特許第6263247号(P6263247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6263247画像表示装置、画像表示方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263247
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】画像表示装置、画像表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20180104BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20180104BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20180104BHJP
【FI】
   G06F3/0484 120
   G06F3/0488 130
   G06F3/0481 170
【請求項の数】12
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2016-212468(P2016-212468)
(22)【出願日】2016年10月31日
(62)【分割の表示】特願2015-67412(P2015-67412)の分割
【原出願日】2014年1月24日
(65)【公開番号】特開2017-50013(P2017-50013A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2016年10月31日
(31)【優先権主張番号】特願2013-11751(P2013-11751)
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】505277358
【氏名又は名称】株式会社モルフォ
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(72)【発明者】
【氏名】平賀 督基
(72)【発明者】
【氏名】中野 友行
【審査官】 岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−003579(JP,A)
【文献】 特開2012−008666(JP,A)
【文献】 特開2012−190215(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0056836(US,A1)
【文献】 特開2012−089115(JP,A)
【文献】 特開2011−065439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
3/03−3/0489
3/14−3/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置であって、
各アイテムは選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示可能であり、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの表示制御を実行する表示制御部を備え
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
1回目の変換操作後に指定操作が解除されることなく検出された2回目の変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のいずれかの表示制御のうち、1回目の変換操作に応じて実行された表示制御とは異なる表示制御を実行する、画像表示装置。
【請求項2】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置であって、
各アイテムは選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示可能であり、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの表示制御を実行する表示制御部を備え、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
変換操作後に指定操作が解除されることなく、当該指定操作により指定される範囲が拡大されたときに、拡大前の範囲には属していないが拡大後の範囲に属することとなった各アイテムを対象として、当該変換操作に応じて実行された表示制御を実行する、像表示装置。
【請求項3】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置であって、
各アイテムは選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示可能であり、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの表示制御を実行する表示制御部を備え、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
変換操作後に指定操作が解除されることなく、当該指定操作により指定される範囲が縮小されたときに、縮小前の範囲には属していたが縮小後の範囲に属しないこととなった各アイテムの態様を、当該変換操作が行われる前の態様に戻す、像表示装置。
【請求項4】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置であって、
各アイテムは選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示可能であり、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの表示制御を実行する表示制御部を備え、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
変換操作後に指定操作が解除されることなく、当該指定操作により指定される範囲が縮小されたときに、縮小前の範囲には属していたが縮小後の範囲に属しないこととなった各アイテムの態様を、当該変換操作が行われた後の態様に維持する、像表示装置。
【請求項5】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置において実行される画像表示方法であって、
各アイテムを選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示する制御と、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの制御と、を実行し
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
1回目の変換操作後に指定操作が解除されることなく検出された2回目の変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のいずれかの制御のうち、1回目の変換操作に応じて実行された制御とは異なる制御を実行する、画像表示方法。
【請求項6】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置において実行される画像表示方法であって、
各アイテムを選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示する制御と、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの制御と、を実行し、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
変換操作後に指定操作が解除されることなく、当該指定操作により指定される範囲が拡大されたときに、拡大前の範囲には属していないが拡大後の範囲に属することとなった各アイテムを対象として、当該変換操作に応じて実行された制御を実行する、画像表示方法。
【請求項7】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置において実行される画像表示方法であって、
各アイテムを選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示する制御と、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの制御と、を実行し、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
変換操作後に指定操作が解除されることなく、当該指定操作により指定される範囲が縮小されたときに、縮小前の範囲には属していたが縮小後の範囲に属しないこととなった各アイテムの態様を、当該変換操作が行われる前の態様に戻す、画像表示方法。
【請求項8】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置において実行される画像表示方法であって、
各アイテムを選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示する制御と、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの制御と、を実行し、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
変換操作後に指定操作が解除されることなく、当該指定操作により指定される範囲が縮小されたときに、縮小前の範囲には属していたが縮小後の範囲に属しないこととなった各アイテムの態様を、当該変換操作が行われた後の態様に維持する、画像表示方法。
【請求項9】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置において実行されるプログラムであって、
各アイテムを選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示する制御と、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの制御と、を実行し、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
1回目の変換操作後に指定操作が解除されることなく検出された2回目の変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のいずれかの制御のうち、1回目の変換操作に応じて実行された制御とは異なる制御を実行する、プログラム。
【請求項10】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置において実行されるプログラムであって、
各アイテムを選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示する制御と、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの制御と、を実行し、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
変換操作後に指定操作が解除されることなく、当該指定操作により指定される範囲が拡大されたときに、拡大前の範囲には属していないが拡大後の範囲に属することとなった各アイテムを対象として、当該変換操作に応じて実行された制御を実行する、プログラム。
【請求項11】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置において実行されるプログラムであって、
各アイテムを選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示する制御と、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの制御と、を実行し、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
変換操作後に指定操作が解除されることなく、当該指定操作により指定される範囲が縮小されたときに、縮小前の範囲には属していたが縮小後の範囲に属しないこととなった各アイテムの態様を、当該変換操作が行われる前の態様に戻す、プログラム。
【請求項12】
アイテムをタッチスクリーンに複数表示する画像表示装置において実行されるプログラムであって、
各アイテムを選択態様または非選択態様によりタッチスクリーンに表示する制御と、
前記タッチスクリーンにおける指定操作により指定された範囲に属するアイテムを対象として、当該指定操作後に検出された変換操作に応じて、(1)指定範囲の各アイテムの表示態様を反転させる、(2)指定範囲の全てのアイテムを選択態様で表示する、及び、(3)指定範囲の全てのアイテムを非選択態様で表示する、のうちいずれかの制御と、を実行し、
前記変換操作は前記指定操作を解除することなく実行可能な操作であり、
変換操作後に指定操作が解除されることなく、当該指定操作により指定される範囲が縮小されたときに、縮小前の範囲には属していたが縮小後の範囲に属しないこととなった各アイテムの態様を、当該変換操作が行われた後の態様に維持する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンを有する画像表示装置、その画像表示装置において実行される画像表示方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置における画像の閲覧や選択等、従来はマウスやキーボード等の入力装置を介して行っていた作業が、近年ではタッチスクリーン上の操作により実現可能となっている。例えば、特許文献1にはタッチスクリーンの特徴に対応する様々な操作が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−515978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スマートフォンやタブレット端末等のタッチスクリーン式の画像表示装置では、タップ操作やピンチ操作等のユーザが直感的に行うことが可能な操作によって目的とする処理を実行可能である。一方で、このようなタッチスクリーンにおける操作では、マウスやキーボード等による入力操作とは異なり、例えば画像表示態様の設定や画像の選択等に関して、細かな設定や選択が困難であったり制約があるといった課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決する画像表示装置等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく以下の手段を採った。なお後述する発明を実施するための形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0007】
手段1に係る発明は、
アイテム(サムネイル)をタッチスクリーンにリスト表示する画像表示装置(100)であって、
前記タッチスクリーンにおける指定操作(ピンチ操作)により指定される2点の座標に基づいて決定される指定領域(2点の座標を対角線とする矩形)に属するアイテムを対象として、対象のアイテム全てを選択態様で表示する選択表示制御(「対象サムネイル全てが選択態様で表示されている状態」ではないときのS2005の処理)、または、対象のアイテム全てを非選択態様で表示する非選択表示制御(「対象サムネイル全てが選択態様で表示されている状態」であるときのS2007の処理)を実行し、
