(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、スポーツブラに関して、特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、ブラジャーの種々異なる領域に於いて必要となる伸張性領域、非伸張性領域、補強領域を利用して個人的なフィット感を提供することを課題とし、着用者の乳房を覆うための前面部分と、着用者の肋骨の周囲にフィットさせるための背面部分とを有する運動用ブラジャーであって連続して形成されたリブバンドと、1対の肩ストラップと、着用者の乳房を包囲するブラジャーの前面構造体とを含む、フレーム部分と、前記前面構造体に取り付けられるとともに着用者の乳房を包み込むよう構成された成形カップとを含み、前記前面構造体は、前記成形カップの頂部境界部を形成する頂部締付けストラップを含み、前記頂部締付けストラップは、前記成形カップの間を下方に伸びて、前記リブバンドの前面中央部分に取付けられて着用者の乳房を分離する垂直脚部を有し、前記頂部締付けストラップは、前記成形カップから分離した部材であることを要件とすることで解決している。
【0003】
特許文献1は、胸の揺れを軽減してブラジャーのズレを防ぐために設けられた頂部締付けストラップによって胸を固定することは可能だが、胸をつぶして固定させている状態なので、胸の形が崩れてしまい、着用性において優れていないという問題があった。
【0004】
他に特許文献2にも、運動によって起こる捲り上がり等による、着崩れ防止を図ったスポーツ用ハーフトップを提供することを課題とし、着用者の胸部を被覆する胸被覆部と、該胸被覆部から背中側に連続して着用者の胸部横および脇下を被覆する一対の脇部と、該脇部より背後に連続して着用者の背中を被覆するバック部と、該脇部より背後に連続して着用者の背中中心部を被覆する後身頃と、着用者の肩に配置される一対の肩紐とを備えたスポーツ用ハーフトップであって、前記後身頃は略逆Y字状に形成され、その両端部がバック部の一部と重なり合って、さらに、後身頃の下辺部とバック部の中央上辺部の間に着用者の肌を露出せしめる開口部を形成したことを要件とすることで解決している。
【0005】
特許文献2は、バック部が後身頃の上部に取り付けられていることによって、体とバック部の接触面積が少なくなり、ブラジャー本体が人体の動きによってズレやすいため、着用性に優れていないという欠点があった。
【0006】
叙述のように、従来のスポーツブラは、胸をつぶして固定させる構造のため、胸の形を崩してしまうという欠点と、運動時にブラジャー本体が人体の動きによってズレやすいという欠点があった。
つまり、人体の動きによるスポーツブラのズレを防ぐ構成を設けることで、着用性が優れないという欠点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のスポーツブラ(とりわけ、特許文献1のもの)には、人体の動きによるスポーツブラのズレを防ぐ構成を設けることで、着用性が優れないという欠点がある。
つまり、スポーツブラのズレ防止と、着用性の向上の両立が難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、人体の動きによるスポーツブラのズレを防ぐ構成を設けることで、着用性が優れないという欠点を解消することを目的とするものである。
【0010】
本発明の第1の態様は、左右1対のカップ部、
左右1対のカップ部を覆う胸部被覆布、カップ部の下部に位置するカップ台、左右2本の肩紐、及びアクションカバー布を有するスポーツブラであって、カップ台の前中心の一部にはアンダーパネルが設けられており、アンダーパネルの中央部にアクションカバー布を固定するための調節スロットが取り付けられ、アクションカバー布は横幅部とこの横幅部の中央から垂下する垂下部からなる略T字状の形状をしており、横幅部は左右カップ部の上部を覆うように設けられ、アクションカバー布の横幅部の左右両端部それぞれは
胸部被覆布の上端部の上に積層されており、胸部被覆布の上端部は左右1対のカップ部の夫々の上端部の上に積層されており、アクションカバー布の横幅部の左右両端部、胸部被覆布の上端部、及び左右1対のカップ部の夫々の上端部は互いに積層された状態で左右2本の肩紐の一端に一体的に縫合され、
