特許第6263272号(P6263272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263272
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】電流検出装置および電流を検出する方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   G01R19/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-551285(P2016-551285)
(86)(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公表番号】特表2017-505914(P2017-505914A)
(43)【公表日】2017年2月23日
(86)【国際出願番号】EP2014077946
(87)【国際公開番号】WO2015120931
(87)【国際公開日】20150820
【審査請求日】2016年8月10日
(31)【優先権主張番号】102014202634.2
(32)【優先日】2014年2月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ジーヴェルト,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ブッツマン,シュテファン
【審査官】 名取 乾治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−198143(JP,A)
【文献】 特開2012−186899(JP,A)
【文献】 特開平05−276761(JP,A)
【文献】 特開2003−202355(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/008461(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0221424(US,A1)
【文献】 米国特許第05200878(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力経路の電流(I)に対応する電流をもたらす測定経路の電流(I)を検出するための電流検出装置(10)において、
電流検出装置(10)が、
測定経路に配置された電流測定装置(11)であって、電流測定装置(11)を通って流れる電流に対応する出力信号を供給するように構成された電流測定装置(11)と;
バイパス電流(I)を設定するように構成されたバイパス装置(12)と
を備えている電流検出装置(10)において、
バイパス装置(12)は、測定経路に電流測定装置(11)と直列に配置された抵抗器(R)と、所定の参照電圧を供給するように構成された参照電圧源(URef)と、バイパス電流(I)を設定するよう構成された電流ミラー回路(T,T)を備え、
電流ミラー回路(T,T)は、抵抗器(R)を介した電圧降下と参照電圧源(URef)によって供給された所定の参照電圧との比較に基づいて、バイパス電流(I)を測定電流(I)の関数として設定し、
バイパス電流(I)は、電流ミラー回路(T,T)を介し、電流測定装置(11)と抵抗器(R)に対し、並列に流れる、
電流検出装置(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の電流検出装置(10)において、
前記バイパス装置(12)が、測定電流(I)が所定の第1閾値未満となった場合には、バイパス電流が前記バイパス装置(12)を通って流れないように構成されている電流検出装置(10)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電流検出装置(10)において、
前記バイパス装置(12)が、測定電流(I)が所定の第2閾値を超えた場合には、前記電流測定装置(11)に並列して前記バイパス電流(I)を設定するように構成されている電流検出装置(10)。
【請求項4】
前記請求項1からまでのいずれか一項に記載の電流検出装置(10)において、
前記バイパス装置(12)が、前記電流測定装置(11)を通る電流を所定の最大限界値に制限するように構成されている電流検出装置(10)。
【請求項5】
電流(I)を供給するための回路装置(1)において、
電力経路に電流(I)を供給し、供給された電流(I)に対応する測定電流(I)を測定経路に供給するように構成された電流制御装置(20)と;
請求項1からまでのいずれか一項に記載の電流検出装置(10)と
を備える回路装置(1)。
【請求項6】
請求項に記載の回路装置(1)において、
前記電流制御装置(20)が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を含む回路装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流評価回路および電流を検出する方法に関する。特に、本発明は電流検出装置、および電力経路の電流に対応する電流をもたらす測定経路の電流を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
