特許第6263285号(P6263285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6263285入れ子型の重ね連結部および融合された導電性要素を有する医療デバイス、ならびにこの医療デバイスを作製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263285
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】入れ子型の重ね連結部および融合された導電性要素を有する医療デバイス、ならびにこの医療デバイスを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20180104BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   A61B18/12
   A61M25/00 610
【請求項の数】25
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-571098(P2016-571098)
(86)(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公表番号】特表2017-517324(P2017-517324A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】US2015032907
(87)【国際公開番号】WO2015187454
(87)【国際公開日】20151210
【審査請求日】2017年2月23日
(31)【優先権主張番号】62/008,180
(32)【優先日】2014年6月5日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テッグ トロイ テランス
(72)【発明者】
【氏名】フック アレクサンダー カーソン
(72)【発明者】
【氏名】アリアス−ゴンザレス サロメ
(72)【発明者】
【氏名】ヘル ジョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】モム ソマリー
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−212135(JP,A)
【文献】 特開平09−201367(JP,A)
【文献】 特開2012−143558(JP,A)
【文献】 米国特許第06187130(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内の組織の診断または処置を行う医療デバイスであって、
長手方向軸と、
第1のシャフトの軸方向端部と、
前記第1のシャフトの軸方向端部から、前記第1のシャフトの内側表面の径方向に延びる内側縁部まで軸方向に延びる、内側段部を有する第1のシャフトの内側表面と、
を含む第1のシャフトと、
前記第1のシャフト内に配置される第2のシャフトの軸方向端部と、
軸方向に延びる第1の外側段部と、軸方向に延びる第2の外側段部と、を含む外側表面と、
を含む第2のシャフトと、
前記第2のシャフトと前記第1のシャフトの間に形成され、前記第2のシャフトと前記第1のシャフトを接続する第1の入れ子型の重ね連結部であって、前記第1の入れ子型の重ね連結部が前記第2のシャフトの前記第1の外側段部に対応する、前記第1の入れ子型の重ね連結部と、
前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの間に形成され、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトを接続する第2の入れ子型の重ね連結部であって、前記第2の入れ子型の重ね連結部が前記第2のシャフトの前記第2の外側段部と前記第1のシャフトの前記内側段部に対応する、前記第2の入れ子型の重ね連結部と、
を備え
前記第1のシャフトが、チューブの軸方向端部を有するチューブと、前記チューブの周りに配置された外側層とをさらに備え、前記外側層が、前記第1のシャフトの軸方向端部に対応する外側層の軸方向端部を備え、前記第1のシャフトの前記内側縁部が、前記チューブの軸方向端部と、前記外側層の軸方向端部から軸方向にずれており径方向に延びている外側層の内側縁部と、のうちの少なくとも1つに対応し、
前記外側層の内側縁部が、径方向に、前記チューブの軸方向端部と整列している、医療デバイス。
【請求項2】
前記第1のシャフトが、径方向に、前記第2のシャフトの前記第1の外側段部と重なり合う、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のシャフトの前記内側段部が、径方向に、前記第2のシャフトの前記第2の外側段部と重なり合う、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第2のシャフトが、第1の径方向に延びる縁部と、第2の径方向に延びる縁部とをさらに含み、前記第1の外側段部が、前記第2のシャフトの軸方向端部から前記第1の径方向に延びる縁部に延び、前記第2の外側段部が、前記第1の径方向に延びる縁部から前記第2の径方向に延びる縁部に延びる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2のシャフトが、
前記第2のシャフトの軸方向端部から軸方向に延びる円筒形部材と、
前記円筒形部材の周りに配置され、前記第2のシャフトの前記第1の径方向に延びる縁部から軸方向に延びる編組み層と、
前記編組み層の周りに配置され、前記第2のシャフトの前記第2の径方向に延びる縁部から軸方向に延びる外側ジャケットとを備える、請求項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1および第2の入れ子型の重ね連結部が、前記長手方向軸の周りで円周方向に延びる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1のシャフトの前記外側層が、少なくとも部分的には前記第1の入れ子型の重ね連結部と入れ子構造になるように構成される、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1のシャフトと前記第2のシャフトの間に配置される充填材をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1のシャフトと前記第2のシャフトの周りに配置される、前記第2の入れ子型の重ね連結部と少なくとも部分的には入れ子構造になるように構成されたスリーブをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1および第2のシャフトの少なくとも1つの中に配置された導電性要素をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記導電性要素が、前記第1のシャフトの内側表面および前記第2のシャフトの内側表面のうちの少なくとも1つに融合された融合部分を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1のシャフトが、遠位端部を含み、前記第2のシャフトが、前記第1のシャフトの前記遠位端部より遠位方向に延び、前記導電性要素が、少なくとも部分的には前記第2のシャフトの中に配置される、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記導電性要素が、長手方向軸を有するばねパックである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ばねパックが、融合コイルピッチを有する融合部分と、少なくとも1つの非融合コイルピッチを有する非融合部分とを含み、前記融合コイルピッチが、前記少なくとも1つの非融合コイルピッチより大きい、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ばねパックの前記融合部分が、前記ばねパックの第1の軸方向端部と第2の軸方向端部の間に配置されて、前記ばねパックが少なくとも1つの歪み解放ゾーンを含むようになっている、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1のシャフトの前記内側表面と前記第2のシャフトの前記内側表面の少なくとも1つが、エネルギー源を使用して前記導電性要素の少なくとも一部分を選択的に加熱することによって前記融合部分をつくるように構成され、かつ配置されている、請求項11に記載のデバイス。
【請求項17】
前記エネルギー源が、電磁場の形態である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記エネルギー源が、RFエネルギー源であり、前記第1のシャフトの前記内側表面と前記第2のシャフトの前記内側表面の少なくとも1つがさらに、前記導電性要素の前記部分を電流で選択的に加熱することによって前記融合部分をつくるように構成され、かつ配置されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1のシャフトの前記内側表面と前記第2のシャフトの前記内側表面の少なくとも1つが、前記導電性要素の一部分を選択的に加熱することによって前記融合部分をつくるように構成され、かつ配置されている、請求項11に記載のデバイス。
【請求項20】
前記導電性要素が、前記導電性要素の少なくとも一部分の上にジャケットを滑り嵌めすることと、前記導電性要素の前記部分にジャケットを融合することを促進するように構成され、かつ配置されている、請求項10に記載のデバイス。
【請求項21】
前記導電性要素が、コイルピッチを有するばねパックであり、前記導電性要素の少なくとも一部分が、伸長コイルピッチを形成するように伸長させることによって前記ジャケットを融合するように構成され、かつ配置されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記導電性要素の少なくとも一部分が、熱を吸収し、かつ前記ジャケットを融合するように構成され、かつ配置されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項23】
前記ジャケットが、前記導電性要素の前記部分の前記伸長コイルピッチを維持するために冷却されるように構成され、かつ配置されている、請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1および前記第2の入れ子型の重ね連結部が、前記第1のシャフトの前記長手方向軸に沿って互いにずれている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
体内の組織の診断または処置を行う医療デバイスであって、
