特許第6262964号(P6262964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6262964
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】画像記録装置および画像記録方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   B41J2/01 305
   B41J2/01 201
   B41J2/01 209
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-180868(P2013-180868)
(22)【出願日】2013年9月2日
(65)【公開番号】特開2015-47775(P2015-47775A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】臼本 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】吉田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 正喜
【審査官】 下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−268361(JP,A)
【文献】 特開2010−082935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の被記録媒体に画像を記録する画像記録装置であって、
複数の記録ヘッドと、
前記複数の記録ヘッドと前記被記録媒体とを、前記複数の記録ヘッドの配列方向と平行な搬送方向に沿って相対移動させる搬送機構と、
画像データに基づいて、前記複数の記録ヘッドおよび前記搬送機構を制御する制御部と、
を備え、
前記複数の記録ヘッドは、
前記搬送方向に直交する水平方向と平行に配列された複数のノズルを有し、前記ノズルから第1インクの液滴を前記被記録媒体へ向けて吐出する第1ヘッドと、
前記第1ヘッドより前記搬送方向の下流側において、前記第1インクとは異なる色の第2インクの液滴を、前記被記録媒体へ向けて吐出する第2ヘッドと、
を含み、
前記制御部は、
前記第1インクの吐出量と、前記被記録媒体の前記搬送方向の伸縮量との対応関係を記憶する記憶部を有し、
前記画像データに含まれる第1インク成分画像に基づいて、前記第1ヘッドに前記第1インクの液滴を吐出させるとともに、前記第1インク成分画像に基づいて、前記第1ヘッドの前記ノズルが担当する記録領域ごとに前記第1インクの吐出量を算出し、算出された前記第1インクの吐出量と、前記記憶部から読み出した前記対応関係とに基づいて、前記記録領域ごとに、前記第1インクによる前記被記録媒体の前記搬送方向の伸縮量を決定し、決定された前記伸縮量と、前記画像データに含まれる第2インク成分画像とに基づいて、前記第2ヘッドに前記第2インクの液滴を吐出させる画像記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像記録装置において、
前記搬送機構は、固定的に配置された前記複数の記録ヘッドに対して、前記被記録媒体を移動させる画像記録装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像記録装置において、
前記被記録媒体に前記搬送方向の張力を与える張力付与部
をさらに有する画像記録装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像記録装置において、
前記制御部は、
前記伸縮量に応じて前記第2インク成分画像を変形させ、
変形後の前記第2インク成分画像に基づいて、前記第2ヘッドに前記第2インクの液滴を吐出させる画像記録装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像記録装置において、
前記制御部は、
前記第2ヘッドからの前記第2インクの液滴の吐出タイミングを、前記伸縮量に対応する補正時間に基づいて変更する画像記録装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載の画像記録装置において、
前記制御部は、
前記伸縮量に応じて、前記第2ヘッドから吐出される前記第2インクの液滴の、前記搬送方向に対する吐出数を変更する画像記録装置。
【請求項7】
複数の記録ヘッドとシート状の被記録媒体とを、前記複数の記録ヘッドの配列方向と平行な搬送方向に沿って相対移動させつつ、前記複数の記録ヘッドからインクの液滴を吐出することにより、前記被記録媒体に画像を記録する画像記録方法であって、
