【実施例】
【0049】
具体的実施方式
本発明は、以下の特定の実施例によりさらに説明される。以下の実施例は、本発明を説明するためだけに使用され、本発明の範囲を制限することは意図されないと理解されるべきである。特定の条件が実施例中に記載されていない場合、慣用条件、または製造業者により示唆される条件を使用した。使用した試薬または器具の製造業者が記載されていない場合は、それらは全て市場において入手可能な慣用製品であった。
【0050】
以下の実施例では、特に断りのない限り、得られたパラメーターは、全て以下の式により算出した:
ペレット薬剤ローディング率(%)=(W
ペレットの総重量−W
空洞のペレットコア重量)/W
バルク薬剤の量×100%
徐放性コーティングの重量増加(%)=(W
徐放性コーティング後のペレットの総重量−W
徐放性コーティング前のペレットの総重量)/W
徐放性コーティング後のペレットの総重量×100%
ペレットの接着率=(W
コーティング後のペレットの総重量−W
接着なしのペレットの総重量)/W
コーティング後のペレットの総重量×100%
【0051】
本発明の実施例では、特に断りのない限り、トピラマートの放出率は、全て以下の方法により測定した。中国薬局方、2010編の第II部の放出率測定(別表XD)の第1法(徐放性調製品または制御放出性調製品のための)に従い、中国薬局方、2010編の第II部の溶解率測定(別表XC)の第2法(スラリー法)において述べられる器具を用いて、放出媒体として水(500mL)を用いる測定を、37℃で、及び100rpmの回転速度で行った。サンプル(5mL、差し当たり等容積の媒体で補われた)を特定の時点で取り、そしてろ過し、その後にろ液を試験溶液として使用した。高性能液体クロマトグラフィー(中国薬局方、2010編の第II部の別表VD)を使用し、オクチルシラン結合シリカゲルを梱包剤として使用し、カラム温度は35℃であり、50%メタノールは移動相であり、示差屈折率検出器を使用し、流率は1分あたり1.5mLであった。200μLの試験溶液を取り、液体クロマトグラフ中に注入し、主薬剤としてトピラマートのピーク領域を記録し;トピラマートを個別にコントロールサンプルとして取り、そして同一の方法により測定し、そして多様な時点で、外部標準法により薬剤の累積放出パーセンテージを算出した。
【0052】
実施例1
結合剤を有する薬剤含有溶液、及び結合剤を有しない薬剤含有溶液の間での薬剤ローディング及びコーティングの比較
【表1】
【0053】
調製方法:
4部のトピラマート原料について、個別に1部ごとに230gを計量し、適量の50%エタノールを添加し、溶かすために40℃〜50℃での加熱下で撹拌し;その後にHPMC(E5)、PVP K30及びHPCをそれぞれ6.9gずつ個別に計量し、第1部、第2部、及び第3部の溶液に順番に添加し、その一方で第4部には結合剤が無く;それらを撹拌し、そして溶かすために40℃〜50℃に加熱し、その後に1150mLに到達するまで50%エタノールを添加し、多様な結合剤を有する薬剤含有コーティング溶液を得た。
【0054】
500gのショ糖ペレットコア(710〜850μm)を、流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を55℃に設定し(パンの内部温度を40±2℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、5〜15g/分であった(いつでも流動化状態に従って調節した)。ショ糖ペレットコアが流動化状態にあった時、薬剤含有コーティング溶液を、底部スプレーの方法において空洞のペレットコアの表面上にスプレーし、薬剤ローディング終了後に、材料を45℃で5分間継続して流動化し、多様な結合剤を有する薬剤ローディングペレットを得て、それを計量し、そして結果を表1に示した。
【表2】
【0055】
結果は、本発明における結合剤を有しないトピラマートの徐放性医薬組成物が、短いコーティング及び薬剤ローディング時間、並びに高い薬剤ローディング率を有したことを示した。
【0056】
実施例2
多様な溶媒を有する薬剤含有コーティング溶液を用いる薬剤ローディング及びコーティングの結果