長手方向軸と、
第1のシャフトの軸方向端部と、
前記第1のシャフトの軸方向端部から、前記第1のシャフトの内側表面の径方向に延びる内側縁部まで軸方向に延びる、内側段部を有する第1のシャフトの内側表面と、
を含む第1のシャフトと、
前記第1のシャフト内に配置される第2のシャフトの軸方向端部と、
軸方向に延びる第1の外側段部と、軸方向に延びる第2の外側段部と、を含む外側表面と、
を含む第2のシャフトと、
前記第2のシャフトと前記第1のシャフトの間に形成され、前記第2のシャフトと前記第1のシャフトを接続する第1の入れ子型の重ね連結部であって、前記第1の入れ子型の重ね連結部が前記第2のシャフトの前記第1の外側段部に対応する、前記第1の入れ子型の重ね連結部と、
前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの間に形成され、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトを接続する第2の入れ子型の重ね連結部であって、前記第2の入れ子型の重ね連結部が前記第2のシャフトの前記第2の外側段部と前記第1のシャフトの前記内側段部に対応する、前記第2の入れ子型の重ね連結部と、
を備え、
前記第2のシャフトが、第1の径方向に延びる縁部と、第2の径方向に延びる縁部とをさらに含み、前記第1の外側段部が、前記第2のシャフトの軸方向端部から前記第1の径方向に延びる縁部に延び、前記第2の外側段部が、前記第1の径方向に延びる縁部から前記第2の径方向に延びる縁部に延び、
前記第2のシャフトが、
前記第2のシャフトの軸方向端部から軸方向に延びる円筒形部材と、
前記円筒形部材の周りに配置され、前記第2のシャフトの前記第1の径方向に延びる縁部から軸方向に延びる編組み層と、
前記編組み層の周りに配置され、前記第2のシャフトの前記第2の径方向に延びる縁部から軸方向に延びる外側ジャケットとを備える、医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、体内の組織の診断または処置を行う医療デバイス、およびそのデバイスを作製する方法に関する。特に、本開示は、医療デバイスのシャフト内の様々な部材および/または構成要素の連結に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の背景の説明は、状況を説明することのみを目的として記載したものである。したがって、この背景の説明のいかなる特徴も、従来技術として適格でない範囲では、明示的にも暗示的にも本開示に反して従来技術として認められることはない。
【0003】
電気生理学的カテーテルは、様々な診断、治療、ならびに/またはマッピングおよびアブレーティブ手順で、例えば異所性心房頻脈、心房細動、および心房粗動を含む心房不整脈などの状態を診断し、かつ/または治すために使用される。不整脈は、様々な症候性および非症候性の病気につながる可能性があり、死につながる可能性もある、不規則な心拍、房室収縮の同期の喪失、心臓の心室内の血流の鬱滞など様々な状態を生じさせる可能性がある。
【0004】
カテーテルは、患者の血管系を通して、例えば患者の心臓内あるいは心臓の心室または静脈内の部位など所定の部位に配備し、操作することができる。カテーテルは、例えば心臓のマッピングまたは診断、アブレーションおよび/またはその他の治療送達モード、あるいはその両方のために使用することができる1つまたは複数の電極を担持することができる。所定の部位に達した後は、処置は、例えば、無線周波(RF)アブレーション、冷凍アブレーション、レーザアブレーション、化学アブレーション、高密度焦点式超音波アブレーション、マイクロ波アブレーション、および/またはその他のアブレーション処置を含み得る。カテーテルは、心臓の組織に対してアブレーションのエネルギーを付与して、その心臓の組織に1つまたは複数の傷を生じ、しばしば接触傷、または直線状で経壁性の傷を生じる可能性がある。この傷は、望ましくない心臓の活動化通路を遮断し、それにより不整脈を生じるもとになる可能性がある不定の通電信号を制限し、囲い込み、または防止する。
【0005】
カテーテルを体内の所望の部位に位置決めするために、カテーテル(または導入シース)に組み込まれた機械的操縦機構を使用するなど、何らかの種類のナビゲーションを使用することができる。いくつかの例では、医療従事者が、この機械的操縦機構を使用して、カテーテルを手作業で操縦および/または操作することもある。
【0006】
患者の血管系内でカテーテルを前進させやすくするために、カテーテルの近位端部におけるトルクの同時印加、およびカテーテルの遠位先端を所望の方向に選択的に偏向させることができることによって、医療従事者は、電気生理学的処置中に、カテーテルの遠位端部の前進方向を調節し、カテーテルの遠位部分を位置決めすることができるようにすることができる。カテーテルの近位端部を操縦して、患者の血管系の中でカテーテルを誘導することができる。遠位先端は、プルワイヤへの張力の印加を制御する制御ハンドルまで延びるカテーテルの遠位端部に取り付けられたプルワイヤによって、偏向させることができる。
【0007】
カテーテルのシャフトについての機械的な考慮事項のうちの2つは、カテーテルのシャフトが、使用中にトルクを伝達し、圧縮に抵抗することである。ときには、大きな摩擦力が、カテーテルの長さに沿ったトルクの伝達に抵抗することもある。いくつかの場合には、これらの力によって、カテーテルのシャフトがカテーテルのシャフトの長手方向軸の周りで捻れ、ばねのようにプロセス中のエネルギーを蓄積することもある。このエネルギーが突然解放されると、操縦機構によって偏向されていることもあるカテーテルの遠位端部が、大きな力で不要に前進する可能性がある。
【0008】
使用中に圧縮に抵抗することに関しては、医療従事者が、ときには大きな摩擦抵抗に対抗して、カテーテルのシャフトの過度な軸方向の圧縮または蛇行を生じることなく、脈管内でカテーテルを前進させることができることが重要である。シャフトが圧縮されることにより、医療従事者が制御できなくなる可能性があり、医療処置のための所望の位置にカテーテルのシャフトの遠位端部を位置決めすることが複雑になる可能性がある。さらに、医療従事者は、カテーテルを適切に位置決めし、また適切に位置決めされていることを検証するために、触覚のフィードバックに頼ることもあるが、このようなフィードバックが、過度な圧縮性によって損なわれる可能性もある。
【0009】
以上の説明は、単に本分野を説明するためのものに過ぎず、請求範囲を否定するものとして解釈されないものとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特に、本明細書に開示する様々な実施形態は、体内の組織の診断または処置を行う医療デバイス、およびこの医療デバイスを作製する方法を対象としている。特に、本開示は、入れ子型の重ね連結部および融合された導電性要素を有する医療デバイス、ならびにこの医療デバイスを作製する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本教示の1実施形態による体内の組織の診断または処置を行う医療デバイスは、第1のシャフトと、第2のシャフトとを備える。第1のシャフトは、長手方向軸を含み、第2のシャフトは、第1のシャフト内に配置される第2のシャフトの軸方向端部を含む。第2のシャフトとは、第1のシャフトと第2のシャフトの間に形成される第1の入れ子型の重ね連結部によって、第1のシャフトに接続される。
【0012】
本教示の別の実施形態による体内の組織の診断または処置を行う医療デバイスは、第1のシャフトと、第2シャフトと、第1および第2のシャフトの少なくとも1つの中に配置された導電性要素とを備える。第2のシャフトは、第1のシャフトと第2のシャフトの間に形成される第1の入れ子型の重ね連結部によって、第1のシャフトに接続される。
【0013】
本教示の別の実施形態による医療デバイスを作製する方法は、シャフトの内側表面を有するシャフトを提供するステップを含む。この方法は、導電性要素を提供するステップをさらに含む。この方法は、導電性要素をシャフト内に挿入するステップをさらに含む。この方法は、導電性要素の少なくとも一部分をシャフトの内側表面に融合して、融合領域を形成するステップをさらに含む。導電性要素の少なくとも一部分を融合するステップは、エネルギー源を使用して導電性要素の前記部分を選択的に加熱するステップをさらに含む。
【0014】
本教示による医療デバイス、およびこの医療デバイスを作製する方法は、従来のデバイスおよび方法と比較して有利である。本教示による医療デバイス、およびこの医療デバイスを作製する方法は、よじれにくく、荷重をデバイスの様々な層に分散させることによって連結部が分離する危険性が低下した、より信頼性および耐久性の高い医療デバイスを提供する。さらに、このデバイスを作製する方法では、導電性要素をより精密に埋め込むことが可能になり、効率の向上が可能になり、これによりコストが低下する。
【0015】
本開示の以上その他の態様、特徴、詳細、実用性、および利点は、以下の説明および特許請求の範囲を読み、添付の図面を検討すれば、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本教示の1実施形態による体内の組織の診断または処置を行う医療デバイスを示す概略図である。
【0017】
図2】本教示の1実施形態による図1に示す医療デバイスの「2」で示す部分の拡大等角図である(分かりやすくするために、一部の構成要素は省略してある)。
【0018】
図3図2に示す医療デバイスの部分の展開図である(分かりやすくするために、一部の構成要素は省略してある)。
【0019】
図4A図2の医療デバイスの部分の断面図である(分かりやすくするために、一部の構成要素は省略してある)。
【0020】
図4B図2の医療デバイスの部分の部分展開断面図である(分かりやすくするために、一部の構成要素は省略してある)。
【0021】
図5図4Aの医療デバイスの部分の、線5−5に沿ってとった断面図である。
【0022】
図6図4Aの医療デバイスの部分の、線6−6に沿ってとった断面図である。
【0023】
図7図4Aの医療デバイスの部分の、線7−7に沿ってとった断面図である。
【0024】
図8A】本教示の別の実施形態による図1の医療デバイスの遠位部分を示す概略図である。
【0025】
図8B】本教示の別の実施形態による図1の医療デバイスの遠位部分を示す概略図である。
【0026】
図9】本教示の別の実施形態による図1の医療デバイスを作製する方法を示すフローチャートである。
【0027】
図10A図9の方法の実施形態を説明する、RFコイルに関連する図1の医療デバイスの一部分を示す概略図である。
【0028】
図10B図10Aの医療デバイスの部分の、線10B−10Bに沿ってとった断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
