【実施例】
【0028】
(化合物1の合成)
水100重量部に対して酸化チタンを26.2重量部混合・攪拌した。その後、23.8重量部の炭酸カリウムを加えてさらに攪拌した。混合した溶液を200℃で噴霧乾燥(スプレードライ)し、800℃で3時間焼成し、TiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造二チタン酸カリウム(K
2Ti
2O
5)を得た。
【0029】
(化合物2の合成)
酸化チタン16.4重量部と炭酸セシウム33.6重量部をラボミキサーで混合後、ボールミルで粉砕し、850℃で2時間焼成し、TiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造二チタン酸セシウム(Cs
2Ti
2O
5)を得た。
【0030】
(化合物3の合成)
化合物2を脱水濾過器に投入し、化合物2の重量に対して3倍量の水をシャワーリングしながら濾過し、その後120℃で1時間乾燥処理を施すことにより、TiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造を維持した水和二チタン酸セシウム(Cs
0.9H
0.1)
2Ti
2O
5・0.1H
2Oを得た。組成式は、蛍光X線による組成分析の結果より算定した。
【0031】
(化合物4の合成)
化合物1を化合物1の重量に対し27倍量の水で1時間水洗することにより、脱カリウム処理を行い、脱水・乾燥後、850℃で2時間焼成することにより、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造四チタン酸カリウム(K
2Ti
4O
9)を得た。
【0032】
(化合物5の合成)
水100重量部に対して酸化チタンを34.3重量部混合・攪拌した。その後、15.7重量部の炭酸ナトリウムを加えてさらに攪拌した。混合した溶液を200℃で噴霧乾燥(スプレードライ)し、800℃で10時間焼成し、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造三チタン酸ナトリウム(Na
2Ti
3O
7)を得た。
【0033】
(化合物6の合成)
化合物5を化合物5の重量に対し7倍量の水で1時間水洗することにより脱ナトリウム処理を行い、脱水し、その後200℃で1時間乾燥することにより、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造を維持した水和三チタン酸ナトリウム(Na
0.7H
0.3)
2Ti
3O
7・0.1H
2Oを得た。組成式は、蛍光X線による組成分析の結果より算定した。
【0034】
(化合物7の合成)
水100重量部に対して酸化チタンを33.9重量部混合・攪拌した。その後、16.1重量部の炭酸ナトリウムを加えてさらに攪拌した。混合した溶液を200℃で噴霧乾燥(スプレードライ)し、800℃で10時間焼成し、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造三チタン酸ナトリウム(Na
2Ti
3O
7)と五チタン酸ナトリウム(Na
4Ti
5O
12)の複合物を得た。
【0035】
(化合物8の合成)
水100重量部に対して酸化チタンを33.1重量部混合・攪拌した。その後、15.2重量部の炭酸カリウムと1.8重量部の水酸化リチウムを加えてさらに攪拌した。混合した溶液を200℃で噴霧乾燥(スプレードライ)し、1000℃で3時間焼成し、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸リチウムカリウム(K
0.9Li
0.3Ti
1.7O
4)を得た。
【0036】
(化合物9の合成)
水100重量部に対して酸化チタンを31.0重量部混合・攪拌した。その後、13.4重量部の炭酸カリウムと5.7重量部の水酸化マグネシウムを加えてさらに攪拌した。混合した溶液を200℃で噴霧乾燥(スプレードライ)し、1100℃で2時間焼成し、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸マグネシウムカリウム(K
0.8Mg
0.4Ti
1.6O
4)を得た。
【0037】
(化合物10の合成)
化合物9を化合物9の重量に対し5倍量の水で1時間水洗することにより脱カリウム処理を行い、脱水し、その後200℃で1時間乾燥することにより、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造を維持した水和チタン酸マグネシウムカリウム(K
0.7H
0.1Mg
0.4Ti
1.6O
4・0.1mH
2O)を得た。組成式は、蛍光X線による組成分析の結果より算定した。
【0038】
<実施例1>
(1−1)粒度調整
化合物1と化合物4を準備し、それぞれ粉砕もしくは解砕等により化合物1の二次粒子平均径が化合物4の二次粒子平均径の1/2以下になるように調整した。調整後の化合物4の二次粒子平均径は、例えば20〜30μm程度である。
【0039】
(1−2)造粒
粒度調整された化合物1:460gと粒度調整された化合物4:540gを高速混合造粒機(ダルトン株式会社、RMO−4H)により、高速撹拌させた。その後、5重量%のポリビニルアルコール溶液370gをスプレーしながら撹拌することにより造粒させた。得られた造粒体を電気マッフル炉にて大気雰囲気下、850℃で2時間焼成して造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。造粒品の粒径は例えば300〜600μm程度である。なお、後述する実施例2〜15及び比較例1〜3においても、造粒品の粒径は例えば300〜600μm程度である。
【0040】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が0.85であり、比較的粒度の大きい化合物4の間隙に、比較的粒度の小さい化合物1の大半が凝集体として存在し、化合物4により化合物1の一部が覆われた形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により43%であった。
【0041】
<実施例2>
(2−1)粒度調整
(1−1)と同様に化合物1と化合物4の粒度調整を行った。
【0042】
(2−2)造粒
粒度調整された化合物1:760gと粒度調整された化合物4:240gを(1−2)と同じ工程で処理し、造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0043】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が3.16であり、(1−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により46%であった。
【0044】
