(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a) 92重量%から100重量%の1つ以上の脂肪酸ジアミドであって、該ジアミドは中和剤によってその場で処理され、1つ以上の脂肪酸ジアミド中の残留アミン含有率がmg KOH/gで表される残留アミン価で0.05未満まで低下したジアミド、
該中和剤は、1未満のpKaを有する強い無機酸または有機酸から選択され、
該ジアミドa)は、
−1モルの直鎖脂肪族C2からC6ジアミンと2モルの12−ヒドロキシステアリン酸とのジアミドである対称ジアミド、あるいは
−1モルの直鎖脂肪族C2からC6ジアミンと1モルのC5からC12モノカルボン酸および1モルの12−ヒドロキシステアリン酸とのジアミドである非対称ジアミドである、
を含むことを特徴とする、脂肪酸ジアミドに基づく組成物。
中和剤は、残留アミンと反応する少なくとも1つの官能基を含み、中和されたジアミドは最後には請求項1に従って規定されたアミン価を有し、少なくとも130℃の沸点を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
a) 92重量%から100重量%の1つ以上の脂肪酸ジアミドであって、該ジアミドは中和剤によってその場で処理され、1つ以上の脂肪酸ジアミド中の残留アミン含有率がmg KOH/gで表される残留アミン価で0.05未満まで低下したジアミド、
該中和剤は、1未満のpKaを有する強い無機酸または有機酸から選択され、
該ジアミドa)は、
−1モルの直鎖脂肪族C2からC6ジアミンと2モルの12−ヒドロキシステアリン酸とのジアミドである対称ジアミド、あるいは
−1モルの直鎖脂肪族C2からC6ジアミンと1モルのC5からC12モノカルボン酸および1モルの12−ヒドロキシステアリン酸とのジアミドである非対称ジアミドであり、
b) 1重量%から8重量%の、60℃を超えるTgを有し、数平均分子量が5000未満である少なくとも1つの非晶質または半結晶性オリゴマー、ここで、当該オリゴマーb)は、無水マレイン酸またはアクリル酸またはメタクリル酸と少なくとも1つのビニル芳香族モノマーとのコポリマーである、
からなることを特徴とする脂肪酸ジアミドに基づく組成物であって、但し、a)+b)の重量%の合計はジアミド系組成物の100重量%に等しく、オリゴマーb)はいかなる求核基または構造も有さない組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記のアミン価は、1/2の体積比の、トルエン/n−ブタノール溶媒中の試薬としての0.1M HClを用いる電位差滴定により測定される。生成物は前記溶媒混合物に80℃で溶解することができる。
【0012】
本発明によれば、上述した「溶融状態」は、ジアミドが溶融状態にある温度で起こることを意味し、そのことはb)は、もし存在するなら同じ温度で溶融しなければならないことを意味する。用語「混和性」は、相分離することなく、溶融状態において均質で透明であることを意味する。
【0013】
TgはDSC測定によって決定され、10℃/分の加熱速度で2回目のパスでの変曲点の温度に相当する。
【0014】
より具体的には、前記ジアミド系組成物について、オリゴマーb)の数平均分子量Mnは10000未満、好ましくは5000未満である。前記重量Mnは、標準として用いられるポリスチレン当量として、THF中のGPCによって測定される。
【0015】
特に好ましい選択肢によれば、脂肪族ジアミドは、ジアミンとヒドロキシル化脂肪族一酸との反応生成物である。より具体的には、ヒドロキシル化脂肪酸は、12−ヒドロキシステアリン酸(12−HSA)、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸および14−ヒドロキシエイコサン酸の群の少なくとも1つのヒドロキシル化脂肪酸から選択され、好ましくは12−ヒドロキシステアリン酸である。第1の代替形態によれば、ジアミドa)は対称であり、1モルの脂肪族C
2からC
