特許第6263028号(P6263028)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263028
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】部品装着装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20180104BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   H05K13/04 M
   H05K13/08 Q
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-272115(P2013-272115)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-126216(P2015-126216A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】和田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】吉井 貴志
(72)【発明者】
【氏名】井本 卓哉
【審査官】 川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−119134(JP,A)
【文献】 特開2000−150970(JP,A)
【文献】 特開2013−077648(JP,A)
【文献】 特開2009−168632(JP,A)
【文献】 特開2012−127924(JP,A)
【文献】 特開2000−183404(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/020975(WO,A1)
【文献】 特開2000−299501(JP,A)
【文献】 特開2014−135482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
H01L 33/00、33/48−33/64
G01N 21/62−21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着ヘッドにより発光部を有するLED素子を基板に装着する部品装着装置において、
前記装着ヘッドが供給部に載置された前記LED素子を取出す前にその素子の発光部を有する面を撮像する発光部撮像カメラと、
前記発光部撮像カメラの撮像した画像に基づき前記LED素子の外形に対する前記発光部の位置を認識する発光部認識手段と、
前記装着ヘッドに保持された前記LED素子を下方から撮像する部品認識カメラによって撮像された画像に基づき前記LED素子の外形の位置を認識する部品外形認識手段と、
前記発光部認識手段に認識された前記発光部の外形に対する位置及び前記部品外形認識手段に認識された前記LED素子の外形の位置に基づき前記発光部が基板の所定の位置に位置して前記LED素子を前記基板に装着させるよう前記装着ヘッドの駆動源を制御する制御手段とを設け
前記発光部は前記LED素子の発光体の光を受けて蛍光する蛍光体であり、前記発光部撮像カメラによる前記LED素子の撮像時には前記発光体の発光する波長と略同じ波長か、または、前記発光体の発光する波長よりも短い波長の照明を用いることを特徴とする部品装着装置。
【請求項2】
前記発光部撮像カメラによる前記LED素子の前記発光部の撮像時には前記照明の発光する波長の光を遮断するフィルタを用いることを特徴とする請求項に記載の部品装着装置。
【請求項3】
前記発光体が発光するのは青色光であることを特徴とする請求項1または2に記載の部品装着装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記LED素子の裏面に形成され前記基板のランドに半田付けされる端子の位置に対して前記発光部の位置が位置すべき所定位置から許容範囲を超えて位置ずれしていると判断した場合に前記LED素子を前記基板に装着しないように前記装着ヘッドの移動を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の部品装着装置。
【請求項5】
前記部品外形認識手段は、前記装着ヘッドに保持された前記LED素子を下方から撮像する前記部品認識カメラによって撮像された画像に基づき前記LED素子の外形及び前記端子の位置を認識し
