特許第6262704号(P6262704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6262704樹脂配合物、樹脂ポリマー、および当該樹脂ポリマーを含む複合材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262704
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】樹脂配合物、樹脂ポリマー、および当該樹脂ポリマーを含む複合材
(51)【国際特許分類】
   C08L 79/08 20060101AFI20180104BHJP
   C08K 5/3415 20060101ALI20180104BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20180104BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20180104BHJP
   C08G 18/34 20060101ALI20180104BHJP
   C08G 73/06 20060101ALI20180104BHJP
   C08J 5/24 20060101ALI20180104BHJP
   B32B 27/34 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   C08L79/08 C
   C08K5/3415
   C08K3/22
   C08K3/36
   C08G18/34 030
   C08G73/06
   C08J5/24CFG
   B32B27/34
【請求項の数】19
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-225913(P2015-225913)
(22)【出願日】2015年11月18日
(65)【公開番号】特開2016-98378(P2016-98378A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2015年11月18日
(31)【優先権主張番号】103140382
(32)【優先日】2014年11月21日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】莊 貴貽
(72)【発明者】
【氏名】曾 峰柏
(72)【発明者】
【氏名】邱 國展
(72)【発明者】
【氏名】廖 如仕
【審査官】 内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/077397(WO,A1)
【文献】 特開平02−218774(JP,A)
【文献】 特開平06−005123(JP,A)
【文献】 特開昭57−002317(JP,A)
【文献】 特開平06−313109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 73/06
C08L 79/08
C08G 18/34
C08J 5/24
C08K 3/22
C08K 3/36
C08K 5/3415
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
100重量部のカルボン酸無水物と、20〜90重量部の第1のジイソシアネートと、45〜103重量部の第2のジイソシアネートとから作製されたポリアミドイミド(PAI)樹脂と、
50〜200重量部のビスマレイミド(BMI)と
を含む樹脂配合物であって、
前記カルボン酸無水物が次の化学式を有し、
【化1】

(式中、Aはベンゼンまたはシクロヘキサンであり、Rは−H、−CHまたは−COOHであり、qは0から8までの範囲である。)
前記第1のジイソシアネートが以下の化学式(I)を有し、
前記第2のジイソシアネートが以下の化学式(II)、化学式(III)またはこれらの組み合わせを有し、
前記化学式(I)、(II)および(III)が次のとおりである樹脂配合物。
【化2】

【化3】

【化4】

(式中、Aはそれぞれ独立にベンゼンまたはシクロヘキサンであり、QはC1〜C12アルキレン、−O−、−S−または−SO−であり、Xはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり、Rはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり、Eはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHである。)
【請求項2】
化学式(I)を有する前記第1のジイソシアネートと、化学式(II)を有する前記第2のジイソシアネートとの重量比が25〜75:55〜115である請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項3】
化学式(I)を有する前記第1のジイソシアネートと、化学式(II)を有する前記第2のジイソシアネートとの重量比が30〜65:65〜105である請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項4】
化学式(I)を有する前記第1のジイソシアネートと、化学式(III)を有する前記第2のジイソシアネートとの重量比が25〜75:40〜100である請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項5】
化学式(I)を有する前記第1のジイソシアネートと、化学式(III)を有する前記第2のジイソシアネートとの重量比が30〜65:50〜90である請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項6】
化学式(I)を有する前記第1のジイソシアネートと、化学式(II)を有する前記第2のジイソシアネートと、化学式(III)を有する前記第2のジイソシアネートとの重量比が80〜300:100:10〜1000である請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項7】
化学式(I)を有する前記第1のジイソシアネートと、化学式(II)を有する前記第2のジイソシアネートと、化学式(III)を有する前記第2のジイソシアネートとの重量比が150〜200:100:50〜600である請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項8】
Qが−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH12−または−C(CH−である請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項9】
前記ビスマレイミドが次の化学式、
【化5】

または
【化6】

を有し、式中、Rがそれぞれ独立に−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH12−、−CH−C(CH−CH−CH(CH)−CH−CH−、
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

もしくは
【化11】

である請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項10】
50〜200重量部の無機粉末をさらに含む請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項11】
前記第1のジイソシアネートの重量が25〜70重量部であり、且つ、前記第2のジイソシアネートの重量が50〜103重量部であるとともに
80〜180重量部の前記ビスマレイミド(BMI)を含む請求項1に記載の樹脂配合物。
【請求項12】
前記無機粉末には、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたはこれらの組み合わせが含まれる請求項10に記載の樹脂配合物。
【請求項13】
100重量部のカルボン酸無水物20〜90重量部の第1のジイソシアネート45〜103重量部の第2のジイソシアネートとを混合してポリアミドイミド(PAI)樹脂を作製し、50〜200重量部のビスマレイミド(BMI)と前記ポリアミドイミド(PAI)樹脂とを混合し樹脂ポリマーを作製する工程を含む方法によって作製される樹脂ポリマーであって、
前記カルボン酸無水物が次の化学式を有し、
【化12】

