(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された内蓋の検出装置では、内蓋が単一の板状体で構成される場合には内蓋の装着の有無を検出することは可能である。近年、放熱板に装着される内蓋に対して様々な機能が付加されるようになっており、例えば、調理中に発生した液状物質を分離して貯留する貯留ケースが、内蓋本体に対して着脱自在に取付けられるタイプの炊飯器がある。貯留ケースと内蓋本体とを組み合わせて使用されるものは、例えば、内蓋セットと呼ばれる。このような内蓋セットを特許文献1の内蓋検出装置に適用した場合、押圧部材が内蓋本体に作用するので、放熱板に対する内蓋本体の装着の有無は検出可能である。
【0006】
しかしながら、貯留ケースについては、押圧部材の作用が貯留ケースには及ばないために、内蓋本体に対する装着の有無を検出することができない。放熱板に対して着脱自在に装着される内蓋セットにおいて、貯留ケースのような装着要素が内蓋本体に装着されているか否かを検出することができる内蓋セット検出装置が要望されている。
【0007】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、放熱板に着脱自在に取付けられる内蓋本体と、内蓋本体に対して着脱自在に取付けられる装着要素とを有する内蓋セットを備える炊飯器において、内蓋本体に対して装着要素が装着されているか否かを検出可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の炊飯器が提供される。
【0009】
すなわち、本発明に係る炊飯器は、炊飯器本体と、前記炊飯器本体の上部開口を覆う蓋体と、前記蓋体の放熱板に対して着脱自在に取付けられる内蓋本体と、前記内蓋本体を挟んで前記放熱板の反対側に位置して前記内蓋本体に対して着脱自在に取付けられる装着要素とを有する内蓋セットと、前記蓋体の内部に配設されて、前記内蓋セットに向けて出没自在に構成された第1検出部材と、前記蓋体内に配設されて、前記第1検出部材の出没によって装着の有無を検出する検出センサと、前記内蓋本体に配設されるとともに、前記第1検出部材と前記装着要素との間に介在して、前記第1検出部材に向けて出没自在に構成された第2検出部材とを有する内蓋セット検出装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
内蓋セット検出装置によって、装着要素が内蓋本体に装着されると、第2検出部材が押し上げられ既に接しているため、それにより第2検出部材を当接する第1検出部材も押し上げられ、第1検出部材の位置変動が検出センサによって検出されるため、検出センサによって装着要素の装着が検出される。逆に、装着要素が内蓋本体に装着されていないと、第1検出部材及び第2検出部材の押し上げが生じないため、内蓋本体に対する装着要素の非装着が検出される。また、第2検出部材が内蓋本体に配設されているので、内蓋本体を放熱板に装着しないと、内蓋セット検出装置が動作しない。すなわち、放熱板に対する内蓋本体の非装着も検出される。したがって、内蓋本体に配設されるとともに、第1検出部材と装着要素との間に介在して、第1検出部材に向けて出没自在に構成された第2検出部材を有する内蓋セット検出装置によって、内蓋セットを構成する装着要素及び内蓋本体の装着の有無を検出することができる。
【0011】
前記第1検出部材及び前記第2検出部材が、それぞれ、前記放熱板及び前記内蓋本体に対して、直交方向に移動する棒状体であることが好ましい。このようにすれば、第1検出部材及び前記第2検出部材が小さく構成されるので、内蓋セット検出装置を小型化・省スペース化することができる。
【0012】
前記第2検出部材が、前記内蓋本体から抜け出ることを防止するための抜け止め構造を有することが好ましい。このようにすれば、第2検出部材が、脱落することなく、安定的に動作して、装着の有無を確実に検出することができる。
【0013】
前記抜け止め構造においては、軸部と、該軸部よりも大きな部分を有するヘッド部とを備える前記第2検出部材と、前記第2検出部材の前記ヘッド部が挿通可能に構成された真円ではないヘッド挿通孔を有する前記内蓋本体と、前記第2検出部材の前記ヘッド部が挿通可能に構成された真円ではないヘッドガイド孔を有する取付ガイド部材と、を備え、前記ヘッドガイド孔が前記ヘッド挿通孔に対して角度をなす状態で、取付ガイド部材が内蓋本体に取り付けられていることが好ましい。このようにすれば、第2検出部材を一つの部品で構成することができ、部品点数の削減と簡易な構成を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の炊飯器では、内蓋本体に配設されるとともに、第1検出部材と装着要素との間に介在して、第1検出部材に向けて出没自在に構成された第2検出部材を有する内蓋セット検出装置によって、内蓋セットを構成する装着要素及び内蓋本体の装着の有無を検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、一実施形態に係る炊飯器1について、
