(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
配列番号3、6、及び8〜10で構成された群で選択される塩基配列を持つ、テブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)に特異的に結合できる核酸アプタマー、
ここで、前記核酸がRNAである場合には、前記塩基配列で、TはUである。
配列番号3〜15で構成された群で選択される塩基配列を持つ核酸アプタマーを試料と接触させる段階を含む、テブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)の検出方法であって、前記核酸がRNAである場合には、前記塩基配列で、TはUである、検出方法。
前記試料は、水、土壌、廃棄物、食品、動物腸内及び動植物組織のうちいずれか一つ以上で採取された試料であることを特徴とする請求項2に記載のテブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)の検出方法。
前記検出は、金ナノ粒子に基づいた色度分析法によって行われることを特徴とする請求項2又は3に記載のテブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)の検出方法。
配列番号3〜15で構成された群で選択される塩基配列を持つ核酸アプタマーを含有する、テブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィドの検出用組成物であって、前記核酸がRNAである場合には、前記塩基配列で、TはUである、検出用組成物。
配列番号3〜15で構成された群で選択される塩基配列を持つ核酸アプタマーを含有する、テブコナゾール、メフェナセット及び/またはイナベンフィドの検出用センサーであって、前記核酸がRNAである場合には、前記塩基配列で、TはUである、検出用センサー。
配列番号3〜15で構成された群で選択される塩基配列を持つ核酸アプタマーを含有する、テブコナゾール、メフェナセット及び/またはイナベンフィドの検出用キットであって、前記核酸がRNAである場合には、前記塩基配列で、TはUである、検出用キット。
配列番号3〜15で構成された群で選択される塩基配列を持つ核酸アプタマーを利用することを特徴とする試料からテブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィドを分離する方法であって、前記核酸がRNAである場合には、前記塩基配列で、TはUである、分離方法。
配列番号3〜15で構成された群で選択される塩基配列を持つ核酸アプタマーを含有する、テブコナゾール、メフェナセット及び/またはイナベンフィドの分離用キットであって、前記核酸がRNAである場合には、前記塩基配列で、TはUである、分離用キット。
【背景技術】
【0002】
テブコナゾール(Tebuconazole)は、唐辛子の炭そ病を予防するために広範囲に使用されるトリアゾール(triazole)誘導体である。米国FDAではこの殺菌剤がヒトには安全であると考えているが、米国環境保護国(EPA)ではテブコナゾールをC等級(発ガン物質である可能性がある)の発ガン物質と規定していて、スウェーデン化学協会では潜在的な内分泌かく乱化学物質と規定するなど、テブコナゾールは依然として危険性を有している。最近では大型食品会社の唐辛子粉からテブコナゾールが基準量以上超過検出されて、流通及び販売禁止措置が下されたことがある。
【0003】
メフェナセット(Mefenacet)は、除草剤であり発ガン物質とは報告されなかったが皮膚に長期間露出する場合、アレルギー反応を起こせて目に入った場合に炎症を引き起こすと知られている。また、環境に長く残留する場合、ハチに非常に致命的に作用して生態系かく乱を引き起こす。-
【0004】
イナベンフィド(Inabenfide)は、植物生長抑制剤として長期間の摂取が禁止されていて、皮膚や目、または吸入を避けるように勧告されている。しかし、非常に広範囲に使用されて、それによって環境汚染が引き起こされるとの問題がある。前記テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドなどの物質が残留されている濃縮水産物を長期間摂取する場合には内蔵機能異常、DNA損傷、神経系と発達に害を及ぼして癌、奇形児出産、流産などが起こり得る。従って、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドの誤用及び乱用を防止すると共に、食品の安全性を確保するために、土壌、水質、農水産物に残留されている農薬を検出する方法を開発することが必要であることが現状である。
【0005】
既存の残留農薬検出方法は、残留農薬が溶けている成分に応じてそれぞれ異なる試験溶液を調製して残留農薬を抽出、精製後、液体クロマトグラフィーを利用して定量する方法が主に用いられている。しかし、既存の方法は溶かした物質に応じた試験法も少なく、試験溶液をそれぞれ調製することも煩わしい。また、抽出、精製過程中テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドの損失があり得るので、正確な定量が難しい。特に上水源及び河川、湧き水などで利用される水質資源に存在するテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドの分析が重要であるが、既存の検出方法は主に機器分析に頼っているので、現場分析が殆ど不可能で、分析費用が高い短所がある。
【0006】
一方、アプタマー(aptamer)は、10
