(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263202
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】AC−ACコンバータ装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/12 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
H02M7/12 601B
H02M7/12 S
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-553044(P2015-553044)
(86)(22)【出願日】2014年1月7日
(65)【公表番号】特表2016-504010(P2016-504010A)
(43)【公表日】2016年2月8日
(86)【国際出願番号】EP2014050129
(87)【国際公開番号】WO2014114481
(87)【国際公開日】20140731
【審査請求日】2016年9月30日
(31)【優先権主張番号】1301189.5
(32)【優先日】2013年1月23日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】61/755,791
(32)【優先日】2013年1月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513105166
【氏名又は名称】エルテック アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】ベックマン,ニルス
(72)【発明者】
【氏名】ロハス,ロベルト
【審査官】
麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−287241(JP,A)
【文献】
特開平02−231965(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02475090(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC−ACコンバータ装置(1)であって、
第1および第2のAC入力端子(ACin1,ACin2)と;
第1および第2のAC出力端子(ACout1,ACout2)と;
入力ノード(11)、共通ノード(12)、正DC端子(DCP)、および負DC端子(DCN)の間に接続された入力装置(Bin)であって、前記入力ノート(11)が第1の入力インダクタ(Lin1)を介して前記第1のAC入力端子(ACin1)に接続された、前記入力装置と;
出力ノード(13)、前記正DC端子(DCP)、および前記負DC端子(DCN)の間に接続された出力装置(Bout)であって、前記出力ノード(13)が出力インダクタ(Lout1)を介して前記第1のAC出力端子(ACout1)に接続された、前記出力装置と;
前記共通ノード(12)、前記正DC端子(DCP)、および前記負DC端子(DCN)の間に接続された共通装置(Bc)であって、前記共通ノード(12)が共通インダクタ(Lc)を介して前記第2のAC入力端子(ACin2)に接続された、前記共通装置と;
前記出力装置(Bout)および前記共通装置(Bc)のスイッチを制御するための制御装置と;
前記正DC端子(DCP)と前記負DC端子(DCN)との間に接続されたDC装置(Cdc)と;を備え、
前記出力装置(Bout)は、第1および第2の出力スイッチ(Sout1,Sout2)を有し、
前記共通装置(Bc)は、第1および第2の共通スイッチ(Sc1、Sc2)を有し、
前記第2のAC入力端子(ACin2)は、前記第2のAC出力端子(ACout2)に接続されており、
前記入力装置(Bin)は、第1および第2のダイオード(Din1,Din2)と、前記入力ノード(11)と前記共通ノード(12)との間に接続された双方向スイッチ(BS)とを有し、前記制御装置は、また、前記双方向スイッチ(BS)をも制御する、AC−ACコンバータ装置。
【請求項2】
前記第1のダイオード(Din1)は、そのアノードが前記入力ノード(11)に接続され、そのカソードが前記正DC端子(DCP)に接続されており、前記第2のダイオード(Din2)は、そのアノードが前記負DC端子(DCN)に接続され、そのカソードが前記入力ノード(11)に接続されている、請求項1に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項3】
前記双方向スイッチ(BS)は、第1のBSスイッチ(S1)と、スイッチダイオード(DBS1,DBS2,DBS3,DBS4)とを有する、請求項1または2に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項4】
