特許第6262741号(P6262741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6262741一体型のカテーテル固定およびルアーアクセス器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262741
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】一体型のカテーテル固定およびルアーアクセス器具
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   A61M25/06 500
【請求項の数】20
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-532001(P2015-532001)
(86)(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公表番号】特表2015-528378(P2015-528378A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】US2013059052
(87)【国際公開番号】WO2014043123
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2016年7月19日
(31)【優先権主張番号】13/615,201
(32)【優先日】2012年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ボルンホフト
【審査官】 杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/121023(WO,A1)
【文献】 特開昭62−201159(JP,A)
【文献】 特開2012−071162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/158
A61M 25/02
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルアー固定器具であって、
セプタムを含む第1の端部、および、基部を有するカテーテルフードを含む第2の端部を有するルアーアダプターであって、該ルアーアダプターは、さらに、前記第1および第2の端部の間に介在されたウェッジシールを含む、前記ルアーアダプター、
前記ルアーアダプターの前記第1の端部を受容するための遠位端を有する挿入器本体、
前記挿入器本体内に摺動可能に収容されたカテーテルスレッダーであって、該カテーテルスレッダーは、カテーテルの基部部分に接触するためのプローブを有し、該プローブは、前記ルアーアダプターの前記セプタムを通して前記ウェッジシールへ、前記カテーテルの前記基部部分を前進させるように構成されており、前記ウェッジシールは、前記カテーテルを保持し、前記基部部分と前記ウェッジシールとの間の液密シールを形成するように構成されており、前記プローブは、さらに、前記プローブを通る通路を提供する孔を有する、前記カテーテルスレッダー、および、
前記カテーテルスレッダー内に摺動可能に収容されたニードルアダプターであって、該ニードルアダプターは、患者に前記カテーテルを挿入するのを支援するために、前記プローブの孔と前記カテーテルを通って延びる針を含む、前記ニードルアダプター、を含むことを特徴とするルアー固定器具。
【請求項2】
請求項1のルアー固定器具であって、前記カテーテルスレッダーの近位端は、さらに、使用者の親指を受容するための構造を含み、前記カテーテルスレッダーの前記構造は、使用者が、前記カテーテルスレッダーを前記挿入器本体内で摺動させるのを可能にすることを特徴とするルアー固定器具。
【請求項3】
請求項1のルアー固定器具であって、前記挿入器本体は、さらに、使用者が、前記カテーテルスレッダーにアクセスすることを許容するための、アクセス窓を含むことを特徴とするルアー固定器具。
【請求項4】
請求項1のルアー固定器具であって、前記カテーテルスレッダーは、第1の位置から第2の位置に前記挿入器本体内で摺動し得て移動可能であり、前記第1の位置にあるとき、前記プローブおよび前記カテーテルの前記基部部分は、前記挿入器本体内に配置され、そして、前記第2の位置にあるとき、前記プローブは、前記ルアーアダプターの前記セプタム内に少なくとも部分的に配置され、前記カテーテルの前記基部部分は、前記ウェッジシール内に着座させられることを特徴とするルアー固定器具。
【請求項5】
請求項4のルアー固定器具であって、前記ニードルアダプターは、第1の針位置から、第2の針位置、第3の針位置に、前記カテーテルスレッダー内で摺動し得て移動可能であり、前記第1の針位置にあるとき、前記針の鋭利な先端は、前記カテーテルの先端を越えて遠位に延び、そして、前記第2の針位置にあるとき、前記針の前記鋭利な先端は、前記カテーテルの前記先端内に引き込まれ、そして、前記第3の針位置にあるとき、前記針の前記鋭利な先端は、前記カテーテルから完全に引き抜かれ、前記カテーテルスレッダーおよび前記挿入器本体の少なくとも一つの中に配置されることを特徴とするルアー固定器具。
【請求項6】
請求項5のルアー固定器具であって、前記ニードルアダプターは、前記カテーテルスレッダーが前記第1位置から前記第2の位置まで移動するとき、前記第1の針位置にあり、前記ニードルアダプターは、前記カテーテルスレッダーが前記第2の位置にあるとき、前記第2の針位置にあり、そして、前記ニードルアダプターは、前記カテーテルスレッダーが前記第2の位置から前記第1の位置に移動するとき、前記第2の針位置から前記第3の針位置に移動することを特徴とするルアー固定器具。