(式中、Aはベンゼンまたはシクロヘキサンであり、Rは−H、−CHまたは−COOHであり、qは0から8までの範囲である。)
前記第1のジイソシアネートが下記の化学式(I)を有し、
前記第2のジイソシアネートが下記の化学式(II)、(III)またはこれらの組み合わせを有し、
前記化学式(I)、(II)および(III)が次のとおりである樹脂ポリマー。
【化13】

【化14】

【化15】

(式中、Aはそれぞれ独立にベンゼンまたはシクロヘキサンであり、QはC1〜C12アルキレン、−O−、−S−または−SO−であり、Xはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり、Rはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり、Eはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHである。)
【請求項14】
化学式(I)を有する前記第1のジイソシアネートと、化学式(II)を有する前記第2のジイソシアネートとの重量比が25〜75:55〜115である請求項13に記載の樹脂ポリマー。
【請求項15】
化学式(I)を有する前記第1のジイソシアネートと、化学式(III)を有する前記第2のジイソシアネートとの重量比が25〜75:40〜100である請求項13に記載の樹脂ポリマー。
【請求項16】
化学式(I)を有する前記第1のジイソシアネートと、化学式(II)を有する前記第2のジイソシアネートと、化学式(III)を有する前記第2のジイソシアネートとの重量比が80〜300:100:10〜1000である請求項13に記載の樹脂ポリマー。
【請求項17】
Qが−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH12−または−C(CH−である請求項13に記載の樹脂ポリマー。
【請求項18】
基板と、
前記基板上に形成された請求項13に記載の樹脂ポリマーと
を含む複合材。
【請求項19】
前記基板には繊維または金属が含まれる請求項18に記載の複合材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年11月21日に出願された台湾特許出願第103140382号に基づいて優先権を主張し、その全体が本明細書において援用される。
【0002】
本発明は、高耐熱性および低熱膨張係数を有する樹脂配合物に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、プリント回路基板(PCBs)の配線は次第に高密度集積化および薄型化してきている。基板の薄型化に伴って、基板は、高温プロセス下で歪みやすくなっている。このときに、絶縁層に用いられる樹脂の熱膨張係数がウェハの熱膨張係数と類似するものであることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8278820号明細書
【特許文献2】米国特許第6774172号明細書
【特許文献3】米国特許第4451621号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2013/0065074号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2011/0221331号明細書
【特許文献6】台湾特許出願第201235411号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な絶縁樹脂の熱膨張係数は高い。よって、熱膨張係数の低い絶縁樹脂を開発することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、樹脂配合物が提供される。当該樹脂配合物は、100重量部のカルボン酸無水物と、化学式(I)を有する20〜90重量部の第1のジイソシアネートと、化学式(II)、(III)またはこれらの組み合わせを有する45〜103重量部の第2のジイソシアネートと、50〜200重量部のビスマレイミド(BMI)とを含む。化学式(I)、(II)および(III)は以下のとおりである。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】
化学式(I)、(II)および(III)中、Aはそれぞれ独立にベンゼンまたはシクロヘキサンであり、QはC1〜C12アルキレン、−O−、−S−または−SO−であり、Xはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり、Rはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり、Eはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHである。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、樹脂ポリマーが提供される。当該樹脂ポリマーは、カルボン酸無水物、第1のジイソシアネート、第2のジイソシアネートおよびビスマレイミド(BMI)を混合し重合反応を進行させて樹脂ポリマーを作製する工程を含む方法によって作製される。第1のジイソシアネートは上記化学式(I)を有し、第2のジイソシアネートは上記化学式(II)、(III)またはこれらの組み合わせを有する。カルボン酸無水物は100重量部、第1のジイソシアネートは20〜90重量部、第2のジイソシアネートは45〜103重量部、ビスマレイミド(BMI)は50〜200重量部である。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、複合材が提供される。当該複合材は、基板と、基板上に形成された上記樹脂ポリマーとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、先ず、カルボン酸無水物、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)および対称性(symmetrical)/剛性(rigid)ジイソシアネート(例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)またはビトレリンジイソシアネート(bitolylene diisocyanate,TODI)のうちの少なくとも1つ)を反応させて、熱膨張係数が低くかつ反応性の高いポリアミドイミド(PAI)樹脂を形成する。次いで、その樹脂に、耐熱性/難燃性の高いビスマレイミド(BMI)を導入することによって、低熱膨張係数の樹脂材料が、含浸および熱ラミネート(thermal−laminating)プロセスに適合したものとなる。さらに、開示される複合材の配合組成は、IC基板および多層回路基板に適用でき、基板の低い反り(warpage)への要求が満たされる。
【0014】
以下の実施形態において詳細な説明を行う。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な記載では、説明の目的で、開示される実施形態が十分に理解されるよう、多数の特定の詳細が述べられる。しかしながら、これら特定の詳細が無くとも、1つまたは複数の実施形態が実施可能であるということは明らかであろう。また、図面を簡潔とするため、既知の構造および装置は概略的に示される。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、樹脂配合物が提供される。当該樹脂配合物は、100重量部のカルボン酸無水物、化学式(I)を有する20〜90重量部の第1のジイソシアネート、化学式(II)、(III)またはこれらの組み合わせを有する45〜103重量部の第2のジイソシアネート、および50〜200重量部のビスマレイミド(BMI)を含む。化学式(I)、(II)および(III)は以下のとおりである。
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
化学式(I)、(II)および(III)中、Aはそれぞれ独立にベンゼンまたはシクロヘキサンであり得る。QはC1〜C12アルキレン(例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH12−もしくは−C(CH−)、−O−、−S−、または−SO−であり得る。Xはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり得る。Rはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり得る。Eはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり得る。
【0021】
カルボン酸無水物は下記の化学式を有し得る。
【0022】
【化7】
【0023】
上記化学式中、Aはベンゼンまたはシクロヘキサンであり得る。Rは−H、−CHまたは−COOHであり得る。qは約0から8までの範囲にある。本発明の樹脂配合物に加えられるカルボン酸無水物は、トリメリット酸無水物(trimellitic anhydride,TMA)、c−TMA(シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物)またはこれらの組み合わせとすることができる。
【0024】
具体的には、本発明の樹脂配合物において、化学式(I)を有する第1のジイソシアネートと化学式(II)を有する第2のジイソシアネートとの重量比は、約25〜75:55〜115または30〜65:65〜105である。
【0025】
化学式(I)を有する第1のジイソシアネートと化学式(III)を有する第2のジイソシアネートとの重量比は、約25〜75:40〜100または30〜65:50〜90である。
【0026】
化学式(I)を有する第1のジイソシアネートと、化学式(II)を有する第2のジイソシアネートと、化学式(III)を有する第2のジイソシアネートとの重量比は、約80〜300:100:10〜1000または150〜200:100:50〜600である。
【0027】
ビスマレイミド(BMI)は下記の化学式を有し得る。
【0028】
【化8】

