(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示される「液面計測システム」のように複数の制御ユニットを備える計測システムにおいては、複数の制御ユニットとこれらから出力されるセンサデータ等を処理する上位制御ユニット(特許文献1では算出回路)との間を、制御ユニットの数だけケーブル等で電気的に接続する必要がある。例えば、制御ユニットが100台である場合には、100本のケーブルを上位制御ユニットとの間に配線する必要がある。
【0005】
特に、複数のセンサに接続される複数の制御ユニットとその上位制御ユニットを同一の筐体内に収容する場合には、両者間を接続するケーブルの収容空間を筐体内に確保する必要がある。そのため、ケーブルの本数によっては筐体が大型になり得ることから、多数本のケーブルが装置の小型化や装置を設置する空間の省スペース化を妨げるおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、装置の小型化や設置空間の省スペース化を可能にし得る計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載された本発明の計測システムは、複数のセンサに対しデータ通信可能にそれぞれ接続される複数の第1制御ユニットと、前記複数の第1制御ユニットにデータ通信可能に接続されて前記複数のセンサが送出する個々のセンサデータまたはこれらのセンサデータに基づくセンサ情報を前記複数の第1制御ユニットから受信する
複数の第2制御ユニットと、前記複数の第1制御ユニットおよび前記
複数の第2制御ユニットを収容する筐体と、を備え、前記複数の第1制御ユニットと前記第2制御ユニットとの間におけるデータ通信は、前記筐体内で行われる無線データ通信
(通信手順はポーリング方式)であ
り、前記複数の第2制御ユニットのうちの一の第2制御ユニットが前記ポーリング方式のポーリング処理を行わなくなると、前記複数の第1制御ユニットのうち、この一の第2制御ユニットに前記センサデータまたは前記センサ情報を送信していた前記第1制御ユニットは、前記複数の第2制御ユニットのうちの他の第2制御ユニットに前記センサデータまたは前記センサ情報を送信することを技術的特徴とする。
「ポーリング処理」とは、通信手順がポーリング方式である場合において、第2制御ユニットから第1制御ユニットに対するポールフレームの送信処理のことである。
【0008】
複数の第1制御ユニットと
複数の第2制御ユニットとの間におけるデータ通信は、筐体内で行われる無線データ通信
(通信手順はポーリング方式)である。即ち、複数の第1制御ユニットと
複数の第2制御ユニットとは、有線ではなく、無線によりワイヤレスでデータ通信可能に接続されている。これにより、これらの間にはデータ通信用のケーブルを設ける必要がないため、筐体内にケーブルの収容空間を確保する必要もなくなる。
また、複数の第2制御ユニットのうちの一の第2制御ユニットがポーリング方式のポーリング処理を行わなくなると(本来行われるべきポーリング処理がない場合等)、この一の第2制御ユニットにセンサデータまたはセンサ情報を送信していた第1制御ユニットは、複数の第2制御ユニットのうちの他の第2制御ユニット(正常にポーリング処理等を行い得る第2制御ユニット)にセンサデータまたはセンサ情報を送信する。これにより、当該第1制御ユニットが、例えば、故障等が原因で応答することのできない一の第2制御ユニットに対してセンサデータまたはセンサ情報を送信し続けることによるセンサデータまたはセンサ情報の伝達障害を抑制できる。また、ポーリング方式は、TDMA(Time Division Multiple Access;時分割多元接続)方式のように正確なタイムスロットを必要としないため、複雑になりがちな同期手順を採る必要もない。
【0011】
また、特許請求の範囲の請求項
2に記載された本発明の計測システムは、
複数のセンサに対しデータ通信可能にそれぞれ接続される複数の第1制御ユニットと、前記複数の第1制御ユニットにデータ通信可能に接続されて前記複数のセンサが送出する個々のセンサデータまたはこれらのセンサデータに基づくセンサ情報を前記複数の第1制御ユニットから受信する複数の第2制御ユニットと、前記複数の第1制御ユニットおよび前記複数の第2制御ユニットを収容する筐体と、を備え、前記複数の第1制御ユニットと前記第2制御ユニットとの間におけるデータ通信は、前記筐体内で行われる無線データ通信(通信手順はポーリング方式)であり、前記複数の第2制御ユニットのうちの一部の第2制御ユニットは、前記複数の第1制御ユニットのうちの一部の第1制御ユニットから前記センサデータまたは前記センサ情報を受信し、前記複数の第2制御ユニットのうちの残部の第2制御ユニットは、前記複数の第1制御ユニットのうちの残部の第1制御ユニットから前記センサデータまたは前記センサ情報を受信することを技術的特徴とする。