アクションカバー布の横幅部の左右上縁部それぞれは胸部被覆布の上縁部の上に積層されており、胸部被覆布の上縁部は左右1対のカップ部の夫々の上縁部の上に積層されており、アクションカバー布の横幅部の左右上縁部、胸部被覆布の上縁部、及び左右1対のカップ部の夫々の上縁部は互いに積層された状態で縫合されており、アクションカバー布は、アクションカバー布の横幅部の左右両端部及び左右上縁部以外の他の部分は縫合されておらず、独立した状態で遊離しており、アクションカバー布の垂下部の最下点には調節スロットと係合するためのフックが取り付けられていることを特徴とす
るスポーツブラに関する。
【0011】
【0012】
【0013】
本発明の第
2の態様は、アクションカバー布はバストボリュームに合わせて調節可能に取り付けられていることを特徴とする請求項
1に記載のスポーツブラに関する。
【0014】
本発明の第
3の態様は、アンダーパネルは非伸縮性素材からなることを特徴とする請求項
1または2に記載のスポーツブラに関する。
【0015】
【0016】
本発明の第
4の態様は、胸部被覆布、カップ台、
及びアクションカバー
布は伸縮性素材からなることを特徴とする請求項
1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスポーツブラに関する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1によれば、左右1対のカップ部、
左右1対のカップ部を覆う胸部被覆布、カップ部の下部に位置するカップ台、左右2本の肩紐、及びアクションカバー布を有するスポーツブラであって、カップ台の前中心の一部にはアンダーパネルが設けられており、アンダーパネルの中央部にアクションカバー布を固定するための調節スロットが取り付けられ、アクションカバー布は横幅部とこの横幅部の中央から垂下する垂下部からなる略T字状の形状をしており、横幅部は左右カップ部の上部を覆うように設けられ、アクションカバー布の横幅部の左右両端部それぞれは
胸部被覆布の上端部の上に積層されており、胸部被覆布の上端部は左右1対のカップ部の夫々の上端部の上に積層されており、アクションカバー布の横幅部の左右両端部、胸部被覆布の上端部、及び左右1対のカップ部の夫々の上端部は互いに積層された状態で左右2本の肩紐の一端に一体的に縫合され、
アクションカバー布の横幅部の左右上縁部それぞれは胸部被覆布の上縁部の上に積層されており、胸部被覆布の上縁部は左右1対のカップ部の夫々の上縁部の上に積層されており、アクションカバー布の横幅部の左右上縁部、胸部被覆布の上縁部、及び左右1対のカップ部の夫々の上縁部は互いに積層された状態で縫合されており、アクションカバー布は、アクションカバー布の横幅部の左右両端部及び左右上縁部以外の他の部分は縫合されておらず、独立した状態で遊離しており、アクションカバー布の垂下部の最下点には調節スロットと係合するためのフックが取り付けられていることを構成要件としていることから、以下のような効果を奏する。
【0018】
カップ部と独立してアクションカバー布が設けられていることで、より適度に胸を保形しながら、ブラジャーのズレを防止し、胸の揺れを軽減する防振性に優れ、更に着用時の圧迫感を軽減するという優れた効果を奏する。
【0019】
アクションカバー布が調節スロットによって、自由に調節することができるので、一般的なブラジャーのように胸の形状を整えて、胸の形を崩さない等の胸の造形力をもつ胸部サポート性に優れた効果を奏する。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
アクションカバー布の横幅部の左右両端部それぞれがカップ部と胸部被覆布と肩紐に一体的に縫合されているので、アクションカバー布だけが下に引っ張られることなく、スポーツブラ全体で人体の動きによるズレを抑制できるという優れた効果を奏する。
【0026】
アクションカバー布の左右両端部と左右上縁部の2箇所で縫合されていることで、左右両端部はアクションカバー布に水平方向にかかる力を受けて分散させ、左右上縁部は垂直方向にかかる力を受けて分散させることで、胸の揺れによるアクションカバー布の動きを抑え、体に固定させることができるという優れた効果を奏する。
【0027】
本発明の請求項
2によれば、アクションカバー布はバストボリュームに合わせて調節可能に取り付けられていることを構成要件としていることから、以下のような効果を奏する。
【0028】
従来、スポーツブラはバストボリュームを調節できる構成ではなかったが、アクションカバー布でバストボリュームに合わせて調節ができることによって、カップ毎の胸の形を損なわずに、個体差に合わせて調節でき、更に胸の揺れを軽減させるという優れた効果を奏する。