または
【0029】
【化9】
【0030】
上記化学式中、Rはそれぞれ独立に−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH12−、−CH−C(CH−CH−CH(CH)−CH−CH−、
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】

または
【0035】
【化14】

であってよい。
【0036】
一実施形態では、本発明の樹脂配合物において、第1のジイソシアネートは25〜70重量部、第2のジイソシアネートは50〜103重量部、ビスマレイミド(BMI)は80〜180重量部である。
【0037】
本発明の樹脂配合物は、50〜200重量部の無機粉末をさらに含んでいてよい。本発明の樹脂処方に加えられる無機粉末には、酸化ケイ素(例えば二酸化ケイ素)、酸化アルミニウム(例えば三酸化アルミニウム)、酸化マグネシウムまたはこれらの組み合わせが含まれ得る。
【0038】
本発明の樹脂配合物に加えられる溶媒は、用いるジイソシアネートおよびビスマレイミド(BMI)に応じて適切に選択される。溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジオールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの組み合わせであり得るが、これらに限定はされない。
【0039】
一実施形態では、カルボン酸無水物、第1のジイソシアネート、第2のジイソシアネートおよび溶媒を混合し、加熱して重合反応を進行させ、プレポリマーを作る。反応温度は約80℃から150℃までの範囲、例えば約100℃から130℃の範囲である。反応時間は約0.5時間から6時間までの範囲、例えば約1.5時間から3.5時間の範囲である。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、樹脂プレポリマーが提供される。当該樹脂プレポリマーは下記の化学式を有する。
【0041】
【化15】

