(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態が可能なこれらおよび他の態様、特徴および利点は、添付図面を参照して、以下の本発明の実施形態の記載から明らかとなり解明されるであろう。
【
図1】
図1は、本発明の好適な実施形態によるステントの側面図を示す。
【
図6A】
図6Aは、
図1中の領域6の別の図を示し、異なるワイヤストランドによって形成された2つのコイルを有する。
【
図7】
図7は、本発明の好適な実施形態によるプッシャー部材の側面図を示す。
【
図8】
図8は、
図7のプッシャー部材の部分側面図を示し、その遠位端部上に圧縮された
図1のステントを有し、カテーテル内に配置されている。
【
図9】
図9は、動脈瘤の開口部上に配置された
図1のステントを示す。
【
図10】
図10は、
図1のステントを作るために用いることが可能な本発明によるマンドレルの側面図を示す。
【
図11】
図11は、本発明の好適な実施形態によるステントの側面図を示す。
【
図12】
図12は、本発明の好適な実施形態による二重層ステントの多様な図を示す。
【
図13】
図13は、本発明の好適な実施形態による二重層ステントの多様な図を示す。
【
図14】
図14は、本発明の好適な実施形態による二重層ステントの多様な図を示す。
【
図16】
図16は、材料の管またはシートから形成された外側ステント層を有する二重層ステントの斜視図を示す。
【
図17】
図17は、
図15の二重層ステントの断面図を示し、二重層ステントの双方の層の多様な任意選択の取付点を示す。
【
図18】
図18は、本発明による二重層ステントの別の好適な実施形態を示す。
【
図19】
図19は、流れ方向転換層によって構成される本発明によるステントを示す。
【
図20】
図20は、短縮流れ方向転換層を有する本発明による二重層ステントを示す。
【
図21】
図21は、細長い流れ方向転換層を有する本発明による二重層ステントを示す。
【
図22】
図22は、非対称に配置された流れ方向転換層を有する、本発明による二重層ステントを示す。
【
図23】
図23は、本発明による、流れ方向転換層と共に用いるための伸張性ワイヤを示す。
【
図24】
図24は、本発明による、流れ方向転換層と共に用いるための伸張性ワイヤを示す。
【
図25】
図25は、その構造中に組み込まれた伸張性ワイヤを有する流れ方向転換層の一部を示す。
【
図26】
図26〜
図29は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明によるプロセスを示す。
【
図27】
図26〜
図29は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明によるプロセスを示す。
【
図28】
図26〜
図29は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明によるプロセスを示す。
【
図29】
図26〜
図29は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明によるプロセスを示す。
【
図30】
図30は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明による別のプロセスを示す。
【
図31】
図31〜
図36は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明による別のプロセスを示す。
【
図32】
図31〜
図36は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明による別のプロセスを示す。
【
図33】
図31〜
図36は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明による別のプロセスを示す。
【
図34】
図31〜
図36は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明による別のプロセスを示す。
【
図35】
図31〜
図36は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明による別のプロセスを示す。
【
図36】
図31〜
図36は、ポリマーステントまたはステント層を作るための本発明による別のプロセスを示す。
【
図39】
図39は、本発明によるステント送達プッシャーの多様な態様を示す。
【
図40】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図41】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図42】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図43】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図44】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図45】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図46】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図47】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図48】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図49】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図50】
図40〜
図50は、本発明による、異なる遠位端部形状を有するステント送達プッシャーの多様な実施形態を示す。
【
図51】
図51〜
図59は、本発明による高速交換ステント送達システムの多様な実施形態を示す。
【
図52】
図51〜
図59は、本発明による高速交換ステント送達システムの多様な実施形態を示す。
【
図53】
図51〜
図59は、本発明による高速交換ステント送達システムの多様な実施形態を示す。
【
図54】
図51〜
図59は、本発明による高速交換ステント送達システムの多様な実施形態を示す。
【
図55】
図51〜
図59は、本発明による高速交換ステント送達システムの多様な実施形態を示す。
【
図56】
図51〜
図59は、本発明による高速交換ステント送達システムの多様な実施形態を示す。
【
図57】
図51〜
図59は、本発明による高速交換ステント送達システムの多様な実施形態を示す。
【
図58】
図51〜
図59は、本発明による高速交換ステント送達システムの多様な実施形態を示す。
【
図59】
図51〜
図59は、本発明による高速交換ステント送達システムの多様な実施形態を示す。
【
図60】
図60は、本発明によるステント送達プッシャーの別の実施形態を示す。
【
図61】
図61は、本発明によるステント送達プッシャーの別の実施形態を示す。
【
図67】
図67は、本発明による、異なるサイズのワイヤを有する単一の層ステントの別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の特定の実施形態について、添付図面を参照して説明する。しかし、本発明は、異なる形態で具現化が可能であり、本明細書中において説明する実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全となるように、そして本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。添付図面中に示す実施形態の詳細な説明において用いられる用語は、本発明を限定するものではない。図面中、同様の番号は同様の要素を指す。
【0018】
別段の定義がない限り、本明細書中において用いられる(技術用語および科学用語を含む)全ての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に用いられる辞書において定義される用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明確に定義されない限り、理想的な意味または過度に形式的な意味として解釈されないことがさらに理解される。
【0019】
図1は、本発明の好適な実施形態によるステント100を示す。ステント100は、単一のワイヤ102から織り込まれて、または編み込んでまとめられて、ステント100の両端の外周の周囲に複数のループ104を備えた概して円筒形状を形成する。