6ジアミンと2モルの、12−ヒドロキシステアリン酸(12−HSA)、9−および/または10−ヒドロキシステアリン酸または14−ヒドロキシエイコサン酸からのヒドロキシル化脂肪族一酸、好ましくは12−ヒドロキシステアリン酸の反応生成物である。
【0016】
第1のより具体的な代替形態によれば、ジアミドa)は対称であり、1モルの直鎖脂肪族C
2からC
6ジアミンと2モルの12−ヒドロキシステアリン酸(12−HSA)の反応生成物に相当する。
【0017】
適切なC
2からC
6ジアミンとしては、以下、即ち、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンタンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンをより具体的に挙げることができる。
【0018】
別の代替形態によれば、ジアミドa)は少なくとも1つの不斉ジアミド、即ち、1モルの直鎖脂肪族C
2からC
6ジアミンと1モルのC
5からC
12モノカルボン酸および1モルの、12−ヒドロキシステアリン酸(12−HSA)、9−および/または10−ヒドロキシステアリン酸または14−ヒドロキシエイコサン酸からのヒドロキシル化脂肪族一酸、好ましくは12−ヒドロキシステアリン酸との反応生成物を含む。
【0019】
この代替形態によれば、ジアミドa)はより具体的には、1モルの直鎖脂肪族C
2からC
6ジアミンと1モルの12−ヒドロキシステアリン酸(12−HSA)および1モルのC
5からC
12モノカルボン酸との反応生成物に相当する少なくとも1つの不斉ジアミドを含む。
【0020】
適切なC
5からC
12モノカルボン酸としては、以下、即ち、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸またはドデカン酸(もしくはラウリン酸)をより具体的に挙げることができる。
【0021】
より具体的には、本発明によれば、中和剤は、中和されたジアミドが最後には上記で規定されたアミン価を有するように、残留(または遊離)アミンと反応する少なくとも1つの官能基を含む。好ましくは、中和剤は、少なくとも130℃、より好ましくは少なくとも150℃の沸点を有し、これは、特に溶融状態での、添加の容易さおよびジアミド中の残留アミンの中和の有効性のゆえである。より具体的には、中和剤は以下から選択することができる。
− 強い無機酸または有機酸、特に2未満(<2)、好ましくは1未満(<1)のpKa(Kaは酸性度定数である)を有する酸および/または
− モノカルボン酸のハロゲン化物、特にモノカルボン酸塩化物、
− 10未満の炭素原子数を有する炭素鎖を含むポリカルボン酸のハロゲン化物。
【0022】
強い無機酸または有機酸は、ブレンステッドまたはルイス酸であることができる。強い無機酸は、特にハロゲン化スルホニル、特に塩化スルホニル、例えば、塩化トシル(塩化4−トルエンスルホニル)であることができる。
【0023】
強い有機酸は、例えば、カルボキシルまたはスルホニルであってもよい酸部分を有する鎖中でハロゲン化された有機酸または有機酸無水物であることができる。このような場合、ハロゲンはClまたはFから選択することができる。適切な強い有機酸の例としては、トリクロロ酢酸またはトリフルオロ酢酸またはトリフルオロメタンスルホン酸(トリフリン酸としても知られる)が挙げられる。
【0024】
強い無機酸の好適な例としては、硫酸または塩化トシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
モノカルボン酸ハロゲン化物(ハロゲン化アシル)の例としては、塩化ベンゾイルまたは塩化ヘキサノイルが挙げられる。
【0026】
ポリカルボン酸ハロゲン化物の例としては、塩化グルタロイル、塩化アジポイル、塩化ピメロイル、塩化スベロイル、塩化セバコイルまたは塩化o−フタロイルが挙げられる。
【0027】
特に好ましくは、中和剤は残留アミン価、即ち中和前のジアミドa)のアミン価に対して少なくとも化学量論量で存在し、中和生成物はそのように処理されたジアミド中にその場で残る。
