(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記顧客資金が新規資金であるかどうかは、前記取引明細ファイルに含まれる前記紹介顧客の入金データに、他の金融機関からの振込記録が含まれるかどうかに基づいて判定される、請求項2の銀行システム。
前記顧客資金が新規資金であるかどうかは、前記取引明細ファイルに含まれる予め定められた期間における出金データによって示された金額が、前記紹介顧客によって購入される銀行取扱金融商品の金額に等しいかどうか、または前記紹介顧客によって購入される銀行取扱金融商品の金額と予め定められた範囲の差異内であるかどうかに基づいて判定される、請求項2の銀行システム。
前記顧客資金が新規資金であるかどうかは、前記取引明細ファイルに含まれる予め定められた期間における入金データおよび出金データによって特定される金額情報に基づいて判定される、請求項2の銀行システム。
前記紹介顧客の口座が複数存在する場合に、前記銀行システムは、複数の前記口座についての前記取引明細ファイルを前記紹介顧客の顧客識別子に基づいて参照するようにさらに構成される、請求項1の銀行システム。
前記顧客資金が妥当なものではないとの判定がなされたことを条件として、第2の優遇条件に従う前記銀行取扱金融商品のデータを生成する前記生成手段であって、前記第1の優遇条件は、前記第2の優遇条件よりも優遇された条件であり、前記第2の優遇条件は、前記銀行取扱金融商品と同種の金融商品の通常購入時に適用される条件よりも優遇された条件である、前記生成手段をさらに備えた、請求項1の銀行システム。
前記第1の優遇条件、前記第2の優遇条件および前記銀行取扱金融商品と同種の金融商品の通常購入時に適用される条件は、前記銀行取扱金融商品の金利を示し、前記第1の優遇条件によって示される金利は、前記第2の優遇条件によって示される金利よりも高く、前記第2の優遇条件によって示される金利は、前記銀行取扱金融商品と同種の金融商品の通常購入時に適用される条件によって示される金利よりも高い、請求項7の銀行システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、特許文献1に示されているように、証券会社の証券管理システムと銀行の銀行システムが互いに連携して情報共有する仕組みは従来技術として存在する。このため、以下の説明では、銀行システムと証券管理システムの間で顧客情報の共有が行われることに対して、顧客が同意済みであることを前提として説明する。例えば、銀行側の顧客を証券会社に対して紹介する場合には、証券管理システムには、当該顧客の取引銀行の口座情報などの顧客情報、両社での情報共有に同意する旨の承諾についての情報、などが格納される。一方、銀行システムにも、当該顧客の証券取引口座情報などの顧客情報、両社での情報共有に同意する旨の承諾についての情報、などが格納される。
【0014】
図1は、本発明に係る証券管理システム100および銀行システム110を含むシステム全体の概要図である。証券管理システム100および銀行システム110は、ネットワーク120を介して相互に接続されている。
【0015】
証券管理システム100は、証券会社端末101と接続されており、さらに、複数の証券顧客端末102a、102b(以下、本明細書では「証券顧客端末102」とよぶことにする)とネットワーク103を介して接続されている。証券会社端末101は、証券会社の従業員などによって使用される、証券会社内に設置されている端末であり、顧客から注文を受けた内容を証券管理システム100に対して入力可能な端末である。証券顧客端末102は、証券管理システム100によって提供されるオンライントレードサービスを利用可能な端末である。証券顧客端末102は、個人顧客が利用する端末であればよく、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、ユーザ機器(UE)、移動局、セルラ電話機、スマートフォンあるいは有線または無線環境において動作可能な他の任意のタイプのデバイスであってもよく、特に限定されることはない。
【0016】
銀行システム110は、銀行内端末111と接続されており、さらに、複数の銀行顧客端末112a、112b(以下、本明細書では「銀行顧客端末112」とよぶことにする)とネットワーク113を介して接続されている。銀行内端末111は、銀行の従業員などによって使用される、銀行内に設置されている端末であり、顧客から注文を受けた内容を銀行システム110に対して入力可能な端末である。銀行顧客端末112は、銀行システム110によって提供されるインターネットバンキングシステムを利用可能な端末である。銀行顧客端末112は、個人顧客が利用する端末であればよく、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、ユーザ機器(UE)、移動局、セルラ電話機、スマートフォンあるいは有線または無線環境において動作可能な他の任意のタイプのデバイスであってもよく、特に限定されることはない。
【0017】
上記のネットワーク103、113、120は、専用線、インターネットなどを含む、相互通信可能な周知のネットワークであればよく、特に限定されることはない。
【0018】
図1では、説明の便宜上、証券顧客端末102および銀行顧客端末112を別個のものとして記載したが、両者は同一の顧客端末であって構わない。また、ネットワーク103および113についても、同一のネットワークであって構わない。
