特許第6263077号(P6263077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フクビ化学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000002
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000003
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000004
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000005
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000006
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000007
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000008
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000009
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000010
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000011
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000012
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000013
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000014
  • 特許6263077-点検口用枠部材 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263077
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】点検口用枠部材
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   E04F19/08 101J
   E04F19/08 101A
   E04F19/08 101C
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-87126(P2014-87126)
(22)【出願日】2014年4月21日
(65)【公開番号】特開2015-206198(P2015-206198A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010065
【氏名又は名称】フクビ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100133916
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 興
(72)【発明者】
【氏名】川又 周太
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊也
【審査官】 坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−037746(JP,U)
【文献】 特開平09−242318(JP,A)
【文献】 米国特許第06848226(US,B1)
【文献】 実開昭53−135925(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
E04C 2/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内と壁裏とを仕切る天井壁又は側壁における点検口の縁に沿って設けられる外枠と、前記点検口を塞ぐ蓋部材の縁に沿って設けられ、前記外枠に対して回動可能な内枠とを備える点検口用枠部材であって、
前記外枠及び前記内枠の一方である第1枠は、第1係合片を備え、
前記外枠及び前記内枠の他方である第2枠は、前記室内側から前記第1係合片を支持するとともに前記第1係合片と係合する第2係合片を備え、
前記第1係合片は、その先端部の外面であって前記第1枠の長手方向に直交する断面の形状が円弧状である湾曲端面と、前記湾曲端面の径方向外側において前記湾曲端面と隙間をあけて対向するとともに前記湾曲端面に沿って湾曲する湾曲対向面とを備え、前記湾曲端面と前記湾曲対向面との間に形成される湾曲溝は、前記蓋部材が前記点検口を塞ぐ閉塞状態において前記室内側に開口部を有し、その反対側が前記第1係合片の閉塞面によって塞がれており、
前記第2係合片は、前記湾曲端面に沿って湾曲して前記湾曲端面を支持する内周面と、前記内周面の反対側の面であって前記湾曲端面に沿って湾曲する外周面と、前記内周面と前記外周面の先端同士を接続する先端面とによって形成される湾曲凸部を備え、
前記閉塞状態では、前記湾曲凸部の前記内周面が前記湾曲溝の前記湾曲端面を支持し、前記湾曲凸部の前記先端面が前記湾曲溝の前記閉塞面から離れた前記開口部側に位置し、
前記内枠が前記外枠に対して回動するときには、前記内周面が前記湾曲端面を支持した状態を維持しながら前記湾曲凸部が前記湾曲溝内を前記湾曲溝に対して相対移動し、
前記外枠に対する前記内枠の回動角度が所定角度まで回動した全開状態においても、前記内周面が前記湾曲端面を支持するように構成されている、点検口用枠部材。
【請求項2】
外れ止め部材をさらに備え、
前記第1係合片は、前記湾曲対向面よりも前記径方向外側において前記湾曲端面に沿って湾曲する被係止面を備え、
前記外れ止め部材は、前記湾曲端面に沿って湾曲して前記被係止面を係止する係止面を備えている、請求項1に記載の点検口用枠部材。
【請求項3】
前記外れ止め部材は、前記係止面が前記被係止面に当接又は近接する前進位置と、前記内枠を前記外枠に対して着脱できるように前記係止面を前記被係止面から前記壁裏側に移動させた後退位置との間をスライド移動可能に前記第2枠に支持されている、請求項2に記載の点検口用枠部材。
【請求項4】
前記外れ止め部材は、前記係止面の先端から延び、前記外れ止め部材が前記後退位置に配置された状態で前記内枠を前記外枠に対して係合させるときに前記第1係合片を案内するガイド面を備える、請求項3に記載の点検口用枠部材。
【請求項5】
前記全開状態における前記所定角度が鈍角となるように、前記閉塞状態における前記第1係合片の前記閉塞面と前記湾曲凸部の前記先端面とのなす角度が鈍角とされている、請求項1〜4の何れか1項に記載の点検口用枠部材。
【請求項6】
前記第1係合片は、前記閉塞状態において前記第1係合片の前記先端部から前記壁裏側に起立する起立部を備え、
前記第2枠は、前記湾曲端面が前記内周面から離れる方向に前記第1係合片が移動するのが規制されるように前記起立部の外面の一部又は全部が当接又は近接する規制面を備える、請求項1〜5の何れか1項に記載の点検口用枠部材。