電気生理学的カテーテルは、細長い近位シャフト部分と、偏向可能な遠位シャフト部分とを含むことができる。近位シャフト部分と遠位シャフト部分の間の接続は、引張り荷重およびその他の応力に耐えるだけの十分なものでなければならない。近位シャフト部分は、比較的剛性を高くし、偏向可能な遠位シャフト部分は、比較的剛性を低くすることができる。近位シャフト部分と遠位シャフト部分の間の接続部または連結部の剛性が急激に変化すると、カテーテルは、偏向中に非一様な曲率を呈し、不均一な応力プロフィルを有する可能性がある。しかし、カテーテルの全長にわたって徐々に剛性が変化する連結部は、一様な曲率および均一な応力プロフィルを有するカテーテルをもたらすことができる。さらに、カテーテル内に複数の接合層を設けると、さらに徐々に剛性を変化させることができる。さらに、硬質接着剤を使用するときには、接合連結部を広げることが望ましいことがある(接着剤の方が周囲の材料より硬質であることがあるため)。ただし、硬質接着剤による接合連結部が長過ぎる場合には、カテーテルは、偏向時または屈曲時に非一様な曲率を示すことがある。
【0030】
使用中の圧縮に抵抗する所望の機械的特性を実現するためには、カテーテルは、カテーテルのシャフト内に埋め込まれた圧縮コイルおよび/またはばねパックをさらに組み込むことができる。これは、本明細書に完全に記載されているのと同様に参照によりその全体を本明細書に組み込む、2013年3月15日出願の本願と同じ権利者の同時係属の米国特許出願第13/838124号(以下、「124号出願」と呼ぶ)にさらに詳細に記載されている。圧縮コイルおよびばねパックなどの構成要素は、それらの構成要素を取り囲むカテーテルの1つまたは複数の外側層を加熱する(その後に冷却する)ことによって、カテーテルに埋め込むことができる。これは、本明細書に完全に記載されているのと同様に参照によりその全体を本明細書に組み込む、2006年12月28日出願の本願と同じ権利者の米国特許第7993481号にさらに詳細に記載されている。
【0031】
本明細書には、様々な装置、システム、および/または方法の様々な実施形態を記載する。多数の具体的な詳細は、本明細書に記載し、添付の図面に図示する、実施形態の全体的な構造、機能、製造、および使用が完全に理解されるようにするために記載したものである。ただし、これらの実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施することができることは、当業者なら理解するであろう。他に、周知の動作、構成要素、および要素については、本明細書に記載する実施形態が不明確にならないように、詳細には説明していない。当業者なら、本明細書に記載および図示する実施形態が非限定的な例であることを理解するであろうし、本明細書に開示する具体的な構造および機能の詳細は代表例にはなり得るが、必ずしも実施形態の範囲を限定するわけではないことを理解することができる。
【0032】
本明細書を通じて「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1実施形態」、または「実施形態」などと言及しているのは、その実施形態に関連して記載されている特定の機能、構造、または特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれるということを意味している。したがって、本明細書の様々な箇所に見られる「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」「1実施形態では」、または「実施形態では」などの文言は、必ずしもその全てが同じ実施形態について言及しているわけではない。さらに、特定の機能、構造、または特徴は、1つまたは複数の実施形態で、任意の適当な方法で組み合わせることができる。したがって、1つの実施形態に関連して図示または記載されている特定の機能、構造、または特徴は、その組合せが非論理的でない、または機能する限りは無制限に、1つまたは複数の他の実施形態の機能、構造、または特徴と、完全または部分的に組み合わせることができる。
【0033】
「近位」および「遠位」という用語は、明細書全体を通じて、患者を処置するために使用される医療デバイスまたは器具の1端部を操作している臨床医を基準にして使用されることがあることは理解されるであろう。「近位」という用語は、臨床医(またはデバイスを操作するように構成されたロボット制御装置)に最も近いデバイスの部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から最も遠くに位置する部分を指す。さらに、簡潔明瞭にするために、本明細書では、「垂直」、「水平」、「上方」、および「下方」などの空間に関する用語は、図示の実施形態を基準として使用されることがあることも理解されるであろう。ただし、医療デバイスは、様々な向きおよび姿勢で使用することができ、これらの用語は、限定的、または絶対的なものを意図しているわけではない。さらに、本明細書で使用する「接合された」、「固定された」、および「融合された」という用語は、同じものを意味することを意図している。
【0034】
次に、異なる図面でも同一または同様の構成要素は同じ参照番号を使用して示している図面を参照すると、図1は、本教示の1実施形態による体内の組織の診断または処置を行う医療デバイス10を示す概略図である。デバイス10は、内部体組織の検査、診断、および処置のためのものである。本教示の1実施形態によれば、デバイス10は、電気生理学的(「EP」)カテーテルを備える。デバイス10は、マッピングカテーテル、アブレーションカテーテル、および心臓内超音波検査(ICE)カテーテルなど、いくつかのタイプのEPカテーテルであってもよく、様々なタイプのエネルギー(例えば無線周波(RF)、冷凍アブレーション、超音波、レーザ、マイクロ波、電気穿孔法など)を使用することができることを理解されたい。さらに、本教示は、他のタイプの医療デバイスにも使用することができる(かつ例えば導入シースなど、組織の診断または処置に使用することができる)。したがって、当業者なら、本明細書に開示する医療デバイス、およびその医療デバイスを作製する方法は、いくつかの診断および治療の応用分野で使用することができることを認識および理解するであろう。実施形態によれば、最も一般的な形態では、デバイス10は、近位部分12および遠位部分14を有するほぼ円筒形であり、遠位部分14の先端アセンブリ16と、先端アセンブリ16の近傍の偏向可能な遠位シャフト18と、遠位シャフト18の近傍の近位シャフト20と、近位部分12のハンドルアセンブリ22と、ハンドルアセンブリ22から近位シャフト20および遠位シャフト18を通って延びるプルワイヤ24、25(図4A図8Bに示す)とを備える。
【0035】
さらに図1を参照すると、先端アセンブリ16は、遠位端部28および近位端部30を有する先端電極26を備えることができる。先端電極26は、限定されるわけではないが、血液および/または組織に対して露出するように構成された活性外側表面などの様々な機能に合わせて構成することができる。先端アセンブリ16の先端電極26には、十分なサイズを有し、先端電極26に接続されたワイヤ(図示せず)を受けるように構成された、開口(図示せず)を形成することができる。ワイヤの一端は、先端電極26に接続され、別の端部は、例えば無線周波(RF)発生器など、例えば監視、記録、またはアブレーションのデバイスに接続されるように構成される。ワイヤは、先端アセンブリ16の他の構成要素から絶縁されたプレコートワイヤとすることができる。先端アセンブリ16の先端電極26には、熱電対(図示せず)を受けるように構成された別の開口(図示せず)をさらに形成することもできる。熱電対は、先端電極26、目標の組織、および/またはそれらの間の界面の温度を測定し、上述の監視、記録、またはアブレーションのデバイスにフィードバックを提供するように構成することができる。先端電極26は、洗浄液の通路として構成される流体ルーメン(図示せず)をさらに含むことができる。先端電極26は、いくつかの方法で偏向可能な遠位シャフト18に固定することができる。例えば、先端電極26は、エポキシ材料を使用して偏向可能な遠位シャフト18の内側径方向表面に接合することができる。別の実施形態では、先端電極26は、遠位シャフト18と一体化される。
【0036】
さらに図1を参照すると、偏向可能な遠位シャフト18は、(ファントム線で示すように)近位シャフト20から独立して偏向するように構成することができる。遠位シャフト18は、先端アセンブリ16と近位シャフト20の間に配置される。遠位シャフト18は、近位部分32および遠位部分34を有し、近位部分32から遠位部分34に延びる細長い本体と、1つまたは複数の電極36とを備えることができる。遠位シャフト18の長さおよび直径は、応用によって様々にすることができる。限定はされないが、例えば、遠位シャフト18の長さは、約2インチ(50.8ミリメートル)から約6インチ(152.4ミリメートル)の範囲とすることができ、遠位シャフト18の直径は、約5フレンチから約12フレンチの範囲とすることができる。実施形態では、遠位シャフト18の直径は、約7フレンチとすることができる。こうした特定の寸法について具体的に言及しているが、遠位シャフト18の寸法は、様々な応用によって様々にすることができる。
【0037】
電極36(例えばリング電極など)は、遠位シャフト18に取り付ける、または固定することができる。実施形態では、各電極36の活性外側表面は、血液および/または組織に対して露出するように構成することができる。各電極36は、いくつかの既知のプロセスを使用して、遠位シャフト18と組み立てることができる。例えば、電極36は、リフロープロセスを使用して遠位シャフト18に組み込むことができる。このようなプロセスでは、電極36を、遠位シャフト18上の適当な/所望の位置に配置し、次いで、遠位シャフト18の少なくとも一部分に対して加熱プロセスを施して、電極36と遠位シャフト18の高分子材料とを、互いに固定、接合、または融合する。電極36に接続されたワイヤ(図示せず)を遠位シャフト18に通すことができるようにするために、遠位シャフト18の各電極36の近傍に、1つまたは複数の十分なサイズの開口(図示せず)を形成することができる。ワイヤは、互いに、またデバイス10の他の構成要素から絶縁されるように、プレコートワイヤとすることができる。ワイヤは、遠位シャフト18、近位シャフト20、およびハンドルアセンブリ22の中を延びることができ、例えばデバイス10に関連付けられた、またはデバイス10に接続された監視および/または記録デバイスならびに/あるいはアブレーションデバイスに接続することができる。
【0038】
さらに図1を参照すると、細長い近位シャフト20は、近位部分38および遠位部分40を有する。近位部分38で、近位シャフト20は、ハンドルアセンブリ22に接続することができ、遠位部分40で、近位シャフト20は、遠位シャフト18に接続することができる。