4部のトピラマート原料について、個別に1部ごとに230gを計量し、適量の50%エタノール、70%エタノール、95%エタノール、及び無水エタノールを添加し、溶かすために撹拌し、そして40℃〜50℃で加熱し;その後に1150mLに達するまで対応する溶媒を補い、溶剤として多様な溶媒を有する薬剤含有コーティング溶液を得た。
【0057】
500gのショ糖ペレットコア(710〜850μm)を、流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を55℃に設定し(パンの内部温度を40±2℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、5〜15g/分であった(いつでも流動化状態に従って調節した)。ショ糖ペレットコアが流動化状態にあった時、溶剤として多様な溶媒を有する薬剤含有コーティング溶液を、底部スプレーの方法において空洞のペレットコアの表面上にスプレーし、薬剤ローディング終了後に、材料を45℃で5分間継続して流動化し、溶剤として多様な溶媒を有する薬剤ローディングペレットを得て、それを計量し、そして結果を表2に示した。
【表3】
【0058】
実施例3
トピラマートの徐放性ペレットと多様な粒径を有する空洞のペレットコアの放出率の比較
【表4】
【表5】
【0059】
調製方法:
(1)230gのトピラマート原料を計量し、適量の50%エタノールを添加し、溶かすために撹拌し、そして40℃〜50℃で加熱し、1150mLに達するまで50%エタノールを添加し、薬剤含有コーティング溶液を得た。
【0060】
300μm〜400μm、500μm〜610μm、710μm〜850μmのショ糖ペレットコアを個別に計量し、それぞれ500gを流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を55℃に設定し(パンの内部温度を40±2℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、5〜15g/分であった(いつでも流動化状態に従って調節した)。ショ糖ペレットコアが流動化状態にあった時、薬剤含有コーティング溶液を、底部スプレーの方法において空洞のペレットコアの表面上にスプレーし、薬剤ローディング終了後に、材料を45℃で5分間継続して流動化し、トピラマートの薬剤ローディングペレットを得た。
【0061】
(2)処方量のエチルセルロース(EC)を計量し、溶かすために適量の95%エタノールを添加し、その後に処方量のPVP K30を添加し、溶解し、徐放性コーティング溶液を得た。
【0062】
(3)多様な粒径を有するトピラマートの上記薬剤ローディングペレットをそれぞれ500gずつ計量し、そして個別に流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を40〜45℃に設定し(パンの内部温度を30±35℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、3〜12g/分であった。薬剤ローディングペレットが流動化状態にあった時、3つの処方の徐放性コーティング溶液を、多様な粒径を有する薬剤ローディングペレットの表面上に底部スプレーの方法で個別にスプレーし、多様な粒径を有するトピラマートの徐放性ペレットを得て、ここで徐放性コーティングの重量増加は、それぞれ10.9%、8.8%及び6.7%であった。計算によれば、ペレットの接着度は、個別に2.2%、2.1%、1.8%であった。
【0063】
調製したトピラマートの徐放性ペレットの薬剤放出率の測定結果を表3に示した。
【表6】
【0064】
実施例4
多様なタイプの徐放性材料でコーティングされたトピラマートの徐放性ペレットの放出率の比較
【表7】
【0065】
調製方法:
処方量にあるEudragit RS30D、Eudragit NE 30D、Eudragit RL30Dの水性分散を個別に計量し、1回量の水を添加し、均一に撹拌し;処方量にあるタルク粉末を残りの水に添加し、高せん断ホモジナイザーで3分間均一化し、上記水性分散中に得られた懸濁物をゆっくり注ぎ、均一に撹拌し、80メッシュのシーブに通し、徐放性コーティング溶液を得た。