センス端子を備えるIGBTに関連して本発明を説明するが、本発明はさらに、電力経路の電流に対応する他の電流経路の電流が評価されるべき、他の随意の用途にも使用可能である。
【0003】
米国特許第5,877,617明細書は、電流経路の負荷に電流が供給される回路装置を開示している。さらにこの回路装置は、この負荷のための電流に対応する電流を供給する別のトランジスタを含む。この別のトランジスタによって供給される電流は、負荷のための電流を監視し、評価するために用いられる。
【0004】
さらに半導体スイッチを通る電流を測定および評価するためには、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が既知である。絶縁ゲートバイポーラトランジスタでは、付加的なセンス端子に、半導体スイッチを通る主電流に比例する電流が供給される。この場合、センス端子からの電流は、ほぼ一定の倍数だけIGBTのエミッタ経路の主電流よりも小さい。
【0005】
この場合、このようなIGBTのセンス経路の電流を評価するための回路装置は、IGBTの最大接続時間および最大発生電流に関しても大きさを決定されている必要がある。この場合、特にエラー発生時にはセンス経路にも比較的大きい電流が生じる。
【0006】
したがって、より広い測定範囲にわたって、電流を高精度に検出することを可能にする電流検出装置および方法が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,877,617明細書
【発明の概要】
【0008】
このために、本発明の一態様によれば、電力経路の電流に対応する電流をもたらす測定経路の電流を検出するための電流検出装置であって、測定経路に配置されており、電流測定装置を通って流れる電流に対応する出力信号を供給するように構成された電流測定装置と;バイパス電流を設定するように構成されたバイパス装置とを備える電流検出装置が得られ、バイパス電流は、測定経路の電流の関数として設定され、電流測定装置とバイパス装置とは測定経路に並列して配置されている。
【0009】
本発明の別の態様によれば、電力経路の電流に対応する電流をもたらす測定経路の電流を検出する方法であって、測定経路に電流測定装置を配置するステップと;測定経路にバイパス装置を配置するステップと;測定経路に流れる電流に応じて、バイパス装置を通って流れる電流を設定するステップと;電流測定装置を通って流れる電流を検出するステップとを含む方法が得られる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、電流測定装置によって電流を検出する場合に、検出されるべき全ての電流が常に電流測定装置を通って伝送されるわけではないという着想に基づいている。むしろ電流の一部がバイパス装置を通って電流測定装置を迂回させられる。このために、バイパス装置は電流測定装置に並列して配置される。
【0011】
電流測定装置およびバイパス装置の並列回路により、電流測定装置が電流を検出する最大値範囲を、より小さい最大電流値のために構成することができる。電流測定装置は、より小さい最大値範囲のために構成されていればよいので、電流測定装置をより小型に、安価に実現することもできる。
【0012】
さらにこのような電流測定装置は、最大値範囲が小さく、この値範囲で検出されるべき電流をより正確に、したがってより厳密に検出することを可能にする。これにより、システム全体の精度を向上させることもできる。
【0013】
電流はバイパス装置を通って流れ、これにより電流測定装置の負荷が減り、この場合に電流測定装置によって検出される電流の関数として、したがって、検出されるべき総電流の関数として電流を調整することができる。このようにして、一方では、総電流が比較的小さい場合にも電流測定装置を介してこの電流の大部分を伝送し、他方では、総電流が比較的大きい場合は電流の小さい部分のみを電流測定装置によって評価すればよい。これにより、電流が小さい場合にこそ極めて高い精度が可能となり、同時に電流が大きい場合には総システムの負荷を減らすことができる。
【0014】
一実施形態によれば、バイパス装置は、電流測定装置を通って流れる電流が所定の第1閾値未満となった場合には、バイパス装置を通ってバイパス電流を流れさせないように構成されている。このようにして、電流が小さい場合には電流測定装置によって総電流を検出することができる。これにより電流が小さい場合には極めて高い精度を得ることが可能になる。
【0015】
一実施形態によれば、バイパス装置は、電流測定装置を通って流れる電流が所定の第2閾値を超えた場合には、電流測定装置に並列してバイパス電流を設定するように構成されている。このようにして、電流が大きい場合にはこの電流の一部は電流測定装置を迂回することができ、これにより電流測定装置は電流が大きい場合には負荷を減らされるので、したがって、最大電流を小さく構成してもよい。
【0016】
一実施形態によれば、バイパス装置は、電流測定装置の出力信号の関数としてバイパス電流を調整するように構成されている。このように電流測定装置に並列してバイパス電流を動的に調整することにより、電流測定装置を迂回させられる電流を変数として調整することができる。例えば、これにより電流測定装置に並列してバイパス電流を総電流の上昇に伴い連続的に上昇させることもできる。代替的には、電流測定装置に並列してバイパス電流を総電流の関数として複数段階にわたって様々に調整することも可能である。
