特許第6262644号(P6262644)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立建機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000002
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000003
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000004
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000005
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000006
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000007
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000008
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000009
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000010
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000011
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000012
  • 特許6262644-作業機械の周囲監視装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262644
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】作業機械の周囲監視装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20180104BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   G06T1/00 330B
   E02F9/26 A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-257803(P2014-257803)
(22)【出願日】2014年12月19日
(65)【公開番号】特開2016-118912(P2016-118912A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 守飛
(72)【発明者】
【氏名】古渡 陽一
(72)【発明者】
【氏名】川股 幸博
【審査官】 佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−204821(JP,A)
【文献】 特開2008−098858(JP,A)
【文献】 特開2011−004201(JP,A)
【文献】 特開2007−288328(JP,A)
【文献】 特開2001−063500(JP,A)
【文献】 特開平07−223487(JP,A)
【文献】 特開2012−222776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の周囲環境を撮影するカメラから画像を取得する周囲画像取得部と、
前記周囲画像取得部により取得された画像の中から、移動物体を検出する検出部と、
前記周囲画像取得部により取得された画像に基づいて表示画像を生成する表示画像生成部とを備えた作業機械の周囲監視装置であって、
前記周囲環境の照度に関する照度情報を取得する照度情報取得部と、
前記照度情報に基づいて、前記検出部の検出結果の表示形態を異なる複数の表示形態から選択する選択部と、を備え、
前記複数の表示形態には、前記表示画像の画像領域を分割してなる複数の第1分割領域において、前記移動物体の存在する第1分割領域の領域全体を示す注意喚起表示を表示する第1表示形態が含まれ、
前記選択部は、前記周囲環境の照度が所定閾値未満の場合には第1表示形態を選択し、
前記表示画像生成部は、前記表示画像に前記選択部で選択された表示形態に基づく前記注意喚起表示を重畳表示する、作業機械の周囲監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械の周囲監視装置において、
前記選択部は、前記周囲環境の照度が所定閾値以上の場合には、前記移動物体の一部にマークを重畳する第2表示形態を選択する、作業機械の周囲監視装置。
【請求項3】
請求項1に記載の作業機械の周囲監視装置において、
前記周囲画像取得部は複数のカメラから画像を取得し、
前記複数の第1分割領域の画像は前記複数のカメラから取得された画像に基づいて生成される、作業機械の周囲監視装置。
【請求項4】
請求項1に記載の作業機械の周囲監視装置において、
前記周囲画像取得部は複数のカメラから画像を取得し、
前記複数の第1分割領域の画像は前記複数のカメラから取得された画像であって、さらに、前記第1分割領域の各々は前記作業機械からの距離に応じて設定される複数の第2分割領域に分割され、
