【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、一実施形態では、本発明は、ACC懸濁液を形成させるように可溶性カルシウム塩と第1の安定化剤を含む溶液を可溶性炭酸塩を含む溶液と混ぜ合わせる工程と;第2の安定化剤と有機溶媒がその形成の約2分以内にACC懸濁液と接触し、それによってACCの安定化された懸濁液を得る限り、任意の順で同時に又は順次、水混和性有機溶媒と第2の安定化剤を含む溶液とを添加する工程を含み、安定化剤の総量が安定化されたACC懸濁液の約12重量%までを構成し、水混和性有機溶媒が安定化されたACC懸濁液の少なくとも約5重量%を構成する、非晶質炭酸カルシウム(ACC)を調製する方法を提供する。第1の安定化剤と第2の安定化剤は同一であってもよく又は異なっていてもよく、各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、(i)可溶性カルシウム塩と第1の安定化剤を含む水溶液を調製する工程と、(ii)可溶性炭酸塩を含む水溶液を調製する工程と、(iii)第2の安定化剤を含む水溶液を調製する工程と、(iv)水混和性有機溶媒を含む溶液を調製する工程と、(v)ACC懸濁液を形成させるように、工程(ii)で調製した溶液を工程(i)で調製した溶液と混ぜ合わせ、その後、これらの溶液がその形成の約2分以内にACC懸濁液と接触し、それによってACCの安定化された懸濁液を得る限り、任意の順で同時に又は順次、工程(iii)及び(iv)で調製した溶液を添加する工程を含み、安定化剤の総量が安定化されたACC懸濁液の約12重量%までを構成し、水混和性有機溶媒が安定化されたACC懸濁液の少なくとも約5重量%を構成する、ACCを調製する方法を提供する。第1の安定化剤と第2の安定化剤は同一であってもよく又は異なっていてもよく、各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、(i)可溶性カルシウム塩と第1の安定化剤を含む水溶液を調製する工程と、(ii)可溶性炭酸塩を含む水溶液を調製する工程と、(iii)水混和性有機溶媒における第2の安定化剤の溶液を調製する工程と、(iv)ACC懸濁液を得るように、工程(i)及び(ii)で調製した溶液を混ぜ合わせ、その後、安定化されたACC懸濁液を形成させるようにその形成の約2分以内に工程(iii)で調製した溶液を添加する工程を含み、安定化剤の総量が安定化されたACC懸濁液の約12重量%までを構成し、水混和性有機溶媒が安定化されたACC懸濁液の少なくとも約5重量%を構成する、ACCを調製する方法を提供する。第1の安定化剤と第2の安定化剤は同一であってもよく又は異なっていてもよく、各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0014】
現在好まれる実施形態では、本発明は、(i)可溶性カルシウム塩と第1の安定化剤を含む水溶液を調製する工程と、(ii)可溶性炭酸塩を含む水溶液を調製し、工程(i)のカルシウム塩とそれを混ぜ合わせ、それによってACCの懸濁液を得る工程と、(iii)第2の安定化剤を含む水溶液を調製する工程と、(iv)ACCの懸濁液と安定化溶液を混ぜ合わせる工程と、(v)水混和性有機溶媒を添加する工程を含み、安定化されたACC懸濁液を形成させるように安定化溶液と有機溶媒がその形成の約2分以内にACCの懸濁液に添加され、安定化剤の総量が安定化されたACC懸濁液の約12重量%までを構成し、水混和性有機溶媒が安定化されたACC懸濁液の少なくとも約5重量%を構成する、安定化されたACCを調製する方法を提供する。第1の安定化剤と第2の安定化剤は同一であってもよく又は異なっていてもよく、各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0015】