前記選択表示制御の実行後に前記指定操作に係る座標が移動したことに伴い、移動後の座標に基づいて決定される指定領域に属するアイテムを対象として、前記選択表示制御をさらに実行し(ピンチ操作が解除されることなくピンチアウト操作またはピンチイン操作等により2点の座標が移動した場合に、ステータスが選択状態であればS2014を実行して選択領域を拡大または縮小し)、
前記非選択表示制御の実行後に前記指定操作に係る座標が移動したことに伴い、移動後の座標に基づいて決定される指定領域に属するアイテムを対象として、前記非選択表示制御をさらに実行する(ピンチ操作が解除されることなくピンチアウト操作またはピンチイン操作等により2点の座標が移動した場合に、ステータスが非選択状態であればS2015を実行して非選択領域を拡大または縮小する)
ことを特徴とする。
これによれば、処理対象とするサムネイルを細かく設定することが可能となる。
【0008】
手段2に係る発明は、
手段1に記載した画像表示装置であって、
前記指定操作が解除されるときに選択態様で表示されているアイテムは、新たな指定操作に基づく非選択表示制御の対象となるまで選択態様で表示され(1回目のピンチ操作が解除された後も、2回目のピンチ操作に基づく非選択表示制御の対象となるまでは選択態様で表示され)、
前記指定操作が解除されるときに非選択態様で表示されているアイテムは、新たな指定操作に基づく選択表示制御の対象となるまで非選択態様で表示される(1回目のピンチ操作が解除された後も、2回目のピンチ操作に基づく選択表示制御の対象となるまでは非選択態様で表示される)
ことを特徴とする。
これによれば、複数回の指定操作を実行することにより、処理対象とするサムネイルを細かく設定することが可能となる。
【0009】
手段3に係る発明は、
手段1または2に記載した画像表示装置であって、
前記選択表示制御または前記非選択表示制御の実行後に、当該選択表示制御または当該非選択表示制御に係る指定操作が解除されることなく、さらに所定の反転操作が検出されたことに基づいて(S2005やS2014、S2007やS2015の処理が実行された後に、当該処理に係るピンチ操作が解除されることなく(マルチタッチ状態が維持されたままで)、S2020でタップが検出された場合には)、当該指定操作により指定されている2点の座標に基づいて決定される指定領域に属するアイテムを対象として、当該アイテムが選択態様で表示されている場合には非選択態様に変更する非選択反転制御を実行し(S2021で選択態様で表示されているサムネイルを非選択態様での表示に変更して、S2023でステータスを非選択状態に変更し)、当該アイテムが非選択態様で表示されている場合には選択態様に変更する選択反転制御を実行する(S2021で非選択態様で表示されているサムネイルを選択態様での表示に変更して、S2024でステータスを選択状態に変更する)
ことを特徴とする。
これによれば、一旦、選択表示制御または非選択表示制御が実行されたサムネイルを対象として、容易に表示態様を反転させることが可能となる。
【0010】
手段4に係る発明は、
手段3に記載した画像表示装置であって、
前記非選択反転制御の実行後に前記指定操作に係る座標が移動したことに伴い、移動後の座標に基づいて決定される指定領域に属するアイテムを対象として、前記非選択表示制御を実行し(S2021で非選択反転制御が実行された後、ピンチ操作が解除されることなくピンチアウト操作またはピンチイン操作等により2点の座標が移動した場合に、ステータスが非選択状態であることによりS2015を実行して反転領域を拡大または縮小し)、
前記選択反転制御の実行後に前記指定操作に係る座標が移動したことに伴い、移動後の座標に基づいて決定される指定領域に属するアイテムを対象として、前記選択表示制御を実行する(S2021で選択反転制御が実行された後、ピンチ操作が解除されることなくピンチアウト操作またはピンチイン操作等により2点の座標が移動した場合に、ステータスが選択状態であることによりS2014を実行して反転領域を拡大または縮小する)
ことを特徴とする。
これによれば、反転領域を容易に拡大・縮小させることが可能となる。
【0011】
手段5に係る発明は、
手段1〜4から選択される1に記載した画像表示装置であって、
前記アイテムはサムネイルであり、
サムネイルがリスト表示されている状態において、前記指定操作に応じた選択表示制御または非選択表示制御を実行可能とする選択モードと、所定の拡大・縮小操作に応じたサムネイルの拡大・縮小表示を実行可能とする非選択モードとが存在し、
前記指定操作および前記拡大・縮小操作は、いずれもタッチスクリーン上の2点が指定されるピンチ操作であり、
所定の切替操作(任意の1点を長押しする操作,または任意の2点を長押しする操作)により、前記選択モードと前記非選択モードとを切替可能であることを特徴とする。
これによれば、選択モードと非選択モードを適宜切り替えることで、通常用いられるピンチ操作という共通の操作によって、目的処理の対象とするサムネイルを選択可能であると共に、サムネイルのリスト表示を拡大・縮小表示させることも可能となる。
【0012】
手段6に係る発明は、
手段5に記載した画像表示装置であって、
前記切替操作は、前記タッチスクリーン上の2点を所定時間以上タッチする長押操作(0.6秒以上のマルチタッチ状態)であり、
前記長押操作に基づく選択モードへの移行後に、当該長押操作に係る2点の座標に基づいて決定される指定領域に属するサムネイル全てを選択態様で表示する(長押操作により指定されている2点を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイルを全て選択態様で表示する)ことを特徴とする。
これによれば、選択モードへの移行後に改めてサムネイルを選択態様で表示させるための操作を省略することができる。
【0013】
手段7に係る発明は、
アイテム(サムネイル)がタッチスクリーンにリスト表示されているときに、タッチスクリーンにおける指定操作(ピンチ操作)により指定される2点の座標に基づいて決定される指定領域(2点の座標を対角線とする矩形)に属するアイテムを対象として、対象のアイテム全てを選択態様で表示する選択表示制御(「対象サムネイル全てが選択態様で表示されている状態」ではないときのS2005の処理)、または、対象のアイテム全てを非選択態様で表示する非選択表示制御(「対象サムネイル全てが選択態様で表示されている状態」であるときのS2007の処理)を実行する工程と、
前記選択表示制御の実行後に前記指定操作に係る座標が移動したことに伴い、移動後の座標に基づいて決定される指定領域に属するアイテムを対象として、前記選択表示制御をさらに実行する(ピンチ操作が解除されることなくピンチアウト操作またはピンチイン操作等により2点の座標が移動した場合に、ステータスが選択状態であればS2014を実行して選択領域を拡大または縮小する)工程と、
前記非選択表示制御の実行後に前記指定操作に係る座標が移動したことに伴い、移動後の座標に基づいて決定される指定領域に属するアイテムを対象として、前記非選択表示制御をさらに実行する(ピンチ操作が解除されることなくピンチアウト操作またはピンチイン操作等により2点の座標が移動した場合に、ステータスが非選択状態であればS2015を実行して非選択領域を拡大または縮小する)工程と、
を含むことを特徴とする画像表示方法である。
これによれば、処理対象とするサムネイルを細かく設定することが可能となる。
【0014】
手段8に係る発明は、
アイテム(サムネイル)がタッチスクリーンにリスト表示されているときに、タッチスクリーンにおける指定操作(ピンチ操作)により指定される2点の座標に基づいて決定される指定領域(2点の座標を対角線とする矩形)に属するアイテムを対象として、対象のアイテム全てを選択態様で表示する選択表示制御(「対象サムネイル全てが選択態様で表示されている状態」ではないときのS2005の処理)、または、対象のアイテム全てを非選択態様で表示する非選択表示制御(「対象サムネイル全てが選択態様で表示されている状態」であるときのS2007の処理)を実行するステップと、
前記選択表示制御の実行後に前記指定操作に係る座標が移動したことに伴い、移動後の座標に基づいて決定される指定領域に属するアイテムを対象として、前記選択表示制御をさらに実行する(ピンチ操作が解除されることなくピンチアウト操作またはピンチイン操作等により2点の座標が移動した場合に、ステータスが選択状態であればS2014を実行して選択領域を拡大または縮小する)ステップと、
前記非選択表示制御の実行後に前記指定操作に係る座標が移動したことに伴い、移動後の座標に基づいて決定される指定領域に属するアイテムを対象として、前記非選択表示制御をさらに実行する(ピンチ操作が解除されることなくピンチアウト操作またはピンチイン操作等により2点の座標が移動した場合に、ステータスが非選択状態であればS2015を実行して非選択領域を拡大または縮小する)ステップと、
を含むことを特徴とするプログラムである。
これによれば、処理対象とするサムネイルを細かく設定することが可能となる。
【0015】
手段9に係る発明は、
表示画像をタッチスクリーン上の回転操作に応じた回転角度(回転操作前に指定されてた2点を結ぶ直線と回転操作後に指定されている2点を結ぶ直線により形成される角度)で表示するタッチスクリーン式の画像表示装置(100)であって、
前記回転操作の解除後(タッチスクリーンに接触しておらずS1003でNOと判定されるとき)に表示画像の回転角度を所定の固定角度に収束させる回転角度収束制御を実行する(S1031,S1033,S1035,S1037で収束角度をセットし、S1040でセットされた収束角度に収束させる)ことを特徴とする。
これによれば、表示画像を適切な角度で表示することが容易になる。
【0016】
手段10に係る発明は
手段9に記載した画像表示装置であって、
前記固定角度として0°,90°,180°,および,270°が設定されており、
前記回転角度収束制御においては、前記回転操作が解除されるときの回転角度に最も近い固定角度に収束させる(S1031,S1033,S1035,S1037でいずれかの固定角度を収束角度としてセットし、S1040でセットされた収束角度に収束させる)ことを特徴とする。
これによれば、表示画像を適切な角度で表示することが容易になる。
【0017】
手段11に係る発明は、
手段10に記載した画像表示装置であって、
前記回転角度収束制御において所定の固定角度に収束された画像について、そのメタデータとして当該固定角度を特定可能とする情報を記憶する(EXIFの画像方向タグとして回転角度を示す値を記憶する)ことを特徴とする。
これによれば、次回、同一画像を適切な角度で表示させるための操作を省略できる。
【0018】
手段12に係る発明は、
手段11に記載した画像表示装置であって、
前記情報は、EXIF(Exchangeable image file format)の画像方向(orientation)タグとして記憶されることを特徴とする。
これによれば、次回、同一画像を適切な角度で表示させるための操作を省略できる。
【0019】
手段13に係る発明は、
手段9〜12から選択される1に記載した画像表示装置であって、
タッチスクリーン上の拡大又は縮小操作(ピンチアウト操作またはピンチイン操作)に応じて表示画像を拡大又は縮小させ、
前記拡大又は縮小操作の解除後に表示画像の表示倍率を所定の固定倍率に収束させる表示倍率収束制御を実行する(S1021で表示倍率をセットし、S1040でその表示倍率に収束させる)ことを特徴とする。
これによれば、表示画像を適切な倍率で表示することが容易になる。
【0020】
手段14に係る発明は、
手段9〜12から選択される1に記載した画像表示装置であって、
タッチスクリーン上の移動操作(ピンチ操作)に応じて表示画像を移動させ、
前記移動操作の解除後に表示画像の表示位置を所定の固定位置に収束させる表示位置収束制御を実行する(S1011で表示位置をセットし、)ことを特徴とする。
これによれば、表示画像を適切な位置に表示することが容易になる。
【0021】
手段15に係る発明は、
手段9〜12から選択される1に記載した画像表示装置であって、
タッチスクリーン上の2点が指定されるピンチ操作に応じて表示画像を回転、拡大または縮小、および移動させ、
前記ピンチ操作からタッチスクリーン上の1点が指定されるタッチ操作に移行したときに(ピンチ操作に係る2点の接触のうちの1点の接触のみが維持され、他の1点の接触は解除された場合(ピンチ操作からタッチ操作に連続的に移行した場合))、表示画像の回転角度および表示倍率は維持し、表示画像の移動を可能とする(維持された1点の接触に係る座標が移動しても表示画像の回転角度および表示倍率は変化させず、その移動量に応じた表示画像の移動のみを可能とする)ことを特徴とする。
これによれば、表示画像を所望の角度、所望の倍率で表示させた状態で、その表示位置のみを変化させることができる。また、この際にピンチ操作に係る指が障害となることがないため、表示画像全体を閲覧し易いという利点がある。
【0022】
手段16に係る発明は、
手段15に記載した画像表示装置であって、
前記タッチ操作が解除されたときに、表示画像の回転角度を所定の固定角度に収束させる回転角度収束制御を実行する(タッチスクリーンにおける接触が確認されなくなり完全に操作が解除された場合に、S1031,S1033,S1035,S1037で収束角度をセットし、S1040でセットされた収束角度に収束させる)ことを特徴とする。
これによれば、表示画像を適切な角度で表示することが容易になる。
【0023】
手段17に係る発明は、
手段15に記載した画像表示装置であって、
前記タッチ操作が解除されたときに、表示画像の表示倍率を所定の固定倍率に収束させる表示倍率収束制御を実行する(タッチスクリーンにおける接触が確認されなくなり完全に操作が解除された場合に、S1021で収束させる表示倍率をセットし、S1040でセットされた表示倍率に収束させる)ことを特徴とする。
これによれば、表示画像を適切な倍率で表示することが容易になる。
【0024】
手段18に係る発明は、
手段15に記載した画像表示装置であって、
前記タッチ操作が解除されたときに、表示画像の表示位置を所定の固定位置に収束させる表示位置収束制御を実行する(タッチスクリーンにおける接触が確認されなくなり完全に操作が解除された場合に、S1011で収束させる表示位置をセットし、S1040でセットされた表示位置に収束させる)ことを特徴とする。
これによれば、表示画像を適切な位置に表示することが容易になる。
【0025】
手段19に係る発明は、
手段16〜18から選択される1に記載した画像表示装置であって、
前記タッチ操作から再度前記ピンチ操作に移行したときに、表示画像の回転、拡大または縮小、および移動を可能とする(タッチ操作に係る1点の接触が維持された状態でさらに他の1点の接触が確認されてマルチタッチ状態に移行した場合(タッチ操作からピンチ操作に連続的に移行した場合)には、再度当該ピンチ操作に応じた表示画像の回転、拡大・縮小、移動を可能とする)ことを特徴とする。
これによれば、一旦、表示画像の表示角度および表示倍率を設定して移動させた後に、再度表示角度および表示倍率を変更することができる。
【0026】
手段20に係る発明は、