【0020】
図1および
図5中の領域5に示すように、溶接(溶接領域116を参照)、接着剤または類似の接着機構を介して単一のワイヤ102の端部を相互に接続することができる。一旦これらの端部が溶接または接着されると、ワイヤ102は「フリー」端部を持たなくなる。
【0021】
ループ104はそれぞれ、1つ以上のコイル部材106を含み得る。好適には、コイル部材106は、以下に詳述するように、ステント100の近位端部および遠位端部を示すループ104のワイヤ102の周囲に配置される。さらに、以下により詳細に説明するように、これらのコイル部材106は、送達装置内にさらなる固定力を提供することができる。
【0022】
一例において、ステント100の遠位端部は、それぞれ2つのコイル部材106を備えた少なくとも2つのループ104を含み、ステント100の近位端部は、それぞれ1つのコイル部材106を備えた少なくとも2つのループ104を含む。しかし、ステント100は、任意の数のコイル部材106を任意の数のループ104上に含み得ることが理解されるべきである。
【0023】
好適には、ステント100がつぶれた状態にあるとき、コイル部材106は、ステント100の極めて遠位または極めて近位端部の近くに位置するように、これらのコイル部材106は、ループ104の中央領域の近くに配置される。
【0024】
好適には、各コイル部材106は、ループ104の一部の周囲に巻かれたワイヤ105によって構成される。各コイル部材106は(
図3に見られるように)個別のワイヤ105によって構成することができ、あるいは、単一のワイヤ105によって(
図1、
図3および
図6に見られるように)複数のコイル部材106を形成することができる。この好適な実施形態において、いくつかのコイル部材106は、ワイヤ105の個別の部分によって構成される一方、いずれかの端部上の他のコイル部材106は、同一の連続するワイヤ105から形成される。
図1に示すように、ワイヤ105をステント100の内側部位または内腔内に配置することにより、ワイヤ105をステント100の各端部上のコイル部材106へ接続することができる。あるいは、ワイヤ105は、ステント100のワイヤ102に織り込むことができる。
【0025】
別の実施形態において、ワイヤ105は、ワイヤ105を生成するように共に巻かれた2つ以上の構成ワイヤ要素によって構成することができる。要素105を作るために2つ以上の捩りワイヤを用いることにより、曲げ半径を低下させ、これにより全体的曲率/柔軟性を増加させることにより、ワイヤ105の柔軟性を増加させることが可能になる。柔軟性の増加により、装置の崩壊性および追跡可能性を支援することができる。
【0026】
ワイヤ105を生成するために複数のワイヤが共に巻かれた場合、コイル106を連続して生成するために各構成ワイヤ要素をステントの近位端部および遠位端部において個別に巻いてもよい。よって、構成ワイヤ要素のうちの1つを巻いて1つのコイル106を形成した後、構成ワイヤ要素の別の1つを後続コイル106内に巻くことができる。
【0027】
好適には、コイル部材106のワイヤ105は、例えば、タンタルまたはプラチナなどのX線不透過性材料によって構成される。ワイヤ105は好適には、約0.00225”の直径を有する。
あるいは、コイル部材106は、ループ104上に配置されループ104に接着されたX線不透過性スリーブであり得る。
【0028】
一実施形態において、ステント100の近位端部上のループ104は、(
図3に見られるように)ループ104の各側上に1つのコイル106を有する一方、ステント100の遠位端部は、(
図6に見られるように)各ループ104の片側上に一つのコイル106のみを含む。
【0029】
好適には、ステント100の織り込みパターンにより、遠位コイル106が後退時にステント100の外径から露出する、あるいは「突出する」ことが回避される。よって、ユーザがステント100を再配置および再展開のためにカテーテル内へ後退させることを決定したとしても、遠位コイル106がカテーテルの遠位縁部をつかむことや遠位縁部と接触することはなく、よって、後退時に発生し得るステント100への損傷が最小化される。
【0030】
後退時における遠位コイル106の露出を最小化するための1つの特定の技術は、ワイヤ102の一部が重なり合う(すなわち、コイル106を備えたループ104の側部よりもより大きな外径位置に位置する)ようにステント100を織り込むことである。
図6に見られるように、いくつかのより小型の少数のループ107がコイル106(位置109を参照)を含むループ104の第1の側部104Aと重なるように織り込まれる一方、他の少数ループ107がループ104の第2の側部104B(位置111を参照)の下でられる。
【0031】
ユーザがステント100をカテーテル内へ後退させると、ステント100の直径が縮むにつれて少数ループ107が内方へ(すなわち、ステント通路の中央へ向かって)移動し、その結果、ループ104の第1の側部104A上へ内方に押圧される。この点において、少数ループ107は、内方の力または圧縮力をループ104の第1の側部104A上へ及ぼす。このような構成により、ループ104の第1の側部104Aおよびよってコイル106が後退時においてステント100の最も外側の外径に配置されないことが確実となり、その結果、コイル106が展開カテーテルの遠位端部をつかむ、あるいは遠位端部に引っかかる可能性が低下する。
【0032】
図1および
図2中に最良に見られるように、ループ104は、ステント100の主要本体の直径に対して完全に拡張した場合、外径114までフレアにされるまたはバイアスされる。これらのループ104は、本体の直径と同等または本体の直径より小さい直径まで拡張させることもできる。
【0033】
ステント100は好適には、
図9中に見られるように、ヒト身体中の血管152に合わせ直径110を有する。より好適には、直径110は約2mm〜10mmである。ステント100の長さは好適には、同様に
図9に見られるように、動脈瘤150の口部を超えて延びるようなサイズにするのが好適である。より好適には、ステント100の長さは、約5mm〜100mmである。
【0034】
図7および
図8は、ステント100の送達のために用いることが可能な本発明による送達システム135を示す。カテーテルまたはシース133が送達プッシャー130上に配置され、ステント100を圧縮位置に維持する。シース133の遠位端部が所望の標的位置(すなわち、隣接する動脈瘤150)を達成した後、シース133は後退して、ステント100を解放することができる。
【0035】
送達プッシャー130は好適には、遠位端部の近くにおいて直径でテーパー状となっている(ニチノール製の)コア部材132によって構成される。コア部材132のテーパー状端部の近位領域は、好適にはステンレススチール製であり、コア部材132上の所定位置に溶接または半田付けされるより大きい直径の第1のワイヤコイル134を含む。コイル状ワイヤの先端は、コア部材132へ固定され、好適にはプラチナなどのX線不透過性材料製の第1のマーカバンド136である。
【0036】
より小さな直径の第2のワイヤコイル138は、マーカバンド136の遠位に配置され、好適にはテンレススチールまたはプラスチックスリーブによって構成される。第2のマーカバンド140は、第2のワイヤコイル138の遠位に配置され、これも好適にはプラチナなどのX線不透過性材料製である。第2のマーカバンド140の先端は、コア部材132の幅狭の露出部分142である。最後に、コイル状の遠位先端部材144がコア部材132の遠位端部上に配置され、好適にはプラチナまたはタンタルなどのX線不透過性材料によって構成される。
【0037】
一例において、シース133の内径は約0.027”であり、長さは約1メートルである。送達プッシャー130の長さも、約2メートルである。送達プッシャー130の部分は好適には、以下の直径を有する:すなわち、コア部材132の近位領域は約.0180インチであり、第1のワイヤコイル134は約.0180インチであり、第1のマーカバンド136は約.0175インチであり、第2のワイヤコイル138は約.0050インチであり、第2のマーカバンド140は約.0140インチであり、遠位コア部材部分142は約.003インチであり、遠位先端部材144は約.0100インチである。送達プッシャー130の部分は好適には、以下の長さを有する:すなわち、コア部材132の近位領域は約1メートルであり、第1のワイヤコイル134は約45cmであり、第1のマーカバンド136は約.020インチであり、第2のワイヤコイル138は約.065インチであり、第2のマーカバンド140は約.020インチであり、遠位コア部材部分142は約10cmであり、遠位先端部材144は約1cmである。