12〜14程度の多様性を持つランダム核酸ライブラリーから得られる特定ターゲットに対して高い特異性と親和度を持つ一本鎖DNAまたはRNA分子構造体をいう。また、アプタマーは、センサー分野で利用される既存の感知物質である抗体とは異なり核酸構造体であるため、熱安定性が優秀で、試験管内(in vitro)で合成されるので、動物や細胞が別途に必要なく、生産費用面でも経済的であり、ターゲット物質に制約がなく、タンパク質、アミノ酸のような生分子物質から環境ホルモン、抗生剤、残留医薬品などの低分子有機化学物質、バクテリア、ウィルスなどの様々なターゲットに対するアプタマーを合成することができる。従って、様々なターゲット物質に対するアプタマーが作られており、標的物質と特異性と強い親和度を持って結合するアプタマーの特性によって最近アプタマーを新薬開発、薬物伝達システム、そしてバイオセンサーなどに応用する多くの研究がなされている。従って、アプタマーは、極微量の残留農薬の検出方法に導入するのに非常に適切な物質であり、これを活用したナノバイオ技術を通して特定残留農薬物質を検出するのにも応用することができる。
【0007】
アプタマー開発方法において最も重要な要素は、ターゲットに結合したDNA(あるいはRNA)と結合しないDNAを区別することであり、これのために一般にターゲットを固定したりDNAランダムライブラリーを固定してDNAを区別する研究が進行されてきた。しかし、このような固定化方式の最も大きい困難は、固定化収率が低いことがある点であり、固定化収率自体を分析するのに多くの費用と時間を費やしている点である。また、固定化に使用される分離用物質(磁性ビーズ、カラムなど)にDNAが直接結合する可能性を完全に排除できない点と分離用物質に固定されたターゲットに結合したDNAを再度分離する過程に現れ得るDNAプール損失の可能性などが固定化方式の限界であり問題点として残っている。特に、DNAライブラリーを固定する方式で発生し得る低いDNA固定率問題は、アプタマー開発過程で避けなければならない最も重要な損失であるDNAプールの損失と直結されて大きい限界点になる。その他にも固定化自体が難しい重金属イオンなどは、固定化方式ではアプタマーを開発するのが難しく、固定化方式にはターゲット選定にも制約があり得る問題点がある。それに比べて、非固定化方式のアプタマー開発技術を利用すると、前記で列挙したすべての限界を克服することができ、ターゲットの結合部位が制限的でないため、アプタマー開発に必要な選別過程繰り返し回数を減らすことができる長所がある。このような理由から、非固定化方式でアプタマーを開発できる技術を発明するために従来には微細電子機械システム(MEMS)、毛細管電気移動システム(Capillary Electrophoresis)技術などが活用されたが、高価な装備、装置使用の複雑性、熟練した人材の必要性などは依然として問題点として残っている。一方、グラフェンは、2次元構造の炭素構造体であり、熱安定性、電気的特性及び強度が非常に優秀で一本鎖DNAの塩基の部分とπ−スタッキングを介して結合するので、このような特性を応用した広範囲な研究が実施されている。しかし、非固定化方式のグラフェン基盤SELEXを利用してアプタマーを開発する時にも種々のtarget物質に対するアプタマーを開発する時は時間が長くかかる短所がある。それぞれの主な目標ターゲットに対するカウンターターゲットを設定して、目標ターゲットとカウンターターゲットの分析、そしてそれぞれの目標ターゲットに対するSELEX進行しなければならないためである。
【0008】
そこで、本発明者等は、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究努力した結果、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに対して特異的に高い親和度を示す核酸構造体である核酸アプタマーを非固定化方式グラフェンSELEXを利用して開発した。また、前記テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに特異的に結合する核酸アプタマーを含む金ナノ粒子基盤色度分析手法に関する組成物を製造して、該当組成物を利用すると、食品などに残留する微量のテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドを効果的に検出または除去する可能性があることを確認して、本発明を完成した。
【0009】
本背景技術の部分に記載された前記情報は、ただ本発明の背景に対する理解を向上させるためのものであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に既知の先行技術を形成する情報を含まないことがある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
他の方式で定義されない限り、本明細書において使用されたあらゆる技術的・科学的用語は、本発明が属する技術分野に熟練した専門家によって通常理解されるものと同じ意味を有する。通常、本明細書において使用された命名法は、本技術分野において周知であり、しかも汎用されるものである。
本発明の詳細な説明などにおいて使用される主な用語の定義は、下記の通りである。
【0022】
本発明で「核酸アプタマー」とは、高い親和性でターゲット物質を特異的に認知できる小さい一本鎖オリゴ核酸をいう。
【0023】
本発明で「試料」とは、テブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)、イナベンフィド(Inabenfide)を含有するか、含有していると推定されて分析が行われるべき組成物であり、液体、土壌、空気、食品、廃棄物、動植物腸内及び動植物組織のうちいずれか一つ以上で採取された試料から検出されることを特徴とするが、これに限定されるのではない。この時、液体は、水、血液、小便、涙、汗、唾液、リンパ及び脳脊髄液などであることを特徴とし、前記水は、川水、海水、湖水及び雨水などを含み、廃棄物は、下水、廃水などを含み、前記動植物は、人体を含む。また、前記動植物組織としては、粘膜、皮膚、外皮、毛、鱗、眼球、舌、頬、蹄、嘴、喙、足、手、口、乳頭、耳、鼻などの組織を含む。
【0024】