【請求項7】
請求項1のルアー固定器具であって、前記ルアーアダプターの前記基部は、さらに、前記セプタムと前記プローブの前記孔を通る通路と同心的な配置で、ターゲットを含むことを特徴とするルアー固定器具。
【請求項8】
請求項7のルアー固定器具であって、前記針の鋭利な先端と前記カテーテルの先端は、前記カテーテルスレッダーが第1の位置から第2の位置へ移動させられるとき、前記ルアーアダプターの前記基部内の接着剤を通り抜けることを特徴とするルアー固定器具。
【請求項9】
請求項1のルアー固定器具であって、前記基部は、さらに、外部接着剤層を含むことを特徴とするルアー固定器具。
【請求項10】
請求項1のルアー固定器具であって、さらに、前記カテーテルスレッダーの外面と前記挿入器本体の内面との間に介装された遠位ばねを含み、さらに、前記カテーテルスレッダーの内面と前記ニードルアダプターとの間に介装された近位ばねを含むことを特徴とするルアー固定器具。
【請求項11】
ルアーおよびカテーテル固定システムであって、
セプタムを含む第1の端部および基部を有するカテーテルフードを含む第2の端部を含むルアーアダプターであって、該ルアーアダプターは、さらに、前記第1及び第2の端部の間に介装されたウェッジシールを含む、前記ルアーアダプター、
前記ルアーアダプターに取り外し可能に結合された挿入器本体であって、該挿入器本体は、カテーテルスレッダーを摺動可能に収容するための内部空間を有し、前記カテーテルスレッダーは、前記ルアーアダプターの前記セプタムを介して、カテーテルの基部部分と接触して前進させるように構成されたプローブを有し、前記カテーテルの前記基部部分は、前記ウェッジシールに液密に着座させられ、前記挿入器本体は、さらに、アクセス窓を有し、それにより、使用者は、第1の位置から第2の位置へ、前記挿入器本体の前記内部空間内で前記カテーテルスレッダーを摺動させるため、前記カテーテルスレッダーにアクセスし得る、前記挿入器本体、および、
前記カテーテルスレッダーの内部空間内に摺動自在に収容されたニードルアダプターであって、該ニードルアダプターは、患者にカテーテルを挿入するのを支援するため、前記プローブの孔と前記カテーテルを通って延びる針を含み、前記カテーテルは、前記カテーテルスレッダーが、前記第1の位置から前記第2の位置に摺動させられるとき、患者に挿入されて、前進させられ、前記カテーテルの基部部分は、前記カテーテルスレッダーが、前記第1の位置から前記第2の位置まで摺動させられるとき、さらに、前記ウェッジシール内に着座させられ、前記針の鋭利な先端は、前記カテーテルスレッダーが前記第2の位置から前記第1の位置へ摺動させられるとき、前記カテーテルから、前記挿入器本体と前記カテーテルスレッダーの少なくとも一つに引き抜かれる、前記ニードルアダプター、を含むことを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【請求項12】
請求項11のルアーおよびカテーテル固定システムであって、前記カテーテルスレッダーの近位端は、さらに、使用者の親指を受容するための構造を含み、該構造は、使用者が、前記挿入器本体内で前記カテーテルスレッダーを摺動させるのを許容することを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【請求項13】
請求項12のルアーおよびカテーテル固定システムであって、前記構造は孔を含むことを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【請求項14】
請求項11のルアーおよびカテーテル固定システムであって、前記挿入器本体は、さらに、それを通して使用者が前記カテーテルスレッダーにアクセスし得るアクセス窓を含むことを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【請求項15】
請求項11のルアーおよびカテーテル固定システムであって、前記カテーテルスレッダーは、第1の位置から第2の位置へ、前記挿入器本体の前記内部空間内で摺動し得て、移動可能であり、前記第1の位置にあるとき、前記プローブおよび前記カテーテルの前記基部部分は、前記挿入器本体の前記内部空間内に配置され、前記第2の位置にあるとき、前記プローブは、前記ルアーアダプターの前記セプタム内に少なくとも部分的に配置され、前記カテーテルの前記基部部分は、前記ウェッジシール内に着座させられることを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【請求項16】
請求項15のルアーおよびカテーテル固定システムであって、前記ニードルアダプターは、第1の針位置から第2の針位置、第3の針位置へ、前記カテーテルスレッダーの内部空間内で摺動し得て移動可能であり、前記第1の針位置にあるとき、前記針の鋭利な先端は、前記カテーテルの先端を超えて遠位に延び、前記第2の針位置にあるとき、前記針の前記鋭利な先端は、前記カテーテルの先端に引き込まれ、および、前記第3の針位置にあるとき、前記針の前記鋭利な先端は、前記カテーテルから完全に引き抜かれ、前記カテーテルスレッダーの前記内部空間と前記挿入器本体の前記内部空間の少なくとも一つの中に配置されることを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【請求項17】