表示画像をタッチスクリーン上の回転操作に応じた回転角度(回転操作前に指定されてた2点を結ぶ直線と回転操作後に指定されている2点を結ぶ直線により形成される角度)で回転させる工程と、
前記回転操作の解除後(タッチスクリーンに接触しておらずS1003でNOと判定されるとき)に表示画像の回転角度を予め定められた固定角度に収束させる(S1031,S1033,S1035,S1037で収束角度をセットし、S1040でセットされた収束角度に収束させる)工程と、
を含むことを特徴とする画像表示方法である。
これによれば、表示画像を適切な角度で表示することが容易になる。
【0027】
手段21に係る発明は、
表示画像をタッチスクリーン上の回転操作に応じた回転角度(回転操作前に指定されてた2点を結ぶ直線と回転操作後に指定されている2点を結ぶ直線により形成される角度)で回転させるステップと、
前記回転操作の解除後(タッチスクリーンに接触しておらずS1003でNOと判定されるとき)に表示画像の回転角度を予め定められた固定角度に収束させる(S1031,S1033,S1035,S1037で収束角度をセットし、S1040でセットされた収束角度に収束させる)ステップと、
を含むことを特徴とするプログラムである。
これによれば、表示画像を適切な角度で表示することが容易になる。
【0028】
手段22に係る発明は、
アイテム(サムネイル)をタッチスクリーンにリスト表示する画像表示装置(100)であって、
リスト表示されているアイテムをタッチスクリーン上の拡大・縮小操作に応じて連続的に拡大・縮小表示し(ピンチアウト操作またはピンチイン操作に応じて、リスト表示されている複数のアイテム全体を拡大表示または縮小表示し)、
前記拡大・縮小操作が実行されている期間は、リスト表示されているアイテム間の相対的位置関係を固定しておき(拡大または縮小されたアイテムの相互の位置関係を固定しておき)、当該拡大・縮小操作が終了したときまたは所定期間行われなかったときに、アイテム間の相対的位置関係を変動可能とし、各アイテムを所定位置に移動させる(S3010でピンチ操作が解除されたことに伴い、S3011で各アイテムを所定位置に移動させる)ことを特徴とする。
これによれば、拡大・縮小操作が解除されるまでは、リスト表示されているアイテム間の相対的位置関係が固定されているため、拡大・縮小表示の過程で注目アイテムを見失うことを防止し、感覚的にもスムーズなインターフェイスを提供することができる。
【0029】
手段23に係る発明は、
手段22に記載した画像表示装置であって、
前記所定位置は、前記拡大・縮小表示後の各アイテムの大きさと、アイテムをリスト表示可能な表示領域の大きさとの関係に基づいて決定される(表示領域の横幅方向にサムネイル1つ分以上の余分なスペースが生じることなく、また、表示されるサムネイルが表示領域の横幅方向に見切れることがないように、各サムネイルの表示位置が設定される)ことを特徴とする。
これによれば、表示領域を有効に利用してアイテム全体を見やすい態様で表示することができる。
【0030】
手段24に係る発明は、
手段23に記載した画像表示装置であって、
前記拡大・縮小操作が終了したときまたは所定期間行われなかったときに、拡大・縮小表示されたアイテムが前記所定位置に移動する過程を視認可能な態様で表示する(アニメーションで移動する様子を表示する)ことを特徴とする。
これによれば、拡大・縮小表示されたアイテムが所定位置に移動する過程を容易に把握可能であるため、注目アイテムを見失うことを防止することができる。
【0031】
手段25に係る発明は、
手段22〜24から選択される1に記載した画像表示装置であって、
前記拡大・縮小操作が検出されたときに(マルチタッチ状態が検出されたときに)、その拡大・縮小操作に係る座標の近辺に位置するアイテムを特定態様で表示し(指定されている2点の座標に位置する各サムネイルを、相互に異なる所定色でオーバーレイ表示し、これらのサムネイルの周囲に表示されるサムネイルを同系色でオーバーレイ表示し)、
前記拡大・縮小操作の終了に伴いまたは所定期間行われなかったとき、少なくとも各アイテムが所定位置に移動するまでの間、前記特定態様での表示を継続する(ピンチ操作解除後に各アイテムが所定位置に移動した後も、所定時間経過するまではオーバーレイ表示を継続する)ことを特徴とする。
これによれば、拡大・縮小操作が行われる領域の近辺に位置する注目アイテムの移動位置を容易に把握可能であるため、注目アイテムを見失うことを防止することができる。
【0032】
手段26に係る発明は、
手段22〜24から選択される1に記載した画像表示装置であって、
前記拡大・縮小操作が検出されたときに(マルチタッチ状態が検出されたときに)、拡大・縮小表示が実行された場合に表示されることになるアイテム又は表示されないことになるアイテムを特定態様で表示する(表示領域の横幅方向に表示されるサムネイル数が1減少する1段階の拡大表示が実行された場合に、表示領域に表示されなくなるサムネイルの輝度を50%低下させる)ことを特徴とする。
これによれば、拡大・縮小表示が行われた場合に表示されることになるアイテム又は表示されないことになるアイテムを予め把握可能であるため、拡大・縮小操作を継続して行うか否かを適切に判断することができる。
【0033】
手段27に係る発明は、
手段22〜24から選択される1に記載した画像表示装置であって、
前記アイテムはサムネイルであり、
サムネイルがリスト表示されている状態において、タッチスクリーンにおける指定操作に応じて目的処理(削除処理や電子メールへの添付処理)の対象とするサムネイルを選択可能とする選択モードと、前記拡大・縮小操作に応じたサムネイルの拡大・縮小表示を実行可能とする非選択モードとが存在し、
前記指定操作および前記拡大・縮小操作は、いずれもタッチスクリーン上の2点が指定されるピンチ操作であり、
所定の切替操作(任意の1点を長押しする操作,または任意の2点を長押しする操作)により、前記選択モードと前記非選択モードとを切替可能であることを特徴とする。
これによれば、選択モードと非選択モードを適宜切り替えることで、通常用いられるピンチ操作という共通の操作によって、目的処理の対象とするサムネイルを選択可能であると共に、サムネイルのリスト表示を拡大・縮小表示させることも可能となる。
【0034】
手段28に係る発明は、
手段27に記載した画像表示装置であって、
前記切替操作は、前記タッチスクリーン上の2点を所定時間以上タッチする長押操作(0.6秒以上のマルチタッチ状態)であり、
前記長押操作に基づく選択モードへの移行後に、当該長押操作に係る2点の座標に基づいて決定される指定領域に属するサムネイル全てを選択態様で表示する(長押操作により指定されている2点を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイルを全て選択態様とする)ことを特徴とする。
これによれば、選択モードへの移行後に改めてサムネイルを選択するための操作を省略することができる。
【0035】
手段29に係る発明は、
タッチスクリーンにリスト表示されているアイテム(サムネイル)を当該タッチスクリーン上の拡大・縮小操作に応じて連続的に拡大・縮小表示する(ピンチアウト操作またはピンチイン操作に応じて、リスト表示されている複数のアイテム全体を拡大表示または縮小表示する)工程と、
前記拡大・縮小操作が実行されている期間は、リスト表示されているアイテム間の相対的位置関係を固定しておき(拡大または縮小されたアイテムの相互の位置関係を固定しておき)、当該拡大・縮小操作が終了したときまたは所定期間行われなかったときに、アイテム間の相対的位置関係を変動可能とし、各アイテムを所定位置に移動させる(S3010でピンチ操作が解除されたことに伴い、S3011で各アイテムを所定位置に移動させる)工程と、
を含むことを特徴とする画像表示方法である。
これによれば、少なくとも拡大・縮小操作が解除されるまでの間は、リスト表示されているアイテム間の相対的位置関係が固定されているため、拡大・縮小表示の過程で注目アイテムを見失うことを防止し、感覚的にもスムーズなインターフェイスを提供することができる。
【0036】
手段30に係る発明は、
タッチスクリーンにリスト表示されているアイテム(サムネイル)を当該タッチスクリーン上の拡大・縮小操作に応じて連続的に拡大・縮小表示する(ピンチアウト操作またはピンチイン操作に応じて、リスト表示されている複数のアイテム全体を拡大表示または縮小表示する)ステップと、
前記拡大・縮小操作が実行されている期間は、リスト表示されているアイテム間の相対的位置関係を固定しておき(拡大または縮小されたアイテムの相互の位置関係を固定しておき)、当該拡大・縮小操作が終了したときまたは所定期間行われなかったときに、アイテム間の相対的位置関係を変動可能とし、各アイテムを所定位置に移動させる(S3010でピンチ操作が解除されたことに伴い、S3011で各アイテムを所定位置に移動させる)ステップと、
を含むことを特徴とするプログラムである。
これによれば、少なくとも拡大・縮小操作が解除されるまでの間は、リスト表示されているアイテム間の相対的位置関係が固定されているため、拡大・縮小表示の過程で注目アイテムを見失うことを防止し、感覚的にもスムーズなインターフェイスを提供することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、タッチスクリーン式画像表示装置における画像表示態様の設定や画像の選択等に関して、細かな設定や選択を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】画像表示装置における従来の操作形態を説明する図である。
図2】画像表示装置における従来の操作形態を説明する図である。
図3】第1実施形態に係る画像表示装置のハードウエア構成図である。
図4】第1実施形態に係る画像表示装置のタッチスクリーンにおいて回転操作がされる場合の表示態様を示す図である。
図5】ピンチ操作による画像変換方式を示す説明図である。
図6】第1実施形態に係る画像表示装置により実行されるプログラムのフローチャートである。
図7】画像表示装置における従来の操作形態を説明する図である。
図8】PCにおける従来の操作形態を説明する図である。
図9】タッチスクリーン式の画像表示装置における従来の操作を説明する図である。
図10】第2実施形態に係るサムネイルの選択操作を説明する図である。
図11】第2実施形態に係るサムネイルの選択操作を説明する図である。
図12】第2実施形態に画像表示装置により実行されるプログラムのフローチャートである。
図13】第2実施形態に係る操作の具体例を説明する図である。
図14】第2実施形態に係る操作の具体例を説明する図である。
図15】第2実施形態に係る操作の具体例を説明する図である。
図16】画像表示装置における従来の操作形態を説明する図である。
図17】第3実施形態に係る画像表示装置におけるサムネイルリスト表示の拡大・縮小操作およびアニメーションによるサムネイル移動を説明する図である。
図18】第3実施形態に係る画像表示装置におけるサムネイルリスト表示の拡大・縮小操作およびアニメーションによるサムネイル移動を説明する図である。
図19】第3実施形態に係る画像表示装置におけるサムネイルリスト表示の拡大・縮小操作およびアニメーションによるサムネイル移動を説明する図である。
図20】第3実施形態に係る画像表示装置におけるサムネイルリスト表示の拡大・縮小操作およびアニメーションによるサムネイル移動を説明する図である。
図21】第3実施形態に係る画像表示装置により実行されるプログラムのフローチャートである。
図22】第3実施形態に係る画像表示装置におけるサムネイルリスト表示の拡大・縮小操作において、サムネイル移動に際し特定のサムネイルを異なる表示により明確化する説明図である。
図23】第3実施形態に係る画像表示装置におけるサムネイルリスト表示の拡大・縮小操作において、サムネイル移動に際し特定のサムネイルを異なる表示により明確化する説明図である。
図24】画像処理プログラムが記憶される記録媒体の一例を示す図である。
図25】変形例で画像表示装置により実行されるプログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0040】
[第1比較例]
まず、従来より用いられている公知の操作形態について第1比較例として説明する。従来より、スマートフォンやタブレット端末等に代表されるタッチスクリーン式の画像表示装置における画像の閲覧に際して、表示させた画像を所定の操作により適宜、拡大・縮小、平行移動、および回転させるものがある。図1および図2に示す比較例のように、画像表示装置に表示された画像に対し、あたかも直接触って操作するかのように、その画像が表示されているタッチスクリーン領域に指で触れて所定の操作を行うことによって目的とする処理を実行することが可能となっている。具体的には、画像が表示されているタッチスクリーン領域を二本の指で触れた(所謂マルチタッチ)状態として、二本の指をそのままスライドすることにより平行移動が、二本の指の間隔を広げること(所謂ピンチアウト操作)により拡大,狭めること(所謂ピンチイン操作)により縮小が、および、二本の指を結ぶ直線と基準線(例えば、画像表示装置の長辺方向)とがなす角度(回転角度)を変化させることにより回転が、それぞれ実行される。以下の説明においては、このように二本の指をタッチスクリーンに接触させる操作、および、二本の指をタッチスクリーンに接触させた状態で行う操作をピンチ操作と称する。また、一本の指をタッチスクリーンに接触させた状態で行う操作をタッチ操作と称する。
【0041】
そして、このような画像の回転角度を設定するための操作を行った場合、一旦設定した回転角度を記憶しておき、次回同じ画像を閲覧するときにその回転角度で表示させたいというニーズがある。しかしながら、これを行うためには画素値等の画像データ以外に回転角度を記憶しておき、次回、同一画像を表示するときにその回転角度を参照して表示画像に反映させる、即ち表示角度を設定する必要がある。例えば、キーボードやマウス等の入力装置を備えるPC(Personal Computer)では、画像ビューワ等によって画像の表示角度を変更(例えば時計回りに90°,180°,270°回転)した後に、その画像を上書き保存することで、設定した回転角度がメタデータに書き込まれ、次回その画像を表示する場合にはメタデータの回転角度が表示画像に反映される。また、このような入力装置を用いる場合における表示角度の調整は、入力装置による回転角度の直接入力や、プルダウンメニュー等からの回転角度(時計回りに90°,180°,270°)の選択、あるいは、アイコン(反転,右90°回転,左90°回転の操作を示す各アイコン)のクリック等の操作によって実行されることになるため、ユーザは容易に表示角度を設定可能である。
【0042】
しかしながら、タッチスクリーン式のディスプレイに表示する画像について、所望の角度(例えば、時計回りに90°,180°,270°)だけ正確に回転させることは、前述したピンチ操作では困難である。また、一旦設定した回転角度を記憶しておき、次回同じ画像を閲覧するときにその回転角度で表示させる機能を設けた場合に、操作が複雑化してしまうという課題がある。以下に示す第1実施形態に係る画像表示装置、画像表示方法、およびプログラムは、これらの課題を解決するものである。
【0043】
[第1実施形態]