【0012】
筐体内に第2制御ユニットが複数(例えば3台)収容されている場合において、例えば、3台の第2制御ユニットのうちの1台の第2制御ユニットは、100台の第1制御ユニットのうちの30台の第1制御ユニットからセンサデータまたはセンサ情報を受信し、もう1台の第2制御ユニットは、残りの70台の第1制御ユニットのうちの30台の第1制御ユニットからセンサデータまたはセンサ情報を受信し、残りの1台の第2制御ユニットは、残りの40台の第1制御ユニットからセンサデータまたはセンサ情報を受信する。これにより、1台の第2制御ユニットが100台の第1制御ユニットからセンサデータまたはセンサ情報を受信する場合に比べて、1台当たりの情報処理の負荷を減らすことが可能になる。つまり、第2制御ユニットが単一である場合に比べて負荷分散を可能にする。
また、ポーリング方式は、TDMA(Time Division Multiple Access;時分割多元接続)方式のように正確なタイムスロットを必要としないため、複雑になりがちな同期手順を採る必要もない。
【0013】
また、特許請求の範囲の請求項
3に記載された本発明の計測システムは、
複数のセンサに対しデータ通信可能にそれぞれ接続される複数の第1制御ユニットと、前記複数の第1制御ユニットにデータ通信可能に接続されて前記複数のセンサが送出する個々のセンサデータまたはこれらのセンサデータに基づくセンサ情報を前記複数の第1制御ユニットから受信する2台の第2制御ユニットと、前記複数の第1制御ユニットおよび前記2台の第2制御ユニットを収容する筐体と、を備え、前記複数の第1制御ユニットと前記第2制御ユニットとの間におけるデータ通信は、前記筐体内で行われる無線データ通信(通信手順はポーリング方式)であり、前記2台
の第2制御ユニットのうちの一方の第2制御ユニットは、前記複数の第1制御ユニットのうちの一部の第1制御ユニットから前記センサデータまたは前記センサ情報を受信し、
前記2台
の第2制御ユニットのうちの他方の第2制御ユニットは、前記複数の第1制御ユニットのうちの残部の第1制御ユニットから前記センサデータまたは前記センサ情報を受信し、前記一方の第2制御ユニットが
前記ポーリング方式のポーリング処理を行わなくなると、前記一部の第1制御ユニットは、前記他方の第2制御ユニットに前記センサデータまたは前記センサ情報を送信し、前記他方の第2制御ユニットが
前記ポーリング方式のポーリング処理を行わなくなると、前記残部の第1制御ユニットは、前記一方の第2制御ユニットに前記センサデータまたは前記センサ情報を送信することを技術的特徴とする。
「ポーリング処理」とは、通信手順がポーリング方式である場合において、第2制御ユニットから第1制御ユニットに対するポールフレームの送信処理のことである。
【0014】
筐体内に第2制御ユニットが2台収容されている場合において、2台の第2制御ユニットのうちの1台の第2制御ユニットは、例えば、100台の第1制御ユニット(一部の第1制御ユニット)のうちの50台の第1制御ユニットからセンサデータまたはセンサ情報を受信し、もう1台の第2制御ユニットは、残りの50台の第1制御ユニット(残部の第1制御ユニット)からセンサデータまたはセンサ情報を受信する。これにより、1台の第2制御ユニットが100台の第1制御ユニットからセンサデータまたはセンサ情報を受信する場合に比べて、1台当たりの情報処理の負荷を減らすことが可能になる。つまり、第2制御ユニットが単一である場合に比べて負荷分散を可能にする。
また、ポーリング方式は、TDMA(Time Division Multiple Access;時分割多元接続)方式のように正確なタイムスロットを必要としないため、複雑になりがちな同期手順を採る必要もない。
【0015】
また、一方の第2制御ユニットが
ポーリング方式のポーリング処理を行わなくなると
(本来行われるべきポーリング処理がない場合等)、この一方の第2制御ユニットにセンサデータまたはセンサ情報を送信していた50台の第1制御ユニットは、他方の第2制御ユニット
(正常にポーリング処理等を行い得る第2制御ユニット)にセンサデータまたはセンサ情報を送信する。また、他方の第2制御ユニットが