【0029】
運動時には胸の揺れ等を防ぐために、アクションカバー布を調節して胸の締め付け力を強くし、日常生活において使用する際には、着用者のサイズに適した締め付け力に合わせて調節できる。
運動時に限定することなく、使用する状況に合わせて、胸の締め付け力を自由に調節できるという優れた効果も奏する。
【0030】
本発明の請求項
3によれば、アンダーパネルは非伸縮性素材からなることを構成要件としていることから、アンダーパネルに取り付けられた調節スロットをアクションカバー布の動きに追随しないように、強固に固定することができ、保持安定性を向上させるという優れた効果を奏する。
【0031】
【0032】
本発明の請求項
4によれば、胸部被覆布、カップ台、
及びアクションカバー
布は伸縮性素材からなることを構成要件としていることから、人体の様々な動きに対して伸縮性を発揮するため、スポーツブラの融通性(追随性)を高めるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係るスポーツブラについて、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るスポーツブラの前面図である。
図3は
図1のスポーツブラを着用者の周方向に展開した図である。
図4は
図1のアクションカバー布の拡大図である。
図5は
図1のアクションカバー布の縫合箇所を示す前面図である。
【0035】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るスポーツブラ(1)は、前面部において左右1対のカップ部(2A,2B)、この左右1対のカップ部(2A,2B)を覆う胸部被覆布(3)、左右1対のカップ部(2A,2B)の下部に位置するカップ台(4)、左右2本の肩紐(6A,6B)、及びアクションカバー布(7)を有する。
【0036】
左右1対のカップ部(2A,2B)のそれぞれの上端部
(2A1,2B1)は、胸部被覆布(3)の上端部
(3A)、左右2本の肩紐(6A,6B)の一端
(6A1,6B1)、及びアクションカバー布(7)の横幅部(7A)の左右両端部
(7A1)と一体的に縫合されている。また、左右1対のカップ部(2A,2B)の下縁部は胸部被覆布(3)の下縁部、及びカップ台(4)の上縁部に縫合されている。
【0037】
胸部被覆布(3)は、左右1対のカップ部(2A,2B)にぴったり沿うように形成し、カップ部(2)全体を一面的に覆うように配置している。
胸部被覆布(3)のそれぞれの上端部
(3A)は、左右1対のカップ部(2A,2B)の上端部
(2A1,2B1)、左右2本の肩紐(6A,6B)の一端
(6A1,6B1)、及びアクションカバー布(7)の横幅部(7A)の左右両端部
(7A1)と一体的に縫合されている。胸部被覆布(3)の下縁部は左右1対のカップ部(2A,2B)の下縁部、及びカップ台(4)の上縁部に縫合されている。
【0038】
本件スポーツブラ(1)では、胸部被覆布(3)がカップ部(2)を一面的に覆うように形成し、更にカップ部(2)の周縁部にのみ縫合されている(つまり周縁部以外、例えば中央部分は縫合されていない)。
カップ部(2)自体が揺れたとき、胸部被覆布(3)はカップ部(2)の動きに追随しないため、胸部被覆布(3)はカップ部(2)の乳房の揺れを抑制することができる。
【0039】
胸部被覆布(3)がカップ部(2)と重なって二重構成されることで乳房を保形するカップ部(2)の強度が増し、バストサイズに関係なく十分に保持でき、胸への接触圧が強くなり、乳房が上下左右に揺れるのを抑制することができる。
胸部被覆布(3)は伸縮性素材であれば特に限定はしないが、乳房の揺れを軽減する防振性を高めるためには、縦横両方向に自在に伸縮する素材を用いることが好ましい。
【0040】
カップ台(4)はその上縁部がカップ部(2)の下縁部の形状と同様に湾曲しており、カップ部(2)の下部に位置し、カップ部(2)の下縁部に縫合されている。
カップ台(4)に用いられる素材は特に限定されないが、カップ部(2)の融通性(追随性)を高めるためには、縦横両方向に自在に伸縮する素材を用いることが好ましい。
本件スポーツブラ(1)全体が縦横両方向の伸縮性に優れているので、装着感に不自然感がなく、容易に体に馴染むものである。
【0041】
アンダーパネル(5)はカップ台(4)の前中心の一部に設けられており、アンダーパネル(5)の中央部にアクションカバー布(7)を固定するための調節スロット(9)が取り付けられている。