【0038】
図8に示すように、ステント100の近位端部上のコイル部材106を第1のマーカバンド136と第2のマーカバンド140との間に配置されるように、ステント100は送達プッシャー130の遠位端部上で圧縮される。好適には、近位コイル部材106は、マーカバンド136にも140にも接触せず、シース133と第2のコイル領域138との間の摩擦力を介して維持される。
【0039】
送達プッシャーの遠位端部が所望の標的位置に隣接した領域(例えば、動脈瘤の近く)に到達すると、シース133を送達プッシャー130に対して近位方向に後退させる。シース133がステント100を露出すると、ステント100は、
図9に見られるように血管152の壁に対して拡張する。
【0040】
プッシャー130を近位方向に後退させることにより、ステント100を(完全に展開/解放されない場合に)後退させることもでき、これにより、マーカバンド140が近位マーカバンド106と接触して、ステント100がシース133内へ引き戻される。
【0041】
一つの例示的使用において、塞栓コイルなどの塞栓症装置または材料を動脈瘤150内に送達した後、ステント100を動脈瘤150の開口部上に送達することができる。この点において、ステント100は、治療装置が動脈瘤150から外へ押し出し合併症を引き起こすこと、または治療有効性を低下させることを回避することを支援することができる。
一例において、ワイヤ102は、直径約.001インチ〜.010インチのニチノールなどの形状記憶弾性材料によって構成される。
【0042】
ワイヤ102は、ステント100の長さにわたって直径を変化させることができる。例えば、近位端部および遠位端部の近くのワイヤ102の直径をステント100の中間部位よりも厚くすることができる。別の例において、近位端部および遠位端部を中間部位よりも薄くすることができる。別の例において、ワイヤ102の直径を、ステント100の長さに沿ってより大きな直径とより小さな直径を交互させることができる。さらに別の例において、ワイヤ102の直径は、ステント100の長さに沿って徐々に増加または低減させることができる。さらに別の例において、ループ104は、ステント100の主要本体を含むワイヤ102よりも直径が大きいかまたは小さなワイヤ102によって構成され得る。より詳細な例において、ループ104のワイヤ102の直径は約.003インチであり得る一方、ステント100の本体のワイヤ102は約.002インチであり得る。
【0043】
さらに別の例において、ステント100の圧縮および/または拡張構成においてワイヤ102が別の部分と交差し得るワイヤ102の選択領域は、より低減された厚さを持ち得る。この点において、ステント100の厚さは、特定の構成において効果的に低減することができる。例えば、圧縮構成にあるときワイヤ102が重なり合う領域においてワイヤ102の部分を低減した場合、ステント100の全体的プロファイルまたは厚さを低減することができ、これにより、ステント100を潜在的により小型の送達カテーテルへはめ込むことを可能にする。
【0044】
ワイヤ102の直径のこの変化は、電解研磨、エッチング、あるいは組み立てられたステント100の部分を低減して直径を低減させることにより、達成することができる。あるいは、ワイヤ102の領域は、ステント100の形状に巻かれるまたは織り込まれる前に低減することができる。この点において、所望の織り込みパターンを決定し、所望の織り込み後の直径低減領域を計算および低減することができ、最終的にステント100を変更されたワイヤ102と共に織り込むことができる。
別の変更例において、事前に織り込まれたワイヤ102を単一の方向に沿ってテーパー状にし、共に織り込んでステント100を形成することができる。
【0045】
1つの作製例において、0.0035インチの直径のニチノールワイヤをマンドレル160上に巻くかまたは織り込む。
図10に示すように、マンドレル160は、各ピンの各端部の一部がマンドレル160の本体から外へ延びるように、各端部を通じて延びる3つのピン162、164および166を持ち得る。ワイヤ102は1つのピンから開始し、その後、マンドレル160の本体の周囲において時計方向に3.0625回転巻かれる。ワイヤ102は近隣ピンの周囲において屈曲された後、マンドレル160の他の側部に向かって再度時計方向に3.0625回転巻かれ、ワイヤ102の先に巻かれた部分の上及び下を通過する。8個のループが各端部上に形成されるまで、このプロセスを繰り返す。
【0046】
別の例において、マンドレル160は8個のピンを持ち得、ワイヤ102は2.375回転巻かれる。別の例において、マンドレル160は16個のピンを持ち得、ワイヤ102は3.0625回転巻かれる。さらに別の例において、マンドレルは、8〜16個のピンを持ち得、2.375〜3.0625回転巻かれる。
【0047】
巻かれた後、ステント100は、マンドレル160上において例えば約500°Cで約10分間ヒートセットされる。最終ワイヤ直径が約0.0023インチとなるように、ニチノールワイヤの2つのフリー端部を共にレーザ溶接および電解研磨することができる。
【0048】
最後に、直径約0.00225インチのX線不透過性ワイヤ105をステントループ104の異なる領域上に巻いて、コイル部材106を形成する。好適には、ワイヤ105を約0.04インチの長さで巻いて、各コイル部材106を作る。
【0049】
別の実施形態において、ステント100は、単一のワイヤ102の代わりに、複数の個別のワイヤから形成してもよい。これら複数のワイヤの端部をフリーにしてもよいし、あるいはループ104を形成するために共に溶接、接着または溶解してもよい。別の実施形態において、ステント100は、レーザ切断、エッチング、機械加工または他の任意の公知の作製方法によって形成することができる。
【0050】
ワイヤ102は好適には、ニチノールなどの形状記憶金属によって構成される。任意選択的に、この形状記憶金属は、血液に晒された場合に膨張または拡張する多様な異なる治療用コーティングまたはヒドロゲルコーティングを含み得る。ワイヤ102はまた、生体適合性ポリマー材料(例えば、PET)によって構成することができ、あるいはヒドロゲル材料から構成することができる。
【0051】
図11は、ステント190の各端部に上記のステント100の4つのループ104の代わりに3つのループ104を設けたことを除いて、上記したステント100に類似するステント190の実施形態を示す。さらに、コイル106それぞれを形成するX線不透過性ワイヤ105も、好適にはステント190中に織り込むとよく、ステント190の各端部上のコイル104のうち少なくとも一部を接続させる。最後に、ワイヤ102は、ステント190の長さに沿って約12回前後に織り込まれる。
【0052】
図12は、本発明による二重層ステント200の好適な実施形態を示す。一般的に、二重層ステント200は、
図1〜
図9に示す上記したステント100に類似する外側固定ステント100を含む。二重層ステント200は、固定ステント100の内腔または通路内に配置された内側流れ方向転換層202も含む。
【0053】
比較的小型のワイヤを用いたステントの場合、適切な膨張力を提供しないので、標的位置においてそれらの位置を確実に維持しない場合がしばしばある。さらに、多数のワイヤによって作られた従来技術の織り込みステントは、患者の血管を突くまたは損傷させる可能性があるフリー端部を備えることができる。これとは対照的に、より大型のワイヤは、所望の位置において血流を変化させるために十分にきつく織り込むことが困難である(すなわち、隣接ワイヤ間の大きな空間)。ステント200は、所望の固定力を提供するためのより大型のワイヤブレイド固定ステント100と、血液を方向転換させるためのより小型のワイヤブレイド流れ方向転換層202の両方を含めることにより、これらの不利点を解消しようとするものである。
【0054】
一例において、流れ方向転換層202は、直径が約0.0005〜約0.002インチであり、ニチノールなどの記憶弾性材料製の少なくとも32本のワイヤ204によって構成される。これらのワイヤ204は、細孔径が0.010インチ未満である管状形状に共に織り込まれるまたは編み込まれる。好適には、この編み込みは、当該分野において公知であり、ワイヤ204をひし形パターンなどの規則的パターンに編み込むことができる編み込み機によって達成される。
【0055】
