(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る医療システム及び医療プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、医療システムに関するものである。ここで、「医療システム」とは、医療に関連するシステムであり、具体的には、少なくとも、治験施設に案内する患者を選択するシステムであり、例えば、治験施設に案内する患者を選択する専用システム、あるいは、医療に関するシステム又は汎用システムに対して治験施設に案内する患者を選択する機能を実装することによって実現されるシステム等を含む概念である。また、この「医療システム」は、例えば、集約されたコンピュータによって実現されるシステム、あるいは、分散配置され相互に通信可能となっている複数のコンピュータによって実現されるシステム等を含む概念である。
【0024】
また、「治験施設」とは、治験を行う施設であり、例えば、治験の依頼元(例えば、製薬会社、あるいは、製薬会社から治験業務を受託した受託機関等)からの依頼に応じて治験を行う施設であり、一例としては、比較的大規模な病院である、いわゆる総合病院、及び大学病院等を含む概念である。また、「治験」とは、薬の効き目や安全性を臨床的に確かめることであり、例えば、新薬の承認を所定官庁等から得るために行われることである。また、「患者」とは、なんらかの健康上の問題がある者であり、例えば、医療施設を訪問して医師又は医療関係者等の診断や助言等を受けた者、あるいは、医療施設に訪問したことはないが健康上のなんらかの自覚症状がある者等を含む概念である。
【0025】
また、「医療施設」とは、医療サービス(例えば、治療、診断又は予防等のために医学に基づいて行われるサービス)を提供する施設であって、例えば、治験施設とは異なる別の施設であって、比較的小規模ないわゆるクリニック等を含む概念である。
【0026】
以下に示す実施の形態では、「医療システム」がコンピュータである管理サーバと当該管理サーバにアクセス可能な端末装置とによって構成される場合について説明する。
【0027】
(構成)
まず、実施の形態に係る医療システムの構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る医療システムが適用される医療環境を例示する図であり、また、
図2は、医療システムのブロック図である。なお、
図1の医療環境に含まれている治験施設及び医療施設の数については、実際には、図示されているものよりも多かったり少なかったりし得るが、ここでは、説明の便宜上、各々3個ずつ図示されている。
【0028】
また、ここでは、
図1の製薬会社11が新たに開発した薬(例えば、肝臓癌の抗がん剤)の治験業務を、受託機関12が受託し、当該受託機関12等が、治験施設21〜23(各治験施設を「治験施設2」と総称する)から案内対象治験施設を選択し、また、医療施設31〜33(各医療施設を「医療施設3」と総称する)から案内対象医療施設を選択し、この選択した案内対象医療施設の患者を、前述の選択した案内対象治験施設に案内する場合を例示しつつ説明する。なお、「案内対象治験施設」とは、患者を案内するべき治験施設であり、また、「案内対象医療施設」とは、患者を治験施設に案内するべき医療施設である。
【0029】
図2の医療システム400は、概略的に、管理サーバ4と、端末装置5とを備えて構成されており、これら管理サーバ4と、端末装置5とは、ネットワークを介して相互に有線又は無線にて通信可能に接続されている。この医療システム400は、既存の医療システム(例えば、複数の医師の相互間又は複数の病院の相互間にて、携帯端末又は据え置き型端末等を用いて各種情報をやりとりすることが可能なシステム等)とは別のシステムとして実現してもよいし、当該既存の医療システムに対して組み込むことによって実現してもよいし、あるいは、いわゆるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS:Social Networking Service)の一部の機能として実現してもよいが、ここでは、例えば、既存の医療システムに対して組み込むことによって実現されているものとする。なお、管理サーバ4の設置場所及び実装方法は任意であり、分散配置された複数台のサーバ等によって構成することもできるし、管理棟の如き特定の場所に設けられた1つ以上のサーバによって構成することもできるが、ここでは、説明の便宜上、1つのサーバによって構成されていることとして説明する。また、端末装置5については、実際には、医療システム400のユーザ(管理サーバ4にアクセスする者)によって利用される複数の装置であり、例えば、
図1の製薬会社11、受託機関12、治験施設2、及び医療施設3に所属するユーザ(後述する医薬情報担当者、医療従事者等)にて携帯される複数の携帯端末、あるいは、これらのユーザによって用いられる複数の据え置き型端末であるが、説明の便宜上、総称として1つのみ図示されている。そして、以下の説明では、区別する必要がある場合にのみ、端末装置5のユーザを具体的に示して説明し、これ以外のときには、特にユーザを示さずに総称して説明する。
【0030】
(構成−管理サーバ)
次に、管理サーバ4の構成について説明する。この管理サーバ4は、例えば、通信部41、操作部42、記録部43、及び制御部44を備えている。なお、この管理サーバ4は、例えば管理棟に設置された公知のサーバ等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0031】
(構成−管理サーバ−通信部)
通信部41は、端末装置5との間で通信するための通信手段である。この通信部41の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる(後述する通信部51も同様とする)。
【0032】
(構成−管理サーバ−操作部)
操作部42は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部42の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知のマウス、キーボード、又はタッチパッドの如き入力装置等を用いて構成することができる(後述する操作部52も同様とする)。
【0033】
(構成−管理サーバ−記録部)
記録部43は、管理サーバ4の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部43は、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述する記録部55についても同様とする)。
【0034】
また、この記録部43は、例えば、医療施設関連情報データベース431(以下、データベースを「DB」と称する)、及び治験施設関連情報DB432を備えている。
【0035】
(構成−管理サーバ−記録部−医療施設関連情報DB)
医療施設関連情報DB431は、医療施設に関連する情報を格納する格納手段であり、例えば、医療施設情を格納する医療施設情報格納手段、患者情報を格納する患者情報格納手段、及び治験選択基準情報を格納する治験選択基準情報格納手段として機能するものであり、例えば、後述する医療施設特定情報、医療施設側患者情報、医師情報、薬情報、治験選択当否情報、及び治験選択条件情報を格納するものである。
【0036】
ここで、「医療施設情報」とは、患者が医療サービスを受ける複数の医療施設に関する情報であり、例えば、後述する医療施設特定情報、医師情報、及び薬情報等を含む概念である。また、「患者情報」とは、患者の情報を特定する情報であり、例えば、後述する医療施設側患者情報等を含む概念である。また、「治験選択基準情報」とは、治験を行う治験施設に案内する患者を選択する選択基準を特定する情報であり、例えば、後述する治験選択当否情報、及び治験選択条件情報等を含む概念である。
【0037】
以下では、医療施設特定情報、医療施設側患者情報、医師情報、薬情報、治験選択当否情報、及び治験選択条件情報について、具体的に説明する。
【0038】
(構成−管理サーバ−記録部−医療施設関連情報DB−医療施設特定情報)
まず、
図3は、医療施設特定情報を例示した図である。なお、この
図3の「・・・」については具体的な情報が説明の便宜上省略されていることを示している(
図3以外の各図も同様とする)。この
