(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
・ (rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン;
・ 6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー1;
・ 6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー2;
・ (rac)−N−{6−クロロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン;
・ N−{6−クロロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー1;
・ N−{6−クロロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー2;
・ (rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン;
・ 6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー1;
・ 6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー2;
・ (rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン;
・ (rac)−N−{4−[(S−エチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン;
である、請求項1に記載の化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩。
過増殖性疾患、ウイルス誘導性感染性疾患及び/又は心臓血管疾患を治療及び/又は予防するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の一般式(I)で表される化合物。
肺癌、前立腺癌、子宮頚癌、大腸癌、黒色腫、卵巣癌及び白血病を治療及び/又は予防するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の一般式(I)で表される化合物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0047】
CDKのさまざまな阻害薬が知られているという事実にもかかわらず、従来技術から知られている化合物を越える下記のような1以上の有利点を提供する、疾患(例えば、過増殖性疾患、ウイルス疾患及び/又は心臓の疾患)を治療するのに使用される選択的CDK9阻害薬が依然として求められている:
・ 改善された活性及び/又は効力;
・ 個々の治療の必要性による有益なキナーゼ選択性プロフィール;
・ 改善された副作用プロフィール〔例えば、炭酸脱水酵素の阻害が低減されることによる、例えば、より少ない望ましくない副作用、副作用のより低い強度、又は、低減された(細胞)毒性〕;
・ 改善された物理化学的特性〔例えば、静脈内投与に関して、例えば、水中、体液中及び水性製剤中の改善された溶解性〕;
・ 改善された薬物動態学的特性〔例えば、投薬量を低下させること又は投薬計画を容易にすることを可能とする薬物動態学的特性〕;
・ 薬物物質のより容易な製造〔例えば、より短い合成経路又はより容易な精製による、薬物物質のより容易な製造〕。
【0048】
本発明の特定の目的は、従来技術から知られている化合物と比較した場合、CDK2/サイクリンEと比較してCDK9/サイクリンT1に対して増強された選択性を示す、CDK9キナーゼ阻害薬を提供することである。
【0049】
本発明の別の目的は、従来技術から知られている化合物と比較してCDK9活性を阻害する能力が増強されている(ここで、該能力は、CDK9/サイクリンT1に対するより低いIC
50値によって実証される)CDK9キナーゼ阻害薬を提供することである。
【0050】
本発明の別の目的は、従来技術から知られている化合物と比較して高いATP濃度でCDK9活性を阻害する能力が増強されているCDK9キナーゼ阻害薬を提供することである。
【0051】
本発明の別の目的は、従来技術から知られている化合物と比較して腫瘍細胞系(例えば、HeLa)において改善された抗増殖活性を示すCDK9キナーゼ阻害薬を提供することである。
【0052】
さらに、従来技術から知られている化合物と比較した場合、CDK2/サイクリンEと比較してCDK9/サイクリンT1に対して高い選択性を示す、及び/又は、CDK9活性を阻害する能力が増強されている、及び/又は、腫瘍細胞系(例えば、HeLa)において改善された抗増殖活性を示す、及び/又は、従来技術から知られている化合物と比較して高いATP濃度でCDK9活性を阻害する能力が増強されている、CDK9キナーゼ阻害薬を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0053】
本発明は、一般式(I)
【化1】
【0054】
〔式中、
R
1は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C
1−C
3−アルキル−又はヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
6−アルコキシ−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
2は、
【化2】
【0055】
から選択される基を表し;
R
3、R
4は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
6、R
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
8は、以下の、
(a) C
1−C
6−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよく、その際、該C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(b) C
3−C
7−シクロアルキル−基[ここで、該シクロアルキル−基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(c) ヘテロシクリル−基[ここで、該ヘテロシクリル−基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(d) フェニル基[ここで、該フェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(e) ヘテロアリール基[ここで、該ヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(f) フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(g) ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(h) C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基のC
3−C
6−シクロアルキル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(i) ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロシクリル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
から選択される基を表し;
R
9は、C
1−C
6−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
10、R
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;又は、
R
10とR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒に、環状アミンを形成し;
R
12は、水素、C
1−C
4−アルキル又はベンジルから選択される基を表す〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0056】
本発明は、一般式(I)
【化3】
【0057】
〔式中、
R
1は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C
1−C
3−アルキル−又はヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
6−アルコキシ−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
2は、
【化4】
【0058】
から選択される基を表し;
R
3、R
4は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR)
2、−CH
2OP(OR)
2、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
6、R
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
8は、以下の、
(a) C
1−C
6−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよく、その際、該C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(b) C
3−C
7−シクロアルキル−基[ここで、該シクロアルキル−基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(c) ヘテロシクリル−基[ここで、該ヘテロシクリル−基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(d) フェニル基[ここで、該フェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(e) ヘテロアリール基[ここで、該ヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(f) フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(g) ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(h) C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基のC
3−C
6−シクロアルキル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(i) ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロシクリル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
から選択される基を表し;
R
9は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
10、R
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;又は、
R
10とR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒に、環状アミンを形成する〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0059】
本発明の化合物は、式(I)で表される化合物並びにその塩、溶媒和物及び該塩の溶媒和物、並びに、式(I)に包含される以下で引用されている式で表される化合物並びにその塩、溶媒和物及び該塩の溶媒和物、並びに、式(I)に包含され且つ以下において代表的な実施形態として言及されている化合物並びにその塩、溶媒和物及び該塩の溶媒和物である(ここで、式(I)に包含され且つ以下で言及されている化合物は、未だ塩、溶媒和物及び該塩の溶媒和物ではない)。
【0060】
本発明の化合物は、それらの構造に応じて、立体異性形態(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。従って、本発明は、エナンチマー又はジアステレオマー及びそれらのそれぞれの混合物を包含する。立体異性的に純粋な成分は、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーのそのような混合物から、既知方法で単離することができる。
【0061】
本発明の化合物が互変異性体形態で存在できる場合、本発明は、全ての互変異性体形態を包含する。
【0062】
さらに、本発明の化合物は、遊離形態で、例えば、遊離塩基として若しくは遊離酸として若しくは両性イオンとして存在し得るか、又は、塩の形態で存在し得る。該塩は、任意の塩、製薬学において慣習的に使用される有機又は無機の付加塩、特に、任意の生理学的に許容される有機又は無機の付加塩であり得る。
【0063】
本発明の目的のために好ましい塩は、本発明による化合物の生理学的に許容される塩である。しかしながら、それ自体製薬用途にはに適していないが、例えば、本発明の化合物を単離又は精製するために使用することが可能な塩も、同様に包含される。
【0064】
用語「生理学的に許容される塩」は、本発明の化合物の比較的無毒性の無機又は有機の酸付加塩を表す。例えば、「S. M. Berge, et al. “Pharmaceutical Salts,” J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1−19」を参照されたい。
【0065】
本発明の化合物の生理学的に許容される塩には、例えば、鉱酸、カルボン酸及びスルホン酸の酸付加塩〔例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、リン酸、硝酸の塩〕、又は、有機酸〔例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸、ショウノウ酸、ケイヒ酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸、又は、チオシアン酸〕との酸付加塩が包含される。
【0066】
本発明の化合物の生理学的に許容される塩には、さらにまた、慣習的な塩基の塩、例えば、例として、及び、好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、及び、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、及び、マグネシウム塩)、及び、アンモニア又は1〜16個のC原子を有する有機アミン〔例えば、例として、及び、好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リシン、エチレンジアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、1,6−ヘキサジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノプロパンジオール、Sovak塩基、及び、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオール〕から誘導されるアンモニウム塩も包含される。さらに、本発明の化合物は、第4級アンモニウムイオン〔例えば、塩基性窒素含有基を低級ハロゲン化アルキル(例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル及び塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル及び臭化ブチル、並びに、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル及びヨウ化ブチル)、ジアルキルスルフェート(例えば、ジメチルスルフェート、ジエチルスルフェート、ジブチルスルフェート及びジアミルスルフェート)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル及び塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル及び臭化ステアリル、並びに、ヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチル及びヨウ化ステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジル及び臭化フェネチル)などの物質で4級化することによって得ることが可能な第4級アンモニウムイオン〕と塩を形成することも可能である。適切な第4級アンモニウムイオンの例は、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n−プロピル)アンモニウム、テトラ(n−ブチル)アンモニウム又はN−ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムである。
【0067】
本発明は、単塩としての、又は、該単塩の任意の比率の任意の混合物としての、本発明化合物の可能な全ての塩を包含する。
【0068】
溶媒和物は、配位によって溶媒分子と固体状態又は液体状態にある錯体を形成している、本発明化合物のそのような形態に関して本発明の目的のために使用される用語である。水和物は、溶媒和物の特別な形態であって、この場合、該配位は水と共に生じている。本発明の範囲内において、溶媒和物としては、水和物が好ましい。
【0069】
本発明は、本発明化合物の適切な全ての同位体異型も包含する。本発明化合物の同位体異型は、少なくとも1つの原子が、原子番号は同じであるが原子質量は自然界で通常又は優先的に見いだされる原子質量とは異なっている原子で置き換えられている本発明化合物であると定義される。本発明の化合物に組み込むことが可能な同位体の例としては、それぞれ、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素、例えば、
2H(重水素)、
3H(三重水素)、
13C、
14C、
15N、
17O、
18O、
32P、
33P、
33S、
34S、
35S、
36S、
18F、
36Cl、
82Br、
123I、
124I、
129I及び
131Iなどを挙げることができる。本発明化合物の特定の同位体異型(例えば、
3H又は
14Cなどの1以上の放射性同位体が組み込まれている同位体異型)は、薬物及び/又は基質の組織分布試験において有用である。トリチウム化された同位体及び炭素−14(即ち、
14C)の同位体は、製造及び検出が容易であるので、特に好ましい。さらに、同位体(例えば、重水素)で置換することは、より大きな代謝安定性に起因する治療上の特定の有利点(例えば、インビボ半減期の長期化、又は、必要とされる用量の低減)をもたらすことができ、従って、状況によっては、好ましい。本発明化合物の同位体異型は、一般に、当業者には知られている慣習的な方法によって、例えば、適切な試薬の適切な同位体異型を用いて、以下の実施例において記載されている調製又は例証されている方法によって、調製することができる。
【0070】
さらに、本発明は、本発明の化合物のプロドラッグも包含する。用語「プロドラッグ」には、それ自体は生物学的に活性でも不活性でもよいが、体内におけるその滞留期間中に、本発明の化合物に(例えば、代謝又は加水分解によって)変換される化合物が包含される。
【0071】
さらに、本発明は、本発明化合物の可能な全ての結晶形態、又は、可能な全ての多形体(単一の多形体として、又は、任意の比率における2種類以上の多形体の混合物として)を包含する。
【0072】
従って、本発明は、本発明化合物の可能な全ての塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば、エステル)、及び、本発明化合物の単一の塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば、エステル)としての本発明化合物のジアステレオ異性体形態、又は、本発明化合物の2種類以上の塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば、エステル)の混合物としての本発明化合物のジアステレオ異性体形態、又は、任意の比率におけるジアステレオ異性体形態を包含する。
【0073】
本発明の目的のために、置換基は、別途特定されていない限り、以下の意味を有する。
【0074】
用語「ハロゲン」、「ハロゲン原子」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表し、特に、塩素又はフッ素を表し、好ましくは、フッ素を表す。
【0075】
用語「アルキル」は、具体的に示されている数の炭素原子(例えば、C
1−C
10、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子)を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルを表し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル−、デシル−、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、neo−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、又は、1,2−ジメチルブチルなどを表す。炭素原子の数が具体的に示されていない場合、用語「アルキル」は、一般に、1〜9個、特に、1〜6個、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルを表す。特に、該アルキル基は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有する(「C
1−C
6−アルキル」)〔例えば、メチル、エチル、n−プロピル−、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、neo−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、又は、1,2−ジメチルブチル〕。好ましくは、該アルキル基は、1、2又は3個の炭素原子を有する(「C
1−C
3−アルキル」)〔メチル、エチル、n−プロピル、又は、イソプロピル〕。
【0076】
用語「C
2−C
3−アルケニル」は、好ましくは、1つの二重結合を含有し且つ2又は3個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素基(「C
2−C
3−アルケニル」)を意味するものと理解される。該アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、(E)−2−メチルビニル、(Z)−2−メチルビニル又はイソプロペニル基である。
【0077】
用語「C
2−C
3−アルキニル」は、好ましくは、1つの三重結合を含有し且つ2又は3個の炭素原子を含んでいる直鎖の一価炭化水素基を意味するものと理解される。該C
2−C
3−アルキニル基は、例えば、エチニル、プロパ−1−イニル又はプロパ−2−イニル基である。
【0078】
用語「C
3−C
7−シクロアルキル」は、好ましくは、3、4、5、6又は7個の炭素原子を含有する飽和の一価単環式炭化水素環を意味すると理解される。該C
3−C
7−シクロアルキル−基は、例えば、単環式炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル基である。該シクロアルキル環は、非芳香族であるが、しかしながら、場合により、1以上の二重結合を含むことができ(例えば、シクロアルケニル、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニル基)、ここで該環と該分子の残余部分の結合は、該環の飽和であっても又は不飽和であってもよい任意の炭素原子に対する結合であり得る。特に、該シクロアルキル基は、C
4−C
6−シクロアルキル、C
5−C
6−シクロアルキル又はシクロヘキシル基である。
【0079】
用語「C
3−C
5−シクロアルキル」は、好ましくは、3、4又は5個の炭素原子を含有する飽和の一価単環式炭化水素環を意味すると理解される。特に、該C
3−C
5−シクロアルキル基は、単環式炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル又はシクロペンチル基である。好ましくは、該「C
3−C
5−シクロアルキル」基は、シクロプロピル基である。
【0080】
用語「C
3−C
6−シクロアルキル」は、好ましくは、3、4、5又は6個の炭素原子を含有する飽和の一価単環式炭化水素環を意味すると理解される。特に、該C
3−C
6−シクロアルキル基は、単環式炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基である。
【0081】
用語「C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−」基は、好ましくは、上記で定義されているC
3−C
6−シクロアルキル基において、その水素原子のうちの1つが上記で定義されているC
1−C
3−アルキル基(ここで、該アルキル基が、該C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基を当該分子に連結している)で置き換えられているC
3−C
6−シクロアルキル基を意味するものと理解される。特に、該「C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−」は、「C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
2−アルキル−」であり、好ましくは、それは、「C
3−C
6−シクロアルキル−メチル−」基である。
【0082】
用語「ヘテロシクリル」は、飽和又は部分的不飽和の一価の単環式炭化水素環又は二環式炭化水素環(ここで、該炭化水素環は、3、4、5、6、7、8又は9個の炭素原子を含有し、さらに、酸素、硫黄、窒素から選択される1、2又は3のヘテロ原子含有基も含んでいる)を意味するものと理解される。特に、用語「ヘテロシクリル」は、「4〜10員のヘテロ環式環」を意味するものと理解される。
【0083】
用語「4〜10員のヘテロ環式環」は、飽和又は部分的不飽和の一価の単環式炭化水素環又は二環式炭化水素環(ここで、該炭化水素環は、3、4、5、6、7、8又は9個の炭素原子を含有し、さらに、酸素、硫黄、窒素から選択される1、2又は3のヘテロ原子含有基も含んでいる)を意味するものと理解される。C
3−C
9−ヘテロシクリルは、少なくとも3、4、5、6、7、8又は9個の炭素原子を含有し、さらに、環原子として少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいるヘテロシクリルを意味するものと理解される。従って、1個のヘテロ原子の場合、該環は、4〜10員であり、2個のヘテロ原子の場合、該環は、5〜11員であり、及び、3個のヘテロ原子の場合、該環は、6〜12員である。
【0084】
該ヘテロ環式環は、例えば、単環式ヘテロ環式の環、例えば、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、1,3−ジオキソラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、1,4−ジオキサニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、1,3−ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル又はキヌクリジニル基などである。場合により、該ヘテロ環式環は、1以上の二重結合を含有でき(例えば、4H−ピラニル、2H−ピラニル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル、1,3−ジオキソリル、4H−1,3,4−チアジアジニル、2,5−ジヒドロフラニル、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロチエニル、2,3−ジヒドロチエニル、4,5−ジヒドロオキサゾリル、4,5−ジヒドロイソオキサゾリル又は4H−1,4−チアジニル基)、又は、それはベンゾ縮合されていてもよい。
【0085】
特に、C
3−C
7−ヘテロシクリルは、少なくとも3、4、5、6又は7個の炭素原子を含有し、さらに、環原子として少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいるヘテロシクリルを意味するものと理解される。従って、1個のヘテロ原子の場合、該環は、4〜8員であり、2個のヘテロ原子の場合、該環は、5〜9員であり、及び、3個のヘテロ原子の場合、該環は、6〜10員である。
【0086】
特に、C
3−C
6−ヘテロシクリルは、少なくとも3、4、5又は6個の炭素原子を含有し、さらに、環原子として少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいるヘテロシクリルを意味するものと理解される。従って、1個のヘテロ原子の場合、該環は、4〜7員であり、2個のヘテロ原子の場合、該環は、5〜8員であり、及び、3個のヘテロ原子の場合、該環は、6〜9員である。
【0087】
特に、用語「ヘテロシクリル」は、3、4又は5個の炭素原子と1、2又は3の上記ヘテロ原子含有基を含んでいるヘテロ環式環(「4〜8員のヘテロ環式環」)であると理解される。より特定的には、該環は、4又は5個の炭素原子と1、2又は3の上記ヘテロ原子含有基含有することができる(「5〜8員のヘテロ環式環」)。より特定的には、該ヘテロ環式環は、「6員ヘテロ環式環」であり、これは、4個の炭素原子及び2の上記ヘテロ原子含有基を含んでいるか、又は、5個の炭素原子と1の上記ヘテロ原子含有基を含んでいると理解され、好ましくは、4個の炭素原子と2の上記ヘテロ原子含有基を含んでいると理解される。
【0088】
用語「ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−」基は、好ましくは、上記で定義されているヘテロシクリル(好ましくは、いずれも上記で定義されている、4〜7員のヘテロ環式環、さらに好ましくは、5〜7員のヘテロ環式環)において、その水素原子のうちの1つが上記で定義されているC
1−C
3−アルキル基(ここで、該アルキル基が、該ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基を当該分子に連結している)で置き換えられているヘテロシクリル(好ましくは、いずれも上記で定義されている、4〜7員のヘテロ環式環、さらに好ましくは、5〜7員のヘテロ環式環)を意味するものと理解される。特に、該「ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−」は、「ヘテロシクリル−C
1−C
2−アルキル−」であり、好ましくは、それは、ヘテロシクリル−メチル−基である。
【0089】
用語「C
1−C
6−アルコキシ−」は、好ましくは、式−O−アルキル[式中、用語「アルキル」は、上記で定義されている]で表される直鎖又は分枝鎖の飽和一価炭化水素基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ基又はそれらの異性体)を意味するものと理解される。特に、該「C
1−C
6−アルコキシ−」基は、「C
1−C
4−アルコキシ−」、「C
1−C
3−アルコキシ−」、メトキシ、エトキシ又はプロポキシ基であり、好ましくは、メトキシ又はエトキシ基である。
【0090】
用語「C
1−C
3−フルオロアルコキシ−」は、好ましくは、上記に定義されている直鎖又は分枝鎖の飽和一価C
1−C
3−アルコキシ−基において、その水素原子のうちの1個以上が1個以上のフルオロ原子で同一であるように又は異なるように置き換えられているC
1−C
3−アルコキシ−基を意味するものと理解される。該C
1−C
3−フルオロアルコキシ−基は、例えば、1,1−ジフルオロメトキシ−、1,1,1−トリフルオロメトキシ−、2−フルオロエトキシ−、3−フルオロプロポキシ−、2,2,2−トリフルオロエトキシ−、3,3,3−トリフルオロプロポキ−シであり、特に、「C
1−C
2−フルオロアルコキシ−」基である。
【0091】
用語「アルキルアミノ−」は、好ましくは、上記で定義されている1つの直鎖又は分枝鎖のアルキル基を有するアルキルアミノ基を意味するものと理解される。例えば、(C
1−C
3)−アルキルアミノ−は、1、2又は3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を意味し、(C
1−C
6)−アルキルアミノ−は1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有するモノアルキルアミノ基を意味する。用語「アルキルアミノ−」には、例えば、メチルアミノ−、エチルアミノ−、n−プロピルアミノ−、イソプロピルアミノ−、tert−ブチルアミノ−、n−ペンチルアミノ−又はn−ヘキシルアミノ−などが包含される。
【0092】
用語「ジアルキルアミノ−」は、好ましくは、上記で定義されている互いに独立した2つの直鎖又は分枝鎖のアルキル基を有するアルキルアミノ基を意味するものと理解される。例えば、(C
1−C
3)−ジアルキルアミノ−は、2つのアルキル基(ここで、該アルキル基は、それぞれ、1つのアルキル基当たり1〜3個の炭素原子を有する)を有するジアルキルアミノ基表す。用語「ジアルキルアミノ−」には、例えば、N,N−ジメチルアミノ−、N,N−ジエチルアミノ−、N−エチル−N−メチルアミノ−、N−メチル−N−n−プロピルアミノ−、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ−、N−t−ブチル−N−メチルアミノ−、N−エチル−N−n−ペンチルアミノ−及びN−n−ヘキシル−N−メチルアミノ−などが包含される。
【0093】
用語「環状アミン」は、好ましくは、環状のアミン基を意味するものと理解される。好ましくは、環状アミンは、4〜10個(好ましくは、4〜7個)の環原子を有する飽和単環式基において、その少なくとも1個の環原子が窒素原子である飽和単環式基を意味する。適切な環状アミンは、特に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、モルホリン、チオモルホリンであり、これらは、場合により、1又は2のメチル基で置換され得る。
【0094】
用語「ハロ−C
1−C
3−アルキル−」又は同じ意味で使用される用語「C
1−C
3−ハロアルキル−」は、好ましくは、直鎖又は分枝鎖の飽和一価炭化水素基(ここで、用語「C
1−C
3−アルキル」は、上記で定義されている)において、1個以上の水素原子がハロゲン原子で同一であるように又は異なるように(即ち、1個のハロゲン原子は、別のハロゲン原子から独立している)置き換えられている飽和一価炭化水素基を意味するものと理解される。特に、該ハロゲン原子は、フッ素である。好ましいハロ−C
1−C
3−アルキル基は、フルオロ−C
1−C
3−アルキル−基、例えば、−CF
3、−CHF
2、−CH
2F、−CF
2CF
3又は−CH
2CF
3であり、好ましくは、それは、−CF
3である。
【0095】
用語「フェニル−C
1−C
3−アルキル−」は、好ましくは、フェニル基において、その水素原子のうちの1つが上記で定義されているC
1−C
3−アルキル基(ここで、該アルキル基が、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基を当該分子に連結している)で置き換えられているフェニル基を意味するものと理解される。特に、「フェニル−C
