特許第6262648号(P6262648)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262648
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】亜鉛空気蓄電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 12/08 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   H01M12/08 K
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-510947(P2014-510947)
(86)(22)【出願日】2012年5月15日
(65)【公表番号】特表2014-519152(P2014-519152A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】IL2012050172
(87)【国際公開番号】WO2012156972
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2015年5月12日
【審判番号】不服2017-2013(P2017-2013/J1)
【審判請求日】2017年2月10日
(31)【優先権主張番号】61/486,348
(32)【優先日】2011年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513287255
【氏名又は名称】フィナジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】ツィドン デケル
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドスタイン ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ヤドガー アヴィ
【合議体】
【審判長】 池渕 立
【審判官】 河本 充雄
【審判官】 結城 佐織
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3594233(US,A)
【文献】 英国特許出願公告第1212482(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M12/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛組込み構造体と、酸素発生構造体と、空気電極と、を備え、電解液により、再充電可能な亜鉛空気電池であって、
前記亜鉛組込み構造体は、前記亜鉛空気電池の充電時亜鉛成長させ、前記酸素発生構造体は、前記亜鉛空気電池の充電時酸素発生させ
前記亜鉛組込み構造体は、前記亜鉛空気電池の放電のためのアノードとして用いられ、前記空気電極は、前記亜鉛空気電池の放電のためのカソードとして用いられ、
充電の際の亜鉛樹状結晶成長の方向は、前記空気電極に向かう方向とは異なる方向となるように構成され、
記亜鉛組込み構造体が配置される平面及び前記酸素発生構造体が配置される平面は、前記空気電極が配置される平面に対して80度から98度の角度に位置付けられ
再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項2】
記亜鉛組込み構造体は、2つの酸素発生構造体の間に位置付けられ、前記亜鉛組込み構造体及び前記2つの酸素発生構造体は、2つの前記空気電極と垂直に位置付けられ、前記亜鉛組込み構造体及び前記2つの酸素発生構造体は、互いに対して平行に位置付けられる、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項3】
記酸素発生構造体は、疎水性である、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項4】
前記亜鉛空気電池は、交互の亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体の配列を備え、前記交互の亜鉛組込み構造体は、前記酸素発生構造体と平行に位置付けられる、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項5】
前記配列は、前記亜鉛組込み構造体の終端に取り付けられた第1絶縁タイバー、前記酸素発生構造体の終端に取り付けられた第2絶縁タイバー、または、前記第1絶縁タイバー及び前記第2絶縁タイバーを備える、請求項4に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項6】
記亜鉛組込み構造体および前記酸素発生構造体は、ストリップ、ロッド、ワイヤ、プレート、バー、発泡材、メッシュ、繊維、または箔の形態である、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項7】
記亜鉛組込み構造体及び前記酸素発生構造体は、多孔質である、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項8】
記酸素発生構造体は、酸素発生を促進する触媒を組み込む、または酸素発生を促進する触媒でコーティングされる、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項9】
記亜鉛組込み構造体、前記酸素発生構造体、またはそれらの組み合わせは、充電または放電の際に、アルカリ性電解液に曝される場合に、安定している材料を含む、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項10】
前記材料は、ニッケル、鋼、ステンレス鋼、炭素、銅、黒鉛、チタンまたはニッケルでコーティングされたチタンである、請求項9に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項11】
記亜鉛組込み構造体は、亜鉛コーティングまたは亜鉛めっきを含む導電性基板を備える、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項12】
記亜鉛組込み構造体は、1つの電気端子に接続され、前記酸素発生構造体は、1つの電気端子に接続され、前記空気電極は、1つの電気端子に接続される、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項13】
記亜鉛組込み構造体は、部分的に開口、多孔質または穿孔されている、請求項1に記載の再充電可能な亜鉛空気電池。
【請求項14】
請求項1に記載の亜鉛空気電池を動作する方法であって、
a.前記亜鉛空気電池の放電を提供するために、負荷に前記亜鉛組込み構造体及び記空気電極を電気的に接触し、
b.前記亜鉛空気電池の放電を停止するために、前記負荷から記亜鉛組込み構造体及び記空気電極の電気的な接触を解除し、
c.前記亜鉛空気電池の充電を提供するために、充電器に記亜鉛組込み構造体及び記酸素発生構造体を電気的に接触し、
d.前記亜鉛空気電池の充電を停止するために、前記充電器から記亜鉛組込み構造体及び記酸素発生構造体の電気的な接触を解除し、
e.任意に前記a.からd.を繰り返す、ことを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低重量、低容積、もしくはより高いエネルギーシステム、またはこれらの組み合わせである、新規の再充電可能な亜鉛空気電池および複合充電ユニットを提供する。
【背景技術】
【0002】