一部の実施形態では、本発明に係る方法はさらに、安定化されたACCの懸濁液からACCを分離する工程を含み得る。方法はさらに分離したACCを乾燥させ、それによって安定なACCの粉末を得る工程を含み得る。分離することは濾過又は遠心を含んでもよく、乾燥させる工程は真空における加熱又は凍結乾燥を含んでもよく、各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。従って、一部の実施形態では、本発明の方法は、約15重量%未満の水分、好ましくは8%未満、たとえば、約1〜約7重量%の水分を含み、カルシウムは普通約30〜約33重量%の間である安定なACCの粉末を提供する。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0016】
上述の実施形態のそれぞれについて、用語「第1の安定化剤」及び「第2の安定化剤」のそれぞれは単一の安定化化合物又は1を超える安定化化合物の組み合わせを包含することが理解される。従って、一部の実施形態では、カルシウム水溶液は1つの安定化化合物又は2以上の安定化化合物の組み合わせ(まとめて「第1の安定化剤」と呼ぶ)を含有することができる。他の実施形態では、第2の安定化剤を含む溶液は、他の実施形態では、第2の安定化剤を含む溶液は1つの安定化化合物又は2以上の安定化化合物の組み合わせ(まとめて「第2の安定化剤」と呼ぶ)を含有することができる。使用される安定化剤の数にかかわらず、安定化剤の総量が安定化されたACC懸濁液の約12重量%までを構成する。現在好まれる実施形態では、カルシウム塩は塩化カルシウム又は硝酸カルシウムである。他の好まれる実施形態では、可溶性の炭酸塩はアルカリ炭酸塩(たとえば、炭酸リチウム、ナトリウム又はカリウム)、又は炭酸アンモニウムである。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。一部の実施形態では、カルシウム塩及び炭酸塩は約0.5〜約2.0のモル比で存在する。
【0017】
別の実施形態では、水混和性有機溶媒は好ましくは、低級アルコール及びケトン(たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ジエチルケトン及びシクロヘキサノン)から選択される。現在好まれる水混和性有機溶媒はエタノールである。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0018】
別の実施形態では、可溶性カルシウム塩溶液は、約4mM〜約2Mの可溶性カルシウム塩を含み、炭酸塩溶液は約4mM〜約2Mの炭酸塩を含む。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0019】
本発明の方法で使用される第1と第2の安定化剤は同一であってもよく又は同一でなくてもよい。一部の実施形態では、第1と第2の安定化剤はそれぞれ独立して有機酸、リン酸化有機酸、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸の硫酸エステル、リン酸化アミノ酸及びその誘導体、アミノ酸硫酸エステル及びアルカリ水酸化物のような塩基と組み合わせたヒドロキシを持つ有機化合物から成る群から選択される。水酸化物と組み合わせたヒドロキシを持つ有機化合物は好ましくはカルボキシル等のような他の機能も持つが、ヒドロキシルはエステル化されない。有機酸は、たとえば、アスコルビン酸又は酢酸を含んでもよく、好ましくは、それらは、たとえば、クエン酸、酒石酸及びリンゴ酸等のような少なくとも2つのカルボキシル基及び250g/モルを超えない分子量を有するカルボン酸を含む。エステルは、たとえば、ホスホエノールピルビン酸を含み得る。別の実施形態では、ヒドロキシルカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステルはアミノ酸を含み、その例には、ホスホセリン、ホスホスレオニン、スルホセリン及びスルホスレオニンが挙げられる。別の実施形態では、安定化分子は、たとえば、ホスホクレアチンのようなアミノ酸のリン酸エステル誘導体である。水酸化物と組み合わせられるヒドロキシルを持つ化合物は、たとえば、スクロースのような単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類及び多糖類又はグリセロールのような他のポリオールを含み得る。ヒドロキシルを持つ化合物はさらにクエン酸、酒石酸及びリンゴ酸等のようなヒドロキシ酸、又はセリン若しくはスレオニンのようなヒドロキシルを持つアミノ酸を含み得る。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0020】