流れ方向転換層202において、ステント100のワイヤ102について上記したパターンおよび技術と同様に、低減された直径を有するそのワイヤ204の領域を有することができる。さらに、流れ方向転換層202は、レーザ切断または細管のエッチングによって形成することができる。
【0056】
本例において、流れ方向転換層202の遠位端部および近位端部は、層202の長さに対して垂直である。しかし、これらの端部は、整合、反対または不規則な角度構成において層202の長さに対して角度を付けてもよい。
【0057】
図13および
図14に最良に見られるように、二重層ステント200の近位端部は、固定ステント100を流れ方向転換層202と接続させる複数の取付部材206を含む。取付部材206は、タンタルワイヤ(この場合、直径0.001”)によって構成され、ワイヤ102およびワイヤ202の一部へ取りつけられ得る。別の実施形態において、流れ方向転換層202の近位端部を固定ステント100のワイヤ102上に圧着することができる。別の実施形態において、ステント100および流れ方向転換層の部分を取付目的のために相互を通して織り込むことができる。さらに別の実施形態において、ステント100をアイループと共に形成することができ(例えば、レーザ切断またはエッチングを介して形成することができ)、あるいは、ワイヤ202を取付目的のために織り込むことが可能なサイズにされた類似の機構と共に形成することもできる。
【0058】
固定ステント100および流れ方向転換層202は、異なる織り込みパターンまたは織り込み密度を持ち得るので、その直径の拡張につれて、どちらとも角度が異なる速度で長さが短くなる。この点において、取付部材206は好適には、送達装置内に(すなわち、遠位先端部材144と反対側の端部上に)方向付けられるように、固定ステント100の近位端部および流れ方向転換層202にまたはそれらの近くに配置する。よって、ステント200が展開されると、固定ステント100および流れ方向転換層202が互いに取りつけられた状態のまま、両方の長さが低減し得る(またはステント200を送達装置内へと後退させる場合は増加する)。あるいは、取付部材206は、二重層ステント200の長さに沿った1つ以上の位置に(例えば、遠位端部、両端部、中間、または両端部および中間領域に)に配置され得る。
【0059】
ステント200の一実施例形態において、流れ方向転換層202は、約145ppiの密度を有する48個のワイヤを含み、約3.9mmの直径まで完全に拡張する。外側ステント100は、2.5回転の巻きパターンで巻かれた単一ワイヤを含み、約4.5mmの直径まで完全に拡張する。両層100および202が完全に拡張されると、長さはそれぞれ、約17mmおよび13mmである。両層100および202が送達装置の0.027インチ領域上において圧縮されると、それらの長さはそれぞれ、約44mmおよび37mmとなる。両層100および202が3.75mmの血管内において拡張すると、それらの長さはそれぞれ、約33mmおよび21mmになる。
【0060】
二重層ステント200の1つの好適な実施形態において、流れ方向転換層202は、直径約0.0005インチ〜約0.0018インチのワイヤ204によって構成され、ステント100のワイヤ102は、約0.0018インチ〜約0.0050インチの直径を有する。よって、ワイヤ102およびワイヤ204の直径の最小の好適な比率はそれぞれ、約0.0018〜0.0018インチ(すなわち約1:1の比率)であり、最大の好適な比率は約0.0050/0.0005インチ(すなわち約10:1)である。
【0061】
二重層ステント200は、ステント100または流れ方向転換層200のいずれか単独よりも、より大量の半径方向力(ステントの約50%の半径方向の圧縮においてかけられる半径方向力として規定される)を生成することができる点に留意されたい。このようなより高い半径方向力により、二重層ステント200は、向上した展開特性および固定特性を持つことができる。二重層ステントの実施形態の一例の試験において、外側ステント100単独の平均半径方向力は約0.13Nであり、流れ方向転換層202単独の平均半径方向力は約0.05Nであり、二重層ステント200単独の平均半径方向力は約0.26Nであった。換言すれば、ステント200の平均半径方向力は、組み合わされた流れ方向転換層202およびステント100のそれ以上であった。
【0062】
流れ方向転換層202が半径方向に拡張するにつれて、流れ方向転換層202における気孔率(すなわち、開口空間の非開口空間に対する割合)が変化する点に留意されたい。この点において、異なるサイズのステント200(すなわち、異なる直径まで完全に拡張するステント)を選択することにより、所望の気孔率または細孔径を制御することができる。下記の表1は、特定の標的血管中のステント200のサイズ(すなわち、その完全に拡張された直径)の変更により流れ方向転換層202が達成することが可能な異なる例の気孔率を示す。例えば、使用するワイヤの数、打ち込み本数(PPI)またはワイヤサイズなどの流れ方向転換層202の他の態様の変更によっても気孔率を変化させる可能性がある点に留意されたい。好適には、流れ方向転換層202の拡張時における気孔率は、約45〜70%である。
【0063】
ステント100の気孔率についても、類似の技術が可能である。好適には、ステント100の拡張時の気孔率は約75%〜95%であり、より好適には約80%〜88%の範囲である。別の言い方をすれば、ステント100は好適には、金属表面領域または金属の割合が約5%〜25%であり、より好適には12%〜20%である。
【0065】
ステント100は、完全に拡張された位置にある場合または(標的直径を有する)標的血管中にある場合、「普通より大きく」されるか、または流れ方向転換層202の外径に対してより大きな内径を持つことができる。好適には、ステント100の内面と流れ方向転換層202の外面との間の差は、約0.1mm〜約0.6mmである(例えば、両者間の隙間は約.05mm〜約.3mmである)。一般的に、二重層ステント200は、患者の標的血管に対して若干大きめにされ得る。この点において、外側ステント100を標的血管の組織中に弱く押し込むことにより、「普通より小さい」流れ方向転換層202が血管の組織に比較的近いかまたはさらには接触しているプロファイルを維持することができる。このようなサイジングにより、ステント100を血管内においてより良好に固定することができ、流れ方向転換層202と血管組織との間において密接させることができる。二重層ステント200のこの「普通より大きい」ことが、表1中のデータ例に見られるように、流れ方向転換層202の気孔率が流れ方向転換層202の完全に拡張された(および遮るもののない)位置に対する約10〜15%の増加をもたらすことができる点にさらに留意されたい。
【0066】
二重層ステント200は、特に、流れ方向転換層202と同様のサイズおよび厚さのステントと比較すると、向上した追跡および展開性能を提供することができる。例えば、二重層ステント200の送達装置からの展開または後退時、単独の流れ方向転換層と類似したステントと比較して、低減された量の力が必要であることを試験は示している。このように外側ステント100を二重層ステント200の一部として設けることにより、ステント200の半径方向力および気孔率に対して送達システム中の摩擦が低減する。
【0067】
好適には、二重層ステント200は、約0.2lbs〜約0.6lbsの力で展開または後退させることができる。ステント100を流れ方向転換層202の外部に設けることにより、単独の流れ方向転換層202(すなわち、
図19に見られるように単独で用いられる独立型層202)を展開/後退させるのに比べて、展開力を約10〜50%低減することができる。露出した流れ方向転換層202と比べて、二重層ステント200にはより低い展開力が必要とされるため、より望ましい送達特性を展開装置から達成することができる。
【0068】
1つの例示的な展開および後退力試験を、
図12〜
図14に見られるような例示的な二重層ステント200および
図19に示されるような単独の流れ方向転換層202に対して行った。二重層ステント200に必要な最大平均展開力は約0.3lbsであり、最大平均後退力は約0.4lbsであった。流れ方向転換層202のみを用いたステントの平均展開力は約0.7lbsであった。試験においては、ロックまたはリリース機構が無い(例えば、
図15に見られるようにマーカバンド140と接触するためのコイル106が無い)ことにより、流れ方向転換層202ステントの後退は不可能であった点に留意されたい。好適には、二重層ステント200は、
図1〜