図3に示すように、医療施設特定情報は、項目「医療施設ID」、項目「医療施設名情報」、項目「医療施設住所情報」、項目「診療科情報」、項目「病床数情報」、項目「医師ID」、項目「薬実績情報」、項目「紹介実績情報」、及び項目「患者ID」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。
【0039】
ここで、項目「医療施設ID」に対応する情報は、医療施設を一意に識別する医療施設識別情報である(以下、識別情報を「ID」と称する)(
図3では、
図1に図示されている医療施設31〜33の各々を識別する「IDh1」、「IDh2」、「IDh3」等)。また、項目「医療施設名情報」に対応する情報は、医療施設の名称を特定する医療施設名情報である(
図3では、
図1に図示されている医療施設3の各々の名称である「Aクリニック」等)。また、項目「医療施設住所情報」に対応する情報は、医療施設の住所を特定する医療施設住所情報である(
図3では、「東京都・・・」等)。また、項目「診療科情報」に対応する情報は、医療施設に設けられている診療科を特定する診療科情報である(
図3では、医師の専門分野の区分に基づいて医療施設に設けられている診療科であり「消化器外科」等)。また、項目「病床数情報」に対応する情報は、病床の数を特定する病床数情報である(
図3では、20個を特定する「20」等)。
【0040】
また、項目「医師ID」に対応する情報は、医師を一意に識別する医師IDである(
図3では、医療施設に所属して医療サービスを提供している医師のIDであり、医療施設31にて医療サービスを提供している医師を識別する「IDd11」等)。また、項目「薬実績情報」に対応する情報は、医療施設にて処方又は投与した薬の実績を特定する薬実績情報である(
図3では、過去所定期間(例えば、5年前から現在等)内の実績であり「IDm11(300)」等)。なお、この
図3の「IDm11(300)」については、後述する薬IDが「IDm11」である薬を「300」に対応する300(kg)の分量だけ処方又は投与したことを示している。また、項目「紹介実績情報」に対応する情報は、通院実績がある患者について治験を受ける候補者として治験施設(治験施設2又は当該治験施設2以外の治験施設)に紹介した実績を特定する紹介実績情報である(
図3では、医療施設の過去所定期間(例えば、5年前から現在等)内の紹介実績であり、50人を特定する「50」等)。また、項目「患者ID」に対応する情報は、患者を一意に識別する患者IDである(
図3では、過去所定期間(例えば、6カ月前から現在等)内に医療施設に訪れた実績がある患者のIDであり、医療施設31に訪れた患者を識別する「IDp1」等)。
【0041】
そして、このような医療施設特定情報については、任意の手法にて格納することができるが、例えば、医療施設3の医療従事者(つまり、医師、看護師、医療事務者等)が自己の端末装置5の後述する操作部52を操作して、この端末装置5が所定の操作入力を受け付けた場合に行われる、端末装置5と管理サーバ4との間のデータ通信にて端末装置5側から管理サーバ4側に送信されて格納される。つまり、医療施設3の医療従事者が、自己の医療施設3に関する各情報を、任意のタイミング(例えば、医療システム400の運用の開始時、薬を処方又は投与した時、患者を治験施設2に紹介した時、患者の来院時等)で入力することにより格納される。
【0042】
(構成−管理サーバ−記録部−医療施設関連情報DB−医療施設側患者情報)
次に、
図4は、医療施設側患者情報を例示した図である。この
図4に示されるように、医療施設側患者情報は、例えば、項目「患者ID」、項目「患者氏名情報」、項目「患者性別情報」、項目「患者年齢情報」、項目「患者疾病情報」、及び項目「質問回答情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。なお、項目「患者ID」に対応する情報は、
図3の同一名称の項目の情報と共通である。
【0043】
ここで、項目「患者氏名情報」に対応する情報は、患者の氏名を特定する患者氏名情報である(
図4では、「PP 11等」)。また、項目「患者性別情報」に対応する情報は、患者の性別を特定する患者性別情報である(
図4では、男性を特定する「男」又は女性を特定する「女」)。また、項目「患者年齢情報」に対応する情報は、患者の年齢を特定する患者年齢情報である(
図4では、65歳を特定する「65」等)。また、項目「患者疾病情報」に対応する情報は、患者が患っている疾病を特定する患者疾病情報である(
図4では、病名であり「肝臓癌」等)。
【0044】
また、項目「質問回答情報」に対応する情報は、治験施設に案内する患者を選択するために用いられる質問回答情報であり、例えば、治験選択当否情報又は治験選択条件情報に対応する情報である(
図4では、「心臓発作:なし,脳卒中:2年前〜3年前,持病:高血圧,・・・」等、あるいは、情報か未だ記録されていないことを示す「情報なし」である)。なお、この
図4の「心臓発作:なし,脳卒中:2年前〜3年前,持病:高血圧,・・・」については、「,」で区切った3個の具体的な質問及び当該質問に対する回答を特定しており、詳細には、「:」の図面左側に質問のキーワード(例えば、後述する
図7の質問情報)が記載されており「:」の図面右側に当該質問に対する回答(例えば、後述する
図7の回答情報)が記載されている。なお、これらの質問及び回答の具体的な内容については、
図7を参照して後述する。
【0045】
そして、このような
図4の医療施設側患者情報(質問回答情報以外の情報)については、任意の手法にて格納することができるが、例えば、医療施設3の医療従事者が、前述の
図3の医療施設特定情報の場合と同様に自己の端末装置5を操作することにより格納される。つまり、医療施設3の医療従事者が、自己の医療施設3の患者の情報を、任意のタイミング(例えば、患者の来院時、患者の診断時等)で入力することにより格納される。なお、医療施設側患者情報の質問回答情報の格納については、後述する。
【0046】
(構成−管理サーバ−記録部−医療施設関連情報DB−医師情報)
次に、
図5は、医師情報を例示した図である。この
図5に示されるように、医師情報は、例えば、項目「医師ID」、項目「医師氏名情報」、項目「専門情報」、及び項目「論文数情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。なお、項目「医師ID」に対応する情報は、
図3の同一名称の項目の情報と共通である。
【0047】
ここで、項目「医師氏名情報」に対応する情報は、医師の氏名を特定する医師氏名情報である(
図5では、「DD 11」等)。また、項目「専門情報」に対応する情報は、医師の専門分野を特定する専門情報である(
図5では、医師の専門分野の区分に対応する「消化器外科」等)。また、項目「論文数」に対応する情報は、医師が著者となっている論文の数を特定する論文数情報である(
図5では、学術雑誌、学会誌、又は学術論文誌等に掲載された論文の数であり、200報(つまり、200個)を特定する「200」等)。
【0048】
そして、このような
図5の医師情報については、任意の手法にて格納することができるが、例えば、一部の情報(
図5の論文数情報以外の情報)については、医療施設3の医療従事者が、前述の
図3の医療施設特定情報の場合と同様に自己の端末装置5を操作することにより格納される。つまり、医療施設3の医療従事者が、自己の医療施設3の医師の情報を、任意のタイミング(例えば、医療システム400の運用の開始時、医師採用時等)で入力することにより格納される。また、他の一部の情報(
図5の論文数情報)については、医療施設3の医療従事者、あるいは、製薬会社11又は受託機関12の医薬情報担当者(つまり、MR:Medical Representative)が、所定のデータベース(例えば、学術雑誌、学会誌、又は学術論文誌等に掲載された論文が格納されている少なくとも1つのデータベース)にアクセスして論文数を把握した上で、この把握結果が反映されるように、前述の
図3の医療施設特定情報の場合と同様に自己の端末装置5を操作することにより格納される。つまり、医療施設3の医療従事者、あるいは、製薬会社11又は受託機関12の医薬情報担当者が、論文数情報を、任意のタイミング(例えば、医療システム400の運用の開始時、医師採用時、あるいは、
図5の論文数情報以外の情報が格納された後等)で入力することにより格納される。
【0049】
(構成−管理サーバ−記録部−医療施設関連情報DB−薬情報)
次に、
図6は、薬情報を例示した図である。この