【0039】
さらに図1を参照すると、ハンドルアセンブリ22は、特に、遠位シャフト18の動き(すなわち偏向)を生じさせるように動作可能である。ハンドルアセンブリ22は、遠位部分42および近位部分44を有する。その遠位部分42で、ハンドルアセンブリ22は、近位シャフト20の近位部分38(図示しないが、ハンドルアセンブリ22内に配置される)に結合することができる。ハンドルアセンブリ22の近位部分44は、監視、記録、またはアブレーションのデバイスに結合されるように構成することができる。ハンドルアセンブリ22は、遠位シャフト18を1つまたは複数の方向(例えば上方、下方、左方、および右方)に偏向させるように選択的に操作させることができるアクチュエータ(図示せず)を備えることができる。
【0040】
実施形態では、プルワイヤ24、25(図4A図8Bに示す)が、遠位シャフト18が偏向するのを容易にする。プルワイヤ24、25は、一般に、デバイス10の近位部分12を通って遠位部分14まで延びることができる。実施形態では、プルワイヤ24、25は、限定はされないが例えばはんだまたは溶接継手によって、デバイス10の遠位部分14でプルリング43(図8A図8Bに示す)の内側径方向表面上の径方向に対向する位置に取り付けることができる。そして、プルワイヤ24、25は、プルリング43からハンドルアセンブリ22に向かって近位方向に延びる。デバイス10の使用中にハンドルアセンブリ22を介してプルワイヤ24、25を引っ張ると、プルリング43が傾斜または揺動し、それにより遠位シャフト18を偏向させる。デバイス10は2本の対抗するプルワイヤ24、25を含むものとして説明および図示しているが、デバイス10は、2本の対抗するプルワイヤ24、25に限定されるわけではないことに留意されたい。代わりに、デバイス10は、単一プルワイヤ構成を含むこともできる。他の実施形態では、デバイス10は、2本以上のプルワイヤを含むこともできる。プルワイヤ24、25は、様々な実施形態によれば、超弾性ニチノールワイヤ、カーボンファイバ、KEVLAR(登録商標)という商標名でDuPont社から一般に入手できるパラ系アラミド合成ファイバ、またはその他の適当な材料で構成することができる。
【0041】
図2は、本教示の1実施形態による図1に示す医療デバイスの「2」で示す部分の拡大斜視図である(分かりやすくするために、一部の構成要素は省略してある)。詳細には、図2は、組み立てた状態のデバイス10を示しており、デバイス10の様々な構成要素の間、すなわち近位シャフト20と遠位シャフト18の間の接続点を概略的に示している。図3は、図2に示す医療デバイス10の一部分の展開図である(分かりやすくするために、一部の構成要素は省略してある)。図4Aは、図2の医療デバイス10の部分の断面図であり(分かりやすくするために、一部の構成要素は省略してある)、入れ子型の重ね連結部を画定するデバイス10の特定の層同士の重なり合いを概略的に示している。図4Bは、図2の医療デバイスの部分の部分展開断面図である(分かりやすくするために、一部の構成要素は省略してある)。図5図7は、図4Aに示すデバイス10の部分の様々な断面図である。
【0042】
図2および図3を同時に参照すると、近位シャフト18は、外側層46と、外側層46内に配置されたチューブまたはライナ48とを含むことができる。遠位シャフト20は、円筒形部材76と、編組み層86と、外側ジャケット88とを含むことができる。実施形態では、以下でさらに詳細に説明するように、近位シャフト20および遠位シャフト18のこれらの上記の構成要素を層ごとに組み立てて、入れ子型の重ね連結部を形成することができる。
【0043】
特に図4A図4Bを参照すると、デバイス10は、長手方向軸45を規定する。近位シャフト20の遠位部分40は、遠位シャフト18の近位部分32と結合されるように構成することができる。近位シャフト20は、1つの層、または一連の層を備えることができる。上述のように、図示の実施形態では、近位シャフト20は、外側層46と、外側層46内に配置されたチューブまたはライナ48と、近位部分38(図1)から遠位部分40に延びる段部付き内側表面49とを備える。図示の実施形態では、ライナ48と外側層46とが、段部付き内側表面49がライナ48の内側表面と外側層46の内側表面の一部分とを備えるように、段部付き内側表面49を画定する。
【0044】
外側層46は、外側表面50と、内側縁部54および遠位縁部56と、ルーメン58とを有することができる。また、外側層46は、ほぼ円筒形にすることができ、丸形の断面を有することができる。ただし、外側層46は、楕円形または正方形など様々な断面を有することができる、あるいは長さに沿って異なる点で複数種類の断面形状を有することもできる。内側縁部54および遠位縁部56は、一般に径方向に延びることができる。内側縁部54は、軸45に対して直交するように延びるものとして図示してあり、遠位縁部56は、軸45に対して角度60をなして延びるものとして図示してある。ただし、当業者なら、内側縁部54および遠位縁部56は任意の角度にすることができ、軸45に対して円周方向に一様でなくてもよいことを理解するであろう。限定はされないが例えば、内側縁部54および/または遠位縁部56は、平坦でなくてもよく、近位方向に延びるスロットを含むこともできる。別の実施形態では、外側層46は、近位部分38(図1)から内側縁部54および/または遠位縁部56まで測定される、軸45を中心とする円周に沿って異なる長さを有することもできる。実施形態では、外側層46は、ポリウレタン、ナイロン、または様々な種類のプラスチック材料(フランスのArkema社の登録商標であるPEBAX(登録商標)(例えば72D Pebax)として提供されるポリエーテルブロックアミドなど)などの高分子材料あるいはその他の任意の適当な材料の2つの層の間に挟まれた編組みステンレス鋼ワイヤで構成することができる。1実施形態では、内側縁部54は、1つの高分子材料層が終端する点とすることができる(すなわち、内側縁部54より遠位側では、外側層46は、編組みワイヤおよびただ1つの高分子材料層で構成される)。使用する材料にかかわらず、材料は、例えば(実施形態で)実行される加熱プロセスなどのプロセスを受けたときに変位または収縮する能力を有していなければならない。編組みステンレス鋼ワイヤは、近位シャフト20の剛性を高める。図示の実施形態では、外側層46は、一般に、内側縁部54の近傍では内径62を有し、遠位縁部56の近傍では内径64を有する。ただし、外側層46は、その長さに沿って1つの内径を有することも、複数の内径を有することもできることを理解されたい。1実施形態では、近位シャフト20は、長さが60インチである。
【0045】
実施形態では、段部付き内側表面49が、近位シャフト20のルーメン58を画定する。特に、ルーメン58によって、デバイス10の構成要素および流体は、近位シャフト20の近位部分38と遠位部分40の間を移動することができる。図示のように、ルーメン58は、軸45に沿って長手方向に延びる。ただし、他の実施形態では、近位シャフト20は、複数のルーメンを有することもでき、この1つまたは複数のルーメンは、軸45と平行であってもよいし、角度をなしていてもよい。
【0046】
特に図4Aから図4Bをさらに参照すると、近位シャフト20のライナ48は、軸方向端部66を有し、一般に円筒形にすることができる。1実施形態によれば、ライナ48は、軸45に沿って近位シャフト20の外側層46の一部分の内側に配置される。別の実施形態では、ライナ48は、遠位方向に外側層46の外側まで延びることができる。図示の実施形態では、ライナ48の軸方向端部66は、外側層46の内側縁部54と径方向に位置合わせされる。ただし、当業者なら、ライナ48の軸方向端部66が、内側縁部54より近位方向または遠位方向に配置することもできることを理解するであろう。ライナ48は、ポリウレタン、ナイロン、またはフランスのArkema社の登録商標であるPEBAX(登録商標)として提供されるポリエーテルブロックアミドなど様々な種類のプラスチック材料などの高分子材料、あるいはその他の任意の適当な材料で構成することができる。使用する材料にかかわらず、材料は、例えば(実施形態で)実行される加熱プロセスなどのプロセスを受けたときに変位または収縮する能力を有していなければならない。ライナ48の機械的性質も、例えば高分子材料の性質(例えば高分子の円筒形編組み構造の寸法、および/または高分子のデュロメータなど)を変化させることによって、変化させることができる。さらに、ライナ48の機械的性質は、いくつかの実施形態では、その長さに沿って変化させることもできるし、他の実施形態では、その全長に沿って実質的に一定にすることもできる。
【0047】
特に図4Aから図4Bをさらに参照すると、遠位シャフト18の近位部分32は、近位シャフト20の遠位部分40と結合されるように構成することができる。図示の実施形態では、充填材またはエポキシ層89(以下で詳細に述べる)が、近位シャフト20と遠位シャフト18の間に挟まれている。前述のように、図示の実施形態では、遠位シャフト18は、長手方向軸45に沿って延びることができ、近位縁部70、72、74を有することができ、円筒形部材76(図3で最もよく分かる)と、ルーメン78、80、82(図5から図7で最もよく分かる)と、編組み層86と、外側ジャケット88とを含むことができる。遠位シャフト18は、同じ材料または異なる材料の任意数の層からなることができ、その近位部分32に1つまたは複数の縁部を有することができることを理解されたい。さらに、1実施形態では、遠位シャフト18は、近位シャフト20と同軸である。
【0048】
遠位シャフト18の近位縁部70、72、74は、径方向に延びることができる。1実施形態では、近位縁部74は、近位シャフト20の遠位縁部56に形状が対応し、遠位シャフト18の近位縁部72は、近位シャフト20の内側縁部54および/またはライナ48の軸方向端部66に形状が対応する。近位縁部70および72は、軸45に直交するように延びるものとして図示してあり、近位縁部74は、軸45に対して角度92をなして延びるものとして図示してある。ただし、当業者なら、近位縁部70、72、74は、任意の角度にすることができ、円周方向に一様でなくてもよいことを理解するであろう。限定はされないが例えば、遠位シャフト18の近位縁部70、72、74は、全体として平坦でなくてもよく、近位シャフト20のキーまたは突出部に対応する、長手方向に延びるスロットまたは溝を含むこともできる。さらに、遠位シャフト18の近位縁部70、72、74は、近位シャフト20のスロットまたは溝に対応する、長手方向に延びるキーまたは突出部を含むこともできる。別の実施形態では、遠位シャフト18は、(近位縁部70、72、および/または74から図1に示す遠位部分34に向かって)その円周に沿って軸45の周りで異なる長さを有することができる。
