特許第6262960号(P6262960)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262960
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】基板分断装置
(51)【国際特許分類】
   B28D 1/22 20060101AFI20180104BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20180104BHJP
   B26F 3/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   B28D1/22
   B28D5/00 Z
   B26F3/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-173557(P2013-173557)
(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公開番号】特開2015-39872(P2015-39872A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114030
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 義雄
(72)【発明者】
【氏名】村上 健二
(72)【発明者】
【氏名】武田 真和
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−148512(JP,A)
【文献】 特開昭60−164385(JP,A)
【文献】 特開2007−324349(JP,A)
【文献】 実公昭47−031405(JP,Y1)
【文献】 特開2012−131216(JP,A)
【文献】 特開2011−212963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 1/22
B26F 3/00
B28D 5/00
H01L 21/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板本体の上面に樹脂または金属の表面層が積層され、前記基板本体の下面に所定のピッチで複数条のスクライブラインが形成されている脆性材料基板をブレイクする基板分断装置であって、
前記脆性材料基板の前記スクライブラインを送り方向と直交する方向にした状態で、かつ、下向きにした状態で前記脆性材料基板を載置して搬送するコンベアと、
前記コンベアの送り方向中間位置に形成され、搬送中の前記脆性材料基板が上方に隆起した後にすぐに下降するように移動させる隆起部と、
前記隆起部の上方で、前記コンベアにより送られてくる前記脆性材料基板の上面に弾力的に接触する弾性部材とからなり、
前記隆起部は、前記脆性材料基板が当該隆起部を乗り越えるように移動する際に前記脆性材料基板が上方に撓むように形成されている基板分断装置。
【請求項2】
前記隆起部は、前記コンベアのベルトの下方から持上げ部材でベルトを持ち上げるように形成されている請求項1に記載の基板分断装置。
【請求項3】
前記コンベアが前部コンベアと後部コンベアとに分割され、これら前後のコンベアの間に前記隆起部が形成されている請求項1に記載の基板分断装置。
【請求項4】
前記弾性部材が支持部材に保持され、前記弾性部材の下面に接した状態で基板送り方向に回動することが可能な回転ベルトが前記支持部材に取り付けられており、前記回転ベルトは、前記隆起部で前記脆性材料基板が上方に撓んだときに前記弾性部材と共に凹むことができるように弾性材料で形成されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の基板分断装置。
【請求項5】
前記隆起部が上下位置調整可能に形成されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の基板分断装置。
【請求項6】
前記弾性部材が上下位置調整可能に形成されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載の基板分断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック基板等の脆性材料基板の分断装置に関する。特に本発明は、基板の片面に樹脂層または金属層が付着された基板に対し、セラミック面に形成した複数条のスクライブラインに沿って短冊状あるいは格子状に基板を分断してチップ等の単位製品とする基板分断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、セラミック基板等の脆性材料基板に対して、ダイシングソー等を用いて、予め複数条のスクライブラインを形成し、その後に、外力を印加して基板を撓ませてスクライブラインに沿ってブレイクすることにより、チップ等の単位製品を取り出す方法が知られている(例えば特許文献1、特許文献2等)。
【0003】
脆性材料基板に対し、スクライブラインに沿って曲げモーメントを加えてブレイクする際、曲げモーメントを効果的に生じさせるために、多くの場合、上記特許文献等に示すような3点曲げ方式にて行われている。