【0028】
オリゴマーb)は、存在する場合、特には、好ましくはカルボン酸官能基によって官能化されていてもよく、またはオリゴマーは官能化されていなくてもよい。オリゴマーb)は、ポリアミド、ポリエステル、無水マレイン酸またはアクリル酸またはメタクリル酸と少なくとも1つの他のコモノマーとの少なくとも1つのコポリマー、特にマレイン化オリゴエチレンからのコポリマー、ビニル芳香族モノマーのマレイン化樹脂、無水マレイン酸またはアクリル酸またはメタクリル酸と少なくとも1つのビニル芳香族モノマーとのコポリマー、好ましくはスチレン/無水マレイン酸コポリマー、スチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー、脂環式モノマーに基づくマレイン化樹脂、マレイン化半結晶性ワックス、(石油)炭化水素のマレイン化樹脂、ロジンのマレイン化エステルをはじめとするロジンのマレイン化樹脂から選択することができる。好ましいオリゴマーの中から、ポリアミド、および無水マレイン酸またはアクリル酸またはメタクリル酸と少なくとも1つの他のコモノマー、例えば、スチレンとのコポリマー、または前記のマレイン化樹脂を挙げることができる。
【0029】
オリゴマーb)は、存在する場合、上記で定義された解決すべき技術的課題を考えると、いかなる求核性基または構造も含まない。オリゴマーの構造から除外される基の例としては、例えば、アミンまたはヒドロキシルが挙げられる。実際には、オリゴマーb)は最終用途の架橋性組成物中の成分と反応できてはいけない。
【0030】
より具体的には、オリゴマーb)は、存在する場合、ジアミドa)の調製後またはジアミドa)の調製前に、溶融状態の混合物[a)+b)]に添加される中和剤による処理と同じ反応器内で溶融状態でその場で製造された点で、ジアミドa)との混合物として存在することができるポリアミドである。
【0031】
特定の代替形態によれば、オリゴマーb)の存在は、脂肪族ジアミド組成物には必須ではない。
【0032】
オリゴマーb)の有無によって2つの添加剤の選択肢は、配合物への適切な活性化によって満足なレオロジー性能を配合物に与えながら、求核剤に敏感な配合物中での優れた安定性性能を示す。これは活性化が、使用される配合物の組成、特に可塑剤の性質および配合物に対し調整できる活性化温度に依存するからである。
【0033】
別の代替形態によれば、オリゴマーb)は脂肪族ジアミド組成物中に存在する。
【0034】
本発明の第2の主題は、本発明に従って定義されたジアミド系組成物を調製する方法であって、以下の選択肢A)またはB)に従って以下の段階を少なくとも含む方法である。
【0035】
選択肢Aに従う方法:
i) mg KOH/gで表されるアミン価が0.5未満、好ましくは0.15未満、より好ましくは0.1未満、さらに好ましくは0.05未満であるように、中和剤による溶融状態のジアミドa)の中和のための処理、および
ii) 場合により、オリゴマーb)が存在する場合、段階i)でこのように処理(中和)された溶融状態のジアミドa)と溶融状態のオリゴマーb)との均質混合、
iii) 段階i)の混合物またはb)が存在する場合、段階ii)の混合物の冷却、および好ましくは15μm未満、より好ましくは10μm未満の体積平均サイズを得るための、機械的粉砕またはエアジェットによる微粉化。
【0036】
サイズはレーザー回折により決定することができる。
【0037】
b)が存在する場合のみ、選択肢Bに従う方法:
i) 溶融状態のジアミドa)と溶融状態のオリゴマーb)の均質混合、
ii) mg KOH/gで表されるジアミドa)のアミン価が0.5未満、好ましくは0.15未満、より好ましくは0.1未満、さらに好ましくは0.05未満であるように、中和剤による溶融状態の、段階i)の混合物の中和のための処理、
iii) このように処理された段階ii)の混合物の冷却、および好ましくは15μm未満、より好ましくは10μm未満の体積平均サイズを得るための、機械的粉砕またはエアジェットによる微粉化。