請求項16のルアーおよびカテーテル固定システムであって、前記ニードルアダプターは、前記カテーテルスレッダーが、前記第1の位置から前記第2の位置へ移動するとき、第1の針位置にあり、前記ニードルアダプターは、前記カテーテルスレッダーが前記第2の位置にあるとき、前記第2の針位置から前記第3の針位置に移動することを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【請求項18】
請求項11のルアーおよびカテーテル固定システムであって、前記ルアーアダプターは、さらに、前記セプタムおよび前記プローブの前記孔を通る通路と同心的な配置で、ターゲットを含むことを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【請求項19】
請求項18のルアーおよびカテーテル固定システムであって、前記針の前記鋭利な先端と前記カテーテルの前記先端は、前記カテーテルスレッダーが、前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させられるとき、前記ルアーアダプターの前記基部内の接着剤を通り抜けることを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【請求項20】
請求項11のルアーおよびカテーテル固定システムであって、さらに、前記カテーテルスレッダーの外面と前記挿入器本体の内面との間に介装して配置された遠位ばねを含み、さらに、前記カテーテルスレッダーの内面と前記ニードルアダプターの間に介装して配置された近位ばねを含むことを特徴とするルアーおよびカテーテル固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体的に、カテーテルおよびルアー器具に関する。より具体的には、この開示は、ルアーアダプターに選択的に接続される挿入具本体を含む、一体型のカテーテル固定およびルアーアクセス器具を論じ、挿入具本体は、ルアーアダプター内にカテーテルを前進させて着座させ、同時に、カテーテルで患者にアクセスする。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、用語「ルアー」は、医療器具および/または医療機器における、雄型テーパ継手と、その接合雌型部品との間の、漏れのない接続を作るために使用される、任意のルアーテーパ、または、小規模の流体継手の他のシステムを記述し、含むと理解される。本発明に係るルアー器具は、さらに、一体化されたセプタムを含み得、それによって、ルアー継手接続を介して相互接続された、2つのデバイス間の選択的なアクセスを提供する。ルアー継手の非限定的な例は、ベクトンディッキンソン社製の「ルアーロック」、「ルアースリップ」、および、「Nexiva閉鎖IVカテーテル」システムを含む。
【0003】
注入療法は、針またはカテーテルを介して患者への流体の投与を含む。それは、患者の治療が、経口薬によって効果的になされ得ないときに、一般的に処方される。典型的には、「注入療法」は、薬物または他の流体が静脈内に投与される手順に言及する。しかし、この用語は、また、流体が、筋肉内注射、皮下注射、硬膜外の経路のような、他の非経口経路を介して提供される状況に言及する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筋肉内および皮下注射は、患者の組織に、流体のボーラスを置く。ボーラスは、ゆっくり消散し、周囲の組織に吸収され、それによって、ある期間にわたり患者へ薬剤または流体を投与する。注入プロセスは、一般的に、適切なアクセスを確実にし、患者に対する損傷を回避または最小化するために、カテーテルおよび針の安定した制御を必要とする。移動する救急車の後部のような、緊急事態においては、医師または他の介護者は、患者の周囲の過剰な動きにより、患者にカテーテルを挿入できないことがあり得る。よって、救急車は、介護者に安定な環境を提供し、その中でカテーテルを挿入するために、停止することが必要とされる。これは、介護者に不便をもたらし、患者の命を救うために必要とされ得る貴重な時間を浪費する。したがって、現在利用可能な技術に伴う問題や欠点を克服する器具に対する、当該技術分野におけるニーズが存在する。本開示は、そのような器具を論ずる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、セプタムを含む第1の端部と、患者の体表面との安定した界面を形成するための基部を有するカテーテルフードを含む第2の端部とを有する、ルアーアダプターを含む、ルアー固定器具を提供する。ルアーアダプターは、さらに、第1及び第2の端部との間に介在された、ウェッジシールを含む。ウェッジシールは、カテーテルスレッダーのプローブ部によって、セプタムを通りウェッジシールに挿入される、カテーテルの基部部分を受けるように設けられる。ウェッジシール内に着座すると、液密シールが、カテーテルの基部とウェッジシールとの間に確立される。
【0006】
本発明のいくつかの実施は、さらに、選択的にルアーアダプターに結合される、挿入器本体を含む。挿入器本体は、カテーテルの基部部分をウェッジシールに着座させるために、カテーテルに接触し、セプタムを通してカテーテルを前進させるためのプローブを含む、カテーテルスレッダーを摺動可能に収容する。
【0007】