前記第1表示形態では、前記移動物体の存在する前記第1分割領域に前記注意喚起表示を表示するのに代えて、前記移動物体の存在する前記第2分割領域にその領域全体を示す注意喚起表示を重畳表示する、作業機械の周囲監視装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の作業機械の周囲監視装置において、
前記照度情報取得部が取得する前記照度情報は、
前記周囲画像取得部が取得した画像に基づいて算出される輝度情報と、
前記作業機械の周囲環境の照度を測定する照度センサの測定情報と、
前記所定閾値未満に対応する第1状態と前記所定閾値以上に対応する第2状態とを選択操作可能なスイッチからの状態情報と、
前記作業機械に設けられた照明装置からの点消灯情報と、
GPS衛星から受信した受信情報と、からなる群より選択される一の情報である作業機械の周囲監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の周囲監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラにより所定時刻に撮影された画像とその所定時刻より単位時間前に撮影された画像とから画面上の動ベクトルの分布を検出し、動ベクトルの分布に基づいて移動物体を検出する移動物体検出装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−129777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、動ベクトルを用いて移動物体を検出する手法を用いて、夜間など照度が低い周囲環境の中から障害物を検出する場合、移動物体の影、移動物体の光源による路面反射などのように、移動物体に追随して移動する障害物でないものも障害物として検出されることがある。従来は、照度に関係なく一定の方法で移動物体の検出結果を表示しており、これら移動物体に追随して移動する影や路面反射も障害物として表示されてしまい、ユーザにとって見づらい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明に係る作業機械の周囲監視装置は、作業機械の周囲環境を撮影するカメラから画像を取得する周囲画像取得部と、周囲画像取得部により取得された画像の中から、移動物体を検出する検出部と、周囲画像取得部により取得された画像に基づいて表示画像を生成する表示画像生成部とを備えた作業機械の周囲監視装置であって、周囲環境の照度に関する照度情報を取得する照度情報取得部と、照度情報に基づいて、検出部の検出結果の表示形態を異なる複数の表示形態から選択する選択部と、を備え、複数の表示形態には、表示画像の画像領域を分割してなる複数の第1分割領域において、移動物体の存在する第1分割領域の領域全体を示す注意喚起表示を表示する第1表示形態が含まれ、選択部は、周囲環境の照度が所定閾値未満の場合には第1表示形態を選択し、表示画像生成部は、表示画像に選択部で選択された表示形態に基づく注意喚起表示を重畳表示する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、障害物の検出結果について周囲環境の照度に応じた見易い表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1および第2の実施の形態による周囲監視装置が搭載される作業機械を模式的に示した斜視図である。
図2】作業機械の周囲環境に関する俯瞰画像について説明する図である。
図3】本発明の第1および第2の実施の形態による周囲監視装置の一構成例を示すブロック図である。
図4】障害物検出部により移動物体として検出される画像領域について説明する図である。
図5】表示方法選択部が作業機械の周囲環境の照度が所定閾値以上の場合に選択する障害物検出結果の表示方法に関する説明に用いる図である。
図6】表示方法選択部が作業機械の周囲環境の照度が所定閾値未満の場合に選択する障害物検出結果の表示方法に関する説明に用いる図である。
図7】誤報の一例を示す図である。
図8】周囲監視装置が行う処理に関するフローチャートである。
図9】表示方法選択部および表示画像生成部に関するフローチャートである。
図10】本発明の第2の実施の形態において表示方法選択部が作業機械の周囲環境の照度が所定閾値未満の場合に選択する障害物検出結果の表示方法について説明する図である。
図11】本発明の第2の実施の形態において表示方法選択部が作業機械の周囲環境の照度が所定閾値未満の場合に選択する障害物検出結果の表示方法について説明する図である。
図12】俯瞰画像以外の画像に所定画像を重畳して移動物体の位置を強調表示する変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態による作業機械の周囲監視装置について詳細に説明する。本実施の形態では、作業機械の一例として、鉱山での作業等に用いられるダンプトラックに周囲監視装置を搭載した場合について説明する。なお、以下において、「左方」とはダンプトラックの運転室から見た左方向であり、「右方」とはダンプトラックの運転室から見た右方向である。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による周囲監視装置を搭載するダンプトラック301を模式的に示した全体斜視図である。