(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザ装置(UE)デバイスと外部PDNとの間のデータ接続性を提供する複数のパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(PDN−GW)のPDN−GWプール内の第1のPDN−GW内での方法であって、前記第1のPDN−GWが前記PDN−GWプールにおいて第2のPDN−GWに通信可能に結合され、前記方法が、前記第2のPDN−GWが非稼動状態になった後に前記第2のPDN−GWによって前にサービスされたUEセッションに関する接続性を前記第1のPDN−GWが提供できるようにすることにより、UEセッション・レジリエンスを提供するためのものであり、前記方法が、
前記第2のPDN−GWから前記UEセッションに関するセッション作成要求メッセージを受信することであって、前記第2のPDN−GWがサービング・ゲートウェイ(SGW)から前記UEセッションに関する別のセッション作成要求メッセージを受信し、前記第2のPDN−GWが前記UEセッションに関するアクティブPDN−GWとなるためのものである、受信することと、
前記SGWに前記第1のPDN−GWが前記UEセッションの待機PDN−GWとなることを示し、前記第1のPDN−GWのインターネット・プロトコル(IP)・アドレスをさらに示すセッション作成応答メッセージを送信することと、
前記第2のPDN−GWから前記UEセッションのセッション情報を受信することと、
前記第2のPDN−GWが非稼動状態に入ったまたは非稼動状態に入る寸前であることを検出することに反応して、前記UEセッションに関する前記アクティブPDN−GWになるために切り替えることとを含み、
前記UEセッションに関する前記アクティブPDN−GWになるための前記切り替えることが、
前記第1のPDN−GWと前記第2のPDN−GWとの間に一時的データ・トンネルを確立することと、
前記一時的データ・トンネルにより前記第2のPDN−GWから前記UEセッションのトラフィックを受信することと、
前記SGWから前記UEセッションの追加のトラフィックを受信することであって、前記追加のトラフィックも前記第2のPDN−GWにより受信されない、受信することと、
前記一時的データ・トンネルを除去することとを更に含む、方法。
前記第2のPDN−GWが前記非稼動状態に入ったまたは前記非稼動状態に入る寸前であることを検出することに反応する請求項1または2に記載の方法であって、前記方法が第2のUEセッションに対する前記アクティブPDN−GWになるための切り替えることを更に含み、前記第2のPDN−GWが前記第2のUEセッションに関する前記アクティブPDN−GWであった、かつ前記第2のPDN−GWも第3のPDN−GWが前記待機PDN−GWである複数のその他のUEセッションに関する前記アクティブPDN−GWであった、請求項1または2に記載の方法。
コンピューティングデバイスのプロセッサにより遂行された場合に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法を実行する前記第1のパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(PDN−GW)を前記コンピューティングデバイスに実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
ユーザ装置(UE)デバイスと外部PDNとの間のデータ接続性を提供する複数のパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(PDN−GW)のPDN−GWプール内の第1のPDN−GW内での方法であって、前記第1のPDN−GWが前記PDN−GWプールにおいて第2のPDN−GWに通信可能に結合され、前記方法が、前記第1のPDN−GWが非稼動状態になった後に前記第1のPDN−GWによって前にサービスされたUEセッションに関する接続性を第2のPDN−GWが提供できるようにすることにより、UEセッション・レジリエンスを提供するためのものであり、前記方法が、
サービング・ゲートウェイ(SGW)から前記UEセッションに関するセッション作成要求を受信することと、
前記SGWに前記第1のPDN−GWが前記UEセッションに関するアクティブPDN−GWとして作用することを示し、前記第1のPDN−GWのインターネット・プロトコル(IP)・アドレスをさらに示すセッション作成応答メッセージを送信することと、
前記第2のPDN−GWに、前記第2のPDN−GWが前記UEセッションに関する待機PDN−GWとして作用させ、前記SGWに第2のPDN−GWが前記UEセッションに関する前記待機PDN−GWとして作用することを示しかつ前記第2のPDN−GWのIPアドレスをさらに示す第2のセッション作成応答メッセージを送信するための第2のセッション作成要求メッセージを送信することと、
前記第2のPDN−GWに前記UEセッションのセッション情報を送信することと、
前記UEセッションに関する前記アクティブPDN−GWとなるように前記第2のPDN−GWを切り替えさせる非稼動状態に入ることとを含み、
前記非稼動状態に入ることが、
前記第1のPDN−GWと前記第2のPDN−GWとの間に一時的データ・トンネルを確立することと、
前記一時的データ・トンネルにより前記第2のPDN−GWへの前記UEセッションのトラフィックを送信することと、
前記一時的データ・トンネルを除去することとを含む、方法。
コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサにより遂行された場合に、請求項請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法を実行する前記第1のパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(PDN−GW)を前記コンピューティングデバイスに実行させる命令を有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、本発明をより完全に理解するために、資源分割/共用/重複の実現例、システム・コンポーネントのタイプ及び相互関係、統合の選択肢に関する多数の具体的な詳細が明記されている。しかし、このような具体的な詳細なしに本発明の諸実施形態を実践できることは言うまでもない。その他の事例では、この説明の理解を曖昧にしないために、周知の回路、構造、及び技法は詳細に示されていない。当業者であれば、含まれている説明により、過度の実験なしに適切な機能を実現できるであろう。
【0014】
本明細書において「ある実施形態」、「一実施形態」、「一実施形態例」などに言及する場合、記載されている実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含む可能性があるが、すべての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、又は特性を含むわけではないことを示す。その上、このような表現は必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が一実施形態に関して記載されている場合、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態に関して実施することは当業者の知識の範囲内であると思われる。
