件とは、両感情が類似することであってもよい。また、抽出部336は、取得部331により取得した使用されているノードが、広告主が新たな動作ノードの追加を入札したノードに近接している場合に、上記判定ツリーの更新処理を実行してもよい。また、両感情の比較に結果における所定の条件として、両感情が反対の関係にある場合としてもよい。例えば、判定ツリーから推定されるユーザの感情がポジティブであって、ユーザに関する情報から推定される感情がネガティブである場合、対話エージェントシステムは、病院に関する広告等をユーザへ出力してもよい。また、この場合、受付部334が広告主から受け付ける入札情報には、上記所定の条件に関する情報が含まれてもよい。
【0122】
〔3.入札処理手順〕
次に、
図16を用いて、第3の実施形態に係る対話エージェントシステムによる入札処理の手順について説明する。
図16は、第3の実施形態に係る対話エージェントシステムによる入札処理手順を示すシーケンス図である。
【0123】
図16に示すように、入札装置300は、応答生成サーバ30がユーザとの対話に用いている対話のルールに関する情報である判定ツリーを応答生成サーバ30から取得する(ステップS301)。この場合、入札装置300は、取得した判定ツリーを記憶部320に格納する。そして、入札装置300は、取得した判定ツリーに基づいて、その判定ツリー中の各ノードにおけるユーザの感情を推定する(ステップS302)。その後、入札装置300は、対話エージェントシステムを利用するユーザの感情として推定される感情情報を含む判定ツリーを提示する(ステップS303)。
【0124】
続いて、入札装置300は、所定の入札ページを介して、広告主端末60から新たなノードを含む入札情報を受信する(ステップS304)。
【0125】
そして、ユーザ端末10が対話エージェントシステムと会話している場合(ステップS305)、応答生成サーバ30は、取得した時点の対話において使用されているノードに関する情報と、対話エージェントシステムと判定ツリーに基づいて会話を行うユーザに関する情報とを入札装置300へ送信する(ステップS306)。ここで、ユーザに関する情報には、ユーザの発話から取得した音声情報が含まれる。その後、入札装置300は、応答生成サーバ30から取得したユーザに関する情報に基づいてユーザの感情を推定する。そして、広告主端末60が新たな動作ノードの追加を入札したノードと、ユーザ端末10により使用されているノードが一致した場合、入札装置300は、判定ツリーから推定されるユーザの感情と、ユーザに関する情報から推定される感情とを比較する(ステップS307)。
【0126】
判定ツリーから推定されるユーザの感情と、ユーザに関する情報から推定される感情との比較の結果が所定の条件を満たす、例えば両感情が一致する場合、入札装置300は、落札が決定した広告主から受け付けた入札情報に含まれる新たなルールである広告に関する動作ノードの情報を基に判定ツリーを生成し(ステップS308)、新たなルールを含んだ判定ツリーを応答生成サーバ30へ送信する(ステップS309)。その後、応答生成サーバ30は、入札装置300から受信した新たなノードを含んだ判定ツリーに基づいて、ユーザの発話である入力メッセージに対して、ユーザへ返す応答メッセージを決定し、音声サービスを提供する(ステップS310)。
【0127】
〔4.変形例〕
上述した第3の実施形態に係る対話エージェントシステムは、第3の実施形態以外にも様々な異なる形態にて実施されてよい。そこで、第3の実施形態に係る対話エージェントシステムを変形した実施形態について説明する。
【0128】
〔4−1.キーワードに基づく広告の抽出〕
上記第3の実施形態では、入札装置300は、判定ツリーを更新して応答生成サーバ30へ送信する。しかし、入札装置300は、広告情報をその都度応答生成サーバ30へ送信してもよい。この場合、入札装置300は、入札を希望する感情、広告出力を希望するキーワード、出力を希望する広告情報、例えば料金/1回につきに関する入札価格が含まれる入札情報を受け付けてもよい(
図11参照)。つまり、入札装置300は、各感情についてキーワードごとに広告の入札を受け付ける。
【0129】
ここで、入札装置300の受付部334が広告出力を希望するキーワードを受け付けた後の処理について説明する。まず、取得部131は、ユーザが対話エージェントシステムと会話している場合、取得した時点の対話において使用されているノードに関する情報や、ユーザに関する情報を応答生成サーバ30から取得する。この場合、ユーザに関する情報には、ユーザの発話の内容に関する情報、例えばテキスト情報が含まれる。
【0130】