図1乃至10を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、炊飯器1は、鍋15と、鍋15を着脱自在に収容する炊飯器本体10と、該炊飯器本体10に対して開閉可能にヒンジ接続された蓋体11と、を備えている。炊飯器本体10は、上端及び下端を開口した筒状をなす胴体12と、胴体12の下端開口を閉塞する底体22と、を有する外装体を備えている。炊飯器本体10の内部には、調理物である飯米と水とがセットされた鍋15を加熱するための加熱部(電熱ヒータ又はIHコイル)が配設されている。蓋体11の上パネルの前方側には、炊飯条件を設定したり動作状態や設定内容を表示したりする操作パネル部(表示部及びスイッチ)が配設されている。上パネルの前方側には、ロック爪23による炊飯器本体10とのロックを解除して蓋体11を開放するための開放操作部材が配設されている。上パネルの後方側には、炊飯中に鍋の内部で発生した蒸気を排出するための蒸気排出口が配設されている。そして、全体が逆U字形状をなすハンドル30が、胴体12の上部の両側面に対して回動自在に取り付けられている。
【0018】
炊飯器1に設けられた内蓋セット検出装置70は、蓋体11内に配設された第1検出部材35と、内蓋本体40に配設された第2検出部材50とを備える。
【0019】
蓋体11は、炊飯器本体10に対して閉じられたとき、鍋15の上部を覆って、炊飯器本体10の上部開口を閉じる。蓋体11の下面(内面)には、すなわち放熱板18に対面するように、鍋15の上端開口を閉じる内蓋セット20の内蓋本体40が着脱自在に配設されている。この内蓋本体40は、内蓋プレート41を備え、内蓋プレート41の外周には大略円環状の内蓋枠部材42が取り付けられている。鍋15の上端開口の内周部を密閉するシール部材が内蓋枠部材42の下面(内面)に配設されている。蓋体11の下板33に設けられた被係合部と係合する第1係合部43,第2係合部44が、内蓋枠部材42に設けられていて、内蓋セット20の内蓋本体40が蓋体11に対して着脱自在に構成されている。
【0020】
内蓋本体40の上面側には、第1調圧弁45及び第2調圧弁46が配設され、当該第1調圧弁45及び第2調圧弁46によって鍋15内の圧力を大気圧よりも高い圧力に設定することを可能にし、炊飯器1は、例えば圧力式のものである。第1調圧弁45および第2調圧弁46は、蓋体11の下板33に形成された第1調圧弁収容部24及び第2調圧弁収容部25(
図1に図示)にそれぞれ収容される。第1調圧弁45及び第2調圧弁46は、内蓋本体40に対して鍋15の側である下側から配設される弁座をそれぞれ備えている。第1調圧弁45及び第2調圧弁46の各弁座には、鍋15の側と連通して蒸気通路の入口となる通気孔45A,46A(
図5に図示)がそれぞれ形成されている。
【0021】
第1調圧弁45には、球状の弁体が転動可能に配置されており、球状の弁体が通気孔45Aを塞ぐことにより、鍋15の内部圧力を例えば1.30気圧まで昇圧させることができる。第2調圧弁46には、棒状の弁体が軸線に沿って移動可能に配置されており、棒状の弁体の上部には、作動受部材が当該軸線に沿って移動可能に配置されている。棒状の弁体と作動受部材との間には棒状の弁体を通気孔46Aに向けて付勢するスプリングが配置されている。作動受部材を通気孔46Aの側に移動させることにより、鍋15の内部圧力を例えば1.00乃至1.20気圧の範囲で変更することができる。
【0022】
図2乃至4に示すように、第2検出部材50が、内蓋本体40の内蓋プレート41に対して、第1検出部材35に向けて出没自在に構成されている。第2検出部材50は、内蓋プレート41に形成された凹状のシール面48の部分に配設され、取付ガイド部材56が内蓋プレート41の下面(内面)に配設されてリベット72で内蓋プレート41に固定されている。
【0023】
第2検出部材50は、上下方向に延びる棒状部材であり、軸部51と上ヘッド部52と下ヘッド部53とを有する。第2検出部材50は、第1検出部材35と装着要素(貯留ケース)60との間に介在配置されている。第2検出部材50は、内蓋本体40の内蓋プレート41に対して、直交方向に移動する(すなわち、