ダンプトラック301は、前面上部に運転室310を有しており、運転室310の前方にダンプトラック301の前方を撮影する前方カメラ302と、ダンプトラック301の周囲環境の照度を測定する照度センサ410と、ダンプトラック301の前方の周囲環境を照らす前照灯411が設けられている。前照灯411は、夜間だけでなく昼間でも点灯している。ダンプトラック301の左側面、たとえばダンプトラック301の左方前輪401aの上方には、ダンプトラック301の左方を撮影する左方カメラ303が設けられている。ダンプトラック301の後部、荷台403の下には、ダンプトラック301の後方を撮影する後方カメラ304が設けられている。ダンプトラック301の右側面、たとえばダンプトラック301の右方前輪401bの上方には、ダンプトラック301の右方を撮影する右方カメラ305が設けられている。前方カメラ302、左方カメラ303、後方カメラ304、および右方カメラ305は、それぞれ魚眼レンズのような広画角のレンズを有し、地表面を主に撮影するために所定の俯角をつけて設置されている。
【0010】
図1には、前方カメラ302、左方カメラ303、後方カメラ304および右方カメラ305により撮影された画像の一例が図示されている。前方画像306は、前方カメラ302により撮影される画像の一例である。左方画像307は、左方カメラ303により撮影される画像の一例である。後方画像308は、後方カメラ304により撮影される画像の一例である。右方画像309は、右方カメラ305により撮影される画像の一例である。図2(a)〜(d)に例示されるように、前方画像306、左方画像307、後方画像308および右方画像309には、それぞれ前方抽出領域601、左方抽出領域602、後方抽出領域603、右方抽出領域604が設定されている。周囲監視装置は、前方抽出領域601、左方抽出領域602、後方抽出領域603および右方抽出領域604の各画像を用いて図2(e)に示すような俯瞰画像605を生成し、俯瞰画像605を運転室310(図1)に設けられた表示モニタ(不図示)などに表示する。なお、以降の説明では、前方画像306、左方画像307、後方画像308および右方画像309のことを周囲画像306〜309と略記する。また、前方抽出領域601、左方抽出領域602、後方抽出領域603および右方抽出領域604のことを抽出領域601〜604と略記する。
【0011】
俯瞰画像605の中央にはダンプトラック301の位置を示す自車アイコン610が配置されており、自車アイコン610の上側には前方抽出領域601の各画素を座標変換して俯瞰画像とした前方変換画像606が配置されている。同様に、自車アイコン610の左側には左方抽出領域602の各画素を座標変換して俯瞰画像とした左方変換画像607が配置されており、自車アイコン610の下側には後方抽出領域603の各画素を座標変換して俯瞰画像とした後方変換画像608が配置されており、自車アイコン610の右側には右方抽出領域604の各画素を座標変換して俯瞰画像とした右方変換画像609が配置されている。前方抽出領域601、左方抽出領域602、後方抽出領域603および右方抽出領域604の形状は、前方変換画像606、左方変換画像607、後方変換画像608および右方変換画像609が図2(e)に図示したように重なることなく境界線で接するように予め定められている。自車アイコン610には、運転室310、左方前輪401a、右方前輪401bなどの位置を示す画像が含まれており、ユーザがダンプトラック301の向きを容易に判断できるようにしている。
【0012】
図3は、本発明の一実施の形態による周囲監視装置のブロック図である。周囲監視装置100は、コントローラ110と、表示モニタ111とを備える。コントローラ110は、不図示のCPU、RAM、ROMなどを有し、ROMなどに予め記憶されたプログラムを実行することにより、周囲画像取得部101、障害物検出部102、照度情報取得部103、表示方法選択部104、表示画像生成部105および速度取得部106として機能する。表示モニタ111は、図1に示した運転室310に設けられる表示モニタなどを含む。
【0013】
周囲画像取得部101は、前方カメラ302、左方カメラ303、後方カメラ304および右方カメラ305から周囲画像306〜309(図1参照)に関する画像情報を所定のフレームレートで順次取得する。周囲画像取得部101は、取得した周囲画像306〜309に関する画像情報を障害物検出部102や表示画像生成部105に出力する。
【0014】
障害物検出部102は、周囲画像取得部101により順次取得された複数の周囲画像306〜309に関する画像情報の中から作業員や自動車など、ダンプトラック301の周囲を移動する障害物を検出する。以降、障害物検出部102により検出された障害物の画像に関して、周囲画像における障害物の画像の領域を物体領域と呼ぶ。なお、障害物検出処理の詳細は後述する。
【0015】
照度情報取得部103は、ダンプトラック301の周囲環境の照度に関する照度情報を取得する。たとえば、照度情報取得部103は、図1に示した照度センサ410により測定された照度に関する出力信号を取得し、その出力信号に基づいて照度の測定結果を取得する。照度情報取得部103は、取得した照度情報を表示方法選択部104に出力する。
【0016】