【0019】
上述したように、銀行システム110と証券管理システム100の間で顧客情報の共有が行われる。例えば、銀行においてある顧客を証券会社に対して紹介する場合には、銀行内端末111を介して銀行システム110内の銀行顧客マスタ606に、紹介顧客であること、および情報共有に同意済みであることが登録されると、予め定められたタイミングで当該顧客データのうち所定のデータが証券管理システム100に送信され、証券管理システム100内の証券顧客マスタ206に格納される。
【0020】
図2は、証券管理システム100のシステム構成図である。
図2に示すように、証券管理システム100は、一般的なコンピュータと同様に、バス210などによって相互に接続された制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、インターフェース(IF)部204および出力部205を備えることができる。また、証券管理システム100は、証券顧客マスタ206、商品情報DB207、顧客資産DB208およびクーポンDB209を備えることができる。
【0021】
制御部201は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、証券管理システム100内の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部203に格納されている各種プログラムを主記憶部202に読み出して実行することができる。主記憶部202は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶することができる。補助記憶部203は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0022】
図2の実施形態では、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を同一のサーバコンピュータ内に設ける実施形態について説明したが、他の実施形態として、証券管理システム100は、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を複数個使用することにより、複数のサーバコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成されることもできる。また、他の実施形態として、証券管理システム100用の複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部203を共有する実施形態にすることも可能である。
【0023】
IF部204は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供することができる。出力部205は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供することができる。
【0024】
証券顧客マスタ206は、証券会社に証券取引口座を開設している顧客のマスタ情報を格納することができる。
図4は、証券顧客マスタ206のデータ構造の一例を説明する図である。証券顧客マスタ206は、証券顧客ID401、証券取引口座情報402、属性情報403、情報共有同意区分404、紹介顧客区分405、共通顧客番号406、銀行顧客ID801および銀行口座情報803を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0025】
証券顧客ID401は、証券会社に口座を開設している顧客を識別するための識別子である。証券取引口座情報402は、顧客の証券取引口座の情報であり、支店、口座番号、口座の種類(例えば、一般口座、特定口座など)などの情報を含むことができる。属性情報403は、顧客の氏名、カナ氏名、住所、連絡先などの情報を含むことができる。情報共有同意区分404は、銀行システム110と証券管理システム100の間で顧客情報の共有が行われることに対して、顧客が同意済みであるかどうかを示す情報を含むことができる。顧客の同意が得られていない場合には、銀行システム100から得られる情報、例えば、銀行顧客ID801や銀行口座情報803の情報は証券顧客マスタ206に格納されることはない。
【0026】
紹介顧客区分405は、銀行から証券会社に対して紹介された顧客であるのか、証券会社から銀行に対して紹介した顧客であるのか、などの情報を含むことができる。共通顧客番号406は、ある顧客が証券会社および銀行に保有している複数の口座情報を紐付けるための番号である。例えば、ある顧客が証券会社に証券取引口座を1つ開設しており、銀行に預金口座を2つ開設している場合には、共通顧客番号406により、これら3つの口座の情報を関連付けて把握することができるようになる。共通顧客番号406は、後述の共通顧客番号807と同一の番号である。銀行顧客ID801は、銀行顧客を管理する店別の番号であり、銀行口座情報803は、顧客の銀行口座の情報であり、店番号、科目、口座番号、口座名義などの情報を含むことができる。
【0027】
商品情報DB207は、証券管理システム100によって顧客に提供可能な金融商品(例えば、投資信託、債券)の情報を格納するデータベースである。証券管理システム100は、証券会社と銀行との間で連携して顧客に優遇サービスを提供する商品として識別可能な情報を商品情報DB207に格納することができる。商品情報DB207に格納されている商品情報は、