図9並びに図10は、片面に樹脂層または金属層を有するアルミナ基板やLTCC基板(低温焼成セラミックス基板)を3点曲げ方式でブレイクして単位製品を取り出す一般的なブレイク工程を説明するための図である。なお、上記樹脂層または金属層は、コンデンサやインダクタとしての機能を発揮させるため、またはデバイス保護のために形成されている。
回路パターンを表面または内部に形成した基板本体11の表面に、薄い樹脂層または金属層(以下「表面層12」という)を積層した基板Wを、ダイシングリング13に支持された弾力性のある粘着フィルム14に貼り付ける。基板本体11の下面には前工程で複数条のスクライブライン(切り溝)Sが形成されている。
図10に示すように、スクライブラインSを跨いでその左右位置で基板Wの下面を受ける一対の受刃15、15が配置されている。基板WのスクライブラインSに相対する部位の上方にはブレイク刃16が配置されている。このブレイク刃16を図10(b)に示すように基板Wに押しつけることによって、基板を撓ませてスクライブラインSからブレイクしている。この際、ブレイク刃16によって最初に押しつけられる表面層12は、ブレイク刃16の刃先によってまず切断され、その後さらなるブレイク刃16の押しつけによって基板Wが撓んでスクライブラインSから分断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−131216号公報
【特許文献2】特開2011−212963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分断に使用されるブレイク刃16は、使用寿命の面からできるだけ大きな刃先角度で形成するのが好ましい。基板Wの基板本体11部分の分断には、ブレイク刃16の刃先角度が90度以上の鈍角、例えば100度の刃先であっても充分に分断することが可能である。しかし、鈍角の刃先では表面層12をきれいに分断することができず、表面層12の一部が分断されずに残る場合がある。このような状態が発生すると、連続した生産ラインの流れに弊害を生じると共に、加工品質や歩留まりの低下の原因となる。一方、ブレイク刃16の刃先を鋭突、例えば30度以下の鋭角な刃先にすれば、押しつけ時に表面層12を切断することはできるが、鋭角な刃先は破損しやすく使用寿命の点で問題がある。
また、基板Wの分断にブレイク刃16を使用する場合、ブレイク刃16を反復して上下動させる昇降機構が必要となって装置が大掛かりとなる。加えて、ブレイク時に基板Wの分断すべきスクライブラインSがブレイク刃16の直下となるように正確に位置決めして停止させなければならないので、位置検知のための複雑な機構を必要とする。また、ブレイク毎に基板Wを停止させなければならないので、基板分断に要するトータル時間が長くなるといった問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、上記した従来課題の解決を図り、ブレイク刃を用いることなく、簡単な機構で、樹脂または金属の表面層を備えた脆性材料基板を効率的に分断することができる新規な基板分断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明の基板分断装置では、基板本体の上面に樹脂または金属の表面層が積層され、前記基板本体の下面に所定のピッチで複数条のスクライブラインが形成されている脆性材料基板をブレイクする基板分断装置であって、前記脆性材料基板の前記スクライブラインを送り方向と直交する方向にした状態で、かつ、下向きにした状態で前記脆性材料基板を載置して搬送するコンベアと、前記コンベアの送り方向中間位置に形成され、搬送中の前記脆性材料基板が上方に隆起した後にすぐに下降するように移動させる隆起部と、前記隆起部の上方で、前記コンベアにより送られてくる前記脆性材料基板の上面に弾力的に接触する弾性部材とからなり、前記隆起部は、前記脆性材料基板が当該隆起部を乗り越えるように移動する際に前記脆性材料基板が上方に撓むように形成されている構成とした。
また、前記隆起部は、コンベアベルトの下面から持上げ部材でコンベアベルトを持ち上げて形成してもよく、あるいはコンベアを前部コンベアと後部コンベアとに分割して、これら前後のコンベアの間に前記隆起部を形成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、工程中に基板の搬送作業を停止させることなく、コンベアにより上流から下流に移動させながら、隆起部と弾性部材との間で基板を撓ませてスクライブラインから順次分断するようにしたので、ブレイク毎に基板を停止させてブレイク刃を上下動させる従来方式に比べて分断に要する時間を大幅に短縮することができる。また、大掛かりな反復昇降機構を必要とするブレイク刃を使用しないため、分断装置をコンパクトに形成することができるとともに、隆起部と弾性部材とによる簡単な構成により低コストで提供できる。加えて、ブレイク刃で分断する場合のように、基板の分断すべきスクライブラインの位置決めを必要としないため、位置検知のための複雑な機構を省略することができる、といった種々の効果がある。
【0009】