アンダーパネル(5)に用いられる素材は特に限定されないが、アンダーパネル(5)に取り付けられた調節スロット(9)をアクションカバー布(7)の動きに追随させず、強固に固定させるために、非伸縮性素材を用いる。アンダーパネル(5)を非伸縮性素材にすることによって、保持安定性を向上させる。
【0042】
左右2本の肩紐(6A,6B)の一端
(6A1,6B1)は、左右2枚のカップ部(2A,2B)の上端部
(2A1,2B1)、胸部被覆布(3)の上端部
(3A)、及びアクションカバー布(7)の左右両端部
(7A1)に一体的に縫合されている。
左右2本の肩紐(6A,6B)に用いられる素材は特に限定されないが、融通性(追随性)を高めるために、縦方向に伸縮する素材を用いることが好ましい。例えば、紐状の身生地で構成されたものもあれば、テープ状のものもある。
【0043】
アクションカバー布(7)は、横幅部(7A)と、この横幅部(7A)の中央から垂下する垂下部(7B)とからなり、略T字状の形状をしている。
アクションカバー布(7)の横幅部(7A)が左右カップ部の上部を覆うように形成されていることで、より確実に乳房の揺れを抑制する効果を発揮する。また、アクションカバー布(7)の垂下部(7B)の最下点には調節スロット(9)と係合するためのフック(8)が取り付けられている(
図4参照)。
T字状の部材については、アクションカバー布(7)の横幅部(7A)に角度を付けて、Y字状のように形成した場合も同様、又は類似する効果が得られる為、T字状の上部の角度をある程度調節したものもT字状と言えるものとする。
【0044】
図4及び
図5を参照すると、アクションカバー布(7)の横幅部(7A)の左右両端部のそれぞれは、左右1対のカップ部(2A,2B)の上端部、胸部被覆布(3)の上端部、及び左右2本の肩紐(6A,6B)の一端
(6A1,6B1)に一体的に縫合されている。
アクションカバー布(7)の横幅部(7A)の左右上縁部
(7A2)を左右2枚のカップ部(2A,2B)の上縁部
(2A2,2B2)、及び胸部被覆布(3)の上縁部
(3B)で縫合されているが、他の部分は縫合されておらず、独立した状態で遊離している。
【0045】
乳房は、揺れや重力等の外部からの刺激により乳房を支持する力が低下する。このため、加齢に伴い乳房全体が下垂する。
この乳房の下垂を防ぐためには、カップ部(2)と乳房との間に形成される隙間を無くす必要がある。このカップ部(2)と乳房の間の隙間が大きい程、着用者が運動したときの乳房の揺れは大きくなる。そこで、アクションカバー布(7)を設けることによって、カップ部(2)と乳房との間に形成される隙間を小さくする。これにより、乳房がカップ部(2)に固定されるため、揺れを抑制することが可能となる。
【0046】
アクションカバー布(7)は振動に応じて、伸縮を変化させて締め付けるので、圧迫感を緩和することができる。アクションカバー布(7)はカップ部(2)、及び胸部被覆布(3)とは独立しているため、融通性(追随性)を高め、より適切な締め付け力で胸を保形することができる。
アクションカバー布(7)が調節スロット(9)で締め付け力を着用者の胸の形及び大きさに対応して自由に調節することができるので、着用者に合わせて、個人に合うフィット感や、快適さ、締め付け度を提供することができる。
【0047】
アクションカバー布(7)でバストボリュームに合わせて調節ができることによって、カップ毎の胸の形を損なわずに、個体差に合わせて調節でき、更に胸の揺れを軽減させるという優れた効果を発揮することができる。
【0048】
アクションカバー布(7)に用いられる素材は特に限定されないが、乳房の揺れを軽減する防振性を高めるためには、縦横両方向に自在に伸縮する素材を用いることが好ましい。また、メッシュ素材を用いることにより、ブラジャーの通気性を高め、肌当たりを良くして、着用感を向上させることもできる。
アクションカバー布(7)の裏面の一部に縦に伸びにくいパワーネット等を張り合わせることで、アクションカバー布(7)の伸びを抑制し、垂下部(7B)の最下点に取り付けられたフック(8)の調節部分が伸びきってしまうことを防ぐこともできる。
【0049】
フック(8)は、調節スロット(9)と係合するためにアクションカバー布(7)の垂下部(7B)の最下点に取り付けられている。
フック(8)の形状は、調節スロット(9)に係合可能な水平方向を有する部材を使用する。例えば、広く用いられているZカンを使用する。
【0050】