【0049】
図示の実施形態では、円筒形部材76は、遠位シャフト18の近位縁部70から遠位シャフト18の遠位部分34(図1)に延び、2つの外径、すなわち近位縁部70と72の間の外径94(図5)、および近位縁部72の遠位側の外径96(図6)を有する。ただし、円筒形部材76は、1つの直径を有することも、2つ以上の直径を有することもできることを理解されたい。図示の実施形態では、近位縁部70は、ライナ48の軸方向端部66の近傍にあり、ライナ48の一部分が遠位シャフト18の近位縁部70と72の間の円筒形部材76の一部分と重なり合い、ライナ48の軸方向端部66が径方向に遠位シャフト20の近位縁部72と位置合わせされるようになっている。実施形態では、近位縁部70と72の間の円筒形部材76の長さは、0.100インチである。さらに、実施形態では、ライナ48の内径98(図4A図4Bで最もよく分かる)は、円筒形部材76の外径94(図5)よりわずかに大きい、または等しくして、円筒形部材76がライナ48の内側にぴったり嵌まるようになっている。1実施形態では、円筒形部材76の外径94は、0.064インチとすることができる。さらに、いくつかの実施形態によれば、ライナ48の外径100(図4A図4Bで最もよく分かる)は、円筒形部材76の外径96(図6)と実質的に等しくすることができる。M−121エポキシなどの接着剤またはエポキシをライナ48と円筒形部材76との間で使用して、円筒形部材76をライナ48の内側により良好に固定することもできる。円筒形部材76は、円筒形であるものとして示してあるが、部材76は、様々な断面形状を有することができることを理解されたい。さらに、部材76は、その長さに沿って異なる断面形状を有することもできる。いくつかの実施形態では、円筒形部材76は、ペレセン、またはフランスのArkema社の登録商標であるPEBAX(登録商標)として提供されるポリエーテルブロックアミドなどの熱可塑性樹脂、あるいはその他の任意の適当な材料で構成される。図示の実施形態では、ルーメン78、80、82は、完全に円筒形部材76内に配置されているが、他の実施形態では、ルーメン78、80、82は、(部分的に、または完全に)遠位シャフト18のその他の層の内部に配置することもできる。
【0050】
遠位シャフト18のルーメン78、80、82は、デバイス10の特定の機能(例えば電位記録図の記録、アブレーション、超音波など)を実行するために必要な様々な構成要素または流体がその中に配置されるように構成することができる。各ルーメン78、80、82は、完全に形成されてもよいし、互いに共通の空間を共有してもよい。図示の実施形態によれば、ルーメン78、80、82は、各ルーメン78、80、82を完全に形成できるようにしながら、製造可能な限り互いに近接して配置することができる。デバイス10の所定の応用に応じて、各ルーメン78、80、82は、遠位シャフト18の全長に沿って延びていてもよいし、遠位シャフト18の全長に満たない長さだけ延びていてもよい。各ルーメン78、80、82は、所定の断面プロフィルおよび形状を有するように形成することができる。さらに、各ルーメン78、80、82は、遠位シャフト18の長さに沿った異なる点で様々な断面形状を有することができる。
【0051】
図5を参照すると、図示の実施形態では、円筒形部材76は、それぞれ長手方向軸102、104、106(図2)を有する3つのルーメン78、80、82を有する。他の実施形態では、遠位シャフト18は、1つのルーメン、2つのルーメン、または3つを超えるルーメンを有する。実施形態では、ルーメン78、80、82は、ほぼ丸形または楕円形の断面形状にすることができ、それぞれの軸102、104、106に沿って遠位シャフト18の近位部分32から遠位部分34(図1)に延びることができる。実施形態では、ルーメン78は、電極26、36(図1)またはその他の電気構成要素の配線を収容するように、かつ/あるいは洗浄液の通路などとして使用されるように構成することができる。ルーメン78の軸102は、デバイス10の軸45(図4A図4B)と一致していてもよい。図示の実施形態では、ルーメン78は、滑らかな表面を形成し、ルーメン78内の構成要素を絶縁する目的に適うライナ110で裏張りされる。ライナ110は、形成される場合には、ポリイミドなどの高分子材料またはその他の任意の適当な材料で構成することができる。
【0052】
実施形態では、ルーメン80は、ルーメン78とほぼ隣接して、またはルーメン78に当接して位置することができ、その軸104がルーメン78の軸102と平行になるように配向することができる。ルーメン82も、ルーメン78とほぼ隣接して、またはルーメン78に当接して位置することができ、その軸106がルーメン78の軸102と平行になるように配向することができる。ルーメン80、82は、それぞれプルワイヤ24、25を収容して、遠位シャフト18が2つ以上の方向に偏向することができるようにするように構成することができる。
【0053】
再度図4A図4Bを参照すると、遠位シャフト18の編組み層86は、外径113を有し、剛性およびトルク能力を遠位シャフト18に与えるように構成される。図示の実施形態では、編組み層86は、遠位シャフト18の近位縁部72から遠位部分34(図1)に延び、円筒形部材76の一部分を円周方向に取り囲んでいる。ただし、編組み層86の長さおよび1つまたは複数の直径は、他の実施形態では様々にすることができる。図示の実施形態では、編組み層86の外径113は、外側層46の内径64よりわずかに小さい、または等しく、編組み層86の一部分が、ライナ48の軸方向端部66および/または外側層46の内側縁部54と外側層46の遠位縁部56との間で、近位シャフト20の外側層46の一部分の内側にぴったり嵌まるようになっている。限定はされないが例えば、編組み層86の外径113は、0.076インチとすることができ、近位シャフト20の外側層46の内径64は、0.076インチから0.078インチの間とすることができる。層46と48とが軸方向に重なり合う長さは、0.300インチとすることができる。編組み層86は、ポリウレタン、ナイロン、またはフランスのArkema社の登録商標であるPEBAX(登録商標)として提供されるポリエーテルブロックアミドなど様々な種類のプラスチック材料などの高分子材料、あるいはその他の任意の適当な材料で構成することができる。使用する材料にかかわらず、材料は、例えば(実施形態で)実行される加熱プロセスなどのプロセスを受けたときに変位または収縮する能力を有していなければならない。編組み層86の高分子材料を編組みステンレス鋼ワイヤで取り囲んで、遠位シャフト18の剛性を高めることができる。いくつかの実施形態では、編組み層86は、省略することもできるし、あるいは複数の層からなることもできることを理解されたい。編組み層86の機械的性質も、例えば1つまたは複数の円筒形編組み構造および高分子材料の性質(例えば円筒形編組み構造の寸法、および/または高分子のデュロメータ硬度など)を変化させることによって、変化させることができる。さらに、編組み層86の機械的性質は、いくつかの実施形態では、その長さに沿って変化させることもできるし、他の実施形態では、その全長に沿って実質的に一定にすることもできる。
【0054】
遠位シャフト18の外側ジャケット88は、遠位シャフト18の剛性を高めるように構成される。図示の実施形態では、外側ジャケット88は、遠位シャフト18の近位縁部74から遠位部分34(図1)に延び、編組み層86の一部分を円周方向に取り囲んでいる。ただし、ジャケットの長さおよび1つまたは複数の直径は、他の実施形態では様々にすることができる。限定はされないが例えば、外側ジャケット88は、遠位シャフト18の近位縁部70または72から遠位方向に延びることができる。外側ジャケット88の機械的性質も、例えば高分子材料の性質(例えば高分子のデュロメータ硬度など)を変化させることによって、外側ジャケット88の長さに沿って変化させることができる。限定はされないが例えば、最も近位側で、外側ジャケット88は、65Dペレセンで構成された部分を有し、その後に55Dまたは90AE/55Dペレセンで構成された部分を有することができる。さらに、他の実施形態では、外側ジャケット88の機械的性質は、その全長に沿って実質的に一定にすることもできる。外側ジャケット88は、他の実施形態では、省略することもできるし、あるいは複数の層からなることもできることを理解されたい。
【0055】
さらに、図示の実施形態では、近位縁部72は、近位縁部70より遠位側にあり、近位縁部74は、軸方向に近位縁部72より遠位側にあり、部材76が、近位方向に編組み層86および外側ジャケット88の外部に延び、編組み層86が近位方向に外側ジャケット88の外部に延びるようになっている。ただし、当業者なら、近位縁部70、72、74が互いに近位側に配置されていても、遠位側に配置されていてもよいことを理解するであろう。さらに、図示の実施形態では、デバイス10は、遠位シャフト18の近位縁部72と74の間で、遠位シャフト18の編組み層86の一部分と近位シャフト20の外側層46との間に、エポキシ層89をさらに含む。エポキシ層89は、近位シャフト20の遠位縁部56と遠位シャフト18の近位縁部74との間で、かつ/または遠位シャフト18の近位部分32の近位側に、径方向に延びることもできる。1実施形態によれば、エポキシ層89は、M−121エポキシとすることができる。エポキシ層89は、近位シャフト20と遠位シャフト18の間の接合強さを向上させるように構成されるが、エポキシ層89は、任意選択であることを理解されたい。
【0056】
デバイス10は、スリーブ90をさらに含むことができる。図示の実施形態では、スリーブ90は、円周方向に近位シャフト20の一部分および遠位シャフト18の一部分の周りに配置され、近位シャフト20と遠位シャフト18の間の1つまたは複数の連結部の強度を高めるように構成することができる。いくつかの実施形態によれば、スリーブ90は、近位シャフト20の遠位縁部56および遠位シャフト18の近位縁部74で近位シャフト20および遠位シャフト18を取り囲むことができ、0.400インチの長さを有することができる。スリーブ90は、ポリウレタン、ナイロン、またはフランスのArkema社の登録商標であるPEBAX(登録商標)として提供されるポリエーテルブロックアミドなど様々な種類のプラスチック材料などの高分子材料、あるいはその他の任意の適当な材料で構成することができる。使用する材料にかかわらず、材料は、例えば(実施形態で)実行される加熱プロセスなどのプロセスを受けたときに変位または収縮する能力を有していなければならない。
【0057】