金属空気電池が注目すべき特性を提示し、そのため多くの重要な使用に対して好適であることが既知であり、再充電可能な亜鉛空気電池は当技術分野で周知である。1つのアプローチにおいて、蓄電池は、電流の印加によってのみ再充電されるが、亜鉛電極(実際上、妥当に限定された電解液状態で)は、反復される充電と放電のサイクルの際にコンパクトな形状を維持せず、電池を短絡させる亜鉛樹状結晶を形成し、または電極が亜鉛形状の変化を受け、亜鉛は、結果としての容量減退およびスタックの変形を伴ってプレートの下方部の上に再分布する傾向にある。
【0003】
亜鉛空気の一次的(再充電不可能な)電池が当技術分野で既知であるが、これらの電池は限定された用途を有する。二次的(再充電可能な)電池において亜鉛電極を使用することも既知であるが、そのような電池は、亜鉛電極の後に起こる酸化および減少(放電および再充電)を妨げる電池の再充電中の亜鉛樹状結晶の形成ゆえの問題を引き起こし、したがって、その間、電池が完全な充電および放電能力を提供するサイクル数を減少させる。ガス拡散型の空気電極カソードと共に亜鉛アノードを組み込む、電気的に再充電可能な亜鉛空気電池および蓄電池は、普通、アルカリ性電解液を使用し、サイクル寿命は、多くの場合、亜鉛アノードの貧弱な再充電特性によって制限される。亜鉛プレート放電製品(酸化亜鉛)は、アルカリ性電解液中で相当に可溶性であり、再生可能な方法で充電中、プレート上に亜鉛活性材料を再形成しない傾向にある。充電の際の多くの場合において、亜鉛は、制御されない様式で再形成し、正のプレート(空気カソ−ド)に向かって成長する。これは、亜鉛が正のプレート(亜鉛樹状結晶障害)全体で短絡すると、電池または蓄電池の障害を引き起こす可能性があり、いくつかの場合に、プレートの間に配設されたセパレータ層を実際に破壊し、ガス拡散空気電極を破壊さえもする。別の一般的障害の形態は、アノードの形状変化であり、亜鉛が充電/放電サイクル中、プレート上に不均一に再分布し、電池スタックの変形および究極的障害を引き起こす。これらの障害は、電池または蓄電池の寿命において必ずしも瞬間的でないが、性能の着実な衰え(例えば、容量の減退および電圧の不均一性)をもたらす可能性がある。
【0004】
年来に渡り、電気的に再充電可能な亜鉛空気システムにおいてこの欠陥を克服するための様々な試みがあったが、いずれも商業的に実行可能で、長いサイクル寿命の解決策を提供しなかった。1つのアプローチにおいて、亜鉛が、充電の際の亜鉛樹状結晶の形成または形状変化を阻止するポリマー結合剤および添加剤を使用して、定位置に結合される。別のアプローチにおいて、活性亜鉛が、アルカリ性電解液中への部分的溶解によって逃れ得る前に、亜鉛プレート放電製品(酸化亜鉛)を不溶性の形態(この場合、カルシウム亜鉛酸塩)に化学的に閉じ込める材料(例えば、酸化カルシウム)と混合される。耐久性も、樹状結晶によって究極的に破壊され、普通、電池の抵抗を増大させる、亜鉛樹状結晶に耐性のある複数層のセパレータシステムを組み込むことによって多少改善され得る。なお更なるアプローチにおいて、亜鉛活性材料が、形状変化が特に問題であるプレート縁部に再分布することを可能にするように、負のプレート上に輪郭形成され、予め分布させられ、または補助的電極がプレート縁部付近に位置付けられ、そこでの過剰な亜鉛集合を溶解させる。これらおよび他のアプローチにおいて、問題の発生は先延ばしにされるのみであって、是正されるのではない。
【0005】
亜鉛樹状結晶形成の問題を回避し、または和らげるために提案された様々な方法およびスキームのいくつかの実施例としては、例えば、電解液中で循環する球状に成形された粒子を備える、負の亜鉛電極を伴う電池構造を教示するBronoelの米国特許第4,517,258が挙げられる。粒子は、化学的耐性の芯を有し、導電性コーティングでコーティングされる。粒子は、コレクタと接触することによって充電および放電され、例えば、亜鉛沈殿物に対応するそれより負のコレクタに接触し、かつ亜鉛酸塩溶液の存在下にあるとき、亜鉛でコーティングされる。粒子は、蓄電池を通して注入されるKOH電解液中で循環する。電解液は、貯蔵タンクに排出し尽くされ、それから蓄電池を通して注入し返される。浮動する負の電極を使用することは、亜鉛樹状結晶の形成を阻止するといわれている。しかし、循環する亜鉛粒子懸濁液システムは、蓄電池に相当な重量および寄生負荷を加える。
【0006】
Iacovangeloらは、Journal of the Electrochemical Society,Volume 132(1985)の851頁で公表された、表題「Parametric Study of Zinc Deposition On Porous Carbon in a Flowing Electrolyte Cell」の論文で、再充電可能な亜鉛臭素電池における亜鉛電極のための基板として、炭素発泡材を使用することを記載する。そのような炭素発泡材を使用することは、上に低減された亜鉛が再充電および亜鉛の低減中、沈殿されてもよい拡張された表面区域、ならびにいくらかの程度の化学的不活性を電池内で発生する電気化学的反応に提供する、支持表面を提供する。しかし、亜鉛低減中の発泡材表面上の亜鉛樹状結晶の形成は、発泡材の内側表面へのアクセスを結局は妨害し、それによって、いくつかの充電および放電サイクルの後、結局は電極の容量を減少させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ゆえに、再充電可能なであり、これらの制限を被らない亜鉛空気電池を特定し、生産する必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、いくつかの実施形態において、再充電可能であり、他の亜鉛空気電池より長い寿命期間を示す、亜鉛空気電池を提供する。
【0009】
本発明は、いくつかの実施形態において、充電の際の亜鉛樹状結晶形成が亜鉛組込み電極と空気電極との間の平面に対して通常のそれとは異なる方向にある、3つの電極の再充電可能な亜鉛空気電池を提供する。
【0010】
本発明は、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体と、少なくとも1つの酸素発生構造体と、少なくとも1つの空気電極とを備える、再充電可能な亜鉛空気電池を提供し、亜鉛空気電池は、該亜鉛空気電池の充電のための第1の電極対と、亜鉛空気電池の放電のための第2の電極対とを備える。この態様によれば、充電電極対は、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体と、少なくとも1つの酸素発生構造体とを備え、放電電極対は、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体と、該少なくとも1つの空気電極とを備える。この態様によれば、一実施形態において、少なくとも1つの酸素発生構造体および少なくとも1つの空気電極は、少なくとも1つの酸素発生構造体が少なくとも1つの空気電極に対して遠位であるか、または実質的に垂直に位置付けられるように、方向付けられる。
【0011】
本明細書に記載され、そして本明細書に提供される記載および図面の概観をたどる当業者によって理解されるように、本発明は、本発明の亜鉛空気電池内における、空気カソ−ドに対する酸素発生構造体の相対的位置付けへの2つの基本的向きを企図する。
【0012】
一実施形態において、問題の亜鉛空気電池は、少なくとも3つの基本的要素を備え、その基本的要素は、単一または複数のユニット内のそのような亜鉛空気電池内に存在してもよい。そのような3つの基本的要素は、亜鉛組込み構造体と、酸素発生構造体と、空気電極とを含む。
【0013】