表示方法選択部104は、照度情報取得部103により取得された照度情報に基づいて、障害物検出部102による検出結果を表示モニタ111に表示する方法を選択する。表示方法選択部104は、昼間のように、ダンプトラック301の周囲環境の照度が所定閾値以上であり、明るいとき、障害物検出部102により検出された物体領域を強調表示する昼間用表示方法を選択する。一方、表示方法選択部104は、夜間のように、ダンプトラック301の周囲環境の照度が所定閾値より低い場合には、誤報を防止する夜間用表示方法を選択する。ここで、所定閾値は、たとえば、昼間の作業現場で予め測定された照度の分布と、夜間の作業現場で予め測定された照度の分布とに基づいて設定され、不図示の操作部材を操作することで手動調整可能に構成してもよい。
【0017】
表示画像生成部105は、表示モニタ111に表示させる表示画像を生成し、その表示画像を表示モニタ111に出力する。具体的には、表示画像生成部105は、周囲画像取得部101により取得された周囲画像306〜309に基づいて俯瞰画像605を生成し、ダンプトラック301が走行しているときはその俯瞰画像605を表示画像として表示モニタ111に出力する。表示画像生成部105は、ダンプトラック301が発進していないとき、すなわちダンプトラック301が駐停車しているときは、障害物検出部102により検出された移動物体を示す画像を表示方法選択部104により設定された表示方法に基づいて俯瞰画像605の上に重畳させて合成画像を生成し、その合成画像を表示画像として表示モニタ111に出力する。
【0018】
速度取得部106は、ダンプトラック301の走行速度に関する速度情報を取得する。速度取得部106は、たとえば、ダンプトラック301の前輪または後輪の角速度、GPS信号などの情報を取得して、ダンプトラック301の走行速度を算出する。なお、ダンプトラック301の他の車載システムからダンプトラック301の走行速度に関する情報を取得することにしてもよい。
【0019】
(障害物検出処理)
図4(a)〜(c)は、障害物検出部102により実行される障害物検出処理について説明するための図である。図4(a)〜(c)では、ダンプトラック301の周囲環境が夜間であるものとする。図4(a)および(b)は、周囲画像取得部101により所定のフレームレートで取得された連続する2フレームの画像の一例を示す。図4(b)は、時刻t0に周囲画像取得部101により右方カメラ305から取得されたf0フレーム目の右方画像309bを示す。図4(a)は、図4(b)よりも1フレーム前、すなわちf0−1フレーム目の右方画像309aを示す。換言すると、図4(a)は、時刻t0−Δtにおいて右方カメラ305から取得した映像を処理した右方画像309aを示す。右方画像309aには、前照灯を点灯した自動車の像410aが右方抽出領域604の右端近傍に存在し、前照灯による路面反射の像410bが自動車の像410aよりも左側に存在している。なお、本明細書において路面とは、舗装された道路上の地面だけでなく、作業現場など作業機械が走行可能な地面全般を含む。f0−1フレームからf0フレームの期間Δt、すなわち時刻t0−Δtから時刻t0の期間Δtの期間に自動車は移動しており、右方画像309bでは、自動車の像411aが右方抽出領域604の中央近傍に存在している。自動車の移動に付随して路面反射の像411bも右方抽出領域604の左端近傍に移動している。
【0020】
右方画像309aおよび右方画像309bは、不図示の複数の小領域に分割されている。たとえば、右方画像309aが640×480画素で、小領域が8×8画素の領域の場合、4800個の小領域に分割されている。
【0021】
障害物検出部102は、右方画像309aの各小領域に対し右方画像309bにおける同一または周辺の位置の小領域との相関演算を行う。障害物検出部102は、それらの相関演算の結果に基づいて、右方画像309aの小領域ごとにそれぞれに最も相関が高い右方画像309bの小領域を検出する。障害物検出部102は、右方画像309aの小領域と、その小領域と最も相関が高い右方画像309bの小領域との位置関係を表す動ベクトル、すなわち、右方画像309aの各小領域の画像がそれぞれΔtの間にどの方向にどれだけ移動したかを示すベクトルを右方画像309aの各小領域ごとに算出する。障害物検出部102は、動ベクトルの方向と大きさが同一または類似である小領域には同一の移動物体の像が含まれていると判断し、それらの小領域を統合し、障害物に関する物体領域として検出する。図4(c)は、障害物検出部102により障害物として検出された自動車の物体領域412aと路面反射の物体領域412bとを図4(c)に示す。自動車の前照灯による路面反射は、自動車と共に移動しただけであり障害物ではない。このように障害物検出部102は、夜間など周囲環境の照度が低いとき、すなわち暗いとき、障害物ではない移動物体も障害物として検出することがある。
【0022】
図5は、昼間用表示方法の一例を示す。図5に例示された昼間用表示方法では、障害物検出部102により検出された物体領域に対応する俯瞰画像605上の位置に矩形枠701が重畳された合成画像700aが生成される。矩形枠701の縦横の辺の長さは、障害物検出部102により検出された各物体領域に対応する俯瞰画像605上の領域をそれぞれ枠内に含むことができる範囲で最小である。昼間は、夜間とは違い前照灯411(図1)などの灯具を点灯させたとしても周囲環境の明るさに紛れるため、路面反射等、障害物でない移動物体が検出されにくい。したがって、検出された物体領域ごとに矩形枠701を重畳することにしても、障害物でない移動物体を障害物として強調表示する誤報が起きにくい。検出された物体領域ごとに矩形枠701を表示することで、周囲の障害物の位置、個数等の情報を見易い表示態様でユーザに提供することができる。