前記制御手段は前記部品外形認識手段に認識された前記LED素子の外形の位置及び前記発光部認識手段の認識した前記LED素子の外形に対する前記発光部の位置に基づき前記端子の位置に対する前記発光部の位置を算出して前記発光部の位置ずれが許容範囲を超えているかの判断を行うことを特徴とする請求項に記載の部品装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着ヘッドにより発光部を有するLED素子を基板に装着する部品装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光部を有するLED素子を基板上に装着する部品装着装置は、例えば特許文献1などに開示されている。特許文献1に記載の技術にて、基板上にLED素子を装着する場合に例えば装着ヘッドに保持されたLED素子の外形を認識してからLED素子の外形の位置を基板の装着位置に装着することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−165834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、LED素子の外形を認識する場合、LED素子の発光部の位置が外形に対してばらつくと基板に装着されたLED素子の発光部の位置は基板に対してばらついてしまう。LED素子の発光部の位置の外形に対するばらつきが大きいと、例えば、複数のLED素子の発光部を一直線上に並べたい等というように、発光部を基板の定められた位置に位置決めして装着することが難しかった。
【0005】
そこで、本発明はLED素子の発光部を装着対象物の装着すべき位置に正確に位置決めして装着できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、装着ヘッドにより発光部を有するLED素子を基板に装着する部品装着装置において、
前記装着ヘッドが供給部に載置された前記LED素子を取出す前にその素子の発光部を有する面を撮像する発光部撮像カメラと、
前記発光部撮像カメラの撮像した画像に基づき前記LED素子の外形に対する前記発光部の位置を認識する発光部認識手段と、
前記装着ヘッドに保持された前記LED素子を下方から撮像する部品認識カメラによって撮像された画像に基づき前記LED素子の外形の位置を認識する部品外形認識手段と、
前記発光部認識手段に認識された前記発光部の外形に対する位置及び前記部品外形認識手段に認識された前記LED素子の外形の位置に基づき前記発光部が基板の所定の位置に位置して前記LED素子を前記基板に装着させるよう前記装着ヘッドの駆動源を制御する制御手段とを設け
前記発光部は前記LED素子の発光体の光を受けて蛍光する蛍光体であり、前記発光部撮像カメラによる前記LED素子の撮像時には前記発光体の発光する波長と略同じ波長か、または、前記発光体の発光する波長よりも短い波長の照明を用いることを特徴とする。
【0008】
の発明は、第1の発明において、前記発光部撮像カメラによる前記LED素子の発光部の撮像時には前記照明の発光する波長の光を遮断するフィルタを用いることを特徴とする。
【0009】
の発明は、第または第の発明において、前記発光体が発光するのは青色光であることを特徴とする。
の発明は、第1〜第3の発明において、前記制御手段は、前記LED素子の裏面に形成され前記基板のランドに半田付けされる端子の位置に対して前記発光部の位置が位置すべき所定位置から許容範囲を超えて位置ずれしていると判断した場合に前記LED素子を前記基板に装着しないように前記装着ヘッドの移動を制御することを特徴とする。
【0010】
の発明は、第の発明において、前記部品外形認識手段は、前記装着ヘッドに保持された前記LED素子を下方から撮像する前記部品認識カメラによって撮像された画像に基づき前記LED素子の外形及び前記端子の位置を認識し
前記制御手段は前記部品外形認識手段に認識された前記LED素子の外形の位置及び前記発光部認識手段の認識した前記LED素子の外形に対する前記発光部の位置に基づき前記端子の位置に対する前記発光部の位置を算出して前記発光部の位置ずれが許容範囲を超えているかの判断を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、LED素子の発光部を装着対象物の装着すべき位置に正確に位置決めして装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電子部品装着装置の平面図である。