【0066】
実施例1の処方4に従い調製した500gの薬剤ローディングペレットを、流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を25〜30℃に設定し(パンの内部温度を23〜25℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、3〜5g/分であった。薬剤ローディングペレットが流動化状態にあった時、上記3つの徐放性コーティング溶液を、底部スプレーの方法で薬剤ローディングペレットの表面上に個別にスプレーし、徐放性コーティング材料としてそれぞれEudragit RS30D、Eudragit NE 30D、及びEudragit RL30Dを有する3種類の徐放性ペレットを得て、また徐放性コーティングの重量増加は、個別に9.7%、11.9%、及び13.9%であった。得られたトピラマートの徐放性ペレットを、40℃で、24時間、高温オーブン中で時効及び熱処理にかけた。計算によれば、ペレットの接着度は、それぞれ2.8%、2.7%、3.0%であった。
【0067】
薬剤放出率の測定結果を表4に示した。
【表8】
【0068】
実施例5
トピラマートの徐放性ペレットの調製
【表9】
【0069】
調製方法:
上記処方の量比率に従い、エチルセルロースを適量の95%エタノールにより溶解し、その後に個別に比率量のPVP K30を添加し、そして溶解し、徐放性コーティング溶液を得た。
【0070】
実施例1の結合剤を有さない薬剤含有コーティング溶液により調製した500gの薬剤ローディングペレットを、流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を40〜45℃に設定し(パンの内部温度を30±35℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、3〜12g/分であった。多様な比率のエチルセルロース及びPVP K30を有するトピラマートの徐放性ペレットを得るために、薬剤ローディングペレットが流動化状態にあった時、多様な比率のエチルセルロース及びPVP K30を有する徐放性コーティング溶液を、底部スプレーの方法で薬剤ローディングペレットの表面上に個別にスプレーし、徐放性コーティングの重量増加は、個別に6.56%、6.65%、及び6.79%であった。計算によれば、ペレットの接着度は、それぞれ2.3%、2.4%及び2.1%であった。
【0071】
薬剤放出率の測定結果を表5に示した。
【表10】
【0072】
実施例6
工程再現性の実験
(1)結合剤を有しないトピラマート薬剤ローディングペレットコアの調製
276gのトピラマート原料を計量し、適量の70%エタノールを添加し、40℃〜50℃の加熱下で撹拌し、溶解し、1380mLに達するまで70%エタノールを添加し、薬剤含有コーティング溶液を得た。
【0073】
600gの710μm〜850μmのショ糖ペレットコアを計量し、そして流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を55℃に設定し(パンの内部温度を40±2℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、5〜15g/分であった(いつでも流動化状態に従って調節した)。ショ糖ペレットコアが流動化状態にあった時、薬剤含有コーティング溶液を、底部スプレーの方法で空洞のショ糖ペレットの表面上にスプレーした。薬剤ローディング終了後に、材料を45℃で5分間継続して流動化し、結合剤を有さないトピラマート薬剤ローディングペレットコアを得て、それを計量し、薬剤ローディング後のペレットの総重量 W
totalを記録し、そして薬剤ローディング率及びペレットの生産率を計算し、そして表6に示した。
【表11】
【0074】
(2)トピラマートの徐放性コーティングペレットの調製
48gのエチルセルロースを計量し、適量の95%エタノールを添加し、40℃〜50℃の加熱下で撹拌し、溶解し、その後に約16.2gのPVP K30を添加し、40℃〜50℃の加熱下で撹拌し、溶解し、均一に撹拌し、1152mLに達するまで95%エタノールを添加し、徐放性コーティング溶液を得た。