【0038】
選択肢Bに従うこの方法の代替形態によれば、オリゴマーb)はポリアミドであり、前記方法は同じ反応器中でのその場のジアミドa)の調製前または後の溶融状態のポリアミドb)の調製段階であって、段階ii)に従う溶融状態における中和処理の前に段階i)に従うa)およびb)の均質混合物をもたらす段階を含む。
【0039】
本発明の第3の主題は、本発明に従って上に定義した、または本発明に従って上に定義した方法によって得られた、少なくとも1つのジアミド系組成物、およびアミンのような求核官能基の存在に対して敏感な架橋性組成物の反応性成分の少なくとも1つを含む、架橋性組成物である。
【0040】
最初の可能性によれば、組成物は、ポリイソシアネート、シラン変性オリゴマーもしくはポリマー(封鎖シラン末端を有する)、特にシラン変性ポリエーテルもしくはシラン変性ポリウレタン、ポリエポキシド、シリコーン、ポリスルフィド、ポリ無水物または2を超える平均官能性を有する多官能性アクリレート、好ましくはポリイソシアネート、ポリエポキシド、ポリ無水物、ポリスルフィド、多官能性アクリレート、より好ましくは、ポリイソシアネートからの少なくとも1つの成分を含む二成分または一成分組成物に関する。シラン変性オリゴマーまたはポリマーは、例えば、Bodo MullerおよびWalter Rathによる2010年European Coatings Tech Files中の「Formulating Adhesives & Sealants」に記述されている。
【0041】
多官能性アクリレート(MFA)の場合、感度は、残留アミンがアクリレート官能基に対しマイケル付加により反応することができ、アクリレートの不飽和へのアミンの付加によりアミノアクリレート結合が形成され、このため使用されるべき組成物を時期尚早に架橋させるという事実に関連する。
【0042】
他の場合では、アミンは、主たるバインダー、例えばポリイソシアネート、ポリエポキシドまたはポリ酸無水物と反応し得、または架橋反応に触媒作用を及ぼし、このため触媒反応の例としてポリスルフィドの場合と同様に、架橋を時期尚早に加速し得る。このように、前記成分の感度は、反応性の効果によって、またはアミンのような求核性官能基の触媒反応の効果のいずれかによって示され得る。
【0043】
1つの可能性によれば、上に記載した前記組成物は、コーティングのための組成物またはコーティングの組成物、特に塗料、インキもしくは接着剤のための組成物、または気密材、マスチック、もしくは接着剤の組成物、または成形用組成物、特に複合材料のための組成物に関する。
【0044】
本発明の別の主題は、求核性官能基に敏感な少なくとも1つの反応性成分を含む架橋性組成物、特に、その反応性組成物の少なくとも1つがアミンのような、求核性官能基の存在に敏感な(即ち反応性または触媒反応により敏感な)架橋性組成物、前述の組成物中でのレオロジー添加剤としての、本発明で定義されたまたは上述したように本発明の方法により得られる、ジアミド系組成物の使用に関する。
【0045】
最後に、本発明は、上記で定義された使用から生じる架橋した完成品を対象とする。より具体的には、前記製品は塗膜、特に塗料、インクまたは接着剤のフィルムである。別の可能性によれば、前記製品は、気密材、マスチックまたは接着性シールであってもよい。最後に、別の選択肢によれば、前記製品は、成形部品、特に複合体(成形部品)に関し得る。
【0046】
以下の実施例は本発明およびその性能の説明のために与えられ、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0047】
実験パート
1−使用される出発物質
【表1】
【0048】
II− 使用される方法および試験
押出性試験
カートリッジ内に充填されたマスチックを、押出の間に250±10kPa(即ち、2.5バール±0.1バール)の範囲の圧縮空気の流量を制御することを可能にする圧力計を備えた空気圧縮機に接続されたエアガン(3M(R)空気作動柔軟性パッケージアプリケータータイプ)を使用して押し出す。5±0.3mmの直径を有するオリフィスを含む押出ノズルを使用する。