図5(a)に例示されるように、証券顧客端末102上で選択可能な金融商品のリストとして表示されることが可能である。
図5(a)に例示した「xxx対象商品」という表示は、証券会社と銀行との間で連携して顧客に優遇サービスを提供する商品であることを示す識別情報である。
【0028】
顧客資産DB208は、顧客の預かり資産の情報を格納するデータベースである。証券管理システム100は、証券会社端末101や証券顧客端末102上で、顧客資産DB208から読み出した顧客の預かり資産の情報を示すことが可能である。また、顧客資産DB208は、顧客の預かり資産の情報(例えば、投資信託)に関連付けてどのようなクーポンが発行されたかの情報(例えば、クーポンを識別する情報)を含むこともできる。顧客が証券顧客端末102を通じてクーポンを識別する情報を指定することにより、任意の時にクーポンを参照することが可能となる。
【0029】
クーポンDB209は、
図3で説明するクーポン生成処理によって生成されるクーポンのデータを格納するデータベースである。生成されたクーポンは、予め定められたタイミングで証券管理システム100から銀行システム110に対して送信される。
【0030】
図3は、本発明に係る証券管理システム100にて実行されるクーポン生成処理を説明するフロー図である。
【0031】
S301にて、証券管理システム100は、金融商品を購入しようとする顧客に対する認証処理を行うことができる。証券顧客端末102は、証券管理システム100によって提供されるオンライントレードサービスにアクセスした時、証券顧客ID401やパスワードなどの認証情報を送信することができる。証券管理システム100にて認証処理が成功裏に実行された場合には、S302に処理が進む。証券会社の店頭カウンターにおいても、顧客の本人確認を行った上で証券管理システム100に対するアクセスが行われ、S302に処理が進む。
【0032】
S302にて、証券管理システム100は、顧客が所望する金融商品の購入申込データを受信することができる。顧客が証券顧客端末102からオンライントレードサービスにアクセスした場合には、
図5(a)に示すような商品選択画面に商品情報DB207から読み出された金融商品の情報が表示されるので、顧客は、証券顧客端末102を通じて所望の金融商品を選択することができる。証券管理システム100は、選択された金融商品の購入申込データを受信することができる。また、証券会社の店頭でも顧客は所望の金融商品を選択することができるので、証券管理システム100は、証券会社端末101を通じて選択された金融商品の購入申込データを受信することができる。
【0033】
S303にて、証券管理システム100は、購入処理を実行することができる。一例を挙げると、証券管理システム100は、証券会社端末101や証券顧客端末102のディスプレイ上に、
図5(b)に示すような、購入注文内容確認画面を表示することができる。
図5(b)上の「注文する」ボタンが押下されたことに応じて、顧客によって申し込まれた金融商品についての購入処理を実行することができる。
【0034】
S304にて、証券管理システム100は、商品情報DB207に格納されている情報を使用して、購入された金融商品がクーポンを生成可能な対象商品であるかどうかを判定する。購入された金融商品が対象商品である場合には、後続処理で所定の条件が満たされることを条件にクーポン発行が可能となる。対象商品かどうかは、例えば、
図5(a)に示すように「xxx対象商品」などの情報によって識別することができ、これらの情報は商品情報DB207に格納されている。なお、対象商品かどうかを識別することが可能な情報であればよく、特に限定されることはない。本発明の他の実施形態として、対象商品の情報は他のテーブルに格納されてもよく、特に限定されることはない。S304の判定処理の結果、対象商品であると判定されればS305に処理が進み、一方、対象商品ではないと判定されれば、本処理フローは終了する。
【0035】
S305にて、証券管理システム100は、クーポンを発行することができるかどうかを判定する。具体的に言えば、証券管理システム100は、証券顧客マスタ206にアクセスし、対象商品を購入した顧客が所定の条件(例えば、銀行からの紹介顧客であるか、銀行と証券の間での情報共有に同意しているか、など)を満たしているか、かつ、同一約定日に購入した金融商品の合算約定金額が所定の金額以上であるか、などの予め定められた条件を満たしているかを判定する。これらの条件は、銀行と証券会社の間で予め定めておくことができる。S305の判定処理の結果、クーポン発行可能と判定された場合にはS306に処理が進み、一方、クーポン発行可能ではないと判定された場合には、本処理フローは終了する。
【0036】
S306にて、証券管理システム100は、クーポンを生成する処理を実行することができる。クーポンは、提携銀行にて所定の優遇サービスを受けられることを顧客に対して示すデータであり、提携銀行にて顧客が享受できるサービスを識別する情報を含むことができる。例えば、クーポンを利用することにより、銀行から証券会社に紹介された顧客は、証券会社にて所定の金額の金融商品(例えば、投資信託、債券)を購入した場合に、予め定められた期間内に提携銀行にて優遇金利の定期預金を作成することができる、といった優遇サービスを受けられる場合があるので、クーポンには当該優遇サービスの情報が含まれることができる。なお、顧客が銀行にて享受できる優遇サービスは上記のものに限定されることはなく、外為手数料の優遇、各種銀行サービスの手数料優遇、インターネットバンキングシステムで利用可能なポイントなどであってもよく、どのような優遇サービスを顧客が選択できるかは銀行や証券会社によって予め設定されることができる。また、証券管理システム100は、顧客の取引内容(対象商品、取引額など)によって、選択可能な優遇サービスを顧客自ら選択可能にする情報をクーポンに含めることもできる。このような場合、顧客は、選択可能な複数の優遇サービスのうち自分自身に合わせた優遇サービスを選択できるようになる。