【請求項7】
前記第1枠が前記内枠であり、前記第2枠が前記外枠である、請求項1〜6の何れか1項に記載の点検口用枠部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井壁又は側壁における点検口に用いられる枠部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井壁又は側壁に形成される点検口において枠部材が用いられている。この枠部材は、点検口の縁に沿って設けられる外枠と、点検口を塞ぐ蓋部材の縁に沿って設けられる内枠とを備える。
【0003】
特許文献1の天井点検口の取付部構造では、外枠の下端の内側の板部に、内枠を回動自在に支持する係合片を設け、この内枠の下端の外側の板部上には、外枠の係合片に上側から回動自在に係合する係合片が一体に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−242318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の天井点検口の取付部構造では、蓋部材が点検口を塞ぐ閉塞状態においては、内枠の係合片と外枠の係合片との間に比較的大きなスペースが設けられている。したがって、内枠の係合片を外枠の係合片に係合させて内枠を外枠に対して回動させるときにがたつきが生じやすく、蓋部材をスムーズに開閉させることができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、内枠を外枠に対して回動させるときのがたつきを抑制して蓋部材をスムーズに開閉することができる点検口用枠部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の点検口用枠部材は、室内と壁裏とを仕切る天井壁又は側壁における点検口の縁に沿って設けられる外枠と、前記点検口を塞ぐ蓋部材の縁に沿って設けられ、前記外枠に対して回動可能な内枠とを備える。前記外枠及び前記内枠の一方である第1枠は、第1係合片を備える。前記外枠及び前記内枠の他方である第2枠は、前記室内側から前記第1係合片を支持するとともに前記第1係合片と係合する第2係合片を備える。
【0008】
前記第1係合片は、その先端部の外面であって前記第1枠の長手方向に直交する断面の形状が円弧状である湾曲端面と、前記湾曲端面の径方向外側において前記湾曲端面と隙間をあけて対向するとともに前記湾曲端面に沿って湾曲する湾曲対向面とを備える。前記湾曲端面と前記湾曲対向面との間に形成される湾曲溝は、前記蓋部材が前記点検口を塞ぐ閉塞状態において前記室内側に開口部を有し、その反対側が前記第1係合片の閉塞面によって塞がれている。
【0009】
前記第2係合片は、前記湾曲端面に沿って湾曲して前記湾曲端面を支持する内周面と、前記内周面の反対側の面であって前記湾曲端面に沿って湾曲する外周面と、前記内周面と前記外周面の先端同士を接続する先端面とによって形成される湾曲凸部を備える。
【0010】
前記閉塞状態では、前記湾曲凸部の前記内周面が前記湾曲溝の前記湾曲端面を支持し、前記湾曲凸部の前記先端面が前記湾曲溝の前記閉塞面から離れた前記開口部側に位置している。前記内枠が前記外枠に対して回動するときには、前記内周面が前記湾曲端面を支持した状態を維持しながら前記湾曲凸部が前記湾曲溝内を相対移動する。前記外枠に対する前記内枠の回動角度が所定角度まで回動した全開状態においても、前記内周面が前記湾曲端面を支持している。
【0011】
この構成では、内枠を外枠に対して回動させるときのがたつきを抑制して蓋部材をスムーズに開閉することができる。具体的には次の通りである。
【0012】
第1枠の第1係合片は、湾曲端面と、これに対して隙間をあけて設けられた湾曲対向面と、開口部とは反対側を塞ぐ閉塞面とによって形成される湾曲溝を備え、第2枠の第2係合片は、内周面と外周面とこれらを接続する先端面とによって形成される湾曲凸部を備える。湾曲溝の湾曲対向面は湾曲端面に沿って湾曲しており、また、湾曲凸部の内周面及び外周面も湾曲端面に沿って湾曲している。すなわち、湾曲溝と湾曲凸部は、ともに湾曲端面に沿って湾曲している。そして、湾曲端面はこれに沿って湾曲する内周面に支持されている。したがって、閉塞状態と全開状態において湾曲端面が内周面に支持され、これらの閉塞状態と全開状態の間で回動動作するときにも湾曲端面が内周面に支持された状態が維持されながら、湾曲凸部が湾曲溝内を湾曲溝に対して相対移動することができる。このように本構成では、閉塞状態と全開状態との間で内枠が外枠に対して回動するときの回動中心(回転軸)がほとんど変動しないので、内枠を外枠に対して回動させるときのがたつきを抑制して蓋部材をスムーズに開閉することができる。
【0013】
前記点検口用枠部材は、外れ止め部材をさらに備え、前記第1係合片は、前記湾曲対向面よりも前記径方向外側において前記湾曲端面に沿って湾曲する被係止面を備え、前記外れ止め部材は、前記湾曲端面に沿って湾曲して前記被係止面を係止する係止面を備えているのが好ましい。
【0014】
この構成では、外れ止め部材の係止面によって第1係合片の被係止面が係止されるので、第1係合片と第2係合片の係合状態がより確実に維持される。しかも、外れ止め部材の係止面と第1係合片の被係止面がともに湾曲端面に沿って湾曲しているので、内枠が外枠に対して回動したときには、被係止面が係止面に沿ってスムーズに相対移動する。したがって、外れ止め部材は、内枠を外枠に対して回動させるときの動作の邪魔にならないので、外枠に対する内枠のスムーズな回動を維持できる。
【0015】
前記点検口用枠部材において、前記外れ止め部材は、前記係止面が前記被係止面に当接又は近接する前進位置と、前記内枠を前記外枠に対して着脱できるように前記係止面を前記被係止面から前記壁裏側に移動させた後退位置との間をスライド移動可能に前記第2枠に支持されているのが好ましい。
【0016】
この構成では、前進位置と後退位置との間をスライド移動可能な外れ止め部材が設けられている。したがって、外れ止め部材が前進位置に配置されているときには、係止面が被係止面に当接又は近接して第1係合片と第2係合片の係合状態が確実に維持される一方で、外れ止め部材が後退位置に配置されているときには、内枠を外枠に対して着脱することができる。
【0017】
前記点検口用枠部材において、前記外れ止め部材は、前記係止面の先端から延び、前記外れ止め部材が前記後退位置に配置された状態で前記内枠を前記外枠に対して係合させるときに前記第1係合片を案内するガイド面を備えているのが好ましい。
【0018】
この構成では、第1係合片をガイド面に当接させながら第1枠を第2枠側に移動させることにより、第1係合片が第2係合片に係合する位置に第1係合片を案内することができる。これにより、内枠を外枠に対して係合させるときの作業性が向上する。
【0019】
前記点検口用枠部材において、前記全開状態における前記所定角度が鈍角となるように、前記閉塞状態における前記第1係合片の前記閉塞面と前記湾曲凸部の前記先端面とのなす角度が鈍角とされているのが好ましい。
【0020】