図10の実施形態について述べたのと同様に、外側ステント100のワイヤ102の直径の差を含む。具体的には、ステント100の中間領域を構成するワイヤ102はより低減された直径を有する一方、端部における(例えば、ループ104における)ワイヤ102は、中間領域よりも大きな直径を有する。例えば、中間領域を電解研磨して、ワイヤ102の直径を低減することができる一方、ステント100の端部は電解研磨から保護することにより、それらの元々の直径を維持する。換言すれば、ステント100の厚さは、中間領域においてより薄い。このように中間領域において厚さを低減することは、ワイヤを用いない外側ステントの実施形態(例えば、
図16に見られるレーザ切断された管ステント)にも適用することができる点に留意されたい。この直径差を有する二重層ステント200の例示的な実施例形態の試験試みにおいて、比較的低い展開力および後退力が実証された。これらのより低い展開力および後退力により、望ましい追跡特性、展開特性および後退特性を提供することができる。好適には、中間領域のワイヤ102は、ステント100の遠位領域および/または近位領域よりも直径または厚さが約.0003インチ〜約.001インチ小さい。好適には、中間領域のワイヤ102は、ステント100の遠位領域および/または近位領域よりも直径または厚さが約10%〜約40%小さく、最も好適には約25%小さい。
【0069】
例えば、一実施形態は、約0.0025インチの直径を有するワイヤ102からなる端部と、約0.0021インチの直径を有するワイヤ102からなる中間領域とを含んでいた。この実施形態は、約0.2〜0.4lbsの範囲内での約0.3lbsの最大平均展開力と、約0.3〜0.4lbsの範囲内での約0.4lbsの最大平均後退力とを平均化した。
【0070】
別の実施形態は、約0.0020インチの直径を有するワイヤ102からなる端部と、約0.0028インチの直径を有するワイヤ102からなる中間領域とを含んでいた。この実施形態は、約0.2〜0.3lbsの範囲内での約0.2lbsの最大平均展開力と、約0.3〜0.4lbsの範囲内での約0.3lbsの最大平均後退力とを平均化した。
【0071】
別の実施形態は、約0.0021インチの直径を有するワイヤ102からなる端部と、約0.0028インチの直径を有するワイヤ102からなる中間領域とを含んでいた。この実施形態は、約0.3〜0.4lbsの範囲内での約0.4lbsの最大平均展開力と、約0.5〜0.6lbsの範囲内での約0.6lbsの最大平均後退力とを平均化した。
【0072】
図15を参照すると、本発明によるステント200を患者内において展開するための送達装置210が図示されている。送達装置210は、送達プッシャー130上に配置されてステント200をマーカバンド140上の圧縮位置に維持するシース133を含む、上記した送達装置135に一般的に類似する。
【0073】
上記の装置と同様に、ステント200の近位端部201は、遠位マーカバンド140上に配置され、近位コイル部材106は、マーカバンド136および140間に配置される。ステント200は、シース201をプッシャー130に対して近位に後退させることにより、展開することができる。プッシャー130を近位方向に後退させることにより(完全に展開/リリースしていなかった場合に)ステント200を後退させることもでき、これにより、マーカバンド140が近位コイル部材106と接触して、ステント200をシース133中へと引き戻す。
【0074】
上記したように、ステント200の近位端部201は、ステント100を流れ方向転換層202と接続させる取付部材206(
図15中に図示せず)を含む。この点において、展開時においてシース133を近位に後退させ、二重層ステント200の遠位部位203が半径方向に拡張し始めると、ステント100および流れ方向転換層202の長さを異なる速度で低減させることができる。
【0075】
ワイヤ105の一部は、ステント100の長さに沿って特徴的パターンで織り込むことができる。この長さを内側流れ方向転換層202の長さおよび位置に対応させることにより、内側流れ方向転換層202の長さおよび位置を処置時においてユーザに示すことができる。
本発明による別の好適な実施形態において、流れ方向転換層202は、固定ステント100中に織り込まれてもよい。
【0076】
図16は、内側流れ方向転換層202および外側ステント302を含む二重層ステント300の本発明による別の実施形態を示す。好適には、外側ステント302は、パターンを形状記憶材料(例えば、ニチノール)によって構成されたシート状または管状に切断(例えば、レーザ切断またはエッチング)することにより、形成される。
図16は、外側ステント302の長さに沿った複数のひしがたのパターンを示す。しかし、複数の接続された帯、ジグザグパターンまたは波パターンのような任意の切断パターンが可能であることが理解される。
【0077】
二重層ステント300の断面図は、外側ステント302および内側流れ方向転換層202を接続させる取付部材206のための複数の例示的位置を示す。上記した実施形態のいずれかと同様に、取付部材206(または溶接または接着などの他の取付方法)を図示の例示的位置のうち1つ以上に配置することができる。例えば、取付部材206を近位端部、遠位端部または中間部に配置することができる。別の例において、取付部材206を近位端部および遠位端部の両方に配置することができる。あるいは、内側流れ方向転換層202を外側ステント302に取り付けるために、取付部材206または取付機構は用いられない。
【0078】
図18は、本発明による二重層ステント400の別の実施形態を示す。ステント400は、外側ステント402へ取り付けられた内側流れ方向転換層202を含む。外側ステント402は、長手方向部材406を介して架橋または接続される複数の半径方向のジグザグ帯部404を含む。好適には、複数の部材を共に溶接するか、このパターンをレーザ切断あるいはエッチングしてシート状または管状とするか、あるいは蒸着技術を用いることにより、ステント402を作ることができる。上記の実施形態と同様に、遠位端部、近位端部、中間領域またはこれらの位置の任意の組み合わせの近くにおいて、流れ方向転換層202を外側ステント402へ取りつけることができる。
【0079】
図12および
図13中に最良に見られるように、流れ方向転換層202は好適には、ステント100の主要本体部位の端部の近くに延び、ループ104の形成の近くで停止する長さを有する。しかし、流れ方向転換層202は、ステント100に対して任意の範囲の長さおよび位置を交互に含んでもよい。例えば、
図20は、流れ方向転換層202がステント100よりも長さが短くかつ長手方向に中心に配置または対称に配置される二重層ステント200Aを示す。
【0080】
別の例において、
図21は、流れ方向転換層202がステント100よりも長さが長い二重層ステント200Bを示す。流れ方向転換層202が長手方向にステント100内において中心に配置されているように図示されているが、流れ方向転換層202の非対称配置も意図される。
【0081】
さらに別の例において、
図22は、流れ方向転換層202がステント100よりも長さが短くかつステント100内において非対称に配置される二重層ステント200Cを示す。この例において、流れ方向転換層202は、ステント100の近位半分に沿って配置されるが、流れ方向転換層202はステント100の遠位半分に沿って配置されてもよい。流れ方向転換層202がステント100の長さの約1/2延びるように図示されているが、流れ方向転換層202は、ステント100の1/3、1/4または任意の少数部分に及んでもよい。
【0082】
図23〜
図25を参照すると、流れ方向転換層202は、1つ以上の膨張性ワイヤ500またはフィラメントによって構成され得る。好適には、膨張性ワイヤ500は、患者の血管中において膨張するヒドロゲルコーティング502でコーティングされた上記したワイヤ204によって構成される。ワイヤ204は、形状記憶金属(例えば、ニチノール)、形状記憶ポリマー、ナイロン、PETまたはさらには全体的にヒドロゲルによって構成され得る。
図25に示すように、ヒドロゲルでコーティングされていないワイヤ204間においてヒドロゲルワイヤ500を織り込むことができる。あるいは、流れ方向転換層202の特定領域(例えば、中央領域)のみをコーティングするように、ワイヤの部分的長さをヒドロゲルでコーティングすることができる。
【0083】
上記の実施形態のいずれにおいても、ステント層のうち1つ以上(例えば、ステント100または流れ方向転換層202)は、主にポリマー(例えば、ヒドロゲル、PET(Dacron)、ナイロン、ポリウレタン、テフロンおよびPGA/PGLA)で構成することができる。一般的に、ポリマーステントは、所望の形状のコンテナ内における液体プレポリマー溶液のフリーラジカル重合により、製造することができる。