【0015】
以下の説明及び特許請求の範囲では、「結合された(coupled)」及び「接続された(connected)」という用語とともにその派生語を使用する可能性がある。これらの用語は互いに同義語として意図されているわけではないことを理解されたい。「結合された」という用語は、互いに物理的又は電気的に直接接触している場合もあればそうではない場合もある2つ又はそれ以上の要素が互いに協力又は相互作用することを示すために使用する。「接続された」という用語は、互いに結合されている2つ又はそれ以上の要素の間の通信の確立を示すために使用する。
【0016】
本発明の諸実施形態は、PDN−GWプール及びSGWプールにおける冗長性によりUEセッション・レジリエンスを提供する。それぞれのプールについて、本発明の諸実施形態は、地理的なN+Mの冗長性を提供し、PDN−GW及びSGWの使用中のメンテナンスを可能にする。1つのプール内のN+Mの冗長性は、進行中のUEセッションに関するサービスに影響を及ぼさずにM個までのプール要素の喪失を許容する(後述する方法を使用して中間セッション回復が行われる)。PDN接続が作成されると、それぞれのプール要素は、そのPDN接続に対応するUEセッション情報を記憶する。一実施形態では、UEセッション情報は、PDN接続にサービスしているSGW及びPDN−GWを識別する情報とともに、PDNからUEデバイスに割り当てられたIPアドレスで構成される。地理的なN+Mの冗長性により、所与のプール要素(PDN−GW又はSGW)によってサービスされたすべてのPDN接続(UEデバイスとPDNとの間の接続、UEセッションとも呼ばれる)は残りのプール要素に対して均等に分散された対応するUEセッション情報のバックアップ・レプリカを有することができる。使用中のメンテナンス(使用中のソフトウェア・アップグレードを含む)は、進行中のUEセッションに影響を及ぼさずにプール要素を使用中又は使用停止にすることによって行われる。地理的冗長性はこの目的に使用することができるが、一般にバックアップ・ノードへの暗黙のフェイルオーバが不必要な混乱を引き起こし、このため、より円滑なメカニズムをメンテナンスに使用する必要がある。
【0017】
図1Aに示されている実施形態により、一般的な戦略を更に理解することができる。
図1Aは、本発明の諸実施形態によりN+Mプール式レジリエンシー方式を実現するPDN−GWプール102を示すブロック図である。
【0018】
同図の上部には、複数のPDN190が3つのクラウドとして示されている。PDNはPDN−GWに結合され、
図1Aでは、APN101として割り当てられる第1のPDNはPDN−GWプール102に結合される。APNは典型的に、ネットワークIDと任意選択の運営者IDという2つの部分からなる。APNのネットワークIDは、UEデバイス106がPDN接続により結合しているPDNを識別し、典型的なAPNネットワークIDは、汎用パケット無線サービス、インターネット、及びマルチメディア・メッセージング・サービスなど、UEデバイス106によって要求されるIPサービスに符合する。
図1Aの例では、APN101は複数のIPアドレス10.0.0.1〜10.0.0.144を含むPDNに割り当てられ、APN101は16個のAPNスライス101a〜101pにスライスされる。それぞれのAPNスライス101a〜101pは、1つのネットワーク資源ID(NRI)に割り当てられ、PDN内の複数のIPアドレスのサブセットを包含する。複数のAPNスライスは同じNRIに割り当てることができ、これは完全に構成可能である。
図1Aでは、模範的なAPNスライス割り当ては以下の通りである。
1.APN101a及び101bはNRI1に割り当てられる。
2.APN101cはNRI2に割り当てられる。
3.APN101dはNRI3に割り当てられる。
4.APN101eはNRI4に割り当てられる。
5.APN101fはNRI5に割り当てられる。
6.APN101g〜101iはNRI6に割り当てられる。
7.APN101jはNRI7に割り当てられる。
8.APN101kはNRI8に割り当てられる。
9.APN101l〜101mはNRI9に割り当てられる。
10.APN101nはNRI10に割り当てられる。
11.APN101oはNRI11に割り当てられる。
12.APN101pはNRI12に割り当てられる。
【0019】
上述の通り、APN101はデータ接続110によりPDN−GWプール102に結合される。模範的なPDN−GWプール102は4つのPDN−GW102A〜102Dを含むが、他の実施形態ではそれより少ないか又は多いPDN−GWを使用することができる。従って、それぞれのPDN−GW102A〜102Dには、IPアドレス10.0.1.10、10.0.1.20、10.0.1.30、及び10.0.1.40が割り当てられる。一実施形態では、それぞれのPDN−GW102A〜102Dは任意選択でデータ接続120A〜120Fにより他のPDN−GW102A〜102Dのそれぞれに結合される。
【0020】
図1Aでは、それぞれのPDN−GWは複数のアクティブUEセッションにサービスしている。例えば、UEデバイス106がAPN101として識別されたPDNとのPDN接続を形成する場合、そのUEデバイスはNRIのうちの1つでIPアドレスに結合される。例えば、UEデバイスがNRI1でIPアドレスと結合される場合、そのUEデバイスは、NRI1に関するアクティブ・セッションにサービスしているPDN−GW102A上でアクティブUEセッションを有することになる。アクティブ及び待機のPDN−GW上のそれぞれのNRIについて、そのNRIにサービスしているアクティブ及び待機の両方のセッションが数多く存在する可能性があるので、UEセッションは
図1Aには示されていない。
【0021】
それぞれのPDN−GW102A〜102DはAPN101内の3つのNRIに関するアクティブUEセッションにサービスしている。PDN−GW102Aは、NRI1、NRI2、及びNRI8に結合されたアクティブUEセッションにサービスしている。PDN−GW102Bは、NRI3、NRI4、及びNRI10に結合されたUEセッションにサービスしている。PDN−GW102Cは、NRI5、NRI6、及びNRI11に結合されたUEセッションにサービスしている。PDN−GW102Dは、NRI7、NRI9、及びNRI12に結合されたUEセッションにサービスしている。それぞれのPDN−GWはNRIに割り当てられたそれより多いか又は少ないAPNスライスにサービスできることを理解されたい。更に、それぞれのPDN−GWは、同じNRIに割り当てられ、それぞれが異なるUEデバイスに対応する、複数のUEセッションにサービスすることができる。
【0022】
また、それぞれのPDN−GW102A〜102Dは、それぞれが他のPDN−GW102A〜102Dの1つによってサービスされたアクティブUEセッションに対応する、複数の待機UEセッションにもサービスしている。PDN−GW102Aは、NRI4、NRI5、及びNRI7に結合された待機UEセッションにサービスしている。PDN−GW102Bは、NRI1、NRI11、及びNRI12に結合された待機UEセッションにサービスしている。PDN−GW102Cは、NRI2、NRI3、及びNRI9に結合された待機UEセッションにサービスしている。PDN−GW102Dは、NRI6、NRI8、及びNRI10に結合された待機UEセッションにサービスしている。従って、