【0075】
上記のように調製した800gの薬剤ローディングペレットを、流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を40〜45℃に設定し(パンの内部温度を30〜35℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、3〜12g/分であった。薬剤ローディングペレットが流動化状態であった時、徐放性コーティング溶液を、底部スプレーの方法で薬剤ローディングペレットの表面上にスプレーし、3バッチのトピラマートの徐放性ペレットを得て、それらの徐放性コーティングの重量増加は、個別に6.87%、6.98%、及び7.08%であった。計算によれば、ペレットの接着度は、それぞれ2.1%、2.0%及び2.1%であった。結果を
図2及び表7に示した。
【表12】
【0076】
結果は、本発明のトピラマートの徐放性医薬組成物(コーティングペレット)が、良好な工程再現性を有したことを示した。
【0077】
実施例7
トピラマートの徐放性ペレットの放出率への多様な溶解媒体の効果
酸性、塩基性溶媒媒体が、本発明の徐放性ペレットの放出率に影響を及ぼすか否かを検証するために、0.1mol/LのHCl(pH1.2)を人工胃液として調製し、0.2ml/Lのリン酸緩衝液(pH6.8)を人工腸液として調製し、そしてこれらの媒体及び水(500mL)を放出媒体として使用し、回転速度は、37℃で100rpmであった。サンプル(5mL、差し当たり等容積の媒体で補われた)を、1、2、4、8、12、16、20、24時間で取り、ろ過し、そしてその後にろ液を試験溶液として使用した。高性能液体クロマトグラフィー(中国薬局方、2010編の第II部の別表VD)を使用し、オクチルシラン結合シリカゲルを梱包剤として使用し、50%メタノールは移動相であり、示差屈折率検出器を使用し、流率は1分あたり1.5mLであった。200μLの試験溶液を取り、液体クロマトグラフ中に注入し、主薬剤としてトピラマートのピーク領域を記録し;コントロールサンプルとしてトピラマートを個別に取り、そして同一の方法により測定し、そして多様な時点での薬剤の累積放出パーセンテージを、外部標準法により計算した。実施例6(2)におけるバッチ1のサンプルの、上記媒体中での放出プロファイルを描き、そして結果を
図3に示した。
【0078】
結果は、人工胃液、水、及び人工腸液中でのトピラマートの徐放性ペレットの薬剤放出プロファイルが、実質的に一貫したものであったこと示し(トピラマートは、pH1.2の人工胃液中で不安定であり、且つ分解反応を有するので、本実験における人工胃液中での放出率は、主薬剤であるトピラマート及び分解産物の合計から由来した)、それは、活性成分としてのトピラマートの安定した薬理学的効果を保証すべく、消化管の多様な部位において、産物が薬剤を一貫して放出し得ることを示唆した。
【0079】
実施例8
トピラマートの徐放性ペレットの放出率への多様な回転速度の効果
消化管運動が、本発明の徐放性ペレットの放出率に影響を及ぼすか否かを検証するために、回転速度をそれぞれ50rpm、75rpm及び100rpmに設定し、そして水(500mL)を放出媒体として、37℃で使用した。サンプル(5mL、差し当たり等容積の媒体で補われた)を1、2、4、8、12、16、20、24時間で取り、ろ過し、そしてその後にろ液を試験溶液として使用した。高性能液体クロマトグラフィー(中国薬局方、2010編の第II部の別表VD)を使用し、オクチルシラン結合シリカゲルを梱包剤として使用し、50%メタノールは移動相であり、示差屈折率検出器を使用し、流率は1分あたり1.5mLであった。200μLの試験溶液を取り、液体クロマトグラフ中に注入し、主薬剤としてトピラマートのピーク領域を記録し;コントロールサンプルとしてトピラマートを個別に取り、そして同一の方法により測定し、そして多様な時点での薬剤の累積放出パーセンテージを、外部標準法により計算した。実施例6(2)におけるバッチ1のサンプルの、上記多様な回転速度下での放出プロファイルを描き、そして結果を
図4に示した。
【0080】