前記複数の記録ヘッドに含まれる第1ヘッドは、前記搬送方向に直交する水平方向と平行に配列された複数のノズルから第1インクを吐出し、
a)前記第1インクの吐出量と、前記被記録媒体の前記搬送方向の伸縮量との対応関係を、記憶する工程と、
b)画像データに含まれる第1インク成分画像に基づいて、前記第1ヘッドの前記ノズルが担当する記録領域ごとに、前記第1インクの吐出量を算出する工程と、
c)前記工程b)において算出された前記吐出量と、前記対応関係とに基づいて、前記記録領域ごとに、前記第1インクによる前記被記録媒体の前記搬送方向の伸縮量を決定する工程と、
d)前記工程b)において算出された前記吐出量に基づいて、前記第1ヘッドから前記被記録媒体へ、前記第1インクの液滴を吐出する工程と、
e)前記工程c)において決定された伸縮量と、前記画像データに含まれる第2インク成分画像とに基づいて、前記第1ヘッドより前記搬送方向の下流側に配置された第2ヘッドから前記被記録媒体へ、第2インクの液滴を吐出する工程と、
を有する画像記録方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像記録方法において、
固定的に配置された前記複数の記録ヘッドに対して、前記被記録媒体を移動させる画像記録方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の画像記録方法において、
前記被記録媒体に前記搬送方向の張力を与えつつ、前記複数の記録ヘッドから前記インクの液滴を吐出する画像記録方法。
【請求項10】
請求項7から請求項9までのいずれかに記載の画像記録方法において、
前記伸縮量に応じて前記第2インク成分画像を変形させる工程をさらに有し、
前記工程e)では、変形後の前記第2インク成分画像に基づいて、前記第2ヘッドから前記第2インクの液滴を吐出する画像記録方法。
【請求項11】
請求項7から請求項9までのいずれかに記載の画像記録方法において、
前記伸縮量に対応する補正時間を求める工程をさらに有し、
前記工程e)では、前記第2ヘッドからの前記第2インクの液滴の吐出タイミングを、前記補正時間に基づいて変更する画像記録方法。
【請求項12】
請求項7から請求項11までのいずれかに記載の画像記録方法において、
前記工程e)では、前記伸縮量に応じて、前記第2ヘッドから吐出される前記第2インクの液滴の、前記搬送方向に対する吐出数を変更する画像記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の被記録媒体に画像を記録する画像記録装置および画像記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状の印刷用紙を搬送しつつ、複数の記録ヘッドからインクを吐出することにより、印刷用紙に画像を記録するインクジェット方式の画像記録装置が知られている。この種の画像記録装置では、複数の記録ヘッドから、それぞれ異なる色のインクが吐出される。そして、印刷用紙に付着した各色のインクにより、カラー画像が形成される。従来のインクジェット方式の画像記録装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−268361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した画像記録装置では、印刷用紙の上面にインクが吐出されると、当該インクが印刷用紙に浸透することによって、印刷用紙に僅かな伸縮が生じる。この状態で、印刷用紙に次のインクを吐出すると、先のインクの吐出位置と、後のインクの吐出位置との位置関係が、理想的な位置関係からずれる場合がある。このような吐出位置の相対的なずれは、印刷物の画像品質を低下させる要因となり得る。
【0005】
従来の画像記録装置では、印刷用紙の隅にいわゆるトンボマークを印刷し、当該トンボマークを基準として、各色のインクを吐出することで、印刷用紙の伸縮による吐出位置のずれを防止していた。しかしながら、当該方法では、トンボマークを計測するためのセンサが必要であるとともに、トンボマークの計測により処理プロセスが増えるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、トンボマークを用いることなく、被記録媒体に記録される複数の色成分画像の位置関係が、少なくとも搬送方向において、理想的な位置関係からずれることを抑制できる、画像記録装置および画像記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、シート状の被記録媒体に画像を記録する画像記録装置であって、複数の記録ヘッドと、前記複数の記録ヘッドと前記被記録媒体とを、前記複数の記録ヘッドの配列方向と平行な搬送方向に沿って相対移動させる搬送機構と、画像データに基づいて、前記複数の記録ヘッドおよび前記