【0017】
一実施形態によれば、バイパス装置は、電流測定装置を通る電流を所定の最大限界値に制限するように構成されている。これにより、電流測定装置を通って流れる最大電流を制限することができ、これにより、電流が極めて大きい場合にも電流測定装置に過剰に負荷が加えられないようにすることができる。この場合、電流測定装置は所定の最大限界値を超えた場合には一定の出力信号を出力し、この出力信号は、測定経路の電流がさらに上昇してもさらに上昇することはない。
【0018】
一実施形態によれば、電流測定装置によって供給される出力信号は電圧信号である。このような電圧信号は、後続システムで処理するために特に良く適している。
【0019】
一実施形態によれば、電流測定装置によって供給された出力信号は、アナログ‐デジタルコンバータによってデジタル信号に変換される。アナログ出力信号をデジタル信号に変換することによって、測定値をデジタル処理することも可能である。
【0020】
一実施形態によれば、バイパス装置は参照電圧源を含む。この参照電圧源は、所定の参照電圧を供給するように構成されている。バイパス装置は、電圧信号と、参照電圧源によって供給された参照電圧とを比較するように構成されている。比較に応じて、バイパス装置は電流測定装置に並列してバイパス電流を設定する。1つ以上の参照電圧源の電圧の形態で1つ以上の参照点が定義されていることにより、電流測定装置に並列してバイパス装置を通って迂回させられる電流部分を簡単に決定することが可能である。
【0021】
一実施形態によれば、バイパス装置は電流ミラー回路を含む。この場合、バイパス装置は、電圧信号と参照電圧との比較に基づいて電流ミラー回路を制御するように構成されている。電流ミラー回路を使用して、バイパス装置を通って電流測定装置を迂回させられる電流を良好に設定することができる。
【0022】
本発明は、さらに電流を供給するための回路装置を提供する。この回路装置は、電力経路に電流を供給するように構成された電流制御装置を含む。さらに、電流制御装置は、供給された電力経路の電流に対応する測定電流を測定経路に供給するように構成されている。さらに回路装置は、本発明による電流検出装置を含む。
【0023】
一実施形態によれば、電流制御装置は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を含む。好ましくは、IGBTは、電力経路に対応する測定電流が供給されるセンス端子を含む。
【0024】
本発明の他の利点よび実施形態を添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施例による電流検出装置によって電流を供給するための回路装置を示す概略的な回路図である。
図2】一実施例による電流検出装置の基礎となる特性線を備える概略的な電流‐電圧線図である。
図3】一実施例の基礎となる電流検出方法を示す概略的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
測定電流を供給するためのセンス端子を備える絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)に関連して本発明を以下に説明するが、さらに、測定経路の別の電流を用いて電力経路の電流を評価する電流を供給するための他の回路装置において本発明を使用することも可能である。
【0027】
図1は、電流を供給するための回路装置1の概略図を示す。回路装置1は、電流制御装置20、例えばIGBTを備える。IGBTは、制御接続部Gを備える。この制御接続部Gに印加された制御信号に基づいて、IGBTの入力部Cと出力部Eとの間の電力経路の電流Iを設定することができる。この場合、センス端子Sでは、IGBTによって、電力経路の電流Iに対応する測定電流が出力される。例えば、一定の温度および同一の基板特性など基本条件が一定である場合には、電力経路の電流Iと測定経路の測定電流Iとの間に固定した伝達比が生じる。しかしながら、このためにはIGBTの出力部Eおよびセンス端子Sに同一の電圧比が設定される必要がある。
【0028】
IGBTの出力部Eおよびセンス端子Sにこのような同一の電圧比を設定するために、回路装置1は補正回路30を含む。図1に示した実施例では、補正回路30は、例えば2つの電圧源UB,1およびUB,2ならびに電流源Iを含む。さらに補正回路30はトランジスタT1〜T5を含む。IGBTの出力部Eおよびセンス端子Sに必要な電圧比を設定するために適した他の補正回路も同様に可能である。
【0029】
この場合、測定経路の電流Iの検出は、電流検出装置10によって行われる。測定電流Iはまず補正回路30のトランジスタT5および電流検出装置10の抵抗器Rならびに電流測定装置11を通って流れる。ここに示す実施例では、電流測定装置11は、シャント抵抗器Rによって形成されている。この場合、シャント抵抗器Rでは、この抵抗器を流れる電流に比例する電圧Uが降下する。この電圧降下Uを出力信号として供給することができ、これにより、電流Iに対応する測定値が示される。随意に、シャント抵抗器Rを介した電圧Uを、アナログ‐デジタルコンバータ13を用いてデジタル信号に変換することも可能である。さらに、例えば適切なスケーリングによって、このようにして検出されたアナログまたはデジタル信号から電力経路の電流Iを推定することもできる。しかしながら、出力信号、例えば電圧Uがシャント抵抗器Rを介してアナログ処理される場合にも、後続の適切なスケーリングによって、完全な測定電流I、ひいては電力経路の電流Iを推定することもできる。