【0023】
図6は、夜間用表示方法の一例を示す。図6に例示された夜間用表示方法では、前方変換画像606、左方変換画像607、後方変換画像608および右方変換画像609のうち、障害物検出部102により物体領域が検出された変換画像の外周を強調表示した合成画像700bが表示画像として生成される。図6の例では、前方変換画像606から、ダンプトラック301の前方を移動する自動車801、前方の自動車801の前照灯による路面反射802、ダンプトラック301の前照灯の光806によりできた前方の自動車801の影803が移動物体として検出される。また、右方変換画像609から、右方を移動する自動車804の前照灯による路面反射805が移動物体として検出される。表示画像生成部105は、前方変換画像606から自動車801、路面反射802、影803が移動物体として検出されたことに応じて、前方変換画像606の外周を強調した台形枠800aを俯瞰画像605に重畳し、合成画像700bを生成する。また、表示画像生成部105は、右方変換画像609から路面反射805が移動物体として検出されたことに応じて、右方変換画像609の外周を強調した台形枠800bを俯瞰画像605に重畳して合成画像700bを生成する。
【0024】
図7に示すように、夜間に矩形枠701を用いて障害物検出部102により検出された物体領域を強調表示すると、路面反射や影など障害物でない移動物体も障害物として強調してしまう誤報が起きるおそれがある。夜間用表示方法では、移動物体が検出された変換画像606〜609の外周を強調した注意喚起表示を行うことで、移動物体が変換画像606〜609の内側で検出されたことをユーザに通知するだけに留める。その結果、路面反射のような障害物でない画像を障害物と表示されるのを防止でき、周囲の障害物に関する情報を見易い表示態様で誤報なく提供することができる。
【0025】
図8に示すフローチャートを用いて周囲監視装置100の演算処理について説明する。ユーザがダンプトラック301の運転室310に搭乗し、ダンプトラック301を起動すると、コントローラ110は、図8のステップS201に進み、周囲画像取得部101により周囲画像306〜309に関する画像情報を取得する。周囲画像306〜309に関する画像情報を取得したコントローラ110は、ステップS202に進み、前フレームの周囲画像306〜309に関する画像情報が存在するか否かを判定する。このような判定を行うのは、障害物検出部102による動ベクトルの算出を行うためには複数の時点における周囲画像306〜309が必要であるからである。周囲画像取得部101により周囲画像306〜309に関する画像情報の取得を開始した直後は、前フレームの周囲画像306〜309が存在しないためステップS202を否定判定し、ステップS201に進んで次フレームの周囲画像306〜309に関する画像情報を取得する。次フレームの周囲画像306〜309に関する画像情報を取得したコントローラ110は、先に取得した周囲画像306〜309を前フレームの周囲画像306〜309に関する画像情報として判断し、ステップS202を肯定判定してステップS203に進む。ステップS203では、ステップS201で取得した最新の周囲画像306〜309に基づいて俯瞰画像605を生成する。
【0026】
コントローラ110は、俯瞰画像605の生成が終わると、ステップS204に進み、障害物検出部102により物体領域を検出する。すなわち、前述したように、コントローラ110は、障害物検出部102により、二つの異なるフレームの周囲画像に関してそれらの周囲画像を構成する小領域ごとに動ベクトルを算出する。算出された動ベクトルの大きさと方向が同一または類似の小領域を統合して移動物体として検出し、それらの物体領域を検出する。なお、ダンプトラック301の周辺に移動物体が存在しない場合は、物体領域は検出されない。
【0027】
ステップS204における障害物検出部102による移動物体検出処理が終わると、コントローラ110は、ステップS205に進み、障害物検出部102により物体領域が検出されたか否かを判定する。コントローラ110は、障害物検出部102により物体領域が検出されている場合、ステップS205からステップS206に進み、その物体領域が前方抽出領域601、左方抽出領域602、後方抽出領域603および右方抽出領域604のいずれかの中に含まれるか否かを判定する。物体領域が前方抽出領域601、左方抽出領域602、後方抽出領域603および右方抽出領域604のいずれかの中に含まれる場合、ステップS206からステップS207へ進む。逆に、物体領域が抽出領域601〜604に含まれていない場合は、ステップS210に進む。ステップS207では、コントローラ110は、障害物検出部102の検出結果の表示方法を表示方法選択部104により選択して、その表示方法に基づいて表示画像生成部105により合成画像701を生成し、ステップS209に進む。ステップS207における制御については、図9を用いて詳述する。ステップS209では、コントローラ110は、生成したその合成画像701を表示画像として表示モニタ111に出力する。一方、ステップS205において障害物検出部102により物体領域が検出されていないと判定されると、ステップS210に進む。ステップS210では、コントローラ110は、表示画像生成部105により、ステップS203で生成した俯瞰画像を表示画像として表示モニタ111に出力する。
