特許第6263314号(P6263314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263314
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】バイラテラルに拡張する椎体間固定装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   A61F2/44
【請求項の数】25
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-516263(P2017-516263)
(86)(22)【出願日】2015年6月4日
(65)【公表番号】特表2017-516638(P2017-516638A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】US2015034181
(87)【国際公開番号】WO2015187937
(87)【国際公開日】20151210
【審査請求日】2016年12月14日
(31)【優先権主張番号】62/007,500
(32)【優先日】2014年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516363075
【氏名又は名称】ヴェンツェル スパイン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】エムスタッド,エリック
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−505081(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/222100(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/253201(US,A1)
【文献】 特表2015−514514(JP,A)
【文献】 特開2005−137418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎間スペーシングインプラントシステムであって、
第1の側端を有する第1の座部と、
前記第1の座部の前記第1の側端に結合され、前記第1の座部から離れる第1の横方向に延在する複数の第1の分岐部であって、前記第1の座部及び前記第1の分岐部は第1の内部容積を画定する第1のケージを形成し、各第1の分岐部は第1の内側面及び第1の外側面を有する、第1の分岐部と、
前記第1のケージに嵌合し、スペーサ前進器具の推進によって前記第1の横方向へ移動するように構成された第1のスペーサであって、前記第1のスペーサ及び前記第1のケージは、前記第1のスペーサが前記第1の横方向に推進されるときに、1つ又は複数の第1の分岐部が非拡張位置から拡張位置へ移動するように構成されている、第1のスペーサと、
1つ又は複数の第1の分岐部の前記第1の内側面に形成され、前記第1のスペーサを前記第1の分岐部の第1の側端近傍で可逆的に固定するように構成されている1つ又は複数の第1のショルダと、を備え、
前記第1のスペーサが前記1つ又は複数の第1のショルダによって固定されているとき、前記第1の座部の前記第1の側端と前記第1のスペーサとの間の前記第1の内部容積は、リンク手段に占められておらず、
前記椎間スペーシングインプラントシステムはさらに、
第2の側端を有する第2の座部と、
前記第2の座部の前記第2の側端に結合され、前記第2の座部から離れる第2の横方向に延在する複数の第2の分岐部であって、前記第2の座部及び前記第2の分岐部は第2の内部容積を画定する第2のケージを形成し、各第2の分岐部は第2の内側面及び第2の外側面を有する、第2の分岐部と、
前記第2のケージに嵌合し、前記スペーサ前進器具の推進によって前記第2の横方向へ移動するように構成された第2のスペーサであって、前記第2のスペーサ及び前記第2のケージは、前記第2のスペーサが前記第2の横方向に推進されるときに、1つ又は複数の第2の分岐部が非拡張位置から拡張位置へ移動するように構成されている、第2のスペーサと、
1つ又は複数の第2の分岐部の前記第2の内側面に形成され、前記第2のスペーサを前記第2の分岐部の第2の側端近傍で可逆的に固定するように構成されている1つ又は複数の第2のショルダと、を備え、
前記第2のスペーサが前記1つ又は複数の第2のショルダによって固定されているとき、前記第2の座部の前記第2の側端と前記第2のスペーサとの間の前記第2の内部容積は、リンク手段に占められておらず、
前記第1の座部、前記第2の座部、前記第1の分岐部、及び、前記第2の分岐部はすべて互いに一体的に形成されている、椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項2】
前記第1の分岐部及び第2の分岐部が非拡張位置にあるとき、前記第1のケージ及び第2のケージそれぞれの外側の全体形状は、円筒形及び略円筒形のうちの少なくとも1つであり、
前記第1の分岐部及び前記第2の分岐部が拡張位置にあるとき、前記第1のケージ及び前記第2のケージの外側の全体形状は円すい台形であり、前記第1の座部及び前記第2の座部からそれぞれ広がっている、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項3】