【0037】
S307にて、証券管理システム100は、予め定められたタイミングでクーポンDB209からクーポンを読み出し、銀行システム110に送信することができる。
【0038】
上記の説明において、クーポンのデータは、証券管理システム100から銀行システム110に対して送信されることを説明したが、本発明の一実施形態においては、生成されたクーポンは、証券顧客端末102のディスプレイ上で確認することもできる。具体的に説明すると、クーポンが生成されると、証券管理システム100は、証券顧客端末102に対してクーポンが発行されたことを通知することができる。この通知は、オンライントレードの画面上で行ってもよいし、顧客のメールアドレスに対して電子メールを通知することによって行ってもよい。また、顧客は、証券顧客端末102を通じて証券管理システム100の顧客資産DB208にアクセスし、発行されているクーポンを選択することによって(発行から数日後であっても)クーポンをディスプレイ上に表示することもできる。このような機能により、顧客は、クーポンをプリンタなどで印刷したりすることによって手元に保持することができるようになり、銀行の店頭を訪れた際に相手に提示することも可能となる。
【0039】
次に、証券管理システムと連携する銀行システム110について説明する。
図6は、本発明に係る銀行システム110のシステム構成図である。銀行システム110は、一般的なコンピュータと同様に、バス620などによって相互に接続された制御部601、主記憶部602、補助記憶部603、インターフェース(IF)部604および出力部605を備えることができる。制御部601、主記憶部602、補助記憶部603、IF部604および出力部605は、
図2を参照しながら説明した制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、IF部204および出力部205とそれぞれ同様の機能を果たすため、ここでは詳細な説明を省略することとする。
【0040】
銀行システム110は、銀行顧客マスタ606、取引明細ファイル607、金融商品明細ファイル608、利率テーブル609、クーポンDB610、および為替テーブル611を備えることができる。
【0041】
銀行顧客マスタ606は、銀行顧客の基礎情報を格納する顧客マスタファイルであり、CIF(Customer Information file)とも言われるものである。
図8は、銀行顧客マスタ606のデータ構造の一例を説明する図である。
図8に示すように、銀行顧客マスタ606は、銀行顧客ID801、取引店ID802、銀行口座情報803、属性情報804、情報共有同意区分805、紹介顧客区分806、証券顧客ID401、証券口座情報402および共通顧客番号807を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。例えば、銀行顧客マスタ606は、届出印鑑の印影、カードの種類、暗証番号などの情報を含むように構成されてもよい。また、銀行顧客マスタ606は、顧客の口座情報の共通データ項目としても機能することができる。
【0042】
銀行顧客ID801は、銀行顧客を管理する店別の番号であり、その一部に取引店ID802を含むように構成されてもよい。例えば、ある営業店を示す番号が「111」である場合、銀行顧客ID801は、「1112222222」(すなわち、取引店ID802+当該営業店内で固有の番号)とすることができる。取引店ID802は、顧客を管理する営業店を識別するための番号である。銀行口座情報803は、顧客の銀行口座の情報であり、店番号、科目、口座番号、口座名義などの情報を含むことができる。属性情報804は、顧客の氏名、カナ氏名、住所、連絡先などの情報を含むことができる。情報共有同意区分805は、銀行システム110と証券管理システム100の間で顧客情報の共有が行われることに対して、顧客が同意済みであるかどうかを示す情報を含むことができる。紹介顧客区分806は、銀行から証券会社に対して紹介された顧客であるのか、証券会社から銀行に対して紹介した顧客であるのか、などの情報を含むことができる。証券顧客ID401および証券口座情報402は、証券顧客マスタ206を参照しながら説明した項目と同一内容のデータであり、顧客の同意を前提として、銀行システム110と証券管理システム100の間で連携している結果取得できたデータである。
【0043】
共通顧客番号807は、顧客が複数の口座を同一銀行内に保有している場合に、名寄せ作業を行いやすくするための顧客識別番号である。「名寄せ」とは、本当の預金者を特定して預金者の保有する預金総額を算出することをいう。なお、共通顧客番号807は、顧客を識別するための番号として使用されることから、他の金融機関の顧客マスタにも格納されることが可能であり、かかる場合には、共通顧客番号807に基づいて、複数の金融機関が保有する顧客の口座情報を関連付けることが可能となる。上述した共通顧客番号406は、共通顧客番号807と同一の値とすることが可能である。共通顧客番号807は、顧客を識別可能であればよく、本発明の他の実施形態では、共通顧客番号807を、英数字、符号および/またはカナ文字などによって構成してもよい。