前記第1のBSスイッチ(S1)のソース端子(SS1)は、第1のスイッチダイオード(DBS1)のアノードと、第2のスイッチダイオード(DBS2)のアノードとに接続されており、
前記第1のBSスイッチ(S1)のドレイン端子(DS1)は、第3のスイッチダイオード(DBS3)のカソードと、第4のスイッチダイオード(DBS4)のカソードとに接続されており、
前記第1のスイッチダイオード(DBS1)のカソードおよび前記第3のスイッチダイオード(DBS3)のアノードは、前記入力ノード(11)に接続されており、
前記第2のスイッチダイオード(DBS2)のカソードおよび前記第4のスイッチダイオード(DBS4)のアノードは、前記共通ノード(12)に接続されており、
前記第1のBSスイッチ(S1)の制御端子(GS1)は、前記制御装置に接続されている、請求項3に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項5】
前記双方向スイッチ(BS)は、各々が前記制御装置に接続された制御端子(GS1,GS2)を有する、第1のBSスイッチ(S1)および第2のBSスイッチ(S2)を備える、請求項1または2に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項6】
前記第1のBSスイッチ(S1)のドレイン端子(DS1)は、前記入力ノード(11)に接続されており、前記第2のBSスイッチ(S2)のドレイン端子(DS2)は、前記共通ノード(12)に接続されており、前記第1のBSスイッチ(S1)のソース端子(SS1)は、前記第2のBSスイッチ(S2)のソース端子(SS2)に接続されている、請求項5に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項7】
前記第1のBSスイッチ(S1)のソース端子(SS1)は、前記入力ノード(11)に接続されており、前記第2のBSスイッチ(S2)のソース端子(SS2)は、前記共通ノード(12)に接続されており、前記第1のBSスイッチ(S1)のドレイン端子(DS1)は、前記第2のBSスイッチ(S2)のドレイン端子(DS2)に接続されている、請求項5に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項8】
前記DC装置(Ddc)は、コンデンサまたはバッテリである、請求項1に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項9】
前記DC装置は、付加DC源を有する、請求項8に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項10】
前記共通スイッチ(Sc1、Sc2)は、MOSFETまたは逆並列ダイオードを持つIGBTである、請求項1に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項11】
前記双方向スイッチ(BS)の前記第1のBSスイッチ(S1)は、MOSFETまたはIGBTである、請求項1に記載のAC−ACコンバータ装置。
【請求項12】
前記双方向スイッチ(BS)の前記第1および第2のBSスイッチ(S1,S2)は、MOSFETである、請求項3に記載のAC−ACコンバータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AC−ACコンバータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AC−DC−ACコンバータは、例えば、本線であるAC入力電力を、負荷に供給される制御されたAC出力電力に変換することによって、ラインコンディショニングするために使用される。負荷は、典型的には、重要なアプリケーション用のIT装置のような、信頼のおけるAC電圧および信頼のおける周波数を必要とする負荷である。DC電圧は、バッテリや他の型のエネルギー貯蔵から提供され得る。DC電圧は、また、太陽電池パネルや、適当なエネルギー変換モジュールを備えた風力発電機から発生され得る。AC入力は、実用AC線間電圧であってよく、その出力は任意のAC負荷であってよい。
【0003】