1−C
3−アルキル−」は、フェニル−C
1−C
2−アルキル−であり、好ましくは、それは、ベンジル基である。
【0096】
用語「ヘテロアリール」は、好ましくは、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14個の環原子を有する一価芳香族環系(「5〜14員のヘテロアリール」基)、特に、5個の環原子を有する一価芳香族環系(「5員ヘテロアリール」)又は6個の環原子を有する一価芳香族環系(「6員ヘテロアリール」)又は9個の環原子を有する一価芳香族環系(「9員ヘテロアリール」)又は10個の環原子を有する一価芳香族環系(「10員ヘテロアリール」)〔ここで、該一価芳香族環系は、少なくとも1個のヘテロ原子(ここで、該ヘテロ原子は、同一であっても又は異なっていてもよく、そして、例えば、酸素、窒素又は硫黄である)を含んでおり、及び、該一価芳香族環系は、単環式、二環式又は三環式であることができ、さらに、いずれの場合にも、ベンゾ縮合され得る〕を意味するものと理解される。特に、ヘテロアリールは、以下のものから選択される:チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリルなど、及び、そのベンゾ誘導体、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリルなど;又は、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなど、及び、そのベンゾ誘導体、例えば、キノリニル、キナゾリニル、イソキノリニルなど;又は、アゾシニル、インドリジニル、プリニルなど、及び、そのベンゾ誘導;又は、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノオキサジニル、キサンテニル又はオキセピニル。好ましくは、ヘテロアリールは、単環式ヘテロアリール、5員ヘテロアリール又は6員ヘテロアリールから選択される。
【0097】
用語「5員ヘテロアリール」は、好ましくは、5個の環原子を有する一価芳香族環系〔ここで、該一価芳香族環系は、少なくとも1個のヘテロ原子(ここで、該ヘテロ原子は、同一であっても又は異なっていてもよく、そして、例えば、酸素、窒素又は硫黄である)を含んでいる〕を意味するものと理解される。特に、「5員ヘテロアリール」は、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリルから選択される。
【0098】
用語「6員ヘテロアリール」は、好ましくは、6個の環原子を有する一価芳香族環系〔ここで、該一価芳香族環系は、少なくとも1個のヘテロ原子(ここで、該ヘテロ原子は、同一であっても又は異なっていてもよく、そして、例えば、酸素、窒素又は硫黄である)を含んでいる〕を意味するものと理解される。特に、「6員ヘテロアリール」は、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルから選択される。
【0099】
用語「ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−」は、好ましくは、いずれも上記で定義されているヘテロアリール、5員ヘテロアリール又は6員ヘテロアリール基において、その水素原子のうちの1つが上記で定義されているC
1−C
3−アルキル基(ここで、該アルキル基が、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基を当該分子に連結している)で置き換えられているヘテロアリール、5員ヘテロアリール又は6員ヘテロアリール基を意味するものと理解される。特に、該「ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−」は、ヘテロアリール−C
1−C
2−アルキル−、ピリジニル−C
1−C
3−アルキル−、ピリジニルメチル−、ピリジニルエチル−、ピリジニルプロピル−、ピリミジニル−C
1−C
3−アルキル−、ピリミジニルメチル−、ピリミジニルエチル−、ピリミジニルプロピル−であり、好ましくは、ピリジニルメチル−又はピリジニルエチル−又はピリミジニルエチル又はピリミジニルプロピル−基である。
【0100】
本明細書中で使用される場合、用語「脱離基」は、結合電子を受け取る安定な化学種として化学反応において除去される原子又は原子の群を意味する。好ましくは、脱離基は、以下のものを含む群から選択される:ハロ、特に、クロロ、ブロモ又はヨード、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、(4−ブロモ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−ニトロ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2−ニトロ−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(4−イソプロピル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2,4,6−トリ−イソプロピル−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(2,4,6−トリメチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−tert−ブチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、及び、(4−メトキシ−ベンゼン)スルホニルオキシ。
【0101】
用語「C
1−C
10」は、本明細書を通して、例えば、「C
1−C
10−アルキル」の定義に関連して、使用される場合、1〜10の有限数の炭素原子(即ち、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子)を有するアルキル基を意味するものと理解される。さらに、該用語「C
1−C
10」は、その中に包含される任意の下位範囲、例えば、C
1−C
10、C
1−C
9、C
1−C
8、C
1−C
7、C
1−C
6、C
1−C
5、C
1−C
4、C
1−C
3、C
1−C
2、C
2−C
10、C
2−C
9、C
2−C
8、C
2−C
7、C
2−C
6、C
2−C
5、C
2−C
4、C
2−C
3、C
3−C
10、C
3−C
9、C
3−C
8、C
3−C
7、C
3−C
6、C
3−C
5、C
3−C
4、C
4−C
10、C
4−C
9、C
4−C
8、C
4−C
7、C
4−C
6、C
4−C
5、C
5−C
10、C
5−C
9、C
5−C
8、C
5−C
7、C
5−C
6、C
6−C
10、C
6−C
9、C
6−C
8、C
6−C
7、C
7−C
10、C
7−C
9、C
7−C
8、C
8−C
10、C
8−C
9、C
9−C
10としても解釈されるものと理解される。
【0102】
同様に、本明細書中で使用される場合、用語「C
1−C
6」は、本明細書を通して、例えば、「C
1−C
6−アルキル」、「C
1−C
6−アルコキシ」の定義に関連して、使用される場合、1〜6の有限数の炭素原子(即ち、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子)を有するアルキル基を意味するものと理解される。さらに、該用語「C
1−C
6」は、その中に包含される任意の下位範囲、例えば、C
1−C
6、C
1−C
5、C
1−C
4、C
1−C
3、C
1−C
2、C
2−C
6、C
2−C
5、C
2−C
4、C
2−C
3、C
3−C
6、C
3−C
5、C
3−C
4、C
4−C
6、C
4−C
5、C
5−C
6としても解釈されるものと理解される。
【0103】
同様に、本明細書中で使用される場合、用語「C
1−C
3」は、本明細書を通して、例えば、「C
1−C
3−アルキル」、「C
1−C
3−アルコキシ」又は「C
1−C
3−フルオロアルコキシ」の定義に関連して、使用される場合、1〜3の有限数の炭素原子(即ち、1、2又は3個の炭素原子)を有するアルキル基を意味するものと理解される。さらに、該用語「C
1−C
3」は、その中に包含される任意の下位範囲、例えば、C
1−C
3、C
1−C
2、C
2−C
3としても解釈されるものと理解される。
【0104】
さらに、本明細書中で使用される場合、用語「C
3−C
6」は、本明細書を通して、例えば、「C
3−C
6−シクロアルキル」の定義に関連して、使用される場合、3〜6の有限数の炭素原子(即ち、3、4、5又は6個の炭素原子)を有するシクロアルキル基を意味するものと理解される。さらに、該用語「C
3−C
6」は、その中に包含される任意の下位範囲、例えば、C
3−C
6、C
3−C
5、C
3−C
4、C
4−C
6、C
4−C
5、C
5−C
6としても解釈されるものと理解される。
【0105】
さらに、本明細書中で使用される場合、用語「C
3−C
7」は、本明細書を通して、例えば、「C
3−C
7−シクロアルキル」の定義に関連して、使用される場合、3〜7の有限数の炭素原子(即ち、3、4、5、6又は7個の炭素原子、特に、3、4、5又は6個の炭素原子)を有するシクロアルキル基を意味するものと理解される。さらに、該用語「C
3−C
7」は、その中に包含される任意の下位範囲、例えば、C
3−C
7、C
3−C
6、C
3−C
5、C
3−C
4、C
4−C
7、C
4−C
6、C
4−C
5、C
5−C
7、C
5−C
6、C
6−C
7としても解釈されるものと理解される。
【0106】
結合における記号
【化5】
【0107】
は、分子における結合部位を示している。
【0108】
本明細書中で使用される場合、用語「1回以上」は、例えば、本発明の一般式で表される化合物の置換基の定義において、1、2、3、4又は5回、特に1、2、3又は4回、さらに特に、1、2又は3回、さらに一層特に、1又は2回を意味するものと理解される。
【0109】
複数の形態の用語である化合物、塩、水和物、溶媒和物などが本明細書において使用されている場合、これは、単一の化合物、塩、異性体、水和物、溶媒和物なども意味する。
【発明を実施するための形態】
【0110】
別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
5−シクロアルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
2は、
【化6】
【0111】
から選択される基を表し;
R
3は、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子、C
1−C
3−アルキル基又はハロ−C
1−C
3−アルキル基を表し;
R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表し;
R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
6、R
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
8は、以下の
(a) C
1−C
6−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよく、その際、該C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(b) フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(c) ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(d) C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基のC
3−C
6−シクロアルキル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(e) ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロシクリル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
から選択される基を表し;
R
9は、C
1−C
6−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
10、R
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、ベンジル、フェニル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、ベンジル、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン 、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;又は、
R
10とR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒に、環状アミンを形成し;
R
12は、水素又はC
1−C
4−アルキルから選択される基を表す〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0112】
別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
5−シクロアルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
2は、
【化7】
【0113】
から選択される基を表し;
R
3は、水素原子、フルオロ原子若しくはクロロ原子、又は、C
1−C
3−アルキル基を表し;
R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表し;
R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR)
2、−CH
2OP(OR)
2、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
6、R
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表し;
R
8は、以下の
(a) C
1−C
6−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよく、その際、該C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(b) フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(c) ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(d) C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基のC
3−C
6−シクロアルキル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(e) ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロシクリル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
から選択される基を表し;
R
9は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
10、R
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、ベンジル、フェニル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、ベンジル、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン 、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し;又は、
R
10とR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒に、環状アミンを形成する〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0114】
好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、C
1−C
6−アルキル−又はC
3−C
5−シクロアルキル基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
2は、
【化8】
【0115】
から選択される基を表し;
R
3は、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子、C
1−C
3−アルキル又はフルオロ−C
1−C
3−アルキル基を表し;
R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表し;
R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2又はC
1−C
3−アルキル−から選択される基[ここで、該C
1−C
3−アルキル基は、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−又は環状アミンから選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
6、R
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子から選択される基を表し;
R
8は、以下の
(a) C
1−C
3−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(b) フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(c) ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2の置換基で置換されていてもよい];
から選択される基を表し;
R
9は、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−又はベンジル基から選択される基[ここで、該ベンジル基のフェニル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
10、R
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
3−アルキル−、ベンジルから選択される基を表し;又は、
R
10とR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒に、環状アミンを形成し;
R
12は、水素又はC
1−C
2−アルキルから選択される基を表す〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0116】
好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、C
1−C
6−アルキル−又はC
3−C
5−シクロアルキル基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
6−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
2は、
【化9】
【0117】
から選択される基を表し;
R
3は、水素原子、フルオロ原子若しくはクロロ原子、又は、C
1−C
3−アルキル基を表し;
R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表し;
R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR)
2、−CH
2OP(OR)
2又はC
1−C
3−アルキル−から選択される基[ここで、該C
1−C
3−アルキル基は、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−又は環状アミンから選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
6、R
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子から選択される基を表し;
R
8は、以下の
(a) C
1−C
3−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(b) フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(c) ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2の置換基で置換されていてもよい];
から選択される基を表し;
R
9は、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−ハロアルキル、ベンジル基から選択される基[ここで、該ベンジル基のフェニル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
10、R
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
3−アルキル−、ベンジルから選択される基を表し;又は、
R
10とR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒に、環状アミンを形成する〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0118】
好ましい別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、C
1−C
6−アルキル基[ここで、該基は、C
1−C
3−アルコキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−又は環状アミンの群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
2は、
【化10】
【0119】
から選択される基を表し;
R
3は、水素原子、フルオロ原子若しくはクロロ原子、又は、メチル若しくはトリフルオロメチル基を表し;
R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表し;
R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表し;
R
6、R
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子から選択される基を表し;
R
8は、C
1−C
3−アルキル基を表し;
R
9は、C
1−C
3−アルキル基、ベンジル基又はトリフルオロメチルを表し;
R
10、R
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
2−アルキル−から選択される基を表す〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0120】
好ましい別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、C
1−C
6−アルキル基[ここで、該基は、、C
1−C
3−アルコキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−又は環状アミンの群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表し;
R
2は、
【化11】
【0121】
から選択される基を表し;
R
3は、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子を表し;
R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表し;
R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表し;
R
6、R
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子から選択される基を表し;
R
8は、C
1−C
3−アルキル基を表し;
R
9は、C
1−C
3−アルキル基、ベンジル基又はトリフルオロメチルを表し;
R
10、R
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
2−アルキル−から選択される基を表す〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0122】
特に好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、C
1−C
3−アルキル基を表し;
R
2は、基
【化12】
【0123】
を表し;
R
3は、水素原子若しくはクロロ原子、又は、メチル若しくはトリフルオロメチル基を表し;
R
4は、水素原子を表し;
R
5は、水素原子を表し;
R
6は、フルオロ原子を表し;
R
7は、水素を表し;
R
8は、メチル基を表す〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0124】
特に好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、C
1−C
3−アルキル基を表し;
R
2は、基
【化13】
【0125】
を表し;
R
3は、水素原子又はクロロ原子を表し;
R
4は、水素原子を表し;
R
5は、水素原子、−C(O)R
9から選択される基を表し;
R
6は、水素、パラ−フルオロ又はパラ−クロロを表し(ここで、「パラ」は、当該分子の残余部分に対するR
2の結合点を示している);
R
7は、水素を表し;
R
8は、メチル基を表し;
R
9は、トリフルオロメチル基を表す〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0126】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、メチル又はエチル基を表し;
R
2は、4−フルオロ−2−メトキシフェニル基を表し;
R
3は、水素原子若しくはクロロ原子、又は、メチル若しくはトリフルオロメチル基を表し;
R
4は、水素原子を表し;
R
5は、水素原子を表す〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0127】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、
R
1は、メチル基を表し;
R
2は、4−フルオロ−2−メトキシフェニル基を表し;
R
3は、水素原子又はクロロ原子を表し;
R
4は、水素原子を表し;
R
5は、水素原子を表す〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩に関する。
【0128】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C
1−C
3−アルキル−又はヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
6−アルコキシ−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0129】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
3−アルキル−、C
3−C
5−シクロアルキル−、4〜7員のヘテロ環式環、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C
1−C
2−アルキル−又はヘテロアリール−C
1−C
2−アルキル−基[ここで、該基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミンの群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0130】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
5−シクロアルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0131】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
5−シクロアルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0132】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、フェニル又はヘテロアリール基[ここで、該基は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミンの群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0133】
別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
5−シクロアルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、−NH
2、−OP(O)(OH)
2、−C(O)OH、−C(O)NH
2の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0134】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、メチル、エチル、プロパン−2−イル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロヘキシル又はフェニルから選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシル又はメトキシの群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0135】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル又はフェニル−C
1−C
3−アルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ又はC
1−C
6−アルコキシの群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0136】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
4−アルキル−、C
3−C
6−シクロアルキル又はフェニル−C
1−C
2−アルキル−から選択される基[ここで、該基は、ヒドロキシ又はC
1−C
3−アルコキシの群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0137】
好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル−又はC
3−C
5−シクロアルキル基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0138】
好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル−又はC
3−C
5−シクロアルキル基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
6−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、環状アミン、−OP(O)(OH)
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0139】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル基[ここで、該基は、ヒドロキシ、C
1−C
6−アルコキシ−、−NH
2、−OP(O)(OH)
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0140】
好ましい別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル基[ここで、該基は、C
1−C
3−アルコキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−又は環状アミンの群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0141】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、メチル、エチル、プロパン−2−イル、シクロプロピル、tert−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニルから選択される基[ここで、該基は、C
1−C
3−アルコキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−又は環状アミンの群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0142】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
1は、メチル、エチル、プロパン−2−イル、シクロプロピル又はtert−ブチルから選択される基[ここで、該基は、C
1−C
3−アルコキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−又は環状アミンの群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0143】
好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
6−アルキル基[ここで、該基は、ヒドロキシ又は−OP(O)(OH)
2の群から選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0144】
特に好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、R
1は、C
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0145】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、R
1は、メチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0146】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、R
1は、メチル又はエチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0147】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、一般式(I)〔式中、R
1は、エチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0148】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
2は、
【化14】
【0149】