【0084】
一例ポリマーステント製造技術を
図26〜
図29に見ることができる。
図26から開始して、一般に、円筒形のマンドレル602を管600内に配置する。好適には、マンドレル602は、流体密封シールを管600の少なくとも1つの端部上に作ることができ、好適には管600の反対側端部も閉鎖する。
【0085】
図27中において、マンドレル602と管600との間の空間中に液体プレポリマーを注入する。プレポリマー溶液中において、重合が誘発される(例えば、40〜80℃における加熱を12時間)。重合後、
図28に図示される管600およびマンドレル602を固体ポリマー管606から取り外す。この管606を洗浄して残留モノマーを除去し、マンドレル上において乾燥させて、形状を維持することができる。
【0086】
最後に、
図29に示すように、ポリマー管606は、レーザ切断、CNC機械加工、エッチングまたは他の成形がなされて所望のパターンとすることができる。製造プロセス時において、管606またはマンドレル602の直径または長さを変更することにより、最終ステントの長さおよび厚さを変更することもできる。
【0087】
図30に見られる別の例ステント製造プロセスにおいて、遠心力を用いて、プレポリマー溶液をシリンジ管605の内側に沿って分散させる。具体的には、プランジャー603を管605中に配置し、所定量のプレポリマー溶液604をシリンジ管605中に取り込む。管605の長手方向軸に沿った水平方向(例えば、その回転部材が管605に接続された状態で水平方向に配置されたオーバーヘッドかくはん器)において管605を回転させる機構へシリンジ管605が接続される。
【0088】
管605が十分な回転速度(例えば、約1500rpm)を達成すると、シリンジプランジャー603が管605の端部へ向かって引き寄せられ、空気などのガスを取り込む。このとき、プレポリマー溶液中には分散のためより大きな空間を有しているため、遠心力により、管605の壁上に均等なコーティングを形成させる。重合は、熱源(例えば、ヒートガン)を用いて署名された後、加熱(例えば、40〜80度で12時間)される。その後、固体ポリマー管は、管605から取り外され、洗浄されて残留モノマーを除去し、マンドレル上において乾燥させられた後、レーザ切断、CNC機械加工、エッチングまたは他の成形がなされて所望のパターンとすることができる。
【0089】
図31〜
図36は、本発明によるポリマーステントを作るためのさらに別の例プロセスを示す。先ず
図31を参照すると、プラスチックまたは分解性ロッド608を管600内に配置し、ルアーアダプタ610を管600の各開口部に接続する。ロッド608は、(例えば、レーザ機械加工、CNC機械加工または他の適切な方法によって作られた)彫り込まれまたは押し下げられたパターンを、最終ステントに所望されるパターンでその外面上に有する。ロッド608が管600内に配置されると、これらのパターンは、後にプレポリマー604によって充填される経路を形成する。換言すれば、ロッド608の外径および管600の内径は、プレポリマー604が経路またはパターン化された領域の外へ移動することを回避するようなものである。
【0090】
図32に示すように、シリンジ612をルアーアダプタ610中に挿入し、プレポリマー溶液604を
図33に見られるように管600中に注入する。プレポリマー溶液604は、ロッド608の表面上のパターンを埋める。シリンジ612をルアーアダプタ610から除去し、プレポリマー溶液604を加熱する(例えば、40〜80℃で約12時間)ことにより、重合を完成させる。
【0091】
図34に見られるようにロッド608を管600から除去し、
図35に見られるように有機溶媒槽622中に配置する。有機溶媒槽622はロッド608を溶解させ、ロッド608の表面と同じパターンを有するポリマーステント622(
図36)のみを残す。
【0092】
ロッド608の表面上のパターン、ロッド608および管600の直径、ロッド608および管600の長さおよび類似の寸法を変更することにより、ステント622の異なる態様を制御することができる点に留意されたい。レーザ切断、CNC機械加工、エッチングまたは類似のプロセスにより、さらなる変更も可能である。
【0093】
図37〜
図50は、本実施形態において、上記した送達プッシャー130の多様な変更を示す。これらの実施形態のうちいくつかにおいて、より大きな直径の摩擦領域をプッシャーの遠位端部近くに含むことにより、ステントの過度の圧縮を回避し、ステントとプッシャーとの間に摩擦を作りだして、カテーテルシースの外へステントを押し出すことを支援する。さらに、摩擦領域がステント内面と接触している場合、医師は、ステントをその近位端部から押すよりもむしろ、ステントを送達シースの外へ引き出すことが可能になる。よって、ステントの必要な剛性は低くてもよい。さらに、摩擦領域が、プッシャーからの展開力をステントのより広い表面領域上に分散させることにより、単一の位置においてステント上で押圧または牽引することに起因し得るステントへの応力が低減する。ステントを単一の位置から押圧または牽引した場合に他に必要とされるよりも送達プッシャーと摩擦領域との間の接合強度を低減することが可能になるため、このような力の分散が、送達システムの信頼性を向上させる。1つの機構が故障した場合に、他方により医師が処置を完了することが可能になるため、マーカバンドの押圧または牽引特性を用いた摩擦領域を設けることは、ステントをカテーテルの外へ前進させることまたはステントをカテーテル内へ後退させることの冗長性も作り出す。
【0094】
図37〜
図39において、プッシャー700は、いくつかのテーパー状または円錐領域をマーカバンド136および140間に含む。具体的には、プッシャー700は、UV接着剤の2つの領域、すなわちコイル状の遠位先端部材144の遠位端部における遠位領域708と、先端部材144の近位端部におけるテーパー状または円錐領域704とを含む。第2のマーカバンド140は、エポキシ(例えば、EPOTEK353)によって構成された遠位テーパー状領域702を含む。マーカバンド140の近位面およびマーカバンド136の遠位面に、若干のテーパー状または円錐形状に成形された少量のエポキシ706が設けられる。マーカバンド136および140およびコイル状先端部材144は好適には、プラチナによって構成される。コアワイヤ132は好適にはニチノールによって構成され、コイル134は好適にはステンレススチールによって構成される。一例において、マーカ136および140間の距離は約.065であり、マーカ140および円錐領域704間の距離は約.035cmであり、コイル状先端の長さは約.100cmである。
【0095】
図40のプッシャー実施形態710において、細長いポリマー領域712(例えば、PET、テフロン、Pebax、ナイロン、PTFE)を遠位マーカバンド140と遠位先端144との間のコア部材132部分142上に配置する。このポリマー領域712は、厚さ約.00025インチのシュリンク管から形成してもよいし、あるいはブレイドポリマーストランドから形成してもよい。ポリマー領域の1つの利点は、コアワイヤにいくらかの厚みが加わり、患者の極めて蛇行した血管を通って前進する際に、(上部に圧縮された)ステントの過度の圧縮または崩壊が回避されることである。
【0096】
図41は、コアワイヤよりも大きい直径を有する複数の離間した部分716を有するプッシャーの実施形態714を示す。これらの部分は、ポリマー(例えば、シュリンク管またはブレイド)によって構成してもよいし、非ポリマー材料から形成してもよい。コアワイヤ718の一部は、複数の曲線または波形状を持つように事前成形することができる。波領域および材料部分により、血管を通じた蛇行性の通過時におけるステントの過度の圧縮が回避される。さらに、波形状により、ステントがカテーテルから送達される際にステントを開口させる力を支援することができる。より具体的には、波形状は、送達装置中の波形状上において圧縮される際には比較的直線状になるが、カテーテルからの抜け出すときには拡張するため、ステントを強制的に開口させる。このようなステント拡張は、医師がステントを開口させることを支援するために一般的に送達システムを前方に押圧する曲線状または屈曲した血管へのステントの送達時において特に重要である。この点において、送達システムはプッシャー714によって自動的に押圧開口するため、オペレータへの依存度が低い。複数の材料部分716を設けることにより、単一の細長いポリマー部分(例えば、