図6に示されるように薬情報は、例えば、項目「薬ID」、項目「薬名情報」、及び項目「薬疾病情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。
【0050】
ここで、項目「薬ID」に対応する情報は、薬を一意に識別する薬IDである(
図6では、肝臓癌の1つの抗がん剤を特定する「IDm11」等)。
また、項目「薬名情報」に対応する情報は、薬の名称を特定する薬名情報である(
図6では、「A薬」等)。また、項目「薬疾病情報」に対応する情報は、薬を用いて行われる治療の対象となっている疾病を特定する薬疾病情報である(
図6では、病名であり「肝臓癌」等)。
【0051】
そして、このような
図6の薬情報については、任意の手法にて格納することができるが、例えば、製薬会社11又は受託機関12の医薬情報担当者、あるいは、医療施設3の医療従事者が、前述の
図3の医療施設特定情報の場合と同様に自己の端末装置5を操作することにより格納される。
【0052】
(構成−管理サーバ−記録部−医療施設関連情報DB−治験選択当否情報)
次に、
図7は、治験選択当否情報を例示した図である。この
図7に示されるように治験選択当否情報は、例えば、項目「質問情報」、項目「回答情報」、及び項目「当否情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。
【0053】
ここで、項目「質問情報」に対応する情報は、治験施設に案内する患者を選択するための質問を特定する質問情報である(
図7では、当該質問を特定するキーワードであり、「心臓発作」、「脳卒中」、「持病」等)。なお、この
図7の「心臓発作」は、「過去に心臓発作を経験したことはありますか?ある場合は、いつ頃ですか?」という質問を特定するキーワードであり、「脳卒中」は、「過去に脳卒中を経験したことはありますか?ある場合は、いつ頃ですか?」という質問を特定するキーワードであり、「持病」は、「慢性的な持病をもっていますか?」という質問を特定するキーワードであるものとする。
【0054】
また、項目「回答情報」に対応する情報は、治験施設に案内する患者を選択するための回答を特定する回答情報である(
図7では、質問に対応する回答であり、「心臓発作」の質問に対応する「〜1年前」等)。なお、この
図7の「心臓発作」の質問に対する回答である「〜1年前」、「1年前〜2年前」、「2年前〜3年前」、「3年前〜」は、過去に心臓発作を経験したことがあることを特定しており、更に、その経験した心臓発作が現在を基準にして、「1年前から現在までの間」、「2年前から1年前の間」、「3年前から2年前の間」、「3年前よりも過去」であることを特定しており、一方、「なし」は、心臓発作を経験したことがないことを特定しているものとする。また、「脳卒中」の質問に対する回答は、「心臓発作」の質問に対する回答と同様とする。また、「持病」の質問に対する回答である「高血圧」、「糖尿病」は、慢性的な持病をもっていることを特定しており、更に、その持病が「高血圧」、「糖尿病」であることを特定しており、一方、「なし」は、慢性的な持病をもっていないことを特定しているものとする。
【0055】
また、項目「当否情報」に対応する情報は、治験施設に案内する患者を選択するための指標を特定する当否情報である(
図7では、回答情報に対応付けられている指標であり、治験施設に案内する肯定的な指標である「当」及び否定的な指標である「否」)。
【0056】
そして、このような
図7の治験選択当否情報については、任意の手法にて格納することができるが、例えば、所定官庁から承認を得るために新薬にて適切に治験を行う観点から製薬会社11又は受託機関12が定めた治験の条件に基づいて、製薬会社11又は受託機関12の医薬情報担当者が、前述の
図3の医療施設特定情報の場合と同様に自己の端末装置5を操作することにより格納される。つまり、製薬会社11又は受託機関12の医薬情報担当者が、任意のタイミング(例えば、医療システム400の運用の開始時等)で入力することにより格納される。
【0057】
(構成−管理サーバ−記録部−医療施設関連情報DB−治験選択条件情報)
次に、医療施設関連情報DB431に格納される不図示の「治験選択条件情報」とは、
図7の治験選択当否情報を用いて、治験を行う治験施設に案内する患者を選択する選択基準を特定する情報であり、例えば、治験選択当否情報の当否情報を用いる限りにおいて任意の情報である。つまり、この不図示の治験選択条件情報としては、例えば、「当否情報で否が無いこと(つまり、全て当であること)」、「当否情報の否が1個以下であること」、あるいは、「心臓発作及び脳卒中が当であること」等の任意の情報を用いることができるが、ここでは、例えば、治験選択条件情報として「当否情報で否が無いこと(つまり、全て当であること)」を用いる場合について説明する。
【0058】
そして、このよう治験選択条件情報については、任意の手法にて格納することができるが、例えば、
図7の治験選択当否情報の場合と同様にして格納される。
【0059】
(構成−管理サーバ−記録部−治験施設関連情報DB)
図2の治験施設関連情報DB432は、治験施設に関連する情報を格納する格納手段であり、例えば、治験施設情報を格納する治験施設情報格納手段、治験関連患者情報を格納する治験関連患者情報格納手段、及び治験判定基準情報を格納する治験判定基準情報格納手段として機能するものであり、例えば、治験施設情報、治験関連患者情報、及び治験判定基準情報を格納するものである。
【0060】
以下では、治験施設情報、治験関連患者情報、及び治験判定基準情報について、具体的に説明する。
【0061】
(構成−管理サーバ−記録部−治験施設関連情報DB−治験施設情報)
まず、「治験施設情報」とは、複数の治験施設に関する情報である。
図8は、治験施設情報を例示した図である。この
図8に示されるように治験施設情報は、例えば、項目「治験施設ID」、項目「治験施設名情報」、項目「治験施設住所情報」、及び項目「治験実績情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。
【0062】
ここで、項目「治験施設ID」に対応する情報は、治験施設を一意に識別する治験施設IDである(
図8では、
図1に図示されている治験施設21〜23各々を識別する「IDt1」、「IDt2」、「IDt3」等)。また、項目「治験施設名情報」に対応する情報は、治験施設の名称を特定する治験施設名情報である(
図8では、
図1に図示されている治験施設2の各々の名称である「A総合病院」等)。また、項目「治験施設住所情報」に対応する情報は、治験施設の住所を特定する治験施設住所情報である(
図8では、「東京都・・・」等)。また、項目「治験実績情報」に対応する情報は、案内対象治験施設として選択された回数及び治験の薬を用いて治療された疾病を特定する治験実績情報である(
図8では、
図6の薬情報の薬疾病情報に対応する情報と、回数とを組み合わせた情報であり、「肝臓癌(10)」等)。なお、この
図8の「肝臓癌(10)」は、肝臓癌を治療する薬に関する案内対象治験施設として、過去に10回選択されたこと(つまり、
図1の治験施設21では、肝臓癌を治療する薬に関して過去に10種類の治験を行った実績があること)を特定していることとして以下説明する。
【0063】
そして、このような
図8の治験施設情報については、任意の手法にて格納することができるが、例えば、製薬会社11又は受託機関12の医薬情報担当者、あるいは、治験施設2の医療従事者が、前述の
図3の医療施設特定情報の場合と同様に自己の端末装置5を操作することにより格納される。つまり、製薬会社11又は受託機関12の医薬情報担当者、あるいは治験施設2の医療従事者が、任意のタイミング(例えば、医療システム400の運用の開始時等)で入力することにより格納される。
【0064】
(構成−管理サーバ−記録部−治験施設関連情報DB−治験関連患者情報)
次に、「治験関連患者情報」とは、治験施設に案内された患者に関する情報である。
図9は、治験関連患者情報を例示した図である。この
図9に示されるように治験関連患者情報は、例えば、項目「治験施設ID」、項目「患者ID」、項目「患者氏名情報」、項目「患者性別情報」、項目「患者年齢情報」、項目「患者疾病情報」、項目「質問回答情報」、及び項目「治験判定結果情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。
【0065】
なお、項目「治験施設ID」に対応する情報は、