結果は、50〜100rpmの範囲の回転速度下でのトピラマートの徐放性ペレットの薬剤放出プロファイルが、実質的に一貫したものであったことを示し、それは、 活性成分としてのトピラマートの安定した薬理学的効果を保証すべく、消化管運動の多様な状況の下、産物が薬剤を一貫して放出し得ることを示唆した。
【0081】
実施例9
薬剤放出の一貫性における研究(1)
処方8〜10を、実施例4の方法に従い3回繰り返し、そしてそれらの薬剤放出の一貫性を検討した。結果を表8に示した。
【表13】
結果は、本発明のトピラマートの徐放性医薬組成物(コーティングペレット)が、良好な薬剤放出の一貫性を有したことを示した。
【0082】
実施例10
薬剤放出の一貫性における研究(2)
処方:
【表14】
【表15】
【0083】
調製方法:
(1)上記処方量にある薬剤層の成分を計量し、適量の50%エタノールを添加し、40℃〜50℃の加熱下で撹拌し、(処方14及び15を)溶解し、または(処方16を)懸濁し、1150mLに達するまで50%エタノールを添加し、薬剤含有コーティング溶液(処方14、15)または懸濁物(処方16)を得た。
【0084】
500gの610μm〜750μmのショ糖ペレットコアを計量し、そして流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を55℃に設定し(パンの内部温度を40±2℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、5〜15g/分であった(いつでも流動化状態に従って調節した)。ショ糖ペレットコアが流動化状態にあった時、薬剤含有コーティング溶液または懸濁物を、底部スプレーの方法で空洞のペレットコアの表面上にスプレーした。薬剤ローディング終了後に、材料を45℃で5分間継続して流動化し、トピラマート薬剤ローディングペレットを得た。
【0085】
(2)処方量にあるエチルセルロース(EC)を計量し、95%エタノールを添加し、40℃〜50℃での加熱下で撹拌し、溶解し、その後に処方量のPVP K30を添加し、40℃〜50℃での加熱下で撹拌し、溶解し、均一に撹拌し、処方量のアエロジルを添加し、95%エタノールを添加して処方量とし、撹拌し、徐放性コーティング溶液を得た。
【0086】
500gの上記トピラマート薬剤ローディングペレットコアを、個別に計量し、そして流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を40〜45℃に設定し(パンの内部温度を30〜35℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、3〜12g/分であった。薬剤ローディングペレットが流動化状態にあった時、3つの処方の徐放性コーティング溶液を、底部スプレーの方法で多様な対応する粒径を有する薬剤ローディングペレットの表面上にスプレーし、多様な粒径を有するトピラマートの徐放性ペレットを得て、コーティングの重量増加は、6%であった。計算によるペレットの接着度は、それぞれ1.9、2.0、1.7%であった。放出率の測定結果を表9に示した。
【0087】
【表16】
結果は、本発明のトピラマートの徐放性医薬組成物(コーティングペレット)が、良好な薬剤放出の一貫性を有したことを示した。
【0088】
実施例11
トピラマートの徐放性ペレットの調製
実施例1における処方1に従って、薬剤層が結合剤HPMCを含んだ500gのトピラマート薬剤ローディングペレットコアを調製し、計量し、そして流動床底部スプレーコーティングパンに置いた。720mLの95%エタノールを用いて、エチルセルロース及びPVP K30をそれぞれ30g及び10gの量で含む徐放性コーティング溶液を調製した。流入空気温度を40〜45℃に設定し(パンの内部温度を30〜35℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、3〜12g/分であった。薬剤ローディングペレットが流動化状態であった時、徐放性コーティング溶液を、底部スプレーの方法で薬剤ローディングペレットの表面上にスプレーし、結合剤 HPMCを含む薬剤層を有するトピラマートの徐放性ペレットを得て、コーティングの重量増加は、6.86%であった。