AC−ACコンバータは、典型的には、AC−DCコンバータと、DC−ACコンバータとから成る。これら2つのコンバータは、DC電圧によって互いに連結され、そのDC電圧は、フィルタがかけられ、大量のキャパシタンスや任意の与えられたエネルギー蓄積装置によって線周期上に一定に保持される。DC電圧は、線間電圧の正および負の半サイクルの最大ピーク値よりも大きくすることが必要である。UPS応用において、ニュートラル線が負荷と線間電圧に対して共通で、負荷電圧が線間電圧と同相であることが、おそらく必要である。一つの例は、“Space vector Modulation for Single Phase On-Line Three-Leg USP”, Pinheiro et al, 2000 IEEE(非特許文献1)に示されている。これを達成するための一つの技術は、線間電圧の正半周期の間、中間DC電圧の負分岐をニュートラルに接続し、線間電圧の負半周期の間、中間DC電圧の正分岐をニュートラルに接続する、ハーフブリッジ構成に接続された一対の回線周波数整流スイッチを持つことである。入力AC/DCコンバータは、入力電流を正弦波に、かつ、DC電圧を一定に制御している間、線間入力AC電圧を高いDC電圧に上げる、ブーストレギュレータのように動作する。出力DC/ACコンバータは、出力AC電圧を正弦波に、且つ、入力電圧と同相となるように制御する、ステップダウンレギュレータのように動作する。典型的な3脚単相UPS構成が
図1に示されている。脚は、破線ボックスB
in、B
out、B
cによって示されている。
【0004】
しかしながら、中心ハーフブリッジB
cの中心脚CLが、入/出力整流ステージ(ボックスB
in)と出力コンバータステージ(ボックスB
out)に対して共通であるので、この型の回路に対して著しい欠点がある。中心脚に接続されたスイッチを制御するタイミングは、非常に高い精度で実行される必要がある。何故なら、線間電圧と負荷電圧との間で許容され得る位相シフトがないからである。
【0005】
図2に示された従来技術のAC−ACコンバータ装置は、“A study of the High Performance Single Phase UPS”, Tamotsu Ninomiya et al, 0-7803-4489-8/98 IEEE(非特許文献2)から知られている。
図2は、完全に切り離された、入力ステージ(ボックスB
in1、B
in2)と出力ステージ(ボックスB
out1、B
out2)とを持つ4脚コンバータを示している。
【0006】
図3は、線と負荷がニュートラルに接続された、すなわち、第2のAC入力端子AC
in2が第2のAC出力端子AC
out2に接続された、4脚AC−DC−ACコンバータを示している。この回路は、4脚と4インダクタを持ち、むしろ複雑である。
【0007】
図4は、
図3の4脚が3脚と3つのインダクタに減少され、ある規制を持つAC入力に関して、AC−出力の独立制御の能力を維持する、回路を示す。
図1のように、1つのハーフブリッジ脚B
cが入力/出力ステージに対して共通である。ここで、1つのハーフブリッジB
inは、入力インダクタL
in1を介して第1のAC入力端子AC
in1に接続され、別のハーフブリッジB
outは、出力インダクタL
out1を介して第1のAC出力端子AC
out1に接続され、共通ハーフブリッジB
cは、共通インダクタL
cを介して第2のAC入力端子AC
in2に接続されている。
図4に示されるように、第2のAC入力端子AC
in2は、直接、第2のAC出力端子AC
out2に接続され、そして、それ故、共通ハーフブリッジB
cは、また、共通インダクタL
cを介して第2のAC入力端子AC
in2に接続されている。スイッチが、正電圧をブロックできるように、かつ、負電流を導通できるようにするために必要である。したがって、MOSFETが望ましい特性を持つので適している。何故なら、
図5を参照して、負方向への電流を導通できる、寄生ボディドレインダイオードがあるからである。
【0008】
高い周波数でスイッチングするハーフブリッジ構成における2つのMOSFETスイッチの組み合わせを持つ不利益は、遅いボディドレインダイオードの回復からくる、過度のスイッチング損失である。この問題を解決し、高い周波数スイッチングを可能とし、高効率で組み合わせにおける高い周波数スイッチングからの全ての利益を得るために、ボディドレインダイオードが導通するのを防止して、電流が他のブランチに流れる(フリーホイールする)のを可能にすることである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“Space vector Modulation for Single Phase On-Line Three-Leg USP”, Pinheiro et al, 2000 IEEE
【非特許文献2】“A study of the High Performance Single Phase UPS”, Tamotsu Ninomiya et al, 0-7803-4489-8/98 IEEE
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、高効率を達成し、かつ、線間入力電圧と負荷出力電圧との間の位相シフトを許容する回路を持つ利点を維持する、AC−ACコンバータ装置を提供することにある。本発明の他の目的は、減少した損失で従って高効率のAC−ACコンバータ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、AC−ACコンバータ装置に関し、それは、