から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0150】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
2は、
【化15】
【0151】
から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0152】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
2は、
【化16】
【0153】
から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0154】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
2は、
【化17】
【0155】
から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0156】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
2は、
【化18】
【0158】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
2は、4−フルオロ−2−メトキシフェニル−基を表す〕で表される化合物に関する。
【0159】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3及びR
4は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0160】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子、C
1−C
3−アルキル基又はハロC
1−C
3−アルキル基を表し、及び、R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0161】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子、C
1−C
3−アルキル基又はフルオロ−C
1−C
3−アルキル基を表し、及び、R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0162】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子若しくはクロロ原子、又は、C
1−C
3−アルキル基を表し、及び、R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0163】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子若しくはクロロ原子、又は、メチル若しくはトリフルオロメチル基を表し、及び、R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0164】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子を表し、及び、R
4は、水素原子又はフルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0165】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子若しくはクロロ原子、又は、メチル若しくはトリフルオロメチル基を表し、及び、R
4は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0166】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子又はクロロ原子を表し、及び、R
4は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0167】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、メチル又はトリフルオロメチル基を表し、及び、R
4は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0168】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子又はクロロ原子を表し、及び、R
4は水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0169】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。、
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0170】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0171】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子、C
1−C
3−アルキル基又はハロ−C
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0172】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子、C
1−C
3−アルキル基又はフルオロ−C
1−C
3−アルキルを表す〕で表される化合物に関する。
【0173】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、C
1−C
3−アルキル又はフルオロ−C
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0174】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、C
1−C
3−アルキル基又はフルオロ−C
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0175】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、フルオロ−C
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0176】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子又はフルオロ−C
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0177】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子又はC
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0178】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子若しくはクロロ原子、又は、C
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0179】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、C
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0180】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、フルオロ原子若しくはクロロ原子、又は、メチル若しくはトリフルオロメチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0181】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、フルオロ原子若しくはクロロ原子、又は、メチル若しくはトリフルオロメチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0182】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、クロロ原子、又は、メチル若しくはトリフルオロメチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0183】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子、クロロ原子、又は、メチル若しくはトリフルオロメチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0184】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、メチル又はトリフルオロメチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0185】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、トリフルオロメチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0186】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、メチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0187】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素、フルオロ又はクロロ原子から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0188】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、フルオロ又はクロロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0189】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子又はフルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0190】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、フルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0191】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子又はクロロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0192】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0193】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
3は、クロロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0194】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
4は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、ブロモ原子、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0195】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
4は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0196】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
4は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0197】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
4は、水素、フルオロ又はクロロ原子から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0198】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
4は、フルオロ又はクロロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0199】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
4は、水素原子又はフルオロ原子から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0200】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
4は、フルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0201】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
4は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0202】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0203】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR)
2、−CH
2OP(OR)
2、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0204】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0205】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR)
2、−CH
2OP(OR)
2、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0206】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2又はC
1−C
3−アルキル−から選択される基[ここで、該C
1−C
3−アルキル基は、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−又は環状アミンから選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0207】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR)
2、−CH
2OP(OR)
2又はC
1−C
3−アルキル−から選択される基[ここで、該C
1−C
3−アルキル基は、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−又は環状アミンから選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0208】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2、メチル−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0209】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR)
2、−CH
2OP(OR)
2、メチル−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0210】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2、メチル−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0211】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR)
2、−CH
2OP(OR)
2、メチル−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0212】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、シアノ、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR
12)
2、−CH
2OP(OR
12)
2から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0213】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、シアノ、−S(O)
2R
9、−C(O)NR
10R
11、−P(O)(OR)
2、−CH
2OP(OR)
2から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0214】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子、シアノ、−C(O)R
9、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0215】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、シアノ、−C(O)OR
9、−C(O)NR
10R
11から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0216】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、シアノ又は−C(O)OR
9から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0217】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子又はシアノ基から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0218】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子又は−C(O)OR
9から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0219】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、−C(O)OR
9を表す〕で表される化合物に関する。
【0220】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、−C(O)NR
10R
11を表す〕で表される化合物に関する。
【0221】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、−C(O)R
9を表す〕で表される化合物に関する。
【0222】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、シアノ基を表す〕で表される化合物に関する。
【0223】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子又は−C(O)R
9から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0224】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
5は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0225】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6、R
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0226】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6及びR
7は、互いに独立して、水素若しくはフルオロ原子又はC
1−C
3−アルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0227】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6及びR
7は、互いに独立して、水素原子、フルオロ原子又はクロロ原子から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0228】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6及びR
7は、互いに独立して、水素又はフルオロ原子から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0229】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、水素、パラ−フルオロ又はパラ−クロロを表し(ここで、「パラ」は、当該分子の残余部分に対するR
2の結合点を示している)、及び、R
7は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0230】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、パラ−フルオロを表し(ここで、「パラ」は、当該分子の残余部分に対するR
2の結合点を示している)、及び、R
7は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0231】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、フルオロ原子を表し、及び、R
7は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0232】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0233】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0234】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0235】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0236】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、フルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0237】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、クロロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0238】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、水素、パラ−フルオロ又はパラ−クロロを表す(ここで、「パラ」は、当該分子の残余部分に対するR
2の結合点を示している)〕で表される化合物に関する。
【0239】
特に好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
6は、パラ−フルオロを表す(ここで、「パラ」は、当該分子の残余部分に対するR
2の結合点を示している)〕で表される化合物に関する。
【0240】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
7は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0241】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
7は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子、C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0242】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
7は、水素原子、フルオロ原子、クロロ原子から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0243】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
7は、フルオロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0244】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
7は、クロロ原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0245】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
7は、水素原子を表す〕で表される化合物に関する。
【0246】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、C
1−C
6−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよく、その際、該C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0247】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、C
1−C
6−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよく、その際、該C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0248】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、C
1−C
3−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールから同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよく、その際、該C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0249】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、C
1−C
6−アルキル−基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン原子、C
1−C
3−アルキル−、C
3−C
6−シクロアルキル−、C
3−C
6−ヘテロシクリル−、フェニル、ヘテロアリールの群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよく、その際、該C
3−C
6−シクロアルキル−、C
3−C
6−ヘテロシクリル−、フェニル−又はヘテロアリール基は、ハロゲンから選択される1の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0250】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、C
1−C
3−アルキル基[ここで、該アルキル基は、ハロゲン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0251】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、C
1−C
3−アルキル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0252】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、メチル、(
2H
3)メチルから選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0253】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、メチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0254】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、メチル又はエチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0255】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、エチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0256】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、C
3−C
7−シクロアルキル−基[ここで、該シクロアルキル−基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0257】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、シクロペンチル又はシクロヘキシル基[ここで、該シクロペンチル又はシクロヘキシル基は、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
2−アルキル−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、C
1−C
2−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0258】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロシクリル−基[ここで、該ヘテロシクリル−基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0259】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、4〜7員のヘテロ環式環[ここで、該ヘテロ環式環は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−、C
2−C
3−アルケニル−、C
2−C
3−アルキニル−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0260】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル基[ここで、該フェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0261】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル基[ここで、該フェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
2−アルキル−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、C
1−C
2−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0262】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル基[ここで、該フェニル基は、ハロゲン、ジアルキルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0263】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロアリール基[ここで、該ヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0264】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロアリール基[ここで、該ヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
2−アルキル−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、C
1−C
2−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0265】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロアリール基[ここで、該ヘテロアリール基は、ハロゲン、ジアルキルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0266】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0267】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
2−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
2−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0268】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
2−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
2−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
2−アルキル−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、C
1−C
2−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0269】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ベンジル基[ここで、該ベンジル基のフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
2−アルキル−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、C
1−C
2−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0270】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0271】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、シアノ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミンの群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0272】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0273】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
3−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン又はC