フック(8)を調節スロット(9)に係合させて段階的に締め付け力を合わせることができるので、バストボリュームに合わせて調節することができる。
フック(8)にZカンを使用することで、様々な運動の上下の揺れに合わせて調節しやすく、本件スポーツブラ(1)を着用した状態でアクションカバー布(7)の調節が可能であるため、状況に合わせて強く引いたり、緩めたり自由に調節しやすい構造である。
【0051】
調節スロット(9)は、アンダーパネル(5)の中央部にアクションカバー布(7)を固定するために取り付けられている。
調節スロット(9)の形状は、水平方向を有する縦方向に並ぶ複数の筒状部材を有するものであれば、特に限定はしない。
アクションカバー布(7)の垂下部(7B)の最下点に取り付けられたフック(8)を異なる高さで係合させて、調節をしている。
【0052】
本件スポーツブラ(1)では調節スロット(9)によって段階的に締め付け力を合わせることができる。
例えば、トップバストの位置が高い人は、アクションカバー布(7)を調節スロット(9)の下段に係合し、アクションカバー布(7)の締め付け力を強めることで、カップ部(2)の位置を着用者の実際のトップバストの位置に合わせることができ、逆に低い位置にトップバストがある着用者は、アクションカバー布(7)を調節スロット(9)の上段に係合し、アクションカバー布(7)の締め付け力を緩めることで、カップ部(2)とトップバストの位置を合わせることが可能になる。
更に、本件スポーツブラ(1)を着用した状態で、アクションカバー布(7)の調節が可能であるため、状況に合わせて強く引いたり、緩めたり自由に調節しやすい構造である。
【0053】
叙述のように、スポーツブラの前面部の構成(請求項1記載)のみを採用し、背面部が他の構成であっても、本発明の人体の動きを妨げず、着用性に優れた効果を十分に発揮することができる。
【0054】
図2は
図1の背面図である。
図3は
図1のスポーツブラを着用者の周方向に展開した図である。
図6は本発明の他の実施形態に係るスポーツブラの背面図である。
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る本件スポーツブラは、背面部において後身頃上部(10)、後身頃下部(11)、及び左右2本の肩紐(6A,6B)を有する。
【0055】
後身頃上部(10)は、右カップ台(4A)の右側部、左カップ台(4B)の左側部に向かって連続し、後身頃上部(10)の中央下辺部は略逆U字状に形成されている。
後身頃上部(10)に用いられる素材は特に限定されないが、融通性(追随性)を高めるためには、縦横両方向に自在に伸縮する素材を用いることが好ましい。
【0056】
後身頃上部(10)の左右上端部のそれぞれに左右2本の肩紐(6A,6B)が縫合されている。
後身頃上部(10)の右側上縁部の一部と後身頃下部(11)の右側上縁部、後身頃上部(10)の右側下縁部と後身頃下部(11)の右側下縁部の一部がそれぞれ縫合され、後身頃上部(10)の左側上縁部の一部と後身頃下部(11)の左側上縁部、後身頃上部(10)の左側下縁部と後身頃下部(11)の左側下縁部の一部もそれぞれ縫合されている。
【0057】
叙述のように、後身頃上部(10)の一部が後身頃下部(11)と重ね合わせ、上縁部と下縁部では縫合されているが中央部分では振りはなされている構成のため、後身頃上部(10)は腕を上げたり、腕を回したりするときの上下の動きに追随する。
人体の動きを妨げることなく、体全体の運動に追随し、ズレを防ぐことができ、特にスポーツやフィットネス等の運動時により効果を発揮する。
【0058】
後身頃下部(11)の一端は右カップ台の右側部、他端は左カップ台の左側部とそれぞれ縫合されている。
後身頃下部(11)の右側上縁部と後身頃上部(10)の右側上縁部の一部、後身頃下部(11)の右側下縁部の一部と後身頃上部(10)の右側下縁部がそれぞれ縫合され、後身頃下部(11)の左側上縁部と後身頃上部(10)の左側上縁部の一部、後身頃下部(11)の左側下縁部の一部と後身頃上部(10)の左側下縁部もそれぞれ縫合されている。
【0059】
叙述のように、後身頃下部(11)が後身頃上部(10)の一部と重ね合わせ、上縁部と下縁部では縫合されているが中央部分では振りはなされている構成のため、後身頃下部(11)は腰を捻ったりする左右の動きに追随する。
人体の動きを妨げることなく、体全体の運動に追随し、ズレを防ぐことができ、特にスポーツやフィットネス等の運動時により効果を発揮する。