【0028】
コントローラ110は、ステップS209またはステップS210において表示画像を表示モニタ111に出力すると、ステップS211に進み、速度取得部106により取得された速度情報に基づいてダンプトラック301が駐車または停車しているか否かを判定する。コントローラ110は、ダンプトラック301が駐車または停車している場合、ステップS211を肯定判定してステップS201の処理に戻る。ダンプトラック301が発進し、ダンプトラック301が移動している場合は、ステップS211を否定判定してステップS212の処理に進む。
【0029】
ステップS212では、コントローラ110は、ステップS201と同様に周囲画像取得部101により周囲画像306〜309に関する画像情報を取得する。ステップS212において画像情報を取得すると、コントローラ110は、表示画像生成部105により、ステップS213においてその画像情報を用いて俯瞰画像605を生成し、ステップS214において俯瞰画像605を表示画像として出力し、ステップS211の判定に戻る。
【0030】
図9は、図8のステップS207でコントローラ110により実行される制御に関するフローチャートである。
コントローラ110は、図8のステップS207の処理を開始すると、ステップS271に進む。ステップS271では、コントローラ110は、照度情報取得部103により照度センサ410から照度情報を取得する。ステップS272では、コントローラ110は、ステップS271で取得した照度情報に基づいて、ダンプトラック301の周囲環境の照度が所定閾値未満か否か、すなわちダンプトラック301の周囲環境が夜間のように暗いか否かを判定する。コントローラ110は、ダンプトラック301の周囲環境の照度が所定閾値未満の場合、ステップS272からステップS273に進み、障害物検出部102の検出結果の表示方法として夜間用表示方法を選択する。夜間用表示方法を選択したコントローラ110は、ステップS274に進み、前方変換画像606、左方変換画像607、後方変換画像608および右方変換画像609の各画像領域のうち、障害物検出部102により移動物体が検出された画像領域を抽出し、ステップS275に進む。ステップS275では、コントローラ110は、俯瞰画像605に対してステップS274で抽出した画像領域について台形枠を重畳して、合成画像700bを生成し、図8のステップS209に進む。
【0031】
ステップS272において、ダンプトラック301の周囲環境の照度が所定閾値以上と判定されると、コントローラ110は、ステップS276に進み、障害物検出部102の検出結果の表示方法として昼間用表示方法を選択する。昼間用表示方法を選択したコントローラ110は、ステップS277に進み、障害物検出部102により検出された各移動物体の物体領域について、俯瞰画像605上の位置および形状を算出し、その位置および形状に基づいて矩形枠701の表示位置と縦横の辺の長さを設定する。矩形枠701に関する設定をしたコントローラ110は、ステップS278に進み、ステップS277で設定した矩形枠701をそれぞれ俯瞰画像605の上に重畳させて合成画像700aを生成し、図8のステップS209に進む。
【0032】
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)第1の実施の形態による周囲監視装置100は、周囲画像取得部101と障害物検出部102と表示画像生成部105と照度情報取得部103と表示方法選択部104として機能するコントローラ110を備える。周囲画像取得部101は、作業機械、たとえばダンプトラック301の周囲環境を撮影するカメラ、たとえば前方カメラ302、左方カメラ303、後方カメラ304および右方カメラ305から周囲画像306〜309を取得する。障害物検出部102は、周囲画像取得部101により取得された複数の周囲画像306〜309の中から移動物体を検出する。表示画像生成部105は、周囲画像取得部101により取得された画像に基づいて表示画像、たとえば俯瞰画像605を生成する。照度情報取得部103は、周囲環境の照度に関する照度情報、たとえば照度センサ410の出力信号を取得する。表示方法選択部104は、その照度情報に基づいて、障害物検出部102の検出結果の表示形態を複数の表示形態の中から選択する。複数の表示形態には、俯瞰画像605の画像領域を複数に分割した複数の第1分割領域、すなわち前方変換画像606、左方変換画像607、後方変換画像608、右方変換画像609の各画像領域において、移動物体の存在する第1分割領域全体に台形枠を重畳した合成画像を表示する夜間用表示方法を含む。表示方法選択部104は、周囲環境の照度が所定閾値未満の場合には夜間用表示方法を選択する。表示画像生成部105は、表示方法選択部104により選択された表示形態に基づく注意喚起表示、たとえば矩形枠701、台形枠800aおよび800bを俯瞰画像605に重畳表示する。
したがって、障害物の検出結果についてダンプトラック301の周囲環境の照度に応じた見易い表示を行うことができる。たとえば、夜間のように周囲環境の照度が低い場合は、移動物体が検出された変換画像の画像領域全体に台形枠を重畳することで、障害物でない画像を障害物と表示されるのを防止でき、周囲環境から移動物体が障害物として検出されたか否かを見易い表示態様で提供することができる。