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0274】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
3−アルキル−基を表す〕で表される化合物に関する。
【0275】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
2−アルキル−基[ここで、該フェニル−C
1−C
2−アルキル−基のフェニル基は、ハロゲン又はC
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0276】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、フェニル−C
1−C
2−アルキル−基を表す〕で表される化合物に関する。
【0277】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ベンジル基[ここで、該ベンジル基のフェニル基は、ハロゲン又はC
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0278】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ベンジル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0279】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0280】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0281】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロアリール−C
1−C
2−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
2−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0282】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ピリジル−C
1−C
2−アルキル−基[ここで、該ピリジル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、シアノ、C
1−C
2−アルキル−、ハロ−C
1−C
2−アルキル−、C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、C
1−C
2−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0283】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロアリール−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロアリール基は、ハロゲン、シアノ、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−、C
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0284】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ピリジル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ピリジル−C
1−C
3−アルキル−基のピリジル基は、ハロゲン又はC
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0285】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ピリジル−CH
2−基[ここで、該ピリジル−CH
2−基のピリジル基は、ハロゲン、C
1−C
2−アルキル−、ハロ−C
1−C
2−アルキル、−C
1−C
2−フルオロアルコキシ−、C
1−C
2−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0286】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ピリジル−CH
2−基[ここで、該ピリジル−CH
2−基のピリジル基は、ハロゲン又はC
1−C
3−アルコキシ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0287】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該C
3−C
6−シクロアルキル−C
1−C
3−アルキル−基のC
3−C
6−シクロアルキル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0288】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、C
3−C
6−シクロアルキル−CH
2−基[ここで、該C
3−C
6−シクロアルキル−CH
2−基のC
3−C
6−シクロアルキル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0289】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、シクロヘキシル−CH
2−又はシクロペンチル−CH
2−基[ここで、該シクロヘキシル−CH
2−又はシクロペンチル−CH
2−基のシクロヘキシル又はシクロペンチル基は、フルオロ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、トリフルオロメチル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0290】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基[ここで、該ヘテロシクリル−C
1−C
3−アルキル−基のヘテロシクリル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0291】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
8は、ヘテロシクリル−CH
2−基[ここで、該ヘテロシクリル−CH
2−基のヘテロシクリル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1又は2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0292】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
9は、C
1−C
6−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0293】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
9は、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0294】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
9は、C
1−C
5−アルキル−、C
3−C
6−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0295】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
9は、C
1−C
3−アルキル−、ハロ−C
1−C
3−アルキル又はベンジル基から選択される基[ここで、該ベンジル基のフェニル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0296】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
9は、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−ハロアルキル、ベンジル基から選択される基[ここで、該ベンジル基のフェニル基は、ハロゲン、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−の群から同一であるように又は異なるように選択される1又は2の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0297】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
9は、C
1−C
6−アルキル−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0298】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
9は、C
1−C
3−アルキル−から選択される基[ここで、該アルキル基は、C
1−C
3−アルコキシ−で置換されていてもよ]を表す〕で表される化合物に関する。
【0299】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
9は、C
1−C
3−アルキル−、ベンジル又はトリフルオロメチルから選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0300】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
9は、トリフルオロメチル基を表す〕で表される化合物に関する。
【0301】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10、R
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表し、又は、R
10とR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒に、環状アミンを形成する〕で表される化合物に関する。
【0302】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10及びR
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
5−アルキル−、C
3−C
6−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
5−アルキル、C
3−C
6−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0303】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10及びR
11は、互いに独立して、水素、C
1−C
3−アルキル−、ベンジルから選択される基を表し、又は、R
10とR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒に、環状アミンを形成する〕で表される化合物に関する。
【0304】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10及びR
11は、互いに独立して、水素又はC
1−C
2−アルキル−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0305】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10及びR
11は、互いに独立して、水素又はC
1−C
6−アルキル−を表す〕で表される化合物に関する。
【0306】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10及びR
11は、水素を表す〕で表される化合物に関する。
【0307】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10は、水素、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0308】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10は、水素、C
1−C
3−アルキル−、ベンジルから選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0309】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10は、水素、C
1−C
6−アルキル−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0310】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10は、水素又はC
1−C
2−アルキル−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0311】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
10は、水素を表す〕で表される化合物に関する。
【0312】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
11は、水素、C
1−C
6−アルキル−、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリールから選択される基[ここで、該C
1−C
6−アルキル、C
3−C
7−シクロアルキル−、ヘテロシクリル−、フェニル、ベンジル又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−アルコキシ−、−NH
2、アルキルアミノ−、ジアルキルアミノ−、アセチルアミノ−、N−メチル−N−アセチルアミノ−、環状アミン、ハロ−C
1−C
3−アルキル−、C
1−C
3−フルオロアルコキシ−から同一であるように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]を表す〕で表される化合物に関する。
【0313】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
11は、水素、C
1−C
3−アルキル−、ベンジルから選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0314】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
11は、水素、C
1−C
6−アルキル−から選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0315】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
11は、水素又はC
1−C
2−アルキルから選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0316】
特に好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
11は、水素を表す〕で表される化合物に関する。
【0317】
別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
12は、水素、C
1−C
4−アルキル又はベンジルから選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0318】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
12は、水素又はC
1−C
4−アルキルから選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0319】
好ましい別の実施形態において、本発明は、式(I)〔式中、R
12は、水素又はC
1−C
2−アルキルから選択される基を表す〕で表される化合物に関する。
【0320】
本発明が上記で記載されている式(I)で表される化合物の本発明の任意の実施形態の範囲内にある任意の下位組合せに関するということは、理解される。
【0321】
好ましい別の実施形態において、本発明は、以下の材料及び方法のセクションにおいて記載されている方法1aに従って測定した場合、式(I)で表される個々の化合物の別の立体異性体と比較してCDK9に対するIC
50がより低いことを特徴とする、式(I)で表される化合物の特定の立体異性体に関する。
【0322】
好ましい別の実施形態において、本発明は、以下の材料及び方法のセクションにおいて記載されている方法1bに従って測定した場合、式(I)で表される個々の化合物の別の立体異性体と比較して高ATP濃度におけるCDK9に対するIC
50がより低いことを特徴とする、式(I)で表される化合物の特定の立体異性体に関する。
【0323】
好ましい別の実施形態において、本発明は、以下の材料及び方法のセクションにおいて記載されている方法1a(CDK9)及び方法2(CDK2)に従って測定した場合、式(I)で表される個々の化合物の別の立体異性体と比較してCDK2に対するよりもCDK9に対して選択性が高いことを特徴とする、式(I)で表される化合物の特定の立体異性体に関する。
【0324】
好ましい別の実施形態において、本発明は、以下の材料及び方法のセクションにおいて記載されている方法3に従って測定した場合、式(I)で表される個々の化合物の別の立体異性体と比較して腫瘍細胞系(例えば、HeLa)における坑増殖活性が高いことを特徴とする、式(I)で表される化合物の特定の立体異性体に関する。
【0325】
好ましい別の実施形態において、本発明は、以下の材料及び方法のセクションにおいて記載されている方法4に従って測定した場合、式(I)で表される個々の化合物の別の立体異性体と比較して水溶性(例えば、pH6.5の水中において)であることを特徴とする、式(I)で表される化合物の特定の立体異性体に関する。
【0326】
好ましい別の実施形態において、本発明は、以下の材料及び方法のセクションにおいて記載されている方法5に従って測定した場合、式(I)で表される個々の化合物の別の立体異性体と比較してCaco−2細胞単層を通過するより高い増大した見かけのCaco−2透過性(P
appA−b)を特徴とする、式(I)で表される化合物の特定の立体異性体に関する。
【0327】
さらに特定的には、本発明は、本明細書の下記に記載されている実施例セクションにおいて開示されている式(I)で表される化合物を包含する。
【0328】
極めて特に好ましいのは、上記で記載されている好ましい実施形態のうちの2つ以上の組合せである。
【0329】
特に、本発明の好ましい対象は、以下の化合物、及び、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩である:
・ (rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン;
・ 6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー1;
・ 6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー2;
・ (rac)−N−{6−クロロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン;
・ N−{6−クロロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー1;
・ N−{6−クロロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー2;
・ (rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン;
・ 6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー1;
・ 6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン、エナンチオマー2;
・ (rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン;
・ (rac)−N−{4−[(S−エチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン。
【0331】
概括的に又は好ましい範囲内で、詳細に説明されてきたラジカルの上記定義は、式(I)で表される最終生成物にも適用され、さらに、同様に、いずれの場合にも当該調製において必要とされる出発物質及び中間体にも適用される。
【0332】
本発明は、さらに、本発明による式(I)で表される化合物を調製する方法にも関し、ここで、該調製方法においては、式(I)〔式中、R
5は、水素を表す〕で表されるN−非保護スルホキシイミンを適切な試薬と反応させて、式(I)〔式中、R
5は、本発明による式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりであるが、水素とは異なっている〕で表されるN−官能基化スルホキシイミンを生成させ、
【化19】
【0333】
及び、得られた化合物を、場合により、適切な場合には、対応する(i)溶媒及び/又は(ii)塩基若しくは酸を用いて、式(I)で表される化合物の溶媒和物、塩及び/又は塩の溶媒和物に変換させる。
【0334】
本発明は、さらに、式(6)〔式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、本発明による式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表される化合物を調製する方法にも関し、ここで、該調製方法においては、式(5)
【化20】
【0335】
〔式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、本発明による式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕
で表される化合物を、溶媒としての環状エーテルの中で、tert−ブタノールのアルカリ塩の存在下で、トリフルオロアセトアミド及び1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインと反応させて、式(6)
【化21】
【0336】
で表される化合物を生成させ、及び、得られた化合物を、場合により、適切な場合には、対応する(i)溶媒及び/又は(ii)塩基若しくは酸を用いて、式(6)で表される化合物の溶媒和物、塩及び/又は塩の溶媒和物に変換させる。
【0337】
本発明は、さらに、式(I)で表される化合物を調製する方法にも関し、ここで、該調製方法においては、式(6)
【化22】
【0338】
〔式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、本発明による式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕
で表される化合物を、溶媒としての式[C
1−C
2−C(O)−C
1−C
2−アルキル]で表される脂肪族ケトンの中で、過マンガン酸のアルカリ塩を用いて酸化し、その後、式(6)で表される化合物の中に存在しているトリフルオロアセチル基が上記酸化プロセスに際して切断されなかった場合には、その得られた中間体をアルコール性溶媒の中で適切な塩基で処理することによって該トリフルオロアセチル基を除去して、式(I)
【化23】
【0339】
〔式中、R
5は水素である〕
で表される化合物を生成させ、及び、得られた化合物を、場合により、適切な場合には、対応する(i)溶媒及び/又は(ii)塩基若しくは酸を用いて、式(I)で表される化合物の溶媒和物、塩及び/又は塩の溶媒和物に変換させる。
【0340】
本発明は、さらに、式(I)で表される化合物を調製する方法にも関し、ここで、該調製方法においては、式(6)
【化24】
【0341】
〔式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、本発明による式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕
で表される化合物を、式[C
1−C
3−アルキル−OH]で表される脂肪族アルコール、水及びN,N−ジメチルホルムアミドから選択される溶媒又はそれらの混合物の中で、ペルオキソ一硫酸系酸化剤で酸化して、式(I)
【化25】
【0342】
〔式中、R
5は水素である〕
で表される化合物を生成させ、及び、得られた化合物を、場合により、適切な場合には、対応する(i)溶媒及び/又は(ii)塩基若しくは酸を用いて、式(I)で表される化合物の溶媒和物、塩及び/又は塩の溶媒和物に変換させる。
【0343】
本発明は、さらに、式(I)で表される化合物を調製する方法にも関し、ここで、該調製方法においては、式(5)
【化26】
【0344】
〔式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、本発明による式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕
で表される化合物を、溶媒としての環状エーテルの中で、tert−ブタノールのアルカリ塩の存在下で、トリフルオロアセトアミド及び1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインと反応させて、式(6)
【化27】
【0345】
で表される化合物を生成させ、次いで、式(6)で表される該化合物を、式[C
1−C
2−C(O)−C
1−C
2−アルキル]で表される脂肪族ケトン、式[C
1−C
3−アルキル−OH]で表される脂肪族アルコール、水及びN,N−ジメチルホルムアミドから選択される溶媒又はそれらの混合物の中で、過マンガン酸のアルカリ塩及びペルオキソ一硫酸系酸化剤から選択される適切な酸化剤で酸化して、式(I)
【化28】
【0346】
〔式中、R
5は水素である〕
で表される化合物を生成させ、及び、得られた化合物を、場合により、適切な場合には、対応する(i)溶媒及び/又は(ii)塩基若しくは酸を用いて、式(I)で表される化合物の溶媒和物、塩及び/又は塩の溶媒和物に変換させる。
【0347】
本発明は、さらに、式(5)
【化29】
【0348】
〔式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、本発明による式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕
で表される化合物及びその塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩にも関する。
【0349】
本発明は、さらに、式(6)
【化30】
【0350】
〔式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、本発明による式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕
で表される化合物及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物又は溶媒和物の塩にも関する。
【0351】
本発明による化合物は、予測することが不可能であった有益な薬理学的及び薬物動態学的な作用スペクトルを示す。
【0352】
従って、それらは、ヒト及び動物における疾患を治療及び/又は予防するための薬物として使用するのに適している。
【0353】
本発明の範囲内において、用語「治療」には、予防も包含される。
【0354】
本発明による化合物の医薬活性は、CDK9の阻害薬としてのそれらの作用により説明することができる。かくして、一般式(I)で表される化合物並びにそれらのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物及び溶媒和物の塩は、CDK9の阻害薬として用いられる。
【0355】
さらに、本発明による化合物は、CDK9活性を阻害することに関して、特に高い効力を示す(これは、CDK9/CycT1アッセイにおける低いIC
50値によって実証される)。
【0356】
本発明に関連して、CDK9に関するIC
50値は、以下の方法のセクションにおいて記載されている方法によって測定することができる。好ましくは、それは、以下の材料及び方法のセクションにおいて記載されている方法1a(「CDK9/CycT1キナーゼアッセイ」)に従って測定される。
【0357】
驚くべきことに、一般式(I)で表される化合物並びにそれらのエナンチオマー、ジアステレオマー、塩、溶媒和物及び溶媒和物の塩が、別のサイクリン依存性タンパク質キナーゼと比較して、好ましくは、CDK2と比較して、CDK9を選択的に阻害するということが分かった。かくして、一般式(I)で表される化合物及びそれらの製薬上許容される塩は、好ましくは、CDK9の選択的阻害薬として使用される。
【0358】
一般式(I)で表される本発明の化合物は、CDK2の阻害と比較して、有意に強くCDK9を阻害する。
【0359】
本発明に関連して、CDK2に関するIC
50値は、以下の方法のセクションに記載されている方法によって測定することができる。好ましくは、それは、以下の材料及び方法のセクションに記載されている方法2(「CDK2/CycEキナーゼアッセイ」)に従って測定する。
【0360】
さらに、従来技術に記載されているCDK9阻害薬と比較して、一般式(I)で表される本発明の好ましい化合物は、高ATP濃度においてCDK9活性を阻害することに関して、驚くべき高い効力を示す(これは、CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイにおける低いIC
50値によって実証される)。かくして、これらの化合物は、高い細胞内ATP濃度に起因するCDK9/CycT1キナーゼのATP−結合ポケットと競合する可能性がより低い(R. Copeland et al., Nature Reviews Drug Discovery 2006, 5, 730−739)。この特性によって、本発明の化合物は、古典的なATP競合性キナーゼ阻害薬(competitive kinase inhibitor)と比較して、特に、より長期間にわたって細胞内のCDK9/CycT1を阻害することができる。このことは、患者又は動物に投与された後で薬物動態学的クリアランスが介在して低下する当該阻害薬の血清濃度における抗腫瘍細胞効力を増大させる。
【0361】
本発明に関連して、高いATP濃度におけるCDK9に関するIC
50値は、以下の方法のセクションにおいて記載されている方法によって測定することができる。好ましくは、それは、以下の材料及び方法のセクションに記載されている方法1b(「CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ」)に従って測定する。
【0362】
さらに、式(I)で表される本発明の好ましい化合物は、腫瘍細胞系(例えば、HeLa)において、従来技術において記載されているCDK9阻害薬と比較して改善された坑増殖活性を示す。本発明に関連して、腫瘍細胞系(例えば、HeLa)における抗増殖活性は、以下の材料及び方法のセクションに記載されている方法3(「増殖アッセイ」)に従って測定する。
【0363】
さらに、式(I)で表される本発明の好ましい化合物は、驚くべきことに、従来技術に記載されている化合物と比較して、pH6.5の水中において、増大した溶解性を示す。
【0364】
本発明に関連して、pH6.5の水中における溶解性は、好ましくは、以下の材料及び方法のセクションに記載されている方法4a(「平衡振盪フラスコ溶解度アッセイ、水中における熱力学的溶解性(Equilibrium Shake Flask Solubility Assay, Thermodynamic solubility in water)」)に従って測定する。
【0365】
さらに、式(I)で表される本発明の好ましい化合物は、従来技術から知られている化合物と比較して、改善された薬物動態学的特性、例えば、Caco−2細胞単層を通過する増大した見かけのCaco−2透過性(P
appA−b)を特徴とする。
【0366】
さらに、式(I)で表される本発明の好ましい化合物は、従来技術から知られている化合物と比較して、改善された薬物動態学的特性、例えば、Caco−2細胞単層を横切る基底区画から頂端区画への低減された流出比(流出比=P
appB−A/P
appA−B)を特徴とする。
【0367】
本発明に関連して、基底区画から頂端区画への見かけのCaco−2透過性値(P
appA−b)又は流出比〔これは、比((P
appB−A)/(P
appA−B))として定義される〕は、好ましくは、以下の材料及び方法のセクションに記載されている方法5(「Caco−2透過アッセイ」)に従って測定する。
【0368】
さらに、式(I)で表される本発明の好ましい化合物は、炭酸脱水酵素−1又は炭酸脱水酵素−2の有意な阻害を示さず(10μMを超えるIC
50値)、従って、従来技術に記載されているスルホンアミド基含有CDK阻害薬(これは、炭酸脱水酵素−1又は炭酸脱水酵素−2を阻害する)と比較して、改善された副作用プロフィールを示す。本発明に関連して、炭酸脱水酵素−1及び炭酸脱水酵素−2の阻害は、好ましくは、以下の材料及び方法のセクションにおいて記載されている方法6(「炭酸脱水酵素アッセイ」)に従って測定する。
【0369】
本発明のさらなる対象は、疾患〔好ましくは、CDK9活性に関連する疾患又はCDK9活性が介在する疾患、特に、過増殖性疾患、ウイルス誘導性感染性疾患及び/又は心臓血管疾患、さらに好ましくは、過増殖性疾患〕を治療及び/又は予防するための、本発明による一般式(I)で表される化合物の使用である。
【0370】
本発明の化合物は、CDK9の活性又は発現を阻害するために使用することができる。従って、式(I)で表される化合物は、治療剤として有益であることが期待される。従って、別の実施形態において、本発明は、CDK9活性に関連する疾患又はCDK9活性が介在する疾患の治療を必要とする患者におけるそのような疾患を治療する方法を提供し、ここで、該方法は、該患者に有効量の上記で定義されている式(I)で表される化合物を投与することを含む。特定の実施形態において、CDK9活性に関連する疾患は、過増殖性疾患、ウイルス誘導性感染性疾患及び/又は心臓血管疾患であり、さらに好ましくは、過増殖性疾患(特に、癌)である。
【0371】
本明細書全体にわたって記載されている用語「治療する(treating)」又は「治療(treatment)」は、慣習的な意味で用いられ、例えば、疾患又は障害(例えば、癌腫)の状態と闘うこと、そのような状態を緩和すること、低減すること、軽減すること、改善することを目的として、対象者を管理又はケアすることである。
【0372】
用語「対象者(subject)」又は「患者(patient)」には、細胞増殖性疾患又は低下した若しくは不充分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)に関連する疾患に罹患し得る生物、又は、それ以外で本発明化合物の投与による利益を得ることが可能な生物、例えば、ヒト及び非ヒト動物が包含される。好ましいヒトには、本明細書中に記載されている細胞増殖性疾患若しくは関連する状態に罹患しているか又は罹患する傾向があるヒト患者が包含される。用語「非ヒト動物」には、以下のものが包含される:脊椎動物、例えば、哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコ及び齧歯類、例えば、マウス、並びに、非哺乳動物、例えば、ニワトリ、両生類、爬虫類。
【0373】