本明細書で言及された「GO SELEXプロセス」とは、任意的に合成されたDNAまたはRNAの集合で特定分子に対して高い結合力を持つDNAまたはRNAを選別して増幅させることによってそれぞれの分子に特異的なDNA配列を調べる方法(J.W.Park,R.Tatavarty,D.W.Kim,H.T.Jung and M.B.Gu(2012),Immobilization−free screening of aptamers assisted by graphene oxide,Chemical Communications、48、15、2071−2073)をいう。
【0025】
一観点において、本発明は、配列番号3〜15で構成された群で選択される塩基配列を持つ、テブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)に特異的に結合できる核酸アプタマーに関する
アプタマー T1:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCAGCGTCCACGAGTGTGGTGTGGATCCGAGCTCCACGAT-3'(配列番号3)
アプタマー T3:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCACGTTGACGCTGGTGCCCGGTTGTGGTGCGAGTGTTGTGTGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号4)
アプタマー T4:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCACGTTGACGCTGGTGCCCGGTTGTGGTGGAGTGTTGTGTGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号5)
アプタマー T10:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCGAGTCATGTACCGTCCCTGTGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号6)
アプタマー Tn1:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCACGTTGACGCTGGTGCCCGGTTGTGGGCGAGTGTTGTGTGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号7)
アプタマー Tn3:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCGTGTCAATAATGGTCCTCTGGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号8)
アプタマー Tc2:5'-CACGTGGAGCTCGGATCCACGCGCAGTGGGACCAACCCAAGCCGTGGCCTGCCGGGGGGCTAGCGAATTCCGTACG-3'(配列番号9)
アプタマー Tc3:5'-CACGTGGAGCTCGGATCCACACAACACTCGCACCACAACCGGGCACCAGCGTCAACGTGCTAGCGAATTCCGTACG-3'(配列番号10)
アプタマー i11:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCACGTTGACGCTGGTGCCCGGTTTGGTGCGAGTGTTGTGTGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号11)
*アプタマー i13:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCACGTTGACGCTGGTGCCCGGTTGTGGGTGCGAGTGTTGTGTGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号12)
アプタマー i18:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCACGTTGACGCTGGTGCCCGGTTGTGGTGCGGGTGTTGTGTGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号 13)
アプタマー MBA:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCCCCCCGGCAGGCCACGGCTTGGGTTGGTCCCACTGCGCGTGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号14)
アプタマー T2:5'-CGTACGGAATTCGCTAGCCCCCCGGCAGGCCACGGCTTGGGTTGGTCCCTCTGCGCGTGGATCCGAGCTCCACGTG-3'(配列番号15)
【0026】
核酸アプタマーは、一本鎖DNAまたはRNAとして提供されるもので、本発明で前記核酸がRNAである場合には前記核酸配列でTはUと表示されて、このような配列が本発明の範囲に含まれることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者には自明な事項である。
【0027】
本発明の核酸アプタマーは、GO SELEX(Systematic Evolution of Ligands by Exponential enrichment)工程によって選択されたテブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)に特異的に結合する任意の塩基配列の核酸アプタマーであってもよい。
【0028】
より具体的に、本発明のテブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)に特異的に結合できる前記核酸アプタマーは、下記の段階を含む方法によって製造できる:
a)両端にPCR用プライマー領域を含み中央に30〜50個の任意の塩基を持つ一本鎖核酸プール(pool)とターゲット物質またはカウンターターゲット物質を緩衝溶液で混合して常温で結合を誘導する段階;
b)前記混合液とグラフェンを反応させてターゲット物質と結合したまたはカウンターターゲット物質に結合しない一本鎖核酸を除去する段階;
c)前記段階で得られたターゲット物質に特異的に結合する一本鎖核酸に対して前記PCR用プライマー領域を利用してPCRを行って増幅させる段階;
d)前記ターゲット物質に特異的に結合する一本鎖核酸に対してターゲット物質とカウンターターゲット物質を利用してグラフェン基盤選別(selection)及びカウンター選別(counterselection)する過程を繰り返し行う段階;及び
e)前記グラフェン基盤カウンター選別段階でカウンターターゲット物質に結合するターゲット非特異的な一本鎖核酸を除去し、グラフェンに結合されたターゲット特異的な一本鎖核酸に対してターゲットによる配座変位(Conformational change)を誘発させてグラフェンからターゲット特異的なアプタマーを分離する段階。
【0029】
前記DNAアプタマー製造方法のd)段階で、プライマー対中一つにフルオレセイン(fluorescein)が付けられたプライマーを使用してPCRを行った後、電気泳動を介して既変成された一本鎖DNAを分離する段階をさらに含むこと特徴とする。
【0030】
本発明の一実施例では、テブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)に特異的に結合するアプタマーを製作するために、GO SELEX(Systematic Evolution of Ligands by Exponential enrichment)工程を利用してテブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)、イナベンフィド(Inabenfide)に結合する核酸アプタマーを選別した後、金ナノ粒子基盤の色度分析法によって前記配列番号3〜配列番号15で表される塩基配列を持つアプタマーがテブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)、イナベンフィド(Inabenfide)のそれぞれに対して全て特異的に結合することを確認した。
【0031】
他の観点において、本発明は、前記核酸アプタマーを試料と接触させる段階を含む、テブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)の検出方法に関する。
【0032】
前記試料は、水、土壌、廃棄物、食品、動物腸内及び動植物組織のうちいずれか一つ以上で採取された試料であることを特徴とするが、これに限定されるのではない。この時、前記水は、川水、海水、湖水及び雨水などを含み、廃棄物は、下水、廃水などを含み、前記動物はヒトを含む。
【0033】
本発明の一実施例では、金ナノ粒子基盤の色度分析法で本発明に係る核酸アプタマーが特異的にテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに結合することを確認した。
【0034】
金ナノ粒子基盤の色度診断法は、その準備の便利性と簡単な作動法、そして目視で色変化を観察できる点で最近オンサイト(on−site)探知の新しい代案として浮び上がっている[Zhao,W.,Brook,M.A.,Li,Y.,2008a.ChemBioChem 9,2363−2371]。このような金ナノ粒子基盤アプタマーセンサーには二種類あって、一つは金ナノ粒子表面を変形してアプタマーを金ナノ粒子表面に共有結合などで固定して、ターゲット物質がある時に二つ以上の金ナノ粒子距離が互いに近づくことによって凝集(aggregation)が起きて金ナノ粒子溶液の色が赤色から青色系列に変わる特徴を利用したもので、他の一つは、変形されなかった金ナノ粒子表面にアプタマーが物理的に吸着していて、ターゲット物質がある時に吸着していたアプタマーとターゲットとの結合により金ナノ粒子の表面から離れ出る現象によって色が変わる特性を利用するものである。純粋な金ナノ粒子の溶液色は赤色で、アプタマーが物理的に金ナノ粒子に吸着された後、ターゲットをいれると、アプタマーとターゲットとの間の親和度が、アプタマーと金ナノ粒子との間の親和度より大きいので、アプタマーはターゲットと結合するようになる[Y.S.Kim,et al.,A novel colorimetric aptasensor using golDNAnoparticle for a highly sensitive and specific detection of oxytetracycline,Biosensors and Bioelectronics,Volume 26,Issue 4,15 2010]。この時、NaClを添加すると、ターゲットを添加したチューブでは金ナノ粒子が凝集するようになって色変化を観察することができる。一方、ターゲットがないチューブでは、アプタマーがNaClによる金ナノ粒子の凝集(aggregation)を邪魔するので、色変化が観察できない。このような特性を基にアプタマー−金ナノ粒子を利用してターゲット物質を検出することができる。また、金ナノ粒子溶液をUV分光光度計(spectrophotometer)で吸光度を測定すると、純粋な金ナノ粒子溶液は520nmで最も高い吸光度を示すのに対して、色が青い系列に変わった後には650nmで最も高い吸光度を示すことになる。従って、650nmでの吸光度値を520nmでの吸光度値で分けた値は、ターゲットによって凝集(aggregation)が起きた程度と比例して増加する。本発明の一実施例でもこのような金ナノ粒子基盤の色度分析法により、本発明で選別したアプタマーがテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに対し特異的に結合するか否かを確認した。
【0035】