前記スペーサ前進器具は、前記スペーサ前進器具の一部の回転に応じて、前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサを前記第1の横方向及び第2の横方向に同時に前進させるように構成される、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項4】
前記スペーサ前進器具は、前記スペーサ前進器具の一部の回転に応じて、前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサを非同期的に同時に横方向に前進させるように構成される、
請求項3に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項5】
前記第1のケージ及び前記第2のケージは、直接側方椎体間固定(DLIF)ケージを含む、
請求項3に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項6】
各第1の分岐部の前記第1の内側面及び各第2の分岐部の前記第2の内側面は、滑らかでねじ切りされていない、
請求項5に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項7】
長軸が第1の横方向及び前記第2の横方向に沿って前記第1のケージ及び前記第2のケージ内の中心に延び、
前記第1のスペーサが前記1つ又は複数の第1のショルダによって固定されたときに、前記第1の分岐部のうちの1つの第1の分岐部が前記長軸に直交する第1の距離だけ半径方向に撓み、
前記第1のスペーサが前記1つ又は複数の第1のショルダによって固定されたときに、前記第1の分岐部のうちの別の第1の分岐部が、前記長軸に直交する第2の距離だけ半径方向に撓む、
前記第1の距離は前記第2の距離と等しくない、請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項8】
前記第1の分岐部のうちの追加の第1の分岐部が、前記1つの第1の分岐部と前記別の第1の分岐部との間に配置される、
請求項7に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項9】
前記第1の座部及び前記第2の座部のそれぞれが、前記長軸に直交する平面内において、実質的に円筒形の断面外形を含む、
請求項7に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項10】
前記第1の分岐部は、前記第1のスペーサが前記第1の横方向に推進されたときに非拡張位置から拡張位置に移動し、さらに前記1つ又は複数の第1のショルダを備え、
前記第1のスペーサは、当該第1のスペーサを前記スペーサ前進器具に取り外し可能に結合する第1のコネクタを備え、
前記第2の分岐部は、前記第2のスペーサが前記第2の横方向に推進されたときに非拡張位置から拡張位置に移動し、さらに前記1つ又は複数の第2のショルダを備え、
前記第2のスペーサは、当該第2のスペーサを前記スペーサ前進器具に取り外し可能に結合する第2のコネクタを備えた、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項11】
前記第1の分岐部は、インプラントの双方向の拡張を可能にするように構成され、前記第2の分岐部は、インプラントの双方向の拡張を可能にするように構成される、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項12】
前記第1のケージの前記第1の内部容積から前記第1の座部を通って前記第2の座部へ延在し、前記スペーサ前進器具が通過できるように構成された第1のオリフィスと、
前記第2のケージの前記第2の内部容積から前記第2の座部を通って前記第1の座部へ延在し、前記スペーサ前進器具が通過できるように構成された第2のオリフィスとを含む、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項13】
プラグを備え、前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサの少なくとも1つが、前記プラグと密封的に嵌合するように構成されたオリフィスを含む、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項14】
前記第1の内部容積の少なくとも一部は、前記第1の分岐部が非拡張位置にあるときに、円すい台形状であり、
前記第2の内部容積の少なくとも一部は、前記第2の分岐部が非拡張位置にあるときに、円すい台形状である、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項15】
前記第1の分岐部の第1の最も外側のエッジ部分は、前記第1のスペーサが前記1つ又は複数の第1のショルダによって固定されていないときに第1の非拡張高さを有し、前記第1のスペーサが前記1つ又は複数の第1のショルダによって固定されているときに第1の拡張高さを有し、
