(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通話装置は、AndroidOSの搭載されたスマートフォンであり、前記AndroidOSにおいて、オーディオソースのうちのマイクロフォン入力の録音は可能であるが、オーディオソースのうちのボイスコールの録音は可能ではない状態であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通話録音システム。
ソフトウェア処理で通話が可能であるが通話相手の音声の録音が行えない通話装置と、マイクロフォンとイヤフォンとを備えた音声インターフェイスとの間で、前記通話装置と前記音声インターフェイスとにそれぞれ接続される通話録音アダプタであって、
前記通話装置から出力されるイヤフォン音声信号を減衰し、減衰後の前記イヤフォン音声信号を、前記音声インターフェイスの前記マイクロフォンから前記通話装置へ供給されるマイクロフォン音声信号に混合させるミキシング回路を備え、
前記ミキシング回路は、電源不要な受動素子のみで構成されており、
前記ミキシング回路の前記受動素子の値は、前記音声インターフェイスの前記マイクロフォンの出力インピーダンスに応じて設定されていること、
を特徴とする通話録音アダプタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通話録音では、スマートフォンなどの通話装置を操作するユーザーの音声と、通話相手の音声の両方を音声データとして取得する必要がある。
【0005】
例えば、AndroidOSを搭載したスマートフォンの場合、AndroidOSにより提供される録音機能が、通話録音などの音声記録に利用される。
【0006】
ここで、AndroidOSでは、音声記録のためにMediaRecorderクラスが定義されており、さらに、その中で使用可能なオーディオソースを示すMediaRecorder.AudioSourceクラスが定義されている。
【0007】
MediaRecorder.AudioSourceクラスでは、マイクロフォン入力(MIC)、音声通話(ボイスコール:VOICE_CALL)などがオーディオソースとして規定されている。
【0008】
したがって、スマートフォンなどの通話装置にAndroidOSが適切に実装されている場合には、オーディオソースとしてボイスコールを選択して音声記録を行うことで、通話録音が可能となる。
【0009】
しかしながら、一般的に、スマートフォンなどの通話装置にAndroidOSを実装する際、通話装置のベンダーが自社の装置に固有なカスタマイズをしつつAndroidOSを通話装置に実装するため、オーディオソースとしてボイスコールを選択しての音声記録が適切に実装させず、この方法で通話録音(特に通話相手の音声の録音)が行えないことがある。特に、オペレーティングシステム(ここではAndroidOS)のバージョンアップ時には、この方法での通話録音に不具合が発生しやすい。
【0010】
また、ある国では通話相手の音声の録音が法律上禁止されているため、仕様として一律に通話録音を実装していない通話装置も存在する。
【0011】
これらの状態の通話装置では、ソフトウェア処理で通話が可能であるが通話相手の音声の録音が行えない。
【0012】
なお、もちろん、例えば通話相手の音声をスピーカなどで出力して、通話装置とは別の装置(音声レコーダーなど)でその音声を録音することはできるものの、別の装置が必要になってしまい、通話録音のために必要な機器などに要するコストが高くなってしまい現実的ではない。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ソフトウェア処理で通話が可能であるがソフトウェア処理で通話相手の音声の録音が行えない通話装置において、自局側の通話音声とともに通話相手の音声を録音できる通話録音システムおよびその通話録音システムに使用可能な通話録音アダプタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る通話録音システムは、ソフトウェア処理で通話が可能であるが通話相手の音声の録音が行えない通話装置と、マイクロフォンとイヤフォンとを備えた音声インターフェイスと、上述の通話装置と上述の音声インターフェイスとの間で、上述の通話装置と上述の音声インターフェイスとにそれぞれ接続される通話録音アダプタとを備える。そして、通話装置は、外部からのマイクロフォン音声信号を受け付ける音声入力回路と、外部へイヤフォン音声信号を出力する音声出力回路と、そのマイクロフォン音声信号に基づく音声をソフトウェア処理でデジタルデータとして録音する録音処理部とを備える。また、通話録音アダプタは、通話装置から出力されるイヤフォン音声信号を減衰し、減衰後のイヤフォン音声信号を、音声インターフェイスのマイクロフォンから通話装置へ供給されるマイクロフォン音声信号に混合させるミキシング回路を備える。そして、通話装置の録音処理部は、減衰後のイヤフォン音声信号が混合されたマイクロフォン音声信号を、ソフトウェア処理でデジタルデータとして録音する。