この態様によれば、本明細書で企図されるように、本発明の一部であると見做される亜鉛空気電池に関し、空気カソ−ドに対する酸素発生構造体の2つの相対的位置付けのうちの1つは、酸素発生構造体が常に亜鉛組込み構造体に対してより近位に位置し、したがって本明細書に定義される亜鉛空気電池内の空気電極に対してより遠位に位置するように、向きを構成する。用語「近位」および「遠位」は、相対的指示であるが、実際には、当業者によって理解されるように、3つの基本的要素が亜鉛空気電池内の相対的空間的向きの観点から定義されるため、そのような配列は、要素の位置付けが一貫する、すなわち、酸素発生構造体が亜鉛組込み構造体に対して近位であり、かつ本発明を構成するいずれの空気電池内の空気カソ−ドに対しても遠位である限り、3つの基本的要素のそれぞれの反復ユニットの形状または数に関係なく明白である。
【0014】
同様に、本発明の別の実施形態を表すと、本明細書に企図されるように、本発明の一部であると見做される亜鉛空気電池に関し、空気カソ−ドに対する酸素発生構造体の2つの相対的位置付けのうちの1つは、本明細書に定義されるように、酸素発生構造体が常に空気電池内の空気カソ−ドに対して実質的に垂直に位置付けられるように、向きを構成する。
【0015】
本明細書に提供される説明の目的のために、用語「実質的に垂直」ならびにその文法的形態、および用語「実質的に平行でない」ならびにその文法的形態が、本発明の亜鉛空気電池および充電ユニット内の空気カソ−ドの位置付けに対する酸素発生構造体の向き/位置付けを参照するとき、相互交換可能であると見做されることに注意されたい。いくつかの実施形態において、そのような向きが互いに垂直、または90度の角度である一方、それに近似する他の向き、例えば、空気カソ−ドに対する本発明の所与の亜鉛空気電池内の酸素発生構造体のうちの少なくともいくつかの向き等は、約10〜約90度の範囲の角度であってもよく、これは本発明の一部として見做されるべきである。
【0016】
いくつかの実施形態において、当業者によって理解されるように、本発明の亜鉛空気電池の3つの基本的要素の相対的向きは、亜鉛樹状結晶の形成および/または空気カソ−ドおよび充電のための酸素発生構造体を有する亜鉛組込み構造体の対に対する、本発明の空気カソ−ドおよび酸素発生構造体の相対的位置付けの方向への成長を防止するために、最適化されるが、一方で亜鉛組込み構造体は、本明細書に記載されるように、空気電池の放電のための空気カソ−ドと対にされ、亜鉛樹状結晶の形成および/または亜鉛空気電池の空気カソ−ドの方向への成長を予防し、または顕著に減少させる。
【0017】
一実施形態において、本発明は、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体と、少なくとも1つの酸素発生構造体と、少なくとも1つの空気電極とを備える、再充電可能な亜鉛空気電池を提供し、
◆該亜鉛空気電池は、該亜鉛空気電池の充電のための第1の電極対を備え、該電極対は、該少なくとも1つの亜鉛組込み構造体と、該少なくとも1つの酸素発生構造体とを備え、
◆該亜鉛空気電池は、該空気電池の放電のための第2の電極対を備え、該電極対は、該少なくとも1つの亜鉛組込み構造体と、該少なくとも1つの空気電極とを備え、
◆該少なくとも1つの酸素発生構造体および該少なくとも1つの空気電極は、該少なくとも1つの酸素発生構造体が該少なくとも1つの空気電極に対して遠位であるか、または実質的に垂直であるように、位置付けられる。
【0018】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体および少なくとも1つの酸素発生構造体は、互いに実質的に平行であるように位置付けられ、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体および少なくとも1つの空気電極は、互いに実質的に平行にならないように位置付けられる。
【0019】
この態様によれば、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体は、少なくとも1つの空気電極に対して実質的に垂直に位置付けられる。
【0020】
この態様によれば、いくつかの実施形態において、空気電池は、交互の亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体の配列を備える。
【0021】
いくつかの実施形態において、亜鉛組込み構造体内のストリップの幅は、1:1〜1:3の比率で、亜鉛組込み構造体と隣接して位置する酸素発生構造体のものとの間の距離に比例する。
【0022】
他の実施形態において、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体は、該少なくとも1つの空気電極に対して遠位である。この態様によれば、一実施形態において、少なくとも1つの酸素発生構造体は、実質的に2つの亜鉛組込み構造体の間に位置付けられる。この態様によれば、一実施形態において、酸素発生構造体は、少なくとも1つの疎水性酸素発生電極を備え、該電極は、ポケットが該多孔質の疎水性酸素発生電極内に作製されるように配列され、ポケットは、液体を含まない酸素発生導管に近似する。この態様によれば、一実施形態において、酸素発生構造体は、疎水性酸素発生電極対を備え、該ポケットが該疎水性酸素発生電極対の間に作製される。
【0023】
いくつかの実施形態において、該亜鉛組込み構造体と該空気電極との間の該電池内に位置付けられた少なくとも第1のセパレータがある。
【0024】
いくつかの実施形態において、亜鉛組込み構造体は、少なくとも部分的に開かれた構造体であり、それによって該亜鉛組込み構造体を通る電解液の通過が達成可能である。この態様によれば、いくつかの実施形態において、亜鉛組込み構造体は、穿孔された亜鉛構造体を備える。
【0025】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体および該少なくとも1つの酸素発生構造体は、ストリップ、ロッド、ワイヤ、プレート、バー、発泡材、メッシュ、繊維、または箔を独立して備える。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体および該少なくとも1つの酸素発生構造体は、矩形の金属ストリップからなる。
【0026】
いくつかの実施形態において、ストリップという用語は、細長い構造体を搬送することを意味され、ワイヤ形状もしくはロッド、または平らにされた形状等のより円形の構造体を含んでもよく、両方が本発明の部分として企図されたものと見做されるべきである。
【0027】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体および該少なくとも1つの酸素発生構造体は、独立して、立方体、円柱、または球体の形状に成形される。
【0028】
所望の用途にとり適切であり、当業者が、適切な亜鉛空気電池を作製するときに、特定の用途に好適であるようにその所望の特性にどのように接近するかを知る、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体および該少なくとも1つの酸素発生構造体がいずれの幾何学的形状または形態でも提供されてもよい発明が企図され、それが本発明の部分として見做されるべきであることを理解されたい。
【0029】
いくつかの実施形態において、亜鉛組込みアノード構造体、酸素発生構造体、またはそれらの組み合わせは、多孔質構造体である。
【0030】
いくつかの実施形態において、亜鉛組込み構造体は、亜鉛コーティングまたは亜鉛めっきを備える導電性基板である。他の実施形態において、亜鉛組込み構造体は、ポリマー結合された亜鉛および/または酸化亜鉛ストリップを備える。
【0031】
いくつかの実施形態において、電解質流体は、溶解した酸化亜鉛を任意に含有する、水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液である。