【0030】
測定電流Iが比較的大きい場合にシャント抵抗器Rによって電流を低下させるために、シャント抵抗器Rを通る電流をバイパス経路の並列回路によって低減することができる。このために、電流検出装置10はバイパス装置12を含む。この場合、バイパス装置12は、シャント抵抗器Rと直列に配置された抵抗器Rを備える。この抵抗器Rを介した電圧降下は演算増幅器OPの入力部に供給される。演算増幅器OPは、この電圧降下を参照伝達源URefの出力電圧と比較する。演算増幅器OPの出力信号はトランジスタTの制御入力部に供給され、トランジスタTはトランジスタTおよびTからなる電流ミラー回路ならびに両方の抵抗器RおよびRを制御する。抵抗器Rにおける電圧降下が参照電圧URefによって供給された電圧を超えた場合には、演算増幅器OPによってトランジスタTがアクティブ制御され、これにより電流ミラー回路はバイパス電流Iを設定する。したがって、バイパス電流Iはシャント抵抗器Rsを通る電流と並列に流れる。このようにして、抵抗器Rを介した電圧降下が参照電圧源URefの電圧よりも大きくなるとすぐに、バイパス電流Iの分だけシャント抵抗Rsを通る電流が低減されるように、測定電流Iが分配される。したがって、この場合にはもはや測定電流Iの上昇に伴って、シャント抵抗器Rを介して電圧Uが総測定電流Iに比例して上昇することはない。この場合、むしろ電圧降下はバイパス電流Iに比例する分だけ低減される。このようにして、測定電流Iが大きい場合にはシャント抵抗器Rを通る電流は低減され、ひいてはシャント抵抗器Rを介した電圧上昇も適宜に低減される。続いて電流検出装置10の出力信号を評価する場合に、総測定電流I、ひいては電力経路の電流Iを推定するために、測定電流Iが上昇した場合に低減された出力信号の経過を考慮し、補正することができる。
【0031】
図2は、測定電流Iと、シャント抵抗器Rを介した電圧降下Uとの間の関係を示す概略的な電流‐電圧線図である。この場合、第1範囲Iでは電圧上昇は、最初は完全に測定電流Iに比例している。測定電流Iが所定の限界値を超えた場合には、バイパス装置12にバイパス電流Iが流れ始める。これにより、電流‐電圧特性線の勾配は範囲IIにおいて減少する。このようにして、第1範囲Iに比較的大きい感度を設けることが可能であり、測定電流Iが比較的小さい場合には電流‐電圧特性線の大きい勾配が得られる。これにより、測定電流Iが比較的小さい場合には小さい電流を極めて良好に分解し、正確に評価することが可能となる。さらに、測定電流Iが比較的大きい場合には第2範囲IIで電流‐電圧特性線の勾配を低減することができ、これにより、測定電流Iが比較的大きい場合にも過剰に大きい出力信号が生じることがない。したがって、測定電流Iの極めて大きい動特性範囲にわたって、出力信号Uの動特性範囲が小さくなり、それにもかかわらず、この動特性範囲で比較的小さい測定電流Iを極めて良好に分解することができる。
【0032】
さらなる最適化のために、電流‐電圧特性線の単一の折れ目ではなく、電流‐電圧特性線の勾配がそれぞれ異なる3つ以上の部分範囲を設けることも可能である。このために、図1に示した回路装置を、例えば複数のバイパス分岐によって拡張してもよいし、または1つの共通のバイパス分岐でそれぞれ個別に制御する複数の参照電圧を比較してもよい。さらに電流‐電圧特性線の複数の部分範囲の勾配を調整するために他の選択肢を用いることも同様に可能である。
【0033】
測定電流Iが極めて高い場合にも電流検出装置10に過剰な負荷を加えないように、シャント抵抗器Rを流れる最大電流を所定の最大値に制限してもよい。この場合、バイパス装置12は、さらに上昇した測定電流Iが完全にバイパス分岐を介して流れ、電流測定装置11を通る電流をさらに上昇させないように構成されている。
【0034】
図3は、電力経路の電流に対応する電流をもたらす測定経路の電流を検出する方法100の一実施形態の基礎をなす概略的なフロー図を示す。この場合、方法100は、まず測定経路に電流装置を配置するためのステップ110を含む。さらにステップ120では、バイパス装置が測定経路に配置される。
【0035】
ステップ130では、さらに測定経路の電流の関数としてバイパス装置12を通る電流が設定される。続いてステップ130では、電流測定装置を通る電流が検出される。検出された電流に応じて適切な出力信号を出力することができる。これに続いて、電流測定装置11によって検出されないバイパス電流を補正し、適切な伝達率を用いて電力経路の電流Iを推定するために、出力信号のスケーリングを行ってもよい。
【0036】
要約すれば、本発明は、測定経路の電流を検出するための方法および装置に関し、この測定経路の電流は電力経路の電流に対応している。この場合、電流測定装置によって測定経路で電流が検出され、同時にバイパス装置によって電流の一部が電流測定装置に並列して伝送され、これにより電流測定装置の負荷が減少される。
図1
図2
図3