搬送機構を制御する制御部と、を備え、前記複数の記録ヘッドは、前記搬送方向に直交する水平方向と平行に配列された複数のノズルを有し、前記ノズルから第1インクの液滴を前記被記録媒体へ向けて吐出する第1ヘッドと、前記第1ヘッドより前記搬送方向の下流側において、前記第1インクとは異なる色の第2インクの液滴を、前記被記録媒体へ向けて吐出する第2ヘッドと、を含み、前記制御部は、前記第1インクの吐出量と、前記被記録媒体の前記搬送方向の伸縮量との対応関係を記憶する記憶部を有し、前記画像データに含まれる第1インク成分画像に基づいて、前記第1ヘッドに前記第1インクの液滴を吐出させるとともに、前記第1インク成分画像に基づいて、前記第1ヘッドの前記ノズルが担当する記録領域ごとに前記第1インクの吐出量を算出し、算出された前記第1インクの吐出量と、前記記憶部から読み出した前記対応関係とに基づいて、前記記録領域ごとに、前記第1インクによる前記被記録媒体の前記搬送方向の伸縮量を決定し、決定された前記伸縮量と、前記画像データに含まれる第2インク成分画像とに基づいて、前記第2ヘッドに前記第2インクの液滴を吐出させる。
【0008】
本願の第2発明は、第1発明の画像記録装置において、前記搬送機構は、固定的に配置された前記複数の記録ヘッドに対して、前記被記録媒体を移動させる。
【0009】
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の画像記録装置において、前記被記録媒体に前記搬送方向の張力を与える張力付与部をさらに有する。
【0011】
本願の第発明は、第1発明から第発明までのいずれかの画像記録装置において、前記制御部は、前記伸縮量に応じて前記第2インク成分画像を変形させ、変形後の前記第2インク成分画像に基づいて、前記第2ヘッドに前記第2インクの液滴を吐出させる。
【0012】
本願の第発明は、第1発明から第発明までのいずれかの画像記録装置において、前記制御部は、前記第2ヘッドからの前記第2インクの液滴の吐出タイミングを、前記伸縮量に対応する補正時間に基づいて変更する。
【0013】
本願の第6発明は、第1発明から第5発明までのいずれかの画像記録装置において、前記制御部は、前記伸縮量に応じて、前記第2ヘッドから吐出される前記第2インクの液滴の、前記搬送方向に対する吐出数を変更する。
【0014】
本願の第発明は、複数の記録ヘッドとシート状の被記録媒体とを、前記複数の記録ヘッドの配列方向と平行な搬送方向に沿って相対移動させつつ、前記複数の記録ヘッドからインクの液滴を吐出することにより、前記被記録媒体に画像を記録する画像記録方法であって、前記複数の記録ヘッドに含まれる第1ヘッドは、前記搬送方向に直交する水平方向と平行に配列された複数のノズルから第1インクを吐出し、a)前記第1インクの吐出量と、前記被記録媒体の前記搬送方向の伸縮量との対応関係を、記憶する工程と、b)画像データに含まれる第1インク成分画像に基づいて、前記第1ヘッドの前記ノズルが担当する記録領域ごとに、前記第1インクの吐出量を算出する工程と、c)前記工程b)において算出された前記吐出量と、前記対応関係とに基づいて、前記記録領域ごとに、前記第1インクによる前記被記録媒体の前記搬送方向の伸縮量を決定する工程と、d前記工程b)において算出された前記吐出量に基づいて、前記第1ヘッドから前記被記録媒体へ、前記第1インクの液滴を吐出する工程と、前記工程c)において決定された伸縮量と、前記画像データに含まれる第2インク成分画像とに基づいて、前記第1ヘッドより前記搬送方向の下流側に配置された第2ヘッドから前記被記録媒体へ、第2インクの液滴を吐出する工程と、を有する。
【0015】
本願の第発明は、第発明の画像記録方法において、固定的に配置された前記複数の記録ヘッドに対して、前記被記録媒体を移動させる。
【0016】
本願の第発明は、第発明または第発明の画像記録方法において、前記被記録媒体に前記搬送方向の張力を与えつつ、前記複数の記録ヘッドから前記インクの液滴を吐出する。
【0018】
本願の第10発明は、第発明から第発明までのいずれかの画像記録方法において、前記伸縮量に応じて前記第2インク成分画像を変形させる工程をさらに有し、前記工程)では、変形後の前記第2インク成分画像に基づいて、前記第2ヘッドから前記第2インクの液滴を吐出する。
【0019】
本願の第11発明は、第発明から第発明までのいずれかの画像記録方法において、前記伸縮量に対応する補正時間を求める工程をさらに有し、前記工程)では、前記第2ヘッドからの前記第2インクの液滴の吐出タイミングを、前記補正時間に基づいて変更する。
【0020】
本願の第12発明は、第7発明から第11発明までのいずれかの画像記録方法において、前記工程e)では、前記伸縮量に応じて、前記第2ヘッドから吐出される前記第2インクの液滴の、前記搬送方向に対する吐出数を変更する。