図3は、本発明を適用した画像表示装置100のハードウエア構成図である。図3に示すように、画像表示装置100は、CPU(Central Processing Unit)等からなる制御部101、メモリおよびハードディスク装置等からなる記憶部102、通信部103、表示部104、撮像部105および入力部106を備えている。画像表示装置100は、記憶部102に記憶されているプログラムを制御部101が実行することにより、後述する機能を実現するように構成されている。すなわち、制御部101は、記憶部102に記憶されているプログラムを実行可能に構成されている。記憶部102は、上記の通り、メモリおよびハードディスク装置等からなり、前述の制御部101によって実行されるプログラムを格納するほか、撮像部105によって撮影された画像データおよび通信部103を介してインターネット等から取得した画像データ、ならびにそれら画像データを制御部101が実行するプログラムに処理されることにより発生するデータ(例えば、サムネイル)を格納可能に構成される。通信部103は、インターネット等を介して、画像表示装置100が他の装置(サーバ等)と通信することができるよう構成される。表示部104は、記憶部102に格納された画像データ等を表示可能に構成される。撮像部105は、画像を撮影可能に構成される。撮像部105によって撮影された画像は、画像データとして記憶部102に格納される。入力部106は、表示部104と共にいわゆるタッチスクリーンとして一体に構成され、ユーザと画像表示装置100との間の入力インターフェースとして機能する。具体的には、ユーザは、表示部104において表示されたアイテムに対し、あたかも直接触って操作を行うかのように、ユーザは指で入力部106にタップ操作やピンチ操作等を行い、その操作(接触態様)を探知した入力部106は、その接触位置や動作を判別して対応する処理を制御部101に行わせるものである。
【0044】
図3に示されるような画像表示装置100として、代表的な例では特許文献1に示されるようなスマートフォンやタブレット端末が有るが、これに限らず、タッチスクリーン式のPCやデジタルカメラ等の情報端末装置であっても良い。
【0045】
[第1実施形態に係る操作処理]
以下、本発明に係る画像表示装置100における操作処理について説明する。ユーザが画像を閲覧するにあたり、その閲覧性を向上させるために、画像を拡大・縮小,平行移動,回転させる操作に関しては、図1および図2にて示した通りである。
【0046】
表示部104に表示させた画像の閲覧の際に、拡大・縮小,平行移動,回転の各パラメータを二本指によるピンチ操作によって変化させることが可能である点は、従来技術の通りである。ただし、この実施形態では、二本の指をタッチスクリーンから離したときに、ピンチ操作前の画像を基準とした回転角度を予め設定されている複数の固定値のいずれかに収束させるようにしている。この実施形態では、予め90°の倍数の角度(時計回りに0°,90°,180°,270°)を固定値として設定しており、画像閲覧状態において入力部106における接触が検出されなくなったときに、そのときの回転角度を4つの固定値のうち最も近い角度に徐々に近づけて、最終的には4つの固定値のうち最も近い角度に収束させる表示制御を実行する。ピンチ操作前の画像を基準とした回転角度が、0°以上45°以下の範囲である場合には固定値0°に、45°より大きく135°以下の範囲である場合には固定値90°に、135°より大きく225°以下の範囲である場合には固定値180°に、225°より大きく315°以下の範囲である場合には固定値270°に、315°より大きい場合には0°に、それぞれ収束させる。
【0047】
図4は本実施形態の回転角度制御の説明図である。この例では、ユーザが閲覧操作を完了して二本の指をタッチスクリーンから離したときに、回転角度が0°より大きく45°以下の範囲であるときに、最も近い固定値の0°に回転角度を収束させる(角度矯正する)例と、回転角度が45°より大きく135°以下の範囲であるときに、最も近い固定値の90°に回転角度を収束させる(角度矯正する)例とが示されている。このように、ピンチ操作によって大まかな閲覧角度を設定すると、二本の指をタッチスクリーンから離した後に回転角度が90°単位の固定値に収束されることになる。すなわち、本実施形態ではピンチ操作解除後に適切な表示角度で画像を表示するようにアシストする表示制御を実行するものである。また、二本の指をタッチスクリーンから離した状態でも、画像の全体像を障害物(ピンチ操作していた二本指)無しに所望の表示角度で閲覧することができるという効果を奏する。
【0048】
ここで、二本の指を使用したピンチ操作によって、表示画像が拡大・縮小,平行移動,回転制御される理論について図5を用いて説明する。[拡大・縮小/平行移動/回転]変換を3×3行列Mとすると、同次座標表現を用いて図5(a)に示す関係が成立する。また、変換前のピンチ操作において指定されている2点の座標が変換後に図5(b)に示すように移動したとすると、行列Mは、図5(c)の式により求められる。このようにして得られる図5(c)の式に基づいて元表示画像に対して、拡大・縮小,平行移動,および回転制御が実行される。
【0049】
図6は、本実施形態に係る処理を示すフローチャートであり、制御部101によって実行されるプログラムの一部の処理を示している。このフローチャートに示す処理は、例えば、ピンチ操作検出時処理(ピンチ操作に応じて表示画像を回転、平行移動、拡大・縮小表示させる処理)を実行中に割込処理として実行される。ピンチ操作検出時処理が実行されているときに(S1001)、割込処理として、ピンチ操作が解除されたか否かを確認する(S1002)。解除されていなければ(S1002でNO)、ピンチ操作検出時処理を継続する。解除されていれば(S1002でYES)、入力部106において一点が指定されている状態、すなわち、タッチスクリーン上で一本指によるタッチ操作に移行したか否かを確認する(S1003)。タッチ操作に移行していれば(S1003でYES)、ピンチ操作解除時における表示画像の回転角度および表示倍率は維持し、タッチ操作(一本指によるタッチスクリーン上でのドラッグ操作)に応じて表示画像の平行移動のみを可能とするタッチ操作検出時処理に移行する(S1004)。
【0050】
これにより、回転角度および表示倍率を固定した状態で表示画像を閲覧可能となる。ユーザは、二本指によるピンチ操作によって画像の最適な回転角度、表示倍率を設定し、その状態で一本だけ指を離して(タッチスクリーンに一本だけ指を残して)タッチ操作に移行し、ピンチ操作解除時の回転角度、表示倍率が維持されている状態の表示画像を障害(指)が少ない状態で確認することができるという利点がある。また、タッチスクリーン上に残した一本指により、回転角度および表示倍率を固定した状態で表示画像を平行移動させて所望の位置に表示させることも可能となる。
【0051】
なお、タッチ操作検出時処理においては、割込処理においてピンチ操作に移行されたか否か、および、タッチスクリーン上の操作が完全解除された(入力部106への入力が検出されていない状態となった)か否かが確認される。この割込処理においてピンチ操作に移行されたことが確認された場合には、再度、ピンチ操作検出時処理に移行し、表示画像を回転、平行移動、拡大・縮小表示させることが再度可能となる。従って、仮にタッチ操作に移行したときに、回転角度や表示倍率が所望の設定でなければ、再度ピンチ操作に切り替えて回転角度や表示倍率を調整することが可能である。また、この割込処理においてタッチスクリーン上の操作が完全解除された(入力部106への入力が検出されていない状態となった)ことが確認された場合には、後述するS1010移行の処理が実行されることになる。
【0052】
S1003でタッチ操作に移行しておらず、タッチスクリーン上の操作が完全解除された(入力部106への入力が検出されていない状態となった)ことが確認された場合には(S1003でNO)、表示画像の中心からタッチスクリーン表示領域の中心(即ち画面中心)までの距離が閾値以上であるか否かを確認する(S1010)。閾値以上である場合には(S1010でYES)、表示位置収束フラグをセットすると共に、表示画像の中心からタッチスクリーン表示領域の中心(即ち画面中心)までの距離が閾値未満となるような表示位置(例えば表示画像の中心が位置するタッチスクリーン表示領域上の座標)をセットする(S1011)。
【0053】
S1011が実行されると、S1040において、表示位置収束フラグがセットされていることに基づいて、セットされた表示位置に向けて表示画像が徐々に移動して、最終的には、セットされた表示位置に収束する表示制御が実行されることになる。これにより、ピンチ操作やタッチ操作を行っている状態で画像の表示位置が端に寄りすぎていたような場合、あるいは画像の一部が表示領域から見切れているような場合にも画像全体が見やすい位置に移動される。操作量と移動量との関係が把握しがたく、ユーザが表示画像を過度に移動させてしまうケースもあるが、このような場合には、一旦操作を完全解除することで適性位置に表示画像が戻るようになっているため、その状態として改めてピンチ操作やタッチ操作によって表示画像を移動させれば良い。即ち、画像を適性位置に戻すための煩雑な操作を不要とすることができる。
【0054】
なお、表示画像の中心からタッチスクリーン表示領域の中心(即ち画面中心)までの距離を基準として、その距離が閾値未満となるように表示位置の収束を実行するのではなく、表示画像の端からタッチスクリーン表示領域境界(即ち画面の端)までの距離を基準として、その距離が閾値未満となるように表示位置の収束を実行するようにしても良い。
【0055】
次に、ピンチ操作実行前の元画像を基準とした表示画像の倍率が所定倍率(例えば400%以上)以上であるか否かを確認する(S1020)。所定倍率以上である場合には(S1020でYES)、表示倍率収束フラグをセットすると共に、収束させる表示倍率(例えば200%)をセットする(S1021)。
【0056】
S1021が実行されると、S1040において、表示倍率収束フラグがセットされていることに基づいて、セットされた倍率に向けて表示画像が徐々に縮小して、最終的には、セットされた倍率に収束する表示制御が実行されることになる。これにより、ピンチ操作を行っている状態で画像の表示倍率を拡大しすぎたような場合にも画像全体が見やすい倍率に縮小される。操作量と拡大率との関係が把握しがたく、ユーザが表示画像を過度に拡大させてしまうケースもあるが、このような場合には、一旦操作を完全解除することで適性倍率となるようになっているため、その状態として改めてピンチ操作によって表示画像を拡大または縮小表示させれば良い。即ち、画像を適性倍率に戻すための煩雑な操作を不要とすることができる。また、S1021において、表示画像全体が表示領域に表示可能となる表示倍率であって、最大の表示倍率を収束表示倍率としてセットするようにすると良い。これにより、画像全体を表示可能な最大のサイズで画像が表示されることになり、ユーザが表示画像全体を把握しやすい。
【0057】
なお、表示倍率が所定倍率以上であるか否かに基づいて、表示倍率の収束を実行するのではなく、表示倍率が所定倍率以下であるか否かに基づいて、表示倍率の収束を実行するようにしても良い。これにより、ピンチ操作を行っている状態で画像の表示倍率を縮小しすぎたような場合にも画像全体が見やすい倍率に拡大される。操作量と縮小率との関係が把握しがたく、ユーザが表示画像を過度に縮小させてしまうケースもあるが、このような場合には、一旦操作を完全解除することで適性倍率となるようになっているため、その状態として改めてピンチ操作によって表示画像を拡大または縮小表示させれば良い。即ち、画像を適性倍率に戻すための煩雑な操作を不要とすることができる。
【0058】
次に、ピンチ操作実行前の元画像を基準とした表示画像の回転角度が、0°≦回転角度≦45°、または315°<回転角度の関係にあるか否かを確認する(S1030)。0°≦回転角度≦45°、または315°<回転角度の関係にある場合には(S1030でYES)、回転角度収束フラグをセットすると共に、収束角度として0°をセットする(S1031)。
【0059】
次に、ピンチ操作実行前の元画像を基準とした表示画像の回転角度が、45°<回転角度≦135°の関係にあるか否かを確認する(S1032)。45°<回転角度≦135°の関係にある場合には(S1032でYES)、回転角度収束フラグをセットすると共に、収束角度として90°をセットする(S1033)。
【0060】
次に、ピンチ操作実行前の元画像を基準とした表示画像の回転角度が、135°<回転角度≦225°の関係にあるか否かを確認する(S1034)。135°<回転角度≦225°の関係にある場合には(S1034でYES)、回転角度収束フラグをセットすると共に、収束角度として180°をセットする(S1035)。
【0061】
次に、ピンチ操作実行前の元画像を基準とした表示画像の回転角度が、225°<回転角度≦315°の関係にあるか否かを確認する(S1036)。225°<回転角度≦315°の関係にある場合には(S1036でYES)、回転角度収束フラグをセットすると共に、収束角度として270°をセットする(S1037)。
【0062】
上記S1031、S1033、S1035、およびS1037のいずれかが実行されると、S1040において、回転角度収束フラグがセットされていることに基づいて、セットされた収束角度に向けて表示画像が徐々に回転して、最終的には、セットされた収束角度に収束する表示制御が実行されることになる。通常ユーザは、画像を閲覧する場合にタッチスクリーン表示領域の縦又は横方向を基準とするため、表示画像の回転角度を0°,90°,180°(上下反転),および270°のいずれかに設定するケースが殆どである。これらの回転角度のいずれかを設定することで、適性方向で画像を閲覧可能となる。これに対して、従来技術では、ピンチ操作のみによって表示画像を回転させて上記所望の回転角度に設定することは困難である。また、従来技術では、ピンチ操作によって所望の表示角度とした状態でもピンチ操作に係る2本指が障害となって表示画像全体を把握し難い問題がある。そのため、この実施形態では、ピンチ操作が解除されたときの回転角度が、上記回転角度のいずれに最も近いのかを判定して、判定した角度に回転角度を収束させるようにしている。これにより、ユーザは回転角度を正確に合わせ込むという困難な作業を要せずに、大まかに回転角度を設定することで所望の角度で画像を表示させることができる。また、操作に係る指が邪魔になることがなくユーザが表示画像全体を把握することができる。
【0063】
またS1040が実行された後は、判定された収束角度に応じた値(0°,90°,180°,および270°に応じた値)が、表示画像のメタデータとして記憶される。例えば、表示画像がEXIF(Exchangeable image file format)方式である場合には、画像方向(orientation)タグとして記憶される(S1050)。
【0064】
これにより、表示画像の回転角度(収束角度)を画像データ中に容易に保存できるとともに、次回、同じ画像を閲覧する際には、その回転角度が参照されて適切な方向で表示されることになる。従って、次回、同じ画像を閲覧する際に、改めて画像を所望の角度まで回転させる操作を省くことができる。また、回転角度を保持するにあたり、予め画像フォーマットとして確保されている記憶領域を用いることができ、画素値等の画像データ以外の情報を余分に生成し保存しておく必要がない。
【0065】