全開状態における所定角度が直角又は鋭角である場合には、例えば蓋部材が勢いよく開いたときに第1係合片、第2係合片などに比較的大きな負荷がかかることがある。これに対して、本構成では、閉塞面と先端面とのなす角度を鈍角にすることによって全開状態における回動角度を鈍角にしている。これにより、蓋部材が開くときに第1係合片、第2係合片などにかかる負荷を低減することができる。
【0021】
前記点検口用枠部材において、前記第1係合片は、前記閉塞状態において前記第1係合片の前記先端部から前記壁裏側に起立する起立部を備え、前記第2枠は、前記湾曲端面が前記内周面から離れる方向に前記第1係合片が移動するのが規制されるように前記起立部の外面の一部又は全部が当接又は近接する規制面を備えているのが好ましい。
【0022】
この構成では、起立部の外面の一部又は全部が当接又は近接する規制面が第1係合片の移動を規制するので、湾曲端面が内周面から離れるのをより確実に抑制できる。これにより、内枠を外枠に対して回動させるときのがたつきをさらに抑制することができる。
【0023】
前記点検口用枠部材において、前記第1枠が前記内枠であり、前記第2枠が前記外枠であるのが好ましい。
【0024】
この構成では、内枠の第1係合片は外枠の第2係合片によって室内側から支持される。すなわち、内枠の第1係合片は、壁裏側から外枠の第2係合片に係合される。したがって、内枠の第1係合片を外枠の第2係合片に係合する作業時には、第1係合片を第2係合片に対して壁裏側から引っ掛けることにより、第1係合片を第2係合片に対して仮止めができるので、作業性に優れている。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、内枠を外枠に対して回動させるときのがたつきを抑制して蓋部材をスムーズに開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る点検口用枠部材を用いた点検口構造を示す底面図である。
図2図1におけるII−II線断面図である。
図3】前記点検口構造の主要部を拡大した側面図であり、蓋部材が点検口を塞いだ閉塞状態を示している。
図4】前記点検口構造の主要部を拡大した側面図であり、内枠を外枠に対して回動させて点検口を開いた開状態を示している。
図5】(A)は、前記点検口用枠部材の外枠を示す正面図であり、(B)は、前記点検口用枠部材の内枠(第1内枠)を示す正面図であり、(C)は、前記点検口用枠部材の内枠(第2内枠)を示す正面図である。
図6】前記外枠に対して前記第1内枠が回動する動作を示す側面図である。
図7】(A)は、図5(A)におけるVIIA−VIIA線断面図であり、(B)は、図5(B)におけるVIIB−VIIB線断面図である。
図8】閉塞状態において、内枠係合片、外枠係合片及び外れ止め部材を示す断面図である。
図9】(A)は、前記点検口用枠部材の外れ止め部材を示す側面図であり、(B)は、前記外れ止め部材を示す正面図である。
図10】(A)〜(C)は、前記第1内枠を外枠に対して着脱する動作を示す側面図である。
図11】(A)は、前記点検口用枠部材の押さえ部材を示す側面図であり、(B)は、前記押さえ部材を示す正面図である。
図12】(A)〜(F)は、蓋部材の厚みに応じた前記押さえ部材の使用例を示す側面図である。
図13】(A)は、点検口用枠部材のガイドブロックを示す正面図であり、(B)は、その側面図であり、(C)は、その背面図であり、(D)は、(A)のD−D線断面図である。
図14】(A)は、前記ガイドブロックを前記外枠に取り付けた状態を示す正面図であり、(B)は、前記ガイドブロックを前記外枠に取り付けるときの動作を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る点検口用枠部材1について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る点検口用枠部材1を用いた点検口構造100を示す底面図である。図2は、図1におけるII−II線断面図である。
【0028】
本実施形態に係る点検口用枠部材1は、室内S1と壁裏S2とを仕切る天井壁101又は側壁に設けられる。側壁は、床と天井壁とを接続する上下方向に平行な壁である。以下では、点検口103が天井壁101に設けられる場合を例に挙げて説明する。本実施形態では、図2における方向D1が鉛直方向であり、方向D2が水平方向である。天井壁101の壁面W1(天井壁101における室内S1側の下面)は水平方向に平行である。なお、点検口103は側壁に設けられてもよく、この場合には、図2における方向D1が水平方向となり、方向D2が鉛直方向となるように点検口用枠部材1が側壁に設けられる。
【0029】
[点検口の全体構造]
図1に示すように、点検口用枠部材1は、複数の内枠4と、複数の外枠2とを備える。複数の外枠2は、天井壁(天井仕上げ材)101に形成される開口である点検口103の縁103Eに沿って設けられる。複数の内枠4は、点検口103を塞ぐ蓋部材102の縁102Eに沿って設けられる。図1に示す本実施形態では、点検口103及び蓋部材102は底面視で矩形状である。したがって、点検口用枠部材1は、点検口103の4つの縁に設けられる4つの外枠2と、蓋部材102の4つの縁に設けられる4つの内枠4とを備えている。
【0030】
図2に示すように、天井壁101は、点検口103に沿って天井壁101の上方に設けられた下地桁材104に固定されている。下地桁材104の上部には上方に延びる断熱枠105が取り付けられている。複数の断熱枠105は、点検口103の上方に設けられた断熱蓋106を支持している。外枠2は、天井壁101と下地桁材104とに固定されている。内枠4は、蓋部材102に固定されている。
【0031】
図1及び図2に示す点検口構造100は気密性の高い気密タイプであるので、部材同士の隙間の気密性を高めるために必要な箇所に気密材107が設けられている。例えば、図3及び図4に示すように、外枠2と天井壁101の壁面W1との間には気密材107が外枠2の長手方向に沿って設けられている。内枠4と蓋部材102の下面W2との間にも気密材107が内枠4の長手方向に沿って設けられている。また、外枠2と内枠4の間の気密性を高めるために外枠2の上部(後述する外枠2の架橋片24)と内枠4の上部の間にも気密材107が前記長手方向に沿って設けられている。
【0032】
天井壁101及び蓋部材102は、例えば合板、石膏板などによって構成された板状の部材である。断熱枠105及び断熱蓋106は例えば発泡スチロールなどの発泡樹脂などによって形成されている。外枠2及び内枠4は、例えばアルミニウムなどの金属の押出形材、合成樹脂の押出形材などによって形成されている。
【0033】
[点検口用枠部材の構造]
次に、本実施形態に係る点検口用枠部材1について具体的に説明する。図3は、点検口構造の主要部を拡大した側面図であり、蓋部材102が点検口103を塞いだ閉塞状態を示している。図4は、点検口構造100の主要部を拡大した側面図であり、内枠を外枠に対して回動させて点検口を開いた開状態を示している。図5(A)は、点検口用枠部材1の第1内枠4Aを示す正面図であり、図5(B)は、点検口用枠部材1の第1内枠4Aを示す正面図であり、図5(C)は、点検口用枠部材1の第2内枠4Bを示す正面図である。図6は、外枠2に対して内枠4(第1内枠4A)が回動する動作を示す側面図である。図7(A)は、図5(A)におけるVIIA−VIIA線断面図であり、図7(B)は、図5(B)におけるVIIB−VIIB線断面図である。