【0042】
上記化学式中、Aはそれぞれ独立にベンゼンまたはシクロヘキサンであり得る。Rは−H、−CHまたは−COOHであり得る。Xはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり得る。QはC1〜C12アルキレン(例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH12−もしくは−C(CH−)、−O−、−S−、または−SO−であり得る。Vは−NH−であり得る。さらに、qは約0から8までの範囲であり、zは約1から20000までの範囲である。
【0043】
本発明の別の実施形態によれば、樹脂プレポリマーが提供される。当該樹脂プレポリマーは下記の化学式を有する。
【0044】
【化16】
【0045】
上記化学式中、Aはベンゼンまたはシクロヘキサンであり得る。Rは−H、−CHまたは−COOHであり得る。Eはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり得る。Vは−NH−であり得る。さらに、qは約0から8までの範囲であり、かつzは約1から20000までの範囲である。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、樹脂プレポリマーが提供される。当該樹脂プレポリマーは次の方法により作製される。当該方法は、カルボン酸無水物、第1のジイソシアネート、第2のジイソシアネートおよびビスマレイミド(BMI)を混合し重合反応を進行させて樹脂ポリマーを作製する工程を含む。第1のジイソシアネートは下記の化学式(I)を有し、第2のジイソシアネートは下記の化学式(II)、(III)またはこれらの組み合わせを有する。カルボン酸無水物は100重量部、第1のジイソシアネートは20〜90重量部、第2のジイソシアネートは45〜103重量部、ビスマレイミド(BMI)は50〜200重量部である。
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】
【化19】
【0050】
上記化学式(I)、(II)および(III)中、Aはそれぞれ独立にベンゼンまたはシクロヘキサンであり得る。QはC1〜C12アルキレン(例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH12−もしくは−C(CH−)、−O−、−S−、または−SO−を含み得る。Xはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり得る。Rはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり得る。Eはそれぞれ独立に−H、−CHまたは−CHCHであり得る。
【0051】
詳細には、本発明の樹脂ポリマーを作製する方法の混合の工程において、化学式(I)を有する第1のジイソシアネートと化学式(II)を有する第2のジイソシアネートとの重量比は、約25〜75:55〜115または30〜65:65〜105である。
【0052】
化学式(I)を有する第1のジイソシアネートと化学式(III)を有する第2のジイソシアネートとの重量比は、約25〜75:40〜100または30〜65:50〜90である。
【0053】
化学式(I)を有する第1のジイソシアネートと、化学式(II)を有する第2のジイソシアネートと、化学式(III)を有する第2のジイソシアネート1のジイソシアネートとの重量比は、約80〜300:100:10〜1000または150〜200:100:50〜600である。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、複合材が提供される。当該複合材は、基板と、基板上に形成された本発明の樹脂ポリマーとを含む。
【0055】
上記基板には繊維または金属が含まれ得る。
【実施例】
【0056】
[実施例1]
複合材(1)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/BMI)
【0057】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)69g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)65g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)156gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させて、プリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表1に示されている。
【0058】
[実施例2]
複合材(2)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/BMI)
【0059】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)103g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)32.6g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)157gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表1に示されている。
【0060】
[実施例3]
複合材(3)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/NDI/BMI)
【0061】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)54.7g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)65g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)160gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表1に示されている。
【0062】
[実施例4]
複合材(4)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/NDI/BMI)
【0063】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)82g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)32g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)156gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表1に示されている。
【0064】
[実施例5]
複合材(5)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/BMI/Al/SiO
【0065】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)103g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)32.6gおよびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)157gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)85gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)85gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表1に示されている。
【0066】
[実施例6]
複合材(6)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/NDI/BMI/Al/SiO
【0067】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)82g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)32gおよびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)156gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)80gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)80gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表1に示されている。
【0068】
【表1】
【0069】
[実施例7]
複合材(7)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/NDI/BMI/Al/SiO
【0070】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)82g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)32gおよびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)156gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)46gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)46.5gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表2に示されている。
【0071】
[実施例8]
複合材(8)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/NDI/BMI/Al/SiO
【0072】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)82g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)32gおよびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)94gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)65gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)66gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表2に示されている。
【0073】
[実施例9]
複合材(9)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/NDI/BMI)
【0074】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)34.3g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)27.3g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)65g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)156gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表2に示されている。
【0075】
[実施例10]
複合材(10)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/NDI/BMI)
【0076】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)13.7g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)76.5g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)26g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)156gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表2に示されている。
【0077】
[実施例11]
複合材(11)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/NDI/BMI/Al/SiO
【0078】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)34.3g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)27.3g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)65g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)156gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)80gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)80gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表2に示されている。
【0079】
[実施例12]
複合材(12)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/NDI/BMI/Al/SiO