【0015】
本発明に係る通話録音アダプタは、ソフトウェア処理で通話が可能であるが通話相手の音声の録音が行えない通話装置と、マイクロフォンとイヤフォンとを備えた音声インターフェイスとの間で、上述の通話装置と上述の音声インターフェイスとにそれぞれ接続される通話録音アダプタであって、その通話装置から出力されるイヤフォン音声信号を減衰し、減衰後のイヤフォン音声信号を、音声インターフェイスのマイクロフォンから通話装置へ供給されるマイクロフォン音声信号に混合させるミキシング回路を備える。そして、ミキシング回路は、電源不要な受動素子のみで構成されており、ミキシング回路の受動素子の値は、音声インターフェイスのマイクロフォンの出力インピーダンスに応じて設定されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ソフトウェア処理で通話が可能であるがソフトウェア処理で通話相手の音声の録音が行えない通話装置において、自局側の通話音声とともに通話相手の音声を録音できる通話録音システムおよびそのような通話録音システムに使用可能な通話録音アダプタが得られる。
【0017】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る通話録音システムの構成を示す図である。
図1に示す通話録音システムは、スマートフォン1と、音声インターフェイス2と、通話録音アダプタ3とを備える。スマートフォン1は、コンピュータを内蔵し、そのコンピュータでプログラムを実行することで(つまり、ソフトウェア処理で)通話処理を行う通話装置である。さらに、スマートフォン1は、ソフトウェア処理で通話が可能であるがソフトウェア処理で通話相手の音声の録音が行えない通話装置である。つまり、スマートフォン1では、通話中に受信した通話相手の音声の音声データをただちに記録することができない。なお、ここでは、通話装置として、スマートフォン1が使用されているが、その代わりに、ポータブルなパーソナルコンピュータ、タブレットPC(Personal Computer)などでもよい。
【0022】
この実施の形態では、スマートフォン1は、AndroidOSの搭載されたスマートフォンであり、AndroidOSにおいて、オーディオソースのうちのマイクロフォン入力の録音は可能であるが、オーディオソースのうちのボイスコールの録音(つまり、自局側のユーザーの音声と通話相手の音声の両方の録音)は可能ではない状態とされている。
【0023】
音声インターフェイス2は、マイクロフォンとイヤフォンとを備え、通話時にスマートフォン1のユーザーにより使用されるヘッドセット、イヤホンセットなどといった装置である。
【0024】
通話録音アダプタ3は、スマートフォン1と音声インターフェイス2との間で、スマートフォン1と音声インターフェイス2とにそれぞれ接続され、後述のような特定の機能を有する。なお、通話録音アダプタ3は、ケーブルの形態でもよいし、モジュール状の形態でもよい。また、通話録音アダプタ3は、音声インターフェイス2に内蔵されていても、音声インターフェイス2とは別体とされてもよい。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態に係る通話録音システムの構成を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、スマートフォン1は、無線通信装置11と、演算処理装置12と、記憶装置13と、音声出力回路14と、音声入力回路15と、アナログ音声コネクタ16とを備える。
【0027】
無線通信装置11は、無線LANインターフェイス、携帯電話網に接続可能な無線通信部などであり、通話のためのデータ通信を行う。これにより、通話相手の装置との間での通話が確立する。なお、通話相手の装置は、電話機でもよいし、音声通信ソフトウェアをインストールされたパーソナルコンピュータなどでもよい。
【0028】
演算処理装置12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピュータを備え、各種プログラムをRAMにロードしCPUで実行することで、各種ソフトウェア処理を行う処理部として動作する。記憶装置13は、フラッシュメモリなどの、プログラムやデータを格納する不揮発性の記憶装置である。