【0034】
(内枠と外枠)
図1図2図3図4及び図5(A)に示すように、4つの外枠2は、天井壁101に設けられた点検口103の縁103Eに沿って設けられ、各外枠2は、対応する縁103Eとほぼ同じ長さを有する長尺の部材である。図1に示すように、各外枠2の長さ方向の両端部は、隣の外枠2との境界部分となるので、長手方向に対して鋭角の角度となるように傾斜した形状を有している。隣り合う外枠2同士は、例えばL字形状のコーナー補強材を用いて連結されている。これにより、4つの外枠2は矩形状に枠組みされている。
【0035】
図1図2図3図4及び図5(B),(C)に示すように、4つの内枠4は、蓋部材102の縁102Eに沿って設けられ、各内枠4は、対応する縁102Eとほぼ同じ長さを有する長尺の部材である。図1に示すように、各内枠4の長さ方向の両端部は、隣の内枠4との境界部分となるので、長手方向に対して鋭角の角度となるように傾斜した形状を有している。隣り合う内枠4同士は、例えばL字形状のコーナー補強材を用いて連結されている。これにより、4つの内枠4は矩形状に枠組みされている。
【0036】
図1に示すように、本実施形態では、4つの内枠4は、1つの第1内枠4Aと3つの第2内枠4Bとによって構成されている。第1内枠4A(第1枠)はこれに対応する外枠2(第2枠)に回動可能に係合しており、この第1内枠4Aが外枠2に対して回動することによって蓋部材102が点検口103を開閉する。3つの第2内枠4Bは、第1内枠4Aが取り付けられた縁102E以外の3つの縁102Eに設けられている。
【0037】
図6に示すように、第1内枠4Aは、蓋部材102によって点検口103が塞がれた閉塞状態C1と、天井壁101に対する蓋部材102の回動角度θが90度を超える所定角度となる全開状態C4との間で外枠2に対して回動可能に構成されている。図6における開状態C3は、天井壁101に対する蓋部材102の回動角度θが90度のときの状態を示している。図6における開状態C2は、回動角度θが0度よりも大きく90度よりも小さいときの状態を示している。
【0038】
図3図5(A)及び図7(A)に示すように、外枠2は、対向片21と、突出片22と、外枠係合片23(第2係合片)と、架橋片24とを備える。対向片21は、点検口103の縁103E及び下地桁材104の側面に対向するように設けられた鉛直方向に平行な平板状の部位である。
【0039】
突出片22は、対向片21における室内S1側の端部(対向片21の下端部)から天井壁101の壁面W1に沿う方向(本実施形態では水平方向)に突出した平板状の部位である。図3に示すように、突出片22と壁面W1との間には、上述した気密材107が介在している。
【0040】
架橋片24は、対向片21における壁裏S2側の端部(対向片21の上端部)から内枠4側(内枠4の対向片41側)に突出しており、内枠4の対向片41の上端部近傍まで延びている。図3に示すように、架橋片24の先端部と内枠4の上端部との間には、上述した気密材107が介在している。
【0041】
図3に示すように、外枠2は、突出片22が点検口103の縁103E近傍の壁面W1に対向し、対向片21が点検口103の縁103E及び下地桁材104の側面に対向した状態で、例えばネジ、釘などの固定手段F1によって天井壁101及び下地桁材104に取り付けられている。固定手段F1は、対向片21に設けられた貫通孔に挿通され、下地桁材104に固定されている。
【0042】
図3図5(A)及び図7(A)に示すように、外枠係合片23は、対向片21における室内S1側の端部から突出片22とは反対側(本実施形態では水平方向)に突出した板状の部位である。外枠係合片23は、対向片21の下端部から内枠4側(内枠4の対向片41側)に延出している。
【0043】
外枠係合片23は、延出部25と、湾曲凸部30とを備える。延出部25は、壁面W1に平行な方向に延びる平板状の部位である。湾曲凸部30は、後述する内枠先端部48を室内S1側から覆って内枠先端部48を支持する。湾曲凸部30は、延出部25の先端から上方に湾曲した形状を有する。外枠係合片23の詳細については後述する。
【0044】
図3図5(B)及び図7(B)に示すように、第1内枠4Aは、対向片41と、突出片42と、内枠係合片43(第1係合片)とを備える。対向片41は、蓋部材102の縁102Eに対向するように設けられた鉛直方向に平行な平板状の部位である。
【0045】
突出片42は、対向片41における室内S1側の端部(対向片41の下端部)から蓋部材102の下面W2に沿う方向(本実施形態では水平方向)に突出した平板状の部位である。図3に示すように、突出片42と蓋部材102の下面W2との間には、上述した気密材107が介在している。
【0046】
図3に示すように、内枠4は、突出片42が蓋部材102の縁102E近傍の下面W2に対向し、対向片41が蓋部材102の縁102Eに対向した状態で、例えば押さえ部材8などの固定手段によって蓋部材102に取り付けられている。
【0047】
図3図5(B)及び図7(B)に示すように、内枠係合片43は、対向片41における室内S1側の端部から突出片42とは反対側(本実施形態では水平方向)に突出した板状の部位である。内枠係合片43は、対向片41の下端部から外枠2側(外枠2の対向片21側)に延出している。
【0048】
内枠係合片43は、延出部45と、湾曲部46と、起立部47と、内枠先端部48とを備える。延出部45は、蓋部材102の下面W2に平行な方向に延びる平板状の部位である。湾曲部46は、断面形状が円弧状となるように、延出部45の先端から上方に起立しており、閉塞状態C1において外枠2の対向片21に向かって湾曲しながら延びる部位である。湾曲部46は、後述する湾曲端面51に対してその径方向外側に隙間をあけて設けられ、湾曲端面51に沿って湾曲しながら延びている。
【0049】
起立部47は、閉塞状態C1において湾曲部46の先端から下方に延びる部位である。起立部47は、内枠先端部48から上方に起立して壁裏S2側に延びる部位である。本実施形態では、図7(B)に示すように、起立部47は、第1部分471と、第2部分472とを含む。
【0050】
第1部分471は、起立部47の内面を構成する後述の閉塞面53を外枠2の対向片21側に位置させるために設けられた部位であり、閉塞状態C1において内枠先端部48における外枠2の対向片41側の側部に接続されている。第1部分471は、当該側部から対向片41側に水平方向に及び/又は水平方向に対して上方に傾斜しながら延びている。第2部分472は、第1部分471と湾曲部46との間に設けられており、閉塞状態C1において外枠2の対向片21に平行な部位(本実施形態では鉛直方向に平行な部位)である。なお、第2部分472は、必ずしも対向片21に平行でなくてもよく、対向片21に対して傾斜していてもよい。また、起立部47は、第1部分471を省略することもでき、第2部分472のみによって構成されていてもよい。