ここで、抽出部336は、取得した時点の対話において使用されているノードにおいて推定される感情とユーザに関する情報から推定される感情との比較の結果が所定の条件を満たす、例えば両感情が一致する場合、次の処理を行う。抽出部336は、受付部334により受け付けた入札情報の中で、ユーザに関する情報から推定される感情と一致する感情情報に対応する入札情報を抽出する。ここで、抽出された感情に対応する入札情報のキーワードがユーザの発話の内容に関する情報中に含まれている場合、送信部335は、その抽出された感情に対応する広告情報を応答生成サーバ30へ送信する。その後、応答生成サーバ30は、受信した広告情報を基づいて広告を出力する。これにより、広告主は、自身の希望する感情とキーワードとの両方が対応する対話において広告を出力することができ、ユーザに訴求力の高い広告を出力することができる。また、入札装置300は、取得した時点の対話において使用されているノードにおいて推定される感情とユーザに関する情報から推定される感情との両方を用いて、ユーザの感情を推定しているため、より精度よくユーザの感情を推定できる。また、送信部335は、ユーザの発話の内容に関する情報が抽出された感情に対応する入札情報のキーワードに関連する場合、出された感情に対応する広告情報を応答生成サーバ30へ送信してもよい。ここでいう、キーワードに関連するとは、例えば、キーワードが“キーマ”である場合、“インド料理”や“カレー”や“ラッシー”など、そのキーワードの意味に関連する意味を有するワードが含まれていること等をいう。また、入札情報のキーワードは、検出ノードにおいて検出に用いるワードと関連付けてもよい。この場合、入札装置300は、入札情報のキーワードと取得した時点の対話において使用されている検出ノードにおいて検出に用いるワードとが、所定の条件を満たす場合、例えば一致または関連する場合、上記の処理を行ってもよい。
【0131】
〔4−2.効果〕
上述してきたように、第3の実施形態に係る入札装置300は、取得部331と、推定部332と、提示部333と、抽出部336とを有する。取得部331は、対話エージェントシステムと会話しているユーザに関する情報を取得する。推定部332は、ユーザと対話する対話エージェントシステムにおいて、当該対話エージェントシステムと会話を行う場合のユーザの感情を推定する。提示部333は、推定部332が推定したユーザの感情を示す感情情報を、会話中に出力される広告の広告主へ提示する。抽出部336は、取得部331により取得されたユーザに関する情報に基づいて推定される当該ユーザの感情と、当該ユーザが行っている会話について推定部332が推定した感情との比較結果に基づいて、当該会話中に出力される広告を抽出する。
【0132】
これにより、第3の実施形態に係る入札装置300は、自身の広告に適した会話の流れとユーザの感情とに合わせて広告をユーザへ出力することが可能し、広告の効果を向上させるための提示を行うことができる。
【0133】
(第1〜3の実施形態について)
〔1.判定情報〕
上記1〜3の実施形態では、判定情報として
図2に示すような判定ツリーを用いる。しかし、判定情報は、判定ツリーのようなツリー状に限らず、例えば、ノードマップ状であってもよい。このようなノードマップ状の判定情報を用いた場合、根ノード(
図2に示す例においてはN101に相当)は会話が始まったときのノードとなる。
【0134】
〔2.ユーザの感情について〕
上記1〜3の実施形態では、入札装置100〜300(以下、単に入札装置と記載する)は、判定ツリーの内容に基づいて、ユーザの感情が「ポジティブ」であるか、「ネガティブ」であるかを推定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。すなわち、入札装置は、ユーザの任意の感情を推定し、推定した感情を提示することができる。
【0135】
例えば、入札装置は、「快適」であるか「不快」であるかに基づいて、ユーザの感情を推定してよい。また、入札装置は、「喜び」、「怒り」、「悲しみ」、「楽しみ」等、任意の感情を推定対象としてよい。また、会話が継続することで、ユーザの感情は変化する。そこで、入札装置は、予測される会話の流れに沿って、ノードごとに推定対象となる各感情のスコアリングを行い、かかるスコアリングに基づいて、各ノードにおけるユーザの感情を推定してもよい。他にも、入札装置は、ユーザの感情を任意の次元数を有するベクトルで示し、各次元と推定対象となる感情とを紐付け、ノードごとにベクトル操作を行うことで、ユーザの感情を推定してもよい。このように、入札装置は、ユーザの感情を決めうち(すなわちトップダウン方式で)で推定してもよく、会話の流れに応じて(すなわちボトムアップ方式)で推定してもよい。
【0136】
具体的には、入札装置は、各感情に対応する評価関数を予め設定してもよい。この場合、入札装置は、例えば、各評価関数として、正規分布関数などを採用してもよく、所定の感情モデルに基づく任意の分布を採用してもよい。そして、入札装置が推定する感情としては、例えば、「喜び」、「受容」、「怒り」、「嫌悪」、「恐れ」、「驚き」、「期待」、「悲しみ」等が挙げられるが、入札装置は、列挙した感情に限らず人間の感情であればどのような分類の感情を推定してもよい。