【0049】
所定の時間間隔にわたり押し出されたサンプルの重量を測定し、これによりg/分で表されるサンプルの押出性を見出すことが可能となる。
【0050】
粘度の評価
Brookfield(R) DV II+ Proタイプ粘度計をHelipath(R)ドライブモーターに取り付け、T−バー針(スピンドル:Helipath(R)スピンドルセット番号595)をこの目的のために設けられた接続を使用して粘度計に取り付ける。パイロットモーターはゆっくり昇降し、これにより粘度計は、T−バー針がサンプルを通る30秒の螺旋経路を移動することを可能にし、これによりチャネルの形成を回避する。このようにマスチックのように、流れないまたはゲル構造を有するシステムの粘度を測定することができる。
【0051】
粘度はmPa.sで表され、1分45および3つのスピンドル速度:1、5および10rpmに対して30秒毎に(Helipath(R)の移動の中央で)測定される。
【0052】
安定性試験
押出性および粘度の測定を貯蔵開始時および23℃で1か月の貯蔵後に行う。マスチックのレオロジーの安定性をこれら2つの測定値の関数として確立させる。
【0053】
カートリッジ内での時期尚早な架橋に対する抵抗性試験
カートリッジを、開始時、3日の貯蔵後および1ヶ月後に観察する。試験はカートリッジを開き、内部に存在する製品が押出可能であるかどうかを観察することにある。製品が貯蔵後に流体でない場合は、製品はもはや押出し可能ではない。
【0054】
III−比較例および本発明に従った実施例
[例1]:比較
25.8グラムのエチレンジアミン(即ち、0.43モル、0.86アミン当量)、135.52グラムの12−ヒドロキシステアリン酸(即ち、0.43モル、0.43酸当量)および49.94グラムのヘキサン酸(即ち、0.43モル、0.43酸当量)を、窒素流下で、温度計、ディーン・スターク装置、冷却器および攪拌機を備えた1リットルの丸底フラスコに導入する。混合物を、依然として窒素流下で200℃に加熱する。除去された水は、150℃からディーン・スターク装置に蓄積する。反応を酸価よびアミン価によって制御する。酸価およびアミン値がそれぞれ5および3.5mg KOH/gである場合、反応混合物を150℃に冷却した後、シリコーンモールドに排出する。室温に冷却した後、エアジェットミル内での粉砕により生成物を機械的に微粉化し、7μmの平均サイズを有する微細かつ制御された粒径を得るために篩かけする。
【0055】
[オリゴマーbのない本発明に従う実施例2]
25.8グラムのエチレンジアミン(即ち、0.43モル、0.86アミン当量)、135.52グラムの12−ヒドロキシステアリン酸(即ち、0.43モル、0.43酸当量)および49.94グラムのヘキサン酸(即ち、0.43モル、0.43酸当量)を、窒素流下で、温度計、ディーン・スターク装置、冷却器および攪拌機を備えた1リットルの丸底フラスコに導入する。混合物を、依然として窒素流下で200℃に加熱する。除去された水は、150℃からディーン・スターク装置に蓄積する。反応を酸価よびアミン価によって制御する。酸の値およびアミンの値がそれぞれ5および3.5mg KOH/gである場合、反応混合物を150℃に冷却し、0.65gの硫酸を添加する。30分後に測定されたアミン価は0.01mg KOH/g未満である。次いで、反応混合物をシリコーンモールドに排出する。室温に冷却した後、生成物を、同じ平均サイズを有するように、例1と同様に、エアジェットミル内で微粉化する。
【0056】
[オリゴマーbを有する本発明に従う実施例3]