【0051】
内枠先端部48は、起立部47の下端に接続された部位であり、内枠係合片43の先端部を構成している。本実施形態では、内枠先端部48は、第1内枠4Aの長手方向に平行な方向に延びる略円柱形状を有している。図8に示す断面において、内枠先端部48の円弧は半円よりも大きい優弧であるのが好ましい。図8に示す断面(第1内枠4Aの長手方向に直交する断面)には、閉塞状態C1において、内枠先端部48の湾曲端面51と起立部47の閉塞面53との境界部分B1と、湾曲端面51と起立部47の外面56との境界部分B2とを図示している。本実施形態では、この境界部分B1と円弧の中心Cとを結ぶ線分と、境界部分B2と円弧の中心Cとを結ぶ線分とのなす角度θ2は、180度よりも大きく360度よりも小さいが、180度以下であってもよい。
【0052】
内枠係合片43は、湾曲端面51と、湾曲対向面52と、閉塞面53と、被係止面55とを備える。湾曲端面51は、内枠先端部48の外面(外周面)を構成している。湾曲端面51は、内枠4Aの長手方向に直交する断面の形状(図7(B)に示す断面の形状)が円弧状である。
【0053】
湾曲対向面52は、湾曲部46の内面を構成している。湾曲対向面52は、湾曲端面51の径方向外側において湾曲端面51と隙間をあけて対向するとともに湾曲端面51に沿って湾曲している。
【0054】
閉塞面53は、起立部47の内面を構成している。閉塞面53は、閉塞状態C1において湾曲端面51から壁裏S2側に延びる面である。本実施形態では、図8に示すように、天井壁101の壁面W1に直交して湾曲端面51における円弧の中心Cを通る平面Pに対して、閉塞面53は、後述する湾曲溝50の開口部54とは反対側(外枠2の対向片21側)に位置している。起立部47が第2部分472だけでなく上記のような第1部分471を有しているので、閉塞面53を外枠2の対向片21側に位置させることができる。
【0055】
被係止面55は、湾曲部46の外面を構成している。被係止面55は、湾曲対向面52よりも径方向外側において湾曲端面51に沿って湾曲している。被係止面55は、後述する外れ止め部材7が近接又は当接する面である。
【0056】
内枠係合片43における湾曲端面51と湾曲対向面52との間には湾曲溝50が形成されている。湾曲溝50は、閉塞状態C1において室内S1側に開口部54を有する。湾曲溝50は、開口部54の反対側が閉塞面53によって塞がれている。
【0057】
湾曲溝50は、開口部54から閉塞面53まで湾曲端面51に沿って湾曲する空間であり、第1内枠4Aの長手方向の全体に設けられている。湾曲溝50の幅(湾曲端面51と湾曲対向面52との距離)は、図3に示す本実施形態では、外枠係合片23の湾曲凸部30の厚みよりも大きく、湾曲凸部30の外周面32と湾曲対向面52との間には隙間が形成されているが、これに限られない。湾曲凸部30の外周面32と湾曲対向面52とは接していてもよい。外周面32と湾曲対向面52との間の隙間を小さくすることによって、第1内枠4Aが外枠2に対して回動するときのがたつきをより小さくすることができる。
【0058】
本実施形態では、図3及び図6に示すように、閉塞状態C1から全開状態C4までの何れの状態においても湾曲凸部30のうち少なくとも先端面33が湾曲溝50内に位置している。本実施形態では、閉塞状態C1において、湾曲凸部30の内周面31の上端は、内枠先端部48における円弧の中心Cよりも上方に位置しているので、内周面31が内枠先端部48を支持するときの安定性が向上する。ただし、湾曲凸部30の内周面31の上端は、内枠先端部48における円弧の中心Cよりも下方に位置していてもよい。
【0059】
湾曲凸部30は、壁裏S2側の表面を構成する内周面31と、室内S1側の表面を構成する外周面32と、内周面31と外周面32の先端同士を接続する先端面33とを有する。内周面31は、内枠先端部48の湾曲端面51に沿って湾曲しており、外枠係合片23の先端(湾曲凸部30の先端)に向かうにつれて壁裏S2側に位置するように湾曲している。内周面31は、内枠先端部48の湾曲端面51に対向しており、湾曲端面51を支持している。外周面32は、内周面31に沿って湾曲している。
【0060】
先端面33は、内周面31と外周面32を外枠係合片23の先端において接続している。図6に示すように全開状態C4における回動角度が90度を超えるように、閉塞状態C1における内枠係合片43の閉塞面53と湾曲凸部30の先端面33とのなす角度θ1は、図8に示すように鈍角とされている。本実施形態では、閉塞面53の一部又は全部(全開状態C4において先端面33に当接又は近接する部分)は、図8に示す閉塞状態C1において鉛直方向に平行であり、先端面33は、内周面31側の部位から外周面32側の部位に向かうにつれて下方に位置するように水平方向に対して傾斜している。
【0061】
本実施形態では、外枠係合片23の内周面31(湾曲凸部30の内周面31)は、外枠2の長手方向に直交する断面(第1内枠4Aの長手方向に直交する断面)において、内枠係合片43の湾曲端面51(内枠先端部48の湾曲端面51)が形成する円弧と同心の円弧形状を有している。また、湾曲部46の湾曲対向面52は、第1内枠4Aの長手方向に直交する断面において、内枠先端部48の湾曲端面51が形成する円弧と同心の円弧形状を有しているのが好ましい。また、湾曲部46の被係止面55は、第1内枠4Aの長手方向に直交する断面において、内枠先端部48の湾曲端面51が形成する円弧と同心の円弧形状を有しているのが好ましい。
【0062】
図5(C)に示すように、第2内枠4Bは、第1内枠4Aの内枠係合片43を備えていない代わりに、突出片44を備えている。突出片44は、対向片41の下端部から外枠2の対向片21側(突出片42とは反対側)に突出している。第2内枠4Bの他の構成は、第1内枠4Aと同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0063】
(外れ止め部材)
本実施形態に係る点検口用枠部材1は、第1内枠4Aと外枠2との係合状態を保持するための外れ止め部材7を備えている。外れ止め部材7は、外枠2に対してスライド移動可能に支持されている。本実施形態では、外れ止め部材7は、図1に示すように2箇所に設けられているが、これに限られず、1箇所のみ設けられていてもよく、3箇所以上の複数箇所に設けられていてもよい。図3図4及び図9(A),(B)に示す本実施形態では、外れ止め部材7は、取付部71と、係止部72と、ガイド部73とを備える。
【0064】
取付部71は、外枠2の対向片21に外れ止め部材7を取り付けるための部分である。例えば、取付部71は、対向片21に平行な姿勢で設けられた平板形状を有している。取付部71は、取付部71の厚み方向に貫通する長孔71Aを有している。長孔71Aは、天井壁101の厚み方向(本実施形態では、鉛直方向)の長さがそれに直交する幅方向の長さよりも長い孔である。図5(A)に示すように、外枠2の対向片21は、取付部71の長孔71Aに対応する部位に貫通孔21Aを有している。長孔71A及び貫通孔21Aには、例えばボルトF3が挿通され、取付部71及び対向片21を介した反対側からナットF4がボルトF3に螺合されている。これにより、外れ止め部材7が外枠2に取り付けられている。なお、対向片21とナットF4との間には、平板状の裏板76が設けられている。この裏板76は省略してもよい。