カテーテルスレッダーは、さらに、カテーテルスレッダー内に摺動可能に収容された、ニードルアダプターを含む。ニードルアダプターは、プローブとカテーテルを通って延び、その結果、鋭利な先端が、患者にカテーテルを挿入するのを支援するために、カテーテルの先端を越えて遠位に露出される、鋭利な先端を有する針を含む。いくつかの例において、遠位ばねが、カテーテルスレッダーと挿入器本体との間に介在され、2つの構成要素間に、近位への圧縮力を提供する。ルアー固定器具は、さらに、カテーテルスレッダーとニードルアダプターとの間に介在された近位ばねを含み、2つの構成要素の間に、遠位への圧縮力を提供する。
【0008】
患者へのカテーテルの挿入に続いて、近位ばねが、カテーテルアダプターを近位方向に後退させ、それによって、挿入器本体およびカテーテルスレッダーのプローブ部の少なくとも一方の内側に、針の鋭利な先端を引き込み、遮蔽する。挿入器本体は、その後、ルアーアダプターから取り外されて廃棄される。ルアーアダプターは、接着フィルムを介して患者に固定されたままで残る。ルアーアダプターは、患者内のカテーテルの位置を維持し、ルアーアダプターの雄ルアーとセプタムを経由した、カテーテルへのアクセスを提供する。
【0009】
本発明の、上述の、および、他の、特徴および利点が得られる方法が、容易に理解されるように、簡単に上記された本発明のより詳細な説明が、添付の図面に示された、その具体的な実施形態を参照することによって、説明される。これらの図面が、本発明の典型的な実施形態のみを描写しており、したがって、その範囲を限定するものと考えられるべきではないとの理解で、本発明は、添付の図面の使用を通じて、さらに具体的かつ詳細に、記載され説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の代表的な実施形態に係る、ルアー固定器具の斜視図である。
図2】本発明の代表的な実施形態に係る、ルアー固定器具の断面図である。
図3】本発明の代表的な実施形態に係る、ルアー固定器具の断面、分解図である。
図4A】本発明の代表的な実施形態に係る、第1の位置にあるカテーテルスレッダーと、第1の針位置にあるニードルアダプターを有する、ルアー固定器具の断面上面図である。
図4B】本発明の代表的な実施形態に係る、第1の位置から移され、第2の位置に向かって移動するカテーテルスレッダーを有し、さらに、器具が、第1の針位置にあるニードルアダプターを有する、ルアー固定器具の断面上面図である。
図4C】本発明の代表的な実施形態に係る、第1位置と第2位置との間に位置するカテーテルスレッダーを有し、さらに、器具が、挿入器本体のボスと接触しているニードルアダプターを有する、ルアー固定器具の断面上面図である。
図4D】本発明の代表的な実施形態に係る、第1位置と第2位置との間に位置するカテーテルスレッダーを有し、さらに、器具が、第2の針位置にあるニードルアダプターを有する、ルアー固定器具の断面上面図である。
図4E】本発明の代表的な実施形態に係る、第2位置に位置するカテーテルスレッダーを有し、さらに、器具が、第2の針位置と第3の針位置の間に位置するニードルアダプターを有する、ルアー固定器具の断面上面図である。
図4F】本発明の代表的な実施形態に係る、第2位置にあるカテーテルスレッダーを有し、さらに、器具が、第2の針位置と第3の針位置の間に位置するニードルアダプターを有する、ルアー固定器具の断面上面図である。
図4G】本発明の代表的な実施形態に係る、第2位置にあるカテーテルスレッダーを有し、さらに、器具が、第2の針位置と第3の針位置の間に位置するニードルアダプターを有する、ルアー固定器具の断面上面図である。
図4H】本発明の代表的な実施形態に係る、カテーテルスレッダーと第2位置を有し、さらに、器具が、第2の針位置と第3の針位置の間に位置するニードルアダプターを有する、ルアー固定器具の断面上面図である。
図4I】本発明の代表的な実施形態に係る、器具の挿入器本体内に位置するカテーテルアダプターを有し、さらに、器具が、第3の針位置に位置するニードルアダプターを有する、ルアー固定器具の断面上面図である。
図5】本発明の代表的な実施形態に係る、ルアーアダプターの断面図である。
図6】本発明の代表的な実施形態に係る、ルアーアダプターおよび患者に挿入されるカテーテルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
記載された本発明の現在の好ましい実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解されるであろうし、全体を通して、同じ部品は、同じ符号によって示される。本発明の構成要素は、添付の図面に一般的に記載され示されるように、多種多様の異なる構成で、配置され、及び、設計される得ることが理解されるであろう。したがって、図に示される本発明のいくつかの実施形態の、以下の、より詳細な説明は、特許請求される本発明の範囲を限定することを意図されておらず、本発明のいくつかの現在の好ましい実施形態を単に代表している。
【0012】
一般に、本発明は、患者に、カテーテルとルアーアクセス器具を固定するための一体化されたユニットに関する。特に、本発明のいくつかの実施形態は、選択的にルアーアダプターに結合される、アプリケータまたはカテーテル挿入器を含む、携帯器具を提供する。いくつかの例において、ルアーアダプターは、患者の体表面との界面を形成するように構成された基部を含む、柔軟な高分子材料から形成されたフードを含む。いくつかの実施形態において、ルアーアダプターの基部は、さらに、患者に、ルアーアダプターの位置を定めて固定するための接着剤を含む。互換性のルアーアダプターの非限定的な例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Stephen Bornhoftによって、2012年9月13日に出願された、ルアー固定器具と題する米国特許出願番号13/614481において提供される。