【0044】
図9は、取引明細ファイル607のデータ構造の一例を説明する図である。取引明細ファイル607は、銀行顧客の普通預金や当座預金などの各種口座における取引明細を格納することができる。取引明細ファイル607は、銀行顧客ID801、銀行口座情報803、取引日+連番901、入出金区分902、取引店903、金額904および摘要905を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく口座の種類に応じて他のデータ項目も含むことが可能である。銀行顧客ID801および銀行口座情報803は、
図8を参照しながら説明したデータ項目と同一である。
【0045】
取引日+連番901は、銀行顧客が口座において入金や出金などの取引を行った年月日とシーケンシャルな番号を組み合わせた情報を含む。年月日については、年月日(YYYYMMDD)だけを用いてもいいし、年月日に加えて時分秒(HHMMSS)の情報を用いてもよい。シーケンシャルな番号は同一日に複数回の取引を行う可能性があるため付与される。入出金区分902は、入金、出金などの取引区分を示す。取引店903は、どの営業店あるいは営業店以外のATMで取引が行われたかを示す。金額904は、入出金などの取引の取引金額を示す。摘要905は、入出金についての説明、例えば、他銀行からの振込、給与振込、公共料金の自動引き落とし、などの情報が含まれる。
【0046】
金融商品明細ファイル608は、顧客が購入した金融商品の明細データを格納することができる。
図10は、金融商品明細ファイル608のデータ構造の一例を説明する図である。
図10に示すように、金融商品明細ファイル608は、銀行顧客ID801、銀行口座情報803、明細番号1001、名称1002、商品内容1003、識別コード1004を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。銀行顧客ID801および銀行口座情報803は、
図8を参照しながら説明したデータ項目と同一である。
【0047】
明細番号1001は、顧客が購入した金融商品(例えば、定期預金(円貨、外貨)、投資信託など)の明細を識別するための番号である。名称1002は、顧客が購入した金融商品の名称(例えば、「スーパー定期預金3ヶ月」「米ドル定期預金1年」など)である。商品内容1003は、購入された金融商品の詳細を表す。例えば、購入された金融商品が定期預金の場合には、商品内容1003には、定期預金の作成日、満期日、金額および利率などの情報が格納される。利率の情報については、金融商品購入時に利率テーブル609に格納されている購入対象となる金融商品(例えば、定期預金)の利率の情報が設定されることができる。本発明の他の実施形態として、利率の情報は、利率テーブル609の情報によらず、他のデータファイルから情報を取得して設定されるように構成されてもよい。識別コード1004は、証券管理システム100によって提供されたクーポンを使用して購入された金融商品(例えば、優遇定期預金)を示すためのコードである。なお、証券管理システム100によって提供されたクーポンを使用して購入された金融商品であることが識別できれば、識別コード1004以外の手段を用いることも可能である。
【0048】
利率テーブル609は、銀行によって提供される金融商品(例えば、定期預金)の適用利率のデータを格納することができる。銀行によって提供される金融商品は、円貨ベースであってもよいし、外貨ベースであってもよい。
図11は、利率テーブル609のデータ構造の一例を説明する図である。利率テーブル609は、
図11に示すように、各金融商品の適用利率を含むことができる。
【0049】
クーポンDB610は、証券管理システム100から受信したクーポンのデータを格納するデータベースである。クーポンは、顧客が銀行にて享受できる優遇サービスを識別する情報を含むことができる。例えば、クーポンを利用することにより、顧客は、証券会社にて所定の金額の金融商品を購入した場合に、予め定められた期間内に銀行にて優遇金利の定期預金を作成することができるといった優遇サービスを受けられる場合があるので、クーポンには当該優遇サービスの情報が含まれてもよい。別の例として、顧客が銀行にて享受できる優遇サービスは、外為手数料の優遇、各種銀行サービス(振込、貸金庫など)の手数料優遇、インターネットバンキングシステムで利用可能なポイントなどであってもよい。ある実施形態では、銀行システム110は、顧客の証券会社や銀行との取引内容(対象商品、取引額など)に応じて、優遇サービスを顧客自ら選択できるように構成されてもよい。なお、外為手数料の優遇を受ける際には、為替テーブル611が使用されてもよい。為替テーブル611は、それぞれの通貨の取引レートの他に、例えば、米ドルで通常よりxx銭の優遇レートで商品の取引ができることを示すデータを含むことができる(例えば、米ドル購入時取引レート:117円10銭、米ドル購入時優遇取引レート:116円10銭、など)。
【0050】