【0065】
本実施形態では、外枠2の対向片21は、貫通孔21Aの両サイドに、外れ止め部材7のスライド方向を規定する一対のレール部21B,21Bを備えている。各レール部21Bは、対向片21においてその周りの部分よりも対向片21の厚み方向に隆起しており、長孔71Aが延びる方向と同じ方向に延びている。
【0066】
係止部72は、第1内枠4Aの湾曲部46を押さえるための部分であり、取付部71の下端から湾曲しながら延出している。図4図9(A)及び図8に示すように、係止部72は、内枠先端部48の湾曲端面51及び湾曲部46の被係止面55に沿って湾曲する係止面74を備える。本実施形態では、係止面74は、係止部72の下面を構成している。係止部72の係止面74は、第1内枠4Aの長手方向に直交する断面において、内枠先端部48の湾曲端面51が形成する円弧(湾曲部46の被係止面55が形成する円弧)と同心の円弧形状を有しているのが好ましい。
【0067】
ガイド部73は、第1内枠4Aを外枠2に対して係合させるときに内枠係合片43を案内するための部分であり、係止部72の先端(下端)から外枠2の対向片21から離れる方向(閉塞状態C1において第1内枠4Aの対向片41に近づく方向)に延出している。本実施形態では、ガイド部73は、水平方向に延びているが、これに限られず、水平方向に対して上方又は下方に傾斜するように延びていてもよい。ガイド部73は、係止面74と連続し、係止面74の先端から延びるガイド面75を備えている。本実施形態では、ガイド面75は、ガイド部73の下面を構成している。
【0068】
図10(A),(B),(C)に示すように、外れ止め部材7は、係止部72の係止面74が内枠係合片43の被係止面55に当接又は近接する前進位置P1と、第1内枠4Aを外枠2に対して着脱できるように係止面74を被係止面55から壁裏S2側に移動させた後退位置P2との間をスライド移動可能に外枠2に支持されている。
【0069】
第1内枠4Aの内枠係合片43を外枠2の外枠係合片23から取り外すときには、例えば図10(A)に示すように第1内枠4Aを外枠2に対して少し回動させた状態(例えば回動角度θが30度程度)とし、上述したナットF4に対してボルトF3を緩める。この状態では、外れ止め部材7は、長孔7Aの長さの範囲内において外枠2の対向片21に対してスライド移動可能になる。
【0070】
そして、図10(B)に示すように、外れ止め部材7を第1内枠4Aから離れる方向にスライドさせて後退位置P2に移動させる。外れ止め部材7が後退位置P2にあるときには、外れ止め部材7と外枠2との間に第1内枠4Aの内枠係合片43を通過させるスペースが形成されるので、第1内枠4Aは、外枠2に対して着脱可能になる。
【0071】
また、図10(C)に示すように、第1内枠4Aの内枠係合片43を外枠2の外枠係合片23に係合させるときには、内枠係合片43の湾曲部46を外れ止め部材7のガイド面75に当接させながら第1内枠4Aを外枠2側に移動させることにより、内枠係合片43が外枠係合片23に係合する位置に内枠係合片43を案内することができる。これにより、第1内枠4Aを外枠2に対して係合させるときの作業性が向上する。
【0072】
(押さえ部材)
図11(A)は、点検口用枠部材1の押さえ部材8を示す側面図であり、図11(B)は、押さえ部材8を示す正面図である。押さえ部材8は、上述したように蓋部材102に対して内枠4(第1内枠4A,第2内枠4B)を固定するための部材である。図3に示すように、内枠4の突出片42が蓋部材102の縁102E近傍の室内S1側の面W2(蓋部材102の下面W2)に対向し、対向片41が蓋部材102の縁102Eに対向した状態で、押さえ部材8が蓋部材102の縁102E近傍の壁裏S2側の面W3(蓋部材102の上面W3)に対向する。すなわち、蓋部材102の縁102E近傍の部位は、第2内枠4の突出片42と押さえ部材8とによって蓋部材102の厚み方向に挟まれている。
【0073】
図11(A),(B)に示すように、押さえ部材8は、内枠4に支持されている。本実施形態では、押さえ部材8は、各内枠4に対して1つ又は複数設けられている。図3及び図11(A),(B)に示す本実施形態では、押さえ部材8は、取付部81と、押さえ部82と、閉塞部83とを備える。
【0074】
取付部81は、内枠4の対向片41に押さえ部材8を取り付けるための部分である。例えば、取付部81は、対向片41に平行な姿勢で設けられた平板形状を有している。取付部81は、取付部81の厚み方向に貫通する孔81Aを有している。図5(C)に示すように、内枠4(第2内枠4B)の対向片41は、取付部81の孔81Aに対応する部位に長孔41Aを有している。孔81A及び長孔41Aには、例えばバーリングタップ、ボルトなどの固定手段F2が設けられており、これによって取付部81が対向片41に固定され、押さえ部材8が内枠4に取り付けられている。なお、対向片41の裏側には平板状の裏板86が設けられている。この裏板86は省略してもよい。
【0075】
押さえ部82は、蓋部材102の壁裏S2側の面W3を押圧するための部分であり、取付部81の下端から蓋部材102の壁裏S2側の面W3に沿って延出している。押さえ部82は、蓋部材102の壁裏S2側の面W3に対向する押さえ面84,85を備える。本実施形態では、押さえ面84と押さえ面85は、押さえ部82の一方の面とその反対側の面を構成している。
【0076】
閉塞部83は、内枠4に設けられた長孔41Aを塞ぐための部分である。本実施形態における押さえ部材8は、種々の厚みの蓋部材102に対応可能なように構成されている。図12(A)〜(F)は、蓋部材102の厚みに応じた押さえ部材8の使用例を示す側面図である。図12(A)〜(F)に示す使用例では、蓋部材102の厚みが9.5mm、12.5mm、15mm、19mm、22mm、25mmである場合を例示しているが、蓋部材102の厚みは、これらの限定されるものではない。
【0077】
図12(A)〜(C)に示すように蓋部材102の厚みが比較的小さい場合には、押さえ部材8は、取付部81が閉塞部83よりも上方に位置する姿勢で配置されている。一方、図12(D)〜(F)に示すように蓋部材102の厚みが比較的大きい場合には、押さえ部材8は、取付部81が閉塞部83よりも下方に位置する姿勢で配置されている。図12(D)〜(F)では、2枚の蓋部材102が重ねられている。図12(A)〜(F)の何れの使用例においても、内枠4の対向片41に設けられた長さLの長孔41Aは、取付部81と閉塞部83によって塞がれている。これにより、気密性をさらに高めることができる。
【0078】
押さえ部材8の材質としては、滑り性を考慮して合成樹脂材料が用いられるのが好ましく、特にポリアセタール樹脂が好適である。
【0079】
(ガイドブロック)
図13(A)は、点検口用枠部材1のガイドブロック9を示す正面図であり、図13(B)は、その側面図であり、図13(C)は、その背面図であり、図13(D)は、図13(A)のD−D線断面図である。図14(A)は、ガイドブロック9を外枠2に取り付けた状態を示す正面図であり、図14(B)は、ガイドブロック9を外枠2に取り付けるときの動作を示す側面図である。