具体的に、本発明では金ナノ粒子表面を変形してアプタマーを金ナノ粒子表面に共有結合などで固定して、ターゲット物質がある時に二つ以上の金ナノ粒子距離が互いに近づくことによって凝集(aggregation)が起きて金ナノ粒子溶液の色が赤色〜青色系列に変わる特徴を利用するか、変形されなかった金ナノ粒子表面にアプタマーが物理的に吸着していて、ターゲット物質がある時に吸着していたアプタマーとターゲットとの結合により金ナノ粒子の表面から離れ出る現象によって色が変わる特性を利用して、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドを検出することができる。
【0036】
本発明の一実施例では、前記配列番号3〜14で表される核酸アプタマー中最も高い親和度を示す配列番号3、9、14で表される核酸配列であるアプタマーT1、il3、MBAに対して金ナノ粒子基盤色度分析を行った結果、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに該当アプタマーが特異的に結合することを確認した。
【0037】
従って、また他の観点において、本発明は、テブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)またはイナベンフィド(Inabenfide)に特異的に結合する前記アプタマーを含有する、テブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィドの検出用組成物に関する。
【0038】
本発明のアプタマーは、本技術分野ですでに公示された方法によって化学合成してもよい。
本発明のアプタマーは、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに対する結合性、安定性などを高めるために、各ヌクレオチドの糖残基(例、リボースやデオキシリボース)が修飾されたものを使うことができる。糖残基において修飾される部位は、例えば糖残基の2’部位、3’部位及び/または4’部位の酸素源者を他の原子で置き換えたもの等が挙げられる。修飾の種類としては、例えばフルオロ化、O−アルキル化(例、O−メチル化、O−エチル化)、O−アリル化、S−アルキル化(例、S−メチル化、S−エチル化)、S−アリル化、アミノ化(例、−NH)が挙げられる。このような糖残基の変形は、公示の方法によって自ら行うことができる(例えば、Sproatet al.,(1991) Nucle.Acid.Res.19,733−738;Cotton et al.,(1991) Nucl.Acid.Res.19,2629−2635;Hobbs et al.,(1973) Biochemistry 12,5138−5145参照)。
【0039】
本発明のアプタマーは、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに対する結合性などを高めるために核酸塩基(例、プリン、ピリミジン)が変形(例、化学的置換)されたものを使用することができる。このような変形としては、例えば5部位ピリミジン変形、6及び/または8部位プリン変形、環外アミンでの変形、4−チオウリジンへの置換、5−ブロモまたは5−ヨード-ウラシルへの置換が挙げられる。
【0040】
また、ヌクレアーゼ及び加水分解に対し耐性を持つように、本発明のアプタマーに含まれるリン酸基が変形されていても良い。例えば、P(0)0基が、P(0)S(チオエート)、P(S)S(ジチオエート)、P(O)NR
2(アミデート)、P(O)R、R(O)OR’、COまたはCH
2(ホルムアセタル)または3’−アミン(−NH−CH
2−CH
2−)で置き換えられてもよい〔ここでそれぞれのRまたはR’は独立して、Hであるか、または置き換えられているか、または置き換えられていないアルキル(例、メチル、エチル)である〕。連結基としては、−O−、−N−または−S−が例示されて、これらの連結基を介して隣接するヌクレオチドに結合することができる。
【0041】
本発明での変形はさらに、キャップのような3’及び5’の変形を含んでも良い。変形はさらに、ポリエチレングリコール、アミノ酸、ペプチド、inverted dT、核酸、ヌクレオシド、ミリストイル(Myristoyl)、リソコリック−オレイル(Lithocolic−oleyl)、トコサニル(Docosanyl)、ラウロイル(Lauroyl)、ステアロイル(Stearoyl)、パルミトイル(Palmitoyl)、オレオイル(Oleoyl)、リノレオイル(Linoleoyl)、その他脂質、ステロイド、コレステロール、カフェイン、ビタミン、色素、蛍光物質、抗癌剤、毒素、酵素、放射性物質、ビオチンなどを末端に付加することによって行われることができる。このような変形に対しては、例えば米国特許第5,660,985号、米国特許第5,756,703号を参照することができる。しかし、前記核酸アプタマーは、好ましくは配列番号3〜15で表される塩基配列のうちいずれか一つのアプタマーであることを特徴とする。
【0042】
本発明のテブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィド検出用組成物は、残留許容基準を終える農薬、除草剤のうち最も多く検出される除草剤であるテブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)、イナベンフィド(Inabenfide)を検出するために使用可能なもので、残留農薬は非常に少ない量で食品や環境に存在しても生物濃縮現象などのような様々な環境的な経路によって最終消費者であるヒトに影響を及ぼしかねないので、農林水産物で広範囲に使用されている残留農薬を検出及び除去する技術が必要である。従って、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドの検出のために本発明の核酸アプタマーはいかなる形態でも使用するとができる。