図1Aの実施形態では、それぞれのPDN−GW102A〜102Dは、3つの異なるNRIに結合された待機UEセッションにサービスしている。これらの待機UEセッションのそれぞれは、他のPDN−GWの1つによってサービスされているアクティブUEセッションに対応する。
【0023】
時間が経過するにつれて、それぞれのPDN−GW102A〜102Dは、そのPDN−GWがサービスしている待機UEセッションに符合するセッション情報を受信する。待機UEセッションが作成されると、これらのセッションは対応するアクティブUEセッションと同期して維持され、PDN−GWプール102がPDN−GWの故障を処理する準備が整うようになっている。一実施形態では、この情報はデータ接続120A〜120DによりPDN−GW102A〜102D間で通信される。これらのデータ接続120A〜120Dは、2つのPDN−GW102A〜102Dの間の専用リンクである場合もあれば、UEセッション情報の通信が既存の通信チャネルを妨害しないようにPDN−GW102A〜102Dを結合する2次ネットワーク・トポロジである場合もある。データ接続120A〜120Dは、リンクがセッション情報の同期に専用のものにすることができるか又はセッション情報も伝達する汎用データ接続にすることができることを示すために点線で示されている。
【0024】
PDN−GWプール102はデータ接続111によりSGWプール103に更に結合される。模範的なSGWプール103は3つのSGW103A〜103Cからなるが、他の実施形態ではそれより少ないか又は多いSGWを使用することができる。それぞれのSGW103A〜103CはUEデバイス106のうちの1つ又は複数をPDN−GWプール102と結合し、従って、それぞれのSGW103A〜103Cは複数のUEセッションにサービスする。SGW103Aは、NRI1、NRI2、NRI4、及びNRI11に結合されたUEデバイスに関するUEセッションを有する。SGW103Bは、NRI3、NRI5、NRI6、NRI7、及びNRI12に結合されたUEデバイスに関するUEセッションを有する。SGW103Cは、NRI5、NRI8、NRI9、NRI10、及びNRI12に結合されたUEデバイスに関するUEセッションを有する。それぞれのSGW103A〜103Cは、少なくともそれぞれのNRIに関するアクティブPDN−GWを示すNRIマップ項目を含むNRIマップを有する。他の実施形態では、NRIマップ項目は、
図1AのSGW103A〜103C内に点線の楕円形で示されているようにそれぞれのNRIに関する待機PDN−GWを更に識別する。一実施形態では、それぞれのSGW103A〜103Cはデータ接続124A〜124Cにより他のSGW103A〜103Cのそれぞれと結合される。SGW103A〜103Cはデータ接続125A〜125Cにより1つ又は複数の基地局105に結合され、その基地局105はSGW103A〜103CをUEデバイス106と更に結合する。UEデバイス106のそれぞれは、APN101のスライスの1つに常駐するIPアドレスに関連付けられる。
【0025】
一実施形態では、
図1Aは、データ接続122によりPDN−GWプール102に結合され、データ接続123によりSGWプール103に結合されたMME115を更に含む。このMMEには、アイドルUEデバイスを追跡し、UEデバイス到達可能性手順(reachability procedure)を実行する責任がある。3GPP TS23.401により、MMEはそれぞれのPDN接続についてSGW103A〜103Cのうちの1つとPDN−GW102A〜102Dのうちの1つを割り当てる。本発明の諸実施形態では、PDN−GW102A〜102DはNRIに対応し、従って、MMEは責任のあるPDN−GWを規定する、PDN接続に関するNRIを割り当てる。任意選択で、MMEは、NRI1〜12に関するアクティブ又は待機PDN−GWとしてPDN−GW102A〜102Dを割り当てるセッション・レジリエンス・モジュール116を含む。セッション・レジリエンス・モジュール116は更に、どのPDN−GWがアクティブPDN−GWとして機能しており、どのPDN−GWが所与のNRIに関する待機PDN−GWとして機能しているかをそれぞれのSGWに通知するために、NRIマップ項目情報をSGW103A〜103Cに送信する。更に、セッション・レジリエンス・モジュール116は、PDN−GWが非稼動状態に入っていることに応答して、所与のNRIについてアクティブPDN−GWから待機PDN−GWに切り替えるために、SGW103A〜103Cに指示を送信する。追加の一実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール116は、そのUEセッションについて、更新されたUEセッション情報をPDN−GW102A〜102Dのうちの1つから待機PDN−GWに送信する責任がある。任意選択で、MME115は、状況照会メッセージをPDN−GW102A〜102Dに送信し、あるPDN−GWが状況照会メッセージに応答し損なった場合にセッション・レジリエンス・モジュール116に通知する、ハートビート・モジュール117も含む。いくつかの実施形態はMME115を含むが、本発明の代替の諸実施形態では、MME動作は他のエンティティによって実行される(例えば、PDN−GWのうちの1つ、SGWのうちの1つ、1つのPDN−GWと1つのSGWの間で分散される、PDN−GWのうちの複数にわたって分散される、SGWのうちの複数にわたって分散される、SGWのうちの複数にわたって分散される)。
【0026】
図1Aでは、それぞれのPDN−GW及びそれぞれのSGWは、対応する要素の上に角括弧に入れて示されている1つのIPアドレスに関連付けられる。例えば、PDN−GW102AはそのIPアドレスとして10.0.1.10に関連付けられる。しかし、本発明の他の実施形態では、それぞれのNRIはPDN−GWプール内の1つのIPアドレスを有する。この実施形態では、それぞれのNRIに関するUEセッションにサービスしているPDN−GWは、そのNRIのIPアドレスについて指定されたデータ・トラフィックを受信する。いずれの場合でも、PDN−GWプールは、それぞれの対応するNRI内のIPアドレスに関する次のホップとしてアクティブPDN−GW IPアドレスを示す経路指定情報プロトコル(RIP)情報をエクスポートする。それぞれのPDN−GWに単一のIPアドレスを使用する一実施形態では、RIP情報は、それぞれの対応するNRI内のIPアドレスに関する次のホップとして待機PDN−GW IPアドレスを更に示す。アクティブと待機の両方のPDN−GWを含む実施形態では、アクティブPDN−GWに関連するメトリック(又は、通信コスト、ホップ数、ネットワーク遅延、経路コストなど、そのメトリックに関連する統計データ)は、トラフィックがアクティブPDN−GWに経路指定されることを保証するために待機PDN−GWに関連するメトリックよりかなり小さい。
【0027】