図3及び4において、上下方向に移動する)。軸部51は、円柱形状をして、上下方向に延びている。下ヘッド部53は、軸部51よりも大きな外径を持った円筒形状をしている。上ヘッド部52は、平面視、例えば、軸部51と同じ外径を持った短径部と、軸部51よりも大きな外径を持った長径部とを有する大略楕円形状をしている。上ヘッド部52は、平面視、軸部51と同じサイズの短寸部と軸部51よりも大きなサイズの長寸部とを有する、トラック形状や長方形状であってもよい。
【0024】
取付ガイド部材56は、第2検出部材50の上ヘッド部52が挿通可能に構成された真円ではないヘッドガイド孔57を有する。ヘッドガイド孔57は、例えば、卵形、長円形又は楕円形である。ヘッドガイド孔57の短径側の周縁には、内蓋プレート41に向けて突出する一対の規制突部58が設けられている。内蓋本体40の内蓋プレート41は、第2検出部材50の上ヘッド部52が挿通可能に構成された真円ではないヘッド挿通孔49を有する。ヘッド挿通孔49は、例えば、卵形、長円形又は楕円形である。
【0025】
第2検出部材50は、以下のようにして、内蓋本体40の内蓋プレート41に設置される。取付ガイド部材56のヘッドガイド孔57と内蓋本体40のヘッド挿通孔49とにおける短径部分及び長径部分のそれぞれが重なるように位置決めする。その状態で、第2検出部材50の上ヘッド部52を、ヘッドガイド孔57及びヘッド挿通孔49の中に貫通させて、内蓋プレート41の上面(外面)から突出させる。互いの短径部分及び長径部分のそれぞれが重なっているヘッドガイド孔57及びヘッド挿通孔49において、ヘッドガイド孔57がヘッド挿通孔49に対して角度(例えば、両者が直交する場合には90度)をなすように、取付ガイド部材56を内蓋プレート41に対して回転させた状態で配置する。そして、取付ガイド部材56を押し上げて、一対の規制突部58をヘッド挿通孔49に挿入したあと、取付ガイド部材56をリベット72で内蓋プレート41に固定する。
【0026】
当該構成によれば、第2検出部材50が一つの部品で構成されるので部品点数の削減を実現するとともに、簡易な構成を実現することができる。さらに、第2検出部材50が蓋体11の第1検出部材35に向けて出没自在であるが、上ヘッド部52がヘッド挿通孔49及びヘッドガイド孔57の両方に引っ掛かるので、第2検出部材50が内蓋本体40から抜け出ることができない。したがって、第2検出部材50が内蓋本体40から抜け出ることを防止する抜け止め構造を簡易に構築することができる。
【0027】
以下、内蓋本体40に着脱自在に装着される装着要素60は、いわゆる「おねば」を貯留するための貯留ケースとして説明するが、当該貯留ケースに限定されるものではない。
図6乃至8に示すように、貯留ケース60は、その外周部に配設される大略円環状の貯留枠部材62と、貯留枠部材62の外径サイズよりもわずかに小径の大略円板形状をした貯留プレート61と、を備えている。貯留ケース60は、内蓋本体40を挟んで放熱板18の反対側に位置して、内蓋本体40に対して着脱自在に取り付けられている。
【0028】
強火で調理物を調理すると、蒸気と粘性を有する液状物質及び泡状物質と(以下、三者を合わせて、吹き出し物という)が鍋15から発生して、蓋体11に向けて吹き上がる。このような吹き出し物のうち、液状物質及び泡状物質は、粘性を有する煮汁であって、お米を炊飯する場合にはデンプン質の「おねば」と言われている。貯留ケース60は、放熱板18から遠方に位置して、内蓋セット20における鍋15内を臨む側(すなわち、内蓋本体40の下面の側)に配置される。貯留ケース60は、吹き出し物から蒸気及び液状物質を分離して、液状物質を貯留するために用いられる。貯留ケース60は、調理後に、内蓋本体40から取り外して、貯留された液状物質を除去するために毎回洗浄される。
【0029】
図5において、貯留枠部材62の一端部分には、膨出部63が形成されている。膨出部63の外周部分には、図示しないスプリングによって弾性的に径方向外側に付勢されて径方向に出没自在に構成された係合部材67が配設されている。膨出部63の径方向反対側の他端部分に位置する外周壁部には、径方向外側に突出する係合部69が配設されている。貯留ケース60の係合部材67及び係合部69は、それぞれ、内蓋本体40の第1固定部材47A及び第2固定部材47B(
図5に図示)と係合する。貯留ケース60は、係合部材67によって、内蓋本体40に対して着脱自在である。