なお、S1040においては、表示位置収束フラグ、表示倍率収束フラグ、および、回転角度収束フラグに応じて、表示位置の収束制御、表示倍率の収束制御、および、回転角度の収束制御が実行されることになるが、これらの実行順序に制限はない。また、収束させる表示位置、収束させる表示倍率、および、収束角度の設定順序にも制限はない。好ましくは、最初に回転角度の収束制御を実行し、次に、収束制御後の回転角度を基準として、表示画像全体が表示領域に表示可能な最大の表示倍率とする収束制御を実行し(回転角度の収束制御後に、表示画像全体が表示領域に表示可能であるとの条件のもとでの最大の表示倍率をセットして、その表示倍率に収束させ)、最後に、表示画像の中心を表示領域の中心に合致させる表示位置の収束制御を実行する(表示倍率の収束制御後に、表示領域の中心座標をセットして、表示画像の中心を、セットした座標に移動させる)ようにすると良い。その理由として、表示部の長辺と短辺の長さが異なる場合、回転角度が0°または180°に収束する場合と、90°または270°に収束する場合とでは、表示画像全体が表示領域に表示可能となる最大の表示倍率が異なるためである。すなわち収束表示倍率は収束回転角度に依存し、また平行移動量の収束値は、収束回転角度および収束表示倍率の両方に依存するためである。このようにすることで、対象とする表示画像全体を、所望の方向で、且つ、可能な限り大きなサイズで表示させることが可能となる。
【0066】
以上に示した第1実施形態に係るタッチスクリーン操作について以下にまとめる。
ここでは以下の4つの操作状態について考慮する。
(1)タッチスクリーンに触れておらず、表示画像が静止している状態。
(2)一本指によるタッチ操作によって表示画像の平行移動のみが可能な状態。
(3)二本指によるピンチ操作によって表示画像の拡大・拡縮、平行移動、および回転の全てが可能な状態。
(4)タッチスクリーンに触れておらず、表示画像が定められた倍率、位置、および角度に徐々に近づいているアニメーションが実行されている状態。
【0067】
(1)から(2)へは、一本指によるタッチ操作を行うことにより移行し、(1)から(3)へは、二本指によるピンチ操作を行うことにより移行する。(2)から(3)へは、一本指によるタッチ操作から二本指によるピンチ操作に切り替えることにより移行し、(2)から(4)へは、タッチ操作している一本指をタッチスクリーンから離すことにより移行する。(3)から(2)へは、ピンチ操作している二本指のうち一本をタッチスクリーン上に残し他の一本をタッチスクリーンから離してタッチ操作に切り替えることにより移行し、(3)から(4)へは、ピンチ操作している二本指の両方をタッチスクリーンから離すことにより移行する。(4)から(1)へは、表示画像が定められた倍率、位置、および角度に徐々に近づくアニメーションが終了して、所定倍率、所定位置、所定角度に収束したことにより移行し、(4)から(2)へは、一本指によるタッチ操作を行うことにより移行し、(4)から(3)へは、二本指によるピンチ操作を行うことにより移行する。
【0068】
[第2比較例]
次に、従来より用いられている公知の操作形態について第2比較例として説明する。スマートフォンやタブレット端末等の画像表示装置では、図7に示すように、記憶している画像(原画像)をサムネイル化してリスト表示することが可能となっている。サムネイルのリスト表示がされている状態で、目的とする処理(例えば削除処理や電子メールへの添付処理)を、表示中の複数のサムネイル(すなわち複数のサムネイルに対応する複数の記憶画像)を対象として一括で行いたい場合、通常は処理対象とする複数のサムネイルの選択に際して、処理対象とするサムネイルを逐一タップ(タッチスクリーンを短く1回叩く操作)する操作を繰り返す。このようにして選択されたサムネイルは選択態様で表示され、選択されたサムネイルに対応する画像には選択フラグが付与され、その後に行われる処理の操作(例えば削除操作や添付操作)による一括処理の対象となる。
【0069】
また、PC等のように、キーボードやマウス等のデバイスを入力装置として使用する場合には、図8(a)に示すように、画面上のカーソルを、処理対象としようとするサムネイルの集団の外側に位置させてドラッグ操作を実行する。このようにすることで、ドラッグ開始点とドラッグ終了点の2つの座標を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイルが選択態様(この例では太枠)で表示されて、選択されたサムネイルに対応する画像には選択フラグが付与されることになる。一方で、選択態様で表示したサムネイルを非選択態様とする(対応する画像に付与した選択フラグを解除する)ためには、図8(b)に示すように、キーボードのコントロールキーなどとマウスの協働操作を行う。例えば、選択態様から非選択態様に変更するサムネイルの集団の外側にカーソルを位置させて、コントロールキーを押した状態でドラッグ操作を実行する。このようにすることで、ドラッグ開始点とドラッグ終了点の2つの座標を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイルが選択態様(この例では太枠)から非選択態様(この例では細枠)に変更され、非選択態様に変更されたサムネイルに対応する画像の選択フラグは解除される。
【0070】
これに対して、スマートフォンやタブレット端末等のタッチスクリーン式の画像表示装置では、PCにおけるコントロールキー等に相当するキーが通常設けられておらず、タッチスクリーン上にコントロールキー等を表示して操作を行わせたり、あるいは、処理対象とするサムネイルを個別にタップして選択態様から非選択態様に変更させる必要があった。また、選択態様で表示されているサムネイルを非選択態様とし、非選択態様で表示されているサムネイルを選択態様とする反転表示を、複数のサムネイルを対象として一括で実行することはできず、反転表示させるサムネイルを個別にタップする必要があった。図9にまとめるように、タッチスクリーンにおける従来の操作形態では、個別のサムネイルに対して、サムネイルを選択態様とする操作、非選択態様とする操作、および、反転表示させる操作が全て可能であったが、複数のサムネイルを一括して選択態様とする操作や、複数のサムネイルを一括して選択態様から非選択態様とする操作を行うことができず、複数のサムネイルを一括して反転表示させる操作を行うこともできなかった。以下に示す第2実施形態に係る画像表示装置およびプログラムは、これらの課題を解決するものである。
【0071】
[第2実施形態に係る操作処理]
第2実施形態に係る画像表示装置のハードウェア構成は第1実施形態において示した画像表示装置100と同様であるため、説明を省略する。以下、第2実施形態に係る画像表示装置100における操作処理について説明する。以下に示す操作処理は、リスト表示されたサムネイルから目的の処理(例えば削除処理や電子メールへの添付処理)の対象とするものを選択する場合の操作処理である。
【0072】
図7に示したように、画像表示装置100にサムネイルがリスト表示されている状態、例えば、後述する第3実施形態に示すようにピンチアウト操作やピンチイン操作に応じてサムネイルの拡大表示や縮小表示が可能な非選択モードにおいて、目的処理の対象とするサムネイルを選択するための選択モードへの移行操作を実行する。移行操作は、例えばタッチスクリーンの任意部分を1本指で所定時間(例えば0.6秒)以上長押しするタッチ操作である。なお、選択モードが解除される操作が実行されたとき、選択モードが解除される条件が成立したときには、非選択モードに移行する。
【0073】
選択モードに移行した場合には、図10に示すようにサムネイルの左上部にチェックボックスが表示された態様となる。ここで、選択モードにおける表示態様はこれに限定されず、右下部にチェックボックスが表示された態様としてもよいし、サムネイルに外枠が表示された態様としてもよい。この例において、サムネイルが選択態様で表示されている状態とは、サムネイルのチェックボックスにチェックが付されている状態をいう。また、サムネイルが非選択態様で表示されている状態とは、サムネイルのチェックボックスにチェックが付されていない状態をいう。なお、上記選択モードへの移行操作、すなわち1本指での長押し操作を実行したときに、タッチしている1点の座標がいずれかのサムネイルの表示領域に属する場合には、選択モードに移行したときに、当該指定座標が含まれるサムネイルについては選択態様で表示するようにすると良い。これによれば、選択モード移行後に改めて処理対象とするサムネイルを選択する操作を省略できる。
【0074】
この実施形態では、選択モードにおいて、ユーザがピンチ操作を開始したとき(二本指でタッチスクリーンに触れてマルチタッチ状態としたとき)に、指定された二箇所の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイルを対象として、当該ピンチ操作開始前に[その全てが選択態様で表示されている状態]ではなかった場合に、対象のサムネイル全てを選択態様で表示する選択表示制御を実行し、当該ピンチ操作開始前に[その全てが選択態様で表示されている状態]であった場合に、対象のサムネイル全てを非選択態様で表示する非選択表示制御を実行する。
【0075】
なお、前述した選択モードへの移行操作は、1本指による長押し操作に限らず、2本指のピンチ操作による長押し操作であっても良い。例えば、2点のマルチタッチ状態が所定時間(例えば0.6秒)以上継続したことによって、選択モードに移行するようにしても良い。この場合には、モード移行に係るピンチ操作より指定された2点の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイル全てを、選択モードに移行したときに選択態様で表示するようにすると良い。これによれば、選択モード移行後に改めて処理対象とするサムネイルを選択する操作を省略できる。
【0076】
選択モード移行後に開始されたピンチ操作に基づく選択表示制御または非選択表示制御が実行された後、あるいは、選択モード移行操作が上述したピンチ操作である場合に、当該ピンチ操作による選択モード移行後に、当該ピンチ操作により指定されている領域に属する全てのサムネイルが選択態様で表示された後、さらに当該ピンチ操作に係る二本指がタッチスクリーンから離れることなくマルチタッチ状態が継続されてピンチアウト操作またはピンチイン操作に移行したときには、当該ピンチアウト操作または当該ピンチイン操作の前のマルチタッチ状態により指定されていた範囲に属していたサムネイルの表示態様が、当該ピンチアウト操作または当該ピンチイン操作の後のマルチタッチ状態により指定されている範囲に属しているサムネイルの表示態様に反映される。すなわち、当該ピンチアウト操作または当該ピンチイン操作の前のマルチタッチ状態により指定されていた二箇所の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形に属していたサムネイルが選択態様で表示されていた場合には、当該ピンチアウト操作または当該ピンチイン操作の後のマルチタッチ状態により指定されている二箇所の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形に属しているサムネイルを選択態様で表示し、当該ピンチアウト操作または当該ピンチイン操作の前のマルチタッチ状態により指定されていた二箇所の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形に属していたサムネイルが非選択態様で表示されていた場合には、当該ピンチアウト操作または当該ピンチイン操作の後のマルチタッチ状態により指定されている二箇所の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形に属しているサムネイルを非選択態様で表示する。
【0077】
図10に示す例では、ピンチ操作開始時(マルチタッチ状態検出時)に指定されている範囲に属するサムネイル7は、マルチタッチ状態検出前に非選択態様で表示されていたため選択態様に変更され、その後にピンチアウト操作が行われることで新たに指定される範囲に属することになったサムネイル6、10、及び11は、当該ピンチアウト操作前に指定されていた範囲に属していたサムネイル7が選択態様で表示されていたことから、全て選択態様に変更されている。また、図11に示す例では、ピンチ操作開始時(マルチタッチ状態検出時)に指定されている範囲に属するサムネイル10、11、14、15のうち、当該ピンチ操作開始前(マルチタッチ状態検出前)にサムネイル11のみが選択態様で表示されており、サムネイル10、14、15は非選択態様で表示されていたことにより、サムネイル10、14、15が全て選択態様に変更されている。なお、この実施形態においては、ピンチ操作により指定されている範囲に属していないサムネイルは、当該ピンチ操作検出前(マルチタッチ状態検出前)の表示態様で表示される。従って、ピンチイン操作が行われたことにより指定された範囲に属しなくなったサムネイルは、当該ピンチ操作に係るマルチタッチ状態検出前に選択態様で表示されていれば選択態様で表示され、非選択態様で表示されていれば非選択態様で表示されることになる。
【0078】
図12は、本実施形態に係る処理を示すフローチャートであり、制御部101によって実行されるプログラムの一部の処理を示している。選択モードへ移行後、ユーザが処理対象としたいサムネイルを選択する場合には、ユーザは二本指で入力部106(表示部104)に触れるマルチタッチを行い、これによりピンチ操作の開始(マルチタッチ状態)が検出される(S2001)。そして、二本指が接触したタッチスクリーン上の座標、すなわちピンチ操作により指定された2点の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形を想定した場合の、その矩形の残り2頂点の座標を算出する(S2002)。そしてサムネイルのうち、特定された4座標を各頂点とする矩形に属するサムネイル、即ち指定範囲に属するサムネイル(以下、対象サムネイルと称する場合がある)を全て特定する(S2003)。
【0079】
ここで、本例における指定範囲に属するサムネイルとは、サムネイルのうち少なくとも一部が矩形領域内に含まれているものをいうが、指定範囲内の座標を所定数以上含むサムネイルを、指定範囲に属するサムネイルとして扱うようにしても良く、サムネイル全体が指定範囲に含まれる場合や、サムネイルの中心が指定範囲に含まれるものを指定範囲に属するサムネイルとして扱うようにしても良い。また、指定範囲は二本指の接触座標により決定される矩形に限らず、所定の操作によって特定される任意の二次元形状であれば良く、例えば、円や楕円であっても良い。
【0080】
次に、[指定範囲に属するサムネイル全てが選択態様で表示されている状態]であるか否かを確認する(S2004)。[指定範囲に属するサムネイル全てが選択態様で表示されている状態]ではない場合には(S2004でNO)、指定範囲に属するサムネイルを全て選択態様で表示し(S2005)、当該ピンチ操作に係るステータスを選択状態に設定する(S2006)。[指定範囲に属するサムネイル全てが選択態様で表示されている状態]である場合には(S2004でYES)、指定範囲に属するサムネイルを全て非選択態様で表示し(S2007)、当該ピンチ操作に係るステータスを非選択状態に設定する(S2008)。
【0081】