図1Aでは、SGW103A〜103D内のNRIマップは、対応する英字A〜DによってそれぞれのPDN−GW102A〜102Dを識別する。一実施形態では、NRIマップは、そのPDN−GWのIPアドレス、例えば、PDN−GW102Bに関する10.0.1.20によってそれぞれのPDN−GW102A〜102Dを識別する。それぞれのNRIがPDN−GWプール内の1つのIPアドレスを有する諸実施形態では、NRIマップでNRI IPアドレスを使用して、どのIPアドレス・トラフィックが所与のNRIに向けられるかを示す。更に、図面では英字によって識別されたようにそれぞれのPDN−GW及びSGWを示しているが、その他の諸実施形態では任意の数の異なるIDタイプを使用する(例えば、識別のためにそれぞれのプール要素に対して負ではないプール要素IDを割り当てる)ことができる。それぞれのプール要素に複数のIPアドレスを使用する諸実施形態では、PDN−GWプール及びSGWプールは、どのIPアドレスがそれぞれのプール要素及びNRIに対応するかを示すプール要素IDマップを維持する。
【0028】
PDNとUEデバイスとの間の接続であるPDN接続が最初に作成される場合、いくつかの選択を実行しなければならない。MMEは、最初にPDN接続にサービスするためのSGWを選択し、GTP−Cセッション作成要求をそのSGWに送信し、SGWのうちの1つがすでに同じUEデバイスのための1つ又は複数のPDN接続を供給している場合、これらのPDN接続と同じSGWが使用される。そうではない場合、使用可能なSGWの全域ですべてのPDN接続のバランスを取るために任意のSGWを優先して使用することができる。
【0029】
更に、あるPDN−GWがPDN接続要求(GTP−Cセッション作成要求とも呼ばれる)を受信すると、そのPDN−GWが選択されたAPNのAPNスライスに関連する1つ又は複数のNRIにサービスしている場合、PDN−GWは関連のNRIのうちの1つを選択し、PDN接続のためにそのNRI内のIPアドレスを割り振る。そのPDN−GWが選択されたAPNのスライスに関連するNRIにサービスしていない場合、PDN−GWには2つのオプションがある。1つ目は、PDN−GWは、事前構成されたAPNスライス・マップを使用して、使用すべきNRIを決定し、PDN接続のために関連のIPアドレスを割り振ることができる。2つ目は、PDN−GWは、PDN−GWのうちのもう1つのPDN−GWがAPN内のNRIにサービスしているかどうかを判断し、そのPDN−GWにPDN接続要求を転送することができる。
【0030】
一実施形態では、SGW選択及びPDN−GW選択が行われると、典型的なPDN接続は以下のステップを実行する。第1に、GTP−Cセッション作成要求がMMEから選択されたSGWに送信される。GTP−Cセッション作成要求は選択されたSGWから選択されたPDN−GWに送信される。PDN−GWは、そのUEセッションに関するアクティブPDN−GWになり、それがアクティブPDN−GWとして動作することになることを示し、そのPDN−GWのIPアドレスを含むGTP−Cセッション作成応答で選択されたSGWに応答する。また、選択されたPDN−GWは、対応するNRIに関する待機PDN−GWにGTP−Cセッション作成要求を転送し、待機PDN−GWは、それが待機PDN−GWとして動作することになることを示し、そのPDN−GWのIPアドレスを含むGTPセッション応答を選択されたSGWに転送する。選択されたSGWは、アクティブPDN−GWのIPアドレスと待機PDN−GWのIPアドレスをNRIマップ項目に記録する。次に、選択されたSGWはGTP−Cセッション作成応答をMMEに送信する。
【0031】
これらの方法及び実施形態は、PDN−GW上でアクティブ及び待機UEセッションを維持することと、SGW上で関連のNRIマップを維持することに関連して記載されている。しかし、当業者であれば、代替の諸実施形態によってSGW上でのアクティブ及び待機UEセッション並びにPDN−GW上での関連のNRIマップの維持が可能になることを認識するであろう。このような場合、PDN−GWプール102で達成されるものと同じセッション・レジリエンスが同様の方法及び実施形態によってSGWプール103で達成されるであろう。例えば、
図1Bは、本発明の諸実施形態によりN+Mプール式レジリエンシー方式を実現するSGWプール103を示すブロック図である。PDN−GWではなく、それぞれのSGWが複数のアクティブUEセッション及び複数の待機セッションにサービスしていることを除いて、この図は本質的に
図1Aと同一である。
図1Aと同様に、それぞれのNRIは2つのSGWによってサービスされる。1つのSGWはNRIに関するアクティブSGWとして動作し、もう1つのSGWはそのNRIに関する待機SGWとして動作する。更に、
図1AのSGW103A〜103Cに関連して同様に記載されているように、それぞれのPDN−GW102A〜102Dは、少なくともそれぞれのNRIに関するアクティブSGWを示すNRIマップ項目を含むNRIマップを有する。他の実施形態では、NRIマップ項目は、
図1BのPDN−GW102A〜102D内に点線の楕円形で示されているようにそれぞれのNRIに関する待機SGWを更に識別する。従って、PDN−GWプール102と同様にSGWプール103でセッション・レジリエンスを提供することができる。
【0032】
図2は、本発明の諸実施形態によりNRIに関するアクティブPDN−GWとして第1のPDN−GWから第2のPDN−GWに切り替えるための方法を示すフローチャートである。この図は特定の実現例次第で任意選択の諸ステップを含み、このようなステップは点線の枠で示されている。PDN−GW102Aなどの第1のPDN−GWは、PDN−GW102Cなどの第2のPDN−GWが非稼動状態に入っていることを認識する(ブロック200)。この場合、第2のPDN−GW102Cは1つ又は複数のアクティブUEセッションにサービスしており、第1のPDN−GW102AはアクティブUEセッションのうちの少なくとも1つに関する待機PDN−GWとして動作している。第1のPDN−GW102Aはいくつかの方法で非稼動状態に入ったことを認識することができる。一実施形態では、第1のPDN−GW102Aは、第2のPDN−GW102Cが非稼動状態に入っていることをそれに通知するメッセージを受信する。他の実施形態では、第1のPDN−GW102Aは、第2のPDN−GW102が依然としてアクティブ状態であることを定期的に検証するハートビート・メカニズム又はその他のこのようなメカニズムを含み、従って、第2のPDN−GW102Cが非稼動状態に入る時期を認識することができる。非稼動状態は、PDN−GWが何らかの故障を経験したために発生する場合もあれば、PDN−GWがメンテナンスのために意図的に取り外されているために発生する場合もある。
【0033】