【0013】
カテーテル挿入器は、着脱可能に、ルアーアダプターに接続される。したがって、患者へのカテーテルの挿入後、カテーテル挿入器は、選択的にルアーアダプターから取り外され、廃棄される。ルアーアダプターは、元の位置に留まり、それによって、患者への流体のアクセスを可能にする。
【0014】
本発明の実施形態は、さらに、カテーテルを含む。本発明のカテーテルは、インビトロ使用に適合する、任意のタイプまたはスタイルのカテーテルをも含み得る。例えば、いくつかの例において、本発明は、皮下または筋肉内カテーテルを含む。したがって、本発明に適合するカテーテルは、可撓性のポリマーカテーテルおよび硬質ポリマーまたは金属カテーテルを含み得る。
【0015】
アプリケータまたはカテーテル挿入器は、患者へのカテーテル挿入を容易にするために、様々な構成要素を含む。特に、カテーテル挿入器は、カテーテル挿入器内に摺動可能に収容され、ルアー器具のセプタムを通して患者へカテーテルを進めるように構成されたプローブを含む、カテーテルスレッダーを含む。カテーテルスレッダーは、さらに、カテーテルスレッダー内に摺動可能に収容され、患者にカテーテルを挿入するのを支援するために、カテーテルスレッダーのプローブを通して、および、カニューレを通して延びる、針を含む、針挿入器またはニードルアダプターを含む。カテーテルが患者に挿入されると、カテーテル挿入器内のカテーテルスレッダーの位置は、後退させられ、それによって、カテーテルから針を引き抜き、カテーテル挿入器内の針の鋭利な先端を遮蔽する。
【0016】
ルアーアダプターおよびカテーテル挿入器の間の相互接続された関係は、カテーテルと患者の体表面との間の、架橋された接続を提供する。特に、ルアーアダプターのフードは、患者とカテーテルとの間の、安定した、一定の接続を提供し、それによって、患者のカテーテル挿入を、不安定な環境や条件において可能にする。言い換えれば、ルアーアダプターのフードは、ルアー固定器具と患者の体表面との間の一定の接続を提供し、その結果、使用者の手と患者との間の距離は、カテーテル挿入の間、一定のままである。ルアー固定器具のより良い理解を提供するために、器具の様々な一体化された構成要素が以下により詳細に説明される。
【0017】
次に、図1を参照すると、組み立てられたルアー固定器具10の斜視図が示される。一般に、ルアー固定器具10は、選択的にルアーアダプター70に結合される、アプリケータまたは挿入器本体20を含む。挿入器本体20は、カテーテルスレッダー50が摺動自在に収容された、中空のシェルを含む。カテーテルスレッダー50は、ルアーアダプター70を通して、患者に、カテーテルと針を前進させるために、使用者によって、挿入器本体20内で摺動自在に再配置される。カテーテル挿入後、ニードルは、自動的に、患者とルアーアダプター70から後退させられ、針の鋭利な先端は、挿入器本体20とカテーテルスレッダー50のうちの少なくとも1つの中に遮蔽される。挿入器本体20は、その後、ルアーアダプター70から取り外され、廃棄される。ルアーアダプター70は、患者に取り付けられたままであり、挿入されたカテーテルを介して患者へのアクセスを提供する。
【0018】
より具体的には、いくつかの実施形態において、ルアー固定器具10は、近位端22および遠位端24を有する、アプリケータまたは挿入器本体20を含む。挿入器本体20は、さらに、カテーテルスレッダー50が摺動可能に収容された、中空の内部空間を含む。挿入器本体20は、さらに、一般に、近位端22に位置し、カテーテルスレッダー50への使用者アクセスを提供する、アクセス窓26を含む。カテーテルスレッダー50は、さらに、挿入器本体20内でカテーテルスレッダー50を摺動自在に再配置するため、使用者の親指または他の指を受け入れるか、収容するように構成された、構造52を含む。例えば、いくつかの実施形態において、構造52は、使用者の親指を収容するのに十分な直径を有する、孔を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、アクセス窓26の長さは、挿入器本体20内におけるカテーテルスレッダー50の移動の、所望の、または、許容された長さに基づいて、決定され、選択される。したがって、アクセス窓26の遠位および近位の限界は、挿入器本体20内におけるカテーテルスレッダー50の最大の近位および遠位位置を指定する。
【0020】
挿入器本体20は、さらに、手の2つの隣接する指の間に、例えば、人差し指と中指の間に、使用者が挿入器本体20の遠位端24を把持するのを支援するために設けられた、遠位側部グリップ28を含む。したがって、側部グリップ28は、ルアー固定器具10の把持に適合するように形成された対向表面を提供し、および、使用者の隣接する指が、孔52へ挿入された使用者の親指を介して、使用者が挿入器本体20内でカテーテルスレッダー50をスライドさせるのを容易にするために引き得る、対向表面を提供する。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、使用者が、ポーテッドグリップ配置(ported grip configuration)で、ルアー固定器具10を保持し、使用することを許容し、孔52内に使用者の親指が配置されて、装置10の遠位端は、使用者の隣接する指の間に保持される。いくつかの実施形態において、側部グリップ28は、さらに、使用者の把持を支援するために適合する、可撓性または成形可能な材料を含む。他の実施形態において、側部グリップ28は、挿入器本体20に対して垂直である把持表面を提供する、挿入器本体20の横方向の拡張部を含む。