【0089】
実施例12 トピラマートの徐放性ペレットの調製
【表17】
【0090】
調製方法:
処方量にある主薬剤としてのトピラマート及び充填剤としての微結晶性セルロールを、シーブに通し、そして均一に混合し;70%エタノールを用いて、メチルセルロース(Methocel(商標)A15LV)を溶解し、適切な濃度を有する結合剤としての溶液を得て、そしてその後に軟質材料を形成するために用い;軟質材料を、特定のメッシュシーブを用い、且つある押し出し率で押し出し機に置き、棒状の顆粒を押し出し;押し出された顆粒を、球形化機に置き、そして特定の球形化速度下で、3〜5分間球形化し、得られたペレットを、40℃のオーブン中で2時間乾燥させて、トピラマート薬剤ローディングペレットコアを得た。
【0091】
処方量のエチルセルロール及びポビドン(ポビドン K30)を計量し、820mLの95%エタノールを添加し、撹拌し、そして溶解し、徐放性コーティング溶液を形成した。上記の調製したトピラマート薬剤ローディングペレットコアを、流動床底部スプレーコーティングパンに置き、流入空気温度を40〜45℃に設定し(パンの内部温度を30〜35℃で保つため);流入空気圧は、0.35barであり;噴霧圧は、1.5barであり;溶液スプレー率は、1〜3g/分であった。薬剤ローディングペレットが流動化状態にあった時、徐放性コーティング溶液を、薬剤ローディングペレットコアの表面にスプレーし、トピラマートの徐放性ペレットを得て、コーティングの重量増加は、6.68%であった。
【0092】
実施例13
トピラマートペレットの安定性における研究
実施例11及び実施例12において調製したトピラマートの徐放性ペレット、並びに実施例6において調製したトピラマートの最初のバッチの徐放性ペレットを、 個別に飽和NaCl溶液を有する密閉された乾燥機中にそのまま置き、その後に乾燥機を高温60℃のオーブンに置き、その間に高温及び高湿(60℃、RH75%)の加速条件を設定し、そしてサンプルを0日目、5日目、及び10日目に取った。
【0093】
ペレットサンプルの含有物を注ぎ出し、10mL容積のフラスコ中に置き、超音波下で適量のメタノールにより溶解し、その後、主薬剤の濃度が約5mg/mLになるような規模に到達するまで、5回分の容積の水で希釈し、ろ過のために0.45μmの有機精密ろ過膜を使用し、最初のろ液を捨て、試験溶液として、その後のろ液を使用した。高性能液体クロマトグラフィー(中国薬局方、2010編の第II部の別表VD)を使用し、オクチルシラン結合シリカゲルを梱包剤として使用し、カラム温度は35℃であり、40%メタノールは移動相であり、示差屈折率検出器を使用し、流率は1分あたり1.5mLであり、200μLの試験溶液を取り、液体クロマトグラフ中に注入し、クロマトグラムは、試験溶液が不純物のピークを有した場合、主ピークの保持時間を3回まで記録し、ピーク領域標準化法により不純物の総含有量を計算し、そして結果を表10に示した。本発明において開示されるトピラマートの徐放性組成物(トピラマート薬剤層が結合剤を有さないコーティングタイプ薬剤ローディングペレットコア、実施例6のサンプル)が、全てにおいて結合剤を含むトピラマート薬剤層を有したマトリクスタイプ 薬剤ローディングペレットコア(実施例12のサンプル)及びコーティングタイプ薬剤ローディングペレットコア(実施例11のサンプル)よりも優れた安定性を有したことを確認することができた。
【表18】
結果は、本発明のトピラマートの徐放性医薬組成物が、良好な安定性を有したことを示した。
【0094】
実施例14
トピラマートの徐放性ペレットのインビボでの薬物動態の研究
試験サンプル:参照調製品として、実施例6において調製したトピラマート薬剤ローディングペレットコア(迅速放出性ペレット)を使用し、そして試験調製品として、実施例6において調製したトピラマートの徐放性ペレットを使用した。投与量は、全てトピラマート(主薬剤)として示された23mgであった。
試験対象:6匹のビーグル犬、半数が雄で半数が雌、ビーグル犬の体重は、8.97±1.05であった。
【0095】