PDN−GWがメンテナンスのために意図的に取り外されている場合、グレースフル・スイッチオーバ(graceful switchover)によりアクティブPDN−GWから待機PDN−GWへのUEセッションのハンドオフを制御可能に開始することが望ましい。このシナリオでは、第1のPDN−GW102A及び第2のPDN−GW102Cから一時的データ・トンネルを確立することができる(ブロック210)。このようなシナリオでは、第2のPDN−GW102C(このPDN−GWはアクティブ状態から非稼動状態になる)は、第1のPDN−GW102Aに移動するアクティブUEセッションに関連するすべてのトラフィックを一時的データ・トンネルにより第1のPDN−GW102Aに転送することができる。このようにして、PDN−GW及びSGWが第2のPDN−GW102Cから第1のPDN−GW102Aに切り替わる間、UEデバイス(複数も可)はサービス中断を経験しない。更に、第1のPDN−GW102Aが最新のセッション情報を有することを保証するために、第1のPDN−GW102Aは、第2のPDN−GW102Cから第1のPDN−GW102Aに移動するすべてのUEセッションに関するUEセッション情報を第2のPDN−GW102Cから受信することになる(ブロック220)。この情報は、対応する待機UEセッションに関するセッション情報を更新するために使用される。
【0034】
PDN−GWの故障又は意図的な取り外しの場合、この方法は、第1のPDN−GW102Aが複数の待機UEセッションを活動化することに続く。活動化された待機UEセッションのそれぞれは、第2のPDN−GW102Cによってサービスされ、前にアクティブであったUEセッションに符合する(ブロック230)。第1のPDN−GW102Aが複数の待機UEセッションを活動化したことを示すメッセージがSGWに送信される(ブロック240)。一実施形態では、SGWは新しいNRIマップを示すメッセージを受信し、従って、どのUEセッションを第2のPDN−GW102Cから第1のPDN−GW102Aにリダイレクトしなければならないかを判断する。他の実施形態では、SGWは第2のPDN−GW102Cが非稼動状態に入ったことを示すメッセージを受信し、SGWは、第2のPDN−GW102Cによって前にサービスされたすべてのUEセッションに関する待機PDN−GW(複数も可)に切り替えることにより反応することが期待される。他の実施形態では、SGWは、アクティブPDN−GW102Cから待機PDN−GW(複数も可)(例えば、102A)に切り替わらなければならない複数のNRIを示すメッセージを受信し、SGWは、これらのNRIに対応するUEセッションを、これらのUEセッションについて前にアクティブであったPDN−GW102Cから新たにアクティブになったPDN−GW(複数も可)(例えば、102A)に切り替えることが期待される。更に他の実施形態では、SGWは、SGWがGTP経路を故障したPDN−GWまで撤退しなければならないことを示すメッセージを、待機UEセッションを活動化したPDN−GWから受信する。グレースフル・スイッチオーバのシナリオでは、第2のPDN−GW102Cは、SGWが所与の期間後にスイッチオーバするか又はSGWがスイッチオーバを完了したという何らかの表示を受信することを期待し、その期間又は表示に応答して、一時的データ・トンネルは閉鎖される(ブロック250)。
【0035】
この方法は、システム内のUEデバイスの数にかかわらずスケーリングが良好であるので、特に有利である。第2のPDN−GWが非稼動状態に入ると、待機PDN−GW(複数も可)への切り替えをSGWに通知するためにそれぞれのUEデバイスに関する個別のメッセージをそれぞれのSGWに送信する必要はない。むしろ、SGWプール内で影響を受けるそれぞれのSGWは、それぞれのUEデバイスがPDN接続に関する変更を経験せずに、待機PDN−GW(複数も可)への切り替えをシームレスに処理する。従って、本発明の諸実施形態は、既存のUEセッションに影響せずに1つ又は複数のPDN−GWまたはSGWが失われる可能性がある場合、セッション・レジリエンシー及び地理的冗長性を提供することにより、EPCのミッション・クリティカルな面に対処する。更に、本発明の諸実施形態はN+Mの冗長性を可能にするので、実現例次第でPDN−GWプール102及びSGWプール103の全域に冗長性が拡散されるにつれて、使用可能な処理転送容量の浪費が少なくなる。
【0036】
図3は、本発明の諸実施形態によりPDN−GWの故障に応答するPDN−GWプール102を示すブロック図である。PDN−GW102Cが故障したこと(PDN−GW102Cを貫通する太い×によって同図に示されている)に応答して発生する複数のポイント/動作並びに変更表示を含むことを除いて、この図は
図1Aと同一である。ポイント1は、PDN−GW102Cが非稼動状態に入ったことを示している。同図に示されている例はハードウェア・クラッシュであるが、どのような予期せぬ故障でもPDN−GW102Cが故障モードに入る可能性がある。この実施形態では、PDN−GW102Cは、NRI5、6、及び11に結合されたUEセッションにサービスしている。ポイント2a及び2bでは、PDN−GW102Cの故障がMME15内のハートビート・モジュール117によって検出される(2aによって示される通り)か又はPDN−GWプールで検出される(2bによって示される通り)。ポイント3は、それぞれのPDN−GW102A、102B、及び102Dが対応するUEセッションを待機状態からアクティブ状態に移動させることを示しており、これは、NRIの周りの枠と、NRIが待機からアクティブに移動されたことを示す矢印と、PDN−GWの待機セクション内のNRIを貫通する×で示されている。示されている例では、PDN−GW102AはPDN−GW102CのためのNRI5に関する待機UEセッション(複数も可)にサービスしていて、これらのセッションをアクティブ状態に移動させ、PDN−GW102BはPDN−GW102CのためのNRI11に関する待機UEセッション(複数も可)にサービスしていて、これらのセッションをアクティブ状態に移動させ、PDN−GW102DはPDN−GW102CのためのNRI6に関する待機UEセッション(複数も可)にサービスしていて、これらのセッションをアクティブ状態に移動させる。ポイント4では、残りのPDN−GW102A、102B、及び102Dは、PDN−GW102Cが前に待機UEセッションにサービスしていたNRIについて新しい待機UEセッション(複数も可)(同図には下線で示されている)を作成することにより、PDN−GW102Cの待機UEセッション(複数も可)の責任を引き継ぐ。示されている例では、PDN−GW102AはNRI3及び11に関する新しい待機UEセッションを作成し、PDN−GW102BはNRI6及び9に関する新しい待機UEセッションを作成し、PDN−GW102DはNRI2及び5に関する新しい待機UEセッションを作成する。ポイント5は、PDN−GW102Cの故障のためにNRIマップに対して必要な変更について、SGWプール103が新しいNRIマップ又は表示のいずれかを受信することを示している。アクティブPDN−GWとして前にPDN−GW102Cを示していたすべてのNRIマップ項目は、対応するNRIのために新たに活動化されたUEセッションにサービスしているPDN−GWを示すように更新しなければならない。示されている例では、アクティブPDN−GWは、NRI5、6、及び11に符合するすべての項目について更新しなければならない。一実施形態では、NRIマップはNRIマップ項目内の待機PDN−GWも含み、待機PDN−GWとしてPDN−GW102Cを示す項目は、これらの待機UEセッションに関する責任を引き継いだPDN−GW(即ち、対応するNRIのために新しい待機UEセッションを作成したPDN−GW)を示すように更新しなければならない。