ポーリング方式のポーリング処理を行わなくなると
(本来行われるべきポーリング処理がない場合等)、この他方の第2制御ユニットにセンサデータまたはセンサ情報を送信していた50台の第1制御ユニットは、一方の第2制御ユニット
(正常にポーリング処理等を行い得る第2制御ユニット)にセンサデータまたはセンサ情報を送信する。これにより、50台の第1制御ユニットが、例えば、故障等が原因で応答することのできない一方(または他方)の第2制御ユニットに対してセンサデータまたはセンサ情報を送信し続けることによるセンサデータまたはセンサ情報の伝達障害を抑制できる。
【0016】
また、特許請求の範囲の請求項
4に記載された本発明の計測システムは、請求項1〜
3のいずれか一項に記載の計測システムにおいて、前記複数のセンサは、船舶のタンクに貯留される液体の液面位置を検出する液位センサであることを技術的特徴とする。これにより、搭載機器用の設置空間が限られた広さの船舶(特に商用船舶)においては、ケーブルの収容空間が不要になるぶんの筐体や装置のダウンサイジングの効果が有効になる。つまり、装置の小型化や設置空間の省スペース化の効果が高い。
【発明の効果】
【0017】
複数の第1制御ユニットと第2制御ユニットとの間にはデータ通信用のケーブルを設ける必要がないため、筐体内にケーブルの収容空間を確保する必要もなくなる。したがって、このようなケーブルの収容空間が不要になるぶん、筐体の体格を小さくすることが可能になる。そのため、装置の小型化や設置空間の省スペース化を可能にすることができる。
【0018】
第1制御ユニットが、例えば、故障等が原因で応答することのできない一の第2制御ユニットに対してセンサデータまたはセンサ情報を送信し続けることによるセンサデータまたはセンサ情報の伝達障害を抑制できる。したがって、このような所定の情報処理を行わなくなった一の第2制御ユニットが原因となる障害の発生を回避することができる。
【0019】
第2制御ユニットが単一である場合に比べて負荷分散を可能にする。したがって、第2制御ユニットによるセンサデータまたはセンサ情報の収集や情報処理を高速に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の計測システムの各実施形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の計測システムの第1実施形態を
図1〜
図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本第1実施形態に係る計測システム10aは、主に、システムサポートパネル11、CPU20、マスタ30、ノード40、スレーブ50、センサユニット60等により構成されている。
【0022】
システムサポートパネル11は、複数のユニットやボードを実装可能な装置架であり、システムラックと呼ばれる場合もある。一般的には、金属製の枠体に対して、天井面、底面および側面を覆う金属板が取り付けられており、前面や後面のアクセス面が外部空間に開放可能に構成されている。本第1実施形態では、CPU20、マスタ30、ノード40、スレーブ50等のユニットやボードを収容可能に構成されている。なお、システムサポートパネル11は、特許請求の範囲に記載の「筐体」に相当し得るものである。CPU20、マスタ30、ノード40、スレーブ50等を収容可能であれば、密閉タイプ(例えば箱状)の筐体でもよい。
【0023】
CPU20は、例えば、ボード(基板)状のマイクロコンピュータ(マイコンボード)であり、MPU、メモリ(DRAM、EEPROM等)、入出力インタフェース等により構成されている。MPU、メモリ等を含んだワンチップマイコンや、DSP(Digital Signal Processor)等を含んで構成される場合もある。
【0024】
本第1実施形態では、後述するように、CPU20は、複数のノード40を介して各センサユニット60から送られてくるセンサデータ(ディジタルデータ)に基づいて各センサユニット60の稼動情報を出力したり、センサデータを集計処理や統計処理したりしてその結果を外部に出力する。そのため、CPU20には、図略のディスプレイ装置が接続されていたり、ケーブル80を介して上位のコンピュータシステムが接続されていたりする。また、メモリ(EEPROM等)には、これらの情報処理をMPUにより実行可能にするプログラムデータが予め記憶されている。
【0025】