投与計画:6匹のビーグル犬を、二重サイクル無作為クロスオーバー試験デザインにかけ、個別に等用量の主薬剤として23mgのトピラマートを含む試験調製品、及び主薬剤として23mgのトピラマートを含む参照調製品を1回経口投与し、2サイクル間で15日の間隔でウォッシュアウト期間を設定した。血液サンプル(2mL)を、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、10、12、16、24、36、48時間でビーグル犬の下肢静脈から個別に採取し、負圧ガラス管に置き、ヘパリンナトリウムで処理し、4000r/分で、10分間遠心分離にかけ、血漿を分離し、血漿を1mLのEP管に移し、試験番号、ビーグル犬の無作為番号、及び血液サンプリング時間を記したラベルを貼り、処理及び分析のために、血液サンプルを−20℃で保持した。
【0096】
血漿サンプル処理:投与後、100μLのビーグル犬の血漿を採取し、1.5mLの遠心分離管に置き、20μLの水を添加し、20μLの内部標準溶液(500ng/mLのニメスリド溶液)を添加し、沈殿剤として0.5mLのメタノールを添加し、3分間渦にかけ、10分間遠心分離にかけ(9500rpm)、上澄み(20μL)を個別に吸い上げ、そして以下のクロマトグラフィー条件下で、LC/MS/MSにより分析し、そしてクロマトグラムを記録した。
【0097】
クロマトグラフィー条件:分析カラムは、Zorbax C8、5μmの粒径、150×4.6mm I.D.、米国のAgilent Companyであり;プレカラムは、C18保護カラム、4×3.0mm I.D.、Phenomenex Company、米国であり;カラム温度は、25℃であり;移動相は、メタノール−0.5mM 酢酸アンモニウム(75:25、v/v)であり;流率は、0.5mL/分であり;内部標準は、ニメスリド(500ng/mL)であった。
【0098】
質量分析条件:API 3000タイプタンデム四重極質量分析計。イオン源は、大気化学イオン源(ターボイオンスプレー源)であり;検出は、陰イオン法において実施し;放出電圧は、−4200Vであり;源温度は、450℃であり;ネブライザーガス(NEB)は、8であり;障壁ガス(CUR)は、11であり;衝突ガス(CAD)は、5であり;走査方法は、多重反応モニタリング(MRM)であり、定量分析のためのイオン反応は、独立し:m/z 338→ m/z 78(トピラマート、Ce−55V)、m/z 307→ m/z 229(内部標準ニメスリド、CE−20V);走査時間は、150msecであった。
【0099】
薬物動態データ処理:血中濃度データは、DAS 2.0分析ソフトウェアにより分析した。
測定結果:等用量(23mg)の参照調製品(実施例6の最初のバッチのトピラマート薬剤ローディングペレットコア)及び試験調製品(実施例6の最初のバッチのトピラマートの徐放性ペレット)を、ビーグル犬に経口投与した後の、多様な時点での平均血中濃度(μg/mL)を
図5に示し、そして主な薬物動態パラメーターを表11に示した。
【表19】
【0100】
図5及び表11の結果は、本発明により提供されたトピラマートの徐放性組成物(23mgのトピラマートを含む実施例6の最初のバッチのトピラマートの徐放性ペレット)を経口投与されたビーグル犬が、迅速放出性トピラマート薬剤ローディングペレットコア(参照調製品、23mgのトピラマートを含む実施例1の最初のバッチのトピラマートペレットコア)と比較して、有意に延長したTmax、有意に減少したCmaxを示したことを示し、またより重要なことは、試験調製品の相対的な生物学的利用能が、参照調製品の92.87%であったことである。これは、本発明により提供されるトピラマート徐放性組成物が、参照調製品に対し生物学的同等性を有したことを示し、また徐放性調製品の有意なプロファイル、すなわちピーク濃度が有意に減少し、且つ作用時間が有意に延長したことを示した。
【0101】
本発明の特定の態様を詳細に発表したが、当業者は、これらの詳細が、当業界における開示の全ての教示に従い修正または改変され得ること、及び全てのこれらの改変が、本発明の保護範囲内にあることを理解するだろう。本発明の全ての範囲は、添付の特許請求の範囲及び任意のその同等物により与えられる。