【0137】
また、入札装置は、各評価関数を用いて、各「感情」を数値化してもよい。例えば、入札装置は、応答ノードに登録された応答から、各感情に対応する快不快の数値を算出してもよい。この場合、入札装置は、例えば、応答テキストの形態素解析や、単語のベクトル化の技術を採用してもよい。他にも、入札装置は、応答ノードと接続された検出ノードとの対応や、所定のホップ数内に存在する各ノードとの関係、それまでの快不快の数値の履歴等に基づいた補正を行ってもよい。
【0138】
また、入札装置は、重み付け関数を用いて、現在の「感情」を決定してもよい。例えば、入札装置は、所定の式を用いて、快不快の数値を統合してもよい。この場合、入札装置は、例えば、快不快の数値の総和だけではなく、快不快等の各感情に対する重み付けを用いてもよい。また、入札装置は、時間とともに感情が薄れるような忘却曲線を用いてもよい。この場合、入札装置は、例えば、重み付け関数における快不快等の各感情に対する重み付けを時間がたつにつれて次第に小さくしてもよい。また、入札装置は、快不快の数値の統合結果に基づいて、利用者の感情(例えば、快不快)を推定してもよい。また、入札装置は、各感情の数値をそのまま表示してもよいし、各感情の数値を色に対応付けて出力することで、利用者の感情のパターンを提示してもよい。この場合、入札装置は、例えばヒートマップのように、各感情の数値の高い箇所を赤色とし、数値の低い箇所を青色で提示してもよい。この場合、入札装置は、各色付けた箇所に例えば、「喜び」、「悲しみ」等の感情の文字情報をあわせて提示してもよい。また、入札装置は、例えば「喜び」の感情であれば赤色として、数値の高い箇所の彩度を高くし、数値の低い箇所の彩度を低く提示し、「悲しみ」の感情であれば青色として、数値の高い箇所の彩度を高くし、数値の低い箇所の彩度を低く提示してもよい。
【0139】
〔3.応用例〕
また、上記1〜3の実施形態では、ユーザ端末10を用いて対話エージェントシステムを利用する形態に基づいて説明したが、上記1〜3の実施形態に限らず、例えば、ユーザは、ユーザ端末10と同等の機能有するロボットに対して会話を行うことにより、対話エージェントシステムを利用してもよい。
【0140】
〔4.プログラム〕
上述してきた各実施形態に係る入札装置は、例えば
図17に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図17は、各入札装置の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0141】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0142】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網70を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網70を介して他の機器へ送信する。
【0143】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0144】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0145】
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係る入札装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、第1の実施形態の入札装置における記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網70を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0146】
〔5.その他〕
また、上記各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0147】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図4に示した取得部131と受付部134とは統合されてもよい。
【0148】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0149】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0150】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。