マスタ30は、無線によりデータ通信を可能にする無線通信ユニットである。例えば、マスタ30は、所定の周波数で無線通信可能に構成される無線ユニット、無線ユニットの周波数選択や送受信等を制御する無線コントローラ、アンテナ等により構成されている。なお、無線ユニット、無線コントローラ、アンテナ等は、図示されていないことに注意されたい。本第1実施形態では、CPU20とマスタ30は別体に構成されている。そのため、CPU20とマスタ30の間は、ケーブル13により電気的に接続されており、両者間のデータ通信を可能にしている。
【0026】
なお、本第1実施形態では、CPU20およびマスタ30を合わせたもの(
図1の構成では、CPU20およびマスタ30と、これらを接続するケーブル13と)が、特許請求の範囲に記載の「第2制御ユニット」に相当し得る。
【0027】
ノード40は、センサユニット60から送られてくるセンサデータをCPU20に送信したり、センサユニット60に対して所定の初期化処理を行ったりするものである。そのため、ノード40は、例えば、ワンチップマイコン等からなるセンサコントローラを、CPU20と同様に、例えば、ボード(基板)状に構成したものである。本第1実施形態では、1つのセンサユニット60に対して1つのノード40が設けられている。つまり、複数のノード40a,40b,40c,…,40nは、センサユニット60の数だけ存在しており、これらは、ケーブル90によりデータ通信可能にセンサユニット60a,60b,60c,…,60nにそれぞれ接続されている。なお、ノード40は、センサユニット60から送られてくるセンサデータをそのままスレーブ50等を介してCPU20に送信するのではなく、これらのセンサデータに基づくセンサ情報を生成してCPU20に送信するように構成してもよい。例えば、センサデータを所定の基準値(所定の閾値)と比較しその比較結果である良否情報(OKまたはNG)をセンサ情報として出力してもよい。
【0028】
スレーブ50は、マスタ30に対して、無線によりデータ通信(
図1に示す両矢印付き破線)を可能にする無線通信ユニットである。そのため、マスタ30とほぼ同様に、例えば、所定の周波数で無線通信可能に構成される無線ユニット、無線ユニットの周波数選択や送受信等を制御する無線コントローラ、アンテナ等により構成されている。スレーブ50の無線コントローラには、自分を管理すべきマスタ30の識別情報(マスタID)が登録されている点が、マスタ30の無線コントローラと異なる。なお、スレーブ50を構成する、無線ユニット、無線コントローラ、アンテナ等も、図示されていないことに注意されたい。本第1実施形態では、ノード40とスレーブ50は一体に構成されている。そのため、複数のノード40a,40b,40c,…,40nの数だけ、スレーブ50a,50b,50c,…,50nが存在する。なお、本第1実施形態では、ノード40およびスレーブ50を合わせたものが、特許請求の範囲に記載の「第1制御ユニット」に相当し得る。
【0029】
このように構成される計測システム10aは、システムサポートパネル11内において、
図2に示すように、マスタ30およびスレーブ50が無線通信を行うが、その説明の前に、マスタ30とのコネクションの確立手順について説明する。なお、以下説明するコネクションの確立、ポーリングやそれに対するレスポンス(ACK,NACK)等は、マスタ30およびスレーブ50のそれぞれの無線コントローラが実行する。
【0030】
スレーブ50は、その電源が投入されたり、初期化処理が実行されたりすると、まず自分を管理すべきマスタ30に対してコネクションの確立を要求するリクエストコマンドフレームを送信する。このリクエストコマンドには、当該スレーブ50の識別情報(スレーブID)に加えて、マスタ30の識別情報(マスタID)が付加されている。そのため、コネクション確立要求のコマンドを受信したマスタ30は、自分に対するコネクションの確立要求であると判断すると、付加されているスレーブIDを登録するとともに、そのスレーブIDを付加したコネクション確立応答のレスポンスフレームを送信する。これにより、マスタ30とスレーブ50の間のコネクションの確立が完了するため、それ以後、マスタ30は、スレーブ50に対して所定の時間間隔でポールフレームを送信する。
【0031】
即ち、
図2に示すように、マスタ30(
図2に示す「M」)は、自分が管理する複数のスレーブ50a,50b,50c,…,50n(