図4A図4Bで最もよく分かるように、遠位シャフト18は、遠位シャフト18と近位シャフト20の間に形成される2つの入れ子型の重ね連結部によって、近位シャフト20に接続することができる。図示の実施形態では、円筒形部材76、編組み層86、および外側ジャケット88が、遠位シャフト18の段部付き外側表面107を画定している。外側表面107は、軸方向に延びる段部108、109を含む。段部108は、近位縁部70から近位縁部72に延びることができる。段部109は、近位縁部72から近位縁部74に延びることができる。図示の実施形態では、近位シャフト20のライナ48の一部分は、径方向に遠位シャフト18の段部108と重なり合って、重ね連結部を形成し、近位シャフト20の外側層46は、縁部66、72で、この重ね連結部と入れ子構造になっている。さらに、図示の実施形態では、近位シャフト20の内側表面49は、軸方向に軸方向端部66および/または内側縁部54から遠位縁部56に延びる段部110を含む。実施形態では、近位シャフト20の内側段部110は、径方向に遠位シャフト18の段部109と重なり合って、別の重ね連結部を形成し、スリーブ90が、縁部56、74で、この重ね連結部と入れ子構造になっている。これらの入れ子型の重ね連結部は、軸45を中心として円周方向に延びるものとして図示してあるが、当業者なら、これらの連結部が、(例えば近位シャフト20および遠位シャフト18のスロットおよび対応するキーにより)軸45の周りに部分的にしか延びていなくてもよいことを理解するであろう。重ね連結部は、互いに入れ子構造にして、より大きな連結強さを提供し、荷重および応力をデバイス10の様々な層にわたってより効果的に分散させることができる。さらに、図示の実施形態では、入れ子型の重ね連結部を軸方向に互い違いに配置して、荷重および応力をデバイス10の様々な層にわたって分散させ、任意の個々の材料が受けるピーク力を減少させている。ただし、当業者なら、他の実施形態では、連結部を1つしか使用しないこともできること、連結部の入れ子構造が任意選択のものであること、および重ね連結部を軸方向に互い違いにしなくてもよいことを理解および認識するであろう。
【0058】
図8Aは、本教示の別の実施形態による図1の医療デバイスの一部分を示す概略図である。図示のように、デバイス10は、近位シャフト20の近位部分38(図1)から遠位部分40に延びる、または遠位シャフト18の近位部分32の中までわずかに延びる、近位シャフト20の1つまたは複数のルーメン内のプルワイヤ24、25の周りに配置された圧縮コイル114、116をさらに含むことができる。デバイス10は、遠位シャフト18のルーメン80、82内の1本または複数本のプルワイヤ24、25の周りに配置された1つまたは複数のばねパック117をさらに含むこともできる。圧縮コイル114、116および/またはばねパック117は、124号出願にさらに詳細に記載されているように使用中の圧縮に抵抗する所望の機械的性質を実現するように構成することができる。圧縮コイル114、116およびばねパックは、一般には容易に圧縮できないので、プルワイヤ24、25にかかる張力は、近位シャフト20および/または遠位シャフト18にかかる圧縮張力に変換されない。したがって、圧縮コイル114、116およびばねパック117は、近位シャフト20および/または遠位シャフト18がプルワイヤ24、25にかかる張力によって屈曲しないこと、ならびにプルワイヤ24、25に張力がかかっているときにデバイス10の回転制御が悪影響を受けないことを保証する助けになるように構成される。実施形態では、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117はそれぞれ、きつく巻かれているので、屈曲することはできるが、一般に非圧縮性である。プルワイヤ24、25は、ハンドルアセンブリ22(図1)からプルリング43に延びることができるが、いくつかの実施形態では、圧縮コイル114、116は、一般的には近位シャフト20の中だけに延びることができ、場合により、遠位シャフト18の近位部分32の中に少しだけ延びることがある。圧縮コイル114、116は、いくつかの実施形態では、近位シャフト20の全長にわたって延びることができる。圧縮コイル114、116はそれぞれ、遠位端部118、120を備える。コイル114、116の遠位端部118、120とプルリング43との間の距離は、一般に、遠位シャフト18の曲率に影響を及ぼす可能性がある。図6で最もよく分かるように、圧縮コイル114、116の外径122は、約0.015インチ(0.38ミリメートル)から約0.030インチ(0.76ミリメートル)とすることができ、圧縮コイル114、116の内径124は、約0.004インチ(0.10ミリメートル)から約0.015インチ(0.38ミリメートル)とすることができる。実施形態では、圧縮コイル114、116はそれぞれ、ステンレス鋼で構成することができる。ばねパック117内に配置されない場合には、プルワイヤ24、25は、PTFEなどの材料で構成されたチューブ121で取り囲むことができる。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117は、融合コイルピッチを有する融合領域125と、非融合コイルピッチを有する非融合領域127とを含むことができる。圧縮コイル114、116および/またはばねパック117が近位シャフト20および/または遠位シャフト18内で非融合領域127および融合領域125を有することができるようにすることによって、近位シャフト20および/または遠位シャフト18を、シャフトの圧縮および/または蛇行に対処する必要がなくなる一方で、デバイス10の押圧能力およびトルク能力を提供するように、構成することができる。非融合領域127は、デバイス10の歪みの解放をもたらすように構成されており、ばねパック117の近位端部128aおよび/または遠位端部128bで、圧縮コイル114、116の近位端部(図示せず)で、ならびに/あるいは圧縮コイル114、116の遠位端部118、120で、融合領域125同士の間に位置することができる。実施形態では、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の近位端部および/または遠位端部におけるコイルピッチは、それらの間に配置された1つまたは複数のコイルピッチより大きなコイルピッチを有して、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の近位端部および遠位端部における応力を低減することができる。圧縮コイル114、116を近位シャフト20および遠位シャフト18自体から分離することにより、デバイス10は、以下で(および124号出願で)さらに詳細に説明するようにリフロープロセスによってデバイス10を形成する前にデバイス10の偏向を評価するベンチテストを受けることができる。さらに、圧縮コイル114、116をデバイス10またはその構成要素に固定して取り付けないことにより、デバイス10の組立て性を向上させることができる。圧縮コイル114、116およびばねパック117について、2つのコイルピッチ(融合コイルピッチおよび非融合コイルピッチ)を有するものとして述べたが、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117は、他の実施形態では、それぞれの全長にわたって1つのコイルピッチしか有していなくてもよいし、複数のコイルピッチを有していてもよい。
【0060】
図8Aを参照すると、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の融合領域125は、円筒形部材76のルーメン80、82の内側表面129、130(図7)、および/または近位シャフト20の内側表面49(限定はされないが例えば、図4A図4Bから分かるように近位シャフト20の外側層46のライナ48の内側表面または高分子材料の内側壁面)に融合する、あるいはそれらの表面内に埋め込むことができる。さらに、遠位シャフト18の遠位部分32に配置されたプルリング43に対する融合領域125の位置は、一般に、遠位シャフト18の曲率に影響を及ぼす可能性がある。図8Aに示す実施形態では、プルワイヤ24は、引張り時に第1の曲率半径を呈することができ、プルワイヤ25は、引張り時に第2の曲率半径を呈することができる。図8Aに示す実施形態では、引張り時にプルワイヤ24、25が呈する第1および第2の曲率半径は、異なる。プルワイヤ24、25は、当技術分野で既知の任意の曲率を有するように構成することができること、ならびにこの曲率は、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の1つまたは複数の様々な部分をそれらの長さに沿って融合することによって構成することができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、融合領域125は、圧縮コイル114、116の非融合領域127の非融合コイルピッチより小さい融合コイルピッチを有することができる。実施形態では、近位シャフト20の近位部分38(図1)を接着剤で充填して、コイル114、116がこれより近位方向に移動するのを防止する。いくつかの実施形態によれば、各圧縮コイル114、116の近位端部は、ハンドルアセンブリ22に固定して取り付けられず、近位シャフト20の近位部分38(図1)の(例えば接着剤の)軸方向端部表面に当接する、またはこの表面で停止する、あるいはこの表面によって制約される。
【0061】
他の実施形態によれば、圧縮コイル114、116およびまたはばねパック117の(融合される)領域125は、それぞれ、高分子材料のジャケットによって円周方向に取り囲む、かつ/またはこのジャケットに融合することができ、このジャケットは、(上述のように)近位シャフト20および/または遠位シャフト18に融合することができる。いくつかの実施形態では、近位シャフト20および/または遠位シャフト18と融合する前に、融合領域125を伸長させることができ、その後、ジャケットを加熱して、ジャケットの材料が溶融して、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の伸長したコイルの隙間の間に流入するようにすることができる。ジャケットを使用することで、後続の近位シャフト20および/または遠位シャフト18との融合を補助することができる。ジャケットの材料を伸長したコイルの隙間に流入させることにより、近位シャフト20または遠位シャフト18の材料がコイルの隙間に落ち込んで、シンクホールを生じることを防止することができる。ジャケットは、ポリウレタン、ナイロン、またはフランスのArkema社の登録商標であるPEBAX(登録商標)として提供されるポリエーテルブロックアミドなど様々な種類のプラスチック材料などの高分子材料、あるいはその他の任意の適当な材料で構成することができる。使用する材料にかかわらず、材料は、例えば(実施形態で)実行される加熱プロセスなどのプロセスを受けたときに変位または収縮する能力を有していなければならない。
【0062】