図2】照明灯を点灯させて部品供給ユニットに収納されたLED素子に照射した状態の簡略説明図である。
図3】部品供給ユニットから取出したLED素子を認識して基板に装着するまでの過程を側面から模式的に表す図である。
図4】部品供給ユニットに収納されたLED素子の平面図である。
図5】装着ヘッドに保持されLED素子を部品認識カメラが撮像した画面の図である。
図6】LED素子のリード端子と蛍光体との位置が異なる位置関係にある場合を示すリード端子形成面から見た平面図である。
図7】基板認識カメラの他に吸着位置を撮像する吸着位置認識カメラを設けた装着ヘッドを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき本発明の実施形態につき説明する。図1は電子部品装着装置1の平面図であり、電子部品装着装置1の装置本体2上の前部及び後部には部品供給装置3A、3B、3C、3Dが4つのブロックに分かれて複数並設されている。部品供給装置3Aはレーン番号(部品供給ユニットの配置番号)が100番台であり、部品供給装置3Bはレーン番号が200番台であり、部品供給装置3Cはレーン番号が300番台であり、部品供給装置3Dはレーン番号が400番台である。
【0014】
前記各部品供給装置3A、3B、3C、3Dは、取付台であるカート台のフィーダベース上に部品供給ユニット5を多数並設したものであり、部品供給側の先端部が基板としてのプリント基板Pの搬送路に臨むように前記装置本体2に連結具(図示せず)を介して着脱可能に配設され、この連結具を解除して把手を引くと下面に設けられたキャスタにより移動できる構成である。
【0015】
そして、各部品供給装置3A、3B、3C、3Dは、部品供給側の先端部が装着ヘッド6のピックアップ領域(部品の取出し領域)に臨むように配設されており、各部品供給ユニット5は前記カート台に回転自在に載置した供給リールに巻回した状態で順次繰り出された収納テープに所定間隔で開設した送り孔にその歯が嵌合した送りスプロケットを所定角度回転させて収納テープを部品の部品吸着取出位置まで送りモータにより間欠送りするテープ送り機構と、剥離モータの駆動により吸着取出位置の手前でキャリアテープからカバーテープを引き剥がすためのカバーテープ剥離機構とを備え、カバーテープ剥離機構によりカバーテープを剥離してキャリアテープの収納部に装填された部品を順次部品吸着取出位置へ供給して先端部から後述する保持具としての吸着ノズル11により取出し可能である。
【0016】
そして、手前側の部品供給装置3B、3Dと奥側の部品供給装置3A、3Cとの間には、基板搬送機構を構成する2つの供給コンベア、位置決め部8、8(コンベアを有する)及び排出コンベアが設けられている。前記各供給コンベアは上流より受けた各プリント基板Pを前記各位置決め部8に搬送し、この各位置決め部8で位置決め機構(図示せず)により位置決めされた各基板P上に部品が装着した後、各排出コンベアに搬送し、その後下流側装置に搬送する。なお、前記位置決め機構により、プリント基板Pは前後左右方向(平面方向)、上下方向(垂直方向)の位置決めがされる。
【0017】
Y方向にY軸駆動モータによりガイドレール9に沿って移動する各ビーム10にはその長手方向、即ちX方向にX軸駆動モータにより移動する装着ヘッド6が設けられ、この装着ヘッド6には複数本の吸着ノズル11が設けられる。そして、前記装着ヘッド6には前記吸着ノズル11を上下動させるための上下軸駆動モータが搭載され、また鉛直軸周りに回転させるためのθ軸駆動モータが搭載されている。従って、装着ヘッド6の吸着ノズル11はX方向及びY方向に移動可能であり、鉛直軸回りに回転可能で、かつ上下動可能となっている。Y軸駆動モータ及びX軸駆動モータあるいは吸着ノズル11の昇降の駆動源等は図示しない制御部に制御される。
【0018】
12は部品認識カメラで、各種部品が吸着ノズル11に対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、位置認識するために前記吸着ノズル11に吸着保持された部品を撮像する。19は前記装着ヘッド6に設けられた基板認識カメラで、プリント基板Pに付された位置決めマーク等を撮像する。そして、各前記カメラ12、19により撮像された画像は、図示しない認識処理装置により認識処理される。