【0030】
貯留枠部材62の上端面には、上端面よりも低く構成された段差部が形成されており、段差部を通じて、鍋15から発生した吹き出し物が貯留空間内に導入される。貯留プレート61には、底壁台部65が取り付けられている。底壁台部65の高さは、貯留枠部材62の上端面の高さよりも低い。すなわち、貯留枠部材62において、貯留枠部材62の上端面の水平方向の延長面と、底壁台部65との間にはギャップが形成されている。貯留ケース60が内蓋本体40に取り付けられた内蓋セット20の内部には、「おねば」を貯留するための貯留空間が形成されている。
【0031】
図9及び10を参照して、内蓋本体40に対する装着要素(貯留ケース)60の装着の有無を検出する内蓋セット検出装置70を説明する。
【0032】
第1検出部材35が蓋体11の内部に配設されて、第1検出部材35が放熱板18を通じて内蓋セット20に向けて出没自在であるように構成されている。パッキン取付孔18Aが放熱板18に形成されており、パッキン取付孔18Aにセンサパッキン34が嵌挿されている。センサパッキン34は、弾性的に変形可能に構成され、円筒状の取付胴部34Aと、取付胴部34Aから下方に延在するスカート状の内側パッキン27と、ヒダ状の伸縮部34Bとを有する。
【0033】
内側パッキン27の先端部分が、全周で内蓋プレート41のシール面48に接しており、内側パッキン27が外側に広がるように弾性的に湾曲変形して、気密のシール状態を形成している。同様に、内側パッキン27の外周に配置された外側パッキン26の先端部分も、全周で内蓋プレート41のシール面48に接しており、外側パッキン26が外側に広がるように弾性的に湾曲変形して、気密のシール状態を形成している。センサパッキン34のヒダ状の伸縮部34Bの中央部には、挿入穴34Cが形成されており、第1検出部材35の先端部28がシール状態で嵌入されている。取付胴部34Aの内周部分が、下板33の取付部33Aに外嵌されている。
【0034】
第1検出部材35は、上下方向に延びる棒状体であって、先端部28と、軸部35Aと、張出ガイド部35Bと、上端部35Cとを有する。第1検出部材35は、蓋体11の放熱板18に対して、直交方向に移動する(すなわち、
図9及び10において、上下方向に移動する)。先端部28は、第2検出部材50の上ヘッド部52に当接する。張出ガイド部35Bは、下板33の取付部33Aの内周に沿って移動するとともに、軸部35Aは、検出部材ガイド38の検出ガイド部38Aの内周に沿って移動するように構成されている。上端部35Cは、検出プレート36の上端取付部36Aに取り付けられている。
【0035】
第1検出部材35の上端部35Cに取り付けられている検出プレート36は、第1検出部材35の上下方向に移動に合わせて、検出部材ガイド38に対して上下方向に移動する。検出プレート36の上端取付部36Aに側方には検出壁部36Bが形成されている。検出壁部36Bも、第1検出部材35の上下方向に移動に合わせて、検出部材ガイド38に対して上下方向に移動する。
【0036】
検出センサ37が、検出部材ガイド38に配設されて、検出壁部36Bの上下方向の移動を検出できるように位置決めされている。検出センサ37は、例えば、発光部と受光部とを有するフォトインタラプタである。検出センサ37は、例えば、検出壁部36Bによる遮光がなされると、オフ信号を出力し、検出壁部36Bによる遮光が無いと、オン信号を出力する。
【0037】
図9に示すように、装着要素(貯留ケース)60が装着されていないとき、第2検出部材50及び第1検出部材35が下位置にある。すなわち、第2検出部材50が引っ込んだ状態(後退した没状態)にあり、第1検出部材35が突出した状態(進出した出状態)にある。このとき、検出プレート36の検出壁部36Bが、検出センサ37よりも下の非遮光位置にある。そのため、検出壁部36Bによって検出センサ37が遮光されることは無く、検出センサ37は、装着要素(貯留ケース)60の非装着状態を表すオフ信号を出力する。
【0038】
図10に示すように、装着要素(貯留ケース)60が装着されると、装着要素(貯留ケース)60の貯留プレート61によって、第2検出部材50及び第1検出部材35が一体的に押し上げられて、第2検出部材50及び第1検出部材35が上位置に位置する。すなわち、第2検出部材50が突出した状態(進出した出状態)にあり、第1検出部材35が引っ込んだ状態(後退した没状態)にある。このとき、検出プレート36は、検出壁部36Bが検出センサ37を遮光する遮光位置に位置する。そのため、検出壁部36Bによって検出センサ37が遮光されて、検出センサ37は、装着要素(貯留ケース)60の装着状態を表すオン信号を出力する。