図12は、クーポンDB610のデータ構造の一例を説明する図である。クーポンDB610は、証券顧客ID401、銀行顧客ID801、共通顧客番号807、クーポン有効期限1201、購入可能金融商品1202、利率1203、および上限金額1204を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく、顧客が受けられる優遇サービスの内容に応じた他のデータ項目も含むことが可能である。証券顧客ID401、銀行顧客ID801、および共通顧客番号807は、上記で既に説明した同一名称のデータ項目と同一である。
【0051】
クーポン有効期限1201は、証券管理システム100によって発行されたクーポンの使用期限を示す。使用期限は、証券会社と銀行の間で予め定めておくことが可能である。購入可能金融商品1202は、優遇サービスの内容が優遇条件での金融商品の購入である場合に、購入可能な金融商品の種類(例えば、円貨/外貨定期預金および期間、特定の投資信託など)を示す。利率1203は、購入可能金融商品1202によって示された優遇条件が金利を示す場合に、優遇金利の利率を格納することができる。上限金額1204は、銀行において顧客が通常よりも優遇された条件で金融商品の購入ができる金額の上限を示すことができる。後述するように、本発明の一実施形態では、定期預金を作成する際には利率テーブル609が参照されるが、他の実施形態では、クーポンに含まれる利率が使用されてもよい。
【0052】
上述したように、所定の条件を満たした顧客は、銀行において様々な優遇サービスを受けることができるが、以下では、優遇サービスの内容が優遇金利での定期預金作成である場合について説明する。本明細書では説明のため、最初に、銀行システム110において実行される通常の定期預金作成処理について説明し、その後、優遇金利での定期預金の作成について説明する。
【0053】
まず、営業店の店頭やインターネットバンキングシステムにおいて顧客を特定した上で、顧客に作成したい定期預金の種類、金額を指定してもらう。定期預金の種類としては、例えば、スーパー定期預金3ヶ月とか大口定期預金6ヶ月などがある。銀行システム110は、作成する定期預金の種類、金額の情報を受信すると利率テーブル609を参照し、当該定期預金の適用利率が何パーセントであるかの情報を取得する。銀行システム110は、取得した適用利率の情報と、定期預金の種類、金額の情報とに基づいて定期預金の明細データを生成し、金融商品明細ファイル608に当該顧客の定期預金データとして記憶する。
【0054】
次に、
図7を参照しながら、銀行システム110にて実行される優遇定期預金作成処理について説明する。
図7は、本発明に係る銀行システム110にて実行される優遇定期預金作成処理を説明するフロー図である。
【0055】
S701にて、銀行システム110は、定期預金を購入しようとする顧客に対する認証処理を行うことができる。銀行顧客端末112は、銀行システム110によって提供されるインターネットバンキングシステムにアクセスした時、顧客IDやパスワードなどの認証情報を銀行システム110に送信することができる。銀行システム110にて認証処理が成功裏に行われた場合には、S702に処理が進む。銀行の営業店においても、顧客の本人確認を行った上で銀行内端末111から銀行システム110に対するアクセスが行われ、S702に処理が進む。S701にて顧客の認証が失敗した場合や顧客の本人確認が行えない場合には、以下の処理は実行されない。
【0056】
S702にて、銀行システム110は、銀行内端末111または銀行顧客端末112から、顧客が所望する定期預金の申込データを受信することができる。申込データには、優遇金利の定期預金の種類や期間の情報(例えば、優遇金利の大口定期預金3ヶ月)などが含まれることができる。
【0057】
S703にて、銀行システム110は、受信した申込データに含まれる顧客の銀行顧客ID801を読み出し、読み出した銀行顧客ID801を使用してクーポンDB610から当該顧客に関連付けられたクーポンを読み出す。上記で、顧客はクーポンを印刷して保持しておくことができることを説明したが、優遇サービスを受けるために、顧客はクーポンを印刷しておく必要はない。本発明は、顧客がクーポンを印刷してなくても、クーポンを保持している顧客であることを銀行システム110が確認するように構成されている。
【0058】
S704にて、銀行システム110は、クーポンDB610からクーポンを読み出すことができ、かつ読み出したクーポンが有効なものかどうかを判定する。クーポンにはクーポン有効期限1201が含まれているので本処理フローがクーポン有効期限1201に示される期限内に実行されているかどうかが判定される。クーポンを読み出すことができなかった場合、またはクーポンを読み出すことはできたものの、読み出したクーポンが有効ではない場合には、S707に処理が進む。一方、クーポンを読み出すことができ、かつクーポンが有効である場合には、S705に処理が進む。
【0059】
S705にて、銀行システム110は、優遇定期預金を作成するための資金が所定の要件(例えば、新規資金、購入金額、通貨の種類)を満たす妥当なものであるかどうかを判定することができる。
【0060】
所定の要件として例示した「新規資金」について具体的に言えば、銀行システム110は、当該顧客の取引明細ファイル607から予め定めた期間の入出金データを読み出し、以下に例示するような1つまたは複数の入出金記録があるかどうかを判定することができる。妥当かどうかの判定には以下の(1)乃至(3)以外の条件を用いるようにしてもよい。また、本発明では、銀行顧客が同一銀行内に複数の銀行口座を有している場合に、共通顧客番号807を利用して当該顧客の複数口座の取引明細ファイル607にアクセスして妥当かどうかの判定を行うこともできる。