【発明の効果】
【0021】
本願の第1発明〜第12発明によれば、第1インクによる被記録媒体の搬送方向の伸縮量に応じて、第2ヘッドの吐出動作を制御することができる。このため、被記録媒体に記録される第1インク成分画像と第2インク成分画像との位置関係が、少なくとも搬送方向において、理想的な位置関係からずれることを抑制できる。
【0022】
特に、本願の第3発明または第発明によれば、被記録媒体の弛みや皺を抑制して、画像品質を向上させることができる。また、搬送方向の張力が与えられると、第1インクによる被記録媒体の搬送方向の伸びが生じやすいが、本発明によれば、当該伸びによる第2インクの記録位置のずれを抑制できる。
【0023】
特に、本願の第発明または第12発明によれば、第2ヘッドからの第2インクの吐出数を、伸縮量に応じた最適な吐出数とすることができる。これにより、例えば、第2インクが搬送方向に連続すべき領域において、部分的に第2インクの抜けが生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態に係る画像記録装置の構成を示した図である。
図2】第1実施形態に係る対応関係データの例を示した図である。
図3】第1実施形態に係る印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図4】画像を分解する処理の様子を、概念的に示した図である。
図5】予想伸び量を決定する処理の様子を、概念的に示した図である。
図6】画像を変形させる処理の様子を、概念的に示した図である。
図7】Y色インクの吐出直後における印刷用紙の上面図である。
図8】M色インクの吐出直前における印刷用紙の上面図である。
図9】M色インクの吐出後における印刷用紙の上面図である。
図10】乾燥処理後における印刷用紙の上面図である。
図11】第2実施形態に係る印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図12】補正時間を算出する処理の様子を、概念的に示した図である。
図13】インクの吐出タイミングと記録される画像との関係を示した図である。
図14】印刷用紙の上面に吐出された液滴の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
<1.第1実施形態>
<1−1.画像記録装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像記録装置1の構成を示した図である。この画像記録装置1は、長尺なシート状の被記録媒体である印刷用紙9を搬送しつつ、複数の記録ヘッド21〜24から印刷用紙9にインクを吐出することにより、印刷用紙9にカラー画像を記録するインクジェット方式の印刷装置である。図1に示すように、画像記録装置1は、搬送機構10、画像記録部20、乾燥処理部30、および制御部40を備えている。
【0027】
搬送機構10は、印刷用紙9をその長手方向に搬送するための機構である。本実施形態の搬送機構10は、巻き出し部11、複数のローラ12、および巻き取り部13を有する。印刷用紙9は、巻き出し部11から繰り出され、複数のローラ12により構成される搬送経路に沿って搬送される。各ローラ12は、水平軸を中心として回転することによって、印刷用紙9を搬送経路の下流側へ案内する。また、搬送後の印刷用紙9は、巻き取り部13へ回収される。
【0028】
図1に示すように、印刷用紙9は、画像記録部20の下方において、複数の記録ヘッド21〜24の配列方向と平行な搬送方向に沿って移動する。このとき、印刷用紙9の記録面は、上方(記録ヘッド21〜24側)に向けられている。また、複数のローラ12に印刷用紙9が接触することで、印刷用紙9に搬送方向の張力が与えられる。これにより、搬送中における印刷用紙9の弛みや皺が抑制される。すなわち、本実施形態では、複数のローラ12が、搬送機構10の一部であるとともに、印刷用紙9に搬送方向の張力を与える張力付与部としても機能している。
【0029】
画像記録部20は、搬送機構10により搬送される印刷用紙9に対して、インクの液滴を吐出する機構である。本実施形態の画像記録部20は、Y色ヘッド21、M色ヘッド22、C色ヘッド23、およびK色ヘッド24を有する。これらの記録ヘッド21〜24は、印刷用紙9の幅方向(搬送方向に直交する水平方向)と平行に配列された複数のノズルを有する。各記録ヘッド21〜24は、複数のノズルから印刷用紙9の上面へ向けて、カラー画像の色成分となるY(Yellow)、M(Magenta)、C(Cyan)、K(Black)の各色のインクの液滴を、それぞれ吐出する。それにより、印刷用紙9の上面に、カラー画像が記録される。
【0030】