【0080】
ガイドブロック9は、蓋部材102の開閉動作時に、外枠2によって囲まれる矩形状の枠内に内枠4がスムーズに嵌まり込むように内枠4を案内するための部材である。図1に示す実施形態では、対向する位置に設けられた2つの外枠2のそれぞれにガイドブロック9が設けられている。
【0081】
図13(A)〜(D)に示すように、ガイドブロック9は、ガイド部91と、一対の側壁部92,92と、弾性部93とを備える。ガイド部91は、外枠2に取り付けられたときには対向片41に対して傾斜する姿勢となる。具体的には、ガイド部91は、下方から上方に向かうにつれて対向片41から離れるように対向片41に対して傾斜したガイド面94を備える。一対の側壁部92,92は、ガイド部91の両サイドから対向片41側に延出している。
【0082】
弾性部93は、ガイド部91の上端から対向片41側に延出している。弾性部93と一対の側壁部92,92とは、ガイド部91側の部分において連結されている一方で、対向片41側の部分においては離隔している。すなわち、ガイドブロック9は、弾性部93と側壁部92との間にスリット95を有している。これにより、弾性部93は、ガイド部91に対して上下方向に弾性変形しやすい構造となっている。
【0083】
ガイドブロック9の下端部は、外枠2の外枠係合片23上に配置され、ガイドブロック9の弾性部93は、外枠2の架橋片24の下に配置される。架橋片24の下面には、下方に突出する係止部24Aが設けられている。弾性部93の上面には上方に突出する被係止部93Aが設けられている。
【0084】
ガイドブロック9を外枠2に取り付ける際には、図14に示すようにガイドブロック9を外枠2の外枠係合片23と架橋片24との間に押し込むと、弾性部93が架橋片24の係止部24Aに当接して下方に弾性変形し、弾性部93の被係止部93Aが係止部24Aを超えて対向片21側に至ると、弾性部93の変形が元に戻る。これにより、被係止部93Aが係止部24Aに係止される。
【0085】
本実施形態では、図14(A)に示すように、外枠2の対向片21は、一対の側壁部92,92のサイドに、ガイドブロック9を位置決めする一対のレール部21C,21Cを備えている。各レール部21Cは、対向片21においてその周りの部分よりも対向片21の厚み方向に隆起しており、上下方向に延びている。一対のレール部21C,21Cの距離は、ガイドブロック9の幅とほぼ同じである。
【0086】
ガイドブロック9の材質としては、滑り性を考慮して合成樹脂材料が用いられるのが好ましく、特にポリアセタール樹脂が好適である。
【0087】
(ロック機構)
図1に示すように、第1内枠4Aに対向する位置に設けられた第2内枠4Bには、蓋部材102が点検口103を塞ぐ閉塞状態C1を維持するためのロック部材108が設けられている。ロック部材108は、例えば図2に示すように、壁面に対して直交する方向(図2では上下方向)の軸を中心に回動するように第2内枠4Bに支持された本体部109と、この本体部109から軸方向に直交する方向に突出するロック片110とを備える。本体部109における室内S1側の端面には、例えばマイナスドライバーなどを用いて本体部109を回動させるための溝111が設けられている。本体部109が回動して、図2に示すようにロック片110が外枠2の上部に係止されると、ロック状態となり、蓋部材102が点検口103を塞ぐ閉塞状態C1が維持される。一方、本体部109が回動して、ロック片110が外枠2との係止状体が解除されると、アンロック状態となる。アンロック状態では、第1内枠4Aを外枠2に対して回動させることができ、これにより、蓋部材102によって点検口103を開閉することができる。
【0088】
(点検口用枠部材の動作)
以上のような本実施形態に係る点検口用枠部材1は、閉塞状態C1では、湾曲凸部30の内周面31が湾曲溝50の湾曲端面51を支持し、湾曲凸部30の先端面33が湾曲溝50の閉塞面53から離れた開口部54側に位置している。第1内枠4Aが外枠2に対して回動するときには、内周面31が湾曲端面51を支持した状態を維持しながら湾曲凸部30が湾曲溝50内を湾曲溝50に対して相対移動する。そして、点検口用枠部材1は、外枠2に対する第1内枠4Aの回動角度θが所定角度まで回動した全開状態C4では、内周面31が湾曲端面51を支持し、先端面33が閉塞面53に当接又は近接するように構成されている。
【0089】
本実施形態では、全開状態C4において、湾曲溝50の閉塞面53が湾曲凸部30の先端面33に当接する一方で、内枠係合片43は、外枠2における室内側の外面34と離隔しているが、これに限られず、全開状態C4において、内枠係合片43が外枠2における室内側の外面34と接していてもよい。
【0090】
[実施形態のまとめ]
本実施形態では、内枠4A(第1枠)の内枠係合片43(第1係合片)は、湾曲端面51と、これに対して隙間をあけて設けられた湾曲対向面52と、開口部54とは反対側を塞ぐ閉塞面53とによって形成される湾曲溝50を備え、外枠2(第2枠)の外枠係合片23(第2係合片)は、内周面31と外周面32とこれらを接続する先端面33とによって形成される湾曲凸部30を備える。湾曲溝50の湾曲対向面52は湾曲端面51に沿って湾曲しており、また、湾曲凸部30の内周面31及び外周面32も湾曲端面51に沿って湾曲している。すなわち、湾曲溝50と湾曲凸部30は、ともに湾曲端面51に沿って湾曲している。そして、湾曲端面51はこれに沿って湾曲する内周面31に支持されている。したがって、閉塞状態C1と全開状態C4において湾曲端面51が内周面31に支持され、これらの間で回動動作するときにも湾曲端面51が内周面31に支持された状態を維持しつつ、湾曲凸部30が湾曲溝50内を湾曲溝50に対して相対移動することができる。このように閉塞状態C1と全開状態C4との間で内枠4Aが外枠2に対して回動するときの回動中心(回転軸)がほとんど変動することがない。よって、内枠4Aを外枠2に対して回動させるときのがたつきを抑制して蓋部材をスムーズに開閉することができる。
【0091】
本実施形態では、点検口用枠部材1は、外れ止め部材をさらに備え、第1係合片43は、湾曲対向面52よりも径方向外側において湾曲端面51に沿って湾曲する被係止面を備え、外れ止め部材は、湾曲端面51に沿って湾曲する係止面を備え、外れ止め部材は、係止面が被係止面に当接又は近接する前進位置と、内枠4Aを外枠2に対して着脱できるように係止面を被係止面から壁裏S2側に移動させた後退位置との間をスライド移動可能に外枠2に支持されている。したがって、外れ止め部材は、前進位置に配置されている場合に、内枠4Aが外枠2に対して回動したときには、被係止面が係止面に沿ってスムーズに相対移動するので、内枠4Aを外枠2に対して回動させるときの動作の邪魔になることはない。これにより、外枠2に対する内枠4Aのスムーズな回動を維持できる。しかも、前進位置においては、係止面が被係止面に当接又は近接しているので、第1係合片43と第2係合片23の係合状態がより確実に維持される。また、外れ止め部材が後退位置に配置されているときには、内枠4Aを外枠2に対して着脱することができる。