一部の実施形態では、第1と第2の安定化剤の少なくとも一方はアルカリ金属水酸化物と組み合わせたポリオールであり、又は安定化剤はリン酸化されたアミノ酸であり、その際、安定化されたACCの懸濁液におけるポリオール又はリン酸化されたアミノ酸の総量は約1〜約1000mM、たとえば、約10〜約100mMである。ポリオールは好ましくは糖類を含む。好まれる実施形態では、安定化剤はリン酸化されたアミノ酸であり、その際、安定化されたACCの懸濁液における総濃度は約2〜約200mM、たとえば、約20mMまでである。別の好まれる実施形態では、安定化剤はジカルボン酸又はトリカルボン酸(たとえば、クエン酸)であり、その際、安定化されたACCの懸濁液における総濃度は約2〜約200mM、たとえば、約20mMまでである。別の好まれる実施形態では、安定化剤はアルカリ金属水酸化物と組み合わせたヒドロキシル基を持つ非リン酸化アミノ酸(たとえば、セリン又はスレオニン)であり、その際、安定化されたACCの懸濁液におけるアミノ酸の総濃度は約2〜約200mM、たとえば、約20mMまでであり、安定化されたACCの懸濁液における水酸化物の総濃度は約1mM〜約2000mMの間、たとえば、約0.1Mである。別の好まれる実施形態では、安定化剤はアルカリ金属水酸化物と組み合わせたポリオールであり、その際、安定化されたACCの懸濁液におけるポリオールの総濃度は約10〜約1000mM、たとえば、約100mMまでであり、安定化されたACCの懸濁液における水酸化物の総濃度は約1mM〜約2000mMの間、たとえば、約0.1Mである。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0021】
本発明の一実施形態では、第1と第2の安定化剤は異なる安定化剤である。しかしながら、本発明の好まれる実施形態では、第1の安定化剤と第2の安定化剤は同一であり、使用される安定化剤の量は、約1:1〜約1:10(第1の安定化剤対第2の安定化剤)の比であり、好ましくは約1:2の第1の安定化剤対第2の安定化剤の比である。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0022】
第2の安定化剤溶液と有機溶媒にACCの懸濁液を混ぜ合わせる工程は好ましくは、約−10℃〜約60℃の間、好ましくは約−3℃〜常温(室温)の間、さらに好ましくは約0℃〜約15℃の間の温度で実施する。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0023】
現在好まれる実施形態では、本発明は、(i)約1Mまでの濃度での塩化カルシウムと1モルの塩化カルシウム当たり約1〜150ミリモルの間、たとえば、約4〜約80ミリモルの間の量での安定化剤の水溶液を調製する工程と、(ii)工程(i)の塩化カルシウムと同じモル濃度での炭酸ナトリウムの水溶液を調製し、それを工程(i)のカルシウム溶液と混ぜ合わせ、それによってACCの懸濁液を得る工程と、(iii)工程(i)の塩化カルシウムの1モル当たり約350gのエタノールを含む安定化溶液を調製し、安定化剤は工程(i)と同じであるが、量が2倍である工程と、(iv)安定化溶液を炭酸カルシウムの懸濁液と混ぜ合わせ、それによってACCの安定化された懸濁液を得る工程を含む非晶質炭酸カルシウム(ACC)を調製する方法を提供する。一実施形態では、工程(i)及び工程(iii)における安定化剤は、1モルのカルシウム当たりそれぞれ約3〜約9ミリモル及び約8〜16ミリモル、たとえば、1モルのカルシウム当たり約4ミリモル及び約8ミリモルの量でのホスホセリンである。一部の実施形態では、方法はさらにACCの安定化させた懸濁液を濾過する工程、及び任意でさらに約40℃〜約50℃の温度で真空乾燥する工程を含む。