【0029】
ここでは、演算処理装置12は、通話処理部12a、録音処理部12bなどとして動作する。
【0030】
通話処理部12aは、無線通信装置11を制御して、所定の通信プロトコルで、(a)通話相手の音声データを受信してデジタル音声信号に変換して音声出力回路14に出力し、(b)音声入力回路15から供給されるスマートフォン1のユーザーのデジタル音声信号を受け付けて音声データに変換し、その音声データを送信する。
【0031】
録音処理部12bは、マイクロフォン入力の音声データ(つまり、音声入力回路15から受け付けたデジタル音声信号を変換して得られた音声データ)を、所定のデータ形式のファイルとして記憶装置13などに格納する。
【0032】
つまり、録音処理部12bは、マイクロフォン音声信号に基づく音声をソフトウェア処理でデジタルデータとして録音する。具体的には、録音処理部12bは、通話録音アダプタ3により減衰されたイヤフォン音声信号が混合されたマイクロフォン音声信号を、ソフトウェア処理でデジタルデータとして録音する。
【0033】
音声出力回路14は、上述のデジタル音声信号からイヤフォン音声信号(アナログ音声信号)を生成しアナログ音声コネクタ16を介して出力する。音声出力回路14には、D/A(Digital to Analog)変換器、アンプなどが含まれる。
【0034】
音声入力回路15は、アナログ音声コネクタ16を介してマイクロフォン音声信号(アナログ音声信号)を受け付け、デジタル音声信号に変換し、そのデジタル音声信号を出力する。音声入力回路15には、マイクロフォンアンプ、A/D(Analog to Digital)変換器などが含まれる。
【0035】
アナログ音声コネクタ16は、特定形式の1つのジャックであり、音声出力回路14および音声入力回路15に接続される。
【0036】
また、
図2に示すように、音声インターフェイス2は、スマートフォン1のユーザーの左右の耳に対して音声を出力するイヤフォン21L,21Rと、スマートフォン1のユーザーの発する音声を集音するマイクロフォン22と、アナログ音声コネクタ23とを備える。なお、この実施の形態では、音声インターフェイス2は、ステレオのイヤフォン21L,21Rを備えるが、その代わりに、1つの(つまりモノラルの)イヤフォンを備えていてもよい。
【0037】
アナログ音声コネクタ23は、アナログ音声コネクタ16に対応する特定形式の1つのプラグである。
【0038】
図3は、
図1および
図2に示す通話録音システムにおけるアナログ音声コネクタ(プラグとジャック)について説明する図である。
【0039】
例えば
図3に示すように、アナログ音声コネクタ16およびアナログ音声コネクタ23には、左側のイヤフォン音声信号端子EP−L、右側のイヤフォン音声信号端子EP−R、マイクロフォン音声信号端子(モノラル)MIC、およびグランド端子GNDを有する4極のジャックおよびプラグが使用される。
【0040】
したがって、アナログ音声コネクタ23およびアナログ音声コネクタ16は互いに接続可能となっており、通話録音をせず通話のみであれば、通話録音アダプタ3を介さずに、アナログ音声コネクタ23およびアナログ音声コネクタ16でスマートフォン1と音声インターフェイス2とを互いに接続することで、通話が可能である。
【0041】
図4は、実施の形態1における通話録音アダプタ3の構成を示す回路図である。
【0042】
図4に示すように、通話録音アダプタ3は、アナログ音声コネクタ23と同一形式のアナログ音声コネクタ31と、アナログ音声コネクタ16と同一形式のアナログ音声コネクタ32と、ミキシング回路33とを備える。
【0043】
ミキシング回路33は、スマートフォン1から出力されるイヤフォン音声信号(つまり、音声インターフェイス2のイヤフォン21L,21Rから音声を出力させることのできる電圧・電力の音声信号)を減衰し、減衰後のイヤフォン音声信号を、音声インターフェイス2のマイクロフォン22からスマートフォン1へ供給されるマイクロフォン音声信号に混合させる。
【0044】
実施の形態1では、ミキシング回路33は、(a)アナログ音声コネクタ31のイヤフォン音声信号端子EP−L,EP−Rの一方(ここでは端子EP−Lであるが、端子EP−Rでもよい)を、アナログ音声コネクタ32のイヤフォン音声信号端子EP−L,EP−Rの両方に電気的に接続し、(b)アナログ音声コネクタ31のマイクロフォン音声信号端子MICとアナログ音声コネクタ32のマイクロフォン音声信号端子MICとを電気的に接続し、(c)アナログ音声コネクタ31のグランド端子GNDとアナログ音声コネクタ32のグランド端子GNDとを電気的に接続し、(d)アナログ音声コネクタ31のイヤフォン音声信号端子EP−L,EP−Rの他方(ここでは端子EP−R)とグランド端子GNDとの間に設けられた分圧回路の分圧端子を、マイクロフォン音声信号端子MICに電気的に接続する。