【0033】
(2)表示方法選択部104は、周囲環境の照度が所定閾値以上の場合、たとえば昼間のように周囲環境の照度が高い場合には、昼間用表示方法を選択する。昼間用表示方法では、たとえば障害物検出部102により検出された物体領域ごとに俯瞰画像605に矩形枠701を重畳させた合成画像700aを運転室310の表示モニタ111に表示する。したがって、作業機械の周囲の障害物の位置、個数等の情報を見易い表示態様でユーザに提供することができる。
【0034】
(3)表示方法選択部104は、周囲画像取得部101により複数のカメラ、たとえば前方カメラ302、左方カメラ303、後方カメラ304および右方カメラ305から取得された画像情報に基づいて、部分画像領域、たとえば前方変換画像606、左方変換画像607、後方変換画像608および右方変換画像609を生成する。表示方法選択部104は、周囲環境の照度が所定閾値未満の場合は、障害物検出部102により移動物体が検出された周囲画像306〜309を取得したカメラ302〜305に対応する部分画像領域、たとえば図6の前方変換画像606および右方変換画像609を強調表示する。すなわち、周囲環境の照度が低い場合には、移動物体が変換画像606〜609の内側で検出されたことをユーザに通知するだけに留める。その結果、路面反射や影のような障害物でない画像を障害物として詳細な位置を表示することを抑制することできる。
【0035】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態による周囲監視装置について説明する。第2の実施の形態による周囲監視装置は、ダンプトラック301の周辺環境の照度が所定閾値未満の場合に表示方法選択部104が選択する夜間用表示方法の内容が、第1の実施の形態における夜間用表示方法と異なる。第2の実施の形態における夜間表示方法では、前方変換画像領域606、左方変換画像領域607、後方変換画像領域608および右方変換画像領域609を、ダンプトラック301からの距離に応じて複数のブロックに分割する。そして、検出された移動物体の物体領域を含むブロックを囲う枠を重畳する注意喚起表示を行う。その結果、障害物検出部102の検出結果について、第1の実施の形態よりも詳細に情報提供することができる。
【0036】
図10では、前方変換画像606がダンプトラック301からの距離に応じて三つのブロックに分割されており、これらのブロックのことを自車アイコン610に近い方から近距離ブロック606a、中距離ブロック606b、遠距離ブロック606cと呼ぶ。左方変換画像領域607、後方変換画像領域608および右方変換画像領域609もそれぞれ同様に近距離ブロック607a〜609a、中距離ブロック607b〜609b、遠距離ブロック607c〜609cという三つに分割されている。表示画像生成部105は、各ブロックの中から移動物体が検出されたか否かを判定し、その判定結果に基づいてそのブロックを囲う枠を俯瞰画像605に重畳させるか否かを判断する。なお、前方変換画像領域606、左方変換画像領域607、後方変換画像領域608および右方変換画像領域609の分割数は、二つ以上であればよく、三つに限定しない。
【0037】
表示画像生成部105は、障害物検出部102により移動物体が検出されたブロックが隣接している場合は、それらのブロックを一塊として枠で囲う。たとえば、図11に示すように、自動車801と路面反射802が中距離ブロック606bと遠距離ブロック606cから検出された場合、表示画像生成部105は、中距離ブロック606bと遠距離ブロック606cを一塊として囲う枠820を俯瞰画像605に重畳させて合成画像700cを生成する。図11に示す合成画像700cでは、自動車804の前照灯による路面反射805が検出された近距離ブロック609aについても枠821が重畳されている。
【0038】
第2の実施の形態における周囲監視装置100の制御は、図9のステップS274およびステップS275における制御以外は、第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態では、コントローラ110は、ステップS274において、障害物検出部102により検出された移動物体の物体領域を含むブロックを抽出し、抽出されたブロックに基づいて、俯瞰画像605に重畳表示させる枠の個数や各枠で囲うブロックなどを設定する。ステップS275では、コントローラ110は、その枠に関する設定に基づいて、俯瞰画像605に枠を重畳させる。
【0039】
上述した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)変換画像606〜609の画像領域は、ダンプトラック301、より具体的には自車アイコン610からの距離に応じて複数のブロックに分割されている。表示画像生成部105は、周囲環境の照度が所定閾値未満の場合に、移動物体の存在するブロック全体を枠で囲う注意喚起表示を行う。
したがって、路面反射や影のような障害物でない移動物体について詳細な位置を誤報することを抑制しつつ、障害物である移動物体の位置について第1の実施の形態より詳細に情報を提供することができる。
【0040】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0041】
(変形例1)