その後にピンチ操作の解除(マルチタッチが検出されていない状態)が確認されたときには(S2010でYES)、指定範囲に属する各サムネイルについて、選択態様で表示されている場合には対応する画像に選択フラグを付し、非選択態様で表示されている場合には対応する画像の選択フラグを解除する(S2030)。すなわち、サムネイルの表示態様を実際の記憶画像データに反映させる。そして、これ以降にユーザが削除処理や添付処理等の所望の処理を行うときの処理対象は、選択フラグが付された記憶画像となる。
【0082】
一方、ピンチ操作の解除が確認されない場合(S2010でNO)、すなわちマルチタッチ状態が継続されてピンチアウト操作やピンチイン操作が実行される場合には、選択フラグの更新を実行せず、ピンチ操作により指定された2点の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形を想定した場合の、その矩形の残り2頂点の座標を算出する(S2011)。そしてサムネイルのうち、特定された4座標を各頂点とする矩形に属するサムネイル、即ち指定範囲に属するサムネイル(対象サムネイル)を全て特定する(S2012)。
【0083】
次いで、当該ピンチ操作に係るステータスが選択状態であるか又は非選択状態であるかを確認する(S2013)。ステータスが選択状態である場合には(S2013でYES)、対象サムネイル全てを選択態様で表示し(S2014)、ステータスが非選択状態である場合には(S2013でNO)、対象サムネイル全てを非選択態様で表示する(S2015)。これらの表示制御処理を実行することで、ピンチアウト操作によって拡大された範囲に属することとなったサムネイルに、範囲拡大前の対象サムネイルの表示態様が反映される。また、ピンチイン操作によって縮小された範囲に属するサムネイルに、範囲縮小前の対象サムネイルの表示態様が反映される。なお、ピンチ操作により指定されている範囲に属していないサムネイルは、当該ピンチ操作検出前(マルチタッチ状態検出前)の表示態様で表示される。このように、ピンチアウト操作によって選択範囲(サムネイルが選択態様で表示される範囲)や非選択範囲(サムネイルが非選択態様で表示される範囲)の拡大が可能となり、ピンチイン操作によって選択範囲や非選択範囲の縮小が可能となる。すなわち、ピンチ操作により容易に処理対象とする画像を一括して選択状態または非選択状態とすることができ、且つ選択範囲を動的に変更することができる。
【0084】
ここで、ピンチアウト操作またはピンチイン操作によって指定範囲の拡大・縮小を行う際に、上記の方法によって拡大・縮小前の表示態様を反映させることとしているが、上記の方法に限らず、拡大・縮小後の指定範囲に属するサムネイルを対象として、マルチタッチ状態が新たに検出されたときに(すなわちピンチ操作が開始されるタイミングで)、[対象サムネイル全てが選択態様で表示されている状態]ではなかった場合には、対象サムネイルを全て選択態様で表示し、[対象サムネイル全てが選択態様で表示されている状態]であった場合には、対象サムネイルを全て非選択態様で表示するようにしても良い。さらに、マルチタッチ状態が解除されることなく、ピンチアウト操作またはピンチイン操作によって指定範囲の拡大・縮小が行われることに応じて、拡大・縮小前の指定範囲に選択態様のサムネイルが含まれていれば拡大・縮小後の指定範囲に属するサムネイルを全て選択態様とし(選択範囲の拡大・縮小を実行し)、拡大・縮小前の指定範囲に選択態様のサムネイルが含まれていなければ拡大・縮小後の指定範囲に属するサムネイルを全て非選択態様とする(非選択範囲の拡大・縮小を実行する)ようにしても良い。なお、ピンチ操作により指定されている範囲に属していないサムネイルは、当該ピンチ操作検出前(マルチタッチ状態検出前)の表示態様で表示される。即ち、(ピンチ操作に係るステータスは使用せず)ピンチ操作による拡大・縮小後の指定範囲に属するサムネイルの変化を監視し、ピンチ操作によって指定されるサムネイルの変化により、その表示態様を動的に対応して変化させることとしても良い。また、一旦指定範囲に属したサムネイルが、その後のピンチイン操作による指定範囲の縮小に伴い指定範囲外となった場合に、そのサムネイルに関しては、一旦指定範囲に属したときの表示態様を維持することとしてもよい。
【0085】
また、当該ピンチ操作によって指定されている2点以外の座標(3点目の座標)がタップされたことが検出されたときには(S2020でYES)、ピンチ操作によって指定されている選択領域、すなわち、指が接触している2点を結ぶ直線を対角線とする矩形に属する各サムネイルを対象として、各サムネイルが選択態様で表示されているときには非選択態様に変更し、非選択態様で表示されているときには選択態様に変更する反転表示制御を実行する(S2021)。次いで、当該ピンチ操作に係るステータスが選択状態であるか又は非選択状態であるかを確認し(S2022)、選択状態であれば(S2022でYES)、ステータスを非選択状態に変更し(S2023)、非選択状態であれば(S2022でNO)、ステータスを選択状態に変更する(S2024)。このように、選択領域内のサムネイルを一括して選択態様とするか又は非選択態様とするかを容易に切り替え可能となっている。反転操作が検出されない場合(S2020でNO)、反転表示制御が実行された場合には(S2021〜S2024)、S2010に戻りピンチ操作が解除されたか否かを確認する。ここで、反転操作による表示態様の変更は、上記例のような対象サムネイル全てを選択態様から非選択態様、非選択態様から選択態様とする変更に限らず、反転操作により各サムネイルの表示態様を反転させる変更であれば良い。
【0086】
S2030でサムネイルの表示態様が記憶画像の選択フラグに反映された後は、ユーザは選択フラグが付された画像を対象として所望の処理を実行するようにしても良く、更に選択対象を増やすべく、再度、ピンチ操作を開始してS2001以降のサムネイル選択処理を繰り返すようにしても良い。このように、複数回に分けての選択処理を実行することにより、処理対象とするサムネイルを細かく設定することが可能であり、その後の所定処理を実行する場合に処理対象として設定したサムネイルに対応する画像に対して一括処理を実行することが可能となる。
【0087】
S2010においてピンチ操作の解除が確認されると、S2030で選択フラグが付された画像を対象とした所定の操作が実行された場合や、入力部106への入力が検出されない状態が所定時間続いた場合には選択モードが解除される。また、選択モードにおいて、タッチスクリーンの任意の位置を所定時間以上一本指でタッチする長押し操作が行われた場合や、「戻る」ボタンが操作された場合には、選択モードが解除される。選択モードが解除されると、例えば、後述する第3実施形態に示すような、サムネイルの拡大・縮小が可能な非選択モードに移行する。
【0088】
なお、上記の実施形態では、ピンチ操作の解除を以て選択フラグの更新(付与または解除)を実行するようにしているが、これに限られず、サムネイルの表示態様と連動して選択フラグの更新を実行するようにしても良い。すなわち、サムネイルが選択態様で表示されているときには、当該サムネイルに対応する記憶画像に選択フラグが付されている状態とし、サムネイルが非選択態様で表示されているときには、当該サムネイルに対応する記憶画像に選択フラグが付されていない状態としても良い。
【0089】
また、上記の実施形態では、[指定範囲に属するサムネイル全てが選択態様で表示されている状態]であるか否かを確認する(S2004)ようにしているが、これに限らず、[指定範囲に属する1以上のサムネイルが非選択態様で表示されている状態]であるか否かを確認するようにしても良い。
【0090】
また、上記説明したS2004〜S2008におけるサムネイルの選択表示制御に限らず、例えば、ピンチ操作開始時に[指定範囲に属するサムネイルのうち少なくとも1つが選択態様で表示されている状態]である場合に、指定範囲に属するサムネイルを全て非選択態様で表示し、ピンチ操作開始時に[指定範囲に属するサムネイル全てが非選択態様で表示されている状態]である場合に、指定範囲に属するサムネイルを全て選択態様で表示するようにしても良い。その他にも、例えば、ピンチ操作開始時に指定範囲に属するサムネイルのうち、選択態様で表示されているサムネイルの比率が50%等の所定(比率)値より高ければその全てを選択態様で表示し、非選択態様で表示されているサムネイルの比率が所定(比率)値より高ければその全てを非選択態様で表示するといった表示制御を行っても良く、指定範囲に属するサムネイル全てを一括して選択態様または非選択態様とする制御を実行するものであれば良い。
【0091】
また、上記の実施形態では、ピンチ操作開始のタイミングで対象サムネイル全てを選択態様または非選択態様で表示する表示制御を実行した後に、タップ操作検出のタイミングで反転表示制御を実行しているが、これに限らず、ピンチ操作開始のタイミングで対象サムネイル全てを選択態様または非選択態様で表示する表示制御を直ちに実行せずに、その後のタップ操作検出のタイミングで対象サムネイル全てを選択態様または非選択態様で表示する表示制御を実行するようにしても良い。このような操作形態とした場合には、ピンチ操作の開始が検出された時点では対象サムネイルの表示態様は変化せず、その後にタップ操作(1度目のタップ操作)が検出されたタイミングで対象サムネイル全てが選択態様または非選択態様で表示される表示制御が実行されることになる。さらに、当該ピンチ操作が解除されずに再度タップ操作(二度目のタップ操作)が検出された場合には、対象サムネイル全てについて反転表示制御が実行されるようにすると良い。これにより、タップ操作毎に対象サムネイル全てを選択態様,非選択態様に切り替えることが可能である。
さらに、当該ピンチ操作が解除されずに再々度タップ操作(三度目のタップ操作)が検出された場合には、各対象サムネイルに付されたフラグを反転させた場合の表示態様を反映させる(対象サムネイルに選択フラグが付与されている場合は非選択態様で表示され、選択フラグが付与されていない場合は選択態様で表示される)フラグ反転表示制御が実行されるようにすると良い。これにより、タップ操作ごとに対象サムネイルについて、全てを選択態様、全てを非選択態様、および各フラグを反転させた場合の表示態様に切り替えることが可能である。
ここで、二度目のタップ操作で全対象サムネイルを選択態様から非選択態様に(または非選択態様から選択態様に)一括に反転し、さらに三度目のタップ操作でフラグ反転表示制御を行うこととしているが、これに限られない。例えば、一度目のタップによってフラグ反転表示制御を行い、二度目のタップ操作で全選択態様または全非選択態様とし、さらに三度目のタップ操作で全てを選択態様、非選択態様に切り替えることとしてもよく、その順番は問わない。
【0092】
図25は、この場合に制御部101が、図12の処理に代えて実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図25の処理は、図12の処理を一部変更した処理であるため、図12と共通の処理部分については、移行先のステップ番号のみを図示し、共通のステップについては図示を省略している。
【0093】
制御部101は、S2001においてピンチ操作の開始を検出すると、ピンチ操作が解除されたか否かを判定する(S2040)。ピンチ操作が解除されたと判定したならば(S2040でYES)、制御部101は、S2001に処理を戻す。一方、ピンチ操作が解除されなかったと判定したならば(S2040でNO)、制御部101は、ピンチ操作で指定されている2点以外の座標がタップされたか否かを判定する(S2041)。
【0094】
タップされなかったと判定したならば(S2041でNO)、制御部101は、S2040に処理を戻す。一方、タップされたと判定したならば(S2041でYES)、制御部101は、ピンチ操作により指定された2点の座標を結ぶ直線を対角線とする矩形を想定した場合の、その矩形の残り2頂点の座標を算出する(S2042)。そして、制御部101は、サムネイルのうち、特定された4座標を各頂点とする矩形に属するサムネイルである対象サムネイルを全て特定する(S2043)。そして、制御部101は、図12のS2004へと処理を移す。以降の処理は、図12と同じである。
【0095】
上記の処理では、ピンチ操作が解除されずに継続された状態で(S2040でNO)、ピンチ操作で指定されている2点以外の座標がタップされると(S2041でYES)、対象サムネイルが特定されて(S2042,S2043)、対象サムネイルの選択・非選択表示制御が実行されることになる(図12のS2004〜S2008)。つまり、ピンチ操作の開始が検出された時点では対象サムネイルの表示態様は変化せず、その後にタップ操作(1度目のタップ操作)が検出されたタイミングで、対象サムネイル全てが選択態様または非選択態様で表示されることになる。
【0096】
また、図12の処理によれば、ピンチ操作が解除されずに継続された状態で(S2010でNO)、ピンチ操作で指定されている2点以外の座標がタップされると(S2020でYES)、対象サムネイル全てを反転表示させる反転表示制御が実行される(S2021)。このS2010〜S2024の一連の処理はループとして繰り返される。従って、ピンチ操作が解除されることなく、ユーザにより新たにタップ操作がなされる毎に、対象サムネイルの反転表示制御が実行されることになる。つまり、対象サムネイルの選択態様での表示と非選択態様での表示とがタップ操作毎に切り替わることになる。
【0097】
なお、対象サムネイルに設定された選択フラグに基づいて選択態様での表示と非選択態様での表示とを切り替えるフラグ反転表示制御を行う場合も同様である。つまり、図25の処理において、ピンチ操作が解除されずにタップ操作がなされる度に、対象サムネイルの選択フラグ(ON/OFF)に基づいて、選択態様での表示と非選択態様での表示とのどちらに切り替えるかを決定して、対象サムネイルの反転表示制御を実行するようにすればよい。
【0098】
なお、上記の実施形態では、反転表示制御およびフラグ反転表示制御がタップ操作に基づいて実行される例について説明したが、これに限らず、例えば振動を与えるといった他の操作に基づいて実行するようにしても良い。
【0099】
次に、図13図15を用いて、本実施形態に係る操作方法について説明する。図13(a)に示すように、選択モードに移行した状態では、画面にリスト表示されているサムネイル1〜25は全て非選択態様で表示されているものとする。この状態でユーザがピンチ操作(一回目のピンチ操作)を行うことで、図13(b)に示すように、当該ピンチ操作により指定される2点(この例ではA点とB点)を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイル7,8,12,13が選択態様で表示されることになる(S2004でNOと判定されるため、S2005で対象サムネイル全てが選択態様で表示されて、S2006でステータスが選択状態に設定されることになる)。
【0100】
さらに、当該ピンチ操作(一回目のピンチ操作)が解除されることなくマルチタッチ状態が継続されてピンチアウト操作が行われた場合には(S2010でNO)、図13(c)に示すように、ピンチアウト操作後の2点(A点とB点)を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイル1〜4,6〜9,11〜14,16〜19が選択態様で表示されることになる(S2011,2012でピンチアウト操作後の対象サムネイルが全て特定され、S2013でYESと判定されるため、S2014で対象サムネイル全てが選択態様で表示されることになる)。この状態で、当該ピンチ操作が解除された場合には(S2010でYES)、サムネイル1〜4,6〜9,11〜14,16〜19が選択態様で表示されていることにより、これらのサムネイルに対応する画像に選択フラグが付される(S2030)。