図2に示す「Sa」、「Sb」、「Sc」…「Sn」)に対して、順番にポールフレーム(POL)を送信する。ポールフレームには、スレーブ50を特定し得るスレーブIDが付加されている。そのため、各スレーブ50a,50b,50c,…,50nは、自分に対するポールフレーム(POL)を受信すると、マスタ30に対して、ACK(ACKnowledgement;肯定応答)を送信する。
【0032】
なお、
図2に示す通信手順においては、マスタ30からスレーブ50に対するデータ(下りデータ)の送信は想定していないが、例えば、強制的にセンサユニット60を初期化をする等のコマンドデータをマスタ30からスレーブ50に送信する場合には、データ等に誤りが生じた場合に応答するNACK(Negative ACKnowledgement;否定応答)を、スレーブ50からマスタ30に送信する場合があり得る。また、マスタ30がスレーブ50にポールフレームを送信しても、該当するスレーブ50がそれに応答しない場合(ACKを返さない場合)には、マスタ30は、該当スレーブ50のアラート情報をCPU20に送信して、該当スレーブ50が異常である旨の情報をCPU20に伝達する。これにより、例えば、CPU20は、そのディスプレイ装置に該当スレーブ50の故障情報を表示(例えば、該当スレーブ50のアイコンを正常時の緑色から異常時の赤色に変更)して、オペレータに該当スレーブ50の故障を報知する。
【0033】
また、接続されているセンサユニット60からスレーブ50にセンサデータが送出された場合には、当該スレーブ50は、ACKに続けてセンサデータ(
図2に示す「DATA」)をマスタ30に送信する。本第1実施形態では、このような通信手順(ポーリング方式)に従って、マスタ30とスレーブ50の間における無線通信が行われる。なお、マスタ30からスレーブ50に対してポールフレームを送信する処理(ポーリング処理)が、特許請求の範囲に記載の「所定の情報処理」に相当し得るものである。
【0034】
本第1実施形態の計測システム10aは、例えば、タンカーに搭載される液位センサに適用することが可能である。即ち、本第1実施形態では、
図3に示すように、タンカー100の船体101に設けられたカーゴタンク105内の液体110の液面位置(液位)を検出する液位センサ107から液位データ(センサデータ)を収集して情報処理を行うシステムに計測システム10aを適用する。液位センサ107は、典型的には、例えば、FMCWレーダ方式のものや電磁フロート式のものが例示される。各液位センサ107(センサユニット60a,60b,60c,…,60n)は、隔壁103により仕切られたカーゴタンク105の上方を塞ぐ天井102に取り付けられている。なお、
図3においては、船体101の一部がカットされてカーゴタンク105の断面がわかりやすく表されている。また、隔壁103、カーゴタンク105、液位センサ107、液体110については、一部のものに符号が付されており、符号を付していないものがあることに注意されたい。
【0035】
各液位センサ107が検出した液位データ(センサデータ)は、それぞれケーブル90を介して、船舶内の搭載機器用の設置スペースに設けられたシステムサポートパネル11内の各ノード40(ノード40a,40b,40c,…,40n)に対してそれぞれ送出される。これにより、各液位センサ107が検出した液位データ(センサデータ)は、前述したように、スレーブ50(スレーブ50a,50b,50c,…,50n)からマスタ30に無線送信されて、それらを受信したマスタ30を介してCPU20により収集される。CPU20は、各液位センサ107から送られてくる液位データに基づいて各液位センサ107の稼動情報を出力したり、液位データを集計処理や統計処理したりしてその結果を外部に出力したり、図略のディスプレイ装置に表示したりする。
【0036】
以上説明したように本第1実施形態に係る計測システム10aによると、複数のセンサユニット60a〜60nに対しデータ通信可能にそれぞれ接続される複数のノード40a〜40nと、これらのノード40a〜40nにデータ通信可能に接続されて複数のセンサユニット60a〜60nが送出する個々のセンサデータを複数のセンサユニット60a〜60
nから受信するCPU20と、複数のノード40a〜40nおよびCPU20を収容するシステムサポートパネル11と、を備えている。そして、複数のノード40a〜40nとCPU20との間におけるデータ通信は、システムサポートパネル11内においてマスタ30とスレーブ50a〜50nを介して、有線ではなく、無線によりワイヤレスでデータ通信可能に接続されている。これにより、これらの間にはデータ通信用のケーブルを設ける必要がないため(省線化)、筐体内にケーブルの収容空間を確保する必要もなくなる。したがって、このようなケーブルの収容空間が不要になるぶん、システムサポートパネル11の体格を小さくすることが可能になる。そのため、装置の小型化や設置空間の省スペース化を可能にすることができる。