<実施例3>
(3−1)粒度調整
(1−1)と同様に化合物1と化合物4の粒度調整を行った。
【0045】
(3−2)造粒
粒度調整された化合物1:661gと粒度調整された化合物4:339gを(1−2)と同じ工程で処理し、造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0046】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が1.95であり、(1−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により45%であった。
【0047】
<実施例4>
(4−1)粒度調整
(1−1)と同様に化合物1と化合物4の粒度調整を行った。
【0048】
(4−2)造粒
粒度調整された化合物1:544gと粒度調整された化合物4:456gを(1−2)と同じ工程で処理し、造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0049】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が1.19であり、(1−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により44%であった。
【0050】
<実施例5>
(5−1)粒度調整
(1−1)と同様に化合物1と化合物4の粒度調整を行った。
【0051】
(5−2)造粒
粒度調整された化合物1:304gと粒度調整された化合物4:696gを(1−2)と同じ工程で処理し、造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0052】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が0.44であり、(1−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により42%であった。
【0053】
<実施例6>
(6−1)粒度調整
化合物1と化合物4を準備し、それぞれ粉砕もしくは解砕等により二次粒子平均径がともに、例えば20〜30μm程度になるように調整した。
【0054】
(6−2)造粒
粒度調整された化合物1:177gと粒度調整された化合物4:823gを(1−2)と同じ工程で処理し、造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0055】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が0.21であり、比較的重量の多い化合物4により比較的重量の少ない化合物1の一部が覆われた形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により43%であった。
【0056】
<実施例7>
(7−1)粒度調整
(6−1)と同様に化合物1と化合物4の粒度調整を行った。
【0057】
(7−2)造粒
粒度調整された化合物1:84gと粒度調整された化合物4:916gを(1−2)と同じ工程で処理し、造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0058】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が0.09であり、(6−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により44%であった。
【0059】
<実施例8>
(8−1)粒度調整
化合物1と化合物6を準備し、それぞれ粉砕もしくは解砕等により二次粒子平均径がともに、例えば20〜30μm程度になるように調整した。
【0060】
(8−2)一次造粒
粒度調整された化合物1:544gを高速混合造粒機(ダルトン株式会社、RMO−4H)により、高速撹拌させた。その後、5重量%のポリビニルアルコール溶液200gをスプレーしながら撹拌することにより造粒させた。
【0061】
(8−3)二次造粒
(8−2)の一次造粒体全量に粒度調整された化合物6:456gを加え、ヘンシェルミキサーで混合した。その後、エポキシ樹脂120gを滴下しながら撹拌することにより化合物1の一次造粒体を化合物6で被覆しながら更に造粒させた。得られた二次造粒体を電気マッフル炉にて大気雰囲気下、200℃で1時間焼成して造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0062】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物6に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が1.19であり、化合物4により化合物1の一次造粒体のほぼ全面が覆われた形態であった。得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により45%であった。
【0063】
<実施例9>
(9−1)粒度調整
化合物1と化合物8を準備し、それぞれ粉砕もしくは解砕等により二次粒子平均径がともに、例えば20〜30μm程度になるように調整した。
【0064】
(9−2)一次造粒
粒度調整された化合物1:544gを(8−2)と同じ工程で処理し、一次造粒体を得た。
【0065】
(9−3)二次造粒
(9−2)の一次造粒体全量に粒度調整された化合物8:456gを加え、ヘンシェルミキサーで混合した。その後、5重量%のポリビニルアルコール溶液170gを滴下しながら撹拌することにより化合物1の一次造粒体を化合物8で被覆しながら更に造粒させた。得られた二次造粒体を電気マッフル炉にて大気雰囲気下、850℃で2時間焼成して造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0066】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物8に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が1.19であり、(8−3)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により46%であった。
【0067】
<実施例10>
(10−1)粒度調整
化合物1と化合物10を準備し、それぞれ粉砕もしくは解砕等により化合物1の二次粒子平均径が化合物10の二次粒子平均径の1/2以下になるように調整した。調整後の化合物10の二次粒子平均径は、例えば20〜30μm程度である。
【0068】
(10−2)造粒