【0019】
図2において、20は前記部品供給ユニット5に送られる収納テープ30に所定間隔で形成された収納部31に収納されているLED素子21あるいはプリント基板Pに装着されているLED素子21に斜め上方から青色の光(以下、青色光BLという。)を照射する複数個の照明灯で、前記LED素子21を平面視した場合における最長部の長さより長い間隔を置いて配設される。この複数個の照明灯20は、所定間隔を存して一列に複数個配設した照明灯20の群を対向するように、前記間隔を置いて前記装着ヘッド6に二列配設するようにしてもよいし、前記間隔を直径とする円周上に環状に所定の間隔を存して複数個配設するようにしてもよい。部品供給ユニット5には送られる収納テープ30の上方を覆いLED素子21等の電子部品の飛び出しを防止するカバー部材34が設けられている。
尚、本実施形態のLED素子21は上面(発光面)に発光部である蛍光体21Aが形成され(図4参照)、この蛍光体21Aは下に位置する図示しない発光体(LED素子21の裏面のリード端子に通電されたときに発光する。)が青色光を発光し、この青色光により可視光を発光する。蛍光体21Aは塗布等により前記発光体の上を覆って形成される。照明灯20はこの図示しない発光体の発光する青色光と同じ波長の青色光を発光するものであることが好ましい。あるいは、この波長の青色光を多く含むことが好ましい。前記青色光は例えば波長が470±20nmである。または、蛍光体21Aが蛍光するのであればその波長の光でもよく、例えば青色で蛍光する蛍光体21Aがさらに波長の短い色の紫あるが近紫外光で蛍光するのであればそのような波長の光を照明灯20に用いてもよい。さらには紫外光でもよい。
【0020】
22は前記基板認識カメラ19の下面に取り付けられる鏡筒で、内部に反射像を結像するためのレンズ23が配設されている。
24はフィルタで、青色光BLを反射させて透過させないでカット(遮断)してこの青色光BLが前記基板認識カメラ19の撮像面に入射しないようにするもので、前記装着ヘッド6に取り付けられる。
【0021】
フィルタ24は青色の波長の光のみをカットするものであってもまたは青色の波長の光及び青色より波長の短い光をすべてカットするものであってもよい。あるいは、フィルタ24は青色光の波長をカットすると共に、青色光を照射したことにより蛍光体21Aより発光される可視光の青色でない波長の光をもカットするものであって、この可視光の一部の波長の光は透過するものでもよい。フィルタ24は少なくとも照明灯20の波長の光をカットするものである。
【0022】
このフィルタ24は、前記照明灯20からの青色光BLを前記収納部31内の前記LED素子21に照射する際に、このLED素子21と前記基板認識カメラ19との間に位置することとなるように前記装着ヘッド6に配設される。フィルタ24Aとして点線で示すように、前記鏡筒内において前記レンズ23と前記基板認識カメラ19との間に配設してもよい。このフィルタ24あるいはフィルタ24Aはモールド部21Bから反射される青色光BLをカットするのであるが、当然照明灯20から直接照射される青色光BLをもカットする。フィルタ24、24AはLED素子21と基板認識カメラ19の撮像面との間にあって、LED素子21を照明する照明灯20よりも基板認識カメラ19の撮像面側に備えられている。
【0023】
そして、前記照明灯20からの青色光BLが前記プリント基板P上の前記LED素子21に照射されると、前記LED素子21上面の発光部である蛍光体21Aから青色光以外の波長も含む可視光VL(人間の眼で見ることができる光。波長が330から780nmの範囲)が発生すると共にその他の部分(モールド部21B等)からは青色光BLが反射することとなる。
【0024】
従って、前記基板認識カメラ19と収納部31またはプリント基板Pとの間に位置する前記フィルタ24によって、青色光BLはカットされて、前記蛍光体21Aからの可視光VLであってフィルタ24でカットされない波長の光のみが前記レンズ23を介して前記基板認識カメラ19の撮像面に入射する。この結果、前記LED素子21の蛍光体21Aのみ明るく映り、この蛍光体21A部分のみの位置を前記認識処理装置により認識することができる。
尚、LED素子21の種類によってはフィルタ24反射した青色光をカットすることなく、照明20から青色光が照射された収納部31の画像を直接撮像して蛍光体21Aとその周囲のモールド部21Bとの明度に差がある場合にはフィルタ24を使用しなくてもよい。