すなわち、Y色ヘッド21は、印刷用紙9の上面に、Y色インクの液滴を吐出する。M色ヘッド22は、Y色ヘッド21よりも搬送方向の下流側において、印刷用紙9の上面に、M色インクの液滴を吐出する。C色ヘッド23は、M色ヘッド22よりも搬送方向の下流側において、印刷用紙9の上面に、C色インクの液滴を吐出する。K色ヘッド24は、C色ヘッド23よりも搬送方向の下流側において、印刷用紙9の上面に、K色インクの液滴を吐出する。
【0031】
乾燥処理部30は、印刷用紙9に吐出されたインクを乾燥させるための機構である。乾燥処理部30は、K色ヘッド24よりも搬送方向の下流側に配置されている。乾燥処理部30は、例えば、印刷用紙9に対して加熱された気体を吹き付けて、印刷用紙9に付着したインク中の溶媒を気化させることにより、インクを乾燥させる。ただし、乾燥処理部30は、光照射等の他の方法で、インクを乾燥させるものであってもよい。
【0032】
制御部40は、画像記録装置1内の各部を動作制御するための手段である。本実施形態の制御部40は、CPU等の演算処理部41、RAM等のメモリ42、およびハードディスクドライブ等の記憶部43を有するコンピュータにより構成されている。図1中に破線で示したように、制御部40は、上述した搬送機構10、4つの記録ヘッド21〜24、および乾燥処理部30と、それぞれ電気的に接続されている。制御部40は、記憶部43に記憶されたコンピュータプログラムPをメモリ42に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPに基づいて、演算処理部41が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、画像記録装置1における印刷処理が進行する。
【0033】
また、制御部40は、画像記録装置1の外部に設置されたサーバ2と、電気的に接続されている。サーバ2には、印刷対象となる画像データDが保存されている。印刷処理時には、搬送機構10により印刷用紙9が搬送されるとともに、指定された画像データDに基づいて、各記録ヘッド21〜24から各色のインクが吐出される。その結果、画像データDに対応する画像が、印刷用紙9の上面に記録される。
【0034】
また、本実施形態の画像記録装置1は、記憶部43内に対応関係データCを記憶している。図2は、対応関係データCの例を示した図である。図2に示すように、対応関係データCは、インクの吐出量と、当該インクによる印刷用紙9の搬送方向の伸び量との対応関係を規定したデータである。インクの吐出量と印刷用紙9の搬送方向の伸び量との対応関係は、予め実験等で計測することにより得られる。対応関係データCは、例えば、印刷処理を行う前に、画像記録装置1のユーザによって、予め記憶部43内に記憶される。
【0035】
<1−2.画像記録装置における印刷処理について>
続いて、上述した画像記録装置1における印刷処理について、説明する。図3は、画像記録装置1における印刷処理の流れを示すフローチャートである。図4図6は、制御部40内において実行される画像処理の様子を、概念的に示した図である。また、図7図10は、印刷処理の各段階における印刷用紙9の上面図である。
【0036】
以下では、一例として、Y色とM色との合成色で構成される「T」文字の画像を印刷する場合について、説明する。したがって、以下の例では、Y色ヘッド21が、第1インクとしてのY色インクの液滴を吐出する第1ヘッドとなる。また、M色ヘッド22が、第2インクとしてのM色インクの液滴を吐出する第2ヘッドとなる。
【0037】
この画像記録装置1において印刷処理を行うときには、まず、制御部40が、サーバ2から読み出された画像データD内の画像を、色成分ごとに分解する(ステップS11)。本実施形態では、画像データD内の「T」文字の画像が、Y色とM色との合成色で構成されるため、図4に示すように、画像データD内の画像が、Y色インク成分画像Iyと、M色インク成分画像Imとに、分解される。
【0038】
次に、制御部40は、記憶部43から対応関係データCを読み出す。そして、図5のように、当該対応関係データCとY色インク成分画像Iyとに基づいて、Y色インクによる印刷用紙9の予想伸び量Eを決定する(ステップS12)。ここでは、まず、Y色インク成分画像Iyに基づいて、Y色ヘッド21からのY色インクの吐出量を算出する。Y色インクの吐出量は、記録ヘッドの各ノズルが担当する記録領域(幅方向に区分された1ピクセル幅の領域)ごとに算出される。そして、対応関係データCを参照して、Y色インクの吐出量に対応する印刷用紙9の予想伸び量Eを、上述した記録領域ごとに求める。
【0039】
続いて、制御部40は、求められた予想伸び量Eに応じて、M色インク成分画像Imを変形させる(ステップS13)。ここでは、M色インク成分画像Imを、上述した記録領域ごとに、予想伸び量Eに応じて搬送方向に拡大させる。したがって、図2のように、インクの吐出量と印刷用紙9の伸び量とが正の相関を示す場合、Y色インクの吐出量が多い記録領域ほど、搬送方向の拡大率も大きくなる。その結果、図6のように、幅方向に拡大されたM色インク成分画像Imが得られる。