用語「CDK9に関連するか又はCDK9が介在する疾患」には、CDK9活性(例えば、CDK9の過活性)に関連又は関与する疾患及びこれらの疾患に伴う状態が包含される。「CDK9に関連するか又はCDK9が介在する疾患」の例としては、CDK9活性を調節する遺伝子(例えば、LARP7、HEXIM1/2、又は、7sk snRNA)における突然変異に起因する増大したCDK9活性の結果として起こる疾患、又は、ウイルスタンパク質(例えば、HIV−TAT、又は、HTLV−TAX)によるCDK9/サイクリンT/RNAポリメラーゼII複合体の活性化に起因する増大したCDK9活性の結果として起こる疾患、又は、分裂シグナル伝達経路(mitogenic signaling pathway)の活性化に起因する増大したCDK9活性の結果として起こる疾患などがある。
【0374】
用語「CDK9の過活性」は、疾患状態にない正常な細胞と比較してCDK9の増大した酵素活性を意味するか、又は、該用語は、望ましくない細胞増殖又は低下した若しくは不充分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)へと至る増大したCDK9活性、又は、CDK9の恒常的活性化を導く突然変異を意味する。
【0375】
用語「過増殖性疾患」には、望ましくない又は制御されない細胞増殖を伴う疾患が包含され、及び、低下した又は不充分なプログラムされた細胞死(アポトーシス)を伴う疾患が包含される。本発明の化合物を利用して、細胞増殖及び/若しくは細胞分裂を防止、阻害、阻止、低減、低下、制御することなどが可能であり、並びに/又は、アポトーシスを引き起こすことが可能である。この方法は、それを必要とする対象者(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)に、該疾患を治療又は予防するのに有効な量の本発明化合物又はその製薬上許容される塩、水和物若しくは溶媒和物を投与することを含む。
【0376】
本発明との関連において、過増殖性疾患としては、限定するものではないが、例えば、乾癬、ケロイド及び皮膚に影響を及ぼす別の過形成、子宮内膜症、骨疾患、血管新生又は血管増殖性疾患、肺高血圧、線維症、メサンギウム細胞増殖性疾患、結腸ポリープ、多発性嚢胞腎、良性前立腺過形成(BPH)、並びに、固形腫瘍(例えば、乳房、気道、脳、生殖器官、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌)及びそれらの遠隔転移などを挙げることができる。これらの疾患には、さらにまた、リンパ腫、肉腫及び白血病も包含される。
【0377】
乳癌の例としては、限定するものではないが、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌及び非浸潤性小葉癌、並びに、イヌ又はネコの乳癌などを挙げることができる。
【0378】
気道の癌の例としては、限定するものではないが、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌、並びに、気管支腺腫、胸膜肺芽腫び中皮腫などを挙げることができる。
【0379】
脳癌の例としては、限定するものではないが、脳幹及び視床下部(hypophtalmic)のグリオーマ、小脳及び大脳星細胞腫、膠芽細胞腫、髄芽腫、上衣腫並びに神経外胚葉及び松果体腫瘍などを挙げることができる。
【0380】
男性生殖器官の腫瘍としては、限定するものではないが、前立腺癌及び精巣癌などを挙げることができる。女性生殖器官の腫瘍としては、限定するものではないが、子宮内膜癌、子宮頚癌、卵巣癌、膣癌及び外陰癌、並びに、子宮肉腫などを挙げることができる。
【0381】
消化管の腫瘍としては、限定するものではないが、肛門癌、結腸癌、大腸癌、食道癌、胆嚢癌、胃癌、膵臓癌、直腸癌、小腸癌、唾液腺癌、肛門腺癌及び肥満細胞腫瘍などを挙げることができる。
【0382】
尿路の腫瘍としては、限定するものではないが、膀胱癌、陰茎癌、腎臓癌、腎盂癌、尿管癌、尿道癌、並びに、遺伝性及び散発性の乳頭状腎細胞癌などを挙げることができる。
【0383】
眼癌としては、限定するものではないが、眼内黒色腫及び網膜芽細胞腫などを挙げることができる。
【0384】
肝臓癌の例としては、限定するものではないが、肝細胞癌(線維層板変異体(fibrolamellar variant)を伴うか又は伴わない肝細胞癌腫)、胆管癌(肝内胆管癌腫)及び混合型肝細胞胆管癌などを挙げることができる。
【0385】
皮膚癌としては、限定するものではないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌、非黒色腫皮膚癌及び肥満細胞腫瘍などを挙げることができる。
【0386】
頭頸部癌としては、限定するものではないが、喉頭部癌、下咽頭癌、鼻咽頭癌、口腔咽頭癌、口唇癌及び口腔癌、扁平上皮細胞癌及び口腔黒色腫などを挙げることができる。
【0387】
リンパ腫としては、限定するものではないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病、及び、中枢神経系のリンパ腫などを挙げることができる。
【0388】
肉腫としては、限定するものではないが、軟組織肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、横紋筋肉腫、悪性組織球増殖症、線維肉腫、血管肉腫、血管周囲細胞腫及び平滑筋肉腫などを挙げることができる。
【0389】
白血病としては、限定するものではないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、及び、有毛細胞白血病などを挙げることができる。
【0390】
本発明の化合物及び方法で治療し得る線維性増殖性疾患(即ち、細胞外マトリックスの異常形成)としては、肺線維症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、肝硬変、及び、メサンギウム細胞増殖性疾患、例えば、腎疾患、例えば、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化、血栓性微小血管症候群、移植片拒絶反応及び糸球体症などを挙げることができる。
【0391】
本発明の化合物を投与することによって治療され得るヒト又は別の哺乳動物における他の状態としては、腫瘍増殖、網膜症、例えば、糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞、未熟児網膜症及び加齢性黄斑変性症、関節リウマチ、乾癬、並びに、表皮下水疱形成を伴う水疱性疾患、例えば、水疱性類天疱瘡、多形性紅斑及び疱疹状皮膚炎などを挙げることができる。
【0392】
本発明の化合物は、さらにまた、気道及び肺の疾患、消化管の疾患並びに膀胱及び胆管の疾患を予防及び治療するために用いることもできる。
【0393】
上記で記載した疾患は、ヒトにおいてよく特徴づけされているが、哺乳動物を包含する別の動物においても同様の病因で存在しており、そして、本発明の医薬組成物を投与することによって治療することができる。
【0394】
本発明のさらなる態様において、本発明による化合物は、感染性疾患(特に、ウイルス誘導性感染性疾患)を予防及び/又は治療する方法において用いられる。ウイルス誘導性感染性疾患(これは、日和見疾患を包含する)は、レトロウイルス、ヘパドナウイルス、ヘルペスウイルス、フラビウイルス及び/又はアデノウイルスによって引き起こされる。この方法の好ましいさらなる実施形態において、該レトロウイルスは、レンチウイルス又はオンコレトロウイルスから選択され、ここで、該レンチウイルスは、HIV−1、HIV−2、FIV、BIV、SIVs、SHIV、CAEV、VMV又はEIAV(好ましくは、HIV−1又はHIV−2)を含む群から選択され、該オンコレトロウイルスは、HTLV−I、HTLV−II又はBLVの群から選択される。この方法の好ましいさらなる実施形態において、該ヘパドナウイルスは、HBV、GSHV又はWHV(好ましくは、HBV)から選択され、該ヘルペスウイルスは、HSV I、HSV II、EBV、VZV、HCMV又はHHV 8(好ましくは、HCMV)を含む群から選択され、及び、該フラビウイルスは、HCV、西ナイル又は黄熱から選択される。
【0395】
一般式(I)で表される化合物は、さらにまた、心臓血管疾患、例えば、心臓肥大、成人先天性心臓疾患、動脈瘤、安定狭心症、不安定狭心症、狭心症、血管神経性浮腫、大動脈弁狭窄、大動脈瘤、不整脈、催不整脈性右室異形成、動脈硬化、動静脈奇形、心房細動、ベーチェット症候群、徐脈、心タンポナーデ、心肥大、鬱血性心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症、心臓血管疾患予防、頸動脈狭窄症、脳出血、チャーグ・ストラウス症候群、糖尿病、エプスタイン奇形、アイゼンメンゲル複合、コレステロール塞栓症、細菌性心内膜炎、線維筋性形成異常、先天的心臓欠陥、心臓疾患、鬱血性心不全、心臓弁疾患、心発作、硬膜外血腫、血腫、硬膜下、ヒッペル・リンドウ病、充血、高血圧、肺高血圧、異常肥大増殖、左室肥大、右室肥大、左心低形成症候群、低血圧、間欠性跛行、虚血性心臓疾患、クリッペル−トレノネイ−ウェーバ症候群、外側髄症候群、QT延長症候群、僧帽弁逸脱、モヤモヤ病、皮膚粘膜リンパ節症候群、心筋梗塞、心筋虚血、心筋炎、心膜炎、末梢血管疾患、静脈炎、結節性多発動脈炎、肺動脈閉鎖、レイノー病、再狭窄、スネドン症候群、狭窄、上大静脈症候群、X症候群、頻拍、高安動脈炎、遺伝性出血性毛細管拡張症、毛細血管拡張症、側頭動脈炎、ファロー四徴症、閉塞性血栓血管炎、血栓症、血栓塞栓症、三尖弁閉鎖、静脈瘤、血管疾患、脈管炎、血管けいれん、心室細動、ウィリアムズ症候群、末梢血管疾患、静脈瘤及び下腿潰瘍、深部静脈血栓症、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群などを予防及び/又は治療するのにも有用である。
【0396】
好ましいのは、心臓肥大、成人先天性心臓疾患、動脈瘤、アンギナ、狭心症、不整脈、心臓血管疾患予防、心筋症、鬱血性心不全、心筋梗塞、肺高血圧、異常肥大増殖、再狭窄、狭窄、血栓症及び動脈硬化である。
【0397】
本発明のさらなる対象は、疾患(特に、上記で記載した疾患)を治療及び/又は予防するための、本発明による一般式(I)で表される化合物の使用である。
【0398】
本発明のさらなる対象は、疾患〔特に、肺癌(特に、非小細胞肺癌)、前立腺癌(特に、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌)、子宮頚癌(例えば、多剤耐性ヒト子宮頚癌)、大腸癌、黒色種、卵巣癌、又は、白血病(特に、急性骨髄性白血病)〕を治療及び/又は予防するための、本発明による一般式(I)で表される化合物の使用である。
【0399】
本発明のさらなる対象は、上記で記載した疾患を治療及び/又は予防する方法において使用するための、本発明による化合物である。
【0400】
本発明の好ましい対象は、肺癌(特に、非小細胞肺癌)、前立腺癌(特に、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌)、子宮頚癌(例えば、多剤耐性ヒト子宮頚癌)、大腸癌、黒色種、卵巣癌又は白血病(特に、急性骨髄性白血病)を治療及び/又は予防する方法において使用するための、本発明による化合物である。
【0401】
本発明のさらなる対象は、疾患(特に、上記で記載した疾患)を治療及び/又は予防するための薬物の製造における本発明による化合物の使用である。
【0402】
本発明の好ましい対象は、肺癌(特に、非小細胞肺癌)、前立腺癌(特に、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌)、子宮頚癌(例えば、多剤耐性ヒト子宮頚癌)、大腸癌、黒色種、卵巣癌又は白血病(特に、急性骨髄性白血病)を治療及び/又は予防するための薬物の製造における本発明による化合物の使用である。
【0403】
本発明のさらなる対象は、有効量の本発明による化合物を用いることによる、疾患(特に、上記で記載した疾患)を治療及び/又は予防する方法である。
【0404】
本発明の好ましい対象は、肺癌(特に、非小細胞肺癌)、前立腺癌(特に、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌)、子宮頚癌(例えば、多剤耐性ヒト子宮頚癌)、大腸癌、黒色種、卵巣癌又は白血病(特に、急性骨髄性白血病)を治療及び/又は予防する方法である。
【0405】
本発明の別の態様は、少なくとも1種類以上のさらなる活性成分と組み合わせて、本発明による一般式(I)で表される化合物を含んでいる、医薬組み合わせに関する。
【0406】
本明細書中において用いられる場合、用語「医薬組み合わせ」は、さらなる成分、担体、希釈剤及び/又は溶媒を伴うか又は伴わずに、活性成分としての、少なくとも1種類の別の活性成分と本発明による一般式(I)で表される少なくとも1種類の化合物の組み合わせを意味する。
【0407】
本発明の別の態様は、不活性で無毒性の製薬上適切な補助剤と組み合わせて、本発明による一般式(I)で表される化合物を含んでいる、医薬組成物に関する。
【0408】
本明細書中において用いられる場合、用語「医薬組成物」は、少なくとも1種類のさらなる成分、担体、希釈剤及び/又は溶媒と一緒にされた、少なくとも1種類の医薬的に活性な物質のガレヌス製剤を意味する。
【0409】
本発明の別の態様は、疾患(特に、上記で記載した疾患)を治療及び/又は予防するための、本発明による医薬組み合わせ及び/又は医薬組成物の使用に関する。
【0410】
式(I)で表される化合物は、単一の医薬品として投与することができるか、又は、1種類以上のさらなる治療剤と組み合わせて(ここで、該組み合わせは、許容できない有害作用を引き起こさない)投与することができる。この医薬組み合わせには、式(I)で表される化合物と1種類以上のさらなる治療剤を含有する単一の医薬投与製剤を投与すること、並びに、式(I)で表される化合物及びそれ自体の独立した医薬投与製剤に含まれたそれぞれのさらなる治療剤を投与することが包含される。例えば、式(I)で表される化合物と特定の治療剤を一緒に単一の経口投与組成物(例えば、錠剤又はカプセル)に含ませて患者に投与し得るか、又は、それぞれの薬剤を別々の投与製剤に含ませて投与することができる。
【0411】
別々の投与製剤を用いる場合、式(I)で表される化合物及び1種類以上のさらなる治療剤は、本質的に同じ時間に(例えば、同時に)投与することができるか、又は、別々に時間をずらして(例えば、順次に)投与することができる。
【0412】
特に、本発明の化合物は、別の抗腫瘍剤〔例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、植物由来抗腫瘍剤、ホルモン療法剤、トポイソメラーゼ阻害薬、カンプトテシン誘導体、キナーゼ阻害薬、標的化(targeted)薬物、抗体、インターフェロン及び/又は生物反応修飾物質、抗血管形成化合物、及び、別の抗腫瘍薬物〕との固定された組合せ又は分離した組み合わせにおいて使用することができる。これに関連して、下記は、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる二次的な薬剤の例の非限定的なリストである:
・ アルキル化剤、例えば、限定するものではないが、ナイトロジェンマスタードN‐オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド、アルトレタミン、アパジコン、ブロスタリシン、ベンダムスチン、カルムスチン、エストラムスチン、フォテムスチン、グルフォスファミド、マホスファミド、ベンダムスチン、及び、ミトラクトール; 白金配位アルキル化化合物、例えば、限定するものではないが、シスプラチン、カルボプラチン、エプタプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、及び、サトラプラチン;
・ 代謝拮抗剤、例えば、限定するものではないが、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル単独又はロイコボリンと組み合わされた5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、ゲムシタビン、フルダラビン(fludarabin)、5−アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、デシタビン(decitabine)、エフロルニチン、エチニルシチジン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、メルファラン、ネララビン、ノラトレキセド、オクホスフィト(ocfosfite)、ジナトリウムプレメトレキセド(disodium premetrexed)、ペントスタチン、ペリトレキソール(pelitrexol)、ラルチトレキセド、トリアピン、トリメトレキサート、ビダラビン、ビンクリスチン、及び、ビノレルビン;
・ ホルモン療法剤、例えば、限定するものではないが、エキセメスタン、ルプロン(Lupron)、アナストロゾール、ドキセルカルシフェロール、ファドロゾール、ホルメスタン、11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1阻害薬、17−α−ヒドロキシラーゼ/17,20−リアーゼ阻害薬、例えば、酢酸アビラテロン、5−α−レダクターゼ阻害薬、例えば、フィナステリド及びエプリステリド、抗エストロゲン、例えば、クエン酸タモキシフェン及びフルベストラント、トレルスター(Trelstar)、トレミフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、レトロゾール、抗アンドロゲン、例えば、ビカルタミド、フルタミド、ミフェプリストン、ニルタミド、カソデックス、及び、抗プロゲステロン、及び、それらの組み合わせ;
・ 植物由来抗腫瘍物質は、例えば、有糸分裂阻害薬から選択されるもの、例えば、エポチロン、例えば、サゴピロン(sagopilone)、イキサベピロン及びエポチロンB、ビンブラスチン、ビンフルニン、ドセタキセル、及び、パクリタキセル;
・ 細胞毒性トポイソメラーゼ阻害薬、例えば、限定するものではないが、アクラルビシン、ドキソルビシン、アモナファイド、ベロテカン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ジフロモテカン(diflomotecan)、イリノテカン、トポテカン、エドテカリン、エピムビシン(epimbicin)、エトポシド、エキサテカン、ジャイマテカン、ラルトテカン、ミトキサントロン、ピラムビシン(pirambicin)、ピキサントロン、ルビテカン(rubitecan)、ソブゾキサン、タフルポシド(tafluposide)、及び、それらの組み合わせ;
・ 免疫学的薬剤(immunologicals)、例えば、インターフェロン、例えば、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a及びインターフェロンγ−n1、及び、別免疫増強剤(immune enhancing agent)、例えば、L19−IL2及び別のIL2誘導体、フィルグラスチム、レンチナン、シゾフィラン、TheraCys、ウベニメクス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、BAM−002、ダカルバジン、ダクリズマブ、デニロイキン、ゲマツズマブ、オゾガマイシン、イブリツモマブ、イミキモド、レノグラスチム、レンチナン、黒色腫ワクチン(Corixa)、モルグラモスチム、サルグラモスチム、タソネルミン、テクロイキン(tecleukin)、チマラシン(thymalasin)、トシツモマブ、ビムリジン(Vimlizin)、エプラツズマブ、ミツモマブ、オレゴボマブ、ペムツモマブ(pemtumomab)、及び、プロベンジ(Provenge); メリアル(Merial)黒色腫ワクチン;
・ 生物反応修飾物質〔これは、生体の防御機構又は生物学的応答(例えば、組織細胞の生存、増殖又は分化)を調節して、それらに抗腫瘍活性を持たせる物質である〕、例えば、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、ProMune、及び、ウベニメクス;
・ 抗血管形成化合物、例えば、限定するものではないが、アシトレチン、アフリバーセプト、アンギオスタチン、アプリジン、アセンタール(asentar)、アキシチニブ、レセンチン(recentin)、ベバシズマブ、ブリバニブアラニナート(brivanib alaninat)、シレンジタイド、コンブレタスタチン、DAST、エンドスタチン、フェンレチニド、ハロフジノン、パゾパニブ、ラニビズマブ、レビマスタット、レモバブ、レブリミド、ソラフェニブ、バタラニブ、スクアラミン、スニチニブ、テラチニブ(telatinib)、サリドマイド、ウクライン、及び、ビタキシン(vitaxin);
・ 抗体、例えば、限定するものではないが、トラスツズマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、チシリムマブ、イピリムマブ(ipilimumab)、ルミリキシマブ、カツマキソマブ、アタシセプト、オレゴボマブ、及び、アレムツズマブ;
・ VEGF阻害薬、例えば、ソラフェニブ、DAST、ベバシズマブ、スニチニブ、レセンチン(recentin)、アキシチニブ、アフリバーセプト、テラチニブ(telatinib)、ブリバニブアラニナート、バタラニブ、パゾパニブ、及び、ラニビズマブ; パラディア(Palladia);
・ EGFR(HER1)阻害薬、例えば、セツキシマブ、パニツムマブ、ベクティビックス、ゲフィチニブ、エルロチニブ、及び、ザクティマ(Zactima);
・ HER2阻害薬、例えば、ラパチニブ、トラスツズマブ、及び、ペルツズマブ(pertuzumab);
・ mTOR 阻害薬、例えば、テムシロリムス、シロリムス/ラパマイシン、及び、エベロリムス;
・ c−Met 阻害薬;
・ PI3K及びAKT阻害薬;
・ CDK阻害薬、例えば、ロスコビチン、及び、フラボピリドール;
・ スピンドルアセンブリーチェックポイント阻害薬及び標的化(targeted)抗有糸分裂剤、例えば、PLK阻害薬、オーロラ(Aurora)阻害薬(例えば、ヘスペラジン(Hesperadin))、チェックポイントキナーゼ阻害薬、及び、KSP阻害薬;
・ HDAC阻害薬、例えば、パノビノスタット、ボリノスタット、MS275、ベリノスタット、及び、LBH589;
・ HSP90及びHSP70 阻害薬;
・ プロテアソーム阻害薬、例えば、ボルテゾミブ及びカーフィルゾミブ(carfilzomib);
・ セリン/トレオニンキナーゼ阻害薬、例えば、MEK阻害薬(例えば、RDEA119)、及び、Raf阻害薬、例えば、ソラフェニブ;
・ ファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬、例えば、チピファルニブ(tipifarnib);
・ チロシンキナーゼ阻害薬、例えば、ダサチニブ、ニロチニブ、DAST、ボスチニブ、ソラフェニブ、ベバシズマブ、スニチニブ、AZD2171、アキシチニブ、アフリバーセプト、テラチニブ(telatinib)、メシル酸イマチニブ、ブリバニブアラニナート、パゾパニブ、ラニビズマブ、バタラニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ベクティビックス、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ(pertuzumab)、及び、c−Kit阻害薬; パラディア(Palladia)、マシチニブ(masitinib);
・ ビタミンD受容体アゴニスト;
・ Bcl−2タンパク質阻害薬、例えば、オバトクラックス、オブリメルセンナトリウム、及び、ゴシポール;
・ 分化20受容体アンタゴニストのクラスター、例えば、リツキシマブ;
・ リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬、例えば、ゲムシタビン;
・ 腫瘍壊死アポトーシス誘導性リガンド受容体1アゴニスト、例えば、マパツムマブ;
・ 5−ヒドロキシトリプタミン受容体アンタゴニスト、例えば、rEV598、キサリプローデ(xaliprode)、パロノセトロン塩酸塩、グラニセトロン、ジンドール(Zindol)、及び、AB−1001;
・ インテグリン阻害薬、例えば、α5−β1インテグリン阻害薬、例えば、E7820、JSM6425、ボロシキシマブ、及び、エンドスタチン;
・ アンドロゲン受容体アンタゴニスト、例えば、ナンドロロンデカノエート、フルオキシメステロン、アンドロイド(Android)、プロストエイド、アンドロムスチン(andromustine)、ビカルタミド、フルタミド、アポ−シプロテロン、アポ−フルタミド、クロルマジノン酢酸エステル、アンドロクール(Androcur)、タビ(Tabi)、酢酸シプロテロン、及び、ニルタミド;
・ アロマターゼ阻害薬、例えば、アナストロゾール、レトロゾール、テストラクトン、エキセメスタン、アミノ−グルテチミド、及び、ホルメスタン;
・ マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害薬;
・ 別の抗癌剤、例えば、アリトレチノイン、アンプリゲン(ampligen)、アトラセンタン、ベキサロテン、ボルテゾミブ、ボセンタン、カルシトリオール、エクシスリンド、フォテムスチン、イバンドロン酸、ミルテホシン、ミトキサントロン、I−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペグアスパラガーゼ、ペントスタチン、タザロテン(tazaroten)、ベルケード、硝酸ガリウム、カンホスファミド、ダリナパルシン(darinaparsin)、及び、トレチノイン。
【0413】
本発明の化合物は、さらにまた、癌の治療において、放射線治療及び/又は外科的介入と組み合わせて用いることもできる。
【0414】
一般に、本発明の化合物又は組成物と組み合わせて細胞毒性剤及び/又は細胞増殖抑制剤を使用することは、以下の役立つ:
(1) いずれかの薬剤単独の投与と比較して、腫瘍の増殖を低減させることにおいて、より良好な効力をもたらすか、又は、腫瘍を排除さえする;
(2) 投与される化学療法剤のより少ない量の投与をもたらす;
(3) 単剤化学療法及び特定の別の併用療法で観察されるものと比較して、有害な薬理学的合併症がより少なく、患者が良好な耐容性を示す化学療法的治療提供する;
(4) 哺乳動物(特に、ヒト)における、より広範囲な様々な癌のタイプの治療を提供する;
(5) 治療される患者の間における応答率を高める;
(6) 標準的な化学療法的治療と比較して、治療される患者の間における生存期間を長くする;
(7) 腫瘍が進行するための時間を長くする;及び/又は、
(8) 別の癌剤の組み合わせが拮抗効果を生じる既知の例と比較して、単独で使用された剤のものと少なくとも同様に良好な効力及び耐容性をもたらす。
【0415】
さらに、式(I)で表される化合物は、それ自体で又は組成物中に含ませて、当該技術分野でよく知られている、研究及び診断において、又は、分析的な対照標準などとして、利用することができる。
【0416】
本発明による化合物は、全身的に及び/又は局所的に、作用し得る。この目的のために、それらは、適切な方法で、例えば、経口経路、非経口経路、経肺経路、経鼻経路、舌下経路、経舌経路、口腔経路、経直腸経路、皮膚経路、経皮経路、経結膜経路若しくは経耳経路などによって、又は、インプラント若しくはステントとして、投与することができる。
【0417】
これらの投与経路に関して、本発明による化合物は、適切な適用形態で投与することが可能である。
【0418】
経口投与に関して適しているものは、従来技術において記載されているように作用し且つ本発明による化合物を迅速に及び/又は修飾された形態で送達し、本発明による化合物を結晶質及び/又は非晶質及び/又は溶解された形態で含んでいる投与形態、例えば、錠剤(被覆錠剤又は非被覆錠剤、例えば、腸溶コーティングが施されている錠剤、又は、溶解が遅延されるか若しくは不溶性であって本発明による化合物の放出を制御するコーティングが施されている錠剤)、口腔内で迅速に分解する錠剤、又は、フィルム/ウエハー剤、フィルム/凍結乾燥物(lyophilizate)剤、カプセル剤(例えば、硬ゼラチンカプセル剤又は軟ゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、粉末剤、エマルション剤、懸濁液剤、エーロゾル剤又は溶液剤などである。
【0419】
非経口投与は、吸収段階を避けて(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、又は、腰椎内(intralumbally))実施し得るか、又は、吸収段階を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮、又は、腹腔内)実施し得る。非経口投与に適した投与形態は、とりわけ、溶液、懸濁液、エマルション、凍結乾燥物(lyophilizate)又は無菌粉末の形態における注射及び注入のための調製物である。
【0420】
その他の投与経路に適している例は、吸入のための医薬形態(とりわけ、粉末吸入器、噴霧器)、点鼻薬/溶液剤/スプレー剤;舌に、舌下に又は口腔内に投与される錠剤、フィルム/ウエハー剤又はカプセル剤、坐剤、眼又は耳のための調製物、膣カプセル剤、水性懸濁液剤(ローション、振盪(shaking)混合物)、親油性懸濁液剤、軟膏剤、クリーム剤、経皮治療システム(例えば、膏薬)、乳液剤、ペースト剤、泡剤、散布剤(dusting powder)、インプラント又はステントである。
【0421】
本発明による化合物は、記載されている投与形態に変換することができる。これは、自体公知の方法で、不活性で無毒性の製薬上適切な補助剤と混合させることによって実施し得る。これらの補助剤としては、とりわけ、以下のものを挙げることができる:担体(例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液状ポリエチレングリコール)、乳化剤及び分散剤又は湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成ポリマー及び天然ポリマー(例えば、アルブミン)、安定化剤(例えば、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸)、着色剤(例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄)、並びに、香味−及び/又は臭気−マスキング剤。
【0422】
本発明は、さらに、本発明による少なくとも1種類の化合物を、通常、1種類以上の不活性で無毒性の製薬上適切な補助剤と一緒に含んでいる医薬、及び、上記の目的のためのそれらの使用も提供する。
【0423】
本発明の化合物を医薬としてヒト又は動物に投与する場合、それらは、それ自体で投与し得るか、又は、医薬組成物として、例えば、0.1%〜99.5%(さらに好ましくは、0.5%〜90%)の活性成分を1種類以上の不活性で無毒性の製薬上適切な補助剤と組み合わせて含んでいる医薬組成物として、投与し得る。
【0424】
選択された投与経路にかかわらず、一般式(I)で表される本発明化合物及び/又は本発明の医薬組成物は、当業者には知られている慣習的な方法によって、製薬上許容される剤形へと製剤される。
【0425】
本発明の医薬組成物における活性成分の実際の投与量レベル及び投与の時間経過は、特定の患者に対して毒性を示すことなく所望の治療的応答を達成するために有効である活性成分の量が得られるように、変えることができる。
【0426】
材料及び方法:
以下の試験及び実施例における百分率のデータは、特に別途示されていない限り、重量百分率であり; 部は重量部である。液体/液体溶液の、溶媒比、希釈率及び濃度のデータは、いずれの場合にも、体積基準である。
【0427】
実施例は、選択された生物学的アッセイにおいて1回以上試験した。2回以上試験した場合、データは、平均値として、又は、中央値として、報告されており、ここで、
・ 平均値(これは、算術平均値とも称される)は、得られた値の和を試験の回数で除した値を表す;及び、
・ 中央値は、昇順又は降順で並べた場合の値の群の真ん中の数を表す。データセットにおける値の数が奇数である場合、中央値は真ん中の値である。データセットにおける値の数が偶数である場合、中央値は2つの真ん中の値の算術平均である。
【0428】
実施例は1回以上合成した。2回以上合成した場合、生物学的アッセイから得られたデータは、1以上の合成バッチの試験から得られたデータセットを用いて算出された平均値又は中央値を表す。
【0429】
該化合物のインビトロにおける薬理学的特性は、以下のアッセイ及び方法に従って決定することができる。
【0430】
1a. CDK9/CycT1キナーゼアッセイ:
本発明化合物のCDK9/CycT1阻害活性を、以下の段落に記載されているようなCDK9/CycT1 TR−FRETアッセイを用いて定量した:
昆虫細胞において発現させ、Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィーによって精製した、組み換え全長His−タグ付加(tagged)ヒトCDK9及びCycT1は、Invitrogen(カタログ番号 PV4131)から購入した。キナーゼ反応のための基質として、ビオチン化ペプチド「ビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG」(アミド形態にあるC−末端)を用いた。これは、例えば、JERINI Peptide Technologies社(Berlin、独国)から購入することができる。
【0431】
アッセイのために、DMSO中の被験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色低体積384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、Frickenhausen、独国)の中にピペットで量って入れ、水性アッセイバッファー[50mM トリス/HCl pH 8.0、10mM MgCl
2、1.0mM ジチオトレイトール、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]の中のCDK9/CycT1の溶液2μLを添加し、そして、キナーゼ反応の開始に先立って、その混合物を22℃で15分間インキュベートして被験化合物を酵素に前結合させた。次いで、アッセイバッファー中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM → 5μLのアッセイ体積中の最終濃度10μM)及び基質(1.67μM → 5μLのアッセイ体積中の最終濃度1μM)の溶液3μLを添加することによって該キナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を22℃で反応時間25分間インキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節して、該アッセイが線形範囲内に入るのに適合するように選択した。典型的濃度は、1μg/mLの範囲であった。水性EDTA溶液(100mM EDTA、100mM HEPES/NaOH(pH7.0)中の0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)の中のTR−FRET検出試薬(0.2μM ストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、Codolet、仏国]及びBD Pharmingen製の1nM 抗RB(pSer807/pSer811)抗体[# 558389]及び1.2nM LANCE EU−W1024標識化抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、生産番号AD0077])の溶液5μLを添加することによって、該反応を停止させた。