【0025】
部品(LED素子21を含む電子部品)の吸着及び装着動作について説明する。
前記プリント基板Pが上流装置より供給コンベアを介して位置決め部8に搬送されて位置決め固定され、装着順毎の装着データに従い、装着ヘッド6が移動して、電子部品の部品種に対応した吸着ノズル11が装着すべき電子部品を所定の部品供給ユニット5から吸着して取出す。
図1の部品供給装置3A、3B、3C、3Dに並設されている部品供給ユニット5は前記スプロケットの周囲に放射状に突出した歯(嵌合ピン)がLED素子21等の電子部品が所定間隔で収納された収納テープ30の送り孔29に嵌合してこの収納テープ30を送る。LED素子21を取出す前に前記スプロケットがLED素子21の収納間隔で間欠回転することによりLED素子21が収納されている収納部31は、LED素子21が取出される取出し位置に図3(a)に示すように位置決め停止される。
次に、収納部31に収納されたLED素子21の外形の撮像及びその位置認識が行われる。即ち、基板認識カメラ19の下の鏡筒の周りに環状に備えられた図示しない光源から赤色等の照明光が収納部31内のLED素子21全体に照射される。この照射光は前記フィルタ24にカットされずに透過する波長の光である。この光源は照明灯20の近傍に基板認識カメラ19の光軸を中心として環状に設けられていてもよいし、この光軸の両側に一対もしくは列状に設けられていても良い。尚、外形の撮像時にフィルタにカットされないかカットされても一部透過するような近紫外光の照明を用いてもよい。
LED素子21は図4に示すように収納部31内に載置されているが、図3(b)に示すように赤色等の照明によりその外形の輪郭(エッジ)が収納部31の輪郭(エッジ)とは区別されて撮像される。この画像からLED素子21の中心等の外形基準位置32がLED素子21の外形の位置として図示しない発光部認識手段としての制御部に認識される。LED素子21の外形の位置として認識される外形基準位置32はLED素子21の重心であってもよいし、外形から認識して特定できる所定の基準点の位置であってもよい(例えば、矩形であれば辺あるいは角部等から所定の距離角度等で位置が特定できる位置)。
次に装着ヘッド6を移動させず、また部品供給ユニット5内での収納テープ30の送りも停止したまま、蛍光体21AのLED素子21の外形に対する位置を検出する。即ち、図3(b)に示す位置で赤色等の照明を切り、青色光を照射する照明灯20を点灯させ収納部31及びLED素子21に照明を照射してカメラ19で撮像すると、図4の蛍光体21Aのみが明るく映り、その周りのモールド部等からの青色光はフィルタ21でカットされ暗い状態の画像が撮像される。この画像から蛍光体21Aの中心等の蛍光体基準位置33が蛍光体21Aの位置として発光部認識手段としての制御部に認識・検出される。蛍光体21Aの位置としては中心位置でなく重心位置もしくは蛍光体21Aの画像から認識できる所定の基準点の位置であってもよい(例えば、認識可能な特定の辺あるいは角部等から所定の距離角度等で位置が特定できる点の位置)。
上述のようにLED素子21の外形の位置に対する蛍光体21Aの位置との関係が把握されることから、LED素子21の外形に対する蛍光体21Aの位置が認識・検出される。電子部品装着装置1の図示しない制御部にはLED素子21の外形に対して蛍光体21Aの位置すべき所定位置が記憶されており(上述の外形中心位置等の該駅基準位置32を原点として蛍光体基準位置33がX,Y方向に変位している座標位置として等)、この所定位置に対する蛍光体21Aの位置ずれが認識(算出)される。
次に、装着ヘッド6が部品取出し位置に移動する。この場合、吸着ノズル11がLED素子21の略中心位置を吸着できるように前述の認識結果に基づいて装着ヘッド6の水平方向への移動を制御することが好ましい。または、蛍光体21Aの位置も認識しているので、蛍光体21Aを吸着ノズル11が避けるほうが良い場合には避けた位置を吸着するように装着ヘッド6を移動させてもよい。このようにして装着ヘッド6の水平方向の位置決めをすると共に装着ヘッド6は図3(c)に示すように下降してLED素子21を吸着して取出す。