図8の同一名称の項目の情報と共通である。また、項目「患者ID」、項目「患者氏名情報」、項目「患者性別情報」、項目「患者年齢情報」、項目「患者疾病情報」、及び項目「質問回答情報」各々に対応する情報は、
図4の同一名称の項目の情報と共通である。
【0066】
ここで、項目「治験判定結果情報」に対応する情報は、患者について治験を行うか否かの判定結果を特定する治験判定結果情報である(
図9では、治験を行うものと判定した結果である「対象」及び治験を行わないものと判定した結果である「非対象」)。
【0067】
そして、このような
図9の治験関連患者情報については、任意の手法にて格納することができるが、例えば、一部の情報(
図9の治験判定結果情報以外の情報)については、後述の患者案内処理にて格納され、他の一部の情報(
図9の治験判定結果情報)については、後述の治験判定処理にて格納される。
【0068】
(構成−管理サーバ−記録部−治験施設関連情報DB−治験判定基準情報)
次に、治験施設関連情報DB432に格納される不図示の「治験判定基準情報」とは、患者の治験を行うか否かを判定する判定基準を特定する情報であり任意の情報であるが、例えば、前述の治験選択条件情報とは異なる条件(例えば、治験選択条件情報よりも厳しい条件)を特定する情報であって、治験施設側で行われる患者の精密検査(例えば、血液検査、MRI検査等)によって特定される項目の条件(例えば、赤血球及び白血球の数が所定の範囲内であり、癌の大きさが所定の範囲内であること)を特定する情報である。
【0069】
そして、このよう治験判定基準情報については、任意の手法にて格納することができるが、例えば、
図7の治験選択当否情報の場合と同様にして格納される。
【0070】
(構成−管理サーバ−制御部)
図2の制御部44は、管理サーバ4を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る医療プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して管理サーバ4にインストールされることで、制御部44の各部を実質的に構成する(後述の制御部56も同様とする)。
【0071】
また、この制御部44は、機能概念的に、患者選択部441、医療施設選択部442、治験施設選択部443、案内部444、判定部445、出力部446を備えている。そして、患者選択部441は、医療施設関連情報DB431に格納された治験選択基準情報と、医療施設関連情報DB431に格納された患者情報とに基づいて、治験施設2に案内する患者を選択する患者選択手段である。医療施設選択部442は、医療施設関連情報DB431に格納された医療施設情報に基づいて、患者を治験施設2に案内するべき医療施設3である案内対象医療施設を複数の医療施設3から選択する医療施設選択手段である。治験施設選択部443は、治験施設関連情報DB432に格納された治験施設情報に基づいて、患者を案内するべき治験施設2である案内対象治験施設を複数の治験施設2から選択する治験施設選択手段である。案内部444は、患者選択部441に選択された患者を治験施設2に案内する案内手段である。判定部445は、治験施設関連情報DB432に格納された治験判定基準情報に基づいて、案内部444が治験施設2に案内した患者について治験を行うか否かを判定する判定手段である。出力部446は、判定部445の判定結果を出力する出力手段である。なお、この制御部44の各部により行われる処理については後述する。
【0072】
(構成−端末装置)
次に、端末装置5の構成について説明する。端末装置5は、例えば、管理サーバ4にアクセスする者によって用いられる装置の総称であり、一例としては、製薬会社11又は受託機関12の医薬情報担当者、あるいは、治験施設2又は医療施設3の医療従事者によって用いられる携帯端末、又は据え置き型端末として構成することができる装置である。この端末装置5は、例えば、通信部51、操作部52、ディスプレイ53、スピーカ54、記録部55、及び制御部56を備えている。
【0073】
(構成−端末装置−通信部)
通信部51は、管理サーバ4との間で通信するための通信手段である。
【0074】
(構成−端末装置−操作部)
操作部52は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。
【0075】
(構成−端末装置−ディスプレイ)
ディスプレイ53は、制御部56の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ53の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いて構成することができる。
【0076】
(構成−端末装置−スピーカ)
スピーカ54は、制御部56の制御に基づいて各種の音声を出力する音声出力手段である。このディスプレイ53の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の音声出力回路等を用いて構成することができる。
【0077】
(構成−端末装置−記録部)
記録部55は、端末装置5の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。
【0078】
(構成−端末装置−制御部)
制御部56は、端末装置5を制御する制御手段である。なお、この制御部56の各部により行われる処理については、後述する。
【0079】
(処理)
次に、このように構成される医療システム400によって実行される処理について説明する。ここでは、例えば、治験施設選択処理、医療施設選択処理、質問回答情報格納処理、患者案内処理、及び治験判定処理について説明する。
【0080】
(処理−治験施設選択処理)
次に、治験施設選択処理について説明する。
図10は、治験施設選択処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「治験施設選択処理」とは、案内対象治験施設を選択する処理であり、例えば、主に管理サーバ4にて行われる処理である。この治験施設選択処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、
図1の受託機関12の医薬情報担当者が、治験施設選択処理を実行するべく管理サーバ4にアクセスするために、自己の端末装置5の操作部52を介して所定操作を行った場合に起動して実行を開始するものとして、実行が開始されたところから説明する。なお、端末装置5及び管理サーバ4の相互間のアクセスについては、端末装置5の通信部51及び管理サーバ4の通信部41の相互間の通信にて行われるが、この通信については公知の通信技術を用いて行われることとし、本願での詳細の説明については省略する。ここでは、例えば、
図1の製薬会社11が新たに開発した肝臓癌の抗がん剤の治験業務を行う案内対象治験施設を選択するために、受託機関12の医薬情報担当者が、治験の対象となる肝臓癌の抗がん剤を用いて治療される疾病である「肝臓癌」を指定する所定操作を行うことにより、治験施設選択処理が起動されるものとして、説明する。
【0081】
まず、
図10のSA1において管理サーバ4の治験施設選択部443は、情報を取得する。具体的な手法は任意であるが、例えば、治験施設選択処理の起動時に指定された疾病の情報である「肝臓癌」と、
図8の治験施設情報とを取得する。
【0082】
図10に戻って、SA2において管理サーバ4の治験施設選択部443は、案内対象治験施設を選択する。具体的な手法は任意であるが、例えば、SA1で取得した各情報に基づいて、所定のルール(例えば、製薬会社1の意図を反映したルールであり、一例としては、治験の対象の薬を用いて治療する疾病についての治験の実績が最も多い治験施設を案内対象治験施設にするというルール)に従って、治験施設から案内対象治験施設を選択する。ここでは、例えば、
図8の治験施設IDである「IDt1」の治験実績情報の「肝臓癌(10)」が示すように、この治験施設IDである「IDt1」が示す治験施設21が、SA1で取得した「肝臓癌」についての実績が最も多い治験施設となっているので、治験施設21を案内対象治験施設として選択する。
【0083】