図41)と比較して、拡張時における波領域の曲線をより良好に保持することができる。
【0097】
図42は、
図40の実施形態に類似する細長いポリマー領域712と、
図41の実施形態に類似する波領域718とを有するプッシャー実施形態720を示す。
図43は、
図41の実施形態に類似する複数のポリマー領域716と、
図40の実施形態に類似するプッシャーの遠位端部における概して直線上のコアワイヤ142とを有するプッシャー実施形態722を示す。
【0098】
図44は、
図40の実施形態に類似するポリマー領域を備え細長い直線領域を有するプッシャー実施形態724を示す。しかし、このポリマー領域は、遠位マーカバンド140と遠位先端144との間の長さ全体にわたって延びる。
【0099】
図45は、遠位マーカバンド140とプッシャー726の遠位先端144との間に閉ループ(すなわち、コア部材の領域142中のアパチャ)を形成するプッシャー実施形態726を示す。このループにより、特に蛇行性血管を通じた前進時において、プッシャー上におけるステントの崩壊または過度の圧縮が回避される。好適には、このループは、ニチノールワイヤ728の両端部をプッシャーのコアワイヤの領域730へ溶接することにより、形成される。取りつけられたワイヤ728およびコアワイヤ730の領域双方を各端部において屈曲または角度付けして、多様なサイズの細長いループ形状を形成することができる。この点において、コア部材は、そのアームが相互接続してアパチャまたはループを形成する2つの対向する分岐形状を形成する。
【0100】
図46Aは、ピグテール形状734において終端する概して直線状の遠位端部142を有するプッシャー実施形態732を示す。
図46Aに見られるように、コアワイヤ142をいくつかの異なる方向に屈曲することにより、ピグテール形状734を作ることができる。例えば、ピグテール形状734Bはコアワイヤ上に対称に配置する(
図46C)ことができ、あるいは、1方向において非対称にオフセット734Aさせる(
図46B)こともできる。このようなピグテール形状は、ステントが崩壊または過度の圧縮に耐えることを支援し、これにより、装置の展開および後退に役立つ。
【0101】
図47は、その遠位端部の近くにおいて複数のループ739から形成されるらせんまたはコイル領域738を備えるプッシャー736を示す。らせん領域は、コアワイヤの全露出領域または部分長さを包含してもよい。
図48のプッシャー740は、いくつかのループ744Aはすぐ近くにある一方、他のループ744Bは互いにより大きな間隔を有しているコイル領域142を示す。さらに、
図49中のプッシャー746のらせん領域748は、連続するかまたはセグメント化されたコーティングまたはジャケット750をその長さに沿ってまたはらせん領域(例えば、PET、テフロン、Pebax、ナイロン、PTFE)に隣接して含むことができる。上記の実施形態と同様に、らせん領域は、そのプッシャーの遠位端部の直径を増加させ、それによりステントの崩壊または過度の圧縮を回避する。しかし、プッシャーのらせん領域の有効直径の増加は、必ずしもコアワイヤの直径を増加させることなく達成することが可能であるため、プッシャーの柔軟性は、直線遠位コアワイヤを用いた実施形態と概して同様である。プッシャー752のらせん領域754も、
図50に見られるように直径またはピッチを変更することが可能(例えば、ピッチ増加、ピッチ低減、または異なる直径の個別の部分)であり、好適にはステントの形状、サイズおよび特性に基づいて選択される。
【0102】
図51〜
図59は、ステント793を送達するための高速交換送達装置770の実施形態を開示する。この送達装置770は、多様な位置において用いることが可能であるが、末梢動脈障害の治療のためにステントを頸動脈内に送達する場合において特に有用である。
【0103】
先ず
図51を参照すると、装置770は、近位カテーテルポート780を通じてカテーテル774内においてスライドする細長いコア部材776を有するプッシャー部材772を含む。好適には、コアワイヤの近位端部は、プッシャー部材772のカテーテル774に対する移動を容易にするためのハンドル778を含む。
【0104】
カテーテル774の長さ全体にわたって延びるガイドワイヤ通路を設ける代わりに、カテーテル774は好適には、ガイドワイヤ786がカテーテル774の比較的短尺の遠位部位(例えば、5〜10インチ)のみを通過する短縮「高速交換」通路を含む。ガイドワイヤ786の遠位端部が標的位置の近くに配置されると、
図58に見られるように、ガイドワイヤ786の近位端部が遠位ガイドワイヤ管794の高速交換ポート794Aへ挿入される。
図55〜
図57に最良に見られるように、ガイドワイヤ786の近位端部は、遠位ガイドワイヤ管794を通過してカテーテル管788内へ入る。最後に、
図53に最良に見られるように、ガイドワイヤ786は管788から抜け出し、外側カテーテル管782の残り部分を通過し、高速交換ポート784においてカテーテルから抜け出す。
【0105】
図55〜
図57に戻ると、遠位ガイドワイヤ管794は、入れ子式配置でカテーテル管788内へ延びる。好適には、遠位ガイドワイヤ管794は、少なくともカテーテル774がプッシャー772に対して後退する距離と同じ距離だけカテーテル管788内へ延びる。この点において、遠位ガイドワイヤ管794およびカテーテル管788は、カテーテル774がプッシャー772に対して後退されてステント793を解放する時でさえも、ガイドワイヤ786のための連続する通路を維持する。
【0106】
図54〜
図57に最良に見られるように、コア部材776の遠位端部は、固定のためおよび展開時においてステント793を後退させるためのアンカー部材792を含む。アンカー部材792に含まれる本体792Aは、ステント793がそこに押しつけられ得るバックストップ表面792Dを形成する。
【0107】
ステント793は好適には、
図54に見られるようにステント793がプッシャー上において圧縮された際、複数の半径方向に配向されたポスト792C上に適合される複数の近位ループを含む。例えば、ステント793は3つのループを持ち得、アンカー部材792は、等距離の半径方向の間隔において相互に固定された3つのポスト792Cを持ち得る。ステント展開時において、医師は、再配置され得るようにステント793を後退させることを所望する場合がある。プッシャー772が後退されるかまたはカテーテル774が前進されると、ポスト792Cはループの端部を牽引または固定して、ステント793をカテーテル774の外側管782内へ引き戻す。
【0108】
一実施形態において、ポスト792Cはそれぞれ、概して平坦な遠位表面と、2つの角度付けされたかまたは曲線的な近位表面とを含む。
図59に見られる別の実施形態において、アンカー793は、相互に対して角度付けされた遠位表面および近位表面の両方(すなわち、平坦な上面を備えたピラミッドに類似する)を有するポスト793Cを含む。
【0109】
図54〜
図57に戻ると、アンカー792は、コア部材776を収容するようなサイズにされた細長い凹部792Bを含む。コア部材776の遠位端部は、例えば、溶接または接着剤などの公知の方法により凹部792B中に固定される。上記したように、コア部材は、カテーテル774中のコア部材通路787を通過し、近位ポート780の外へ抜け出し、その近位端部上のハンドル778で終端する。従って、コア部材776は、アンカー792とステント793をハンドル778に直接接続し、直接、確かな触覚フィードバックを医師へ提供する。好適には、アンカー792は、医師が感じる触覚フィードバックをさらに向上させるよう、金属で構成される。
【0110】
図60は、
図7および
図8中の送達プッシャー130に概して類似する送達プッシャー130の別の実施形態を示す。しかし、送達プッシャー800は、マーカバンド136および140間に配置された第3の中間マーカバンド137を含む。好適には、マーカバンド137は、マーカバンド140と同様の直径を有し、マーカバンド136よりも若干小さな直径である。ステント100の近位コイル106が2つのマーカ137および140間に配置され、2つのマーカ137および140と密接に関連するように、ステント100は、好適にはマーカ137および140双方の上において圧縮される。ステント100の展開時において、医師は、プッシャー800を外側カテーテルシース133に対して前進させることを望む場合がある。この点において、マーカ137は、ステント100が曲がる傾向を低減し得る位置において、コイル106を遠位方向に押圧する。
【0111】