【0021】
ルアー固定器具10は、選択的に挿入器本体20の遠位端24に連結される、ルアーアダプター70を含む。ルアーアダプター70は、可撓性の弾性ポリマー材料を含む、フード72を含む。フード72は、さらに、患者の体表面との界面を形成するように構成されたベース74を含む。いくつかの実施形態において、ベース74は、さらに、それによって患者にルアーアダプター70の位置を定め、固定する接着剤を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、ルアーアダプター70は、挿入器本体20の遠位端24に螺合で連結される。例えば、いくつかの実施形態において、挿入器本体20の遠位端24は、さらに、ルアーアダプター70の雄ねじのセットを螺合で受け入れるように構成された、雌ねじのセットを含む。したがって、使用者は、選択的に、2つの構成要素をねじ戻すことによって、ルアーアダプター70から挿入器本体20を除去し得る。
【0023】
ここで、図2を参照すると、ルアー固定器具10の断面図が、カテーテル導入の前において示される。いくつかの実施形態において、ルアーアダプター70は、セプタム80が収容された雄型ルアー76を含む。セプタム80は、さらに、そこを通してカテーテル90が挿入され得る、スリットまたは他の通路を含む。いくつかの実施形態において、スリットまたは通路は、予め形成される。他の実施形態において、スリットまたは通路は、セプタム80を通してカテーテル90を前進させることによって形成される。
【0024】
雄ルアー76の遠位端は、さらに、フード72の近位端が着座する遠位チャネルを有する、フードアダプタ78を含む。フードアダプタ78は、さらに、セプタム80との界面を形成する近位端を含む。いくつかの実施形態において、フードアダプタの近位端78は、フードアダプタ78と雄ルアー76の内面との間に、セプタム80の遠位端部を押し入れるか、さもなければ捕捉する。
【0025】
フードアダプタ78は、さらに、ウェッジシール82が着座する、中間チャネルを含む。ウェッジシール82は、一般に、フードアダプタ78とカテーテル90の基部92との間の液密シールを形成し得るポリマー材料を含む。
【0026】
前述したように、ルアーアダプター70は、挿入器本体20の遠位端24に螺合で連結される。いくつかの実施形態において、遠位端24は、雄ルアー76のねじ面を螺合で受け入れるためのねじ面を含む内面を有するノズルを含む。遠位端24は、さらに、カテーテル90とカテーテルスレッダー50のプローブ53の通過を許容する大きさと形状にされた、遠位開口30を有する。
【0027】
カテーテルスレッダー50は、挿入器本体20の内部空間32内に、摺動可能に収容される。いくつかの実施形態において、カテーテルスレッダー50は、挿入器本体20の内側突起34を受け入れ、それぞれ、近位および遠位方向12及び14に、挿入器本体20の内側突起34に沿って移動するように構成された、整列チャネル54を含む。いくつかの例において、カテーテルスレッダー50は、挿入器本体20の内部空間32内の、カテーテルスレッダー50の適切な整列と位置を維持するように設けられた、複数のアライメントチャネル54を含む。
【0028】
カテーテルスレッダー50は、さらに、遠位端56から遠位に延びる、プローブ53を含む。プローブ53は、カテーテル90の基部92との界面を形成するような大きさと形状にされる。例えば、いくつかの実施形態において、プローブ53の外径は、カテーテル90の基部92の外径にほぼ等しい。よって、プローブ53は、遠位開口30を通り、セプタム80を通って、カテーテル90の基部92を前進させ得、フードアダプタ78のウェッジシール82に基部92を着座させる。
【0029】
遠位端56は、さらに、遠位ばね60がその上に着座する、遠位突出部58を含む。遠位ばね60は、カテーテルスレッダー50が遠位方向14に摺動させられると、カテーテルスレッダー50と挿入器本体20との間に圧縮力を提供する。よって、遠位ばね60は、使用者がカテーテルスレッダー50を近位方向12へ摺動させるのを支援する。
【0030】
遠位端56は、さらに、近位ばね64がその上に着座する、近位突出部62を含む。近位ばね64は、示されるように、ニードルアダプター100が、遠位または第1の針位置にあるとき、カテーテルスレッダー50とニードルアダプター100との間に圧縮力を提供する。いくつかの実施形態において、カテーテルスレッダー50の内面は、さらに、カテーテル挿入工程中に、ニードルアダプター100の第1の針位置を維持する、停止機構66を含む。第1の針位置は、針102の尖った先端104が、カテーテル90の先端94を越えて遠位に延びる、カテーテルスレッダー50内でのニードルアダプター100の位置として定義される。
【0031】
停止機構66によって係合させられるとき、ニードルアダプター100は、カテーテルスレッダー50が遠位方向14に摺動させられると、カテーテルスレッダー50と共に移動する。ニードルアダプター100と停止機構66との間のせん断力は、ニードルアダプター100が第1の針位置にあるとき、近位ばね64の圧縮力よりも大きくなるように選択され、それによって、ニードルアダプター100の第1の針位置を維持する。当業者は、停止機構66が、近位ばね64の圧縮力よりも大きい力でニードルアダプター100の第1の針位置を維持する、任意の機械的構造を含み得ることを理解するであろう。
【0032】