25.8グラムのエチレンジアミン(即ち、0.43モル、0.86アミン当量)、135.52グラムの12−ヒドロキシステアリン酸(即ち、0.43モル、0.43酸当量)および49.94グラムのヘキサン酸(即ち、0.43モル、0.43酸当量)を、窒素流下で、温度計、ディーン・スターク装置、冷却器および攪拌機を備えた1リットルの丸底フラスコに導入する。混合物を、依然として窒素流下で200℃に加熱する。除去された水は、150℃からディーン・スターク装置に蓄積する。反応を酸価よびアミン価によって制御する。酸の値およびアミンの値がそれぞれ5および3.5mg KOH/gである場合、反応混合物を150℃に冷却し、0.65gの硫酸を添加する。30分後に測定されたアミン価は0.01mg KOH/g未満である。次いで、反応混合物を150℃に冷却し、155℃のTg(DSC、10℃/分での第2パス)を有する16グラムのSMA(R) 1000を添加する。30分後、ジアミドおよびSMA(R)オリゴマーの混合物をシリコーンモールドに排出する。室温に冷却した後、生成物を、同じ平均サイズ(7μm)を有するように、例1と同様に微粉化する。
【0057】
IV−「1K−PU」マスチック配合物中のレオロジー性能の評価
1−1K−PUマスチック配合物の調製
非常に粘度の高い製品を混合することを可能にするだけでなく、非流動システム中に粉末を分散させることを可能にする分散ディスクおよびスクレーパーを備えた実験室「プラネタリー」ミキサー(Molteni(R) EMD 1タイプ)を使用して、配合物を調製する。このミキサーは、分散の間水分の侵入を防止することを可能にする真空ポンプを備えている。Molteni(R) EMD 1内部の温度は、スクレーパーに取り付けられたプローブによって記録され、バスを介して調節することができる。
【0058】
このミキサーは2kgのバッチを調製することができる。方法が完了すると、マスチックをカートリッジ内に配置する。
【0059】
【表2】
【0060】
本発明およびその性能を例示するために、4つの配合物:F1、F2、F3およびF4(表2中のこれらの配合物の組成を参照)を調製した。第1の段階および示される割合で、プレポリマーおよび可塑剤を添加し、均質化する。充填剤、顔料および(例1、実施例2または実施例3に従って)比較されるべき微粉化添加剤生成物を秤量し、第2段階で添加する。一緒にされた混合物を混合の間真空下に保つ。比較された添加剤を活性化するために、媒体の範囲を次のとおりにする。
− F1、F2に対し約50℃(即ち、50±2℃)で約30分間;
− F3、F4に対し約65℃(即ち、65±2℃)で約30分間。
【0061】
これが完了すると、接着促進剤、キシレン(A)および水捕捉剤を添加し、5分間均質化する。最後に、触媒およびキシレン(B)を約45℃の温度で添加した後、マスチックを排出し、それをカートリッジ内に配置する。
【0062】
2−配合物の安定性、レオロジー、および他の適用特性の評価結果(表3、4および5)。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
これらの比較結果から、例1(比較)に従う添加剤生成物に基づく配合物F1は3日間の貯蔵後に不安定であり、不可逆的に架橋し、使用できない生成物をもたらすことを観察することができる。
【0067】
実施例2(オリゴマーbなしの本発明)に従う生成物に基づく配合物F2は、1か月の貯蔵後の低い勾配(1rpm)で40Pa.sという粘度によって反映される低温(配合物F2において50℃)で活性化され、1か月の貯蔵後に非常に良好な安定性を示す。他方、配合物F4による、より高い温度(配合物F4において65℃)での活性化を実施すると、F2と同じ媒体(組成)ではるかに効果的な活性化が可能になり、この性能は、やく75倍高い、3E+06mPa.s(3000Pa.s)の粘度に反映されている。
【0068】
実施例3(オリゴマーbありの本発明)の添加剤生成物に基づく配合物F3は、1か月の貯蔵後に何の問題もなく安定性を可能にする。1か月貯蔵後の低い勾配(1rpm)でのその粘度はかなり高く、2500Pa.sであり、これは配合物F2の粘度よりも高く、F4とほぼ同じくらい良好である。
【0069】
これらの結果は、本発明の添加剤を含有する配合物は、適切な活性化後に添加剤によって与えられる非常に満足のいくレオロジー性能を示しつつ、1か月の貯蔵後に優れた貯蔵に対する安定性を示すことを明確に示す。