図10に戻って、SA3において管理サーバ4の治験施設選択部443は、情報を格納及び出力する。具体的な手法は任意であるが、例えば、SA2で選択した案内対象治験施設を記録部43に格納し、また、治験施設選択処理を起動する場合に管理サーバ4にアクセスした端末装置5のディスプレイ53にSA2で選択した案内対象治験施設を表示する。ここでは、例えば、治験施設21が案内対象治験施設として選択されたので、治験施設21の治験施設IDである「IDt1」を記録部43に格納し、「A総合病院が案内対象治験施設に選択されました」の如きメッセージをディスプレイ53に表示する。この場合、任意であるが、受託機関12の医薬情報担当者は、当該メッセージを視認した上で、治験施設21の担当部署(又は、責任者)に対して治験の提案を行い、治験施設21を前述の肝臓癌の抗がん剤の案内対象治験施設とする契約(例えば、治験施設21が治験を行う代償として、受託機関12又は製薬会社11が治験施設21に金銭を支払う等の契約)を行う。これにて、治験施設選択処理を終了する。
【0084】
(処理−医療施設選択処理)
次に、医療施設選択処理について説明する。
図11は、医療施設選択処理のフローチャートである。「医療施設選択処理」とは、案内対象医療施設を選択する処理であり、例えば、主に管理サーバ4にて行われる処理である。この医療施設選択処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、
図10の治験施設選択処理と同様にして、実行を開始するものとして、実行が開始されたところから説明する。
【0085】
まず、
図11のSB1において管理サーバ4の医療施設選択部442は、情報を取得する。具体的な手法は任意であるが、例えば、
図3の医療施設特定情報、
図4の医療施設側患者情報、
図5の医師情報、及び
図6の薬情報を取得する。
【0086】
図11に戻って、SB2において管理サーバ4の医療施設選択部442は、案内対象医療施設を選択する。具体的な手法は任意であるが、例えば、医療施設選択処理の起動時に、
図1の受託機関12の医薬情報担当者が、医療施設選択基準情報を自己の端末装置5を介して指定することとし、この指定した医療施設選択基準情報と、SB1で取得した情報とに基づいて選択する。
【0087】
ここで、「医療施設選択基準情報」とは、医療施設を選択するための基準を示す情報であり、例えば、SB1で取得し得る情報に関する基準であり、一例としては、過去所定期間(例えば、6カ月前から現在等)内に来院した患者が所定人数(例えば、500名〜600名等)以上であること、病床数が所定数(例えば、11床〜12床)以上であること、所属している医師が所定数(例えば、5人〜6人)以上であること、所属している各医師が著者となっている論文数の合計が250報以上であること、治験の対象の薬を用いて治療する疾病に対応する診療科が存在すること、当該疾病を治療するための既存の薬(つまり、既に承認を受けて市販されている薬)を処方又は投与した分量が所定の分量(例えば、200kg〜250kg)以上であること、過去に治験を受ける候補者として治験施設に紹介した患者の数が所定数(例えば、25人〜30人)以上であること等を含む概念である。
【0088】
ここでは、例えば、医療施設選択処理の起動時に、
図1の受託機関12の医薬情報担当者が、所属している各医師が著者となっている論文数の合計が250報以上であることを、医療施設選択基準情報として指定したものとして、各図に具体的に示されている情報から選択する場合について説明する。この場合、
図3の「Aクリニック」に所属する医師である
図5の「DD 11」及び「DD 12」の論文数の合計は、200+100=300報となり、「Bクリニック」に所属する医師である「DD 21」及び「DD 22」の論文数の合計は、10+150=160報となり、「Cクリニック」に所属する医師である「DD 31」及び「DD 31」の論文数の合計は、5報となるので、250報以上となる
図3の「Aクリニック」に対応する
図1の医療施設31を案内対象医療施設として選択する。
【0089】
図11に戻って、SB3において管理サーバ4の医療施設選択部442は、情報を格納及び出力する。具体的な手法は任意であるが、例えば、SB2で選択した案内対象医療施設を記録部43に格納し、また、医療施設選択処理を起動する場合に管理サーバ4にアクセスした端末装置5のディスプレイ53にSB2で選択した案内対象医療施設を表示する。ここでは、例えば、医療施設31が案内対象医療施設として選択されたので、医療施設31の医療施設IDである「IDh1」を記録部43に格納し、「Aクリニックが案内対象治験施設に選択されました」の如きメッセージをディスプレイ53に表示する。この場合、任意であるが、受託機関12の医薬情報担当者は、当該メッセージを視認した上で、医療施設31の担当部署(又は、責任者)に対して治験の候補者として患者を紹介してもらう提案を行い、医療施設31を前述の肝臓癌の抗がん剤の治験の候補者として患者を紹介してもらう案内対象医療施設とする契約(例えば、医療施設31が患者を紹介する(つまり、医療施設31に関連付けられている患者を案内する)代償として、受託機関12又は製薬会社11が医療施設31に金銭を支払う等の契約)を行う。これにて、医療施設選択処理を終了する。
【0090】
(処理−質問回答情報格納処理)
次に、質問回答情報格納処理について説明する。
図12は、質問回答情報格納処理のフローチャートである。「質問回答情報格納処理」とは、
図4の医療施設側患者情報の質問回答情報を格納する処理であり、例えば、主に端末装置5にて行われる処理であって、特に、
図11のSB3にて案内対象医療施設として契約した(つまり、SB2にて案内対象医療施設として選択された)医療施設3の医療従事者の端末装置5にて行われる処理である。この質問回答情報格納処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、
図11のSB3にて案内対象医療施設として契約した
図1の医療施設31に患者が来院し、当該医療施設31の医療従事者が当該患者に対して問診を行うために、自己の端末装置5の操作部52を介して所定操作を行った場合に起動して実行を開始するものとして、実行が開始されたところから説明する。
【0091】
まず、
図12のSC1において端末装置5の制御部56は、問診を行うための情報を表示する。具体的な手法は任意であるが、例えば、管理サーバ4にアクセスしての
図7の治験選択当否情報を取得し、取得した治験選択当否情報を、ディスプレイ53に表示する。情報の表示について詳細には、
図7の質問情報に対応する質問を表示し、また、当該質問の回答の候補として
図7の回答情報を表示する。ここでは、例えば、
図7の「心臓発作」に対応する質問として「過去に心臓発作を経験したことはありますか?ある場合は、いつ頃ですか?」を表示し、また、当該質問に対する回答の候補として、「1年前から現在までの間」、「〜1年前」、「1年前〜2年前」、「2年前〜3年前」、「3年前〜」、及び「なし」を表示する。また、「脳卒中」及び「持病」等についても同様に表示する。
【0092】
図12に戻って、SC2において端末装置5の制御部56は、回答を受け付けたか否かを判定する。具体的な手法は任意であるが、例えば、操作部52を介してSC1で表示した回答を所定時間(例えば、5分〜6分程度)以内に受け付けたか否かを判定する。そして、操作部52を介してSC1で表示した回答を所定時間以内に受け付けなかったと判定した場合(SC2のNO)、SC4に移行する。また、操作部52を介してSC1で表示した回答を所定時間以内に受け付けたものと判定した場合(SC2のYES)、SC3に移行する。ここでは、例えば、SC1で表示した回答を選択して入力できるように構成されているものとし、医療従事者が、SC1で表示した情報を視認した上で、視認した情報に基づいて患者に対して問診を行い、問診結果に基づいて回答を選択して入力した場合、操作部52を介してSC1で表示した回答を所定時間以内に受け付けたものと判定する。
【0093】
SC3において端末装置5の制御部56は、SC2で受け付けた回答を格納する。具体的な手法は任意であるが、例えば、SC2で受け付けた回答と、当該回答に対応する質問とを取得し、管理サーバ4にアクセスして
図4の質問回答情報として、前述の取得した回答及び質問を組み合わせて格納する。ここでは、例えば、
図4の患者IDである「IDp1」の患者に対して問診を行い、SC2にて「心臓発作」に対応する質問について「なし」の回答を受け付けた場合、
図4の最上段の質問回答情報の「心臓発作:なし」を格納する。
【0094】