【0045】
この分圧回路は、抵抗素子R1,R3で構成されており、抵抗素子R1,R3の直列回路の一端および他端が、アナログ音声コネクタ31のイヤフォン音声信号端子EP−L,EP−Rの他方(ここでは端子EP−R)とグランド端子GNDとにそれぞれ接続され、抵抗素子R1と抵抗素子R3との接続点(つまり分圧端子)に抵抗素子R2の一端が接続され、抵抗素子R2の他端がマイクロフォン音声信号端子MICとに電気的に接続されている。つまり、抵抗素子R2を介して、分圧端子が、マイクロフォン音声信号端子MICに電気的に接続されている。ここでは、分圧回路の減衰比(R3/(R1+R3))は、例えば、100〜200分の1の範囲のいずれかの値とされる。
【0046】
このように、この実施の形態では、ミキシング回路33は、電源不要な受動素子のみで構成されている。つまり、ミキシング回路33は、トランジスタ、オペアンプなどの能動素子を含んでおらず、スマートフォン1や音声インターフェイス2からの電源電力の供給は不要である。
【0047】
また、この実施の形態では、音声インターフェイス2のマイクロフォン22の出力インピーダンスは、所定の許容範囲内のいずれかの値とされ、ミキシング回路33の出力インピーダンスの値(つまり、R2+R3)は、その許容範囲の下限値より上限値に近い値に設定されている。つまり、抵抗素子R1,R2,R3の値は、マイクロフォン22の出力インピーダンスに応じて設定される。
【0048】
例えば、マイクロフォン22の出力インピーダンスが、100オームから2.2キロオームまでの許容範囲内のいずれかの値とされる場合、ミキシング回路33の出力インピーダンスは、1.15キロオーム以上とされる。例えば、ミキシング回路33の出力インピーダンスは、マイクロフォン22の出力インピーダンスと略同一としてもよい。
【0049】
また、ミキシング回路33の出力インピーダンスの値は、音声入力回路15の入力インピーダンス以下とされる。
【0050】
次に、実施の形態1に係る通話録音システムの動作について説明する。
【0051】
スマートフォン1において通話を録音する場合、まず、通話録音アダプタ3が、スマートフォン1に接続され、音声インターフェイス2が通話録音アダプタ3に接続される。
【0052】
そして、通話処理部12aは、スマートフォン1に対するユーザー操作に従って、ユーザー所望の通話相手との通話を開始する。スマートフォン1のユーザーの発する音声が、音声インターフェイス2のマイクロフォン22に集音され、音声インターフェイス2のイヤフォン21L,21Rから、通話相手の音声が、スマートフォン1のユーザーに対して発せられる。通話が開始されると、通話処理部12aは、音声入力回路15で受け付けたアナログ音声信号の音声データを無線通信装置11で送信するとともに、無線通信装置11で受信した音声データに対応するイヤフォン音声信号を音声出力回路14から出力させる。
【0053】
通話録音アダプタ3は、スマートフォン1から出力されるイヤフォン音声信号(通話相手のアナログ音声信号)を音声インターフェイス2へ供給するとともに、そのイヤフォン音声信号を減衰させてスマートフォン1のユーザーの音声を示すマイクロフォン音声信号に混合し、減衰後のイヤフォン音声信号の混合されたマイクロフォン音声信号をスマートフォン1へ出力する。
【0054】
したがって、スマートフォン1の音声入力回路15で受け付けたアナログ音声信号には、スマートフォン1のユーザーの音声を示すアナログ音声信号と通話相手の音声を示すアナログ音声信号とが混合されている。
【0055】
そして、通話中において、録音処理部12bは、音声入力回路15で受け付けたアナログ音声信号の音声データを取得し記憶装置13に格納する。
【0056】
したがって、スマートフォン1のユーザーの音声と通話相手の音声が、1つのチャンネルの音声データとして記録される。
【0057】
なお、通話処理部12aは、適応フィルタなどのエコーキャンセラを備え、受信した通話相手の音声に基づいて、エコーキャンセラで、スマートフォン1の音声入力回路15で受け付けたアナログ音声信号のうちの、通話相手の音声成分を減衰させ、エコーキャンセラで通話相手の音声成分を減衰させた音声データを、通話相手に向けて送信する。なお、記録される音声データに対してはエコーキャンセラが適用されていないので、ユーザーと通話相手の両方の音声が記録される。
【0058】