いくつかの実施形態において、内部空間32は、さらに、カテーテルスレッダー50が遠位方向14に摺動させられるとき、整列チャネル54を通過するように配置、構成され、ニードルアダプター100と接触する、剛性ボス36を含む。ボス36とニードルアダプター100との間の接触で、カテーテルスレッダーが、遠位方向14に摺動され続けると、ボス36とニードルアダプター100との間の圧縮力は増大する。ボス36とニードルアダプター100との間の圧縮力が、停止機構66とニードルアダプター100との間のせん断力を超えた時点で、ニードルアダプター100は、近位方向12に停止機構66を超えて進む。ニードルアダプター100が、停止機構66を超えて進むと、近位ばね64の圧縮力が、ニードルアダプター100を近位方向12に押し、それによって、針102を、カテーテル90から、および、セプタム80を通して、引き抜く。
【0033】
図3−4Iを全体的に参照すると、ルアー固定器具10の断面図が、作動または使用の様々な段階で示される。例えば、図4Aは、作動前のルアー固定器具10を示し、図4Iは、使用後のルアー固定器具10を示す。したがって、挿入工程が、図4Aから図4Iに、順に示され、各構成要素の構造的特徴は、図3で、明瞭に示され、分離される。
【0034】
アクセス窓26の長さは、第1の位置と第2位置との間でのカテーテルスレッダー50の移動を制限するように選択される。図4Aに示されるように、第1の位置は、アクセス窓26の近位端38と整列されたカテーテルスレッダー50の孔52によって特徴づけられる。図4Eに示されるように、第2の位置は、アクセス窓26の遠位端40と整列された孔52によって特徴づけられる。
【0035】
図4Aを引き続き参照すると、第1の位置は、さらに、カテーテル90の先端94およびセプタム80に対する、針102の鋭利な先端104の位置によって特徴づけられる。特に、第1の位置において、鋭利な先端104は、先端94を越えて遠位に延び、セプタム80の遠位に配置される。よって、鋭利な先端104とカテーテル90は、鋭利な先端104が、カテーテル挿入中に、セプタム80を通過することを必要とされないので、セプタム80に損傷を引き起こすことなく患者に挿入され得る。したがって、アクセス窓26の近位端38の配置は、カテーテル90の先端94が、セプタム80を通って延びるように、プローブ53とカテーテル90の基部92との間の界面を位置づけるために選択される。
【0036】
同様に、第2の位置は、図4Eに示されるように、ウェッジシール82に対するカテーテル90の基部92の位置によって特徴づけられる。特に、第2の位置において、基部92は、完全にウェッジシール82に着座する。したがって、アクセス窓26の遠位端40の配置は、カテーテル90の基部92が完全にウェッジシール82に着座するように、カテーテルスレッダー50の遠位の摺動を制限するために選択される。
【0037】
図4B及び図4Cを参照すると、カテーテルスレッダー50が、遠位方向14に摺動させられると、ボス36は、ニードルアダプター100と接触し、それによって、ニードルアダプター100の遠位への移動を停止させ、その結果、針102の鋭利な先端104の遠位への移動を停止させ、図4Cに示された構造をもたらす。したがって、ボス36の位置は、ニードルアダプター100の遠位移動を制限するように選択される。特に、ボス36の位置は、患者への鋭利な先鋭104の挿入後、ニードルアダプター100の遠位への移動を停止させるように選択される。一旦停止させられると、図4Dおよび図4Eに示されるように、カテーテルスレッダー50は、遠位に摺動し続けることを許容され、それにより、カテーテル先端94を患者へ前進させる一方で、鋭利な先端104は、静止したままである。カテーテルスレッダー50の遠位方向14における、追加の摺動または前進で、カテーテル先端94は、遠位方向に前進し、それによって、カテーテル90内に、鋭利な先端104を引き抜くか、遮蔽する。したがって、ボス36は、カテーテルスレッダー50が完全に第2の位置に達する前に、ニードルアダプター100の遠位への移動を制限し、または、停止させるように配置される。
【0038】
前述したように、停止機構66は、一時的に、カテーテルアダプター100とカテーテルスレッダー50を連結する。したがって、図4A−4Cに示されるように、カテーテルスレッダー50が、第1の位置にあるとき、ニードルアダプター100は、第1の針位置にある。第1の針位置は、カテーテル先端94に対する鋭利な先鋭104の位置によって特徴づけられる。特に、第1の針位置は、カテーテル先端94を越えて遠位に延びる、針102の鋭利な先端104によって特徴づけられる。したがって、第1の針位置は、カテーテル90に患者へのアクセスを提供するのを支援するために、鋭利な先端104が露出されることを確実にする。
【0039】
図4D−4Gに示されるように、カテーテルスレッダー50が、第1の位置から第2の位置に向けて、遠位に移動すると、ニードルアダプター100は、剛性ボス36がニードルアダプター100に接触するまで、第1の針位置のままである。図4D−4Gに示されるように、この接触が生ずるとき、プローブ53は、遠位にカテーテル90を前進させることを継続し、それによって、カテーテル90内に鋭利な先端104を引き抜く。したがって、第2の針位置は、剛性ボス36とニードルアダプター100との間の接触によって特徴づけられ、鋭利な先端104は、カテーテル90内に、近位に引き抜かれる。
【0040】