第1および第2のAC入力端子と;
第1および第2のAC出力端子と;
入力ノード、共通ノード、正DC端子、および負DC端子の間に接続された入力装置であって、前記入力ノートが第1の入力インダクタを介して前記第1のAC入力端子に接続された、前記入力装置と;
出力ノード、前記正DC端子、および前記負DC端子の間に接続された出力装置であって、前記出力ノードが出力インダクタを介して前記第1のAC出力端子に接続された、前記出力装置と;
前記共通ノード、前記正DC端子、および前記負DC端子の間に接続された共通装置であって、前記共通ノードが共通インダクタを介して前記第2のAC入力端子に接続された、前記共通装置と;
前記出力装置および前記共通装置のスイッチを制御する制御装置と;
前記正DC端子と前記負DC端子との間に接続されたDC装置と;を備え、
前記出力装置は、第1および第2の出力スイッチを有し、
前記共通装置は、第1および第2の共通スイッチを有し、
前記第2のAC入力端子は、前記第2のAC出力端子に接続されており、
前記入力装置は、第1および第2のダイオードと、前記入力ノードと前記共通ノードとの間に接続された双方向スイッチとを有し、前記制御装置は、また、前記双方向スイッチをも制御する。
【0012】
1つの態様において、前記第1のダイオードは、そのアノードが前記入力ノードに接続され、そのカソードが前記正DC端子に接続されており、前記第2のダイオードは、そのアノードが前記負DC端子に接続され、そのカソードが前記入力ノードに接続されている。
【0013】
1つの態様において、前記双方向スイッチは、第1のBSスイッチと、スイッチダイオード(D
BS1、D
BS2、D
BS3、D
BS4)とを有する。ここで、前記第1のBSスイッチの
ソース端子は、第1のスイッチダイオードのアノードと、第2のスイッチダイオードのアノードとに接続されており;前記第1のBSスイッチの
ドレイン端子は、第3のスイッチダイオードのカソードと、第4のスイッチダイオードのカソードとに接続されており;前記第1のスイッチダイオードのカソードおよび前記第3のスイッチダイオードのアノードは、前記
入力ノードに接続されており;前記第2のスイッチダイオードのカソードおよび前記第4のスイッチダイオードのアノードは、前記
共通ノードに接続されており;前記第1のBSスイッチの制御端子は、前記制御
装置に接続されている。
【0014】
1つの態様において、前記双方向スイッチは、各々が前記制御
装置に接続された制御端子を有する、第1のBSスイッチおよび第2のBSスイッチを備える。
【0015】
1つの態様において、前記第1のBSスイッチのドレイン端子は、前記
入力ノードに接続されており、前記第2のBSスイッチのドレイン端子は、前記
共通ノードに接続されており、前記第1のBSスイッチのソース端子は、前記第2のBSスイッチのソース端子に接続されている。
【0016】
1つの態様において、前記第1のBSスイッチのソース端子は、前記
入力ノードに接続されており、前記第2のBSスイッチのソース端子は、前記
共通ノードに接続されており、前記第1のBSスイッチのドレイン端子は、前記第2のBSスイッチのドレイン端子に接続されている。
【0017】
1つの態様において、前記DC装置は、コンデンサまたは
バッテリである。さらに、前記DC装置は、付加DC源を有してよい。
【0018】
1つの態様において、前記共通スイッチは、MOSFETまたは逆並列ダイオードを持つIGBTである。1つの態様において、前記双方向スイッチの前記第1のBSスイッチは、MOSFETまたはIGBTである。1つの態様において、前記双方向スイッチの前記第1および第2のBSスイッチは、MOSFETである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来技術のAC−ACコンバータ装置を示す図である。
【
図2】従来技術のAC−ACコンバータ装置を示す図である。
【
図3】従来技術のAC−ACコンバータ装置を示す図である。
【
図4】従来技術のAC−ACコンバータ装置を示す図である。
【
図5】従来技術のAC−ACコンバータ装置を示す図である。
【
図6】AC−ACコンバータ装置の第1の実施形態を示す図である。
【
図7】AC−ACコンバータ装置の第2の実施形態を示す図である。
【
図8b】双方向スイッチの代替実施形態の拡大図である。
【
図8c】双方向スイッチの更なる代替実施形態の拡大図である。
【
図9】
図7の回路のシミュレーション用のPSPICEにおいて使用されるシミュレーションモデルを示す図である。
【
図10】a)〜e)はシミュレーションからの波形を示す図である。
【
図11】回路のインダクタを通過するシミュレートした電流を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
さて