図3では、更新されたNRIマップ項目は、新しいPDN−GWがそのNRIマップによって示されることを示すために、太字及び下線で示されている。
【0037】
それぞれのNRIがPDN−GWプール内の1つのIPアドレスを有するという諸実施形態では、ポイント5は異なるやり方で動作する。具体的には、NRIに関連するIPアドレスは変化しないので、NRIマップ項目を更新することは不要である。むしろ、それぞれのPDN−GWは1つのNRIに符合する待機UEセッションを活動化するので、そのPDN−GWはそのNRIのIPアドレス向けのSGW及びPDNからのトラフィックを受信し始める。これらの実施形態では、必要なことはSGWがNRI及びそのNRIのIPアドレスとの関連付けを維持することがすべてであるので、SGWがアクティブ/待機NRIマップを維持することは不要である。一実施形態では、それぞれのUEセッションは、そのUEセッションにサービスしているPDN−GWのIPアドレスを含む。この実施形態では、UEセッション内のIPアドレスはNRIのIPアドレスであり、NRIにサービスしているPDN−GWの故障時にはそのIPアドレスが他のPDN−GWによってサービスされるので、NRIマップは一切不要である。この実施形態では、PDN接続は、PDN−GW固有のIPアドレスではなく、NRIのIPアドレスに関連付けられる。
【0038】
NRIあたり1つのIPアドレスではなく、PDN−GWあたり単一のIPアドレスを使用する諸実施形態では、この方法は、それぞれのAPNスライスへの経路を更新することによって継続する。ポイント6では、新しいAPNスライス経路(例えば、RIP情報)はPDN−GWプールから適用可能なPDNにエクスポートされ、故障したPDN−GWによって前にサービスされていたNRIのそれぞれに関する次のホップとしてPDN−GW IPアドレスを示す。待機PDN−GWを含む諸実施形態では、待機PDN−GWに関するRIP情報は前にエクスポートされており、必要なことは、新たにアクティブになったPDN−GWが経路指定アルゴリズムにより優先されるように、待機PDN−GW経路のメトリックを低下させ、前にアクティブであったPDN−GWのメトリックを上昇させることがすべてである。新しい待機UEセッションを作成すると、それぞれのNRI及びそのNRIに関する待機PDN−GWとして引き継いでいるPDN−GWについて新しいRIP情報が生成される。このRIP情報は、新たにアクティブになったRIP情報より高いメトリックと、前にアクティブであったRIP情報より低いメトリックでエクスポートされる。
【0039】
図4は、本発明の諸実施形態によりサービスのためにPDN−GWが機能停止したことに応答するPDN−GWプール102を示すブロック図である。サービスのためにPDN−GW102Cが機能停止したこと(PDN−GW102Cを貫通する点線の×によって同図に示されている)に応答して発生する複数のポイント/動作並びに変更表示を含むことを除いて、この図は
図1Aと同一である。この図では、PDN−GW102Cはポイント1で(例えば、サービス更新のために)機能停止している。ポイント2は、それぞれがPDN−GW102Cに対応する待機UEセッションにサービスしているので、PDN−GW102Cと他のPDN−GW102A、102B、及び102Dのそれぞれとの間で一時的データ・トンネルが確立されることを示している。この一時的データ・トンネルは、データ接続120D(102Aと102Cとの間)、120B(102Bと102Cとの間)、及び120C(102Cと102Dとの間)により示されている。これらのデータ接続は、このようなデータ接続が一時的データ・トンネルとして動作していることを示すために太い実線で示されている。この時間中にPDN−GW102C向けのAPN101から到着するデータが、そのデータの送信側であるNRIに関するアクティブ・サービスを引き継いでいるPDN−GWに転送されることを除いて、ポイント3、4、5、及び6は
図3に関連して記載されたものと同じである。このようにして、NRIからのデータは、ポイント6でRIPが更新される前に、適切なPDN−GWに到着する。SGWプール103からの情報は、対応するNRIのために新たにアクティブになったPDN−GWに転送せずにそのNRIに送信される場合もあれば、ポイント5でNRIマップが更新されるまで、そのNRIのために新たにアクティブになったPDN−GWに転送される場合もある。このようにして、PDN−GW102Cの停止は、UEデバイス106にとって透明に、しかもサービス中断を被らずに行われる。ポイント7は、すべての対応するUEセッションが活動化され、新しい待機UEセッションが作成され、RIP情報がAPNにエクスポートされた後に、一時的データ・トンネルが除去され、PDN−GW102Cが停止されることを示している。
【0040】
図5は、本発明の諸実施形態により
図3及び
図4に示されている動作が実行された後の結果としてのPDN−GWプール102を示すブロック図である。PDN−GW102Cが非アクティブ(非稼動状態)であることを除いて、
図5は
図1Aと同一である。
図5では、稼動中のPDN−GW102A、102B、及び102Dのそれぞれは、活動化されたUEセッション及び新たに作成された待機UEセッションに対応する追加のアクティブ及び待機UEセッション(
図3及び
図4に記載されている通り)を有する。
【0041】
図6は、本発明の諸実施形態により非アクティブPDN−GWを呼び出す(例えば、新しいPDN−GWを追加するか、非稼動状態に入ったPDN−GWを交換するか、又は非稼動状態に入ったPDN−GWを復旧する)ことに応答するPDN−GWプール102を示すブロック図である。PDN−GW102Cが非稼動状態から稼動状態に移行し、PDN−GW102Cの稼動状態に応答して発生する複数のポイント/動作並びに変更表示を含むことを除いて、
図6は
図5と同一である。ポイント1で、PDN−GW102Cは、稼動状態になり、PDN−GW102への参加に使用可能になる。応答として、どのNRIについてPDN−GW102CがアクティブPDN−GWとして責任を取るかが判断され(従って、UEセッションがこれらのNRIに関連付けられる)、それとともに、待機UEセッションをサポートする諸実施形態では、どのNRIについてPDN−GW102Cが待機PDN−GWとして責任を取るかが判断される(従って、UEセッションがこれらのNRIに関連付けられる)。異なる実施形態では、これらの判断を行うエンティティが異なる可能性がある(例えば、PDN−GWプール102である場合もあれば、MME115のセッション・レジリエンス・モジュール116である場合もある)。
図6では、PDN−GW102CはNRI1、3、及び9に関するアクティブPDN−GWになり、NRI4、6、及び10に関する待機PDN−GWになると判断される。ポイント2では、PDN−GW102Cがアクティブ又は待機PDN−GWとして何らかの責任を負っているNRIに関するアクティブ及び/又は待機PDN−GWであるそれぞれのPDN−GW102A、102B、及び102Dの間で一時的データ・トンネルが確立される。これらの一時的データ・トンネルは、前に