【0032】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの実質的に平行に方向付けられた酸素発生ストリップは、遷移金属の混合酸化物等、酸素発生のために電解触媒でコーティングされた金属ストリップである。いくつかの実施形態において、金属ストリップは、ニッケル、鋼、ステンレス鋼、または電解触媒でコーティングされたチタンからなる。いくつかの実施形態において、そのような電解触媒は、酸素発生のために特に好適である。いくつかの実施形態において、そのような電解触媒は、当技術分野で既知であるように、ニッケルまたはコバルト等の遷移金属の混合酸化物である。
【0033】
いくつかの実施形態において、そのような配列は、より低い電圧での蓄電池再充電を提供し、そのような電解触媒コーティングは、亜鉛沈殿にも抵抗し、(亜鉛酸塩としての電解液へと溶解する亜鉛と)接触すると、亜鉛成長を自発的に破壊するであろう。
【0034】
いくつかの実施形態において、酸素発生構造体は、低い過電圧で酸素を発生させる、酸素発生のための電解触媒でコーティングされる。
【0035】
いくつかの実施形態において、亜鉛組込み構造体、酸素発生構造体、またはそれらの組み合わせは、アルカリ性電解液を含有する環境に曝される場合に、充電または放電の際に安定した材料を備える。
【0036】
いくつかの実施形態において、ストリップ材料を組み込む亜鉛は、ニッケル、鋼、ステンレス鋼、銅、炭素、黒鉛、またはチタンである。いくつかの実施形態において、ストリップの基材がニッケルでない場合、ニッケルめっきされ、亜鉛組込みストリップとして機能してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、これらの亜鉛組込み構造体は、有用なことには、アルカリ性電解液中での亜鉛の自己放電を阻止するが、一方で亜鉛付着を向上させる材料の表面コーティングを付与される。いくつかの実施形態において、コーティングの実施例としては、インジウム、ビスマスもしくは鉛、およびそれらの合金が挙げられる。いくつかの実施形態において、そのようなコーティングは、典型的に、水素発生のための高い過電位を有するであろう。
【0038】
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載されるように、再充電可能な亜鉛空気電池を備える装置を提供する。
【0039】
いくつかの実施形態において、本発明は、亜鉛空気電池内に組み込むための複合充電ユニットを提供し、該複合充電ユニットは、交互に近位で実質的に平行に配置された亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体を備える。
【0040】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの酸素発生構造体を側面配置する少なくとも2つの亜鉛組込み構造体を備える、亜鉛空気電池内に組み込むための複合充電ユニットを提供する。この態様によれば、いくつかの実施形態において、ユニットは、該少なくとも2つの亜鉛組込み構造体の間に位置する、少なくとも2つの酸素発生構造体を備える。
【0041】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される複合充電ユニットを参照すると、亜鉛組込み構造体は、亜鉛で前負荷をかけられる。いくつかの実施形態において、亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体は、互いに実質的に平行に位置付けられる。いくつかの実施形態において、この態様によれば、充電ユニットは、亜鉛受け構造体の終端に取り付けられた絶縁タイバーを更に備え、または充電ユニットは、該酸素発生構造体の終端に取り付けられた絶縁タイバーまたは両方を更に備える。
【0042】
いくつかの実施形態において、この態様によれば、該亜鉛組込み構造体の幅は、1:1〜1:3の比率で、該亜鉛組込み構造体と近位に位置する酸素発生構造体のものとの間の距離に比例する。いくつかの実施形態において、この態様によれば、亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体は、ストリップ、ロッド、ワイヤ、プレート、バー、発泡材、メッシュ、繊維、または箔を独立して備える。いくつかの実施形態において、この態様によれば、亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体は、独立して、立方体、円柱、または球体の形状に成形される。
【0043】
いくつかの実施形態において、この態様によれば、亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体は、独立して、多孔質である。
【0044】
いくつかの実施形態において、この態様によれば、亜鉛組込み構造体は、亜鉛コーティングまたは亜鉛めっきを備える導電性基板を備える。
【0045】
いくつかの実施形態において、この態様によれば、酸素発生構造体は、触媒を促進する酸素発生を組み込み、またはこれでコーティングされる。
【0046】
いくつかの実施形態において、この態様によれば、亜鉛組込み構造体、該酸素発生構造体、またはそれらの組み合わせは、アルカリ性電解液を含有する環境に曝される場合に、充電または放電の際に安定した材料を含む。いくつかの実施形態において、この態様によれば、材料は、ニッケル、鋼、ステンレス鋼、炭素、黒鉛、またはチタンである。
【0047】
いくつかの実施形態において、本発明は、亜鉛空気電池の使用可能な寿命を向上させるための手段を含み、そのような方法は、本明細書に記載される亜鉛空気電池の構築およびアセンブリを必然的に必要とする。
【0048】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される亜鉛空気電池の使用可能な寿命を向上させるための方法は、本明細書に記載される亜鉛空気電池の実施形態のいくつかにおける、亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体の極性の切替え作用を提供するように、修正されてもよい。
【0049】
このように記載されるように、極性を切り替えることは、構造体上の残留亜鉛を電池放電ステップから取り除く場合があり、いくつかの実施形態において、全てのサイクルを、またはいくつかの実施形態において、例えば数サイクルごとに等、定義された間隔で実行され得る。この態様によれば、いくつかの実施形態において、そのような電池内の亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体は、亜鉛沈殿または酸素発生のために使用するとき、劣化しない組成を有し、更に、ストリップは、亜鉛の自己放電または水素発生を加速させる触媒コーティングを欠くことに注目される。この態様によれば、いくつかの実施形態において、ニッケルはそのような戦略のために好適な基板として機能する。
【0050】
いくつかの実施形態において、充電するとき、全ての亜鉛組込み構造体(電気的に相互接続される)が(外部)充電器の負の極に被覆されたリード線によって接合されてもよいことが理解されるであろう。同様に、所与の亜鉛空気電池(電気的に相互接続される)内の全ての酸素発生構造体は、(外部)充電器の正の極に被覆されたリード線によって接合されてもよい。勿論、亜鉛組込み構造体と酸素発生構造体との間に電気的接続はない。
【0051】
いくつかの実施形態において、亜鉛の蓄積は、充電電流、充電電圧、電解液組成、温度、および電解液の流れ等のパラメータによって調整される。放電のために、亜鉛組込み構造体(負)は、少なくとも1つの空気電極(正)に対して放電される。
【0052】
本発明の亜鉛空気電池および複合充電ユニットの構造において、特定の亜鉛沈殿が所望でない領域のそのマスキングが成し遂げられ得、そのようなマスキングが当技術分野において常用であり、それを達成するための方法が周知であることが、当業者には明らかであろう。