【0080】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)100g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)13.7g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)76.5g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)26g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)148gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)79gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)79gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより、耐熱性が高くかつ熱膨張係数が低い複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表2に示されている。
【0081】
【表2】
【0082】
[比較例1]
複合材(1)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/BMI)
【0083】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)65g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)172gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表3に示されている。
【0084】
[比較例2]
複合材(2)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/NDI/BMI)
【0085】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)11g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)52g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表3に示されている。
【0086】
[比較例3]
複合材(3)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/NDI/BMI/Al/SiO
【0087】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)11g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)52g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)40gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)40gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表3に示されている。
【0088】
[比較例4]
複合材(4)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/BMI/Al/SiO
【0089】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)65g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)172gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)86.3gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)53.6gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表3に示されている。
【0090】
[比較例5]
複合材(5)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/NDI/BMI)
【0091】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)52g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)3.2g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表3に示されている。
【0092】
[比較例6]
複合材(6)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/NDI/BMI/Al/SiO
【0093】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)52g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)3.2g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)39gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)40gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表3に示されている。
【0094】
【表3】
【0095】
比較例5および6では、含浸およびラミネート後、プリプレグどうしが緊密に貼着しなかったため、いくつかの物理/材料特性は測定不能となっている(N.D.)。
【0096】
[比較例7]
複合材(7)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/BMI)
【0097】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)20.6g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)45.5g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表4に示されている。
【0098】
[比較例8]
複合材(8)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/BMI/Al/SiO
【0099】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)20.6g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)45.5g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)41gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)42gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表4に示されている。
【0100】
[比較例9]
複合材(9)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/BMI)
【0101】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)65g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)3.2g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表4に示されている。
【0102】
[比較例10]
複合材(10)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/BMI/Al/SiO
【0103】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)65g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)3.2g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)41gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)42gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表4に示されている。
【0104】
【表4】
【0105】
比較例9および10では、含浸およびラミネート後、プリプレグどうしが緊密に貼着しなかったため、いくつかの物理/材料特性は測定不能となっている(N.D.)。
【0106】
[比較例11]
複合材(11)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/NDI/BMI)
【0107】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)6.9g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)10.9g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)45.5g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表5に示されている。
【0108】
[比較例12]
複合材(12)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/NDI/BMI/Al/SiO
【0109】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)6.9g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)10.9g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)45.5g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)40gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)41gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表5に示されている。
【0110】
[比較例13]
複合材(13)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/NDI/BMI)
【0111】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)3.4g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)49.2g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)3.2g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド (BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させて、調合ワニス(formulated varnish)を作製した。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表5に示されている。
【0112】
[比較例14]
複合材(14)の作製(原料配合物の組成:TMA/MDI/TODI/NDI/BMI/Al/SiO
【0113】
トリメリット酸無水物(TMA,Fu−Pao Chemical Co.)50g、ビトリレンジイソシアネート(TODI,CHAR−DENG agent)3.4g、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI,MAO−SHUN agent)49.2g、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI,Fu−Pao Chemical Co.)3.2g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP,TEDIA Inc.)550gを1000mL容量の三口ガラス反応容器に加え、90〜150℃で2枚羽根のインペラ型の撹拌棒で撹拌しながら反応させて、溶液を作った。反応が完了したら、その溶液を室温まで冷却し、その溶液にビスマレイミド(BMI,KI Chemical Co.)80gを加え、90〜135℃で撹拌しながら反応させた。次いでその溶液にAl(1〜2μm,SHOWA)39gおよびSiO(<5μm,Tatsumori)40gを加え、研磨および撹拌した後に、調合ワニス(formulated varnish)を得た。次いで、ガラス繊維布にその調合ワニスを含浸させてプリプレグを作ってから、プリプレグをラミネートし、200℃で加熱し、3時間加圧した。これにより複合材が得られた。この複合材の組成および物理/材料特性は表5に示されている。
【0114】
【表5】
【0115】
比較例13および14では、含浸およびラミネート後、プリプレグどうしが緊密に貼着しなかったため、いくつかの物理/材料特性は測定不能となっている(N.D.)。
【0116】
表1〜5の結果から示されるように、特定の樹脂配合物(カルボン酸無水物、少なくとも2つのジイソシアネートおよびビスマレイミド(BMI)を含む)ならびに特定のジイソシアネート間の割合を採用することによって重合された本発明の複合材は、少量(<30%)の無機充填材を添加した場合に、低い熱膨張係数(例えば8ppm/℃から30ppm/℃までの範囲のxy−CTE)および高いガラス転移温度(例えばTg>250℃)という特性を得ることができる。
【0117】
当業者には、本発明の実施形態に各種修飾および変化を加え得るということが明らかであろう。明細書および実施例は単に例示として見なされるべきであり、本発明の真の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって示されるものである。