別の実施形態では、安定化剤は、1モルのカルシウム当たり約20〜100ミリモルのスクロースと約50〜200ミリモルのNaOH、たとえば、工程(i)のカルシウム1モル当たり約25〜70ミリモルのスクロースと約100ミリモルのNaOH、たとえば、25ミリモルのスクロースと約100ミリモルのNaOH、及びカルシウム1モル当たり約40〜200ミリモルのスクロースと約100〜400ミリモルのNaOH、たとえば、工程(iii)のカルシウム1モル当たり約50〜200ミリモルのスクロースと約200ミリモルのNaOH、たとえば、約140ミリモルのスクロースと約200ミリモルのNaOHの量での水酸化ナトリウムと組み合わせたスクロースである。一部の実施形態では、方法はさらに沈殿物を遠心し、凍結乾燥する工程を含む。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0024】
現在好まれる一実施形態では、本発明に係る方法は、水性混合物にて塩化カルシウム、アルカリ炭酸塩、リン酸化有機酸及びアルコールを混ぜ合わせ、それによって約2.5〜5重量%の間のACC、約0.001〜約0.3重量%の間、たとえば、約0.05〜約0.2重量%の間のリン酸化有機酸、及び約8〜約32重量%の間、たとえば、約10〜約15重量%の間のエタノールを含有する安定化させたACCの懸濁液を得ることを含む。
【0025】
本発明に係る別の好まれる方法は、水性混合物にて塩化カルシウム、アルカリ炭酸塩、水酸化ナトリウムを伴った糖類及びアルコールを混ぜ合わせ、それによって、約2.5〜約5重量%の間のACC、約1〜約4重量%の間の糖類、約0.5重量%の水酸化物、及び約10〜約15重量%の間のエタノールを含有する安定化させたACCの懸濁液を得ることを含む。
【0026】
本発明に係る別の好まれる方法は、水性混合物にて塩化カルシウム、アルカリ炭酸塩、ジカルボン酸、トリカルボン酸(たとえば、クエン酸)及びアルコールを混ぜ合わせ、それによって、約2.5〜約5重量%の間のACC、約0.001〜約0.2重量%の間のジカルボン酸又はトリカルボン酸、及び約8〜約32重量%の間のエタノールを含有する安定化させたACCの懸濁液を得ることを含む。本発明に係る別の好まれる方法は、水性混合物にて塩化カルシウム、アルカリ炭酸塩、ジカルボン酸又はトリカルボン酸、リン酸化有機酸及びアルコールを混ぜ合わせ、それによって、約2.5〜約5重量%の間のACC、約0.001〜約0.2重量%の間のジカルボン酸又はトリカルボン酸及びリン酸化有機酸の合計、及び約8〜約32重量%の間のエタノールを含有する安定化させたACCの懸濁液を得ることを含む。
【0027】
本発明に係る別の好まれる方法は、水性混合物にて塩化カルシウム、アルカリ炭酸塩、水酸化ナトリウムを伴った非リン酸化でヒドロキシル持つアミノ酸(たとえば、セリン)及びアルコールを混ぜ合わせ、それによって、約2.5〜約5重量%の間のACC、約1〜約4重量%の間の非リン酸化でヒドロキシル持つアミノ酸、約0.5重量%の水酸化物及び約10〜約15重量%の間のエタノールを含有する安定化させたACCの懸濁液を得ることを含む。
【0028】
本発明に係る別の好まれる方法は、水性混合物にて塩化カルシウム、アルカリ炭酸塩、非リン酸化でヒドロキシル持つアミノ酸(たとえば、セリン)、水酸化ナトリウムを伴った糖類及びアルコールを混ぜ合わせ、それによって、約2.5〜約5重量%の間のACC、約1〜約4重量%の間の非リン酸化でヒドロキシル持つアミノ酸及び糖類の合計、約0.5重量%の水酸化物及び約10〜約15重量%の間のエタノールを含有する安定化させたACCの懸濁液を得ることを含む。
【0029】
別の実施形態では、本発明の方法はさらに懸濁液からACCを単離し、乾燥させ、それによって約75〜約88重量%の間でのCaCO
3と10重量%未満の水分を含む安定なACCの粉末を得ることを含む。
【0030】