【0039】
装着要素(貯留ケース)60は、内蓋本体40に装着されたときに第2検出部材50及び第1検出部材35による押し上げ作用が生じるので、内蓋本体40が存在し無い状態つまり内蓋本体40が蓋体11に装着されていない状態では、このような作用は生じない。内蓋本体40が蓋体11に装着されていない場合でも、
図9に示すような、第1検出部材35が下位置に位置するため、検出センサ37がオフ信号を出力する。内蓋セット検出装置70によれば、装着要素(貯留ケース)60又は内蓋本体40の少なくとも1つが非装着状態にあるとき、検出センサ37からオフ信号が出力されて、装着要素(貯留ケース)60又は内蓋本体40の少なくとも1つについての非装着を検出することができる。
【0040】
次に、
図11乃至14を参照して、第2検出部材50及び取付ガイド部材56の変形例を説明する。
【0041】
図3及び4に示した実施形態では、互いに真円ではない第2検出部材50の上ヘッド部52とヘッド挿通孔49及びヘッドガイド孔57との位置関係から、第2検出部材50が内蓋本体40から抜け出ることを防止する抜け止め構造を構築しているが、以下のような構造でも実現することができる。
【0042】
図11に示す第2検出部材50は、下部材50Aと上部材50Bとネジ54という3つの別体の構成要素から構成されている。下部材50Aは、円柱状の軸部51と、軸部51よりも大径の下ヘッド部53とを有する。上部材50Bは、軸部51と同径の円柱状の上軸部55と、上軸部55よりも大径の上ヘッド部52とを有する。上部材50Bの上部には、ネジ54を挿通するための貫通孔が形成され、下部材50Aの上部には、ネジ54用のネジ穴が形成されている。
【0043】
図13及び14に示すように、内蓋本体40の内蓋プレート41に取り付けられる取付ガイド部材56は、板状部59において、円筒状の軸部ガイド孔57Aを有する。軸部ガイド孔57Aは、下部材50Aの軸部51が挿通可能な大きさに構成されている。取付ガイド部材56の軸部ガイド孔57Aに対して、
図11に示した下部材50Aの軸部51を挿通したあとに上部材50Bと組み合わせて、ネジ54でネジ留めすることで、一体化された第2検出部材50を構成することができる。そして、上ヘッド部52及び下ヘッド部53の外径が軸部ガイド孔57Aよりも大きく寸法構成されているので、第2検出部材50が内蓋本体40から抜け出ることを防止する抜け止め構造が構築される。
【0044】
また、第2検出部材50は、
図12に示すように、1つの構成要素から構成することもできる。ヘッダー加工(冷間圧造加工)と呼ばれる、金型を用いて金属製の棒状体に圧力を加えて塑性変形を起こしてヘッドを成形する加工法を用いることができる。すなわち、棒状体を、
図13に示した取付ガイド部材56の軸部ガイド孔57Aに挿通した状態で、ヘッダー加工(冷間圧造加工)を行うことで、軸部51と、軸部51よりも大径の上ヘッド部52及び下ヘッド部53とを持った、第2検出部材50を作成することができる。上ヘッド部52及び下ヘッド部53の外径が軸部ガイド孔57Aの孔径よりも大きいので、第2検出部材50が内蓋本体40から抜け出ることを防止する抜け止め構造が構築される。
【0045】
また、上記実施形態及び変形例では、第2検出部材50における上ヘッド部52及び下ヘッド部53によって抜け止め構造が構築されているが、上ヘッド部52及び下ヘッド部53を用いない構成であってもよい。例えば、
図13及び14に示した軸部ガイド孔57Aに挿通された第2検出部材50において、少なくとも1つの上下方向に延びる直線状のガイド溝が軸部51に形成され、当該ガイド溝に係合するように軸部51の直交方向に延びて突出するガイド突片を有するガイド支持部が内蓋プレート41上に少なくとも1つ立設された構成であってもよい。当該構成によれば、ガイド支持部のガイド突片と軸部51のガイド溝とが該ガイド溝に沿って係合しながら第2検出部材50が軸部ガイド孔57Aでガイドされながら上下方向に移動する。そして、軸部ガイド孔57Aへの第2検出部材50の係合と、ガイド溝へのガイド突片の係合とによって、第2検出部材50がガイド支持部から抜け出ることが防止される。
【0046】
本発明の理解を容易にするために、具体的な構成や数字を用いて説明したが、本発明は、上述した各実施形態の具体的な構成や数字に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した内容を逸脱しない範囲で考えられる各種の変形例を含むことができる。