【0060】
後身頃下部(11)に用いられる素材は特に限定されないが、融通性(追随性)を高めるためには、縦横両方向に自在に伸縮する素材を用いることが好ましい。また、メッシュ素材を用いることにより、ブラジャーの通気性を高め、肌当たりを良くして、着用感を向上させることもできる。
【0061】
後身頃上部(10)、及び後身頃下部(11)が別体として設けられていることによって、スポーツブラ本体を広げることができるので、着脱しやすくなる。
【0062】
開口部(12)は、後身頃上部(10)の中央下辺部と後身頃下部(11)の中央上辺部の間に形成されている。
本件スポーツブラ(1)の背面に開口部(12)を設けることにより、運動によって起こる背中側の伸びや収縮に対して、スポーツブラ(1)を固定したまま保持することができる。
開口部(12)によって、スポーツブラ(1)の通気性を確保し、着用感を向上させる。
【0063】
他の実施形態に係る本件スポーツブラ(1)は、後身頃下部(11)が右後身頃下部(13)と左後身頃下部(14)から構成されたものである。
【0064】
図6を参照すると、右後身頃下部(13)の一端は右カップ台の右側部、左後身頃下部(14)の一端は左カップ台の左側部とそれぞれ縫合され、右後身頃下部(13)と左後身頃下部(14)のそれぞれの他端にはフックアイ(15)が設けられている。
右後身頃下部(13)の上縁部と後身頃上部(10)の右側上縁部の一部、右後身頃下部(13)の下縁部の一部と後身頃上部(10)の右側下縁部がそれぞれ縫合され、左後身頃下部(14)の上縁部と後身頃上部(10)の左側上縁部の一部、左後身頃下部(14)の下縁部の一部と後身頃上部(10)の左側下縁部もそれぞれ縫合されている。
【0065】
叙述のように、右後身頃下部(13)と左後身頃下部(14)が後身頃上部(10)の一部と重ね合わせ、上縁部と下縁部では縫合されているが中央部分では振りはなされている構成のため、右後身頃下部(13)と左後身頃下部(14)は腰を捻ったりする左右の動きに追随する。
人体の動きを妨げることなく、体全体の運動に追随し、ズレを防ぐことができ、特にスポーツやフィットネス等の運動時により効果を発揮する。
【0066】
右後身頃下部(13)と左後身頃下部(14)に用いられる素材は特に限定されないが、融通性(追随性)を高めるためには、縦横両方向に自在に伸縮する素材を用いることが好ましい。また、メッシュ素材を用いることにより、ブラジャーの通気性を高め、肌当たりを良くして、着用感を向上させることもできる。
【0067】
後身頃上部(10)、右後身頃下部(13)、及び左後身頃下部(14)が別体として設けられていることによって、スポーツブラ本体を広げることができるので、着脱しやすくなる。
【0068】
フックアイ(15)は、右後身頃下部(13)と左後身頃下部(14)の一端にそれぞれ設けられている。
フックアイ(15)を強くしたり、緩めたりすることができる構造なので、着用者のアンダーサイズに合わせて調節することができる。
着脱の際、摩擦や汗等によって肌から離れにくくなり、着脱しにくいが、右後身頃下部(13)と左後身頃下部(14)にフックアイ(15)を設けていることにより、スポーツブラ本体を広げることができるので、着脱しやすくなる。
【0069】
右後身頃下部(13)と左後身頃下部(14)を係合できるものであれば、用いられる部材は特に限定しない。例えば、
図6のようにフックアイ(15)を使用して右後身頃下部(13)と左後身頃下部(14)を係合かつ調節できるものが好ましい。
【0070】
叙述のように、スポーツブラの背面部の構成(請求項2記載)のみを採用し、前面部が他の構成であっても、本発明の人体の動きを妨げず、着用性に優れた効果を十分に発揮することができる。
【解決手段】 左右1対のカップ部、カップ部を覆う胸部被覆布、カップ部の下部に位置するカップ台、左右2本の肩紐、及びアクションカバー布を有するスポーツブラであって、カップ台の前中心の一部にアンダーパネルが設けられており、アンダーパネルの中央部にアクションカバー布を固定する調節スロットが取り付けられ、アクションカバー布は横幅部とこの横幅部の中央から垂下する垂下部からなる略T字状の形状で、横幅部はカップ部の上部を覆うように設けられ、アクションカバー布の横幅部の左右両端部それぞれは左右2枚のカップ部の上端部、胸部被覆布の上端部、及び左右2本の肩紐の一端に一体的に縫合され、アクションカバー布の垂下部の最下点には調節スロットと係合するフックが取り付けられたスポーツブラ。