(1)入出金区分902が「入金」を示すデータの摘要905に、他の銀行からの振込処理により受け入れたことが示されている。(かかる場合、振込入金額が、作成しようとしている優遇定期預金の金額にほぼ相当する金額であるかどうかについても判定される)
(2)入出金区分902が「出金」を示すデータのうち、予め定めた期間内に、作成しようとしている優遇定期預金の金額にほぼ相当する金額の出金データがない。(営業店の店頭に現金持ち込みが行われたかどうかが分かる)
(3)予め定めた期間内に、作成しようとしている優遇定期預金の金額にほぼ相当する金額の入金データと出金データが発生していない。(自分の口座から一旦出金し、その金額をまた入金しているかどうかが分かる)
銀行システム110は、上記(1)乃至(3)に例示するようなケースが1つまたは複数発生していた場合、優遇定期預金を作成するための資金が妥当なものであると判定し、S706に処理が進む。一方、妥当ではないとの判定がなされた場合には、銀行システム110は、S707に処理を進める。なお、条件(2)および(3)において「ほぼ相当」としたのは、予め定めた範囲内にある金額を含めるためである。
【0061】
所定の要件として例示した「購入金額」について具体的に言えば、銀行システム110は、優遇定期預金を作成するための資金が予め定めた金額以上の場合に顧客の資金が妥当なものと判定することができる。
【0062】
所定の要件として例示した「通貨の種類」について具体的に言えば、顧客が特定の外貨(例えば、米ドル)の普通預金を利用して優遇定期預金を作成する場合に、銀行システム110は、顧客の資金が妥当なものと判定することができる。かかる場合、優遇定期預金の通貨と普通預金の特定の通貨が同一であることは必要なく、例えば、米ドルの普通預金を利用して英ポンドの優遇定期預金を作成しても構わないし、米ドルの普通預金を利用して米ドルの優遇定期預金を作成しても構わない。
【0063】
なお、顧客の資金の妥当性を判定する際には、上記で例示した「新規資金」、「購入金額」、「通貨の種類」を単独で使用するようにしてもいいし、複数を組み合わせて使用するようにしても構わない。
【0064】
S706にて、銀行システム110は、優遇金利の定期預金を作成する処理を行うことができる。具体的に言えば、銀行システム110は、S702にて受信した申込データに含まれる、優遇金利の定期預金の種類や期間などの情報に基づいて利率テーブル609にアクセスし、該当する優遇定期預金の利率情報を取得する。なお、他の実施形態としてS703にて読み出したクーポンに含まれる金利情報を利用するようにしても構わない。
【0065】
銀行システム110は、取得した優遇定期預金の利率情報と、受信した申込データに含まれる、優遇金利の定期預金の種類や期間などの情報とに基づいて優遇金利の定期預金のデータを生成し、生成した優遇金利の定期預金データを金融商品明細ファイル608に格納することができる。
【0066】
S707にて、銀行システム110は、顧客に対して優遇金利の定期預金を作成できない旨のメッセージを通知し、通常金利の定期預金を作成するかどうかの確認を顧客に求めることができる。銀行内端末111または銀行顧客端末112から、通常金利の定期預金を作成することについての顧客の指示を受信した場合には、銀行システム110は、通常の定期預金作成処理を行うことができる。一方、通常金利の定期預金を作成しない旨の顧客の指示を受信した場合には、本処理フローは終了する。
【0067】
上述の実施形態では、顧客が有効なクーポンを有していたとしても、優遇定期預金を作成するための資金が所定の要件(例えば、新規資金、購入金額、通貨の種類)を満たす妥当なものではない場合に、顧客の同意を条件として通常金利の定期預金を作成する実施形態について説明した。本発明では、以下に説明するような他の実施形態を採用することも可能である。
【0068】
本発明の他の実施形態では、顧客が有効なクーポンを有していたとしても、優遇定期預金を作成するための資金が所定の要件(例えば、新規資金、購入金額、通貨の種類)を満たす妥当なものではない場合に、銀行システム110は、第2の優遇金利の定期預金を作成する処理を行うように構成されることもできる。第2の優遇金利は、S707に記載の優遇金利(換言すれば、第1の優遇金利)よりも優遇幅を抑えた金利とすることができる。すなわち、第1の優遇金利をX%、第2の優遇金利をY%、通常の金利をZ%とすると、X>Y>Zの関係が成り立つ。
【0069】
本発明のさらなる他の実施形態では、設定可能な優遇金利を3以上設けることも可能である。かかる場合、銀行システム110は、予め定めた条件に従ってそれぞれの優遇金利を適用することも可能である。例えば、有効なクーポンが存在し、かつ資金が妥当なものである場合は、第1の優遇金利を適用し、有効なクーポンが存在するが、資金が妥当ではない場合は、作成しようとする定期預金の金額に応じて、所定の金額以上なら第2の優遇金利を設定し、所定の金額未満なら第3の優遇金利を設定できるようにしてもよい。この場合、第1の優遇金利>第2の優遇金利>第3の優遇金利の関係が成り立つ。第2および第3の優遇金利は、作成しようとする定期預金の金額に応じて制御することもできるし、それ以外の基準を適用する実施形態も採用することができる。
【0070】
図7を参照しながら説明した上記の実施形態では、S704およびS705において「No」となる場合に、S707にて顧客の同意の有無により次のフローを決定することを説明した。本発明の他の実施形態では、S704およびS705において「No」となる場合に、優遇金利の定期預金を作成できない旨のメッセージを銀行顧客端末112に通知し、あるいは銀行内端末111や銀行顧客端末112のディスプレイ上に表示した上で、