【0432】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、リン酸化ビオチン化ペプチドと検出試薬の複合体を形成させた。次いで、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動を測定することによって、リン酸化基質の量を評価した。従って、350nmでの励起後における620nm及び665nmでの蛍光発光を、HTRFリーダー〔例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies、Offenburg、独国)、又は、Viewlux(Perkin−Elmer)〕で測定した。665nmでの発光と622nmでの発光の比を、リン酸化基質の量についての尺度とした。データを正規化した(阻害薬無しにおける酵素反応=0%阻害、他の全てのアッセイ成分は有るが酵素無し=100%阻害)。通常、被験化合物は、同じマイクロタイタープレート上で、20μM〜0.1nMの範囲内にある11種類の異なった濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nM及び0.1nM; 1:3.4の連続希釈によって、DMSO中で100倍濃縮溶液のレベルにてアッセイする前に別々に調製された希釈系列)で、各濃度について二反復値で試験し、社内のソフトウェアを用いて、4パラメーターフィットによってIC
50値を算出した。
【0433】
1b. CDK9/CycT1高ATPキナーゼアッセイ:
酵素及び被験化合物をプレインキュベートした後の高ATP濃度における本発明化合物のCDK9/CycT1阻害活性を、以下の段落に記載されているようなCDK9/CycT1 TR−FRETアッセイを用いて定量した:
昆虫細胞において発現させ、Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィーによって精製した、組み換え全長His−タグ付加(tagged)ヒトCDK9及びCycT1は、Invitrogen(カタログ番号 PV4131)から購入した。キナーゼ反応のための基質として、ビオチン化ペプチド「ビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG」(アミド形態にあるC−末端)を用いた。これは、例えば、JERINI peptide technologies社(Berlin、独国)から購入することができる。
【0434】
アッセイのために、DMSO中の被験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色低体積384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、Frickenhausen、独国)の中にピペットで量って入れ、水性アッセイバッファー[50mM トリス/HCl pH 8.0、10mM MgCl
2、1.0mM ジチオトレイトール、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]の中のCDK9/CycT1の溶液2μLを添加し、そして、キナーゼ反応の開始に先立って、その混合物を22℃で15分間インキュベートして被験化合物を酵素に前結合させた。次いで、アッセイバッファー中のアデノシン三リン酸(ATP、3.3mM → 5μLのアッセイ体積中の最終濃度2mM)及び基質(1.67μM → 5μLのアッセイ体積中の最終濃度1μM)の溶液3μLを添加することによって該キナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を22℃で反応時間25分間インキュベートした。CDK9/CycT1の濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節して、該アッセイが線形範囲内に入るのに適合するように選択した。典型的濃度は、0.5μg/mLの範囲であった。水性EDTA溶液(100mM EDTA、100mM HEPES/NaOH(pH7.0)中の0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)の中のTR−FRET検出試薬(0.2μM ストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、Codolet、仏国]及びBD Pharmingen製の1nM 抗RB(pSer807/pSer811)抗体[# 558389]及び1.2nM LANCE EU−W1024標識化抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、生産番号AD0077])の溶液5μLを添加することによって、該反応を停止させた。
【0435】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、リン酸化ビオチン化ペプチドと検出試薬の複合体を形成させた。次いで、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動を測定することによって、リン酸化基質の量を評価した。従って、350nmでの励起後における620nm及び665nmでの蛍光発光を、HTRFリーダー〔例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies、Offenburg、独国)、又は、Viewlux(Perkin−Elmer)〕で測定した。665nmでの発光と622nmでの発光の比を、リン酸化基質の量についての尺度とした。データを正規化した(阻害薬無しにおける酵素反応=0%阻害、他の全てのアッセイ成分は有るが酵素無し=100%阻害)。通常、被験化合物は、同じマイクロタイタープレート上で、20μM〜0.1nMの範囲内にある11種類の異なった濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nM及び0.1nM; 1:3.4の連続希釈によって、DMSO中で100倍濃縮溶液のレベルにてアッセイする前に別々に調製された希釈系列)で、各濃度について二反復値で試験し、社内のソフトウェアを用いて、4パラメーターフィットによってIC
50値を算出した。
【0436】
2a. CDK2/CycEキナーゼアッセイ:
本発明の化合物のCDK2/CycE阻害活性は、以下の段落に記載されているようなCDK2/CycE TR−FRETアッセイを用いて定量した:
昆虫細胞(Sf9)において発現させ、グルタチオン−セファロースアフィニティークロマトグラフィーによって精製した、GSTとヒトCDK2の組み換え融合タンパク質及びGSTとヒトCycEの組み換え融合タンパク質は、ProQinase GmbH(Freiburg、独国)から購入した。キナーゼ反応のための基質として、ビオチン化ペプチド「ビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG」(アミド形態にあるC−末端)を用いた。これは、例えば、JERINI Peptide Technologies社(Berlin、独国)から購入することができる。
【0437】
アッセイのために、DMSO中の被験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色低体積384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、Frickenhausen、独国)の中にピペットで量って入れ、水性アッセイバッファー[50mM トリス/HCl pH 8.0、10mM MgCl
2、1.0mM ジチオトレイトール、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK2/CycEの溶液2μLを添加し、そして、キナーゼ反応の開始に先立って、その混合物を22℃で15分間インキュベートして被験化合物を酵素に前結合させた。次いで、アッセイバッファー中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM → 5μLのアッセイ体積中の最終濃度10μM)及び基質(1.25μM → 5μLのアッセイ体積中の最終濃度0.75μM)の溶液3μLを添加することによって該キナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を22℃で反応時間25分間インキュベートした。CDK2/CycEの濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節して、該アッセイが線形範囲内に入るのに適合するように選択した。典型的濃度は、130ng/mLの範囲であった。水性EDTA溶液(100mM EDTA、100mM HEPES/NaOH(pH7.0)中の0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)の中のTR−FRET検出試薬(0.2μM ストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、Codolet、仏国]及びBD Pharmingen製の1nM 抗RB(pSer807/pSer811)抗体[# 558389]及び1.2nM LANCE EU−W1024標識化抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、生産番号AD0077])の溶液5μLを添加することによって、該反応を停止させた。
【0438】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、リン酸化ビオチン化ペプチドと検出試薬の複合体を形成させた。次いで、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動を測定することによって、リン酸化基質の量を評価した。従って、350nmでの励起後における620nm及び665nmでの蛍光発光を、TR−FRETリーダー〔例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies、Offenburg、独国)、又は、Viewlux(Perkin−Elmer)〕で測定した。665nmでの発光と622nmでの発光の比を、リン酸化基質の量についての尺度とした。データを正規化した(阻害薬無しにおける酵素反応=0%阻害、他の全てのアッセイ成分は有るが酵素無し=100%阻害)。通常、被験化合物は、同じマイクロタイタープレート上で、20μM〜0.1nMの範囲内にある11種類の異なった濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nM及び0.1nM; 1:3.4の連続希釈によって、DMSO中で100倍濃縮溶液のレベルにてアッセイする前に別々に調製された希釈系列)で、各濃度について二反復値で試験し、社内のソフトウェアを用いて、4パラメーターフィットによってIC
50値を算出した。
【0439】
2b. CDK2/CycE高ATPキナーゼアッセイ:
2mMのアデノシン三リン酸(ATP)における本発明の化合物のCDK2/CycE阻害活性は、以下の段落に記載されているようなCDK2/CycE TR−FRET(TR−FRET=時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(Time Resolved Fluorescence Energy Transfer))アッセイを用いて定量した:
昆虫細胞(Sf9)において発現させ、グルタチオン−セファロースアフィニティークロマトグラフィーによって精製した、GSTとヒトCDK2の組み換え融合タンパク質及びGSTとヒトCycEの組み換え融合タンパク質は、ProQinase GmbH(Freiburg、独国)から購入した。キナーゼ反応のための基質として、ビオチン化ペプチド「ビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG」(アミド形態にあるC−末端)を用いた。これは、例えば、JERINI peptide technologies社(Berlin、独国)から購入することができる。
【0440】
アッセイのために、DMSO中の被験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色低体積384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One、Frickenhausen、独国)の中にピペットで量って入れ、水性アッセイバッファー[50mM トリス/HCl pH 8.0、10mM MgCl
2、1.0mM ジチオトレイトール、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、0.01%(v/v)Nonidet−P40(Sigma)]中のCDK2/CycEの溶液2μLを添加し、そして、キナーゼ反応の開始に先立って、その混合物を22℃で15分間インキュベートして被験化合物を酵素に前結合させた。次いで、アッセイバッファー中のATP(3.33mM → 5μLのアッセイ体積中の最終濃度2mM)及び基質(1.25μM → 5μLのアッセイ体積中の最終濃度0.75μM)の溶液3μLを添加することによって該キナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を22℃で反応時間25分間インキュベートした。CDK2/CycEの濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節して、該アッセイが線形範囲内に入るのに適合するように選択した。典型的濃度は、15ng/mLの範囲であった。水性EDTA溶液(100mM EDTA、100mM HEPES/NaOH(pH7.0)中の0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン)の中のTR−FRET検出試薬(0.2μM ストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays、Codolet、仏国]及びBD Pharmingen製の1nM 抗RB(pSer807/pSer811)抗体[# 558389]及び1.2nM LANCE EU−W1024標識化抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、生産番号AD0077;代替品として、Cisbio Bioassays製のテルビウム−クリプタート標識化坑マウスIgG抗体を使用することが可能である])の溶液5μLを添加することによって、該反応を停止させた。
【0441】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、リン酸化ビオチン化ペプチドと検出試薬の複合体を形成させた。次いで、Eu−キレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動を測定することによって、リン酸化基質の量を評価した。従って、350nmでの励起後における620nm及び665nmでの蛍光発光を、TR−FRETリーダー〔例えば、Rubystar(BMG Labtechnologies、Offenburg、独国)、又は、Viewlux(Perkin−Elmer)〕で測定した。665nmでの発光と622nmでの発光の比を、リン酸化基質の量についての尺度とした。データを正規化した(阻害薬無しにおける酵素反応=0%阻害、他の全てのアッセイ成分は有るが酵素無し=100%阻害)。通常、被験化合物は、同じマイクロタイタープレート上で、20μM〜0.1nMの範囲内にある11種類の異なった濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nM及び0.1nM; 1:3.4の連続希釈によって、DMSO中で100倍濃縮溶液のレベルにてアッセイする前に別々に調製された希釈系列)で、各濃度について二反復値で試験し、社内のソフトウェアを用いて、4パラメーターフィットによってIC
50値を算出した。
【0442】
3. 増殖アッセイ:
培養された腫瘍細胞(HeLa、ヒト子宮頚部腫瘍細胞、ATCC CCL−2; NCI−H460、ヒト非小細胞肺癌細胞、ATCC HTB−177; A2780、ヒト卵巣癌細胞、ECACC # 93112519;DU145、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞、ATCC HTB−81; HeLa−MaTu−ADR、多剤耐性ヒト子宮頚癌細胞、EPO−GmbH、Berlin; Caco−2 ヒト大腸癌細胞、ATCC HTB−37; B16F10 マウス黒色腫細胞、ATCC CRL−6475)を、96−ウェルマルチタイタープレート中の10%ウシ胎児血清を補足したそれらのそれぞれの増殖培地200μLに、5000細胞/ウェル(DU145、HeLa−MaTu−ADR)、3000細胞/ウェル(NCI−H460、HeLa)、2500細胞/ウェル(A2780)、1500細胞/ウェル(Caco−2)又は1000細胞/ウェル(B16F10)の密度で播種した。24時間経過した後、1つのプレート(ゼロ点プレート)の細胞をクリスタル・バイオレット(以下参照)で染色し、その他のプレートの培地を新鮮な培養培地(200μL)で置き換え、それに、被験物質を様々な濃度(0μM、及び、0.001−10μMの範囲;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は、0.5%であった)で添加した。該細胞を被験物質の存在下で4日間インキュベートした。細胞をクリスタル・バイオレットで染色することによって、細胞増殖を測定した:20μL/測定点の11%グルタル・アルデヒド溶液を室温で15分間添加することによって、細胞を固定した。固定した細胞を水による3回の洗浄サイクルに付した後、プレートを室温で乾燥させた。100μL/測定点の0.1%クリスタル・バイオレット溶液(pH3.0)を添加することによって、細胞を染色した。染色した細胞を水による3回の洗浄サイクルに付した後、プレートを室温で乾燥させた。100μL/測定点の10%酢酸溶液を添加することによって、染料を溶解させた。595nmの波長で測光することによって吸光度を測定した。ゼロ点プレートの吸光度値(=0%)及び無処理(0μM)細胞の吸光度(=100%)に対して測定値を正規化することによって、細胞数の変化(%)を算出した。4パラメーターフィットを用いて、IC
50値(最大効果の50%における阻害濃度)を決定した。
【0443】
96−ウェルマルチタイタープレート中の10%ウシ胎児血清を補足した100μLの増殖培地に、非接着性MOLM−13ヒト急性骨髄性白血病細胞(DSMZ ACC 554)を5000細胞/ウェルの密度で播種した。24時間経過した後、1つのプレート(ゼロ点プレート)の細胞の生存を、Cell Titre−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて測定し、その他のプレートのウェルには、50μLの被験化合物を含んでいる培地を添加した(最終濃度 0.001−10μMの範囲、及び、DMSO対照;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は、0.5%であった)。Cell Titre−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)に72時間晒したあとで、細胞の生存について評価した。ビヒクル(DMSO)で処理された細胞(=100%)及び化合物に晒す直前に得られた測定値(=0%)に対して正規化された測定データに対して4パラメーターフィットを用いて、IC
50値(最大効果の50%における阻害濃度)を決定した。
【0444】
4. 平衡振盪フラスコ溶解性アッセイ:
(4a) 水中における熱力学的溶解性
水中における化合物の熱力学的溶解性を、平衡振盪フラスコ法(例えば、以下のものを参照されたい: E.H. Kerns, L. Di: Drug−like Properties: Concepts, Structure Design and Methods, 276−286, Burlington, MA, Academic Press, 2008)で測定した。薬物の飽和溶液を調製し、その溶液を24時間混合して、平衡に達することを確実にした。その溶液を遠心分離に付して、不溶性画分を除去し、溶解している当該化合物の濃度を、標準検量曲線を用いて決定した。サンプルを調製するために、2mgの固体化合物を計量して4mL容ガラス製バイアルの中に入れた。1mLのリン酸緩衝液(pH6.5)を添加した。その懸濁液を室温で24時間撹拌した。その後、その溶液を遠心分離に付した。標準校正用のサンプルを調製するために、2mgの固体サンプルを30mLのアセトニトリルに溶解させた。超音波処理に付した後、その溶液を水で希釈して50mLとした。サンプル及び標準を、UV−検出器を備えたHPLCによって定量した。各サンプルに対して、2種類の注入体積(5μL及び50μL)を3反復で作成した。3種類の注入体積(5μL、10μL及び20μL)を標準のために作成した。
【0445】
クロマトグラフィー条件:
HPLCカラム: Xterra MS C18 2.5μm 4.6×30mm
注入体積: サンプル: 3×5μL、及び、3×50μL
標準: 5μL、10μL、20μL
流量: 1.5mL/分
移動相: 酸性勾配:
A: 水/0.01%TFA
B: アセトニトリル/0.01%TFA
0分 → 95%A 5%B
0−3分 → 35%A 65%B、直線勾配
3−5分 → 35%A 65%B、定組成
5−6分 → 95%A 5%B、定組成
UV検出器: 吸収極大付近の波長(200nmと400nmの間)。
【0446】
サンプル注入の面積及び標準注入の面積、並びに、溶解度値(mg/L)の計算は、HPLCソフトウェア(Waters Empower 2 FR)を用いて測定した。
【0447】
(4b) クエン酸緩衝液(pH4)中における熱力学的溶解性
熱力学的溶解性を、平衡振盪フラスコ法[文献: Edward H. Kerns and Li Di (2008) Solubility Methods in: Drug−like Properties: Concepts, Structure Design and Methods, p276−286. Burlington, MA:Academic Press]で測定した。薬物の飽和溶液を調製し、その溶液を24時間混合して、平衡に達することを確実にした。その溶液を遠心分離に付して、不溶性画分を除去し、溶液中の当該化合物の濃度を、標準検量曲線を用いて決定した。サンプルを調製するために、1.5mgの固体化合物を計量して4mL容ガラス製バイアルの中に入れた。1mLのクエン酸緩衝液(pH4)を添加した。その懸濁液を撹拌機の上に置き、室温で24時間混合させた。その後、その溶液を遠心分離に付した。標準校正用のサンプルを調製するために、0.6mgの固体サンプルを19mLのアセトニトリル/水(1:1)に溶解させた。超音波処理に付した後、その溶液にアセトニトリル/水を加えて20mLとした。サンプル及び標準を、UV−検出器を備えたHPLCによって定量した。各サンプルに対して、2種類の注入体積(5μL及び50μL)を3反復で作成した。3種類の注入体積(5μL、10μL及び20μL)を標準のために作成した。
【0448】
薬品:
クエン酸緩衝液(pH4)(MERCK Art. 109435; 11,768gのクエン酸と4,480gの水酸化ナトリウムと1,604gの塩化水素で構成されている1Lの緩衝液)
クロマトグラフィー条件は以下のとおりであった:
HPLCカラム: Xterra MS C18 2.5μm 4.6×30mm
注入体積: サンプル: 3×5μL、及び、3×50μL
標準: 5μL、10μL、20μL
流量: 1.5mL/分
移動相: 酸性勾配:
A: 水/0.01%TFA
B: アセトニトリル/0.01%TFA
0分 95%A 5%B
0−3分 35%A 65%B、直線勾配
3−5分 35%A 65%B、定組成
5−6分 95%A 5%B、定組成
UV検出器: 吸収極大付近の波長(200nmと400nmの間)。
【0449】
サンプル注入の面積及び標準注入の面積、並びに、溶解度値(mg/L)の計算は、HPLCソフトウェア(Waters Empower 2 FR)を用いて測定した。
【0450】
サンプル注入の面積及び標準注入の面積、並びに、溶解度値(mg/L)の計算は、HPLCソフトウェア(Waters Empower 2 FR)を用いて測定した。
【0451】
5. Caco−2透過アッセイ:
24ウェルインサートプレート(孔径0.4μm)に、1つのウェル当たり4.5×10
4細胞の密度で、Caco−2細胞(購入元:DSMZ Braunschweig、独国)を播種し、10%ウシ胎児血清、1% GlutaMAX(100x、GIBCO)、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン(GIBCO)及び1% 非必須アミノ酸(100×)を補足したDMEM培地の中で15日間増殖させた。細胞は、湿った5% CO
2雰囲気の中で、37℃に維持した。2〜3日毎に、培地を交換した。透過アッセイを実施する前に、該培養培地をFCS非含有hepes−カルボナートトランスポートバッファー(pH7.2)で置き換えた。単層の完全性を評価するために、経上皮電気抵抗(TEER)を測定した。被験化合物をDMSOに前溶解させ、トランスポートバッファー中の最終濃度2μMで頂端区画又は基底外側区画のいずれかに添加した。37℃で2時間インキュベートする前とインキュベートした後で、両方の区画からサンプルを採取した。メタノールを用いて沈澱させた後、LC/MS/MS分析によって、化合物含有量を分析した。頂端から基底外側(A→B)の方向と基底外側から頂端(B→A)の方向における透過性(P
app)を算出した。見かけの透過性は、下記式を用いて計算した:
P
app=(Vr/Po)(1/S)(P2/t)
ここで、Vrは、レシーバーチャンバー内の培地の体積であり、Poは、t=0におけるドナーチャンバー内の被験薬物の測定されたピーク面積又はピーク高さであり、Sは、該単層の表面積であり、P2は、2時間インキュベートした後のアクセプターチャンバー内の被験薬物の測定されたピーク面積であり、tは、インキュベーション時間である。基底外側(B)から頂端(A)への流出比は、「P
appB−A」を「P
appA−B」で除することによって算出した。さらに、該化合物の回収率を計算した。以下の参照化合物を、透過性を示すクラスの分類のために使用した:アンチピリン、ピラゾシン、ベラパミル、フルバスタチン、シメチジン、ラニチジン、アテノール、スルファサラジン。
【0452】
6. 炭酸脱水酵素アッセイ
アッセイの原理は、炭酸脱水酵素による4−ニトロフェニルアセテートの加水分解(Pocker & Stone, Biochemistry, 1967, 6, 668)及びそれに続く96−チャンネル分光光度計を用いた染料生成物4−ニトロフェノラートの400nmにおける光度定量に基づいている。
【0453】
0.03〜10μmol/L(最終)の濃度範囲にあるDMSO(100倍終濃度)中に溶解させた2μLの被験化合物を、4反復で、96−穴マイクロタイタープレートのウェルにピペットで量って入れた。溶媒を含んでいるが被験化合物は含んでいないウェルを参照値として用いた(1.基質の非酵素加水分解を補正するための、炭酸脱水酵素を含んでいないウェル、及び、2.阻害されていない酵素の活性を測定するための、炭酸脱水酵素を含んでいるウェル)。
【0454】
炭酸脱水酵素−1阻害を測定するための、3単位/ウェルの炭酸脱水酵素−1[=ヒト炭酸脱水酵素−1(Sigma、#C4396)]を含んでいるか又は含んでいない188μLのアッセイバッファー(10mmol/Lのトリス/HCl、pH7.4、80mmol/LのNaCl)、又は、炭酸脱水酵素−2阻害を測定するための、3単位/ウェルの炭酸脱水酵素−2[=ヒト炭酸脱水酵素−2(Sigma、#C6165)]含んでいるか又は含んでいない188μLのアッセイバッファー(10mmol/Lのトリス/HCl、pH7.4、80mmol/LのNaCl)を、マイクロタイタープレートのウェルの中にピペットで量って入れた。10μLの基質溶液(無水アセトニトリルに溶解させた1mmol/Lの4−ニトロフェニルアセテート(Fluka #4602))を添加することによって、酵素反応を開始させた(最終基質濃度: 50μmol/L)。該プレートを室温で15分間インキュベートした。400nmの波長での測光によって、吸収を測定した。酵素を含んでいないウェルにおける反応の吸収(=100%阻害)及び阻害されていない酵素を含んでいるウェルにおける反応の吸収(=0%阻害)に対して測定値を正規化した後で、酵素阻害を算出した。社内のソフトウェアを使用して、4パラメーターフィットを用いてIC
50値を決定した。
【実施例】
【0455】
調製実施例
化合物の合成
本発明による式(I)で表されるN−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体の合成は、好ましくは、スキーム1〜スキーム4に示されている一般的な合成順序に従って実施する。
【0456】
目標化合物を合成するために、下記に記載されている当該合成経路に加えて、有機合成の当業者の一般的な知識に従って別の合成経路を使用することもできる。従って、下記スキームにおいて例示されている変換の順番は、限定的なものであるとは意図されていおらず、さまざまなスキームの適切な合成段階を組合せて、さらなる合成順序を形成することができる。さらに、置換基R
1、R
2、R
3、R
4及び/又はR
5のいずれの場合にも、その相互変換は、当該例示されている変換の前及び/又は後で、実施することができる。これらの変更は、例えば、保護基の導入、保護基の切断、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、金属が触媒するカップリング反応、置換又は当業者に知られている別の反応などであり得る。これらの変換は、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能性を導入する変換を包含する。適切な保護基とそれらの導入及び切断については、当業者にはよく知られている(例えば、「T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley 1999」を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。さらに、当業者にはよく知られているように、2つ以上の連続する段階を、その連続する段階の間で後処理を実施することなく、実施することが可能である(例えば、「ワンポット」反応)。
【0457】
該スルホキシイミン部分の幾何学的配置は、一般式(I)で表される化合物をキラルにする。ラセミ体スルホキシイミンのそれらのエナンチオマーへの分離は、当業者には知られている方法によって、好ましくは、キラル固定相における分取HPLCを用いて、実施することができる。
【0458】
スキーム1は、一般式(I)で表される化合物への好ましい合成アプローチについて例証している。第1段階において、4,6−ジクロロピリミジン(CAS No.:1193−21−1;1)を式(2)で表されるボロン酸誘導体R
2−B(OR)
2〔ここで、R
2は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕と反応させて、式(3)で表される化合物を生成させる。該ボロン酸誘導体(2)は、ボロン酸(R=−H)であり得るか、又は、ボロン酸のエステル、例えば、ボロン酸のイソプロピルエステル(R=−CH(CH
3)
2)、好ましくは、ピナコールから誘導されるエステル〔ここで、該ボロン酸中間体は、2−アリール−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(R−R=−C(CH
3)
2−C(CH
3)
2−)を形成する〕であり得る。
【0459】
スキーム1
【化31】
【0460】
該カップリング反応は、パラジウム触媒によって、例えば、Pd(0)触媒〔例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd
2(dba)
3]〕によって、又は、Pd(II)触媒〔例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPh
3)
2Cl
2]、酢酸パラジウム(II)とトリフェニルホスフィン〕によって、又は、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドによって、触媒される。
【0461】
該反応は、好ましくは、塩基(例えば、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)の存在下、溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、DME、THF又はイソプロパノール)と水の混合物の中で実施する(概説:「D.G. Hall, Boronic Acids, 2005 WILEY−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 3−527−30991−8」及びその中で引用されている参照文献)。
【0462】
該反応は、室温(即ち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲内の温度で実施する。さらに、該反応は、圧力管及びマイクロ波オーブンを使用して、該沸点よりも高い温度で実施することも可能である。該反応は、好ましくは、1〜36時間の反応時間が経過した後、完了させる。
【0463】
第2段階において、式(3)〔式中、R
2は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表される化合物を、式(4)〔式中、R
1、R
3及びR
4は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表される適切なピリジン−2−アミンと反応させて、式(5)で表される化合物を生成させる。このカップリング反応は、パラジウムが触媒するC−Nクロスカップリング反応によって実施することができる(C−Nクロスカップリング反応に対する概説に関しては、例えば、以下のものを参照されたい:(a)L. Jiang, S.L. Buchwald in “Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions”, 2
nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH:Weinheim, Germany, 2004)。
【0464】
本明細書中に記載されているように、ジオキサン中で、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)及び炭酸セシウムを使用するのが好ましい。該反応は、好ましくは、マイクロ波オーブン又は油浴の中で、アルゴン雰囲気下、100℃で、3〜48時間実施する。
【0465】
式(4)で表されるピリジン−2−アミンは、場合によっては市販されており、又は、当業者には知られている方法によって、例えば、対応する4−ヒドロキシメチルピリジン−2−アミンの中に含まれているヒドロキシ基を適切な脱離基(例えば、クロロ又はブロモ)に変換し、その後、一般式(10)で表されるチオールを用いた求核置換反応に付すことによって、対応する4−ヒドロキシメチルピリジン−2−アミンから調製することができる。必用な場合には、該4−ヒドロキシメチルピリジン−2−アミンの中に存在しているアミノ基を、適切な保護基で保護することができる。類似した物質の中に存在しているアミノ基のための保護基及び並びにそれらを導入する方法及び除去する方法は、当業者にはよく知られている。例えば、「T.W. Greene and P.G.M. Wuts in: Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley(1999)」を参照されたい。