【0037】
なお、上述した計測システム10aでは、CPU20とマスタ30を別体に構成し、両者をケーブル13で接続したが、CPU20とマスタ30を一体に構成してもよい。即ち、
図4に示すように、第1実施形態の計測システム10aの改変例として、システムサポートパネル11内のケーブル13を省いた構成にしてもよい(計測システム10b)。これにより、計測システム10bは、前述した計測システム10aに比べて、システムサポートパネル11に収容されるケーブルの本数が減るので、さらなる省線化とシステムサポートパネル11の体格をより小さくすることが可能になる。したがって、装置の一層の小型化や設置空間の省スペース化を可能にすることができる。
【0038】
また、
図4に示す計測システム10bについても、計測システム10aと同様に、例えば、タンカー100に搭載される液位センサ107に適用することが可能である。
【0039】
[第2実施形態]
次に、本発明の計測システムの第2実施形態を
図5〜
図8に基づいて説明する。
図5に示すように、第2実施形態の計測システム10cは、CPU20に2台のマスタ30a,30bが接続されている点が第1実施形態の計測システム10aと異なる。そのため、第1実施形態の計測システム10aと実質的に同一の構成部分については、計測システム10aと同一の符号を付すとともにそれらの説明を省略する。
【0040】
図5に示すように、第2実施形態の計測システム10cでは、2台のマスタ30aおよびマスタ30bがケーブル13により互いに接続されているとともに、CPU20に対しても接続されている。これにより、2台のマスタ30のうちの一方のマスタ30aは、例えば、スレーブ50a,50b,50cを管理し、また他方のマスタ30bは、例えば、スレーブ50d,…,50nを管理することが可能になる。具体的には、マスタ30a,30
bは、
図6および
図7に示すような通信手順を採ることが可能になる。なお、ここでは、スレーブ50は、全部で6台存在すると仮定する。そして、そのうちの3台のスレーブ50a,50b,50cは、一方のマスタ30aが管理し、残りの3台のスレーブ50d,…,50nは、他方のマスタ30bが管理するように、デフォルト状態において自分を管理すべきマスタ30a,30bのマスタIDがスレーブ50a〜50nの無線コントローラに登録されている。
【0041】
コネクション確立要求のコマンドを受信したマスタ30a,30bは、自分に対するコネクションの確立要求であると判断すると、付加されているスレーブIDを登録するとともに、そのスレーブIDを付加したコネクション確立応答のレスポンスフレームを送信する。これにより、マスタ30aとスレーブ50a,50b,50cの間のコネクションの確立が完了し、またマスタ30bとスレーブ50d,…,50nの間のコネクションの確立が完了する。そのため、それ以後、マスタ30a,30bは、それぞれ管理するスレーブ50a等に対して所定の時間間隔でポールフレームを送信する。
【0042】
即ち、
図6に示すように、一方のマスタ30a(
図6に示す「Ma」)は、自分が管理する3台のスレーブ50a,50b,50c(
図6に示す「Sa」、「Sb」、「Sc」)に対して、順番にポールフレームを送信する。同様に、他方のマスタ30b(
図6に示す「Mb」)は、自分が管理する3台のスレーブ50d,…,50n(
図6に示す「Sd」、…、「Sn」)に対して、順番にポールフレームを送信する。ポールフレームには、スレーブ50を特定し得るスレーブIDが付加されているため、各スレーブ50a,50b,50c,…,50nは、自分に対するポールフレームを受信すると、マスタ30aまたはマスタ30bに対して、ACKを送信する。
【0043】
マスタ30aとマスタ30bは、それぞれが同時期にポールフレームを送信しないように、送信タイミングを調整している。例えば、マスタ30a,30bは、送信タイミングを決定する送信クロックをケーブル13を介して共有することにより、同じ(共通の)送信クロックでポールフレームを送信することが可能になる。これにより、互いに異なるタイミングでポールフレームを送信することが可能になるので、両者のポールフレームが衝突することによるポーリングの失敗を抑制することができる。なお、マスタ30a,30bのそれぞれの無線ユニットが備えるキャリアセンス回路によって、このようなポールフレームの衝突を回避してもよい。