図61は、上記したプッシャー800に類似する送達プッシャー802の別の実施形態を示す。しかし、プッシャー802は、コイル状の遠位先端部材144の近くに配置されたマーカ139も含む。好適には、ステント100の遠位コイル106のための空間を確保するように、マーカ139は、遠位先端部材144から近位に間隔を空けて配置される。ステント展開時において、プッシャー802をカテーテルシース133に対して前進させた場合、マーカ139は、遠位コイル106と接触し得る。この点において、マーカ139は、ステント100の遠位端部がカテーテルシース133から抜け出して拡張するまで、最初は遠位コイル106を押圧するように構成され得る。そこから、マーカ137は、ステント100の残りの部分がカテーテルシース133から押し出されるまで、近位コイル106を押圧し得る。
【0112】
図61に類似するさらに別の実施形態において、プッシャーは、マーカ139、140および136を含み得る。この点において、プッシャーをシース133に対して前進させると、遠位コイル106およびステント100の遠位端部がカテーテルシース133から押し出され得る。
【0113】
上記した実施形態からのマーカ136、137、139および140のうちいずれかの1つ以上を交互に非X線不透過性材料によって構成してもよい点に留意されたい。さらに、上記した実施形態からのマーカ136、137、139および140のうちいずれかの1つ以上を除去してもよい。
【0114】
図62は、
図12〜
図14に示すステント200に類似する流れ方向転換ステント810の実施形態を示し、遠位端部および近位端部それぞれの上において6個のループ104を有する外側固定ステント層100と、固定ステント層100の内腔または通路内に配置される流れ方向転換層202とを含む。しかし、外側固定ステント層100および内側流れ方向転換層202は、それらのワイヤ102および204が実質的に同じピッチを有するように、織り込まれるかまたは編み込まれる。
【0115】
織り込みステント層は、圧縮時において長さが増加し、拡張時において長さが低減する傾向がある。2つの織り込みステント層の編み込みピッチが異なる場合、(が比較的低い編み込みピッチを有する同様のサイズの層よりも、典型的に、より高ピッチの層がさらに高速に伸長する。従って、正しく拡張するために、典型的に、異なる編み込みピッチを有するステント層がステントの一端のみにおいて取りつけられ得る。
【0116】
これとは対照的に、ステント810の層100および202は、各層が類似の拡張形状から同じ速度で同じ増加長さまで半径方向に圧縮することを可能にし、あるいは同じ速度で同じ低減長さまで半径方向に拡張することを可能にする同じ編み込みピッチを有する。換言すれば、層100および202は、それらが同時に拡張または縮小する際、相互に類似の位置を維持する。層100および202は相互に対して比較的同じ位置にとどまるため、これらの層を相互間に実質的に隙間のないように構成することが可能になる。このように層間に隙間が無いため、内側流れ方向転換層202が蛇行性血管内において崩壊または座屈することが低減またはさらには回避され得る。一例において、外側固定層100および内側流れ方向転換層202双方は、40、45または50の打ち込み本数の織り込みピッチを有することができる。
【0117】
上記したように、ステント810の層100および202は、両者間に実質的に隙間や間隔が無いように構成することができる。層100および202のピッチの整合に加えて、このような層の近接結合は、内側流れ方向転換層202を外側固定層100の内径の内径に等しい外径を有するようにロッドまたはマンドレル上において編み込みおよびヒートセットすることよって達成することができる。このようなサイジングにより、両層のライン間適合が提供され、血栓症のような生理的反応を回避することができる。
【0118】
層100および202の近接結合は、1つ以上のさらなる支持ワイヤ814を含めることにより、さらに維持される。これらの支持ワイヤ814は、両層を通して織り込まれる。例えば、
図62、および
図63および64の拡大領域に見られるように、タンタル支持ワイヤ814の各端部をワイヤ102の周囲においてステント810の遠位端部および近位端部の近くにおいてコイル状にし、層間に織り込む。
【0119】
本例実施形態において、3つの異なる支持ワイヤ814を両層100および202を通して概してらせんパターンに織り込む。例えば、コイル816の1つから開始して、支持ワイヤ814は、各ワイヤ102の曲率および位置に概して追随する。
図65に見られるように、ワイヤ102が自身の別の部位と交差する(すなわち、半径方向に外側)領域において、支持ワイヤ814は、ワイヤ204上だけでなく、ワイヤ102の交差部位上において類似の経路(例えば、領域820における領域)に追随する。
図66に見られるように、ワイヤ102が自身の別の部位の下側を通過する(すなわち、半径方向に内側)領域において、支持ワイヤ814も、ワイヤ102の交差領域の下側を通過するが、領域822に示す次の交差ワイヤ204の下側もさらに通過する。好適には、
図66が後続する
図65のパターンがステント810の長さに沿って互いに交互に起こる。この点において、支持ワイヤ814は、一定間隔でワイヤ202の下側を通過する半径方向の形状を作り、それにより、2つの層100および202を互いに対して維持する。このようなさらなる支持によって層を維持することにより、ステント810は、頸動脈などの曲線状または蛇行性の血管の展開時において、層100および202の近接結合を特に維持することができる。
【0120】
本例実施形態において、3つの支持ワイヤ814が実質的にステント810の長さ全体に延び、互いから等しい半径方向の間隔を有する。しかし、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9のような任意の数の支持ワイヤ814を用いることが可能である。別の例実施形態において、各支持ワイヤは、ステント端部に実質的に近い位置からステントの中間領域へと延びて、2組の支持ワイヤ814をステント810の各側部上に形成する。別の例実施形態において、各支持ワイヤ814は、ステント810の各端部間を延び得るが、例えば、ステント810の中間領域でのような支持ワイヤ814が巻かれるさらなる領域を含み得る。
【0121】
図67は、本明細書中の他の部分で述べたような、異なるサイズを持ち得るより大型のワイヤ102およびより小型のワイヤ204から編み込まれた単一の層を有するステント830の別の実施形態を示す。ワイヤ102および204は好適には、同じ編み込み角度で編み込まれ、その結果、類似の速度および長さで拡張および縮小することが可能になる。好適には、全てのワイヤ102および204を同じ編み込みパターンに従って織り込み、より大型のワイヤ102を好適にはいくつかのワイヤ204によって分離する(例えば、3本または6本のワイヤ204が各ワイヤ102に続き、先行する)。
【0122】
この単一の層ステント830の1つの利点は、手作業で編まれた部分または層を有するよりむしろ、編み込み機上において編み込むことが可能であることである。単一のワイヤステント層100を用いた上記した実施形態とは違い、単一の層ステント830は、初期の織り込み後、ワイヤ102の複数のフリー端部を含み得る。これらのより大型のワイヤはカールするかつ/またはほどける傾向があるため、フリー端部を好適には溶接、コイル、管、接着剤または類似の方法によって相互に固定する。ワイヤ204のフリー端部は、ワイヤ102と同じ程度までカールするかつ/またはほどけることが無い、あるいはワイヤ204の端部が同様に相互に固定または溶接されるため、フリーにしておくことができる。ステント830は、円筒形にしてもよいし、あるいは編み込むまたはヒートセットしてテーパー状形状にしてもよい。
【0123】
本明細書中に記載される各ステントまたは送達システム実施形態の態様のいずれかを本出願に記載される他のステントまたは送達システム実施形態の他の態様と組み合わせることが可能である点に留意されたい。よって、特定のステントおよび送達システム実施形態を示してきたが、本発明に従って、他の組み合わせが意図される。
【0124】
本発明を特定の実施形態および用途の観点から説明してきたが、当業者は、本教示を踏まえて、特許請求の範囲の精神から逸脱することなくあるいはその範囲を超えることなく、さらなる実施形態および改変例を生成することができる。よって、本明細書中の図面および記載は、本発明の理解を容易にするために例として述べられたものであり、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。