次に、装着ヘッド6は吸着したLED素子21を吸着ノズル11に保持して部品認識カメラ12上に移動して、部品認識カメラ12の周囲からLED素子21に照射される光がLED素子21下面で反射された反射像の撮像を図3(d)に示すように行う。この撮像画面は図5に示すように暗い背景にその背景よりは明るいLED素子21の下面が映り下面の中のリード端子35が明るく映る画面となっており、装着ヘッド6に対するLED素子21の外形の位置の認識が可能である。従って、この外形の位置に対する蛍光体21Aの位置が前述のLED素子21を取出す前の認識により分かっているため、装着ヘッド6に対しての蛍光体21Aの位置が計算により部品外形認識手段としての図示しない制御部により認識できる。図5には撮像されない蛍光体21Aの形成位置を参考のため点線で示しており、この基準位置である星印の位置33がLED素子21の中心32から認識される。
次に、装着ヘッド6はプリント基板P上に移動して図示しない装着データで示されたプリント基板Pの装着すべき位置に図示しない制御部の制御によりLED素子21を図3(e)のように装着する。
この時、蛍光体21Aの中心位置(基準位置)をこの装着データで示す装着位置に位置決めしたい場合には、認識された蛍光体21Aの中心位置(基準位置)が装着データで示される装着位置に位置するように装着ヘッド6の水平方向の移動が制御され位置決めされ、吸着ノズル11の下降により装着動作が実行される。
次に、収納テープ30が部品供給ユニット5内で送られ次の収納部31に収納されたLED素子21が部品取出し位置に図3(a)に示されるように位置すると前述と同様にして図3(b)に示されるLED素子21の上面(発光面)の撮像及び蛍光体21AのLED素子21の外形に対する位置認識が行われ、装着データが示す次の装着位置に蛍光体21Aの位置が合わせて装着される。
このようにして、プリント基板P上に複数のLED素子21がその蛍光体21Aの位置を装着すべき位置に位置決めされて装着される。1直線上に複数の装着位置が並ぶ場合であれば、蛍光体21Aがその1直線上に並んで装着される。
次に、第2の実施形態について説明する。
LED素子21の裏面には図5に示すように電導性のリード端子35が形成されており、このリード端子35が略同じ形状のプリント基板Pに形成されたランド(銅等の電導性の金属配線)に半田付けして固定される。
プリント基板Pのランドに予め印刷されたペースト状のクリーム半田上にLED素子21装着された状態で所謂リフロー炉にコンベア等で搬入して所定時間加熱して半田を溶かし、その後冷却して前記ランドにリード端子35が半田付けされることによりLED素子21はプリント基板Pに固定される。この半田付けの工程ではリード端子35が対応するランドの位置に対してずれて装着されていると半田が溶けたときにリード端子がランドに一致するようにLED素子21が移動する所謂セルフアライメントの現象が起こることがある。
セルフアライメントの現象が発生すると蛍光体21Aの位置を位置決めしてあってもその位置からずれてしまうことが起こり得る。
第1の実施形態のように蛍光体21Aの位置を装着データで示す装着すべき位置に装着する場合にセルフアライメントして位置ずれが生ずることを防止するために、接着剤をプリント基板Pの装着位置近傍に塗布してLED素子21がリフロー炉内で半田付けされているときにも位置ずれしないよう固定することがよい。
または、次に詳述するようにセルフアライメント効果により許容される以上の位置ずれを起こす虞があるLED素子21を装着せずに廃棄するようにしてもよい。
即ち、図3(b)のようにして取出し前のLED素子21の外形に対する蛍光体21Aの位置が認識されており、図3(d)の工程にて下面からの撮像で図5に示される画像が得られるが、このとき外形により蛍光体21Aの位置が分かる。一方、この画像のリード端子35の部分から複数のリード端子35の全体としての位置が認識できる。リード端子35の端子基準位置として例えば図5では3つのリード端子35の重心位置を採用することができる。または重心位置でないリード端子35の所定の基準点を端子基準位置として採用してもよい。
前述のように図3(d)の部品認識によりこの画像での蛍光体21Aの位置が分かるので、蛍光体21Aの位置とリード端子35の位置(端子基準位置)との関係を算出することができる。