図12に戻って、SC4において端末装置5の制御部56は、質問回答情報格納処理を終了するか否かを判定する。具体的な手法は任意であるが、例えば、ディスプレイ53に終了ボタンが表示されることとし、この終了ボタンが所定時間(例えば、5秒〜10秒等)内に押下されたか否かに基づいて判定する。そして、終了ボタンが所定時間内に押下されなかった場合、質問回答情報格納処理を終了しないものと判定し(SC4のNO)、SC2に移行する。ここでは、例えば、この後SC2及びSC3を繰り返し実行することにより、
図4の最上段の質問回答情報の「脳卒中:2年前〜3年前」及び「持病:高血圧」等も格納されることになる。また、終了ボタンが所定時間内に押下された場合、質問回答情報格納処理を終了するものと判定し(SC4のYES)、終了する。これにて、質問回答情報格納処理を終了する。
【0095】
(処理−患者案内処理)
次に、患者案内処理について説明する。
図13は、患者案内処理のフローチャートである。「患者案内処理」とは、患者を治験施設に案内する処理であり、例えば、主に管理サーバ4にて行われる処理である。この患者案内処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、
図12の質問回答情報格納処理を行った後に、
図11のSB3にて案内対象医療施設として契約した(つまり、SB2にて案内対象医療施設として選択された)
図1の医療施設31の医療従事者が、患者からのリクエストに応じて又は当該リクエストに関わらず定期的(例えば、1週間毎)に、質問回答情報格納処理を実行するべく管理サーバ4にアクセスするために、自己の端末装置5の操作部52を介して所定操作を行った場合に起動して実行を開始するものとして、実行が開始されたところから説明する。ここでは、特に、医療施設31の医療従事者が、自己の医療施設31の患者の中で治験を案内するべき患者がいるか否かを定期的に確認することとし、患者からのリクエストの有無に関わらず自己の医療施設31の患者全てについて当該確認を行うために、定期的に患者案内処理を起動するものとして以下説明する。
【0096】
まず、SD1において管理サーバ4の患者選択部441は、情報を取得する。具体的な手法は任意であるが、例えば、患者案内処理の起動時に、医療施設31の医療従事者側の端末装置5から、管理サーバ4に対して当該端末装置5の所属する医療施設31の医療施設IDである「IDh1」が送信されることとし、患者選択部441は、この送信された医療施設IDを取得し、
図3の医療施設特定情報にて当該取得した医療施設IDに対応付けられている患者IDを特定し、この後、
図4の医療施設側患者情報にて当該特定した患者IDに対応付けられている情報を、患者IDを含めて取得する。また、患者選択部441は、
図7の治験選択当否情報及び医療施設関連情報DB431に格納される不図示の治験選択条件情報を取得する。
【0097】
ここでは、例えば、送信された医療施設IDである「IDh1」を取得し、
図3の医療施設特定情報にて当該「IDh1」に対応付けられている患者IDである「IDp1」及び「IDp2」を特定し、この後、
図4の医療施設側患者情報にて図面最上段及び2段目の情報を取得する。また、例えば、
図7の治験選択当否情報及び不図示の治験選択条件情報を取得する。
【0098】
図13に戻って、SD2において管理サーバ4の患者選択部441は、案内する患者を選択する。具体的な手法は任意であるが、例えば、SD1で取得した
図4の医療施設側患者情報、
図7の治験選択当否情報及び不図示の治験選択条件情報に基づいて、治験施設2に案内する患者を選択する。詳細には、SD1で取得した
図4の質問回答情報の各々については、
図7の当否情報の「当」又は「否」を割り当てて、治験選択条件情報である「当否情報で否が無いこと(つまり、全て当であること)」に該当するか否かを各患者について判定し、該当するものと判定した患者を治験施設2に案内する患者として選択する。
【0099】
ここでは、例えば、
図4の患者である「PP 11」の質問回答情報である「心臓発作:なし,脳卒中:2年前〜3年前,持病:高血圧,・・・」にいついては、「心臓発作」=「当」、「脳卒中」=「当」、及び「持病」=「当」を割り当て、また、患者である「PP 12」の質問回答情報である「心臓発作:1年前〜2年前,脳卒中:なし,持病:糖尿病,・・・」にいついても、「心臓発作」=「当」、「脳卒中」=「当」、及び「持病」=「当」を割り当てて、患者である「PP 11」及び「PP 12」が治験選択条件情報である「当否情報で否が無いこと(つまり、全て当であること)」に該当するものと判定して選択する。
【0100】
図13に戻って、SD3において管理サーバ4の患者選択部441は、情報を格納する。具体的な手法は任意であるが、
図4の医療施設側患者情報において、前述のSD2で選択した患者の情報を取得し、また、
図10のSA3で記録部43の格納した治験施設IDを取得した上で、これらの取得した情報を、
図9の治験関連患者情報の一部の情報(治験判定結果情報以外の情報)として格納する。ここでは、例えば、
図4の医療施設側患者情報にて図面最上段及び2段目の情報を取得し、また、
図10のSA3で記録部43の格納した治験施設IDである「IDt1」を取得した上で、これらの取得した情報を、
図9の治験判定結果情報以外の図面最上段及び2段目の情報として格納する。
【0101】
図13に戻って、SD4において管理サーバ4の案内部444は、案内する。具体的な手法は任意であるが、SD2において選択した患者を
図10のSA2で選択した案内対象治験施設に案内する。詳細には、SD3と同様にして
図10のSA3で記録部43の格納した治験施設IDを取得した上で、患者案内処理を起動する場合に管理サーバ4にアクセスした端末装置5のディスプレイ53に対して、当該取得した治験施設IDが特定する治験施設2に
図13のSD2で選択した患者を紹介する情報を表示する。ここでは、例えば、「IDt1」を取得した上で、「患者である「PP 11」及び「PP 12」が、A総合病院にて実施されている治験の対象となる可能性があるので、患者に治験を紹介して下さい」の如きメッセージをディスプレイ53に表示して案内する。この場合、任意であるが、医療施設3の医療従事者は、当該メッセージを視認した上で、患者である「PP 11」及び「PP 12」に対して治験の提案を行う。これにて、患者案内処理を終了する。
【0102】
(処理−治験判定処理)
次に、治験判定処理について説明する。
図14は、治験判定処理のフローチャートである。「治験判定処理」とは、治験を行うか否かを判定する処理であり、例えば、主に管理サーバ4にて行われる処理である。この治験判定処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、
図13の患者案内処理を行った後に、
図13のSD2にて選択された患者が、
図10のSA2にて案内対象治験施設として選択された治験施設21に来院し、精密検査(例えば、血液検査(赤血球及び白血球の数する検査等)、MRI検査(癌の大きさを計測する検査)等)を受けた後に、治験施設21の医療従事者が、治験判定処理を実行するべく管理サーバ4にアクセスするために、自己の端末装置5の操作部52を介して所定操作を行った場合に起動して実行を開始するものとして、実行が開始されたところから説明する。
【0103】
まず、
図14のSE1において管理サーバ4の判定部445は、情報を取得する。具体的な手法は任意であるが、例えば、治験判定処理を起動する前に行った精密検査の結果が、
図9の治験関連患者情報の各患者の情報に対応付けられて格納されていることとし、
図9に図示されている情報のうちの治験施設ID及び治験判定結果情報以外の情報を取得し、また、前述の格納されている精密検査の結果の情報を取得し、また、治験施設関連情報DB432の治験判定基準情報である「赤血球及び白血球の数が所定の範囲内であり、癌の大きさが所定の範囲内であること」を取得する。
【0104】
図14に戻って、SE2において管理サーバ4の判定部445は、治験を行うか否かを判定する。具体的な手法は任意であるが、例えば、SD1で取得した各情報に基づいて判定するが、詳細には、取得した精密検査の結果の情報が特定する赤血球及び白血球の数が治験判定基準情報が特定する所定の範囲内であるか否か、及び、取得した精密検査の結果の情報が特定する癌の大きさが治験判定基準情報が特定する所定の範囲内であるか否かに基づいて判定する。そして、赤血球及び白血球の数が所定の範囲内であり、且つ、癌の大きさが所定の範囲内であるものと判定した場合、治験を行うものと判定し、これ以外の場合(つまり、赤血球及び白血球の数が所定の範囲内でない場合、又は、癌の大きさが所定の範囲内でない場合)には、治験を行わないものと判定する。ここでは、例えば、患者である「PP 11」については治験を行うものと判定し、患者である「PP 12」については治験を行わないものと判定する。