【0044】
また、マスタ30a,30bがスレーブ50にポールフレームを送信しても、該当するスレーブ50がそれに応答しない場合(ACKを返さない場合)には、マスタ30a,30bは、該当スレーブ50のアラート情報をCPU20に送信して、該当スレーブ50が異常である旨の情報をCPU20に伝達する。これにより、例えば、CPU20は、そのディスプレイ装置に該当スレーブ50の故障情報を表示(例えば、該当スレーブ50のアイコンを正常時の緑色から異常時の赤色に変更)して、オペレータに該当スレーブ50の故障を報知する。
【0045】
他方のマスタ30bが故障等によりポールフレームを送信することができなくなった場合には、当該マスタ30bが管理すべきスレーブ50d,…,50nは、例えば、次のような手順で一方のマスタ30aの管理下に移行する。即ち、
図7に示すように、他方のマスタ30bからポールフレームが送信されてくるべきタイミング(または最後にポールフレームを受信してから所定のタイムアウト時間のタイミング)を経過しても、ポーリングがない場合には、スレーブ50d,…,50nは、もう一方のマスタ30aに対してコネクションの確立を要求するリクエストコマンドフレーム(REQ)を送信する。
【0046】
このリクエストコマンドには、当該スレーブ50のスレーブIDに加えて、マスタ30aのマスタIDが付加されている。そのため、コネクション確立要求のコマンドを受信したマスタ30aは、自分に対するコネクションの確立要求であると判断すると、付加されているスレーブIDを登録するとともに、そのスレーブIDを付加したコネクション確立応答のレスポンスフレーム(RES)を送信する。これにより、マスタ30aとスレーブ50d,…,50nの間のコネクションの確立が完了する。
【0047】
コネクションが確立した後、一方のマスタ30aがスレーブ50a〜50nに対して、順番にポールフレーム(POL)を送信することによって、全てのスレーブ50等を管理することが可能になる。つまり、全てのスレーブ50等がマスタ30aの管理下に入る。なお、一方のマスタ30aが故障等によりポールフレームを送信することができなくなった場合には、当該マスタ30aが管理すべきスレーブ50a,50b,50cは、同様の手順で他方のマスタ30bの管理下に移行する。
【0048】
以上説明したように本第2実施形態に係る計測システム10cによると、2台のマスタ30
a,30bのうちの一方のマスタ30aは、6台のノード40a,40b,40c,40d,…,40nのうちの3台のノード40a,40b,40cからセンサデータを受信し、他方のマスタ30bは、残りの3台のノード40d,…,40nからセンサデータを受信する。これにより、1台のマスタ30が6台のノード40a,40b,40c,40d,…,40nからセンサデータを受信する場合に比べて、1台当たりマスタ30の情報処理の負荷を減らすことが可能になる。つまり、マスタ30が単一である場合に比べて負荷分散を可能にする。
【0049】
また、一方のマスタ30bがポーリング処理を行わなくなると、この一方のマスタ30bにセンサデータを送信していた3台のノード40d,…,40nは、正常にポーリング処理等を行い得る他方の
マスタ30aにセンサデータを送信する。また、他方のマスタ30aがポーリング処理を行わなくなると、この他方のマスタ30aにセンサデータを送信していた3台のノード40a,40b,40cは、正常にポーリング処理等を行い得る一方のマスタ30bにセンサデータを送信する。これにより、6台のノード40a,40b,40c,40d,…,40nが、例えば、故障等が原因で応答することのできない一方のマスタ30a(または他方のマスタ30b)に対してセンサデータを送信し続けることによるセンサデータの伝達障害を抑制できる。
【0050】
なお、上述した計測システム10cでは、CPU20とマスタ30a,30bを別体に構成し、両者をケーブル13で接続したが、CPU20とマスタ30a,30bを一体に構成してもよい。即ち、
図8に示すように、CPU20をもう1台追加して、一方のCPU20aとマスタ30aを一体に構成し、他方のCPU20bとマスタ30bを一体に構成してもよい。この場合には、CPU20aとCPU20bとをケーブル13により接続して、両CPU20a,20b間におけるスレーブ50の管理情報の整合性を確保可能に構成する。即ち、マスタ30aが管理するスレーブ50a等と、マスタ30bが管理するスレーブ50d等と、が互いに重複しないように各スレーブ50(スレーブ50a,50b,50c,50d,…,50n)の管理情報をCPU20a,20bが共有する。