【0040】
なお、図6の例では、M色インク成分画像Imを、その搬送方向の中央を基準として左右均等に拡大しているが、拡大の基準位置は、必ずしも搬送方向の中央でなくてもよい。例えば、M色インク成分画像Imの最も搬送方向下流側の端縁を基準として、画像を拡大してもよい。拡大の基準位置は、印刷用紙9の伸縮特性や、印刷用紙9に対する張力の掛かり方等を考慮して、実情に近い位置に設定すればよい。
【0041】
以上の画像処理が終了すると、画像記録装置1は、印刷用紙9を搬送しつつ、まず、Y色ヘッド21から印刷用紙9の上面に、Y色インクの液滴を吐出する(ステップS14)。すなわち、制御部40が、変形させていないY色インク成分画像Iyに基づいて、Y色ヘッド21にY色インクの液滴を吐出させる。
【0042】
Y色インクの液滴が吐出された直後には、図7のように、印刷用紙9の上面に、Y色インク成分画像Iyが、ほぼ指示された寸法通りに記録される。しかしながら、印刷用紙9にY色インクが浸透することにより、印刷用紙9に伸びが生じ、図8に示すように、Y色インク成分画像Iyが変形する。特に、本実施形態では、印刷用紙9に対して搬送方向に張力が与えられている。このため、印刷用紙9および印刷用紙9に記録されたY色インク成分画像Iyは、主として搬送方向に伸びる。
【0043】
続いて、画像記録装置1は、印刷用紙9を搬送しつつ、M色ヘッド22から印刷用紙9の上面に、M色インクの液滴を吐出する(ステップS15)。ここで、仮に、M色ヘッド22が、変形前のM色インク成分画像Imに基づいて、M色インクの液滴を吐出したとすると、上記の印刷用紙9の伸びの影響で、印刷用紙9上におけるY色インク成分画像IyとM色インク成分画像Imとの位置関係が、理想的な位置関係からずれてしまう。
【0044】
しかしながら、このステップS15では、制御部40が、変形後のM色インク成分画像Imに基づいて、M色ヘッド22にM色インクの液滴を吐出させる。これにより、印刷用紙9の上面にM色インク成分画像Imを記録する。変形後のM色インク成分画像Imは、上述の通り、Y色インクによる印刷用紙9の予想伸び量Eを反映したサイズとなっている。したがって、M色インクの吐出後には、図9のように、印刷用紙9の上面において、Y色インク成分画像IyとM色インク成分画像Imとが、ほぼずれることなく重なる。
【0045】
その後、画像記録装置1は、印刷用紙9をさらに搬送方向の下流側へ搬送し、乾燥処理部30において、印刷用紙9に付着したインク(本実施形態では、Y色インクおよびM色インク)を乾燥させる(ステップS16)。インクが乾燥すると、印刷用紙9の搬送方向の伸びは、元の状態に近い寸法まで戻る。その結果、図10のように、ほぼ画像データDにより指定された通りの「T」文字の画像が得られる。
【0046】
このように、本実施形態では、Y色インク成分画像Iyを印刷用紙9に記録した後、Y色インクによる印刷用紙9の予想伸び量Eに応じて拡大されたM色インク成分画像Imを、印刷用紙9に記録する。このため、印刷用紙9に記録されるY色インク成分画像IyとM色インク成分画像Imとの位置関係が、少なくとも搬送方向において、理想的な位置関係からずれることを抑制できる。
【0047】
<1−3.3色以上で構成される画像を記録する場合>
上記の例では、Y色およびM色の2色のみで構成される画像を記録する場合について説明したが、3色以上で構成される画像を記録する場合には、3色目以降の色成分についても、画像を変形させてインクの吐出を行えばよい。具体的には、nを2以上の任意の整数として、第nヘッドからの第nインクの吐出を、次のように行えばよい。
【0048】
まず、第1インクから第n−1インクまでの総吐出量と、対応関係データCとに基づいて、印刷用紙9の搬送方向の予想伸び量Eを求める。次に、当該予想伸び量Eに応じて、第nインク成分画像を搬送方向に拡大する。そして、拡大後の第nインク成分画像に基づいて、第nヘッドから印刷用紙9の上面に、第nインクを吐出する。
【0049】
このようにすれば、多くの色成分で構成される画像を印刷するときにも、印刷用紙9に記録される複数の色成分画像の相互の位置関係を、少なくとも搬送方向において、理想的な位置関係に近付けることができる。したがって、印刷物の画像品質をより向上させることができる。
【0050】
<2.第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においても、画像記録装置1の構成自体は、上述した第1実施形態と同等である。本実施形態では、データとしての画像を変形させることなく、印刷用紙9の伸びに応じてインクの吐出タイミングをずらすことで、印刷用紙9に記録される各色の画像の相互の位置関係を補正する。