【0105】
図14に戻って、SE3において管理サーバ4の出力部446は、情報を格納及び出力する。具体的な手法は任意であるが、例えば、SE2の判定結果を
図9の治験判定結果情報に格納し、また、治験判定処理を起動する場合に管理サーバ4にアクセスした端末装置5のディスプレイ53にSE2での判定結果を表示する。ここでは、例えば、
図9の治験判定結果情報において、患者である「PP 11」については治療を行うものと判定したので「対象」を格納し、また、患者である「PP 12」については治療を行わないものと判定したので「非対象」を格納する。また、例えば、治験施設21の医療従事者の端末装置5のディスプレイに、「患者である「PP 11」は治験の対象になりましたが、患者である「PP 12」は治験の対象になりませんでした」の如きメッセージを表示する。この場合、任意であるが、治験施設21の医療従事者は、当該メッセージを視認した上で、各患者に治験の実施の可否を伝達する。これにて、治験判定処理を終了する。
【0106】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、治験選択基準情報と患者情報とに基づいて治験施設に案内する患者を選択することにより、例えば、患者を選択する選択基準に基づいて患者を制限することができるので、治験に適した患者を集め易くすることが可能となる。また、例えば、患者情報に基づいて患者を選択することができるので、新聞広告等を用いて患者を募集する必要が無くなり、患者の募集費用を削減して治験のコストを抑えることが可能となる。
【0107】
また、患者選択部441に選択された患者を治験施設に案内することにより、例えば、治験を受ける候補になり得る患者を治験施設2に確実に訪問させることができるので、治験に適した患者を確実に集め易くすることが可能となる。また、例えば、患者が治験の存在を認識していたか否かに関わらず、当該患者に対して新たな治療のオプションを提示することが可能となる。
【0108】
また、患者を治験施設2に案内するべき医療施設3である案内対象医療施設を複数の医療施設3から選択することにより、例えば、治験のために患者を案内する契約をあらゆる医療施設3との間で結ぶことが不要となるので、前述の契約を結ぶコスト(例えば、交渉コストや代償として支払う金銭コスト等)を削減して治験のコストを抑えることが可能となる。また、例えば、治験施設2に対してあらゆる医療施設3から患者が紹介されることを防止することができるので、紹介される患者が増加して治験施設2側の業務に支障を来たすことを防止することが可能となる。
【0109】
また、患者を案内するべき治験施設2である案内対象治験施設を複数の治験施設2から選択することにより、例えば、治験に適した治験施設2を選択することができるので、実施される治験の精度を向上させることができる。
【0110】
また、治験を行うか否かを判定することにより、例えば、治験に関して人が介在する作業工程を減らすことができるので、治験を行うための作業負担を軽減することが可能となる。
【0111】
〔変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良できる。以下、このような変形例について説明する。
【0112】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0113】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。また、上記実施の形態で説明した各情報(DBを含む)については、そのデータ構造を任意に変更してもよい。
【0114】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0115】
(案内対象治験施設の選択について)
また、上記実施の形態の
図10のSA2において、他の基準にて案内対象治験施設を選択してもよい。例えば、治験施設2についても、
図3の医療施設特定情報の各情報の1つ以上の情報と同様な情報が格納されていることとし、この情報を利用して案内対象医療施設を選択する場合と同様にして、案内対象治験施設を選択してもよい。
【0116】
(各処理について(その1))
また、上記実施の形態の各処理については、実施の形態で記載された起動条件又は起動順序とは異なる任意の条件及び順序にて動作さたり、医療システム400において一部の処理を省略して医療環境の実情に合致するように変更してもよい。例えば、案内対象治験施設又は案内対象医療施設は予め定められていることとし、治験施設選択処理、医療施設選択処理、質問回答情報格納処理、患者案内処理、及び治験判定処理のうちの、治験施設選択処理及び医療施設選択処理を省略して、予め定められている各施設に関して残りの処理を行うようにしてもよい。
【0117】
(各処理について(その2))
また、治験施設2及び医療施設3に対して、案内対象治験施設又は案内対象医療施設として選択された場合にはこれらの各施設として利用すること、という合意が予め得られている場合、上記実施の形態において、可能な限り人の介在を省略して自動化してもよい。具体的には、
図10〜
図14の各処理を所定時間(例えば、24時間〜48時間)毎に繰り返し実行するように構成して、自動化してもよい。この場合、
図10のSA3及び
図11のSB3で格納した情報を参照して、案内対象治験施設及び案内対象医療施設を把握し、この把握した情報に基づいて自動処理してもよい。また、このように自動化する場合、医療従事者等の介在を可能な限り省略するために、
図13のSD4の案内及び
図14のSE3の出力については、各患者の端末(例えば、スマートフォン、あるいは、自宅のPC等)に対して直接メッセージを出力してもよい。
【0118】
(情報の出力について)
また、上記実施の形態の表示出力される情報を、
図2のスピーカ54にて音声出力してもよい。
【0119】
(他の者による実行について)
また、上記実施の形態の
図3の質問回答情報格納処理を、医療従事者以外の者(例えば、治験施設支援機関であるSMO(Site Management Organization))に行わせてもよい。
【0120】
(各ステップについて)
また、上記実施の形態の各ステップの一部を省略したり、一部を抜き出して並列的に動作させてもよいし、公知の処理を示す追加ステップに代替したり、あるいは、当該追加ステップを追加したりしてもよい。例えば、
図12のSC1〜SC4については、説明の便宜上、直列的に記載したが例えば、終了条件であるSC4を抜き出しての残りの処理に対して並列的に動作させてもよい。
【0121】
(再案内部について)
また、上記実施の形態において、再案内部を設けてもよい。ここで、「再案内部」とは、判定手段にて治験を行うものと判定されなかった患者を他の治験施設に案内する再案内手段である。また、「他の治験施設」とは、患者が治験を行うものと判定されなかった治験施設とは異なる別の治験施設であり、例えば、
図1の治験施設21にて治験を行うものと判定されなかった場合には、治験施設22又は治験施設23等に相当する。なお、ここでは、この再案内される患者側の視点によれば、当該患者の疾病に関連する治験を行っている治験施設を他の治験施設として案内する必要があるが、本願発明を適用して1種類の疾病に対して(同一の製薬会社又は相互の異なる複数の製薬会社の)複数種類の薬の治験が相互に同時期に行われることが考えられるが、このような場合、再案内される患者の疾病の治療に効果的な薬の治験を行っている治験施設を他の治験施設として案内する。また、再案内を行う場合には、実施の形態の患者案内処理と同様な処理を行って案内してもよいし、実施の形態で説明した基準とは別の基準を設けて当該基準に基づいて案内してもよいし、あるいは、一度は患者が治験の候補になったことを考慮して無条件に案内してもよい。また、治験を行うものと判定したものの、治験を行う者の総数が製薬会社によって定められた一定数を超えてしまい、結果として治験をうけられなかった患者に対しても、上述の再案内を行ってもよい。このように構成することにより、治験を行うものと判定されなかった患者を他の治験施設に案内することにより、例えば、他の治験施設についても、治験に適した患者を集め易くすることが可能となる。また、例えば、治験を受けることを希望している患者に対して、新たな治療のオプションを提示することが可能となる。