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような工程から生じる安定なACCの懸濁液及び安定なACCの粉末を提供する。従って、一実施形態では、本発明は、本明細書の工程によって製造される安定化させたACCの懸濁液を提供する。一実施形態では、安定化させたACCの懸濁液は約2.5〜約5重量%の間のACC、約0.05〜約0.2重量%の間のリン酸化有機酸、及び約10〜約15重量%の間のエタノールを含有する。別の実施形態では、安定化させたACCの懸濁液は約2.5〜約5重量%の間のACC、約1〜約4重量%の間の糖類、約0.5重量%の水酸化物及び約10〜約15重量%の間のエタノールを含有する。別の実施形態では、安定化させたACCの懸濁液は約2.5〜約5重量%の間のACC、約0.05〜約0.2重量%の間の有機酸(たとえば、ジカルボン酸又はクエン酸のようなトリカルボン酸)、及び約10〜約15重量%の間のエタノールを含有する。別の実施形態では、安定化させたACCの懸濁液は約2.5〜約5重量%の間のACC、約0.05〜約0.2重量%の間の有機酸(たとえば、非リン酸化でヒドロキシルを持つアミノ酸)、約0.5重量%の水酸化物及び約10〜約15重量%の間のエタノールを含有する。安定化剤の組み合わせを含む懸濁液も熟考される。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0031】
他の実施形態では、本発明は本発明の工程によって製造される安定なACCの粉末を提供する。一実施形態では、粉末は、約75〜約88重量%の間のCaCO
3、約10重量%未満の水分、及び有機酸(たとえば、リン酸化有機酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸、ヒドロキシル基を持つアミノ酸、又は本明細書で記載される他の有機酸)を含む。他の実施形態では、安定なACCの粉末は、約75〜約88重量%の間のCaCO
3、約10重量%未満の水分、及び約1〜約5重量%の間の糖類を含む。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0032】
他の態様では、本発明はさらに、染料、紙製品、プラスチック、インク、接着剤、大理石修復製品、医療機器、医薬品、食品補完剤、及び/又は食品添加物における上記の懸濁液及び粉末の使用を指向し、各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。
【0033】
好まれる一部の実施形態では、安定化されたACCは、塩化カルシウムのような可溶性カルシウム塩に由来し、ホスホセリンのような第1の安定化分子も含有するカルシウムイオンの過飽和溶液を炭酸ナトリウムのような可溶性炭酸塩に由来する炭酸塩の過飽和溶液と混合することによって製造された。さらなる安定化を行わなければ、沈殿したACCは約2分未満のうちに溶液中でカルサイトとバテライトの混合物に迅速に結晶化する。しかしながら、本発明の工程では、工程1で沈殿したACC懸濁液を約10秒間混合した後、第2の安定化分子を含有する安定化溶液を加える。工程2において沈殿したACC懸濁液と安定化溶液を約10秒間混合した後、エタノールのような有機溶媒を加える。有機溶媒を加えた後、ACCは安定化され、第1と第2の安定化剤の濃度及び有機溶媒の比率に応じて数日、懸濁液で維持することができる。反応温度を下げることは溶液における安定性時間を改善することができることがさらに見いだされた。第2の安定化剤及びアルコールの添加の順を反転してもよく、又はそれらは第2の安定化剤及びアルコールを含む1つの溶液で一緒に添加されてもよい。
【0034】
手順はバッチで実施することができ、その際、溶液は単一の添加で又は連続工程として互いに添加され、溶液は連続流技術装置を用いて、たとえば、連続流で混合される。
【0035】
本発明のさらなる実施形態及び適用可能性の完全な範囲は以後に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明及び特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示す一方で、本発明の精神と範囲の範囲内での種々の変更及び改変が詳細な説明から当業者に明らかになるので、単に説明の目的でのみ提供されることが理解されるべきである。