以上のように、上記実施の形態1によれば、スマートフォン1は、ソフトウェア処理で通話が可能であるが通話相手の音声の録音が行えない通話装置であり、通話録音アダプタ3は、スマートフォン1と音声インターフェイス2との間で、スマートフォン1と音声インターフェイス2とにそれぞれ接続される。通話録音アダプタ3は、スマートフォン1から出力されるイヤフォン音声信号を減衰し、減衰後のイヤフォン音声信号を、音声インターフェイス2のマイクロフォン22から通話装置へ供給されるマイクロフォン音声信号に混合させる。そして、スマートフォン1は、減衰後のイヤフォン音声信号が混合されたマイクロフォン音声信号を、ソフトウェア処理でデジタルデータとして録音する。
【0059】
これにより、スマートフォン1から出力された通話相手の音声の音声信号が、スマートフォン1のユーザーの音声の音声信号に混合されるため、マイクロフォン入力で受け付けた音声を録音するだけで、スマートフォン1のユーザーの音声と通話相手の音声の両方が録音される。このように、ソフトウェア処理で通話が可能であるが通話相手の音声の録音が行えないスマートフォン1において、自局側の通話音声とともに通話相手の音声を録音できる。
【0061】
図5は、実施の形態2における通話録音アダプタの構成を示す回路図である。実施の形態2では、ミキシング回路33aが、ミキシング回路33の代わりに使用される。
【0062】
実施の形態2では、
図5に示すように、ミキシング回路33aは、(a)アナログ音声コネクタ31のイヤフォン音声信号端子EP−L,EP−R、マイクロフォン音声信号端子MIC、およびグランド端子GNDを、アナログ音声コネクタ32のイヤフォン音声信号端子EP−L,EP−R、マイクロフォン音声信号端子MIC、およびグランド端子GNDにそれぞれ電気的に接続し、(b)アナログ音声コネクタ31のイヤフォン音声信号端子EP−L,EP−Rの両方とグランド端子GNDとの間に設けられた2入力の分圧回路の分圧端子を、マイクロフォン音声信号端子MICに電気的に接続する。
【0063】
この分圧回路は、抵抗素子R1L,R1R,R3で構成されており、抵抗素子R1L,R3の直列回路の一端および他端が、アナログ音声コネクタ31のイヤフォン音声信号端子EP−Lとグランド端子GNDとにそれぞれ接続され、抵抗素子R1R,R3の直列回路の一端および他端が、アナログ音声コネクタ31のイヤフォン音声信号端子EP−Rとグランド端子GNDとにそれぞれ接続され、マイクロフォン音声信号端子MICに電気的に接続されている。つまり、抵抗素子R2を介して、分圧端子が、マイクロフォン音声信号端子MICに電気的に接続されている。
【0064】
なお、実施の形態2に係る通話録音システムのその他の構成および動作については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0065】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0066】
例えば、実施の形態1,2において、抵抗素子R1,R1L,R1R,R2,R3の一部または全部は、可変抵抗器であってもよい。
【0067】
また、実施の形態1,2において、抵抗素子R1,R1L,R1R,R2,R3に対して直列または並列に他の受動素子を接続してもよい。
【0068】
さらに、実施の形態1,2のミキシング回路33,33aにおいて、抵抗素子R2を無くし、分圧端子を直接、マイクロフォン音声信号端子MICに電気的に接続してもよい。また、上述の分圧回路は、上述の回路構成に限定されない。
【0069】
また、実施の形態1,2において、アナログ音声コネクタ23,31は、4極のプラグ(例えば直径3.5mm、2.5mmなどのミニプラグ)であり、アナログ音声コネクタ16,32は、4極のジャック(例えば直径3.5mm、2.5mmなどのミニジャック)であるが、他の形式のコネクタ(例えば5極のプラグとジャックなど)でもよい。その場合、5極のプラグとジャックなどのように、ステレオマイクロフォン入力が可能であるときには、例えば、ステレオの(つまり、左右で2つの)マイクロフォン音声信号端子の一方または両方を上述のマイクロフォン音声信号端子MICとして使用すればよい。
【解決手段】 スマートフォン1は、ソフトウェア処理で通話が可能であるが通話相手の音声の録音が行えない通話装置であり、通話録音アダプタ3は、スマートフォン1と音声インターフェイス2との間で、それらにそれぞれ接続される。通話録音アダプタ3は、スマートフォン1から出力されるイヤフォン音声信号を減衰し、減衰後のイヤフォン音声信号を、音声インターフェイス2のマイクロフォン22から通話装置へ供給されるマイクロフォン音声信号に混合させる。そして、スマートフォン1は、減衰後のイヤフォン音声信号が混合されたマイクロフォン音声信号を、ソフトウェア処理でデジタルデータとして録音する。