例えば、本発明の核酸アプタマーを磁性ビーズに固定化させて、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドを結合させて製造されたDNAアプタマー−テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィド複合体(complex)は磁石を利用して分離することができ、この複合体から再びテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドを分離することによって、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドだけを選択的に検出できるようになる。また、本発明の核酸アプタマー−磁性ビーズを本発明の実施例に記述された方法以外にも本発明の核酸アプタマーと連結子で連結されたセンサーを利用して試料中のテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドを検出する方法などを使用することができる。
【0043】
また他の観点において、本発明は、テブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィドに特異的に結合するアプタマーを含有する、テブコナゾール、メフェナセット及び/またはイナベンフィドの検出用センサーを提供する。テブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィドに特異的に結合する前記アプタマーは、チップなど基板に固定されてテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィド検出用センサーの形態で提供されてもよい。
テブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィドに特異的に結合する前記アプタマーを含有する検出用センサーは、キット(kit)の形態で提供されてもよい。
【0044】
テブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィド検出用キットは、 瓶、筒(tub)、小袋(sachet)、封筒(envelope)、チューブ、アンプル(ampoule)等のような形態であってもよく、これらは部分的にまたは全体的にプラスチック、ガラス、紙、ホイール、ワックスなどから形成される。容器は、最初は容器の一部であるか、または機械的、接着性、またはその他の手段によって、容器に付着できる、完全にまたは部分的に分離可能な栓を取り付けることができる。容器はまた注射針によって内容物に接近できる、ストッパーが取り付けられる。前記キットは外部パッケージを有することができ、外部パッケージは構成要素の使用に関する使用説明書を含んでもよい。
【0045】
本発明に係るテブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィドに特異的に結合する核酸アプタマーはさらに、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドだけを特異的に検出するので、これを含みテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィド分離用組成物を提供できることは、本発明が属する技術分野で当業者には自明である。
【0046】
また他の観点において、本発明は、テブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィドに特異的に結合するアプタマーを利用したテブコナゾール、メフェナセットまたはイナベンフィドの除去または分離方法に関する。
【0047】
本発明の組成物を利用するテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドの除去方法の一例として、例えば、前記核酸アプタマーが固定化された磁性ビーズをカラム(column)に満たした後、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドを含む試料を通過させてテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドだけを選択的に除去または分離することができる。
【実施例】
【0048】
以下、添付された実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。しかし、このような実施例は本発明の技術的思想の内容と範囲を簡単に説明するための例示するものであって、これによって本発明の技術的範囲が限定されたり変更されるのではない。また、このような例示に基づいて本発明の技術的思想の範囲の中で様々な変形と変更が可能であることは当業者には当然である。
【0049】
実施例1:任意の塩基配列を持つDNA pool合成
56mer DNA poolとして両端にPCRのためのプライマー領域(primer region)があり、中央に任意の塩基を持つDNA poolを以下のような方法で合成した。本発明に使用されたDNA poolは、Genotech Inc.Koreaに化学的に合成を依頼した。
CGTACGGAATTCGCTAGC-random region-GGATCCGAGCTCCACGTG
配列番号1:CGTACGGAATTCGCTAGC
配列番号2:GGATCCGAGCTCCACGTG
【0050】
実施例2:テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィド全てと結合するDNAアプタマーの選別
ランダムDNA poolをカウンターターゲット[ペンシキュロン(pencycuron)、ブタクロ(Butachlor)]とバッファー溶液(20mM Tris−Cl buffer、pH7.6 contained 100mM NaCl、2mM MgCl
2、5mM KCl、1mM CaCl