【0101】
さらに、選択モードが維持されている状態で、ユーザがピンチ操作(二回目のピンチ操作)を行うことで、図14(d)に示すように、当該ピンチ操作により指定される2点(この例ではA点とB点)を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイル7〜9,12〜14,17〜19は非選択態様で表示されることになる(S2004でYESと判定されるため、S2007で対象サムネイル全てが非選択態様で表示されて、S2008でステータスが非選択状態に設定されることになる)。
【0102】
さらに、当該ピンチ操作(二回目のピンチ操作)が解除されることなくマルチタッチ状態が継続されてピンチイン操作が行われた場合には(S2010でNO)、図14(e)に示すように、ピンチイン操作後の2点(A点とB点)を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイル12,13,17,18が非選択態様で表示されることになる(S2011,2012でピンチイン操作後の対象サムネイルが全て特定され、S2013でNOと判定されるため、S2015で対象サムネイル全てが非選択態様で表示されることになる)。ここで、二回目のピンチ操作が検出される以前は、サムネイル7〜9,14,19は、選択態様で表示されていたことから、ピンチイン操作後に対象サムネイルには該当しなくなったことにより、選択態様で表示されることになる。
【0103】
さらに、図14(f)に示すように、当該ピンチ操作(二回目のピンチ操作)が解除されることなくマルチタッチ状態が継続された状態でタップ操作(C点を軽く一回叩く操作)が行われたものとする(S2020でYES)。このとき、対象サムネイルが全て非選択態様で表示されていることにより、対象サムネイル全てを選択態様に変更する反転表示制御が実行されることになる(S2021の反転表示制御が実行されて、S2022でNOと判定されて、S2024でステータスが選択状態に変更されることになる)。
【0104】
さらに、当該ピンチ操作(二回目のピンチ操作)が解除されることなくマルチタッチ状態が継続されてピンチアウト操作が行われた場合には(S2010でNO)、図15(g)に示すように、ピンチアウト操作後の2点(A点とB点)を結ぶ直線を対角線とする矩形に属するサムネイル12,13,17,18,22,23が選択態様で表示されることになる(S2011,2012でピンチアウト操作後の対象サムネイルが全て特定され、S2013でYESと判定されるため、S2014で対象サムネイル全てが選択態様で表示されることになる)。このようにして反転表示制御が行われた領域を拡大または縮小することが可能となる。
【0105】
[第3比較例]
次に、従来より用いられている公知の操作形態について第3比較例として説明する。スマートフォンやタブレット端末等の画像表示装置では、図7に示すように、記憶している画像(原画像)をサムネイル化してリスト表示することが可能となっている。このようにリスト表示されているサムネイルを拡大・縮小したいというニーズがある。従来技術においては、拡大・縮小時の表示方法として、離散的に表示する方法と、連続的に表示する方法がある。連続的に表示する方法は、そのサムネイルリスト表示を一枚の画像と捉え、拡大・縮小の操作に応じて適宜拡大・縮小の表示を行うものである。しかしながら、拡大表示を行った場合、表示部端近辺にあるサムネイルの一部が欠けて表示されたり、または一部のサムネイルが表示部の表示領域外に位置することとなり表示されなかったり、という課題があった。その結果、拡大・縮小後に改めてスクロール操作を行う等の操作が必要となっていた。
【0106】
また、離散的に表示する方法は、サムネイルの一辺(横辺)の長さと表示部の横辺の長さに鑑み、横軸方向において、表示対象の各サムネイルがその部分を欠くことなく全て表示されるよう、二本の指でのピンチ操作等による拡大・縮小操作に合わせて適宜表示されるサムネイルの移動を行いつつ表示するものである。例えば、ピンチ操作に係る二本の指の距離を広める拡大操作(ピンチアウト操作)によって拡大表示、二本の指の距離を狭める縮小操作(ピンチイン操作)によって縮小表示が実行される。具体例として、各サムネイルの一辺の長さが表示部の横辺の長さを自然数nで割ったものと同一となるという条件を設定し、自然数nを変化させるように拡大・縮小操作を行い、nが変化したタイミングに対応してサムネイルの並びも変更するという方法がある。この場合、自然数nは当然に離散的にしか変化できず、拡大・縮小操作が行われているがnが変化しない期間が存在するため、サムネイルのリスト表示も同様に離散的に更新表示される。このようにサムネイルリストの更新表示が離散的になされる結果、拡大・縮小操作と拡大・縮小表示との連動性(吸着性)が小さく、感覚的にスムーズなインターフェースを提供できないという欠点があった。
【0107】
また、上記のようにサムネイルリストを離散的に更新表示する方法における別側面の課題として、拡大・縮小操作前後のリスト表示では、表示される各サムネイルの表示部上での位置が異なってしまい、注目していたサムネイルがどこに移動したかが分からなくなってしまうという問題があった。具体例として、図16(a)に示すように、拡大・縮小操作前には横辺に4つのサムネイルが表示されており(n=4)、図16(b)に示すように、拡大・縮小操作後には横辺に5つのサムネイルが表示される場合(n=5)において、例えば、全体の表示では16番目(アルファベット順等による)である注目サムネイル(図16中の「P」で表されたサムネイル)の表示位置の変化を考える。この場合、拡大・縮小操作前の表示においては、このサムネイルは上から4行目で左から4列目の位置に表示される。そして拡大・縮小操作後においては、このサムネイルは上から4行目で左から1列目に位置する。このように、表示位置が拡大・縮小操作前では表示部の右側にあったものが、拡大・縮小操作後は表示部の左側に表示されることになる。この例では、拡大・縮小操作後でも表示部に注目サムネイルが表示されている場合を示しているが、取り扱うサムネイル数が多い場合などにおいては、拡大・縮小操作後に注目サムネイルが表示部に表示されない(表示部内に表示される対象のサムネイルとならない)おそれもある。従って、ユーザが所望のサムネイルを見失いがちであり、さらには表示されたサムネイルリスト内に存在するかどうかもわからない状態となりうる。以下に示す第3実施形態に係る画像表示装置およびプログラムは、これらの課題を解決するものである。
【0108】
[第3実施形態に係る操作処理]
第3実施形態に係る画像表示装置のハードウェア構成は第1実施形態において示した画像表示装置100と同様であるため、説明を省略する。以下、第3実施形態に係る画像表示装置100における操作処理について説明する。本実施形態に係る操作処理は、サムネイルがリスト表示されている場合において、そのリスト表示の拡大・縮小を行う場合に、その拡大・縮小操作と拡大・縮小表示との連動性(連続性)を強め、感覚的にスムーズなインターフェースを提供するとともに、拡大・縮小操作後であっても、ユーザが注目していたサムネイルを見失わないようにすることを可能とするものである。
【0109】
図17図20の説明図および図21のフローチャートを用いて本操作処理を以下に説明する。なお、説明の簡略化のため、同サイズのサムネイル(一辺の長さをtlとする正方形)が所定の順番(例えば、図17図20に示されるサムネイル番号順)でリスト表示されているケースを前提に説明を行う。ただし本発明はこれに限定されるものではなく、サムネイルの大きさが各々異なっている場合にも適用できる。
【0110】
図21は、本実施形態に係る処理を示すフローチャートであり、制御部101によって実行されるプログラムの一部の処理を示している。非選択モードにおいて、表示されているサムネイルリストを拡大・縮小表示した場合には、二本指で入力部106(表示部104)に触れるマルチタッチを行い、これによりピンチ操作が検出される(S3001)。このとき、二本指が接触しているタッチスクリーン上の座標が取得されることにより、その両座標間の距離を算出し、その距離を、拡大・縮小処理の基準距離として設定する(S3002)。ユーザがリスト表示を拡大させたいときには、二本指が接触している両座標間の距離を広げるように移動させるピンチアウト操作を行い、リスト表示を縮小させたいときには、二本指が接触している両座標間の距離を狭めるように移動させるピンチイン操作を行う。これらのピンチ操作に伴う移動後の二本指の接触位置を検出して(S3003)、移動後の二本指が接触している両座標間の距離を再算出する(S3004)。
【0111】
次いで、基準距離と再算出した両座標間の距離に基づいて、サムネイルリスト表示の拡大・縮小率αを決定する(S3005)。拡大・縮小率の算出方法としては、例えば、移動後の二本指の接触座標間の距離を基準距離で割った値を拡大・縮小率αとする。なお、基準距離が大きければ縮小操作をする可能性が高く、逆に基準距離が小さければ拡大操作をする可能性が高いため、基準距離が所定値より大きいときは縮小操作しかしないと想定して、拡大・縮小率α≦1(拡大操作をしても表示倍率が変わらない)に制限し、逆に基準距離が所定値より小さいときは拡大操作しかしないと想定して、拡大・縮小率α≧1(縮小操作をしても表示倍率が変わらない)に制限してもよい。拡大・縮小率αが決定されると、得られた拡大・縮小率αをサムネイルリスト表示に適用して、サムネイルリスト表示を拡大・縮小表示する(S3006)。この実施形態では、拡大・縮小率αの適用に際して、ピンチ操作に係る二本指で指定された両座標の中間点(又はその中間点を含むサムネイル)を基準とした拡大・縮小表示を実行するものとする。これに限らず、タッチスクリーン表示領域(表示部104)の中心点を拡大・縮小表示の中心となる基準位置としても良く、このようにすることで、サムネイルリストが表示部104の中心を基準に拡大・縮小表示される。
【0112】
ここで、拡大表示をする場合は、表示部104の表示可能範囲にサムネイルの一部が収まりきれずに見切れてしまったりする場合があり、縮小表示をする場合は、1以上のサムネイルを追加して表示できる余地が生じてしまったりする場合がある。このような場合、サムネイルのリスト表示を並べ替える必要があるが、この並び替えを以下の処理によって行う。
【0113】
拡大・縮小後のリスト表示における各サムネイルの並べ方を決定するために、移動前のリスト表示の横軸長さに、得られた拡大・縮小率を適用した数値、即ち、拡大・縮小適用後の想定横軸長さと、表示部104における表示可能な最大の横軸長さとを比較(S3007)する。ここで、1つのサムネイルの横軸方向の長さをtl、拡大・縮小前に横軸方向に表示されていたサムネイル数をN、拡大・縮小後に横軸方向に表示されるサムネイル数をn、表示部104における表示可能な最大の横軸長さをDLとする。S3007において、拡大操作により、拡大・縮小適用後の想定横軸長さが、表示可能な最大の横軸長さよりも大きくなった場合(S3007でYES)、即ち、α×N×tl>DL(ただし、各サムネイルの表示間隔は説明の簡略化を考慮し無視している)である場合は、想定横軸長さをそのままリスト表示の横軸長さとすることはできず、横軸方向のサムネイル数を減少させる必要がある。よって、α×n×tl≦DLを満たす最大の自然数nを求め、このnを拡大・縮小表示後の横軸方向のサムネイル数として設定する(S3009)。
【0114】
また、S3007において、拡大・縮小適用後の想定横軸長さが表示可能な最大の横軸長さ以下であった場合(S3007でNO)は、横軸方向のサムネイル数を1つ増加させて拡大・縮小した場合の想定横軸長さと、表示部104における表示可能な最大の横軸長さとを比較する(S3008)。即ち、縮小操作によって1以上のサムネイルを追加して表示できる余地が生じたかどうかを判断する。S3008において、横軸方向のサムネイル数を1つ増加させて拡大・縮小した場合の横軸長さが、表示部104における表示可能な最大の横軸長さ以下であった場合(S3008でYES)、即ち、α×(N+1)×tl≦DLであった場合は、縮小によって横軸方向に1以上のサムネイルを追加して表示できる余地があるということである。従って、α×n×tl≦DLとなる最大の自然数nを求め、このnを拡大・縮小表示後の横軸方向のサムネイル数として設定する(S3009)。
【0115】
S3009の処理が実行されると、S3010の処理へ進む。また、S3008において、横軸方向のサムネイル数を1つ増加させて拡大・縮小した場合の横軸長さが、表示部104における表示可能な最大の横軸長さより大きかった場合(S3008でNO)、即ち、拡大・縮小率の適用によっても、横軸方向に表示されるサムネイル数の変更が無い場合には、そのままS3010の処理へ進む。
【0116】
S3010ではピンチ操作が解除されたか否か、即ち、入力部106におけるマルチタッチ状態が解除されたか否かを確認する。ピンチ操作が解除されていなければ(S3010でNO)、サムネイルの位置移動は行わずに、S3003に戻り、ユーザにより継続されるピンチ操作に応じて拡大・縮小率αを変化させ、またそれに伴って動的にリスト表示を拡大・縮小し、また必要に応じて横軸方向のサムネイル数を再設定する処理を行う。ピンチ操作が解除されていれば(S3010でYES)、S3009において求められた横軸方向に表示可能なサムネイルの最大数に従い、サムネイルを対応する位置に移動させる(S3011)。ここで、S3010においてはピンチ操作が解除されたか否かが判断されるとしたが、それに限られない。例えば、マルチタッチ状態は継続しているが、ピンチ操作が所定期間(例えば、5秒間)以上行われなかったと判断された場合、即ち、タッチパネル上でピンチ入力が無かった、またはピンチ入力の大きさが所定値以下であった時間が所定期間以上であったと判断された場合に、S3011のサムネイル移動処理を行うこととしてもよい。この場合、S3011のサムネイル移動処理後、マルチタッチ状態が解除されずに新たにピンチ操作が探知された場合は、S3011の処理による移動をキャンセルし、各サムネイルが移動前の位置に戻された状態を表示して、S3010に戻ることが好ましい。
【0117】
図17および図18に具体例を示す。図17(a)(b)に示すように、ピンチ操作開始時点におけるサムネイル数は4であり、このとき4×tl=DLとなる(N=4の場合)。そして、図17(c)に示すように、拡大・縮小操作完了時点(ピンチ操作解除時点)においては、α×4×tl>DLとなり、α×n×tl≦DLを満たす最大の自然数nは3となるため、サムネイル数は3となる。その結果、図18に示すように、横軸に3つのサムネイルが並んだリスト表示となる。この状態では3×tl=DLとなる。
【0118】
図19および図20に具体例を示す。図19(a)に示すように、ピンチ操作開始時点におけるサムネイル数は3であり、このとき3×tl=DLとなる(N=3の場合)。そして、図19(b)に示すように、拡大・縮小操作完了時点(ピンチ操作解除時点)においては、α×4×tl≦DLとなり、α×n×tl≦DLを満たす最大の自然数nは4となるため、サムネイル数は4となる。その結果、図20に示すように、横軸に4つのサムネイルが並んだリスト表示となる。この状態では4×tl=DLとなる。
【0119】