図4E−4Hに示されるように、ニードルアダプター100が、停止機構66を超えて進むと、ニードルアダプター100は、近位ばね64を介して近位に付勢され、それによって、ニードルアダプター100が、第2の針位置から第3の針の位置へ移動することをもたらす。第3の針位置は、挿入器本体20の遠位端24に対する鋭利な先端104の位置によって特徴づけられる。特に、図4Iに示されるように、第3の針位置は、鋭利な先端104が挿入器本体20の内部空間32内に位置づけられることをもたらす。代わりに、いくつかの実施形態において、第三の針位置は、鋭利な先端104がカテーテルスレッダー50のプローブ53内に位置づけられることをもたらす。
【0041】
図4E−4Hを参照すると、針102が、近位方向12に引き抜かれるか、または、後退させられると、針102の外面は、セプタム80を通過することで、きれいに拭かれる。よって、針102上の血液または他の流体は、挿入器本体20内に遮蔽される前に除去される。いくつかの実施形態において、針102の外面上におけるセプタム80のスリット88の抵抗力は、近位ばね64の圧縮力よりも大きい。よって、挿入器本体20が、ルアーアダプター70から切り離され、近位方向12に移動させられるまで、ニードルアダプター100の位置は、ボス36に対して静止したままである。挿入器本体20が、近位方向12に移動させられると、針102は、セプタム80のスリット88を通って引き抜かれ、それによって、針102の外面を清掃する。図4Iに示されるように、鋭利な先端104がスリット88を通過すると、近位ばね64の圧縮力が解放され、それによって、カテーテルスレッダー50のプローブ53内に鋭利な先端104を迅速に引き入れる。
【0042】
いくつかの実施形態において、カテーテルスレッダー50は、さらに、1つ以上の近位停止機構68を含む。近位停止機構68は、カテーテルスレッダー50内でのニードルアダプター100の近位移動を制限するために設けられる。したがって、いくつかの実施形態において、図4Iに示されるように、第3の針位置は、ニードルアダプター100と近位停止機構68との間の接触によって規定され、第3の針位置は、挿入器本体20とカテーテルスレッダー50のうちの少なくとも1つの中で、鋭利な先端104を遮蔽する。したがって、ニードルアダプター100が、近位ばね64によって近位12に摺動させられると、ニードルアダプター100は、近位停止機構68との接触によって、カテーテルスレッダー50を出ることを防止される。
【0043】
ここで、図5を参照すると、ルアーアダプター70の断面側面図が示される。いくつかの実施形態において、フード72の基部74は、患者へのカテーテル90の挿入を容易にするために傾斜している。基部74の角度は、カテーテル90のための最適な挿入角度に基づいて選択され得る。例えば、いくつかの実施形態において、フード72の基部74は、約30〜45°の角度θを含む。他の実施形態において、角度θは、約90°を含む。
【0044】
前述したように、いくつかの実施形態において、基部74は、さらにフード72の遠位端を囲む、接着層または接着フィルム84を含む。接着フィルム84は、患者にルアーアダプター70の位置を固定し、維持するために、患者の体表面に適用される。いくつかの実施形態において、接着フィルム84は、さらに、患者の体にルアーアダプター70を適用する前に、接着フィルム84を露出させるために、使用者によって除去される、非接着性の外側カバー(図示せず)を含む。接着フィルム84は、さらに、ウェッジシール82およびセプタム80のスリット88と、同心的な配置で、挿入ターゲット86を含む。したがって、カテーテル90と針102が、セプタム80とフード72を通って前進させられると、先端部94と鋭利な先端104は、接着フィルム84を通過して、患者に接触する。いくつかの実施形態において、挿入ターゲット86は、さらに、対照的な色を含み、それによって、挿入ターゲット86を患者の解剖学的特徴に整列させるための視覚的なマーカーとして役立つ。例えば、いくつかの例において、挿入ターゲット86は、静脈穿刺を避けるために視覚的に整列させられる。
【0045】
図6に示されるように、接着フィルム84とフード72は、さらに、患者110と外部環境120との間の血液バリアを提供する。例えば、カテーテル挿入中、血液は、接着フィルム84を通って、挿入部位112から抜け出たり漏れたりし得る。フード72と接着フィルム84の閉塞された特徴は、どんな血液又は他の流体をも捕捉し、それによって、使用者への望ましくない露出を防止する。ウェッジシール82は、さらに、カテーテル90の基部92とおよびフードアダプタ78との間の液密シールを提供し、それによって、血液が雄型ルアー76を超えて進むのを防止する。したがって、一旦患者110に挿入されると、ルアーアダプター70は、セプタム80のスリット88を介して選択的にアクセス可能な、液密の閉鎖システムを提供する。
【0046】
本発明は、広範に本明細書に記載された、および、以下に特許請求された、構造、方法、または他の本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施され得る。説明された実施形態および実施例の全ては、どの点でも、および、すべての点において、単なる例示であり、限定的ではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、したがって、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味内と均等の範囲内でのすべての変更は、その範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図5
図6