本発明の基板分断装置において、前記弾性部材が支持部材に保持され、前記弾性部材の下面に接した状態で基板送り方向に回動することが可能な回転ベルトが前記支持部材に取り付けられており、前記回転ベルトは、前記隆起部で前記脆性材料基板が上方に撓んだときに前記弾性部材と共に凹むことができるように弾性材料で形成されている構成とするのがよい。
これにより、基板が弾性部材の下方を通過する際に、前記コンベアによる搬送と、回転ベルトの基板送り方向への回動によって基板を滑らかに搬送することができる。
【0010】
本発明の基板分断装置において、前記隆起部が上下位置調整可能に形成されている構成とするのがよい。
これにより、加工対象となる基板の厚みや素材の種類に応じて隆起部の隆起量を分断に最適な状態に調整することができる。
【0011】
本発明の基板分断装置において、前記弾性部材が上下位置調整可能に形成されている構成とするのがよい。
これにより、加工対象となる基板の厚みに応じて弾性部材の上下位置を微調整することができ、基板の移動を滑らかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】分断対象となる基板の分断過程を示す説明図。
図2】本発明に係る基板分断装置の一例を示す概略的な断面図。
図3】本発明の基板分断装置による基板分断工程を示す説明図。
図4】本発明における持上げ部材の別実施例を示す説明図。
図5】本発明における弾性部材の別実施例を示す説明図。
図6】本発明におけるコンベアの別実施例を示す説明図。
図7図6で示した隆起部の別実施例を示す説明図。
図8】本発明における隆起部の上下調整機構を示す説明図。
図9】従来の基板分断方法を説明するための斜視図。
図10】従来の基板分断方法を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る基板分断装置の詳細を、一実施形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。図1は加工対象の一例となるアルミナ基板Wを示すものである。基板Wの基板本体1の内部または上面には電子回路パターン(図示外)が形成されており、表面にはデバイス保護およびコンデンサやインダクタとしての特性を制御する樹脂または金属の薄い表面層2が積層されている。また、基板本体1の下面には、前段工程で互いに交差するX−Y方向の複数条のスクライブライン(切り溝)S1、S2が所定のピッチをあけて形成されている。
この基板Wは、以下で述べる本発明の基板分断装置によって、まずX方向のスクライブラインS1に沿って分断されて図1(b)に示すような長方形の短冊状基板W1に加工され、次いでY方向のスクライブラインS2に沿って分断されて、図1(c)に示す単位製品W2が取り出される。
【0014】
図2は、本発明に係る基板分断装置の一実施例を概略的に示す断面図である。この基板分断装置は、基板Wを載置して上流から下流に搬送するコンベア3と、コンベア3の中間位置に形成された隆起部4と、隆起部4の上方で、コンベア3により送られてくる基板Wの上面に弾力的に接触する位置に配置された平らな下面を有する弾性部材5とからなる。
本実施例において隆起部4は、コンベア3のコンベアベルト3aの下面から持上げ部材4aでコンベアベルト3a(および載置された基板W)を一旦上方に隆起させ、その後すぐに下降するように形成されている。この隆起部4は、基板Wが当該隆起部4を乗り越える際に上方に盛り上がって撓むように、コンベア3の水平な載置面aより高さhだけ上方に隆起して形成されている。
持上げ部材4aは、自由回転する回転ローラで形成するのがよい。これにより、コンベアベルト3aの滑動を滑らかに行うことができる。なお、この持上げ部材4aは、図4(a)に示すように、上面を滑らかな円弧状の凸面とした凸状材4b、または図4(b)に示すように滑らかな略三角状の凸面とした凸状材4cで形成することもできる。
【0015】
弾性部材5は、基板Wが上方に盛り上がったときに基板Wを傷めることなく弾力的に凹むことができる弾力性を備えた天然または合成ゴム等の弾性素材で作られている。また、本実施例では、弾性部材5は支持部材6に保持され、位置調整機構(図示外)により上下位置が調整できるように形成されている。これにより、加工対象となる基板Wの厚みに応じて弾性部材5の下面とコンベア3の載置面aとの間隔Lを微調整することができるようにしている。
【0016】
次に、本発明の基板分断装置の動作について説明する。
まず、図2に示すように、分断すべきX方向のスクライブラインS1を送り方向と直交する方向かつ下向きにした状態で、基板Wをコンベア3の上流位置に載置して下流方向(図の矢印方向)に移動させる。基板Wは、図3(a)に示すように弾性部材5の下方を水平に移動して隆起部4に到達する。なおこの際、基板Wが滑らかに移動できるように、弾性部材5の下面が基板Wの表面に近接する位置にあるか、あるいは軽く接触する程度に、弾性部材5の位置を予め調整しておく。
【0017】
続いて基板Wの先頭部分は、図3(b)に示すように、隆起部4に乗り上げて最初のスクライブラインS1’が上方に屈曲する。この屈曲による撓みによってスクライブラインS1’の亀裂が厚み方向に浸透して基板本体1が分断される。このとき、スクライブラインS1’上の表面層2は折れ曲げにより脆弱になるがまだ分断されていない。