2、0.02% Tween 20、10% MeOH)に入れて混合して30分間常温で反応させた後、カウンターターゲットと結合しなかったDNAを確保するために前記の混合液とグラフェンオキシド溶液を30分間常温で反応させる。この時、カウンターターゲットと結合しなかった一本鎖DNAは、グラフェンの表面にπ−スタッキングを介して強力に吸着するようになる。遠心分離によりカウンターターゲットと結合したDNAを除去する。テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに特異的に結合するDNAを確保するために、グラフェンマンだけある上チューブにテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドを添加した後、30分間常温で反応させることで、配座変化(Conformational change)を誘発させて、グラフェンからターゲット特異的なアプタマーを分離した後、エタノール沈殿法でターゲット特異的DNAを確保した。このように得られたテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに特異的に結合するDNAの量を測定した。
【0051】
図2では1〜3選別段階(selection round)で得られたテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに結合するDNAの量が増加していることを示す。
【0052】
実施例3:テブコナゾールに特異的に結合可能なDNAアプタマーの選別
実施例2で得られたDNA poolをカウンターターゲット[ペンシキュロン(pencycuron)、ブタクロ(Butachlor)、メフェナセット(Mefenacet)、イナベンフィド(Inabenfide)]とバッファー溶液(20m MTris−Cl buffer、pH7.6 contained 100mM NaCl、2mM MgCl
2、5mM KCl、1mM CaCl
2、0.02% Tween 20、10% MeOH)に入れて混合して30分間常温で反応させた後、カウンターターゲットと結合しなかったDNAを確保するために前記の混合液とグラフェンオキシド溶液を30分間常温で反応させる。この時、カウンターターゲットと結合しなかった一本鎖DNAは、グラフェンの表面にπ−スタッキングを介して強力に吸着するようになる。遠心分離によりカウンターターゲットと結合したDNAを除去する。テブコナゾールに特異的に結合するDNAを確保するために、グラフェンだけある上チューブにテブコナゾールを添加した後、30分間常温で反応させることで、配座変化(Conformational change)を誘発させて、グラフェンからターゲット特異的なアプタマーを分離した後、エタノール沈殿法でターゲット特異的DNAを確保した。このように得られたテブコナゾールに特異的に結合するDNAの量を測定した。
図2では各選別段階(selection round)で得られたテブコナゾールに結合するDNAの量が増加していることを示す。
【0053】
実施例4:メフェナセットに特異的に結合可能なDNAアプタマーの選別
実施例2で合成されたランダムDNA poolをカウンターターゲット[ペンシキュロン(pencycuron)、ブタクロ(Butachlor)、テブコナゾール(Tebuconazole)、イナベンフィド(Inabenfide)]とバッファー溶液(20m MTris−Cl buffer、pH7.6 contained 100mM NaCl、2mM MgCl
2、5mM KCl、1mM CaCl
2、0.02% Tween 20、10% MeOH)に入れて混合して30分間常温で反応させた後、カウンターターゲットと結合しなかったDNAを確保するために、前記の混合液とグラフェンオキシド溶液を30分間常温で反応させる。この時、カウンターターゲットと結合しなかった一本鎖DNAは、グラフェンの表面にπ−スタッキングを介して強力に吸着するようになる。遠心分離によりカウンターターゲットと結合したDNAを除去する。メフェナセットに特異的に結合するDNAを確保するために、グラフェンだけある上チューブにメフェナセットを添加した後、30分間常温で反応させることで、配座変化(Conformational change)を誘発させて、グラフェンからターゲット特異的なアプタマーを分離した後、エタノール沈殿法でターゲット特異的DNAを確保した。このように得られたメフェナセットに特異的に結合するDNAの量を測定した。
図2では各選別段階(selection round)で得られたメフェナセットに結合するDNAの量が増加していることを示す。
【0054】
実施例5:イナベンフィドに特異的に結合可能なDNAアプタマーの選別
実施例2で合成されたランダムDNA poolをカウンターターゲット[ペンシキュロン(pencycuron)、ブタクロ(Butachlor)、テブコナゾール(Tebuconazole)、メフェナセット(Mefenacet)]とバッファー溶液(20m MTris−Cl buffer、pH7.6 contained 100mM NaCl、2mM MgCl
2、5mM KCl、1mM CaCl
2、0.02% Tween 20、10% MeOH)に入れて混合して30分間常温で反応させた後、カウンターターゲットと結合しなかったDNAを確保するために、前記の混合液とグラフェンオキシド溶液を30分間常温で反応させる。この時、カウンターターゲットと結合しなかった一本鎖DNAは、グラフェンの表面にπ−スタッキングを介して強力に吸着するようになる。遠心分離によりカウンターターゲットと結合したDNAを除去する。イナベンフィドに特異的に結合するDNAを確保するために、グラフェンだけある上チューブにイナベンフィドを添加した後、30分間常温で反応させることで、配座変化(Conformational change)を誘発させて、グラフェンからターゲット特異的なアプタマーを分離した後、エタノール沈殿法でターゲット特異的DNAを確保した。このように得られたイナベンフィドに特異的に結合するDNAの量を測定した。
図2では各選別段階(selection round)で得られたイナベンフィドに結合するDNAの量が増加していることを示す。