粒度調整された化合物1:544gと粒度調整された化合物10:456gを高速混合造粒機(ダルトン株式会社、RMO−4H)により、高速撹拌させた。その後、エポキシ樹脂300gをスプレーしながら撹拌することにより造粒させた。得られた造粒体を電気マッフル炉にて大気雰囲気下、200℃で1時間焼成して造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0069】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物10に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が1.19であり、(1−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により44%であった。
【0070】
<実施例11>
(11−1)粒度調整
化合物3と化合物7を準備し、それぞれ粉砕もしくは解砕等により二次粒子平均径がともに、例えば20〜30μm程度になるように調整した。
【0071】
(11−2)造粒
粒度調整された化合物3:177gと粒度調整された化合物7:823gを、焼成条件を200℃で1時間に変化させた以外(10−2)と同じ工程で処理し、造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0072】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物7に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物3の重量比が0.21であり、(6−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により42%であった。
【0073】
<実施例12>
(12−1)粒度調整
(1−1)と同様に化合物1と化合物4の粒度調整を行った。
【0074】
(12−2)造粒
粒度調整された化合物1:460gと粒度調整された化合物4:540gを用いて、バインダーを使用せず、水560gをスプレーした以外(1−2)と同じ工程で処理し、造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0075】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が0.85であり、(1−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により70%であった。
【0076】
<実施例13>
(13−1)粒度調整
(1−1)と同様に化合物1と化合物4の粒度調整を行った。
【0077】
(13−2)造粒
粒度調整された化合物1:460gと粒度調整された化合物4:540gを用いて、ポリビニルアルコール溶液の濃度を3重量%に変えたこと以外(1−2)と同じ工程で処理し、造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0078】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が0.85であり、(1−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により61%であった。
【0079】
<実施例14>
(14−1)粒度調整
(1−1)と同様に化合物1と化合物4の粒度調整を行った。
【0080】
(14−2)造粒
粒度調整された化合物1:460gと粒度調整された化合物4:540gを用いて、5重量%のポリビニルアルコール溶液320gにアルミナゾル50gを加えたこと以外(1−2)と同じ工程で造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0081】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が0.85であり、(1−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により32%であった。
【0082】
<実施例15>
(15−1)粒度調整
(1−1)と同様に化合物1と化合物4の粒度調整を行った。
【0083】
(15−2)造粒
粒度調整された化合物1:460gと粒度調整された化合物4:540gを用いて、ポリビニルアルコール溶液の濃度を7重量%に変えたこと以外(1−2)と同じ工程で造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0084】
得られた多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物4に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物1の重量比が0.85であり、(1−2)の工程で処理されたものと同様の形態であった。また、得られた多孔質チタネートイオン交換体の空隙率は水銀圧入法により24%であった。
【0085】
<比較例1>
(16−1)粒度調整
化合物1を、粉砕もしくは解砕等により二次粒子平均径が、例えば20〜30μm程度になるように調整した。
【0086】
(16−2)造粒
粒度調整された化合物1:1.0kgを高速混合造粒機(ダルトン株式会社、RMO−4H)により、高速撹拌させた。その後、5重量%のポリビニルアルコール溶液370gをスプレーしながら撹拌することにより造粒させた。得られた造粒体を電気マッフル炉にて大気雰囲気下、850℃で2時間焼成して造粒品(多孔質イオン交換体)を得た。
【0087】
得られた多孔質イオン交換体の空隙率は水銀圧入法により45%であった。
【0088】
<比較例2>
(17−1)粒度調整
化合物4を、粉砕もしくは解砕等により二次粒子平均径が、例えば20〜30μm程度になるように調整した。
【0089】
(17−2)造粒
(16−1)で得られた粒度調整された化合物1:1.0kgを(17−1)で得られた粒度調整された化合物4に変えたこと以外(16−2)と同じ工程で造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0090】
得られた多孔質イオン交換体の空隙率は水銀圧入法により43%であった。
【0091】
<比較例3>
(18−1)粒度調整
化合物6を、粉砕もしくは解砕等により二次粒子平均径が、例えば20〜30μm程度になるように調整した。
【0092】
(18−2)造粒
(18−1)で得られた粒度調整された化合物6:1.0kgを(10−2)と同じ工程で造粒品(多孔質チタネートイオン交換体)を得た。
【0093】
得られた多孔質イオン交換体の空隙率は水銀圧入法により46%であった。
【0094】
<分析装置>
上記の実施例および比較例で使用した分析装置は、下記の通りである。
蛍光X線分析装置:株式会社リガク、RIX1000