【0053】
本明細書に言及される全ての公開、特許、および特許出願は、それぞれの個々の公開または特許が参照によって組み込まれるように個別および個々に示される場合と同じく、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。明細書と組み込まれた参照との間の不一致の場合、明細書が支配するものとする。この書類に数の範囲が与えられている場合、端数が範囲に含まれる。更に、別途示され、または別途、文脈および当業者のうちの1人の理解から自明でない限り、範囲として表現される値は、記述される範囲内のいずれの個別の値または部分範囲も前提とし、文脈が別途明確に指示しない限り、本発明の異なる実施形態において、どちらかまたは両方の端数を範囲の下限の単位の10分の1まで任意に含み、または除外し得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
主題の亜鉛空気電池の様々な実施形態は、図面を参照して本明細書に記載される。
【0055】
図1図1Aは、複合亜鉛組込みアノード構造体の実施形態を概略的に図示する。図1Bは、図1Aのそれと類似し、図1Aのものの代替の電池充電戦略を有し、それによって、A群が正の充電極に接続され、B群が負の充電極に接続されるように、ストリップが充電電流に接続され得る、複合亜鉛組込みアノード構造体の実施形態を概略的に図示する。
図2】本発明の亜鉛空気電池の実施形態を概略的に図示する。
図3】いくつかの実施形態において、本発明の複合充電ユニットを表す、本発明の実施された亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体の一連の写真を示す。
図4】実施された亜鉛空気電池内の亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体の電位の方向を示す、亜鉛空気電池の実施形態を図示する。
図5】本発明の実施された複合亜鉛組込みアノード構造体内の充電/放電手順およびストリップ/カソ−ドの向きを図示する。図5Aにおいて、5つのストリップ複合アノードが見られ、ストリップの極性を図示する。図5Bにおいて、亜鉛コーティングされた第2および第4のストリップ(負の極性)が2つの空気カソ−ド(正の極性)に対して放電される、放電の際の状態が示される。図5Cは、図5Aと類似し、5つのストリップ複合アノードを図示し、複合アノード上の亜鉛めっきの方向を図示する。図5Dにおいて、亜鉛コーティングされたストリップ(負の極性)が2つの空気カソ−ド(正の極性)に対して放電される、放電の状態が示される。
図6】補助的な単純メッシュ電極を多孔質疎水性ガス拡散(酸素発生)電極(図6Aに図示される表面の高拡大図)と交換する、図2の実施された電池に類似する亜鉛空気電池を図示する。電池内への多孔質疎水性ガス拡散(酸素発生)電極の組込みが示される(図6B)。
図7図7A及び図7Bは、亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体の実施された向き、ならびに潜在的形状、ならびにその潜在的な相対的位置付けを記載する、本発明の亜鉛空気電池の実施形態を図示する。
図8図8Cに図示される、交互の亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体を組み立てる、1つの実施された手段を示す、本発明の亜鉛空気電池のなお別の実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明は、いくつかの実施形態において、以前の亜鉛空気電池/蓄電池と比較してより長い空気電池/蓄電池寿命を提供する、亜鉛空気電池を提供する。
【0057】
本発明の再充電可能な亜鉛空気電池は、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体を備えるであろう。
【0058】
いくつかの実施形態において、そのような亜鉛組込み構造体は、例えばストリップ等、単一または連続する平行に方向付けられた亜鉛受け構造体を備えるであろう。
【0059】
一実施形態において、そのような亜鉛組込み構造体は、プレート、またはその他の適切な構造体を含んでもよく、これは、充電すると、構造体上での亜鉛の再沈殿を促進するように設計されている。アノードプレートは、いくつかの実施形態において、第1の連続する平行に方向付けられた亜鉛受けストリップを更に構成するであろう。
【0060】
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの亜鉛組込み構造体と、少なくとも1つの酸素発生構造体と、少なくとも1つの空気電極とを備える、再充電可能な亜鉛空気電池を提供し、
◆該亜鉛空気電池は、該空気電池の充電のための第1の電極対を備え、該電極対は、該少なくとも1つの亜鉛組込み構造体と、該少なくとも1つの酸素発生構造体とを備え、
◆該亜鉛空気電池は、該空気電池の放電のための第2の電極対を備え、該電極対は、該少なくとも1つの亜鉛組込み構造体と、該少なくとも1つの空気電極とを備え、
◆該少なくとも1つの酸素発生構造体および該少なくとも1つの空気電極は、該少なくとも1つの酸素発生構造体が該少なくとも1つの空気電極に対して近位でないか、または実質的に平行に位置付けられないように方向付けられる。
【0061】
この態様によれば、いくつかの実施形態において、空気電池の充電のための第1の電極対および空気電池の放電のための第2の電極対の相対的な向きは、本明細書に記載されるように、亜鉛空気電池内の亜鉛樹状結晶成長が酸素発生構造体に対して実質的に近位であるか、または方向的にこれに向かって、かつ、亜鉛空気電池の空気電極に対して実質的に遠位であるか、または最低でも方向的にこれに向かわないような向きである。
【0062】
図1Aを参照すると、アノードプレート10は、連続する狭く細長い平行の金属ストリップ11および12として、2つの電気的に独立した区間AおよびBをそれぞれ備えるように構築されてもよい。AおよびB(11および12)ストリップのそれぞれの区間は、対応するリード線(13および14)によって、それぞれ、負および正の端子15および16に電気的に共に接続され、例えば、絶縁タイバー17の存在によって堅固に保持されて、この向きに保持される。
【0063】
図1Bを参照すると、代替的電池充電戦略が提示され、それによってストリップは、A群が正の充電極に接続され、B群が負の充電極に接続されるように、充電電流に接続され得る。これは、図1Aの接続と対照的である。
【0064】
本発明による亜鉛空気電池内のストリップの向きは、図4に断面図の形態で示される。セパレータ(図示せず)と嵌合された2つの対向する空気カソ−ド32、34は、プラスチックの側壁36、38およびプラスチックの基部35に結合され、電解液40で充填された矩形の箱様構造を形成する。空気カソ−ドは、リード線を介して電池(図示せず)の主要な正端子に接続される。電解液は、電池を通して注入され、または注入されないままに放置され得る。複合アノード(本実施例における)は、電解液中に浸され、プラスチックタイバー52によって定位置に堅固に保持された、3つの離間配置された平行の金属ストリップ42、48、44を備える。平行のストリップ42、48、および44は、実際には、空気カソ−ドから離間配置され、かつこれに対して実質的に垂直である。ストリップ42および44は、充電の際の酸素発生用であり、被覆されたジャンパーリード線46によって電気的に接続され、ストリップ44は、それから電池の補充的な正端子(図示せず)へと進む被覆されたリード線56と嵌合される。内側ストリップ48は、充電すると、亜鉛を受けるように構成され、被覆されたリード線54は、それから電池の負端子(図示せず)へと進む。放電の際、両側(負の極性)の蓄積された亜鉛を有するストリップ48は、2つの空気カソ−ド(正の極性)に対して放電される。