【0092】
本実施形態では、外れ止め部材は、係止面の先端から延び、外れ止め部材が後退位置に配置された状態で内枠4Aを外枠2に対して係合させるときに第1係合片43を案内するガイド面を備えている。したがって、第1係合片43をガイド面に当接させながら内枠4Aを外枠2側に移動させることにより、第1係合片43が第2係合片23に係合する位置に第1係合片43を案内することができる。これにより、内枠4Aを外枠2に対して係合させるときの作業性が向上する。
【0093】
本実施形態では、全開状態C4における所定角度が鈍角となるように湾曲溝50の閉塞面53と湾曲凸部30の先端面33とのなす角度が鈍角とされている。したがって、蓋部材が開くときに第1係合片43、第2係合片23などにかかる負荷を低減することができる。
【0094】
点検口用枠部材1では、全開状態C4において、湾曲溝50の閉塞面53が湾曲凸部30の先端面33に当接する一方で、第1係合片43は、外枠2における室内S1側の外面と離隔しているのが好ましい。外枠2における室内側の外面34は、室内に露出している場合には意匠面となる。したがって、全開状態C4において閉塞面53が先端面33に当接してそれ以上の回動を規制する一方で、この全開状態C4において第1係合片43が外枠2における室内側の外面34と離隔している場合には、内枠4Aが外枠2に対して回動して全開状態C4になったとしても、第1係合片43は外枠2における室内S1側の外面34に接触しない。したがって、この外面34にキズがつくなどの不具合が生じるのを抑制できる。
【0095】
点検口用枠部材1において、第1係合片43は、閉塞状態C1において第1係合片43の先端部から壁裏S2側に起立する起立部を備える。外枠2は、湾曲端面51が内周面31から離れる方向に第1係合片43が移動するのが規制されるように起立部47の外面56の一部又は全部が当接又は近接する規制面35を備えているのが好ましい。この場合には、規制面35が第1係合片43の移動を規制するので、湾曲端面51が内周面31から離れるのをより確実に抑制できる。したがって、第1内枠4Aを外枠2に対して回動させるときのがたつきをさらに抑制することができる。本実施形態では、規制面35は、外枠2の対向片21における第1内枠4A側の表面によって構成されている。閉塞状態C1において、規制面35及び外面56の一部又は全部は、天井壁101の壁面W1に直交する方向(鉛直方向)に平行である。
【0096】
第1係合片43と第2係合片23を設けるために必要なスペースは、極力小さくするのが望ましい。したがって、点検口用枠部材1では、閉塞状態C1において、規制面35及び外面56の一部又は全部が、点検口が設けられた天井壁又は側壁の壁面に直交する方向に平行である場合には、規制面35と起立部47の外面56とによる移動規制の構造を設けるのに必要とされる壁面に平行な方向における寸法が大きくなるのを抑制できる。
【0097】
本実施形態では、閉塞状態C1において、起立部47の内面を構成する閉塞面53は、壁面W1に直行して湾曲端面51における円弧の中心を通る平面Pに対して開口部54とは反対側に位置しているので、平面Pに対して開口部54側に位置している場合に比べて、湾曲溝50の奥行きを大きくすることができる。したがって、全開状態C4の回動角度が同じ場合で比較したときに、閉塞面53が平面Pに対して開口部54側に位置している場合に比べて、閉塞面53が平面Pに対して開口部54とは反対側に位置している場合には、湾曲凸部30の先端面33をより壁裏側に位置させることができる。これに伴って、湾曲凸部30の内周面31もより壁裏側に位置させることができるので、内周面31が湾曲端面51を支持するときの安定性を向上させることができる。すなわち、全開状態C4の回動角度を所定角度に維持しつつ、第2係合片23における湾曲凸部30を壁裏S2側に延出させる度合いを大きくすることができる。これにより、湾曲溝50の湾曲端面51を支持する湾曲凸部30の内周面31の面積を大きくすることができるので、内周面31が湾曲端面51を支持するときの安定性を向上させることができる。
【0098】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
【0099】
前記実施形態では、第1枠が内枠であり、第2枠が外枠である場合を例に挙げて説明したが、第1枠が外枠であり、第2枠が内枠であってもよい。
【0100】
前記実施形態では、内枠4が外枠2に対して回動するときには、湾曲凸部30は移動せずに湾曲溝50が移動する場合を例示したが、湾曲溝50が移動せずに湾曲凸部30が移動するように構成されていてもよい。
【0101】
前記実施形態では、点検口用枠部材1が外れ止め部材7を備えているが、外れ止め部材7は省略することもできる。
【0102】
前記実施形態では、全開状態C4における回動角度が鈍角である場合を例に挙げたが、全開状態C4における回動角度は、直角又は鋭角であってもよい。
【0103】
前記実施形態では、内枠係合片43が内枠先端部48から壁裏S2側に起立する起立部47を備えているが、起立部47は省略することもできる。この場合、内枠係合片43は、湾曲部46の先端に内枠先端部48が設けられる。
【0104】
前記実施形態では、外枠2に対する内枠4Aの回動角度が所定角度まで回動した全開状態C4では、先端面33が閉塞面53に当接又は近接する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。全開状態C4では、閉塞状態C1に比べて先端面33が閉塞面53に対して相対的に近づくように構成されていればよい。
【0105】
前記実施形態では、外れ止め部材7が外枠2に対してスライド移動可能に構成されている場合を例示したが、これに限られない。外れ止め部材7は、外枠2に対してスライド移動可能ではなく、固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 点検口用枠部材
2 外枠(第2枠)
4 内枠
4A 第1内枠(第1枠)
4B 第2内枠
7 外れ止め部材
8 押さえ部材
21 対向片
22 突出片
23 外枠係合片(第2係合片)
24 架橋片
25 延出部
30 湾曲凸部(外枠先端部)
31 内周面
32 外周面
33 先端面
34 外枠における室内側の外面
41 対向片
42 突出片
43 内枠係合片(第1係合片)
44 突出片
45 延出部
46 湾曲部
47 起立部
48 内枠先端部
50 湾曲溝
51 湾曲端面
52 湾曲対向面
53 閉塞面
54 開口部
55 被係止面
71 外れ止め部材の取付部
72 外れ止め部材の係止部
73 外れ止め部材のガイド部
74 外れ止め部材の係止面
75 外れ止め部材のガイド面
100 点検口構造
101 天井壁
102 蓋部材
102E 蓋部材の縁
103 点検口
103E 点検口の縁
C1 閉塞状態
C2,C3 開状態
C4 全開状態
G 隙間
S1 室内
S2 壁裏
W1 壁面
W2 蓋部材の下面
θ 回動角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14