前記第2の分岐部の第2の最も外側のエッジ部分は、前記第2のスペーサが前記1つ又は複数の第2のショルダによって固定されていないときに第2の非拡張高さを有し、前記第2のスペーサが前記1つ又は複数の第2のショルダによって固定されているときに第2の拡張高さを有し、
前記第1の座部は第1の座部高さを有し、
前記第1の座部高さは、(a)前記第1の非拡張高さ及び前記第2の非拡張高さよりも大きく、(b)前記第1の拡張高さ及び前記第2の拡張高さよりも小さい、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項16】
前記第1の座部は、前記第2の座部と前記第1の側端との間に1つ又は複数の第1の平坦な表面を備え、
前記第2の座部は、前記第1の座部と前記第2の側端との間に1つ又は複数の第2の平坦な表面を備える、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項17】
前記第1のスペーサの周囲の第1の内側縁はテーパ状であり、
前記第2のスペーサの周囲の第2の内側縁はテーパ状である、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項18】
前記第1の座部及び前記第1の分岐部は一体構造を形成し、
前記第2の座部及び前記第2の分岐部は第2の一体構造を形成する、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項19】
2つの前記第1の分岐部が、グラフト材料と椎骨との間の固定を可能にするように構成された第1のスロットを部分的に画定し、
2つの前記第2の分岐部が、グラフト材料と椎骨との間の固定を可能にするように構成された第2のスロットを部分的に画定する、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項20】
前記第1の座部、前記第1のスペーサ、及び、前記2つの第1の分岐部は、前記1つ又は複数の第1の分岐部が拡張位置にあるときに、前記第1のスロットを画定し、
前記第2の座部、前記第2のスペーサ、及び、前記2つの第2の分岐部は、前記1つ又は複数の第2の分岐部が拡張位置にあるときに、前記第2のスロットを画定する、
請求項19に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項21】
追加の2つの前記第1の分岐部が、前記グラフト材料と追加の椎骨との間の固定を可能にするように構成された追加のスロットを部分的に確定する、
請求項20に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項22】
前記第1の座部、前記第1のスペーサ、及び、前記追加の2つの第1の分岐部は、1つ又は複数の第1の分岐部が拡張位置にあるときに前記追加のスロットを画定する、
請求項21に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項23】
前記第1の分岐部は3つ以上の分岐部を含み、前記第2の分岐部は3つ以上の分岐部を含み、
2つ以上の第1の分岐部の第1の側端が互いに連結し、2つ以上の第2の分岐部の第2の側端が互いに連結し、
1つ又は複数の第1の分岐部の外側面の少なくとも一部が突出部を含み、
前記拡張位置は活動位置であり、前記非拡張位置は休止位置であり、
インプラントは、前記第1のケージのために複数の第1のスペーサを、前記第2のケージのために複数の第2のスペーサを含む、
請求項21に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項24】
前記スペーサ前進器具を備え、前記スペーサ前進器具が複数のネジ付きロッドを含む、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【請求項25】
前記スペーサ前進器具は、前記第1の横方向及び前記第2の横方向の少なくともいずれか一方への押圧モジュールの前進に応じて、前記第1の横方向及び前記第2の横方向へ前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサを同時に前進させるように構成されている、
請求項1に記載の椎間スペーシングインプラントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2014年6月4日に出願された「バイラテラルに拡張する椎体間固定装置」という名称の米国仮特許出願第62/007,500号に対する優先権を主張するものであり、その内容はここに参照により組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明の実施形態は、移植可能な骨インプラント又はプロテーゼの分野及びそれらを使用するための外科手術技術にある。
【背景技術】
【0003】
米国特許第8,435,299号には、拡張可能な骨接合ケージが記載されている。ここに記載された実施形態は、2つの連続する椎骨の対向する面の間の後方方向からスライドされ又は挿入されるように設計されており、それらの間の所定の間隔を保持し、2つの椎骨を一緒に固定することにより、(例えば対応する関節の故障の後に)脊柱の安定性を回復させるためのものである。