図4に記載されているように確立される。ポイント3では、決定されたアクティブ及び待機セッションがPDN−GW102A、102B、及び102DからPDN−GW102Cに移動される。ポイント4では、PDN−GW102Cが対応するNRIに関するアクティブ又は待機責任を負っていることを示すために、
図3に関連して記載されているようにNRIマップ項目が更新される。ポイント5では、
図3のポイント6に関連して記載されているようにAPNスライス経路が更新される。ポイント6では、PDN−GWプール102への稼動状態の参加者としてPDN−GW102Cを呼び出して、一時的データ・トンネルが除去され、PDN−GWプール102が終了する。PDN−GW102Cが呼び出されている間、第1のアクティブPDN−GWからPDN−GW102に移動しているUEセッションに符合するデータは、
図4に関連して記載されているものと同じ方法で一時的データ・トンネルによりPDN−GW102Cに転送される。
【0042】
図7は、本発明の諸実施形態によりN+Mプール式セッション・レジリエンスを提供するためにPDN、SGWプール、及び複数のPDN−GW(分解組立図には1つが示されている)を含むシステムを示すブロック図である。
図1AからのPDN−GW102Aなどの第1のPDN−GWは1つ又は複数のPDN190に結合され、それぞれのPDNには1つのAPNと複数のIPアドレスが割り当てられる。それぞれのAPNは、APNスライス101A〜101Pなどの複数のAPNスライスにスライスされ、そのAPNスライスには、そのPDNに関する複数のIPアドレスのサブセットが割り当てられる。第1のPDN−GW102Aは、PDN−GW102B〜102Dなどの1つ又は複数の他のPDN−GWに更に結合され、SGWプール103に結合される。第1のPDN−GW102Aは、複数のポート715A〜715Zと、複数のポート715A〜715Zに結合される1つのセッション・レジリエンス・モジュール716と、1つのプロセッサ720と、1つのメモリ730とを含む。プロセッサ720(シングル又はマルチコア、マルチコアの場合は対称又は非対称コア)は、CISC、RISC、VLIW、又はハイブリッド・アーキテクチャなど、任意のタイプのアーキテクチャのものにすることができる。また、プロセッサ720は、メモリ管理ユニット及びメイン・メモリ・バス・インターフェース(複数も可)など、様々な他のコンポーネントも含むことができる。更に、プロセッサ720は、同じチップ内の1つ又は複数のダイ上に実現することができる。この実施形態はシングルプロセッサPDN−GWに関して記載されているが、他の実施形態はマルチプロセッサPDN−GWである。メモリ730及びデータ・トラフィックは1つ又は複数の機械可読媒体を表している。従って、機械可読媒体は機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形式の情報を提供(即ち、記憶及び/又は送信)する任意のメカニズムを含む。例えば、機械可読媒体は、機械可読記憶媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスク、ランダム・アクセス・メモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュ・メモリ・デバイス)、機械可読通信媒体(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など、電気、光、音響、又はその他の形の伝搬信号)などにすることができる。
【0043】
一実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール716はプロセッサ720内のサブモジュールであり、他の諸実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール716はプロセッサ720に結合された個別のモジュールである。セッション・レジリエンス・モジュール716は、PDN接続の開始時に第1のPDN−GW102AがアクティブPDN−GWとしてサービスしているUEセッションに対応する情報を受信するように構成される。セッション・レジリエンス・モジュール716は、アクティブUEセッション情報を記憶し、そのUEセッション情報によって表されるUEセッションに関する待機PDN−GWとして動作している1つ又は複数の他のPDN−GW102B〜102Dのうちの1つにアクティブUEセッション情報を定期的に送信するように構成される。一実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール716は、第1のPDN−GW102A上でアクティブUEセッションを記憶し維持するアクティブUEセッション・モジュール716Aを含む。他の実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール716はメモリ730に結合され、アクティブUEセッション情報はメモリ730に記憶される。
【0044】
セッション・レジリエンス・モジュール716は、第1のPDN−GW102Aが待機PDN−GWとして機能しているUEセッションに対応する情報を受信するように更に構成される。第1のPDN−GW102Aは、そのUEセッションに関するアクティブPDN−GWである他のPDN−GW102B〜102Dのうちの1つからUEセッション情報を受信する。他のPDN−GWのうちの対応する1つが非稼動状態に入った場合に第1のPDN−GW102Aが待機UEセッションを活動化できるように、この情報は待機UEセッションとして第1のPDN−GW上で同期して保持される。一実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール716は、第1のPDN−GW102A上で待機UEセッションを記憶し維持する待機UEセッション・モジュール716Bを含む。他の実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール716はメモリ730に結合され、待機UEセッション情報はメモリ730に記憶される。
【0045】
セッション・レジリエンス・モジュール716は、第2のPDN−GWが非稼動状態に入る時期を認識し、これに応答して、それぞれが第2のPDN−GW上のUEセッションに関連する複数の待機UEセッションのうちの1つ又は複数を活動化するように更に構成される。更に、セッション・レジリエンス・モジュール716は、第1のPDN−GW102Aが複数の待機UEセッションのうちの1つ又は複数を活動化したことをSGWプール103に通知するように構成される。セッション・レジリエンス・モジュール716は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方の組み合わせで実現することができる。
【0046】