【0122】
(情報の利用について)
また、上記実施の形態の医療システム400を用いて行われる任意の処理(上述の各処理又は各処理以外の公知の処理)を行う過程で、管理サーバ4と端末装置5との間で通信された情報について、後に検索可能とするために識別子を付して格納してもよい。このように構成した場合、医療従事者の業務(例えば、医師の論文作成業務等)に資することが可能となる。
【0123】
(治験の結果について)
また、上記実施の形態の医療システム400が治験の結果も管理するように構成してもよい。例えば、製薬会社11又は受託機関12の医薬情報担当者、あるいは、治験施設2の医療従事者が治験を行った患者各々の治験の経過又は結果等を、管理サーバ4に格納して管理してもよい。
【0124】
(医療システムの解釈について)
また、「医療システム」の解釈については、上記実施の形態では、管理サーバ及び端末装置を医療システムであるものと説明したが、管理サーバのみを医療システムであるものと解釈してもよい。
【0125】
(複数の要素について)
また、上記実施の形態では、1種類の薬の治験を行うために、案内対象治験施設及び案内対象医療施設が1つずつ選択される場合を例示したが、これに限らない。例えば、1つの治験施設又は医療施設を、同時期に、複数種類の薬の案内対象治験施設又は案内対象医療施設として機能させてもよい。この場合、複数の薬の複数の製薬会社各々からのインセンティブに応じて、治験施設又は医療施設側では、患者を案内したり治験を行ったりしてもよい。また、例えば、製薬会社間の過度な競争を防止する観点から、1つの治験施設又は医療施設については、同時期に、1種類のみの薬の案内対象治験施設又は案内対象医療施設として機能させるよう制限してもよい。
【0126】
(特徴について)
また、上記実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に選択して組み合わせてもよい。
【0127】
(付記)
付記1の医療システムは、治験を行う治験施設に案内する患者を選択する選択基準を特定する治験選択基準情報を格納する治験選択基準情報格納手段と、前記患者の情報を特定する患者情報を格納する患者情報格納手段と、前記治験選択基準情報格納手段に格納された前記治験選択基準情報と、前記患者情報格納手段に格納された前記患者情報とに基づいて、前記治験施設に案内する前記患者を選択する患者選択手段と、を備える。
【0128】
付記2の医療システムは、付記1に記載の医療システムにおいて、前記患者選択手段に選択された前記患者を前記治験施設に案内する案内手段、を備える。
【0129】
付記3の医療システムは、付記2に記載の医療システムにおいて、前記患者が医療サービスを受ける複数の医療施設に関する情報である医療施設情報を格納する医療施設情報格納手段と、前記医療施設情報格納手段に格納された前記医療施設情報に基づいて、前記患者を前記治験施設に案内するべき医療施設である案内対象医療施設を前記複数の医療施設から選択する医療施設選択手段と、を備え、前記案内手段は、前記医療施設選択手段が選択した前記案内対象医療施設の前記医療サービスを受ける前記患者を前記治験施設に案内する。
【0130】
付記4の医療システムは、付記2又は3に記載の医療システムにおいて、複数の前記治験施設に関する情報である治験施設情報を格納する治験施設情報格納手段と、前記治験施設情報格納手段に格納された前記治験施設情報に基づいて、前記患者を案内するべき前記治験施設である案内対象治験施設を複数の前記治験施設から選択する治験施設選択手段と、を備え、前記案内手段は、前記治験施設選択手段が選択した前記案内対象治験施設に前記患者を案内する。
【0131】
付記5の医療システムは、付記2から4の何れか一項に記載の医療システムにおいて、前記患者の治験を行うか否かを判定する判定基準を特定する治験判定基準情報を格納する治験判定基準情報格納手段と、前記治験判定基準情報格納手段に格納された前記治験判定基準情報に基づいて、前記案内手段が前記治験施設に案内した前記患者について治験を行うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果を出力する出力手段と、を備える。
【0132】
付記6の医療システムは、付記5に記載の医療システムにおいて、前記判定手段にて治験を行うものと判定されなかった前記患者を他の治験施設に案内する再案内手段、を備える。
【0133】
付記7の医療プログラムは、治験を行う治験施設に案内する患者を選択する医療プログラムであって、コンピュータを、前記治験施設に案内する前記患者を選択する選択基準を特定する治験選択基準情報を格納する治験選択基準情報格納手段に格納された前記治験選択基準情報と、選択基準に関する前記患者の情報を特定する患者情報を格納する患者情報格納手段に格納された前記患者情報とに基づいて、前記治験施設に案内する前記患者を選択する患者選択手段、として機能させる。
【0134】
(付記の効果)
付記1に記載の医療システムによれば、治験選択基準情報と患者情報とに基づいて治験施設に案内する患者を選択することにより、例えば、患者を選択する選択基準に基づいて患者を制限することができるので、治験に適した患者を集め易くすることが可能となる。また、例えば、患者情報に基づいて患者を選択することができるので、新聞広告等を用いて患者を募集する必要が無くなり、患者の募集費用を削減して治験のコストを抑えることが可能となる。
【0135】
付記2に記載の医療システムによれば、患者選択手段に選択された患者を治験施設に案内することにより、例えば、治験を受ける候補になり得る患者を治験施設に確実に訪問させることができるので、治験に適した患者を確実に集め易くすることが可能となる。また、例えば、患者が治験の存在を認識していたか否かに関わらず、当該患者に対して新たな治療のオプションを提示することが可能となる。
【0136】
付記3に記載の医療システムによれば、患者を治験施設に案内するべき医療施設である案内対象医療施設を複数の医療施設から選択することにより、例えば、治験のために患者を案内する契約をあらゆる医療施設との間で結ぶことが不要となるので、前述の契約を結ぶコスト(例えば、交渉コストや代償として支払う金銭コスト等)を削減して治験のコストを抑えることが可能となる。また、例えば、治験施設に対してあらゆる医療施設から患者が紹介されることを防止することができるので、紹介される患者が増加して治験施設側の業務に支障を来たすことを防止することが可能となる。
【0137】
付記4に記載の医療システムによれば、患者を案内するべき治験施設である案内対象治験施設を複数の治験施設から選択することにより、例えば、治験に適した治験施設を選択することができるので、実施される治験の精度を向上させることができる。
【0138】
付記5に記載の医療システムによれば、治験を行うか否かを判定することにより、例えば、治験に関して人が介在する作業工程を減らすことができるので、治験を行うための作業負担を軽減することが可能となる。
【0139】
付記6に記載の医療システムによれば、治験を行うものと判定されなかった患者を他の治験施設に案内することにより、例えば、他の治験施設についても、治験に適した患者を集め易くすることが可能となる。また、例えば、治験を受けることを希望している患者に対して、新たな治療のオプションを提示することが可能となる。
【0140】
付記7に記載の医療プログラムによれば、選択基準情報と患者情報とに基づいて治験施設に案内する患者を選択することにより、例えば、患者を選択する選択基準に基づいて患者を制限することができるので、治験に適した患者を集め易くすることが可能となる。また、例えば、患者情報に基づいて患者を選択することができるので、新聞広告等を用いて患者を募集する必要が無くなり、患者の募集費用を削減して治験のコストを抑えることが可能となる。
【解決手段】医療システム400は、治験を行う治験施設に案内する患者を選択する選択基準を特定する治験選択基準情報としての治験選択当否情報及び治験選択条件情報と、患者の情報を特定する患者情報としての医療施設側患者情報とを格納する医療施設関連情報DB431と、医療施設関連情報DB431に格納された治験選択当否情報及び治験選択条件情報と、医療施設側患者情報とに基づいて、治験施設に案内する患者を選択する患者選択部441と、を備え、また、医療システム400において、患者選択部441に選択された患者を治験施設に案内する案内部444、を備える。