例えば、図6のようにリード端子35の端子基準位置37と蛍光体21Aの蛍光体基準位置33の位置関係を算出することができる。図6(a)が正しい位置関係を示すものとすると、図6(a)の場合には蛍光体21Aの蛍光体基準位置33を装着データの示す位置に合わせて装着するとリード端子35は対応するランドの位置と一致し、半田付けしてもその位置を維持することができセルフアライメントですれることはない。または、少しずれた位置に装着してもセルフアライメント効果でランドとリード端子35が一致するように移動すれば蛍光体21Aの基準位置が装着データの指定位置と一致して半田付けされるようにすることができる。これに対して、図6(b)のように正しい(a)の位置から蛍光体21Aの位置がずれていると装着データの示す位置に蛍光体21Aの位置を合わせて装着させたとしてもセルフアライメント効果により半田付け時にLED素子21の位置がずれ蛍光体21Aの位置が装着データの示す位置よりずれてしまうこととなる。
従って、図6の場合であれば正しい位置ずれX1に対して位置ずれX2が許容範囲外であるときにはこのLED素子21をプリント基板Pに装着せずに所定の廃棄位置に廃棄するように電子部品装着装置1の図示しない制御部は装着ヘッド6の移動を制御する。許容範囲であるかどうかはX1とX2の差が所定の許容距離より短いこと等が考えられる。位置ずれX1に対して位置ずれX2が許容範囲内であれば前記制御部は装着データの示す位置に蛍光体21Aの位置を合わせてLED素子21をプリント基板Pに装着する。もしくは認識されたリード端子35の位置を装着データの示す位置に合わせて装着するよう制御しても良い。
また、第3の実施形態として基板認識カメラ19以外のカメラを装着ヘッド6に設け装着ヘッド6がLED素子21を吸着できる水平方向の位置に位置している場合に、LED素子21の上面(発光面)の撮像ができるようにしてもよい。
即ち、図7に示すように基板認識カメラ19より吸着ノズル11側に発光部撮像カメラとしての吸着位置認識カメラ40を設け、装着ヘッド6に対して昇降する吸着ノズル11が下降して部品を吸着する収納部31の全体を1画面で撮像できるようにする。吸着位置認識カメラ40の光軸は図7に1点鎖線で示すように斜め下方を向く。照明灯41がカメラ40の撮像画像の光を取り込む窓部の上側に設けられ、この照明灯41がLED素子21の外形を撮像する場合には赤色光を照射し、蛍光体21Aを撮像する場合には青色光を照射する。カメラ40の撮像素子と前記窓部との間に青色光をカットするフィルタが設けられる。また、カメラ40に取り込まれる画像の光が撮像素子まで至る前に通過するレンズは画像の大きさを変えないテレセントリックレンズが好ましい。
このようにしておけば、吸着位置認識カメラ40で蛍光体21Aを撮像して装着ヘッド6を水平移動させずに直ちにノズル11の下降を行うことができ、吸着動作の時間が短縮できる。または、撮像画像を認識処理してから認識された蛍光体21Aの水平位置ずれを補正移動しながら吸着ノズル11の下降をさせることもできる。または、撮像画像を認識処理してから認識された水平位置ずれがLED素子21の吸着には問題ない範囲と判断したならば、水平方向へ補正移動しないで吸着ノズル11の下降をさせることもできる。さらには、今回の認識された水平位置ずれを次回の吸着のときに補正して吸着ノズル11の下降をさせてもよい。この場合装着ヘッドを位置決め停止させてから吸着位置認識カメラ40で撮像し、許容範囲内であることを確認してから吸着ノズル11を下降させることができる。吸着位置認識カメラ40は収納部31に収納されたLED素子21を撮像するのみでなく、プリント基板Pに装着されたLED素子21を前述と同様に青色と赤色の照明で撮像して蛍光体21Aの位置を認識することもできる。
または、LED素子21の外形を撮像するのは基板認識カメラ19が実行し、その後装着ヘッド6が吸着ノズル11による取出し位置に移動した後に吸着位置認識カメラで蛍光体21Aを青色光で撮像するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、LED素子21は収納テープ30に収納された状態で撮像されたが、平板状のトレイに水平のXY方向に所定間隔で載置されているLED素子21を基板認識カメラ19で上述と同様に撮像して蛍光体21Aの位置認識をしてもよい。
【0026】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0027】
1 電子部品装着装置
6 装着ヘッド
19 基板認識カメラ
20 照明灯
21 LED素子
21A 蛍光体(発光部)
21B モールド部
24、24A フィルタ
31 収納部
40 吸着位置認識カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7