【0051】
これにより、1台のCPU20で6台のノード40a,40b,40c,40d,…,40nからセンサデータを情報処理する場合に比べて、1台当たりCPU20の情報処理の負荷を減らすことが可能になる。つまり、CPU20が単一である場合に比べて負荷分散を可能にする。なお、CPU20の台数は3台以上でもよい。
【0052】
また、第2実施形態の計測システム10cおよび
図8に示す計測システム10dについても、計測システム10aと同様に、例えば、タンカー100に搭載される液位センサ107に適用することが可能である。
【0053】
なお、上述した第1実施形態および第2実施形態では、説明の便宜上、数台のノード40やセンサユニット60の場合を例示して説明したが、100台以上のノード40やセンサユニット60を、無線回線を介してマスタ30等に接続してもよい。
【0054】
上述した第1実施形態および第2実施形態では、マスタ30とスレーブ50との間における通信手順として、ポーリング方式を使用する。これにより、例えば、コンテンション方式を使用する場合に比べて、スレーブ50同士間(例えば、スレーブ50aとスレーブ50b)におけるセンサデータの衝突を防ぐことが可能になる。ノード40やセンサユニット60の数が多いほどコンテンション方式を使用すると、センサデータ同士が衝突する確率が高まる。そのため、ポーリング方式を使用することによって、衝突によるセンサデータの喪失を防止しセンサデータの信頼性を高めることが可能になる。また、ポーリング方式は、TDMA(Time Division Multiple Access;時分割多元接続)方式のように正確なタイムスロットを必要としないため、複雑になりがちな同期手順を採る必要もない。したがって、例えば、100台以上のノード40やセンサユニット60を無線回線を介してマスタ30等に接続する場合には、ポーリング方式を使用することにより、非同期でしかも簡素な手順でありながら、センサデータの一定品質を維持することができる。
【0055】
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、センサユニット60,60a〜60nとして、タンカー100に搭載される液位センサ107の場合を例示して説明したが、本発明の計測システムは、所定の物理量(位置、距離、変位量、質量、物質(気体・液体・固体)の成分や濃度、電圧、電流、電力、温度、湿度、圧力、流量、光(光束、光度、照度、輝度)、磁気、音、振動数、速度、加速度、角速度等)を計測することが可能なセンサ(検出部)であればよい。
【0056】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述した具体例を様々に変形または変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。さらに、本明細書または図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つ。なお、[符号の説明]の欄における括弧内の記載は、上述した各実施形態で用いた用語と、特許請求の範囲に記載の用語との対応関係を明示し得るものである。
【符号の説明】
【0057】
10a,10b,10c,10d…計測システム
11…システムサポートパネル(筐体)
13,80,90…ケーブル
20…CPU(第2制御ユニット、一の第2制御ユニット、一部の第2制御ユニット、一方の第2制御ユニット、他の第2制御ユニット、残部の第2制御ユニット、他方の第2制御ユニット)
20a…CPU(一の第2制御ユニット、一部の第2制御ユニット、一方の第2制御ユニット)
20b…CPU(他の第2制御ユニット、残部の第2制御ユニット、他方の第2制御ユニット)
30…マスタ(第2制御ユニット)
30a…マスタ(一の第2制御ユニット、一部の第2制御ユニット、一方の第2制御ユニット)
30b…マスタ(他の第2制御ユニット、残部の第2制御ユニット、他方の第2制御ユニット)
40,40a,40b,40c,40d,40n…ノード(第1制御ユニット)
50,50a,50b,50c,50d,50n…スレーブ(第1制御ユニット)
60,60a,60b,60c,60d,60n…センサユニット(センサ)
100…タンカー(船舶)
105…カーゴタンク(タンク)
107…液位センサ(センサ)
110…液体