【0065】
この態様によれば、そのようなシステムの充電/放電手順およびストリップ/カソ−ドの向きが、図5Aおよび5Bに上面図として概略的に示される。図5Aにおいて、5つのストリップの複合アノードが見られ、それぞれのストリップにおける極性が示される。矢印は、第2および第4のストリップ(負の極性)のそれぞれの側での放電の際の亜鉛めっきの方向を示すが、一方で他のストリップ(第1、第3、および第5)は酸素を発生させる(正の極性)。図5Bにおいて、放電の際の状態が2つの空気カソ−ド(正の極性)に対して放電される亜鉛コーティングされた第2および第4のストリップ(負の極性)と共に示される。図5Aおよび5Bは、2つの空気カソ−ドに近いセパレータの展開も示す。代替的充電戦略の適用と同様に、図5Cにおいて、我々は、複合アノード上に亜鉛めっきの方向を見る。図5Dにおいて、放電の際の状態が2つの空気カソ−ド(正の極性)に対して放電される亜鉛コーティングされたストリップ(負の極性)と共に示される。複合アノードは、図1Aに記載される極性または図1Bに記載される極性で充電され得る。加えて、充電方向は、後続のサイクルで、または周期的に交替してもよい。
【0066】
図4に記載される複合アノードは、空気カソ−ド方向での電池内の充電の際の亜鉛沈殿を効果的に防止した。これを達成するための別のスキームは、図2に示される。亜鉛空気電池20は、取り付けられたセパレータ23、23Aを伴う2つの対向した空気カソ−ド21、21Aで構成され、プラスチック容器(部分的に22として示される)に結合される。電池は、電池を通して注入され、または注入されずに放置されてもよい、アルカリ性亜鉛酸塩電解液26を含有する。それぞれの空気カソ−ドに隣接するのは、亜鉛の自己放電を阻止するためにインジウムまたはビスマスの層でコーティングされたニッケルメッシュまたは発泡材を備える、亜鉛(24、24A)を受けるための多孔質アノード構造体であり、アノード24とアノード24Aとの間には、最も単純なバージョンの補助的(または充電)電極25が亜鉛を充電するためのメッシュ形状で配置される。補助的電極は、酸素発生のための電解触媒でコーティングされたニッケルメッシュを備える。酸素発生のために有用な電解触媒は、ニッケルとコバルトの酸化物等の混合遷移金属酸化物である。電池は、外部充電器から補助的電極(正としての)に対する多孔質アノード(負としての)へと電流を印加することによって、充電される。亜鉛は、空気カソ−ドに対向する側の多孔質アノード上に蓄積し、アノードの多孔性は、亜鉛沈殿が孔を塞がないように選択される。放電のために、アノード(負)は、空気カソ−ド(正)に対して放電される。図2に記載される電池への更なる改良は、補助的な(放電の)単純なメッシュ電極(25)を図6Aに図示されるもの等、多孔質疎水性ガス拡散(酸素発生)電極と交換することによって得られる。多孔質充電電極は、電流を搬送するメッシュ上に支持され、低い酸素発生過電位を有する触媒で触媒され、また、疎水性である。電極の集電タブは、図面に示されない。後方と後方のポケット構造としての2つの電極(図6Bの50および50A)を取り付けることによって、液体を含まない酸素発生パイプが、電池内に形成される。これは、電池電解液中でのいずれの面倒な酸素ガス抜きもせずに、電池内での充電処理中、充電電極上に生成される酸素の効果的除去を可能にする。単純なメッシュまたは箔に基づく補助的(充電)電極から電池電解液中の泡として発生させられた酸素は、泡から放出する同伴湿度/アルカリによる電池内での抵抗損失および連続的流体喪失を引き起こす可能性がある。そのような後方と後方のポケット電極は、有利なことには、酸素低減のための触媒で触媒されることもでき、中央に配置された亜鉛アノードの放電中、使用され得る。
【0067】
図7Aおよび7Bを参照すると、当業者によって理解されるように、図1に示された亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体の交互の配列の類似した構造が図示され、それによって電気的に独立した亜鉛組込み構造体および酸素発生構造体(図1に図示される区間AおよびBに相当する)は、連続する狭く細長い平行の金属ストリップとして、または連続する狭く細長い平行の金属ストリップおよび連続する狭いワイヤ(それぞれ図7Aおよび7B)として交互のものとして示される。
【0068】
亜鉛空気電池の構成要素は、単純かつ費用効果の良い様式、例えば図8に図示されるように、製造され得る。この態様によれば、いくつかの実施形態において、図7Aに図示される複合充電ユニットが構築され、または近似するとき、金属シートは、例えば図8に図示される点線に沿って切断されてもよく、本明細書に示される解放されたストリップは、起こされて、図8Bに示される向きを形成するように図示される90度まで曲げられてもよい。酸素発生構造体は、同様に準備されてもよく、もたらされる構造体は、図8Cに見られる交互の構造体を形成するように組み立てられてもよい。
【0069】
本明細書に記載される亜鉛空気電池および複合充電ユニットの記載および図示される実施形態は、本発明を例示するが、限定しないことを意図される。
【0070】
亜鉛組込み構造体または酸素発生構造体が、特定の亜鉛空気電池のために好適または適用可能ないずれの寸法または全体的幾何学形状であり得、矩形、正方形、楕円形、円形、および他の適切な形状であってもよいことが理解され得るであろう。いくつかの実施形態において、そのような亜鉛組込み構造体または酸素発生構造体は、亜鉛空気電池の適用のために好適であるいずれの細長い所望の形状またはいずれの幾何学形状でもあり、そのような異なる形状は、本発明の亜鉛空気電池内での適用において、いずれの方法でも限定されないものとする。
【0071】
実質的に平行に方向付けられるものとしての亜鉛組込み構造体または酸素発生構造体の特定の向きを参照するとき、用語「実質的に」は、本明細書に記載される要素のために企図される向きの部分として、完全に平行な向き未満を含むことを意味することも理解されるであろう。したがって、用語「実質的に」が少なくとも1つの実質的に平行に方向付けられた酸素発生構造体、または第1の連続する実質的に平行に方向付けられた亜鉛組込み構造体を記載するために使用されるとき、そのような向きは、実質的に平行ではあるが、例えば、構造体内の示される構造体の長さ全体に渡って、またはストリップの全てに渡って、完全に平行では必ずしもないものとして理解されるべきである。
【0072】
同様に、空気電極が本明細書に記載される亜鉛組込み構造体または複合充電ユニット内の亜鉛沈殿の方向に対して実質的に垂直な向きであるように、方向付けられた空気電極を参照するとき、本発明が実質的に垂直であるが、完全に垂直でない向きにある、空気電極カソ−ドの向きを企図することが理解される。したがって、例えば、そのような向きは、いくつかの実施形態において、60度、またはいくつかの実施形態において、63度、またはいくつかの実施形態において、65度、またはいくつかの実施形態において、67度、またはいくつかの実施形態において、70度、またはいくつかの実施形態において、73度、またはいくつかの実施形態において、75度、またはいくつかの実施形態において、77度、またはいくつかの実施形態において、80度、またはいくつかの実施形態において、83度、またはいくつかの実施形態において、85度、またはいくつかの実施形態において、87度、またはいくつかの実施形態において、88度、またはいくつかの実施形態において、89度、またはいくつかの実施形態において、91度、またはいくつかの実施形態において、92度、またはいくつかの実施形態において、93度、またはいくつかの実施形態において、95度、またはいくつかの実施形態において、98度であってもよく、それでもなお、そのような向きは、本発明の一部であると見做されるべきである。