上記の実施の形態では、表示画像生成部105は、昼間用表示方法において、俯瞰画像605に矩形枠701を重畳させて合成画像700aを生成したが、周囲画像に矩形枠701を重畳させて図12(d)に示すような合成画像901を生成することにしてもよい。図12(d)に示す合成画像901では、図12(c)に示す後方画像308の左右を反転させた後方鏡像画像908が下部に配置される。後方鏡像画像908の左上には、図12(a)に示す左方画像307を反時計回りに90°回転させた回転左方画像907が配置される。後方鏡像画像908の右上には、図12(b)に示す右方画像309を時計回りに90°回転させた回転右方画像909が配置される。また、回転左方画像907と後方鏡像画像908に含まれる移動物体の物体領域には、障害物検出部102により検出された物体領域を囲うように矩形枠701が重畳されている。
【0042】
また、夜間用表示方法において、表示画像生成部105は、俯瞰画像605を複数に分割した変換画像606〜609の画像領域の上に台形枠を重畳させて合成画像を生成したが、回転左方画像907、後方鏡像画像908、回転右方画像909に、それらの一部、たとえば抽出領域602〜604(図2参照)の外周を強調する枠を重畳させて合成画像を生成することにしてもよい。
【0043】
(変形例2)
上記の実施の形態では、表示画像生成部105は、俯瞰画像605や合成画像700などの表示画像を運転室310に設けられた表示モニタ111に出力している。しかし、表示画像生成部105による表示画像の出力先は、運転室310に設けられた表示モニタ111だけに限定されない。たとえば、ダンプトラック301が稼働する作業現場の状況を集中管理する外部管理センタにも表示画像を送信することにしてもよいし、外部管理センタにのみ表示画像を送信することにしてもよい。
【0044】
(変形例3)
上記の実施の形態では、周囲画像取得部101は、前方カメラ302、左方カメラ303、後方カメラ304および右方カメラ305からそれぞれ周囲画像306〜309を取得することにした。しかし、周囲画像取得部101が画像情報を取得するカメラの個数は、4個に限定しない。たとえば、運転室310から周囲環境を視認することが特に困難な右方と後方のみにカメラを設けることにしてもよいし、4台以上のカメラを設けることにしてもよい。
【0045】
(変形例4)
上記の実施の形態では、照度情報取得部103は、ダンプトラック301の周囲環境の照度に関する照度情報を照度センサ410から取得することにしたが、照度センサ410以外のものから照度情報を取得することにしてもよい。たとえば、周囲画像306〜309から輝度画像を生成し、輝度画像に含まれる画素ごとの輝度情報の平均値を照度情報として取得することにしてもよい。また、ダンプトラック301の周囲環境の照度について目測または照度計を用いて暗いか否かユーザに判断させ、ユーザの判断結果を入力操作可能な物理的なスイッチの出力信号を照度情報として取得することにしてもよい。スイッチからの出力信号では、照度が所定閾値未満の周囲環境に対応する第1状態と、照度が所定閾値以上の周囲環境に対応する第2状態とをそれぞれ表現することができる。また、GPS衛星から受信した信号を照度情報として取得することにしてもよい。
【0046】
GPS衛星から受信した信号を照度情報として取得する場合は、次のようにしてダンプトラック301の周囲環境の照度について判断することにすればよい。GPS衛星から受信した信号に基づいてダンプトラック301が位置する緯度および経度を算出し、ダンプトラック301の緯度および経度に関する情報と不図示のカレンダ部から取得した年月日情報とに基づいて日の入り時刻および日の出時刻を算出する。算出した日の入り時刻および日の出時刻を不図示のタイマ部から取得した現在日時に関する時刻情報と比較して、現在時刻が日の出後日の入り前であるか否かを判定する。現在時刻が日の出後日の入り前である場合は、周囲環境の照度が所定閾値以上であると判断し、現在時刻が日の入り後日の出前である場合は、周囲環境の照度が所定閾値未満であると判断する。
【0047】
(変形例5)
上記の実施の形態では、本発明に係る周囲監視装置を鉱山での作業等に用いられるダンプトラックに搭載した場合について説明した。しかし、本発明に係る周囲監視装置を搭載する作業機械は、鉱山での作業等に用いられるダンプトラックだけに限定されない。たとえば、通常のダンプトラック、油圧ショベル、クレーン、ホイールローダなど、他の作業機械に本発明に係る周囲監視装置を搭載することにしてもよい。なお、稼働中に前照灯などの灯具の点灯、消灯を切り替え可能な作業機械にあっては、その灯具の点灯情報、たとえばその灯具の点灯、消灯を切り替える制御信号、たとえば照明スイッチの出力信号を照度情報として用いることにしてもよい。
【0048】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
100:周囲監視装置、101:周囲画像取得部(周囲画像取得部)、102:障害物検出部(検出部)、103:照度情報取得部(照度情報取得部)、104:表示方法選択部(選択部)、105:表示画像生成部(表示画像生成部)、106:速度取得部、110:コントローラ、111:表示モニタ、301:ダンプトラック、605:俯瞰画像、700a、700b、700c:合成画像、701:矩形枠、800a、800b:台形枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12