【0466】
第3段階において、式(5)で表される化合物をイミン化することにより、式(6)で表される対応するスルフィルイミンが得られる(例えば、以下のものを参照されたい:(a)C. Bolm et al, Organic Letters, 2004, 6, 1305;(b)J. Kruger et al, WO 2012/038411)。該イミン化は、溶媒としての環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン及びジオキサン又はそれらの混合物)の中で、tert−ブタノールのアルカリ塩(例えば、ナトリウムtert−ブトキシド)の存在下、式(5)で表される化合物をトリフルオロアセトアミド及び適切な酸化剤(例えば、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン)と反応させることによって実施する。
【0467】
式(6)で表されるスルフィルイミンを酸化し、その後、トリフルオロアセチル基を脱保護することによって、式(I)で表されるN−非保護スルホキシイミンが得られる(例えば、以下のものを参照されたい:(a)A. Plant et al, WO 2006/037945;(b)J. Kruger et al, WO 2012/038411)。そのような酸化は、溶媒としての式[C
1−C
2−C(O)−C
1−C
2−アルキル]で表される脂肪族ケトン(例えば、アセトン)の中で、式(6)で表される化合物を過マンガン酸のアルカリ塩(例えば、過マンガン酸カリウム)と反応させることによって実施する。式(6)で表される化合物の中に存在しているトリフルオロアセチル基が上記酸化プロセスに際して切断されなかった場合には、その得られた中間体を適切なアルコール(例えば、脂肪族アルコール[C
1−C
6−アルキル−OH]、好ましくは、メタノール)の中で、適切な塩基(例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、好ましくは、炭酸カリウム)で処理することによって該トリフルオロアセチル基を除去することができる。
【0468】
該酸化は、さらにまた、好ましくは、当該反応混合物のpHを水酸化カリウム水溶液で制御しながら、適切な溶媒混合物(例えば、メタノール/水、及び、必用に応じて、付加的なDMF)の中で、式(6)で表される化合物をペルオキソ一硫酸系酸化剤〔例えば、Oxone(登録商標)(CAS No.37222−66−5)〕と反応させて、式(I)(R
5=H)で表されるN−非保護スルホキシイミンを生成させることによっても実施する。
【0469】
式(4)で表されるピリジン−2−アミンは、場合によっては市販されており、又は、当業者には知られている方法によって、例えば、対応する4−ヒドロキシメチルピリジン−2−アミンの中に含まれているヒドロキシ基を適切な脱離基(例えば、クロロ又はブロモ)に変換し、その後、一般式[R
1−SH]〔式中、R
1は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表されるチオールを用いた求核置換反応に付すことによって、対応する4−ヒドロキシメチルピリジン−2−アミンから調製することができる。必用な場合には、該4−ヒドロキシメチルピリジン−2−アミンの中に存在しているアミノ基を、適切な保護基で保護することができる。類似した物質の中に存在しているアミノ基のための保護基及び並びにそれらを導入する方法及び除去する方法は、当業者にはよく知られている。例えば、「T.W. Greene and P.G.M. Wuts in: Protective Groups in Organic Synthesis, 3
rd edition, Wiley(1999)」を参照されたい。
【0470】
式[R
1−SH]で表されるチオールは、当業者には知られており、そして、相当の種類が市販されている。
【0471】
式(I)で表されるN−非保護スルホキシイミンを反応させて、式(I)で表されるN−官能基化誘導体を生成させることができる。該スルホキシイミン基の窒素を官能基化することによってN−官能基化スルホキシイミンを調製するための多くの方法が存在している:
・ アルキル化: 例えば、以下のものを参照されたい:(a)U. Lucking et al, US 2007/0232632;(b)C.R. Johnson, J. Org. Chem. 1993, 58, 1922;(c)C. Bolm et al, Synthesis 2009, 10, 1601;
・ アシル化: 例えば、以下のものを参照されたい:(a)C. Bolm et al, Chem. Europ. J. 2004, 10, 2942;(b)C. Bolm et al, Synthesis 2002, 7, 879;(c)C. Bolm et al, Chem. Europ. J. 2001, 7, 1118;
・ アリール化: 例えば、以下のものを参照されたい:(a)C. Bolm et al, Tet. Lett. 1998, 39, 5731;(b)C. Bolm et al., J. Org. Chem. 2000, 65, 169;(c)C. Bolm et al, Synthesis 2000, 7, 911;(d)C. Bolm et al, J. Org. Chem. 2005, 70, 2346;(e)U. Lucking et al, WO2007/71455;
・ イソシアネート類との反応: 例えば、以下のものを参照されたい:(a)V.J. Bauer et al, J. Org. Chem. 1966, 31, 3440;(b)C. R. Johnson et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 6594;(c)S. Allenmark et al, Acta Chem. Scand. Ser. B 1983, 325;(d)U. Lucking et al, US2007/0191393;
・ スルホニルクロリド類との反応: 例えば、以下のものを参照されたい:(a)D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 7369;(b)C.R. Johnson et al, J. Org. Chem. 1978, 43, 4136;(c)A.C. Barnes, J. Med. Chem. 1979, 22, 418;(d)D. Craig et al, Tet. 1995, 51, 6071;(e)U. Lucking et al, US2007/191393;
・ クロロホルミエート類との反応: 例えば、以下のものを参照されたい:(a)P.B. Kirby et al, DE2129678;(b)D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1974, 96, 2183;(c)P. Stoss et al, Chem. Ber. 1978, 111, 1453;(d)U. Lucking et al, WO2005/37800;
・ ブロモシアンとの反応: 例えば、以下のものを参照されたい:(a)D.T. Sauer et al, Inorganic Chemistry 1972, 11, 238;(b)C. Bolm et al, Org. Lett. 2007, 9, 2951;(c)U. Lucking et al, WO 2011/29537。
【0472】
本発明によるN−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体への代替的な合成アプローチが、スキーム2に記載されている。
【0473】
スキーム2
【化32】
【0474】
第1段階において、式(3)〔式中、R
2は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表される化合物を式(7)〔式中、R
3及びR
4は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表される適切なピリジン−2−アミンと反応させて、式(8)で表される化合物を生成させる。このカップリング反応は、パラジウムが触媒するC−Nクロスカップリング反応によって実施することができる(C−Nクロスカップリング反応に対する概説に関しては、例えば、以下のものを参照されたい:(a)L. Jiang, S.L. Buchwald in “Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions”, 2
nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH:Weinheim, Germany, 2004)。本明細書中に記載されているように、ジオキサン中で、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)及び炭酸セシウムを使用するのが好ましい。該反応は、好ましくは、マイクロ波オーブン又は油浴の中で、アルゴン雰囲気下、100℃で、3〜48時間実施する。式(7)で表されるピリジン−2−アミンは、場合によっては市販されており、又は、当業者には知られている方法によって、例えば、対応するカルボン酸又はそのエステルを還元することによって、調製することができる。
【0475】
第2段階において、式(8)〔式中、R
2、R
3及びR
4は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表される化合物を式(9)〔式中、R
2、R
3及びR
4は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりであり、並びに、LGは、脱離基(好ましくは、クロロ又はブロモ)を表す〕で表される化合物に変換する。本明細書中に記載されているように、それぞれのクロロメチルピリジン(LG=Cl)を形成させるために、NMP又はDMF及びDCMの中で、塩化チオニルを使用するのが好ましい。それぞれのブロモメチルピリジン(LG=Br)を形成させることに関する実現性は、DCMの中でテトラブロモメタン及びトリフェニルホスファンを使用することである(例えば、以下のものを参照されたい:Polla et al, Bioorganic and Medicinal Chemistry, 2004, 12, 1151)。
【0476】
第3段階において、式(9)で表される化合物を、塩基性条件下で、式(10)〔式中、R
1は、式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表される適切なチオールと反応させることによって、式(5)〔式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表されるチオエーテルに変換して、式(5)で表される対応するチオエーテルを生成させる(例えば、以下のものを参照されたい:Sammond et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 3519)。式(10)で表されるチオールは、当業者には知られており、そして、相当の種類が市販されている。
【0477】
最終段階において、式(5)で表されるチオエーテルを、スキーム1に記載されているのと同様にして、式(I)で表される対応するスルホキシイミンに変換する。
【0478】
本発明によるN−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体への代替的な別の合成アプローチが、スキーム3に記載されている。
【0479】
スキーム3
【化33】
【0480】
第1段階において、6−クロロピリミジン−4−アミン(CAS No.:5305−59−9;11)を式(2)で表されるボロン酸誘導体R
2−B(OR)
2〔ここで、R
2は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕と反応させて、式(12)で表される化合物を生成させる。該ボロン酸誘導体(2)は、ボロン酸(R=−H)であり得るか、又は、ボロン酸のエステル、例えば、ボロン酸のイソプロピルエステル(R=−CH(CH
3)
2)、好ましくは、ピナコールから誘導されるエステル〔ここで、該ボロン酸中間体は、2−アリール−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(R−R=−C(CH
3)
2−C(CH
3)
2−)を形成する〕であり得る。
【0481】
該カップリング反応は、パラジウム触媒によって、例えば、Pd(0)触媒〔例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd
2(dba)
3]〕によって、又は、Pd(II)触媒〔例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)[Pd(PPh
3)
2Cl
2]、酢酸パラジウム(II)とトリフェニルホスフィン〕によって、又は、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドによって、触媒される。
【0482】
該反応は、好ましくは、塩基(例えば、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)の存在下、溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、DMF、DME、THF又はイソプロパノール)と水の混合物の中で実施する(概説:「D.G. Hall, Boronic Acids, 2005 WILEY−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 3−527−30991−8」及びその中で引用されている参照文献)。
【0483】
該反応は、室温(即ち、約20℃)から個々の溶媒の沸点までの範囲内の温度で実施する。さらに、該反応は、圧力管及びマイクロ波オーブンを使用して、該沸点よりも高い温度で実施することも可能である。該反応は、好ましくは、1〜36時間の反応時間が経過した後、完了させる。
【0484】
第2段階において、式(12)〔式中、R
2は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表される化合物を、式(13)〔式中、R
1、R
3及びR
4は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりであり、LGは、脱離基(例えば、クロロ又はブロモ)を表す〕で表される適切なピリジンと反応させて、式(8)で表される化合物を生成させる。このカップリング反応は、パラジウムが触媒するC−Nクロスカップリング反応によって実施することができる(C−Nクロスカップリング反応に対する概説に関しては、例えば、以下のものを参照されたい:(a)L. Jiang, S.L. Buchwald in “Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions”, 2
nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.: Wiley−VCH:Weinheim, Germany, 2004)。
【0485】
本明細書中に記載されているように、ジオキサン中で、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)及び炭酸セシウムを使用するのが好ましい。該反応は、好ましくは、マイクロ波オーブン又は油浴の中で、アルゴン雰囲気下、100℃で、3〜48時間実施する。
【0486】
次の段階において、式(8)で表されるベンジル型アルコールを、スキーム2に記載されているのと同様にして、最初に、式(5)で表される対応するチオエーテルに変換し、次いで、スキーム1に記載されているのと同様にして、式(I)で表される対応するスルホキシイミンに変換する。
【0487】
式(13)で表されるピリジン誘導体は、当業者には知られており、そして、相当の種類が市販されている。
【0488】
本発明による式(I)で表されるN−(ピリジン−2−イル)ピリミジン−4−アミン誘導体への代替的な別の合成アプローチが、スキーム4に記載されている。
【0489】
スキーム4
【化34】
【0490】
式(12)で表される化合物を式(14)〔式中、R
1、R
3及びR
4は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりであり、並びに、LGは、脱離基(好ましくは、クロロ)を表す〕で表される適切なピリジン誘導体と反応させて、式(5)で表される化合物を生成させる。このカップリング反応は、パラジウムが触媒するC−Nクロスカップリング反応によって実施することができる(C−Nクロスカップリング反応に対する概説に関しては、例えば、以下のものを参照されたい:(a)L. Jiang, S.L. Buchwald in “Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions”, 2
nd ed.: A. de Meijere, F. Diederich, Eds.:Wiley−VCH:Weinheim, Germany, 2004)。
【0491】
本明細書中に記載されているように、トルエンとNMPの中で、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加体、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル及びリン酸カリウムを使用するのが好ましい。該反応は、好ましくは、マイクロ波オーブン又は油浴の中で、アルゴン雰囲気下、100〜130℃で2〜24時間実施する。
【0492】
最終段階において、式(5)で表されるチオエーテルを、スキーム1に記載されているのと同様にして、式(I)で表される対応するスルホキシイミンに変換する。
【0493】
式(14)で表されるピリジン誘導体は、当業者には知られている方法によって、例えば、式(4)で表されるピリジンアミンに関して上記で記載されている方法と同様の方法で、及び、スキーム2における式(9)で表される中間体の式(5)で表されるチオエーテルへの変換に関して上記で記載されている方法と同様の方法で、式(10)〔式中、R
1は、一般式(I)で表される化合物に関して定義されているとおりである〕で表されるチオールを用いて、ハロメチル基を式(14)で表される化合物の中に存在しているチオエーテルに変換することによって、調製することができる。該ハロメチルピリジン前駆物質は、当業者には知られており、そして、場合によっては、市販されている。
【0494】
化合物の調製:
化学に関連する記述及び下記実施例において使用されている略語は、以下のとおりである:
br(広幅線);CDCl
3(重水素化クロロホルム);cHex(シクロヘキサン);d(二重線);DCM(ジクロロメタン);DIPEA(ジ−イソ−プロピルエチルアミン);DME(1,2−ジメトキシエタン)、DMF(ジメチルホルムアミド);DMSO(ジメチルスルホキシド);eq(当量);ES(エレクトロスプレー);EtOAc(酢酸エチル);EtOH(エタノール);iPrOH(イソ−プロパノール);mCPBA(メタ−クロロペルオキシ安息香酸)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール);MS(質量分析);NBS(N−ブロモスクシンイミド)、NMP(N−メチル−ピロリドン−2−オン);NMR(核磁気共鳴);Oxone(登録商標)(三重塩 2KHSO
5*KHSO
4*K
2SO
4);p(五重線(pentet));Pd(dppf)Cl
2([1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンの錯体);iPrOH(イソ−プロパノール);q(四重線);RT(室温);s(一重線);sat.aq.(飽和水性);SiO
2(シリカゲル);TFA(トリフルオロ酢酸);TFAA(トリフルオロ酢酸無水物)、THF(テトラヒドロフラン);tr(三重線);trd(二重線の三重線)。
【0495】
実施例のIUPAC名は、ACD LABSから入手したプログラム「ACD/Name batch version 12.01」を用いて作製した。
【0496】
実施例1:
(rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン
【化35】
【0497】
中間体(1.1)の調製:
4−クロロ−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン
【化36】
【0498】
アルゴン雰囲気下、炭酸カリウム2M水溶液(50mL)と1,2−ジメトキシエタン(101mL)の中の4,6−ジクロロピリミジン(5.00g;33.56mmol)と(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ボロン酸(6.27g;36.92mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)と[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(2.74g;3.36mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)の混合物を、90℃で150分間撹拌した。冷却後、そのバッチを酢酸エチルで希釈し、希塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(5%)からヘキサン/酢酸エチル(40%)まで)で精製して、所望の生成物(6.35g;26.61mmol)を得た。
【0499】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=9.00(m,1H),8.13(m,1H),8.02(m,1H),6.82(m,1H),6.75(m,1H),3.94(s,3H)。
【0500】
中間体(1.2)の調製:
6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン
【化37】
【0501】
ジオキサン(7.1mL)の中に4−クロロ−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン(475mg;1.99mmol)と4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン(614mg;3.98mmol;UkrOrgSynthesis Ltd.)と(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)(51mg;0.09mmol)と炭酸セシウム(972mg;2.99mmol)を含んでいるバッチをアルゴンを用いて脱ガスした。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(27mg;0.03mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、そのバッチを密閉した圧力管の中で、100℃で8時間撹拌した。冷却後、追加の(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)(17mg;0.03mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(9mg;0.01mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、その混合物を密閉した圧力管の中で、100℃で14時間撹拌した。
【0502】
冷却後、そのバッチをDCMで希釈し、濾過した。その固体をDCMで洗浄し、その濾液を合して濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(DCM/EtOH 95:5)で精製して、所望の生成物を(424mg;1.19mmol)得た。
【0503】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.86(m,1H),8.26(m,1H),8.04(m,1H),7.94(m,1H),7.82(s,1H),7.76(br,1H),6.96(m,1H),6.77(m,2H),3.92(s,3H),3.67(s,2H),2.06(s,3H)。
【0504】
中間体(1.3)の調製:
2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ4−スルファニリデン}アセトアミド
【化38】
【0505】
アルゴン雰囲気下、ナトリウムtert−ブトキシド(113mg;1.18mmol)をTHF(0.8mL)に溶解させた溶液に、2,2,2−トリフルオロアセトアミド(200mg;1.77mmol)をTHF(1.0mL)に溶解させた溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は、10℃未満にとどまった。次に、その混合物を撹拌しながら、それに、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(253mg;0.88mmol)をTHF(1.5mL)に溶解させて新たに調製した溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は、10℃未満にとどまった。次いで、その混合物を10℃で10分間撹拌した。最後に、その混合物を撹拌しながら、それに、6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン(420mg;1.18mmol)をジオキサン(10.0mL)に溶解させた溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は、10℃未満にとどまった。その混合物を10℃で75分間撹拌した。そのバッチを冷却しながらトルエン(2.0mL)で希釈し、亜硫酸ナトリウム水溶液(149mg;2.0mLの水の中の1.18mmol)を、その混合物の温度が15℃未満にとどまるように、添加した。塩化ナトリウム水溶液を添加し、そのバッチを酢酸エチル(3×)で抽出した。その有機層を合してWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOH 94:6)で精製して、所望の生成物(348mg;0.74mmol)を得た。
【0506】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.90(s,1H),8.38(m,1H),8.28(m,1H),8.11(m,1H),7.72(s,1H),7.64(s,1H),6.95(m,1H),6.84(m,1H),6.78(m,1H),4.53(d,1H),4.31(d,1H),3.95(s,3H),2.74(s,3H)。
【0507】
中間体(1.4)の調製:
2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ6−スルファニリデン}アセトアミド
【化39】
【0508】
2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン}アセトアミド(340mg;0.73mmol)をアセトン(3.4mL)に溶解させた溶液を室温で撹拌しながら、それに、過マンガン酸カリウム(230mg;1.46mmol)を添加した。その混合物を50℃で5時間撹拌した後、追加の過マンガン酸カリウム(115mg;0.73mmol)を添加し、50℃で撹拌を継続した。90分間経過した後、追加の過マンガン酸カリウム(115mg;0.73mmol)を添加し、50℃で撹拌を継続した。90分間経過した後、過マンガン酸カリウム(230mg;0.146mmol)をアセトン(10mL)に溶解させた溶液を添加し、50℃で撹拌を継続した。7時間経過した後、過マンガン酸カリウム(115mg;0.73mmol)をアセトン(10mL)に溶解させた溶液を添加し、50℃で4時間撹拌を継続した。
【0509】
冷却後、そのバッチを濾過し、その残渣をアセトンで洗浄した。その濾液を合して濃縮した。MeOH(100mL)を添加し、その混合物を濾過した。その濾液を濃縮して、粗製生成物(180mg)を得た。これは、それ以上精製することなく使用した。
【0510】
最終生成物の調製:
粗製2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)オキシド−λ
6−スルファニリデン}アセトアミド(50mg)をメタノール(9mL)に溶解させた溶液に、室温で、炭酸カリウム(29mg;0.21mmol)を添加した。その混合物を50分間撹拌した後、水(100mL)を添加し、その混合物をDCM/2−プロパノール(4:1)及び酢酸エチルで抽出した。その有機層を合してWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣を分取HPLCで精製して、所望の生成物(11mg;0.03mmol)を得た。
【表1】
【0511】
1H NMR(400MHz,d
6−DMSO,300K)δ=10.28(s,1H),8.75(m,1H),8.35(br,1H),8.31(m,1H),8.04(m,1H),7.87(br,1H),7.09(m,2H),6.91(m,1H),4.42(m,2H),3.93(s,3H),3.77(s,1H),2.90(s,3H)。
【0512】
中間体(1.2)を調製するための代替的な方法:
6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン
【化40】
【0513】
中間体(1.5)の調製:
(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メタノール
【化41】
【0514】
ジオキサン(8.0mL)の中に4−クロロ−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン(383mg;1.61mmol)と(2−アミノピリジン−4−イル)メタノール(199mg;1.61mmol;ABCR GmbH & CO. KG)と(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)(418mg;0.72mmol)と炭酸セシウム(785mg;2.41mmol)を含んでいるバッチをアルゴンを用いて脱ガスした。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(147mg;0.16mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、そのバッチを100℃で5時間撹拌した。冷却後、そのバッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(DCM/EtOH 93:7)で精製して、所望の生成物(97mg;0.30mmol)を得た。
【0515】
1H NMR(400MHz,d
6−DMSO,300K)δ=10.14(s,1H),8.71(m,1H),8.34(s,1H),8.20(m,1H),8.00(m,1H),7.77(s,1H),7.06(m,1H),6.88(m,2H),5.36(tr,1H),4.49(d,2H),3.89(s,3H)。
【0516】
最終生成物の調製(中間体(1.2)の代替的な調製):
(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メタノール(87mg;0.27mmol)をDCM(1.5mL)とNMP(0.2mL)に溶解させた溶液を0℃で撹拌しながら、それに、塩化チオニル(80mg;0.66mmol)を滴下して加えた。その混合物を室温で17時間撹拌した。そのバッチを酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液で弱塩基性化し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その水層をDCM(2×)で抽出した。その有機層を合してWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮して、粗製N−[4−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミンを得た。これは、それ以上精製することなく、次の段階で使用した。上記残渣をEtOH(2.0mL)に再度溶解させ、得られた溶液を0℃まで冷却した。上記溶液を0℃で撹拌しながら、それに、メタンチオール酸ナトリウム(22mg;0.32mmol)を添加した。その混合物を室温で28時間撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 3:2)で精製して、所望の生成物(49mg;0.14mmol)を得た。
【0517】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.86(m,1H),8.26(m,1H),8.02(m,2H),7.94(m,1H),7.83(s,1H),6.96(m,1H),6.77(m,2H),3.91(s,3H),3.67(s,2H),2.05(s,3H)。
【0518】
実施例2及び実施例3:
6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミンのエナンチオマー
【化42】
【0519】
(rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン(33mg)を、分取キラルHPLCによって、エナンチオマーに分離させた。
【表2】
【0520】
実施例4:
(rac)−N−{6−クロロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン
【化43】
【0521】
中間体(4.1)の調製:
6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン
【化44】
【0522】
アルゴン雰囲気下、炭酸カリウム2M水溶液(5.8mL)と1,2−ジメトキシエタン(11.6mL)の中の6−クロロピリミジン−4−アミン(500mg;3.86mmol;ABCR GmbH & CO. KG)と(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ボロン酸(722mg;4.25mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)と[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(315mg;0.39mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)の混合物を90℃で150分間撹拌した。冷却後、そのバッチを酢酸エチルとTHFで希釈し、希塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(ヘキサンから酢酸エチルまで)で精製して、所望の生成物(636mg;2.90mmol)を得た。
【0523】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.35(m,1H),7.89(m,1H),7.01(m,1H),6.96(m,1H),6.83(m,1H),6.78(br,2H),3.84(s,3H)。