【0051】
図11は、第2実施形態に係る印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、第1実施形態と同じく、Y色とM色との合成色で構成される「T」文字の画像を印刷する例について、説明する。
【0052】
図11中のステップS21〜S22の処理は、第1実施形態のステップS11〜S12と同様である。すなわち、まず、制御部40が、サーバ2から読み出された画像データD内の画像を、色成分ごとに分解する(ステップS21)。次に、制御部40が、記憶部43から対応関係データCを読み出す。そして、当該対応関係データCとY色インク成分画像Iyとに基づいて、Y色インクによる印刷用紙9の予想伸び量Eを決定する(ステップS22)。
【0053】
続いて、制御部40は、図12のように、予想伸び量Eと、搬送機構10による印刷用紙9の搬送速度Sとに基づいて、補正時間Δtを算出する(ステップS23)。ここでは、予想伸び量Eに対応する印刷用紙9の移動時間を、補正時間Δtとして求める。補正時間Δtは、記録ヘッドの各ノズルが担当する記録領域(幅方向に区分された1ピクセル幅の領域)ごとに算出される。補正時間Δtを算出するための計算式は、例えば、Δt=E/Sとすればよい。
【0054】
以上の処理が終了すると、画像記録装置1は、印刷用紙9を搬送しつつ、まず、Y色ヘッド21から印刷用紙9の上面に、Y色インクの液滴を吐出する(ステップS24)。すなわち、制御部40が、Y色インク成分画像Iyに基づいて、Y色ヘッド21にY色インクの液滴を吐出させる。
【0055】
続いて、画像記録装置1は、印刷用紙9を搬送しつつ、M色ヘッド22から印刷用紙9の上面に、M色インクの液滴を吐出する(ステップS25)。このとき、画像記録装置1は、M色ヘッド22からのM色インクの吐出タイミングを、上述した補正時間Δtに基づいて変更する。
【0056】
図13は、ステップS25において、印刷用紙9の上面に記録される画像と、Y色インクの吐出タイミングとの関係を示した図である。図13では、画像データD内のM色インク成分画像Imに基づく本来の吐出タイミングが、破線で示されている。図13のように、ステップS25では、M色インクの液滴が吐出される時間帯を、例えば前後Δt/2ずつ拡大する。そして、拡大された時間帯において、M色インクの液滴を均等に吐出する。これにより、印刷用紙9の上面において、Y色インク成分画像IyとM色インク成分画像Imとを、ほぼずれることなく重ねることができる。
【0057】
なお、M色インクが吐出される時間帯の拡大の仕方は、必ずしも図13の通りでなくてもよい。本来の吐出タイミングに対して、補正時間Δtをどのように適用するかは、印刷用紙9の伸縮特性や、印刷用紙9に対する張力の掛かり方等を考慮して、印刷処理ごとに設定すればよい。
【0058】
その後、画像記録装置1は、印刷用紙9をさらに搬送方向の下流側へ搬送し、乾燥処理部30において、印刷用紙9に付着したインク(本実施形態では、Y色インクおよびM色インク)を乾燥させる(ステップS26)。インクが乾燥すると、印刷用紙9の搬送方向の伸びは、元の状態に近い寸法まで戻る。その結果、ほぼ画像データDにより指定された通りの「T」文字の画像が得られる。
【0059】
このように、本実施形態では、Y色インク成分画像Iyを印刷用紙9に記録した後、M色インクの液滴を吐出する際に、Y色インクによる印刷用紙9の予想伸び量Eに対応する補正時間Δtに基づいて、M色インクの吐出タイミングを変更する。これにより、印刷用紙9に記録されるY色インク成分画像IyとM色インク成分画像Imとの位置関係が、少なくとも搬送方向において、理想的な位置関係からずれることを抑制できる。
【0060】
なお、上記のように、M色インクが吐出される時間帯を拡大すると、M色ヘッドからのM色インクの吐出間隔が広くなる。このため、例えば、図14(a)のように、M色インクの液滴Lmが本来密に配列されるべき箇所において、図14(b)のように、隣り合う液滴Lmの間に隙間が生じる場合がある。このような隙間は、乾燥により印刷用紙9の伸びが解消された後においても、残る場合がある。この点を考慮し、画像記録装置1は、補正時間Δtに応じて、M色インクの液滴Lmの搬送方向の吐出数を変更するようにしてもよい。そうすれば、隣り合う液滴Lm間の隙間を無くし、図14(c)のように、印刷用紙9の上面において、複数の液滴Lmを密に配列することができる。
【0061】
また、3色以上で構成される画像を記録する場合には、3色目以降の色成分についても、インクの吐出タイミングを変更すればよい。具体的には、nを2以上の任意の整数として、第nヘッドからの第nインクの吐出を、次のように行えばよい。