図8Bを参照すると、デバイス10’は、融合領域125’および非融合領域127’を有する圧縮コイル114’、116’を含む。この図示の実施形態では、圧縮コイル114’、116’は、ほぼ同じ長さであり(すなわちそれぞれの遠位端部118’、120’が径方向に整列している)、プルワイヤ24’、25’は、一般に、引張り時に同じ曲率半径を呈する。
【0063】
次に、図9を参照して、デバイス10を作製する方法について説明する。この方法は、ライナ48を提供するプロセス131から開始することができる。上述のように、ライナ48は、軸方向端部66を有することができる。
【0064】
この方法は、近位部分32と、外側表面107上の段部108、109とを有する遠位シャフト18を提供するプロセス132に進むことができる(図4A図4B参照)。プロセス132は、いくつかのサブプロセスを含むことができる。1実施形態によれば、プロセス132は、ルーメン78、80、82を有する円筒形部材76を提供するプロセスから開始することができるが、このプロセスについては、124号出願でさらに詳細に述べられている。次いで、アセチルコアの周りにワイヤを編み組み、その後このコアを取り除くことによって、編組み層86を形成することができる。次に、形成した編組み層86を、円筒形部材76の上に滑り嵌めすることができる。その後、外側ジャケット88を、編組み層86の上に滑り嵌めすることができる。次に、編組み層86および外側ジャケット88の材料の一部(ならびに任意選択で円筒形部材76の一部分)を除去する、または機械加工で除去して、段部付き外側表面107(および近位縁部70、72、74)を形成することができる。さらに、外側ジャケット88を、近位縁部72より遠位側で除去して、近位縁部74を形成することができる。
【0065】
この方法は、円筒形部材76をライナ48の軸方向端部66の中に挿入して、ライナ48が遠位シャフト18の段部108と径方向に重なり合うことによって重ね連結部を形成するようにするプロセス134に進むことができる。プロセス134は、いくつかのサブプロセスを含むことができる。特定の実施形態では、接着剤またはエポキシ(図示せず)を、ライナ48の内側表面および円筒形部材76の段部108のうちの一方または両方に塗布することができる。実施形態では、ライナ48の軸方向端部66は、遠位シャフト18の近位縁部72に当接する、かつ/またはこの縁部と整列する。
【0066】
この方法は、近位シャフト20の外側層46を提供するプロセス136に進むことができる。プロセス136は、いくつかのサブプロセスを含むことができる。1実施形態では、外側層46は、押出し機器を使用して、アセチルプラスチックコアを高分子材料でコーティングすることによって形成される。次いで、コーティングされたコアの周りに、ワイヤを編み組むことができる。その後、高分子またはプラスチックの別の層で、編組みをコーティングする。最後に、コアを取り除いて、中空の編組みシャフトを形成する。
【0067】
この方法は、ライナ48および遠位シャフト18の近位部分32の周りにエポキシ層89を塗布するプロセス138に進むことができる。いくつかの実施形態では、エポキシ層89は、遠位シャフト18の近位縁部72と74の間に塗布することができる。1実施形態によれば、エポキシ層89は、M−31エポキシとすることができる。
【0068】
この方法は、外側層46をライナ48および遠位シャフト18の近位部分32の上に押圧して、段部110が径方向に段部109と重なり合って、プロセス134で形成した重ね連結部と入れ子構造になり、もう1つの重ね連結部を形成するように、段部110を形成するプロセス140に進むことができる。エポキシ層89は、プロセス140の結果として、近位シャフト20の遠位縁部56と遠位シャフト18の近位縁部74の間で径方向に途中まで延びることができる。実施形態では、外側層46の遠位縁部56は、遠位シャフト18の近位縁部74に当接する、かつ/またはこの縁部と整列する。さらに、実施形態では、外側層46の内側縁部54は、径方向にライナ48の軸方向端部66と整列する。
【0069】
この方法は、スリーブ90を近位シャフト20および遠位シャフト18の上に押圧することによって、プロセス140で形成された重ね連結部と入れ子構造になるようにするプロセス142に進むことができる。実施形態では、スリーブ90は、近位シャフト18の遠位縁部56および遠位シャフト18の近位縁部74で、近位シャフト20および遠位シャフト18を円周方向に取り囲む。
【0070】
この方法は、デバイス10にリフロープロセスを施すプロセス144に進むことができ、このプロセスの詳細は、124号出願に述べられている。
【0071】
この方法は、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117を提供するプロセス146に進むことができる。プロセス146は、いくつかのサブプロセスを含むことができる。1実施形態では、圧縮コイル114、116およびばねパック117は、限定はされないが例えば融合コイルピッチおよび非融合コイルピッチなど、複数のコイルピッチをその全長に沿って有するように事前に作成する。別の実施形態では、図8A図8Bに関連してさらに詳細に上述したように、ジャケットを、圧縮コイル114、116の融合する部分(125で示す)の上に滑り嵌めする。次いで、融合される部分(125)を伸長させて(融合コイルピッチを形成し)、加熱して、ジャケットの材料が溶融して個々のコイル部分同士の間に流入することによって、融合コイルピッチを保持するようにする。ジャケット材料を伸長したコイルの隙間に流入させることにより、(後の融合時に)近位シャフト20または遠位シャフト18の材料がコイルの隙間に落ち込んで、シンクホールを生じることを防止することができる。
【0072】
この方法は、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117をデバイス10に挿入するプロセス148に進むことができる。実施形態では、圧縮コイル114、116は、近位シャフト20内に配置され、遠位シャフト18の中にもわずかに延びることがある。実施形態では、ばねパック117は、遠位シャフト18内に配置される。
【0073】
この方法は、プルワイヤ24、25をデバイス10に挿入するプロセス150に進むことができる。実施形態では、プルワイヤ24、25は、近位シャフト20の1つまたは複数のルーメンを通って延び、(それぞれ)遠位シャフト18のルーメン80、82を通って延び、(それぞれ)圧縮コイル114、116を通って延び、また、プルワイヤ24は、ばねパック117を通って延びることができる(図8A参照)。
【0074】
この方法は、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の部分125を近位シャフト20および/または遠位シャフト18に融合するプロセス152に進むことができる。実施形態では、プロセス152は、エネルギー源を使用して部分125を選択的に加熱することを含む。1実施形態によれば、このような融合は、RFエネルギーを使用することによって実施される。限定はされないが例えば、RFエネルギー源は、デバイス10の周りの融合される領域に配置される。合焦したRFエネルギー(電磁場の形態である)は、非導電性の、非RF吸収性の材料(すなわち近位シャフト20および部材76の外側層46およびライナ48、編組み層86、ならびに遠位シャフト18の外側ジャケット88)を通過し、それにより導電性のRF吸収性の材料(すなわち圧縮コイル114、116およびばねパック117)を選択的に標的にする。RFエネルギーは、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117に電流を誘導し、それにより、これらの温度を上昇させる。その結果として、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の近傍の材料(例えば円筒形部材76のペレセン)が加熱され、溶融し、個々のコイル/ばねの部分の中および周囲に流れる。この材料を冷ますことにより、近位シャフト20および/または遠位シャフト18内に融合領域125が埋め込まれる、または融合される。プロセス152は、いかなる物理的接触も生じさせることなく、またいかなる穴もデバイス10に形成することなく、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117を近位シャフト20および/または遠位シャフト18に融合させることができる。さらに、プロセス152は、近位シャフト20の外側層46、ならびに遠位シャフト20の編組み層86および外側ジャケット88にいかなる物理的変化も生じさせることなく、融合を行うことができる。さらに、プロセス152は、非常に精密であり、容易に制御することができる(例えば±0.1インチ以内)。プロセス146、148、150は、デバイス10にリフロープロセスを施すプロセス152後に行われるものとして説明したが、当業者なら、他の実施形態によれば、これらのプロセスは、いくつかの異なる順序で行うことができることを理解するであろう。さらに、熱センサなど、デバイス10の他の導電性要素を、デバイス10内の1つまたは複数の層に融合する、または埋め込むこともできることを理解されたい。
【0075】
図10Aは、図9の方法の実施形態を説明する、図1の医療デバイスの遠位部分を示す概略図である。図10Bは、図10Aの医療デバイスの遠位部分の、線10B−10Bに沿ってとった断面図である。詳細には、図10Aおよび図10Bは、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の部分125を近位シャフト20および/または遠位シャフト18に融合するプロセス152の実施形態を示している。図示のように、RFエネルギーは、インテンシファイヤ156を備えるRFコイル154を使用して照射することができる。図10Bを参照すると、RFコイル154は、内径158を有する円形の形状とすることができる。内径158は、コイル154が、デバイス10と接触することなくデバイス10を円周方向に取り囲むことができるように、十分に大きくすることができる。当業者なら、他の実施形態によれば、様々な形状を有する他のRFツールを使用してRFエネルギー(または圧縮コイル114、116およびばねパック117を選択的に加熱する別のエネルギー)を照射することができることを理解するであろう。
【0076】
1実施形態では、デバイス10は、図9に関連して説明した方法を使用して作製される。別の実施形態では、デバイス10は、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の部分125を近位シャフト20および/または遠位シャフト18に融合するプロセス152を使用して作製されるが、上述の1つまたは複数の入れ子型の重ね連結部は含まない。さらに別の実施形態では、デバイス10は、1つまたは複数の入れ子型の重ね連結部を含むように作製されるが、圧縮コイル114、116および/またはばねパック117の部分125を近位シャフト20および/または遠位シャフト18に融合するプロセス152によって作製されるわけではない。当業者なら、デバイス10を機能させ、改良するのに、本明細書に開示するそれぞれの改良点は他の改良点にとって必要なものではないことを理解するであろう。