【0004】
この特許は、やがて椎骨間を固定することがまだ可能である間に、例えば、(やがては椎骨を一緒に融合する)移植片又は(それらを一緒に直ちに固定する)プロテーゼのいずれかを移植するような、「正常な」腰椎前彎を復元するためのいくつかの技術に関するものである。このような人工器官の1つは、骨移植片を受容するための内/外相互連絡スロットを有する、中空かつ剛性の「ケージ」であり、この骨移片は、やがてスロットを経由して両側の隣接する椎骨と固定する。
【0005】
この特許は、ウォームスクリューシステムを回転させることが可能な剛体に接続された、2つの実質的に平行な分岐部を有するものを含む、種々のタイプのケージに関するものである。そこで、ウォームスクリューシステムは、分岐部同士を連結する本体に向かって分岐部の遠位端に近い初期位置からねじ上の螺合でウェッジを移動させ、それにより、2つの分岐部を角度をつけて広げる。したがって、そのような初期には平坦な形状のケージを椎骨の間に挿入することが可能となり、その後、ウェッジの駆動軸を回転することにより分岐部間の所望の角度が後方アクセスから調節され又は設定される。このような装置は、機械的により複雑であり、固定移植片のために、より小さい内部容積しか残さない。また、それらの平坦な形状のため、椎骨間の所定の支持角度を確保することにより適しているが、それらを受け入れる準備のために、同じ長方形のセクションの通路を必要とし、それは実施を複雑にする。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態の特徴及び利点は、特許請求の範囲、後述の1つ又は複数の例示的実施形態の詳細な説明、及び対応する図面から明らかされる。適切であると認められる場合、参照符号は対応する又は類似の素子を示すために図面間で繰り返されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、「非拡張」状態で示された実施形態の斜視図を含む。
図1B図1Bは、「拡張」状態で示された図1Aの実施形態の斜視図を含む。
図1C図1Cは、「非拡張」位置にあるウェッジを有する図1Aの実施形態の断面図を含む。
図1D図1Dは、「拡張」位置にあるウェッジを有する図1Aの実施形態の断面図を含む。
図2A図2Aは、分解されたインプラントシステムの実施形態を含む。
図2B図2Bは、拡張されていない形態の組み立てられたインプラントシステムの実施形態を含む。
図2C図2Cは、拡張された形態の組み立てられたインプラントシステムの実施形態を含む。
図3A図3Aは、「非拡張」状態で示された実施形態の斜視図を含む。
図3B図3Bは、拡張されていない状態の図3Aの実施形態の正面図を含む。
図4A図4Aは、拡張されていない状態の実施形態の正面図を含む。
図4B図4Bは、対称的な双方向の拡張を受けている図4Aの実施形態の正面図である。
図4C図4Cは、垂直方向の拡張より大きな横方向の拡張を受けている図4Aの実施形態の正面図を示す。
図4D図4Dは、水平方向拡張より大きな垂直方向拡張を受けている図4Aの実施形態の正面図を含む。
図4E図4Eは、分岐部間で不均一な拡張を受けている図4Aの実施形態の正面図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面には符号が付されるが、同様の構造に同様の参照符号を付けることができる。当技術分野で知られている追加の構造は、図面の明瞭性を維持するために含まれていない場合がある。以下の説明では、多数の具体的な詳細が記載されているが、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施されてもよい。よく知られている構造および技術は、この説明の理解を不明瞭にすることを避けるために詳細に示されていない。「一実施形態」、「種々の実施形態」及び類似の表記をされた実施形態は、説明されているように、特定の特徴、構造又は特性を含むことができるが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造又は特性を含むわけではない。いくつかの実施形態は、他の実施形態について記載された特徴のいくつか若しくは全てを有するか、又はいずれも有しない。「第1」、「第2」、「第3」などは共通の対象物を表し、同様の対象物の異なる実施例が参照されていることを示す。このような形容詞は、そのように記載された対象物が、時間的、空間的、順位付けのいずれかの順序で存在しなければならないことを意味するものではない。「接続されている」とは、要素が互いに物理的又は電気的に直接接触していることを示す場合があり、「結合されている」とは、要素が物理的又は電気的に接触しているか又は接触していなくとも、要素が互いに協働又は相互作用していることを示す場合がある。
【0009】
図1Aは、その「非拡張」状態で示された実施形態の斜視図を含む。図1Bは、その「拡張」状態で示された図1Aの実施形態の斜視図を含む。図1Cは、図1Aの実施形態の断面図であり、ウェッジが「非拡張」位置にある状態で示されている。図1Dは、図1Aの実施形態の断面図であり、ウェッジが「拡張」位置にある状態で示されている。
【0010】