他のPDN−GWが非稼動状態に入っていることをMMEがPDN−GWに通知していない場合などの一実施形態では、第1のPDN−GW102Aは、複数のポート715A〜715Zに結合されるハートビート・モジュール717を更に含む。ハートビート・モジュール717は、1つ又は複数の他のPDN−GW102B〜102Dに状況照会メッセージを送信し、1つ又は複数の他のPDN−GW102B〜102Dのうちの1つが状況照会メッセージに応答しない時にセッション・レジリエンス・モジュール716に通知するように構成される。応答し損なったことに応答して、セッション・レジリエンス・モジュール716は、故障したPDN−GW上でアクティブUEセッションに関連する任意の待機UEセッションを活動化することができる。他のPDN−GWが非稼動状態に入っていることをMMEがPDN−GWに通知している一実施形態では、MMEはハートビート機能を実行し、PDN−GWは複数のポート715A〜715Zのうちの1つによりMMEに結合されるであろう。当然のことながら、PDN−GW102Aは、本発明を曖昧にするのを回避するために示されていない様々な他のコンポーネントを含む。
【0047】
図8は、本発明の諸実施形態によりN+Mプール式セッション・レジリエンスを提供するためにPDN−GW、UEデバイス、及び1つ又は複数のSGWのセット(分解組立図には1つが示されている)を含むシステムを示すブロック図である。SGW103Aなどの第1のSGWは1つ又は複数の基地局105に結合され、その基地局は更に第1のSGW103Aを1つ又は複数のUEデバイス106と結合する。第1のSGWはPDN−GWプール102に更に結合され、任意選択で1つ又は複数の他のSGW103B〜103Cに結合される。第1のSGW103Aは、複数のポート815A〜815Zと、複数のポート815A〜815Zに結合される1つのセッション・レジリエンス・モジュール818と、1つのプロセッサ820と、1つのメモリ830とを含む。プロセッサ820(シングル又はマルチコア、マルチコアの場合は対称又は非対称コア)は、CISC、RISC、VLIW、又はハイブリッド・アーキテクチャなど、任意のタイプのアーキテクチャのものである。また、プロセッサ820は、メモリ管理ユニット及びメイン・メモリ・バス・インターフェース(複数も可)など、様々な他のコンポーネントも含むことができる。更に、プロセッサ820は、同じチップ内の1つ又は複数のダイ上に実現することができる。この実施形態はシングルプロセッサSGWに関して記載されているが、他の実施形態はマルチプロセッサSGWである。メモリ830は更に機械可読記憶媒体を表している。
【0048】
一実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール818はプロセッサ820内のサブモジュールであり、他の実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール818はプロセッサ820に結合された個別のモジュールである。セッション・レジリエンス・モジュール818は、複数のUEセッションを維持し、1つのNRIマップを維持するように構成される。
図1〜
図6に関連して記載されているように、NRIマップは複数のNRIマップ項目を含む。それぞれのNRIマップ項目は、SGWによってサービスされた1つ又は複数のUEセッションに関係し、その1つ又は複数のUEセッションに関連するNRIについてPDN−GWプール102内のアクティブPDN−GWを指定する情報を含む。一実施形態では、NRIマップ項目は、PDN−GWプール102内の待機PDN−GWを対応するNRIに関連付ける情報を更に含む。しかし、それぞれのNRIに個別のIPアドレスが割り当てられる諸実施形態では、待機PDN−GWが1つのNRIに関するアクティブPDN−GWになる場合に同じアドレスが使用されるので、NRIマップ項目が待機PDN−GW情報を含むことは不要である。一実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュール818はNRIマップ項目をメモリ830に記憶し、他の諸実施形態は、NRIアップ項目が記憶されるセッション・レジリエンス・モジュール内のメモリを含む。セッション・レジリエンス・モジュール818は、それぞれのUEセッションに関するトラフィックを、そのUEセッションの対応するNRIについてNRIマップに指定されたアクティブPDN−GWに経路指定するように構成される。セッション・レジリエンス・モジュールは、PDN−GWプール102内の複数のPDN−GWのうちの1つが非稼動状態に入ったという通知を受信し、それに応答して、前に非稼動状態のPDN−GWに向けられていたトラフィックをPDN−GWプール102内の他のPDN−GWに経路指定し始めるように更に構成される。NRIマップがそれぞれのNRIについて待機PDN−GWを指定する情報を含む諸実施形態では、セッション・レジリエンス・モジュールは、前にアクティブPDN−GWとして非稼動状態のPDN−GWを指定していたNRIマップ項目に関するアクティブPDN−GWとして待機PDN−GWを指定するようにNRIマップ項目を更新する。このようにして、非稼動状態のPDN−GWの通知を受信すると、セッション・レジリエンス・モジュールは、非稼動状態のPDN−GWに関連するUEセッションのために待機PDN−GWに切り替わることができる。更に、セッション・レジリエンス・モジュールは、1つ又は複数のNRIに関するアクティブ及び/又は待機PDN−GWを示すNRIマップ更新メッセージを受信するように構成される。NRIマップ更新メッセージを受信したことに応答して、セッション・レジリエンス・モジュール818は対応するNRIマップ項目を更新する。セッション・レジリエンス・モジュール818は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方の組み合わせで実現することができる。
【0049】
SGWプール103内のそれぞれのSGWがアクティブ及び待機UEセッションにサービスしている一実施形態(
図1Bに示されているものなど)では、第1のSGW103Aは、複数のポート815A〜815Zに結合されるハートビート・モジュール819を更に含む。ハートビート・モジュール819は、SGWプール103内の1つ又は複数のSGW103A〜103Cに状況照会メッセージを送信し、その1つ又は複数のSGW103A〜103Cのうちの1つが状況照会メッセージに応答しない時にセッション・レジリエンス・モジュール818に通知するように構成される。応答し損なったことに応答して、セッション・レジリエンス・モジュール818は、故障したSGWに関連するNRIについて1つ又は複数の待機UEセッションを活動化することができる。他のSGWが非稼動状態に入っていることをMMEがSGWに通知している一実施形態では、MMEはハートビート機能を実行し、SGWは複数のポート815A〜815Zのうちの1つによりMMEに結合されるであろう。当然のことながら、SGW103Aは、本発明を曖昧にするのを回避するために示されていない様々な他のコンポーネントを含む。
【0050】
代替の諸実施形態
各図のフローダイアグラムは本発明の特定の諸実施形態によって実行される動作の特定の順序を示しているが、このような順序は模範的なものであることを理解されたい(例えば、代替の諸実施形態は、異なる順序でこれらの動作を実行すること、特定の動作を組み合わせること、特定の動作に重複することなどを行う場合もある)。
【0051】
いくつかの実施形態に関して本発明を説明してきたが、当業者であれば、本発明が記載された諸実施形態に限定されず、特許請求の範囲の精神及び範囲内の変更及び改変により実践できることを認識するであろう。従って、この説明は、限定ではなく例示的なものと見なすべきである。