図7の処理フローを終了し、所定の画面に戻るように銀行システム110を構成することも可能である。
【0071】
図13は、銀行システム110の機能ブロック図である。
図1を参照して説明したように、銀行システム110は、証券会社によって制御される証券管理システム100と接続されている。
図13に示したように、銀行システム110は、認証部1301、購入商品受信部1302、クーポン読出部1303、判定部1304、生成部1305、銀行顧客マスタ606、取引明細ファイル607、金融商品明細ファイル608、利率テーブル609、クーポンDB610、および為替テーブル611を備えることができる。銀行顧客マスタ606、取引明細ファイル607、金融商品明細ファイル608、利率テーブル609、クーポンDB610、および為替テーブル611は、
図6を参照しながら説明したデータベース、テーブル、ファイルと同一である。
【0072】
認証部1301は、金融商品(例えば、定期預金(円貨/外貨)、投資信託)を購入しようとする顧客の認証処理を行うことができる。具体的に言えば、銀行顧客端末112は、銀行システム110によって提供されるインターネットバンキングシステムにアクセスした時、顧客IDやパスワードなどの認証情報を銀行システム110に送信することができる。認証部1301は、認証情報を受信したことに応答して銀行顧客マスタ606に問い合わせを行い、当該顧客の顧客IDやパスワードが一致するかどうかに基づいて認証処理を行うことができる。
【0073】
購入商品受信部1302は、銀行顧客によって購入される金融商品の購入申込データを受信することができる。受信された金融商品の購入申込データには、当該銀行顧客を識別するための顧客情報(例えば、銀行顧客ID801、取引店ID802、銀行口座情報803など)が含まれる。当該金融商品は、銀行によって販売される金融商品(例えば、定期預金(円貨/外貨)、投資信託など)である。受信された金融商品の購入申込データは、顧客によって購入される金融商品を特定するための情報(例えば、優遇金利の大口定期預金3ヶ月物)を含むことができる。
【0074】
クーポン読出部1303は、購入商品受信部1302によって受信された金融商品データに含まれる顧客情報を利用してクーポンDB610に問い合わせを行い、当該顧客に関連付けられているクーポンを読み出すことができる。
【0075】
判定部1304は、クーポン読出部1303によってクーポンを読み出すことができ、かつ読み出したクーポンのクーポン有効期限1201によって示される期間内であると判定した場合に、金融商品を購入するための顧客資金の妥当性を判定することができる。妥当性の判定は、顧客資金が新規資金であるかどうかを判定することを含むことができる。新規資金であるかどうかは、S705の説明において上述した条件(1)乃至(3)に基づいて行われてもよく、あるいは他の条件に基づいて行われてもよい。
【0076】
生成部1305は、判定手段1304によって顧客資金が妥当なもの、すなわち、新規資金であると判定された場合に、顧客が購入することを望んでいる金融商品のデータを生成することができる。当該金融商品が定期預金である場合には、金融商品明細ファイル608に生成されたデータが格納される。生成された金融商品のデータには、同種の金融商品の通常購入時に適用される条件(すなわち、通常金利)よりも優遇された条件が含まれることが可能である。
【0077】
本発明の他の実施形態として、生成部1305は、上述したような、有効なクーポンが存在するが、優遇定期預金を作成するための資金が所定の要件(例えば、新規資金、購入金額、通貨の種類)を満たす妥当なものではない場合に、第2の優遇金利の定期預金を作成する処理を行うように構成されることも可能である。かかる場合、第1の優遇金利>第2の優遇金利の関係が成り立つ。
【0078】
本発明のさらなる他の実施形態では、設定可能な優遇金利を3以上設けることも可能である。かかる場合、生成部1305は、予め定めた条件に従ってそれぞれの優遇金利を適用するように構成されてもよい。例えば、有効なクーポンが存在し、かつ資金が妥当なものである場合は、第1の優遇金利を適用し、有効なクーポンが存在するが、資金が妥当ではない場合は、作成しようとする定期預金の金額に応じて、所定の金額以上なら第2の優遇金利を設定し、所定の金額未満なら第3の優遇金利を設定できるように生成部1305を構成してもよい。この場合、第1の優遇金利>第2の優遇金利>第3の優遇金利の関係が成り立つ。第2および第3の優遇金利は、作成しようとする定期預金の金額に応じて制御することもできるし、それ以外の基準を適用する実施形態も採用することもできる。
【0079】
本発明で生成された優遇金利の定期預金データは、証券管理システム100および銀行システム110内で集計データ生成用の生データとして利用することができる。例えば、銀行システム110は、所定のタイミングで優遇金利の定期預金データを、当該顧客と取引のある証券会社の支店ごとのデータにまとめて証券管理システム100に送信することができ、また、銀行の営業店単位で集計して銀行内端末111を通じて出力することもできる。
【0080】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を採用することが可能である。