図6を参照すると、AC−ACコンバータ装置1を図示している。AC−ACコンバータ装置1は、第1および第2のAC入力端子AC
in1,AC
in2と、第1および第2のAC出力端子AC
out1,AC
out2とを備える。
【0021】
図6において、入力装置B
in、出力装置B
out、および共通装置B
cを示している、3つの破線ボックスがある。
【0022】
入力装置B
inは、入力ノード11、共通ノード12、正DC端子DCP、および負DC端子DCNの間に接続されている。入力ノード11は、第1の入力インダクタL
in1を介して第1のAC入力端子AC
in1に接続されている。
【0023】
最初に、出力装置B
outおよび共通装置B
cについて詳細に説明する。
【0024】
出力装置B
outは、出力ノード13、正DC端子DCP、および負DC端子DCNの間に接続されている。出力ノード13は、出力インダクタL
out1を介して第1のAC出力端子AC
out1に接続されている。出力装置B
outは、第1および第2の出力スイッチS
out1、S
out2を有する。第1の出力スイッチS
out1は、出力ノード13と正DC端子DCPとの間に接続されており、第2の出力スイッチS
out2は、負DC端子DCNと出力ノード13との間に接続されている。
図7において、第1の出力スイッチS
out1のソース端子は、出力ノード13に接続されており、第1の出力スイッチS
out1のドレイン端子は、正DC端子DCPに接続されている。さらに、第2の出力スイッチS
out2のソース端子は、負DC端子DCNに接続されており、第2の出力スイッチS
out2のドレイン端子は、出力端子13に接続されている。
【0025】
共通装置B
cは、共通ノード12、正DC端子DCP、および負DC端子DCNの間に接続されている。共通装置B
cは、共通インダクタL
cを介して第2のAC入力端子AC
in2に接続されている。
【0026】
第2のAC入力端子AC
in2が、直接、第2のAC出力端子AC
out2に接続されていることに注意されたい。このゆえ、共通ノード12は、また、共通インダクタL
cを介して第2のAC出力端子AC
out2に接続されており、それによって、ボックスB
c側の構成要素を、装置1の入力側および出力側の両方に対して「共通」にさせている。
【0027】
共通装置B
cは、第1および第2の共通スイッチS
c1、S
c2を有する。第1の共通スイッチS
c1は、共通ノード12と正DC端子DCPとの間に接続されており、第2の共通スイッチS
c2は、負DC端子DCNと共通ノード12との間に接続されている。
【0028】
図7において、第1の共通スイッチS
c1のソース端子は、共通ノード12に接続されており、第1の共通スイッチS
c2のドレイン端子は、正DC端子DCPに接続されている。さらに、第2の共通スイッチS
c2のソース端子は、負DC端子に接続されており、第2の共通スイッチS
c2のドレイン端子は、共通ノードに接続されている。
【0029】
次に、入力装置B
inについて詳細に説明する。入力装置B
inは、第1および第2のダイオードD
in1、D
in2と、双方向スイッチBSとを有する。双方向スイッチBSは、入力ノード11と共通ノード12との間に接続されている。第1のダイオードD
in1は、そのアノードが入力ノード11に接続され、そのカソードが正DC端子DCPに接続されている。第2のダイオードD
in2は、そのアノードが負DC端子DCNに接続され、そのカソードが入力
ノード11に接続されている。好ましくは、第1および第2のダイオードD
in1、D
in2は、炭化ケイ素ダイオードのような、急速回復ダイオードである。
【0030】
装置1は、更に、出力装置B
outおよび共通装置B
cのスイッチの制御するための制御装置を備える。このゆえ、第1および第2の出力スイッチS
out1、S
out2のゲート端子は制御装置に接続されており、第1および第2の共通スイッチS
c1、S
c2のゲート端子は制御装置に接続されている。制御装置は、また、双方向スイッチBSをも制御する。
【0031】
装置1は、さらに、正DC端子DCPと負DC端子DCNとの間に接続されたDC装置C
dcを備える。DC装置C
dcは、コンデンサ又はバッテリであってよい。DC装置は、また、付加DC源を有してよい。
【0032】
次に、双方向スイッチBSの代替品について説明する。
図7および
図8aに示される第1の実施形態において、双方向スイッチBSは、第1のBSスイッチS1と第2のBSスイッチS2とから成り、それらの各々は、制御
装置に接続された制御端子G
S1、G
S2を有する。第1のBSスイッチS1のドレイン端子D
S1は、
入力ノード11に接続されており、第2のBSスイッチS2のドレイン端子D
S2は、
共通のノード
12に接続されており、第1のBSスイッチS1のソース端子S
S1は、第2のBSスイッチS2のソース端子S
S2に接続されている。