【0073】
いくつかの実施形態において、そのような亜鉛組込み構造体または酸素発生構造体は、特定の亜鉛空気電池に好適な、いずれの適切に所望の厚さであるものとする。いくつかの実施形態において、厚さは、約0.1mm〜約1mmの範囲であろう。この態様によれば、いくつかの実施形態において、約0.1mm未満の厚さで、ストリップは、むしろ薄く、自立平行構成を容易に保持せず(短絡を引き起こす)、ストリップの長さに沿ったオーム損失も過剰であろう。この態様によれば、いくつかの実施形態において、約1mm厚さ超で、亜鉛組込み構造体は、搬送する亜鉛に対してむしろ重く、亜鉛成長のために利用可能な厚さを低減してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、そのような亜鉛組込み構造体または酸素発生構造体は、アルカリ性電解液を含むケーシング内に格納されるとき、充電または放電の際に好適に安定した任意の材料からなるものとする。いくつかの実施形態において、そのような材料は、とりわけ、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、またはその他の金属もしくは金属合金を含んでもよい。いくつかの実施形態において、そのような材料は、箔、メッシュ、発泡材、または繊維形状の形態であってもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、そのような亜鉛組込み構造体は、とりわけ、炭素もしくは黒鉛、または当技術分野において既知である他の好適な材料からなってもよい。いくつかの実施形態において、そのような亜鉛組込み構造体は、とりわけ、可溶性亜鉛電極、結合酸化亜鉛材料、または他からなってもよい。別の実施形態において、結合酸化亜鉛の亜鉛受けストリップは、亜鉛、酸化亜鉛、または金属ストリップ支持体にプレス加工されたポリマー結合剤を含んでもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、そのような亜鉛組込み構造体は、とりわけ、いずれの好適な材料(ニッケル、鋼、ステンレス鋼、チタン、銅、もしくは黒鉛、およびいくつかの実施形態において、亜鉛組込み構造体上での充電の際のより均一な亜鉛沈殿を促進し、またはスタンド上での自己放電を最小限化する場合がある、コーティング、例えば、インジウム、ビスマス、リード線、もしくはそれらの合金のコーティング、またはそれらの組み合わせを更に含む)からなってもよい。いくつかの実施形態において、酸素発生のための電解触媒は、当技術分野で周知であるニッケルおよびコバルト等の遷移金属製の混合酸化物である。いくつかの実施形態において、亜鉛組込み構造体または酸素発生構造体は、多孔質構造体である。
【0077】
いくつかの実施形態において、酸素発生構造体は、本明細書の上記のいずれの好適な材料も含んでもよい。いくつかの実施形態において、そのような酸素発生構造体は、更なる触媒を含有するコーティングを含んでもよく、触媒は、酸素発生を増大または開始し、いくつかの実施形態において、例えば、そのようなストリップが遷移金属酸化物を搬送するときに、低い過電圧で酸素発生を増大または開始する。
【0078】
いくつかの実施形態において、亜鉛空気電池は、少なくとも1つの平行に方向付けられた酸素発生ストリップを更に備えるであろう。いくつかの実施形態において、そのような亜鉛空気電池が単一の平行に方向付けられた酸素発生ストリップのみを備える場合、そのようなストリップは、該平行に方向付けられた亜鉛組込みストリップのうちの2つの間に位置する。いくつかの実施形態において、そのような亜鉛空気電池が第2の連続する平行に方向付けられた酸素発生ストリップを備える場合、そのように平行に方向付けられた酸素発生ストリップは、第1の連続する平行に方向付けられた亜鉛組込み構造体の間に交互の様式で方向付けられる。
【0079】
ここで図1Aに表される実施形態を参照すると、平行に方向付けられた亜鉛組込みストリップ11および平行に方向付けられた酸素発生ストリップ12の両方が、交互の様式で位置付けられ、B、A、B、A、B、Aの順番に並べられた構成として表される。
【0080】
本発明の亜鉛空気電池は、少なくとも1つの空気電極を更に備え、空気電極は、空気電極が亜鉛組込み構造体内の亜鉛沈殿の方向に対して実質的に垂直な向きにあるように、方向付けられるであろう。
【0081】
この態様によれば、いくつかの実施形態において、第1の連続は、負端子に電気的に接続され、該少なくとも1つの平行に方向付けられた酸素発生ストリップは、正端子に電気的に接続され、それによって、複合亜鉛組込みアノード構造体を浸し、第1の連続および少なくとも1つの平行に方向付けられた酸素発生ストリップに電流を印加すると、亜鉛の少なくとも少量が、第1の連続する平行に方向付けられた亜鉛組込みストリップ上または少なくとも1つの平行に方向付けられた酸素発生ストリップに対して近位の向きの亜鉛組込みストリップの表面上に、沈殿する。
【0082】
更にこの態様によれば、本発明の亜鉛空気電池は、少なくとも1つの空気電極を更に備え、空気電極は、空気電極が亜鉛組込み構造体内の亜鉛沈殿の方向に対して実質的に垂直の向きにあるように、方向付けられるであろう。この態様によれば、亜鉛沈殿が空気電極に対して実質的に平行な向きにないため、ゆえに、いくつかの実施形態において、亜鉛樹状結晶障害および空気カソ−ドの破壊は、和らげられ、または抑止される。
【0083】
一実施形態において、本発明の他の実施された亜鉛空気電池の作動原理の例示として、図1Aを参照すると、亜鉛空気電池は、充電中、ストリップA(11)が亜鉛を受け、一方でストリップ(複数可)Bが再充電電極として効果的に機能し、酸素を発生させるように、構成される。
【0084】
複合アセンブリ10は、電池内の電解質溶液(例えばKOH)中に完全に浸され、2つの空気電極に対して正常に位置付けられ、かつこれから離間配置され、ストリップ11および12とストリップAおよびBとの間に充電電流をそれぞれ供給するとき、ストリップA上に、アルカリ性電解液中の可溶性亜鉛種(酸化亜鉛等)から、静的状態または要求される流動電解液の状態で、亜鉛のめっきされた沈殿物を取り出し得る。
【0085】
電池内で、複合アノードと放電空気電極カソ−ドとの間でセパレータを使用することは、任意に組み込まれてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態において、複合アノード内の最も外側のストリップは、酸素発生ストリップである。本発明の亜鉛空気電池が、どのストリップが本発明の亜鉛空気電池内で端子的に位置するかに関係なく、空気電極に対して垂直な平面内で亜鉛成長方向の制限を容易にすることが理解されるであろう。
【0087】
再び図1Aを参照すると、同業者によって容易に理解されるように、確かに、ストリップの長さ、幅、厚さ、および内側隔離の距離およびアノードとカソ−ドとの間の距離のための様々な選択肢は、充電/放電電流密度、充電時間、必要とされる電解液の容積および陽極容量等の要素と矛盾しないように、選択されてもよい。
【0088】
本発明において、空気カソ−ドは、放電を可能にする選択および性能の最適化、費用および寿命のために必要とされるのみである(二官能性の空気電極の場合のように再充電能力のために必要とされるいずれの特性もトレードオフしなくてよいため)。同様に、再充電ストリップは、低い酸素発生過電位のために選択された触媒の補助で、低い電池充電電圧のために最適化され、それによって、電池充電電圧を低下させ、電圧効率およびエネルギー効率を増大させ得る。これらのストリップは、AおよびBストリップの計画的外部短絡(またはこれらのストリップの充電極性の周期的切換え)による、望まれない亜鉛沈殿物の敏速な除去があるため、ストリップA上の亜鉛成長の周期的保全のためにも定位置にある。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明の亜鉛空気電池は、絶縁タイバーを更に備え、絶縁タイバーは、電気的に独立した、平行に方向付けられた亜鉛受けストリップおよび少なくとも1つの平行に方向付けられた酸素発生ストリップの第1の連続内のストリップのそれぞれの終端に取り付けられる。