一実施形態は、略中空の本体内に2つの拡張ウェッジ111,112を有する拡張可能な椎体間固定装置100からなる。椎間板空間に移植された後、拡張ウェッジは装置の中心から側端に向かって同時に移動し、ケージ100のアーム101,102,103,104,105,106,107,108が撓み、インプラントのサイズが増大する。この拡張は、椎間板空間内の装置を安定化させ、椎間板の高さを増大させ、それにより、脊髄神経の椎間孔圧迫を減少させ、最終的な固定のための安定した運動分節を生成する。
【0011】
従来技術の多くの例は、拡張機能を椎体間固定装置の一方の端部に限定している。これは、背骨の生理学的湾曲を再現するために、装置の向きを主に前後方向に制限する。これに対して、実施形態によれば、椎体間固定装置の両側を同時に拡張させることができる。ケージ100は、椎間板空間内で横方向又は斜めの向きに配向することができ、拡張後に全く又はほとんど脊柱側弯角を誘発しない。そのようなケージは、ケージが側方アプローチのために特別に構成されていることを示す、直接側方椎体間固定(DLIF)ケージと呼ぶことができる。
【0012】
拡張可能な椎体間固定装置100は、装置の中心から始まり本体の長手軸131に対して略平行に延在する複数の可撓性アーム(分岐部とも称する)101,102,103,104,105,106,107,108を有する本体を備えている。本体内のアームの間に、2つの摺動可能な拡張ウェッジ(スペーサとも称する)111,112が設けられており、これらが本体の中心から端部に向かって移動すると、アームを半径方向外側に撓ませる。2つの摺動可能な拡張ウェッジ(スペーサとも呼ばれる)111,112が本体内にあり、アーム間にある。これにより、デバイスの実効サイズが拡大される。
【0013】
図2Aは、分解されたインプラントシステムの実施形態を含む。図2Bは、組み立てられたインプラントシステムの拡張されていない形態の実施形態を含む。図2Cは、拡張された形態のインプラントシステムの組み立てられた実施形態を含む。
【0014】
図2Bにおいて、ウェッジ211,212の平行移動は、その一部(ロッド242,243)が本体の一端を通って挿入され、各ウェッジに取り付けられる器具システム280によって達成される。一方の器具242が遠位ウェッジ211を押し、他方の器具243が近位ウェッジ212を同時に引く。器具243は、近位ウェッジ212に取り付けられた「近位エキスパンダ」と称されうる。器具242は、「遠位エキスパンダ」と称されることができ、近位エキスパンダ243を通って挿入された後に遠位ウェッジ211に取り付けられる。部分241は「エキスパンダーノブ」と呼ばれ、近位エキスパンダ243上にねじ込まれ得る。ノブ241が回転され、近位エキスパンダ243にねじ込まれると、両方ウェッジが椎体間装置100の端部に向かって完全に前進するまで、同時に遠位ウェッジ211を押して近位ウェッジ212を引く。ねじ234は、椎骨を横切ることによってインプラントを所定の位置に「ねじ込む」のを助ける。
【0015】
一実施形態は、椎間板腔の固定を容易にする。具体的には、ケージ100の設計によって許容される、対称拡張能力(図4A〜Eに関連して以下に述べられる)に沿った長さは、椎間板への直接的な側方の外科的アプローチを可能にする。実施形態は、それに限定されるものではないが、骨折の安定化、仙腸骨関節の固定、椎間関節固定及び類似のものに使用することができる。
【0016】
図1の実施形態は、略円筒形のねじ付き装置を示す。ケージ100を回転させることによって椎間板空間に埋め込まれることができ、ねじ山150は、最終的な配置に達するまでケージ100を前進させる。
【0017】
図3Aは、その「非拡張」状態で示された実施形態の斜視図を含む。図3Bは、非拡張状態の図3Aの実施形態の正面図を含む。
【0018】
実施形態は、ケージ100と同じ全体寸法を有するが、断面が略長方形である装置300を含む。装置は、ねじ山150ではなく、隣接する椎骨の終板を把持する目的で、下面及び上面に「歯」351を有する。この実施形態は、回転ではなく、インプラントの近位面上でのはめ込みによって椎間板空間内に進められる。ケージ300は、第1の分岐部301,302,303,304と、第2の分岐部305,307,308と、図3Aには容易に見られない別の分岐部とを含む。
【0019】
図1Aに戻ると、ケージ100は、断面が円形の拡張ウェッジ111,112と、円形又は円錐形の断面を有する内部孔を有する本体とを有する。これにより、前方向及び後方向ならびに上方向及び下方向の両方において、アーム101,102,103,104,105,106,107,108の均等な拡張が提供される。別の実施形態は、ウェッジ及び/又は内部斜面について、楕円形又は矩形(又は略非対象)の横断面を有し(例えば、いくつかの斜面は、他の斜面よりも深くなっており、より深い斜面によってそれらの対応する分岐部により大きな拡張を引き起こす。)、その横断面はその上でウェッジを移動させる。すぐ下で説明するように、これにより、アームの差動膨張が可能になる(例えば、アームは、上/下方向よりも前/後方向により大きく伸びる、又はその逆)。
【0020】