【0077】
以上、特定の実施形態についてのみ、特定の程度の具体性で説明したが、当業者なら、本開示の範囲を逸脱することなく、開示した実施形態に多数の改変を加えることができる。全ての方向に関する言及(例えば、プラス、マイナス、上、下、上向き、下向き、左、右、左方、右方、頂部、底部、上方、下方、垂直、水平、時計回り、および半時計回りなど)は、単に読者が本開示を理解するのを助ける識別目的で使用されているものに過ぎず、特に実施形態の位置、配向、または使用に関して制限を生じるものではない。連結に関する言及(例えば、取り付けられる、結合される、接続されるなど)は、広範に解釈すべきものであり、一続きの要素同士の間の中間部材、および要素間の相対的な動きを含むことができる。したがって、連結に関する言及は、必ずしも、2つの要素が、直接、互いに対して固定した関係で、接続/結合されることを意味しているとは限らない。さらに、「電気的に接続される」および「通信している」という用語は、有線および無線の両方の接続および通信を包含するように広範に解釈されるように意図されている。上記の説明に含まれる、または添付の図面に示される全てのものは、単なる例示として解釈すべきものであり、限定的に解釈すべきではないことも意図されている。本開示の趣旨を逸脱することなく、詳細または構造に変更を加えることができる。
【0078】
参照によりその全体または一部が本明細書に組み込まれると述べられている任意の特許、出版物、またはその他の開示文献は、組み込まれた文献が本開示に記載される既存の定義、記述、またはその他の開示内容に抵触しない程度でのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、必要な程度まで、本明細書に明示的に記載される本開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の抵触する文献に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると述べられているが、本明細書に記載される既存の定義、記述、またはその他の開示内容に抵触する任意の文献またはその一部は、その組み込まれる文献と既存の開示内容との間に抵触が生じない程度までのみ組み込まれることになる。
【0079】
1つまたは複数の特定の実施形態について図示し、説明したが、当業者なら、本教示の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることができることを理解するであろう。
以下は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
[項目1]
体内の組織の診断または処置を行う医療デバイスであって、
長手方向軸を含む第1のシャフトと、
前記第1のシャフト内に配置される第2のシャフトの軸方向端部を含む第2のシャフトとを備え、
前記第2のシャフトが、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトの間に形成される第1の入れ子型の重ね連結部によって、前記第1のシャフトに接続される、医療デバイス。
[項目2]
前記第2のシャフトが外側表面を含み、前記外側表面が、軸方向に延びる第1の外側段部を含み、前記第1の入れ子型の重ね連結部が、前記第2のシャフトの前記第1の外側段部に対応する、項目1に記載のデバイス。
[項目3]
前記第1のシャフトが、径方向に、前記第2のシャフトの前記第1の外側段部と重なり合う、項目2に記載のデバイス。
[項目4]
前記第1および第2のシャフトが、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトの間に形成される第2の入れ子型の重ね連結部によって接続され、前記第1のシャフトが、第1のシャフトの軸方向端部と、前記第1のシャフトの軸方向端部から軸方向に、径方向に延びる前記第1のシャフトの内側表面の内側縁部に延びる内側段部を有する第1のシャフトの内側表面とを含み、前記第2のシャフトの前記外側表面が、軸方向に延びる第2の外側段部をさらに含み、前記第2の入れ子型の重ね連結部が、前記第2のシャフトの前記第2の外側段部および前記第1のシャフトの前記内側段部に対応する、項目2に記載のデバイス。
[項目5]
前記第1のシャフトの前記内側段部が、径方向に、前記第2のシャフトの前記第2の外側段部と重なり合う、項目4に記載のデバイス。
[項目6]
前記第1のシャフトが、チューブの軸方向端部を有するチューブと、前記チューブの周りに配置された外側層とをさらに備え、前記外側層が、前記第1のシャフトの軸方向端部に対応する外側層の軸方向端部を備え、前記第1のシャフトの前記内側縁部が、前記チューブの軸方向端部と、前記外側層の軸方向端部から軸方向にずれており径方向に延びている外側層の内側縁部と、のうちの少なくとも1つに対応する、項目4に記載のデバイス。
[項目7]
前記外側層の内側縁部が、径方向に、前記チューブの軸方向端部と整列している、項目6に記載のデバイス。
[項目8]
前記第2のシャフトが、第1の径方向に延びる縁部と、第2の径方向に延びる縁部とをさらに含み、前記第1の外側段部が、前記第2のシャフトの軸方向端部から前記第1の径方向に延びる縁部に延び、前記第2の外側段部が、前記第1の径方向に延びる縁部から前記第2の径方向に延びる縁部に延びる、項目4に記載のデバイス。
[項目9]
前記第2のシャフトが、
前記第2のシャフトの軸方向端部から軸方向に延びる円筒形部材と、
前記円筒形部材の周りに配置され、前記第2のシャフトの前記第1の径方向に延びる縁部から軸方向に延びる編組み層と、
前記編組み層の周りに配置され、前記第2のシャフトの前記第2の径方向に延びる縁部から軸方向に延びる外側ジャケットとを備える、項目8に記載のデバイス。
[項目10]
前記第1および第2の入れ子型の重ね連結部が、前記長手方向軸の周りで円周方向に延びる、項目4に記載のデバイス。
[項目11]
前記第1のシャフトの前記外側層が、少なくとも部分的には前記第1の入れ子型の重ね連結部と入れ子構造になるように構成される、項目6に記載のデバイス。
[項目12]
前記第1のシャフトと前記第2のシャフトの間に配置される充填材をさらに備える、項目1に記載のデバイス。
[項目13]
前記第1のシャフトと前記第2のシャフトの間に配置される、前記第2の入れ子型の重ね連結部と少なくとも部分的には入れ子構造になるように構成されたスリーブをさらに備える、項目4に記載のデバイス。
[項目14]
体内の組織の診断または処置を行う医療デバイスであって、
第1のシャフトと、
第2シャフトと、
前記第1および第2のシャフトの少なくとも1つの中に配置された導電性要素とを備え、
前記第2のシャフトが、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトの間に形成される第1の入れ子型の重ね連結部によって、前記第1のシャフトに接続される、医療デバイス。
[項目15]
前記導電性要素が、前記第1のシャフトの内側表面および前記第2のシャフトの内側表面のうちの少なくとも1つに融合された融合部分を含む、項目14に記載のデバイス。
[項目16]
前記第1のシャフトが、遠位端部を含み、前記第2のシャフトが、前記第1のシャフトの前記遠位端部より遠位方向に延び、前記導電性要素が、少なくとも部分的には前記第2のシャフトの中に配置される、項目14に記載のデバイス。
[項目17]
前記導電性要素が、長手方向軸を有するばねパックである、項目14に記載のデバイス。
[項目18]
前記ばねパックが、融合コイルピッチを有する融合部分と、少なくとも1つの非融合コイルピッチを有する非融合部分とを含み、前記融合コイルピッチが、前記少なくとも1つの非融合コイルピッチより大きい、項目17に記載のデバイス。
[項目19]
前記ばねパックの前記融合部分が、前記ばねパックの第1の軸方向端部と第2の軸方向端部の間に配置されて、前記ばねパックが少なくとも1つの歪み解放ゾーンを含むようになっている、項目18に記載のデバイス。
[項目20]
医療デバイスを作製する方法であって、
シャフトの内側表面を有するシャフトを提供するステップと、
導電性要素を提供するステップと、
前記導電性要素を前記シャフト内に挿入するステップと、
前記導電性要素の少なくとも一部分を前記シャフトの内側表面に融合して、融合領域を形成するステップとを含み、
前記導電性要素の少なくとも一部分を融合するステップが、エネルギー源を使用して前記導電性要素の前記部分を選択的に加熱するステップを含む、方法。
[項目21]
前記シャフトが、非導電性材料で構成され、前記導電性要素の前記部分を選択的に加熱するステップが、前記シャフトを通して前記導電性要素の前記部分にエネルギーを送るステップを含む、項目20に記載の方法。
[項目22]
前記エネルギーが、電磁場の形態である、項目21に記載の方法。
[項目23]
前記エネルギー源が、RFエネルギー源であり、前記導電性要素の前記部分を選択的に加熱するステップが、前記導電性要素の前記部分に電流を誘導するステップを含む、項目20に記載の方法。
[項目24]
前記導電性要素の前記部分を融合するステップが、前記導電性要素の前記部分を選択的に加熱することによって前記シャフトの内側表面の一部分を加熱して前記融合領域を形成するステップをさらに含む、項目20に記載の方法。
[項目25]
前記導電性要素を提供するステップが、
前記導電性要素の前記部分の上にジャケットを滑り嵌めするステップと、
前記ジャケットを前記導電性要素の前記部分に融合するステップとを含む、項目20に記載の方法。
[項目26]
前記導電性要素が、コイルピッチを有するばねパックであり、前記ジャケットを融合するステップが、前記導電性要素の前記部分を伸長させて伸長コイルピッチを形成するステップを含む、項目25に記載の方法。
[項目27]
前記ジャケットを融合するステップが、前記導電性要素の前記部分を加熱するステップをさらに含む、項目26に記載の方法。
[項目28]
前記ジャケットを融合するステップが、前記ジャケットを冷却して、前記導電性要素の前記部分の前記伸長コイルピッチを維持するステップをさらに含む、項目27に記載の方法。
[項目29]
前記シャフトが、近位シャフトおよび遠位シャフトを含み、前記方法が、前記近位シャフトと前記遠位シャフトの間に入れ子型の重ね連結部を形成することによって前記近位シャフトと前記遠位シャフトとを接続するステップをさらに含む、項目20に記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B