【0055】
実施例6:テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに結合可能なDNAアプタマーpoolの製造
テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィド結合特異的なDNAの量を増やすために既知のプライマー領域を利用してPCRを行った。
PCR生産物は、二本鎖のDNAであり、これを一本鎖に分離するための過程のために、下記のように一つのプライマーにはフルオレセイン(fluorescein)を固定した。
forward(APTFf)5'-fluorescein-CGTACGGAATTCGCTAGC:配列番号16
reverse(APTR)5'-CACGTGGAGCTCGGATCC-3':配列番号17
【0056】
PCR反応物を精製キット(purification kit)を利用して精製した後、二本鎖DNAを一本鎖に作るために、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施した。
【0057】
10%のポリアクリルアミドゲルには6Mの尿素(urea)、20%のホルムアミド(formamaid)が含まれていて、電気泳動後には二つのバンドができるが、これは電気泳動過程で二本鎖のDNAが変成されてフルオレセインがついているDNA鎖は上に、ついていないDNA鎖は下にそれぞれ位置するようになる。フルオレセインがついているDNAバンドを切り出してゲル抽出(gel extraction)を実施した後、再びエタノール沈殿法で分離したDNAを確保した。この時確保されたDNA poolは、再び最初のテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドが固定されている磁性ビーズ溶液と混合して、テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドと反応させた。このような過程の模式図を
図3に示して、一連の過程(FluMag−SELEX process)を一回の選別(selection)とすると、計6回の選別過程を経て最終的に60%以上がテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに結合するDNA poolを得た。3回目の選別後には、それぞれAMPAとテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドでcount selectionを実施することによって、非特異的に結合するDNAを遮断してテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドだけに高い親和度を持って特異的に結合するDNA poolを確保した。最終的に得られたDNA poolをQuiagen cloning kitを利用してクローニング(cloning)して得られたコロニーからDNAを抽出して塩基分析を行った結果、互いに異なる13種のテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに特異的に結合する核酸構造体を確保した。
【0058】
実施例7:13種のDNAアプタマーの塩基配列分析及び特異性分析
テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに高い親和度を持って特異的に結合する互いに異なる13種のDNAの塩基配列を分析した結果を下記の表1に提示した。また、この13種のテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに特異的なアプタマーの2次構造をm−foldプログラムを利用して予測した結果を
図4〜
図16に示した。
【0059】
【表1】
【0060】
前記13種のDNAアプタマー中テブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドに対する特異性が高い各ターゲットに対するアプタマーを下記のように選別した。
【0061】
2nMの金ナノ粒子と200nMのそれぞれのテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィド結合アプタマーを3次蒸溜水に入れて常温で30分間吸着反応させた後、250uMのテブコナゾール(式(1))、メフェナセット(式(2))、イナベンフィド(式(3))、カルプロパミド(式(4))、ペンシキュロン(式(5))、ブタクロ(式(6))を添加して30分間反応させた。前記溶液に0.6M NaClを添加してsalt induced gold aggregationを誘導した後、金ナノ粒子溶液のUV吸光度を測定して、それぞれのアプタマーで目標ターゲットとの結合力が最も高いアプタマーT1を選定した。UV吸光度グラフと反応後のサンプルの写真を
図17〜20に開示した。
【0062】
【化1】
【0063】
【化2】
【0064】
【化3】
【0065】
【化4】
【0066】
【化5】
【0067】
【化6】
【0068】
実施例8:DNAアプタマーのテブコナゾールとの結合力分析
テブコナゾールに特異的に結合する互いに異なる13種のアプタマー中最も特異度が高い一つのアプタマーであるT1と様々な濃度のテブコナゾールとの結合力を分析した。
【0069】
2nMの金ナノ粒子と200nMのそれぞれのテブコナゾール、メフェナセット、イナベンフィドアプタマーを3次蒸溜水に入れて常温で30分間反応させた後、0〜25uMのテブコナゾールを添加して30分間反応させる。前記溶液に0.6M NaClを添加してsalt induced gold aggregationを誘導して、金ナノ粒子のUV吸光度を測定した。UV吸光度グラフと反応後のサンプルの写真を
図21に開示した。これからテブコナゾール結合特異的なアプタマーと金ナノ粒子を利用してテブコナゾールが検出できることがわかる。