【0524】
中間体(4.2)の調製:
(2−クロロ−6−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メタノール
【化45】
【0525】
ジオキサン(5.3mL)の中に6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン(500mg;2.28mmol)と(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メタノール(609mg;3.42mmol;ABCR GmbH & CO. KG)と(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)(67mg;0.07mmol)と炭酸セシウム(892mg;2.73mmol)を含んでいるバッチをアルゴンを用いて脱ガスした。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(67mg;0.07mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、その混合物を密閉した圧力管の中で、100℃で8時間撹拌した。冷却後、追加の(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスファン)(17mg;0.03mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(9mg;0.01mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、その混合物を密閉した圧力管の中で、100℃で75分間撹拌した。
【0526】
冷却後、そのバッチを塩化ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチル/THFで抽出した。その有機層を合してWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンから酢酸エチルまで)で精製して、所望の生成物(321mg;0.89mmol)を得た。
【0527】
1H NMR(400MHz,d
6−DMSO,300K)δ=10.47(s,1H),8.78(m,1H),8.27(s,1H),8.05(m,1H),7.83(s,1H),7.08(m,1H),6.97(s,1H),6.89(m,1H),5.51(tr,1H),4.50(d,2H),3.91(s,3H)。
【0528】
中間体(4.3)の調製:
N−[6−クロロ−4−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン
【化46】
【0529】
(2−クロロ−6−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メタノール(350mg;0.97mmol)をDMF(10.5mL)に溶解させた溶液を0℃で撹拌しながら、それに、塩化チオニル(289mg;2.43mmol)を滴下して加えた。その混合物を室温で2時間撹拌した。そのバッチを酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液を用いて弱塩基性化し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その水層を酢酸エチルで2回(2×)抽出した。その有機層を合してWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮して、所望の生成物(156mg;0.41mmol)を得た。
【0530】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.88(m,1H),8.11(m,1H),7.97(m,1H),7.87(s,1H),7.78(s,1H),7.03(s,1H),6.80(m,1H),6.74(m,1H),4.54(s,2H),3.95(s,3H)。
【0531】
中間体(4.4)の調製:
N−{6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン
【化47】
【0532】
N−[6−クロロ−4−(クロロメチル)ピリジン−2−イル]−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン(154mg;0.41mmol)をアセトン(4.9mL)に溶解させた溶液を0℃で撹拌しながら、それに、メタンチオール酸ナトリウムの水溶液(21%;0.16mL;Aldrich Chemical Company Inc.)を添加した。その混合物を室温で一晩撹拌した後、塩化ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。その有機層を合してWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル(50%)まで)で精製して、所望の生成物(98mg;0.25mmol)を得た。
【0533】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.88(s,1H),8.11(m,1H),8.03(s,1H),7.70(s,1H),7.61(s,1H),6.98(s,1H),6.77(m,2H),3.96(s,3H),3.64(s,2H),2.07(s,3H)。
【0534】
中間体(4.5)の調製:
(rac)−N−{[(2−クロロ−6−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ4−スルファニリデン}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化48】
【0535】
中間体(4.5)は、中間体(1.3)の調製において記載されている条件と類似した条件のもとで、N−{6−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミンを用いて調製した。
【0536】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.88(s,1H),8.13(m,2H),7.78(s,1H),7.60(s,1H),6.94(s,1H),6.81(m,1H),6.76(m,1H),4.43(d,1H),4.28(d,1H),3.95(s,3H),2.75(s,3H)。
【0537】
最終生成物の調製:
(rac)−N−{[(2−クロロ−6−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(52mg;0.10mmol)をアセトン(0.5mL)に溶解させた溶液を室温で撹拌しながら、それに、過マンガン酸カリウム(33mg;0.21mmol)をアセトン(1.1mL)に溶解させた溶液を添加した。その混合物を50℃で一晩撹拌した後、過マンガン酸カリウム(65mg;0.41mmol)をアセトン(2.2mL)に溶解させた溶液を添加し、撹拌を50℃で16時間継続した。冷却後、そのバッチを濾過し、その残渣をアセトン及びエタノールで洗浄した。その濾液を合して濃縮した。
【0538】
その残渣をMeOH(4.7mL)に溶解させ、炭酸カリウム(15mg;0.11mmol)を添加し、その反応混合物を室温で75分間撹拌した。そのバッチをTHF/酢酸エチル(3:1)で希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣を分取HPLCで精製して、所望の生成物(3mg;0.01mmol)を得た。
【表3】
【0539】
1H NMR(400MHz,d
6−DMSO,300K)δ=10.58(s,1H),8.78(m,1H),8.26(s,1H),8.05(m,1H),7.88(s,1H),7.11(s,1H),7.07(m,1H),6.89(m,1H),4.43(s,2H),3.91(s,3H),3.88(s,1H),2.88(s,3H)。
【0540】
最終生成物の代替的な調製:(LUEK 4457−3)
(rac)−N−{[(2−クロロ−6−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(575mg;1.15mmol)をメタノール(18.0mL)と水(8.0mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、水酸化カリウム水溶液(25%)を滴下して加えて、pHを10.5に調節した。Oxone(登録商標)(599mg;0.97mmol)を添加し、その混合物を室温で3.5時間撹拌した。この間、必用に応じて水酸化カリウム水溶液(25%)を滴下して加えることにより、そのpHを10−11に維持した。その混合物を濾過し、そのフィルターケーキを大量のDCMで洗浄した。その濾液のpHを、塩化水素水溶液(15%)を用いて6−7に調節した。その濾液を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、チオ硫酸ナトリウム水溶液(10%)で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCMからDCM/エタノール(10%)まで)で精製して、所望の生成物(180mg;0.43mmol)を得た。
【0541】
実施例5及び実施例6:
N−{6−クロロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミンのエナンチオマー
【化49】
【0542】
(rac)−N−{6−クロロ−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン(163mg)を、分取キラルHPLCによって、エナンチオマーに分離させた。
【表4】
【0543】
実施例7:
(rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン
【化50】
【0544】
中間体(7.1)の調製:
(2−クロロ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール
【化51】
【0545】
2−クロロ−6−メチルピリジン−4−カルボン酸(10.00g;55.4mmol;Maybridge)をTHF(100mL)に溶解させた溶液を0℃で撹拌しながら、それに、THF中のボラン−テトラヒドロフラン錯体の1M溶液(221.5mL;221.5mmol)を添加した。その混合物を室温で一晩反応させた。次いで、その混合物を氷浴を用いて冷却しながら撹拌し、それに、MeOH(22mL)を注意深く添加した。そのバッチをで酢酸エチル希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(1N)及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOH 95:5)で精製して、純粋な生成物(7.24g;45.9mmol)を得た。
【0546】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=7.18(s,1H),7.09(s,1H),4.72(d,2H),2.55(s,3H),2.17(tr,1H)。
【0547】
中間体(7.2)の調製:
2−クロロ−6−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン
【化52】
【0548】
(2−クロロ−6−メチルピリジン−4−イル)メタノール(7.20g;45.7mmol)をDMF(200mL)に溶解させた溶液を0℃で撹拌しながら、それに、塩化チオニル(8.3mL;114.2mmol)を滴下して加えた。その混合物を10℃で2時間反応させた。次いで、その混合物を濃縮して、粗製生成物2−クロロ−4−(クロロメチル)−6−メチルピリジン(17.08g)を得た。
【0549】
粗製2−クロロ−4−(クロロメチル)−6−メチルピリジン(8.04g)をアセトン(250mL)に溶解させ、撹拌しながら、メタンチオール酸ナトリウム水溶液(21%、18.3mL、54.8mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)を滴下して加えた。その混合物を室温で3時間撹拌した後、追加のメタンチオール酸ナトリウム水溶液(21%、15.3mL、45.7mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)を添加し、その混合物を室温で一晩撹拌した。最後に、追加のメタンチオール酸ナトリウム水溶液(21%、15.3mL、45.7mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)を添加し、その混合物を室温で6時間撹拌した。そのバッチを酢酸エチル及び塩化ナトリウム水溶液で希釈した。その混合物を酢酸エチルで2回抽出した。その有機層を合してWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル(20%)まで)で精製して、所望の生成物(7.05g;37.6mmol)を得た。
【0550】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=7.12(s,1H),7.05(s,1H),3.58(s,2H),2.54(s,3H),2.03(s,3H)。
【0551】
中間体(7.3)の調製:
5−フルオロ−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリジン−2−アミン
【化53】
【0552】
トルエン(111mL)とNMP(15mL)の中の6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン(1752mg;7.99mmol、中間体(4.1))と2−クロロ−6−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン(1000mg;5.33mmol)とクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加体(441mg;0.53mmol;ABCR GmbH & CO. KG)と2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(254mg;0.53mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)とリン酸カリウム(5655mg;17.77mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、密閉容器の中で、130℃で4時間撹拌した。冷却後、そのバッチを酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル(50%)まで)で精製して、純粋な生成物(1600mg;4.32mmol)を得た。
【0553】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.87(s,1H),8.07(m,1H),7.99(s,1H),7.74(br,1H),7.64(s,1H),6.79(m,3H),3.94(s,3H),3.65(s,2H),2.51(s,3H),2.08(s,3H)。
【0554】
中間体(7.4)の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}−6−メチルピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ4−スルファニリデン}アセトアミド
【化54】
【0555】
アルゴン雰囲気下、ナトリウムtert−ブトキシド(389mg;4.05mmol)をTHF(3.4mL)に溶解させた溶液に、2,2,2−トリフルオロアセトアミド(687mg;6.07mmol)をTHF(2.8mL)に溶解させた溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は10℃未満にとどまった。次に、その混合物を撹拌しながら、それに、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(868mg;3.04mmol)をTHF(3.4mL)に溶解させて新たに調製した溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は10℃未満にとどまった。次いで、その混合物を10℃で10分間撹拌した。最後に、その混合物を撹拌しながら、それに、6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(メチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン(1500mg;4.05mmol)をジオキサン(6mL)とTHF(3.0mL)に溶解させた溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は10℃未満にとどまった。その混合物を10℃で75分間撹拌した。そのバッチを冷却しながらトルエン(11.0mL)で希釈し、亜硫酸ナトリウム水溶液(510mg;11.0mLの水の中の4.05mmol)を、その混合物の温度が15℃未満にとどまるように、添加した。そのバッチを酢酸エチルで3回抽出した。その有機層を合して塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(20%から100%まで))で精製して、所望の生成物(1310mg;2.72mmol)を得た。
【0556】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.88(s,1H),8.12(m,1H),8.04(s,1H),7.72(s,1H),7.56(br,1H),6.80(m,3H),4.47(d,1H),4.27(d,1H),3.95(s,3H),2.73(s,3H),2.53(s,3H)。
【0557】
最終生成物の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−{[(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}−6−メチルピリジン−4−イル)メチル](メチル)−λ
4−スルファニリデン}アセトアミド(400mg;0.83mmol)をメタノール(50mL)と水(25mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、水酸化カリウム水溶液(25%)を滴下して加えて、pHを10.5に調節した。Oxone(登録商標)(434mg;0.71mmol)を添加し、その混合物を室温で45分間撹拌した。この間、必用に応じて水酸化カリウム水溶液(25%)を滴下して加えることにより、そのpHを10−11に維持した。その混合物を濾過し、そのフィルターケーキを大量のDCMで洗浄した。その濾液のpHを、塩化水素水溶液(15%)を用いて6−7に調節した。その濾液を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、チオ硫酸ナトリウム水溶液(10%)で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をDCMと数滴のエタノールで温浸し、濾過し、乾燥させて、所望の生成物(153mg;0.38mmol)を得た。
【0558】
1H NMR(400MHz,d
6−DMSO,300K)δ=10.21(s,1H),8.73(s,1H),8.36(s,1H),8.03(m,1H),7.70(s,1H),7.09(m,1H),6.91(m,2H),4.36(m,2H),3.92(s,3H),3.73(s,1H),2.89(s,3H),2.44(s,3H)。
【0559】
実施例8及び実施例9:
6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミンのエナンチオマー
【化55】
【0560】
(rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{6−メチル−4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン/144mg)を、分取キラルHPLCによって、エナンチオマーに分離させた。
【表5】
【0561】
実施例10:
(rac)−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(S−メチルスルホンイミドイル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン
【化56】
【0562】
中間体(10.1)の調製:
2−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン
【化57】
【0563】
4−(ブロモメチル)−2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(1000mg;3.64mmol;FCH Group Company)をアセトン(40mL)に溶解させ、撹拌しながら、メタンチオール酸ナトリウム水溶液(21%、1.2mL、3.64mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)を滴下して加えた。その混合物を室温で7時間撹拌した後、そのバッチを酢酸エチル及び塩化ナトリウム水溶液で希釈した。その混合物を酢酸エチルで2回抽出した。その有機層を合してWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル(20%)まで)で精製して、所望の生成物(716mg;2.96mmol)を得た。
【0564】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=7.61(s,1H),7.50(s,1H),3.70(s,2H),2.06(s,3H)。
【0565】
中間体(10.2)の調製:
6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(メチルスルファニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン
【化58】
【0566】
トルエン(30mL)とNMP(4mL)の中の6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン(475mg;2.17mmol、中間体(4.1))と2−クロロ−4−[(メチルスルファニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(349mg;1.44mmol)とクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加体(119mg;0.14mmol;ABCR GmbH & CO. KG)と2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(69mg;0.14mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)とリン酸カリウム(1533mg;7.22mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、密閉容器の中で、130℃で4時間撹拌した。冷却後、そのバッチをDCMで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCMからDCM/EtOH(5%)まで)で精製して、純粋な生成物(550mg;1.30mmol)を得た。
【0567】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.91(s,1H),8.15(s,1H),8.09(m,1H),7.94(s,1H),7.74(br,1H),7.35(m,1H),6.81(m,2H),3.95(s,3H),3.74(s,2H),2.09(s,3H)。
【0568】
中間体(10.3)の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[{[2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メチル}(メチル)−λ4−スルファニリデン]アセトアミド
【化59】
【0569】
アルゴン雰囲気下、ナトリウムtert−ブトキシド(91mg;0.94mmol)をTHF(4mL)に溶解させた溶液に、2,2,2−トリフルオロアセトアミド(160mg;1.41mmol)をTHF(4mL)に溶解させた溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は10℃未満にとどまった。次に、その混合物を撹拌しながら、それに、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(162mg;0.57mmol)をTHF(4mL)に溶解させて新たに調製した溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は10℃未満にとどまった。次いで、その混合物を10℃で10分間撹拌した。最後に、その混合物を撹拌しながら、それに、6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−{4−[(メチルスルファニル)メチル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}ピリミジン−4−アミン(400mg;0.94mmol)をTHF(4mL)に溶解させた溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は−5℃未満にとどまった。その混合物を−5℃で2時間撹拌した。そのバッチを冷却しながらトルエン(4mL)で希釈し、亜硫酸ナトリウム水溶液(119mg;4mLの水の中の0.94mmol)を、その混合物の温度が0℃未満にとどまるように、添加した。そのバッチを酢酸エチルで3回抽出した。その有機層を合して塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCMからDCM/EtOH(5%)まで)で精製して、所望の生成物(204mg;0.38mmol)を得た。
【0570】
1H NMR(400MHz,CDCl
3,300K)δ=8.92(s,1H),8.42(m,1H),8.14(m,1H),7.85(s,1H),7.77(s,1H),6.84(m,1H),6.78(m,1H), 4.48(m,2H),3.95(s,3H),2.79(s,3H)。
【0571】
最終生成物の調製:
(rac)−2,2,2−トリフルオロ−N−[{[2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]メチル}(メチル)−λ
4−スルファニリデン]アセトアミド(100mg;0.188mmol)をメタノール(2.5mL)と水(1.5mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、水酸化カリウム水溶液(25%)を滴下して加えて、pHを10.5に調節した。Oxone(登録商標)(98mg;0.16mmol)を添加し、その混合物を室温で6時間撹拌した。この間、必用に応じて水酸化カリウム水溶液(25%)を滴下して加えることにより、そのpHを10−11に維持した。その混合物を濾過し、そのフィルターケーキを大量のDCMで洗浄した。その濾液のpHを、塩化水素水溶液(15%)を用いて5−6に調節した。その濾液を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、チオ硫酸ナトリウム水溶液(10%)で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣を分取HPLCで精製して、所望の生成物(32mg;0.07mmol)を得た。
【表6】
【0572】
1H NMR(400MHz,d
6−DMSO,300K)δ=10.72(s,1H),8.82(m,1H),8.35(s,1H),8.19(s,1H),8.03(m,1H),7.54(m,1H),7.11(m,1H),6.93(m,1H),4.58(m,2H),3.94(s,1H),3.90(s,3H),2.93(s,3H)。
【0573】
実施例11:
(rac)−N−{4−[(S−エチルスルホンイミドイル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン
【化60】
【0574】
中間体(11.1)の調製:
N−{4−[(エチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン
【化61】
【0575】
トルエン(27mL)とNMP(2.1mL)の中の4−[(エチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−アミン(264mg;1.49mmol;エナミン)と4−クロロ−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン(300mg;1.19mmol;中間体(1.1))とクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−tert−ブチルエーテル付加体(99mg;0.12mmol;ABCR GmbH & CO. KG)と2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(57mg;0.12mmol;Aldrich Chemical Company Inc.)とリン酸カリウム(1.26g;5.97mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、密閉容器の中で、130℃で4時間撹拌した。冷却後、そのバッチをDCMで希釈し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機層をWhatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をエタノールから結晶化させて、純粋な生成物(416mg;1.11mmol)を得た。
【0576】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.21(s,1H),8.76(d,1H),8.36(s,1H),8.24(d,1H),8.04(dd,1H),7.81(s,1H),7.10(dd,1H),6.97(dd,1H),6.92(td,1H),3.92(s,3H),3.74(s,2H),2.48−2.43(m,2H),1.19(t,3H)。
【0577】
中間体(11.2)の調製:
(rac)−N−{エチル[(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル]−λ4−スルファニリデン}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化62】
【0578】
アルゴン雰囲気下、ナトリウムtert−ブトキシド(25mg;0.25mmol)をTHF(1mL)に溶解させた溶液に、2,2,2−トリフルオロアセトアミド(44mg;0.38mmol)をTHF(1mL)に溶解させた溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は10℃未満にとどまった。次に、その混合物を撹拌しながら、それに、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(43mg;0.15mmol)をTHF(1mL)に溶解させて新たに調製した溶液を滴下して加えた。その結果、その混合物の温度は10℃未満にとどまった。次いで、その混合物を−10℃で10分間撹拌した。最後に、その混合物を撹拌しながら、それに、N−{4−[(エチルスルファニル)メチル]ピリジン−2−イル}−6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−アミン(100mg;0.25mmol)をTHF(1mL)に溶解させた溶液を添加した。その結果、その混合物の温度は−10℃未満にとどまった。その混合物を−10℃で50分間撹拌した。そのバッチを冷却しながらトルエン(1mL)で希釈し、亜硫酸ナトリウム水溶液(31.6mg;1mLの水の中の0.25mmol)を、その混合物の温度が0℃未満にとどまるように、添加した。そのバッチを酢酸エチルで3回抽出した。その有機層を合して塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Whatmanフィルターを用いて濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/MeOH)で精製して、所望の生成物(69mg;0.13mmol)を得た。
【0579】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.36(s,1H),8.76(d,1H),8.33(d,1H),8.27(s,1H),8.05(dd,1H),7.97(s,1H),7.10(dd,1H),6.98(dd,1H),6.92(trd,1H),4.64−4.42(m,2H),3.93(s,3H),3.35−3.25(m,1H),3.14−3.02(m,1H),1.28(tr,3H)。
【0580】
最終生成物の調製:
(rac)−N−{エチル[(2−{[6−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}ピリジン−4−イル)メチル]−λ4−スルファニリデン}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(64mg;0.12mmol)をメタノール(10mL)に溶解させた。この溶液に水(0.3mL)を添加した。Oxone(登録商標)(95mg:0.15mmol)を水(0.5mL)に溶解させた溶液を最初の溶液に添加し、得られた混合物を撹拌した。そのpHを、水酸化カリウム水溶液(5%)を添加することによって、7.8−8.2に維持した。30分の反応時間及び60分の反応時間が経過した後、追加量のOxone(登録商標)(それぞれ、15mg;0.049mmol)を添加した。そのpHを7.8−8.2に維持した。さらに15分間撹拌した後、そのバッチを水(100mL)で希釈した。その懸濁液を酢酸エチルで抽出した。その有機層を亜硫酸ナトリウム水溶液(10%)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/MeOH)で精製して、所望の生成物(48mg;0.12mmol)を得た。
【0581】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=10.28(s,1H),8.75(d,1H),8.35(s,1H),8.31(d,1H),8.04(dd,1H),7.86(s,1H),7.10(dd,1H),7.05(dd,1H),6.92(trd,1H),4.42−4.32(m,2H),3.93(s,3H),3.72(s,1H),2.99(q,2H),1.26(tr,3H)。
【0582】
下記表1は、実施例セクションにおいて記載されている化合物の概要を示している:
表1
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】