【0090】
この態様によれば、いくつかの実施形態において、絶縁タイバーは、例えば、嵌合スロット付きストリップ、それにストリップが結合/溶接され、または別途、付着されたバー等の材料からなる。いくつかの実施形態において、タイバーは、ストリップが定位置に堅固に保持されたままに保ち、例えば、短絡を防止する。いくつかの実施形態において、タイバーは、電気的に絶縁プラスチック、例えば、PP、PE、PVC、ナイロン、またはゴム等、例えば耐アルカリ性であるいずれの適切な材料からもなるであろう。
【0091】
いくつかの実施形態において、本発明の亜鉛空気電池は、亜鉛組込み構造体、酸素発生構造体、および少なくとも1つの空気電極が位置付けられる、ケーシングを更に備える。ケーシングは、この態様によれば、そのような亜鉛組込み構造体、酸素発生構造体、および少なくとも1つの空気電極の組込みおよび/または固定化のために寸法決めされ、かつ適切である。いくつかの実施形態において、そのようなケーシングは、本明細書に記載される要素および材料の組込みに耐えられるプラスチックおよび他の適切な材料等、いずれの適切な材料からなってもよく、ケーシングは、それらを包むと共に、組み込まれた電解質流体を格納するであろう。いくつかの実施形態において、ケーシングは、アノード/カソ−ドのための構造を保持または提供するためにケーシング内にスロットを備えてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、アノードプレートから落ちるいずれの亜鉛粒子も溶解させるための電池の底部の電気的に浮動する触媒プレート等、他の要素が含まれてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、本発明の亜鉛空気電池は、例えばストリップ等の平行に方向付けられた亜鉛組込み構造体の第1の連続を含み、ストリップは、1:1〜1:3の比率で、亜鉛受けストリップと隣接して位置する交互配置された酸素発生構造体/ストリップのものとの間の距離に比例する幅を有する。
【0093】
いくつかの実施形態において、少なくとも第1のセパレータは、該亜鉛組込み構造体/酸素発生構造体と該空気電極との間の該電池内に位置付けられる。
【0094】
いくつかの実施形態において、電解質流体は、亜鉛酸塩として溶解された酸化亜鉛を任意に含有する、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムである。
【0095】
ここで図2を参照すると、代替の実施された亜鉛空気電池の上面図は、概略的に図示される。この態様によれば、亜鉛空気電池20は、少なくとも1つの複合亜鉛組込みアノード構造体24、24Aを備える。亜鉛組込みアノード構造体は、平行に方向付けられた亜鉛受けストリップ24および24Aの第1の連続と、図示されるように、その間に位置する、少なくとも1つの平行に方向付けられた酸素発生ストリップ25を更に備える。
【0096】
この態様によれば、亜鉛空気電池は、該電池の少なくとも1つの空気電極放電カソ−ドを更に備え、空気電極放電カソ−ドは、空気電極カソ−ドがいくつかの実施形態において、複合亜鉛組込み構造体として見られ得る亜鉛組込み構造体/酸素発生構造体内の亜鉛沈殿の方向に対して、垂直な向きにあるように、方向付けられる。図4および5は、それを例示する。
【0097】
この態様によれば、いくつかの実施形態において、亜鉛空気電池は、放電カソ−ド21/21Aと平行に方向付けられた亜鉛受けストリップ24および24Aの連続との間に位置する、少なくとも1つのセパレータ23を更に備えてもよい。
【0098】
この態様によれば、いくつかの実施形態において、亜鉛空気電池は、中に該複合亜鉛組込み構造体および該少なくとも1つの空気電極放電カソ−ドが位置付けられる、ケーシング22を更に備える。いくつかの実施形態において、ケーシングは、電池の構成要素の全てを包含し、いくつかの実施形態において、ケーシングは、例えば図2に図示されるように、電池の構成要素の全てではないがほとんどを方向付け、実質的に格納するであろう。ケーシングは、いくつかの実施形態において、それに適用される電解質流体を含有してもよく、充電済みで完全に組み立てられた亜鉛空気電池として販売されてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載されるように、亜鉛空気電池を備える装置を提供する。
【0100】
本発明の様々な実施形態が提示されている一方で、様々な代替物、改変形態、および同等物を使用することが可能である。本明細書に記載されたいずれの特徴も、本明細書に記載されたその他の特徴と組み合わされてもよいことを理解されたい。冠詞「a」または「an」が別途、明示的に句術される場合を除き、冠詞に後続する1つまたは複数の品目の数量を指し示すことを理解されたい。

実施例
実施例1:
亜鉛空気電池は、多孔質セパレータと嵌合される2つの平行な空気カソ−ドと、側面配置される中央の複合アノードから組み立てられた。空気カソ−ドは、リード線によって電池の主要な正端子に接続された。複合アノードは、それぞれ長さ100mm、厚さ0.2mm、および幅3mm、4mm離間配置され、ストリップの頂部および中部でポリプロピレンのタイバーによって堅固に支持される、27個の平行なニッケルストリップを備えた。ストリップは、第1のストリップが酸素発生のためのニッケルとコバルトの酸化物の電解触媒のコーティングを有し、列をなす第2のストリップが連続の最後の1つ、ニッケルとコバルトの酸化物でコーティングされたニッケルを伴う、ストリップの連続を通る亜鉛沈殿等のためのインジウムコーティングを有するように、組み立てられた。酸素発生のための全てのストリップは、被覆されたリード線を使用して共に電気的に接続され、電池の補充的な正端子へと進むリード線に接続された。亜鉛沈殿のための全てのストリップは、被覆されたリード線を使用して共に電気的に接続され、電池の負端子へと進むリード線に接続された。外部タンクから、50gm/Lの溶解された酸化亜鉛を含有する30重量%を超える水酸化カリウム水溶液が、電池を通して注入された。充電すると、全ての亜鉛受けストリップは、外部充電器の負端子に接続され、全ての酸素発生ストリップは、充電器の正端子に接続された。5Aの電流が2.1Vの平均充電電圧で5時間通された。充電の終了時に電池を検査すると、粘着性の亜鉛沈殿物が短絡することなく、ストリップの間の間隙をほとんど充電していたが、亜鉛が空気カソ−ドに向かって成長していないことが見られ得た。放電のために、亜鉛受けストリップ(負)および2つの空気カソ−ド(正)は、5Aの定電流負荷の両端間に接続され、1.2Vの平均放電電圧を与え、22Ahの放電容量を提供した。充電/放電の際のクーロン効率は88%であった。電池は、性能の低下もなく、少なくとも60サイクルの間、周期した。
【0101】
開示は、例示および記載されている一方で、いずれの方法でも本開示の趣旨から逸脱することなく、様々な改変形態および代用が行われ得るため、示される詳細に限定されることを意図されるものではない。そのようにして、本明細書に開示された、本発明の更なる改変形態および同等物は、常用の実験を使用する当業者に想到し得、全てのそのような改変形態および同等物は、以下の特許請求の範囲によって定義される、開示の趣旨および範囲を逸脱しないと考えられる。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C