【0062】
まず、第1インクから第n−1インクまでの総吐出量と、対応関係データCとに基づいて、印刷用紙9の搬送方向の予想伸び量Eを求める。次に、当該予想伸び量Eに対応する印刷用紙9の移動時間を、補正時間Δtとして求める。そして、第nインク成分画像に基づく本来の吐出タイミングを、補正時間Δtに基づいて変更しながら、第nヘッドからの第nインクの吐出を行う。
【0063】
このようにすれば、多くの色成分で構成される画像を印刷するときにも、印刷用紙9に記録される複数の色成分画像の相互の位置関係を、少なくとも搬送方向において、理想的な位置関係に近付けることができる。したがって、印刷物の画像品質をより向上させることができる。
【0064】
<3.変形例>
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0065】
上記の各実施形態では、幅方向に区分された1ピクセル幅の領域ごとに、予想伸び量Eを求めていたが、予想伸び量Eは、幅方向に区分された複数ピクセル幅の領域ごとに求めてもよい。したがって、画像の変形や吐出タイミングの変更も、複数ピクセル幅の領域ごとに行ってもよい。
【0066】
また、上記の実施形態では、Y色インク成分画像Iyと、M色インク成分画像Imとが重なる場合について説明したが、本発明において記録対象となる画像は、Y色インク成分画像IyとM色インク成分画像Imとが、異なる位置に記録される画像であってもよい。そのような場合においても、上記の印刷処理を行うことによって、Y色インク成分画像IyとM色インク成分画像Imとの位置関係が、少なくとも搬送方向において、理想的な位置関係からずれることを抑制できる。
【0067】
また、上記の実施形態では、記憶部43に記憶された対応関係データCに基づいて、印刷用紙9の予想伸び量Eを求めていたが、画像記録装置1に印刷用紙9の伸び量を計測するセンサを追加し、センサにより実測された伸び量に基づいて、画像の変形量や補正時間Δtを求めるようにしてもよい。
【0068】
また、インクが吐出されると印刷用紙9に縮みが生じる場合にも、本発明を適用することが可能である。印刷用紙9に縮みが生じる場合には、ステップS12またはステップS22において、印刷用紙9の搬送方向の予想縮み量を求め、続くステップS13またはステップS23において、当該予想縮み量に応じて、画像の変形または補正時間Δtの算出を行えばよい。すなわち、本発明における「伸縮量」は、伸び量および縮み量の少なくとも一方の情報を含んでいればよい。
【0069】
また、上記の実施形態では、画像記録装置1内に4つの記録ヘッド21〜24が設けられていた。しかしながら、画像記録装置1内の記録ヘッドの数は、2〜3つであってもよく、5つ以上であってもよい。例えば、Y,M,C,Kの各色に加えて、特色のインクを吐出するヘッドが設けられていてもよい。本発明の画像記録装置は、第1インクの液滴を被記録媒体へ向けて吐出する第1ヘッドと、第1ヘッドより搬送方向の下流側において、第1インクとは異なる色の第2インクの液滴を、被記録媒体へ向けて吐出する第2ヘッドと、を少なくとも含んでいればよい。
【0070】
また、上記の実施形態では、固定的に配置された複数の記録ヘッド21〜24に対して、印刷用紙9を搬送方向に移動させていた。しかしながら、印刷用紙9の位置を固定し、当該印刷用紙9に対して複数の記録ヘッド21〜24を移動させてもよい。すなわち、本発明の搬送機構は、複数の記録ヘッドと被記録媒体とを、相対移動させるものであればよい。
【0071】
また、上記の実施形態では、長尺なシート上の印刷用紙9を、複数のローラを利用して搬送していた。しかしながら、本発明の画像記録装置は、小片に裁断されたシート状の印刷用紙を、移動可能なテーブル上に載置して搬送しつつ、画像を記録するものであってもよい。
【0072】
また、上記の画像記録装置1は、被記録媒体としての印刷用紙9に画像を記録するものであった。しかしながら、本発明の画像記録装置は、一般的な紙以外のシート状の被記録媒体(例えば、樹脂製のフィルム等)に、画像を記録するものであってもよい。
【0073】
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 画像記録装置
2 サーバ
9 印刷用紙
10 搬送機構
11 巻き出し部
12 ローラ
13 巻き取り部
20 画像記録部
21 Y色ヘッド
22 M色ヘッド
23 C色ヘッド
24 K色ヘッド
30 乾燥処理部
40 制御部
43 記憶部
C 対応関係データ
D 画像データ
E 予想伸び量
Iy Y色インク成分画像
Im M色インク成分画像
Lm 液滴
P コンピュータプログラム
S 搬送速度
Δt 補正時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14