図17図20の例に示すように、ピンチ操作に応じてサムネイルリストの拡大・縮小表示を行う場合に、ピンチ操作が実行されている期間はサムネイル間の相対的位置関係を固定しておき(スタティックな関係としておき)、ピンチ操作が解除されたタイミングで、サムネイル間の相対的位置関係を変動可能として、サムネイルを移動させるようにしている。このようにすることで、ピンチ操作による拡大・縮小操作と拡大・縮小表示との連動性(吸着性)が高められ、感覚的にスムーズなインターフェースを提供することができる。
【0120】
ここで、上記の例では、α×N×tl>DLまたはα×(N+1)×tl≦DLを満たすとき、即ち、拡大・縮小適用後の想定横軸長さが表示可能な最大の横軸長さを超えてしまう場合か、または横軸方向のサムネイル数を1つ増加させて拡大・縮小した場合の横軸長さが、表示可能な最大の横軸長さ以下であった場合において、サムネイル移動を行うこととしていた。これに限らず、例えば、α×(N−0.5)×tl>DLまたはα×(N+0.5)×tl≦DLを満たすとき、即ち、拡大・縮小適用後における端に位置するサムネイルの半分以上の領域が表示されない場合か、または横軸方向のサムネイル数を1つ増加させて拡大・縮小した場合の端に位置するサムネイルの半分以上が表示される場合に、サムネイル移動をすることとしてもよい。この場合、表示対象のサムネイル中、端に位置するものについては一部表示を欠いた形となることを許容することになるが、前述の場合に比べてより多くのサムネイルを表示することができるという利点を有する。
【0121】
また、上記の例では、ピンチ操作継続中はサムネイル間の相対的位置関係が固定され、S3010においてピンチ操作が解除されたことによりサムネイル間の相対的位置関係を変動させるようにしているが、これに限らず、拡大・縮小操作中にサムネイル間の相対的位置関係を変動可能としても良い。
【0122】
次に、S3011において各サムネイルを所定位置に移動させる際の表示処理について説明する。上述したように、nの変化によってサムネイルの移動が発生することにより、注目していたサムネイルが拡大・縮小操作後にどの位置に移動したかが分かり難いという課題がある。以下に示す方法により、注目していたサムネイルの移動位置を容易に把握することが可能となる。
【0123】
[アニメーション表示による移動位置の明確化]
アニメーション表示により各サムネイルの移動を表現することで、拡大・縮小操作によりサムネイルがどこに移動したかを明確化することができる。図18(a)は、拡大操作後であってサムネイル移動前における各サムネイルの配置を示す図であり、図18(b)は、移動後における各サムネイルの配置を示す図である。また、図20(a)は、縮小操作後であってサムネイル移動前における各サムネイルの配置を示す図であり、図20(b)は、移動後における各サムネイルの配置を示す図である。
【0124】
図18および図20に示すように、各サムネイルは、ピンチ操作に応じて横軸方向に表示可能なサムネイル数が変化することに対応し、ピンチ操作解除後に矢印で示されるような移動を一定時間(例えば1秒)かけて行う。例えば、図18において「16」として示されるサムネイルは、移動前は4×6の2次元リスト中において上から4行目、左から4列目に位置しているが、移動後は3×5の2次元リスト中において上から4行目、左から1列目に位置することになるので、矢印に示す通り、表示部の右端から左端に、また、当初表示されていた位置より幾分下方向へ移動することとなる。また、図20において「21」 として示されるサムネイルは、移動前は3×5の2次元リスト中において上から5行目、左から3列目に位置しているが、移動後は4×6の2次元リスト中において上から6行目、左から1列目に位置することになるので、矢印に示す通り、表示部の右端から左端に移動することとなる。これらをアニメーションで、即ち移動の軌跡を描画することで表現する。
【0125】
このように、拡大・縮小操作を行った場合に、アニメーションによって各サムネイルの移動を表現することにより、ユーザが注目するサムネイルの移動場所を容易に把握することが可能となり、操作後に注目していたサムネイルを見失うことがない。また、S3010においてピンチ操作が解除されたことにより、S3011のサムネイル移動を開始するようにしていることで、ピンチ操作実行中にサムネイルが移動してしまう場合と比べて、注目するサムネイルを見失いにくいという利点がある。
【0126】
[特定サムネイルの明確化]
移動するサムネイルのうち、所定条件を満たすサムネイルに対して、他のサムネイルとは異なる表示態様とすることにより、拡大・縮小操作により、そのサムネイルがどこに移動したかを明確化することができる。その方法として、例えば、所定色を半透明にオーバーレイ表示する、所定色の枠を付す、明るくする又は暗くする、所定のマークをオーバーレイ表示する等が挙げられる。
【0127】
図22は、4×6のサムネイルリストを拡大・縮小操作によって5×7のサムネイルリストとする例を示しており、所定のサムネイルを所定色でオーバーレイ表示することにより明確化している。具体的に説明すると、図22(a)に示すように、4×6のサムネイルリスト中、ユーザは二本指でサムネイル15および17の表示位置をマルチタッチするものとする。制御部101は、そのマルチタッチにより指定された二箇所の座標を検出し、その座標に対応するサムネイル15および17を特定し、またこれら特定されたサムネイルの周囲に存在するサムネイルも特定する。制御部101は、これら特定されたサムネイルに対して、所定色でオーバーレイ表示を行う。
【0128】
図22(a)においては、ピンチ操作に係る親指で押しているサムネイル17に対しては青色、そのサムネイルの周囲のサムネイル13,18,21,22に対しては、それよりも薄い青色(空色)のオーバーレイ表示を行い、人差し指で押しているサムネイル15に対しては赤色、そのサムネイルの周囲のサムネイル10,11,12,14,16,19,20に対しては、それよりも薄い赤色(桃色)のオーバーレイ表示を行う。すなわち、ピンチ操作に係る指が最初に触れた座標に位置するサムネイルの色よりも、その周囲のサムネイルの色を弱めるような配色、あるいは透明度を高めるような同系統の配色でオーバーレイ表示を行うようにしている。
【0129】
そして、図22(b)に示すように、ピンチイン操作が行われることにより、4×6のサムネイルリストを5×7のサムネイルリストとした場合には、ピンチ操作に係る親指で押していたサムネイル17およびその周囲のサムネイルが何処に移動したのかをオーバーレイ表示の配色によって容易に把握可能であり、ピンチ操作に係る人差し指で押していたサムネイル15およびその周囲のサムネイルが何処に移動したのかをオーバーレイ表示の配色によって容易に把握可能である。なお、ピンチ操作が解除されると、所定時間経過後(例えば3秒後)にオーバーレイ表示が解除されて通常の表示態様となる。ピンチ操作が解除されて、サムネイルが所定位置に移動した場合には、そのアニメーションが終了してから所定時間経過後にオーバーレイ表示が解除されて通常の表示態様となる。
【0130】
このように、ピンチ操作により指定される座標を含むサムネイルについては、相互にサムネイルの色を異ならせ、さらに、各サムネイルとその周囲とのサムネイルの色も異ならせるようにオーバーレイ表示している。こうすることにより、拡大・縮小操作によるサムネイル移動の際に、これらのサムネイルがどこに移動したかを容易に把握可能となる。なお、特定サムネイルの表示態様を異ならせる方法は上記方法に限らず、単に所定色を付す、明るくする/暗くする、あるいは、所定のマークをオーバーレイ表示する等の他の方法であっても良い。
【0131】
また、図23に示すように、拡大操作によって前述した自然数nが小さくなることにより拡大表示後は表示部104において表示されなくなるサムネイルを、拡大表示前に予め特定可能な態様で表示させるようにしても良い。図23(a)に示すように、ユーザがサムネイル15および17の表示位置をマルチタッチするものとする(ピンチ操作の開始)。制御部101は、そのマルチタッチにより指定された二箇所の座標を検出し、拡大・縮小表示における基準位置を設定する。この場合、この二本指が位置する両座標の中間点(サムネイル18に属する座標)を基準位置として設定し、これにより、拡大・縮小表示の際の中心が決定される。
【0132】
ここで、拡大・縮小表示における基準位置が設定されると、その状態から一段階拡大表示する(nが一つ小さくなる)場合に、どのサムネイルが表示部104に表示されなくなるかを計算可能であるため、該当するサムネイルを特定する。本例においては、サムネイル1〜7、23および24(図中で「消」が付されているサムネイル)が該当する。これら該当するサムネイルに対し、制御部101は、非該当のサムネイルとは異なる表示、例えば、輝度を50%下げた表示を行う。また、制御部101は、同様に、拡大表示後に上端、下端に表示されるサムネイルについても各々特定する。本例においては、サムネイル8〜10、および20〜22(図中で「端」が付されているサムネイル)が該当する。これら該当するサムネイルに対しても、制御部101は、非該当のサムネイルとは異なり、かつ表示部104に表示されなくなるサムネイル(図中で「消」が付されているサムネイル)とも異なる表示、例えば、輝度を25%下げた表示を行う。
【0133】
これら特定態様で表示されたサムネイルは、図23(b)に示すように、拡大表示後に表示されなくなるサムネイル、および表示部104には表示されるものの、表示可能領域の上端または下端に表示されることにより、その一部が表示されなくなるサムネイルである。なお、ピンチ操作が解除されると、所定時間経過後(例えば3秒後)に特定態様での表示が解除されて通常の表示態様、すなわち輝度を低下させない表示態様となる。ピンチ操作が解除されて、サムネイルが所定位置に移動した場合には、そのアニメーションが終了してから所定時間経過後に通常の表示態様となる。これらのサムネイルの表示態様を異ならせる方法は、上記のように輝度を異ならせる方法に限らず、所定色のオーバーレイ表示をする、所定色の枠を付す、所定のマークをオーバーレイ表示する等の他の方法であっても良い。また、例えば、拡大表示後に全て表示されるサムネイルと、部分的に表示されるサムネイルと、表示されないサムネイルとの境界となる部分に境界線を描画するようにしても良い。
【0134】
ここで、上記例では、ピンチ操作に基づいて1段階の拡大表示後に表示されなくなるサムネイルを特定可能な態様で表示する例を示したが、1段階の拡大表示後に表示されなくなるサムネイルを特定可能な態様で表示した後、ピンチアウト操作が行われた場合に、当該ピンチアウト操作後に拡大・縮小率αを算出し、その状態で仮にピンチ操作が解除された場合には2段階の拡大表示が実行されると判定される場合(ピンチアウト操作前よりnが2小さくなると判定される場合)には、2段階の拡大表示後に表示されなくなるサムネイルを特定可能な態様で表示するようにしてもよい。即ち、ピンチアウト操作に応じて、拡大表示後に表示されなくなるサムネイルを動的に判定し、それらを特定可能な態様で表示するようにしてもよい。
同様に、3段階、4段階等、任意の段階の拡大表示後に表示されなくなるサムネイルを特定可能な態様で表示するようにしてもよい。
【0135】
このように、拡大・縮小操作が行われる場合に、特定のサムネイルの表示態様を他のサムネイルと相違させることにより、拡大・縮小表示において、注目しているサムネイルを見失いにくくなるという効果を奏する。また、拡大・縮小操作後に注目しているサムネイルが表示部に表示されるか否かを前もって知ることができるため、注目サムネイルが表示されなくなる場合に、拡大・縮小操作を中止するという判断を行うことが可能となる。また、拡大・縮小操作後にスクロール操作が必要となるか否かを前もって把握することができる。
【0136】
なお、上述した実施形態は、あくまで本発明に係る画像表示装置等の一例を示すものである。本発明に係る画像表示装置等は、実施形態に係る画像表示装置等に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る画像表示装置等を変形し、または他のものに適用したものであってもよい。
【0137】
上述した第1実施形態における表示画像を対象とした処理は、第2実施形態および第3実施形態におけるサムネイルのリスト表示を対象として実行可能である。表示部104にリスト表示されているサムネイル全体を1の表示画像として、第1実施形態に示した各収束制御を実行するようにすると良い。
【0138】
上述した第2実施形態及び第3実施形態におけるサムネイルを対象とした処理は、例えば、選択対象あるいは拡大・縮小表示の対象となるアイテムがアイコン画像(例えばアプリケーションのアイコンや文書ファイルのアイコン)である場合にも適用可能である。すなわち、第2実施形態および第3実施形態に示した各処理は、サムネイルに限らず、表示部にリスト表示されるアイテムを対象として実行可能である。
【0139】
また、本発明はいわゆるスマートフォンに限定して適用される発明ではなく、携帯電話、タブレット端末、およびその他の携帯端末、並びにその他の電子機器にも当然適用されうる。ただし、スマートフォンを含む携帯電話は、ユーザが常に携帯し、通信が可能であり、かつ撮像部を含む機器が多いため、本発明の対象として最適である。
【0140】
また、上記の実施形態では、第1実施形態〜第3実施形態における各種の画像表示処理(図6のフローチャートに示される画像表示処理、図12のフローチャートに示される画像表示処理、図21のフローチャートに示される画像表示処理)を実行するための画像表示プログラムが、図3の画像表示装置100の記憶部102に記憶されており、制御部101がこれらの画像表示プログラムを読み出して実行することで、上記の各実施形態における画像表示処理が実現された。この場合、記憶部102は、ROMやハードディスクといった内部記憶装置の他に、メモリカード(SDカード)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード、メモリスティック、USBメモリ、CD−RW(光学ディスク)、MO(光磁気ディスク)といった記録媒体(記録メディア、外部記憶装置)を有していてもよく、これらの記録媒体に上記の各種の画像表示プログラムや画像表示用のデータを記憶させることとしてもよいことは勿論である。
【0141】
図24は、この場合における記録媒体の一例を示す図である。
画像表示装置100には、メモリカード130を挿入するためのカードスロット110が設けられており、カードスロット110に挿入されたメモリカード130に記憶された情報を読み取る又はメモリカード130に情報を書き込むためのカードリーダライタ(R/W)120が設けられている。カードリーダライタ120は、制御部101の制御に従って、記憶部102に記憶された画像表示プログラムや画像表示用のデータをメモリカード130に書き込む動作を行う。メモリカード130に記憶された画像表示プログラムや画像表示用のデータは、画像表示装置100以外の外部装置(例えばパソコン)で読み取ることで、当該外部装置において上記の各実施形態における画像表示処理を実現することが可能に構成されている。
【符号の説明】
【0142】
100…画像表示装置、101…制御部、102…記憶部、103…通信部、104…表示部、105…撮像部、106…入力部、110…カードスロット、120…カードリーダライタ、130…メモリカード
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