次いで、図3(c)に示すように、スクライブラインS1’の部分が隆起部4の頂部にくると、基板Wの湾曲によってスクライブラインS1’がV字状に開くと共に、そのときの引張応力によって表面層2の上記脆弱となった部分が分断される。これにより基板WはスクライブラインS1’から完全に分断される。
このような動作を図3(d)に示すように順次繰り返すことにより、基板Wは図1で示すX方向の全てのスクライブラインS1から分断されてコンベア3で下流に移動され、複数の短冊状基板W1が取り出される。
【0018】
短冊状基板W1は、その後、Y方向のスクライブラインS2を送り方向に対して直交する方向かつ下向きにした状態でコンベア3上に載置される。そして、上記同様に、下流方向に移動させることにより先頭のスクライブラインS2から順次ブレイクされ、図1(c)に示す単位製品W2が完成する。
【0019】
発明者等は、表面に約100μmの樹脂層並びに約10μmの金属層からなる薄い表面層をそれぞれ積層した厚さ0.4mmのアルミナ基板を加工対象とし、下記の条件でブレイク実験を繰り返し行った。
コンベア3の載置面aと弾性部材5との間隔L:0.45mm
弾性部材5の厚み:3mm
隆起部4としてのローラの直径:1mm
ローラの突出量(コンベア3の載置面aからの突出高さ)h:0.15mm
スクライブラインのピッチ:4mm
コンベア3による基板Wの送り速度:30mm/sec
結果はいずれの場合も良好で、きれいに分断することができた。
【0020】
図5は本発明の基板分断装置の別の実施例を示すものである。
この実施例では、弾性部材5を保持する支持部材6の周りに回転ベルト7が設けられており、この回転ベルト7の一部が弾性部材5の下面に面接した状態で配置されている。回転ベルト7は複数の、例えば4つの輪体8によって保持され、コンベア3で送られてくる基板Wとの接触によって基板送り方向に自由回転するように取り付けられている。回転ベルト7は、図5(b)で示すように、基板Wが隆起部4で持ち上がったときに、弾性部材5と共に上方に凹むことができるようにゴム等の薄い弾性帯状部材で形成されている。これにより、基板Wの搬送を容易にしている。
なお、回転ベルト7を、コンベア3の送り速度と同期して回動するようにすることも可能である。その際には駆動源(モータ)を1つにして同期させてもよい。
【0021】
図6は本発明のさらに別の実施例を示すものである。この実施例では、コンベア3が前部コンベア3Aと後部コンベア3Bとに分割されており、この前後のコンベア3A、3Bとの間に隆起部4が形成されている。隆起部4は自由回転する回転ローラ4dで形成されている。なお、本実施例では、隆起部4の上方に配置される弾性部材5として、図2で示した構成のものを示したが、図5の回転ベルト7を有する構成のものを使用してもよい。いずれの場合も先の実施例と同様のブレイク動作を行うことができる。
なお、回転ローラ4dに代えて、図7(a)に示すように上面を滑らかな円弧状の凸面とした凸状材4e、または図7(b)に示すように滑らかな略三角状の凸面とした凸状材4fで形成することもできる。
【0022】
以上のように、本発明によれば、基板Wの搬送作業を停止させることなく、コンベア3により上流から下流に移動させながら、隆起部4と弾性部材5との間で基板Wを撓ませてスクライブラインに沿って順次分断するようにしたので、分断に要する時間を短縮することができる。また、大掛かりな反復昇降機構を付帯するブレイク刃を使用せず、隆起部4と弾性部材5とによる簡単な部材で構成されているので、分断装置をコンパクトに、かつ、低コストで形成することが可能となる。さらに、ブレイク刃で分断する場合のように、基板の分断すべきスクライブラインの位置決めを必要としないので、位置検知のための複雑な機構を省略することができる。
【0023】
本発明において、上記した隆起部4の高さ(隆起量)を調整可能に形成するのが好ましい。この場合、図2の実施例では、図8(a)に示すように持上げ部材4aを上下調整機構9により上下調整できるようにする。また、図6の実施例では、図8(b)に示すように、回転ローラ4d(または凸状材4e、4f)を上下調整機構9により上下調整できるようにする。
これにより、分断すべき基板Wの厚みや素材の種類に応じて隆起部4の隆起量を分断に最適な状態に調整することができる。
【0024】
以上本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものではない。例えば本発明では、上記したような樹脂や金属などの薄い表面層2を有しない脆性材料基板も加工対象とすることができる。その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の分断装置は、表面に樹脂や金属の薄い表面層を有するアルミナ基板、LTCC基板等の脆性材料からなる基板の分断に好適に利用される。
【符号の説明】
【0026】
S1、S2 分断すべきスクライブライン
W 基板
1 基板本体
2 表面層
3 コンベア
3a コンベアベルト
4 隆起部
4a 持上げ部材
5 弾性部材
6 支持部材
7 回転ベルト
9 上下調整機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10