レーザ回折折式粒度分布測定装置:株式会社島津製作所、SALD−2100
空隙率測定装置:カンタクロームインスツルメンツ、POREMASTER60
【0095】
<イオン交換性能の評価>
実施例1〜15及び比較例1〜3で得られた各多孔質イオン交換体を0.03g計量し、各ポリ容器(50mL遠沈管)に投入した。そして、安定同位体の塩化ストロンチウムをストロンチウム濃度が10mg/L、安定同位体の塩化セシウムをセシウム濃度が1mg/L、塩化ナトリウムを濃度が0.3質量%となるようにイオン交換水に溶解させた水溶液を用意し、当該水溶液を各々のポリ容器に30mL加えた。24時間振盪させた後、遠心分離機で固液分離し、上澄液をICP(株式会社島津製作所、ICPE−9000)に導入してイオン交換後のストロンチウム濃度を定量した。イオン交換前(ポリ容器投入前)のストロンチウム濃度に対するイオン交換後(24時間振盪後)のストロンチウム濃度の割合をイオン交換率とした。
【0096】
<強度の評価>
実施例1〜15及び比較例1〜3で得られた各多孔質イオン交換体を0.3g計量し、各ポリ容器(50mL遠沈管)に投入した。そして、前記イオン交換性能の評価に用いたものと同じ水溶液30mLを各々のポリ容器に加え軽く振り混ぜた後、上澄液の濁度をJIS K0101(工業用水試験方法)に従い分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ、U−2800)を用いて計測した。多孔質チタネートイオン交換体の強度が低いほど、多孔質チタネートイオン交換体が崩壊して微粒子化して濁度が高くなる。すなわち、多孔質チタネートイオン交換体の強度と濁度との間には負の相関がある。
【0097】
<評価結果>
図2は実施例1〜15及び比較例1〜3の評価結果を示すテーブルである。実施例1〜15と比較例1〜3を比較すれば明らかなように、異なる層状構造を有する複数のチタン酸アルカリ金属化合物からなる多孔質チタネートイオン交換体(実施例1〜15)は、TiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物単体からなる多孔質イオン交換体(比較例1)に比べて強度が高く、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物単体からなる多孔質イオン交換体(比較例2〜3)に比べてイオン交換率が高い。すなわち、本発明の多孔質チタネートイオン交換体は強度、イオン交換性能ともに優れている。この理由としては、イオン交換性能の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物と強度の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物を混在させることで、イオン交換性能が著しく低下することなく粒子の崩壊を抑制する構造が形成されているからであると考えられる。
【0098】
この混在の手法には種々の手法が考えられるが、最も簡単な手法は、イオン交換性能の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物と強度の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物を予め均一に混合し、その後一般的な方法により造粒する手法である。この最も簡単な手法でも強度、イオン交換性能ともに優れているという効果が得られる。
【0099】
しかしながら、イオン交換性能の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物の表面をより多く覆う構造であればあるほど、高いイオン交換性能を維持しつつ、より強度の高いイオン交換体が得られる。その方法としては、イオン交換性能の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物の粒度を強度の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物の粒度よりも細かく調整し予め均一に混合し、造粒する方法、イオン交換性能の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物のみを予め造粒し、その表面を被覆する形で強度の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物を結着させる方法、2層押出し製法によりイオン交換性能の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物を内層とし強度の高い層状構造を有するチタン酸アルカリ金属化合物を外層とした円柱状造粒体を得る方法などが挙げられる。
【0100】
混在の手法として何れの手法を採用するかは、要求性能と加工コストを考慮して決定すればよい。
【0101】
実施例1〜7の評価結果を考慮すれば、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物の重量比が高いほど、Srイオン交換率が高い傾向であることが分かる。併せて、濁度の評価結果を考慮すれば、TiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物に対するTiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物の重量比を0.2以上2.0以下にすることが望ましく、0.4以上1.2以下にすることがより望ましい。二チタン酸カリウムに対する四チタン酸カリウムの重量比が低過ぎると強度が落ち、二チタン酸カリウムに対する四チタン酸カリウムの重量比が高過ぎるとイオン交換性能が落ちるからである。
【0102】
実施例1、12〜15の評価結果を考慮すれば、多孔質イオン交換体の空隙率が30%以上65%以下であることが望ましい。空隙率が大き過ぎると強度が落ち、空隙率が小さ過ぎるとイオン交換性能が落ちるからである。
【0103】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって示されるものであって、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0104】
例えば、イオン交換性能や強度が著しく低下しない限り、本発明に係る多孔質チタネートイオン交換体は、TiO
5三角両錐体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物及びTiO
6八面体の連鎖構造を有する層状構造チタン酸アルカリ金属化合物以外の物質が含まれていても構わない。
【0105】
また、本発明に係る多孔質チタネートイオン交換体が交換するイオンは特に限定されないが、上記した実施例におけるイオン交換性能評価を考慮すると、例えばストロンチウムイオンの交換材として好適に使用することができる。