【0033】
図8bに示される第2の実施形態において、双方向スイッチBSは、また、第1のBSスイッチS1と第2のBSスイッチS2とから成る。ここで、第1のBSスイッチS1のソース端子S
S1は、
入力ノード11に接続されており、第2のBSスイッチS2のソース端子S
S2は、
共通ノード
12に接続されており、第1のBSスイッチS1のドレイン端子D
S1は、第2のBSスイッチS2のドレイン端子D
S2に接続されている。
【0034】
図8cに示される第3の実施形態において、双方向スイッチBSは、第1のBSスイッチS1と、スイッチダイオードD
BS1、D
BS2、D
BS3、D
BS4とから成る。ここで、第1のBSスイッチS1の
ソース端子
SS1は、第1のスイッチダイオードD
BS1のアノードと、第2のスイッチダイオードD
BS2のアノードとに接続されている。第1のBSスイッチS1の
ドレイン端子
DS1は、第3のスイッチダイオードD
BS3のカソードと、第4のスイッチダイオードD
BS4のカソードとに接続されている。第1のスイッチダイオードD
BS1のカソードと第3のスイッチダイオードD
BS3のアノードとは、
入力ノード11に接続されている。第2のスイッチダイオードD
BS2のカソードと第4のスイッチダイオードD
BS4のアノードとは、
共通ノード
12に接続されている。第1のBSスイッチS1の制御端子G
S1は、制御
装置に接続されている。
【0035】
上記説明において、共通スイッチS
c1、S
c2および出力スイッチS
out1、S
out2は、MOSFETスイッチまたは逆並列ダイオードを持つIGBTスイッチである。好ましくは、スイッチは、炭化ケイ素MOSFETまたは窒化ガリウムMOSFETである。
図8cにおいて、また、双方向スイッチBSの第1のBSスイッチS1は、MOSFETまたはIGBTである。
図8aおよび
図8bにおいて、また、双方向スイッチBSの第1および第2のBSスイッチS1、S2は、MOSFETスイッチである。
【0036】
図6および
図7のAC/ACコンバータ装置は、
図5におけるコンバータ装置の3つのハーフブリッジ脚の一つを、双方向スイッチと2つのダイオードとに取り換えることができることを示している。入力ブーストコンバータB
inは、双方向スイッチBSをオフしたときに、電流をフリーホイールするための分離したダイオードD1およびD2を利用するので、MOSFET内の内部ボディドレインダイオードが用いられておらず、従って、遅いボディドレインダイオードにおける逆回復損失の問題が解消される。代わりに、急速回復ダイオード又は炭化ケイ素ダイオード、すなわち、たとえ少しはあるとしても、非常に小さい逆回復損失を呈する、第1および第2のダイオードD1およびD2を使用することができる。それゆえ、ドラスチックに減少した効率から悪化することなしに、入力ブーストコンバータB
inのスイッチング周波数を引き上げることができる。このゆえ、効率的なコンバータ装置が実現され、同時に、小さいフィルタ構成要素のような、高いスイッチング周波数で起こる利点、入力インダクタL1におけるより少ないリップルの全てがまた実現される。
【0037】
図10a)〜c)において、
図9のスイッチ用の制御信号が示されている。
図10d)において、インダクタL
in1およびL
out1のリップル電流が示され、
図10e)において、共通インダクタL
cのリップル電流が示されている。リップル電流は、制御信号の周波数と比べて、2倍の周波数を示している。このゆえ、リップル電流は、制御信号の同期によって減少され、そのため、インダクタがスイッチングリップルの2倍に見える、ことが分かる。
【0038】
図11において、共通インダクタLcは、回線周波数構成要素の取り消しを与えることを示している。
【符号の説明】
【0039】
1 C−ACコンバータ装置
11 入力ノード
12 共通ノード
13 出力ノード
AC
in1 第1のAC入力端子
AC
in2 第2のAC入力端子
AC
out1 第1のAC出力端子
AC
out2 第2のAC出力端子
B
in 入力装置
B
out 出力装置
B
c 共通装置
C
dc DC装置
DCP 正DC端子
DCN 負DC端子
L
in1 第1の入力インダクタ
L
out1 出力インダクタ
L
c 共通インダクタ
S
out1 第1の出力スイッチ
S
out2 第2の出力スイッチ
S
c1 第1の共通スイッチ
S
c2 第2の共通スイッチ
S1 第1のBSスイッチ
S2 第2のBSスイッチ
D
BS1 第1のスイッチダイオード
D
BS2 第2のスイッチダイオード
D
BS3 第3のスイッチダイオード
D
BS4 第4のスイッチダイオード
G
S1 制御端子
G
S2 制御端子
D
in1 第1のダイオード
D
in2 第2のダイオード
BS 双方向スイッチ
S
S1 ソース端子
S
S2 ソース端子
D
S1 ドレイン端子
D
S2 ドレイン端子