図4Aは、その非拡張状態の実施形態の正面図を含む。図4Bは、対称的な拡張を受けたアーム401,402,403,404を有する図4aの実施形態の正面図を含む。図4Cは、垂直方向拡張よりも大きい横方向拡張を受けた図4aの実施形態の正面図を含む。換言すれば、ライン441,442に沿った拡張は、垂直方向(上/下)よりも水平方向(前方/後方)に大きくなる。図4Dは、水平方向拡張より大きい垂直方向拡張を受けた図4aの実施形態の正面図を含む。換言すれば、ライン441,442に沿った拡張は、垂直方向(上/下)よりも水平方向(前方/後方)の方が小さい。
【0021】
図4Eは、不均一膨張を受けた図4Aの実施形態の正面図を含む。換言すれば、線441,442に沿った拡張は、アーム403,404についての水平方向(前方/後方)及び垂直方向(上/下)で、アーム401,402についてより大きくなる。例えば、図4Eに示されるような装置では、腰部領域における前方側へのより大きな拡張を提供することができる。図4Eの方向443は、いくつかの実施形態において位置444を前方としてもよく、又は、他の実施形態においては下方としてもよく、逆に、いくつかの実施形態において位置445を後方としてもよく、又は、他の実施形態においては上方としてもよい。
【0022】
引き続き図4Eを参照すると、1つの第1の分岐部(例えば、分岐部404)は、1つ又は複数の第1のショルダによって第1のスペーサが固定されたときに(すなわち、最も側方の位置にスペーサが完全に展開されると)、長手軸から半径方向に第1の距離(すなわち、第1の距離が軸431に直交する)だけ撓み、別の第1の分岐部(例えば、分岐部401)は、1つ又は複数の第1のショルダによって第1のスペーサが固定されたときに、長手軸から半径方向に第2の距離(すなわち、第2の距離が軸431に直交する)だけ撓むが、ただし第1の距離は第2の距離と等しくない。例えば、分岐部に撓みを引き起こすスペーサが非円形の断面であり、また、分岐部401によりも分岐部404により突出していることにより、分岐部404は、分岐部401よりも大きく広がって軸431から離れるように湾曲しうる。一実施形態では、第1の分岐部の追加の1つは、1つの第1の分岐部と別の第1の分岐部との間に配置される。例えば、一実施形態では、分岐部404は、軸431から分岐部402より大きい角度で湾曲する(すなわち、距離448は距離446より小さい)。この場合、分岐部402,404は、分岐部401,403のいずれか又は両方によって互いに分離される。
【0023】
このように、実施形態は、腰部、胸部、及び、頚部への適用に適しており、外科医は、移植部位(例えば、腰部対胸部)に基づいて、所望の拡張タイプ(及び使用する対応するケージ)を選択することができる。
【0024】
したがって、ここに記載されている実施形態は、前方/後方経路に沿って前進する単一のスペーサ又はウェッジのみを含む従来の装置よりも長い装置を提供する。このような実施形態は、(例えば、DLIFケージを用いた側方からの)追加の外科的アプローチを可能にすることによって、装置の両端での拡張を可能にし、より多くの点にわたって生理学的負荷を共有し、各アームにおけるストレスを低減し、装置の臨床的有用性を拡大する。
【0025】
ここでいう「同時」は、展開の少なくとも1つの瞬間時間(例えば、ミリ秒)において重なり合っていれば足り、必ずしも同じ瞬間又は時点に展開を開始及び/又は停止することを両方のウェッジに要求するものではない。
【0026】
一実施形態は、同時拡張を必要としないが、第1のウェッジが拡張状態に移動し、続いて第2のウェッジが拡張状態に移動することを可能にすることができる。
【0027】
一実施形態は、非同期である同時拡張を提供することができる。例えば、図2Cでは、ウェッジ211及び212は同時に(位置240,236に向かって)移動しうるが、ウェッジ211が位置239にある時にウェッジ212が位置237にあってもよい(位置中心線238と237との間の距離は中心線238と239との間の距離よりも小さい)。
【0028】
図1の実施形態は、8つのアームを示し、そのうちの4つは近位ウェッジによって展開され、そのうちの4つは遠位ウェッジによって展開される。しかしながら、別の実施形態は、合計4つのアームを提供することができ、そのうちの2つは近位ウェッジによって展開され、その2つは遠位ウェッジによって展開される。例えば、「そのうちの2つは近位ウェッジによって展開される」は、上方アーム及び下方アームを含むことができる。上方アーム及び/又は下方アームは、それぞれ、前記アーム内に開口部を有することができる。その開口部は、アームを完全に通過し、アームで完全に包囲された外周を有している。例えば、アームはトーラス又はドーナツ部分を有することができる。アームは、矩形のトロイド形状又は矩形の断面を有するトロイド(例えば、貫通孔を有する矩形)を含むことができる。遠位ウェッジによって展開されるアームについても同じことが当てはまる。そのような実施形態では、アームの先端は互いに接続することができるので、それらの先端は互いに離れて広がらなくてもよい。別の実施形態は、必ずしも複数のアームの数に対称性を含むものではない。例えば、実施形態の遠位部分は多数のアーム(例えば3)を有し、近位部分はより多く(例えば4又は5)又はより少ない(2)本のアームを含み得る。
【0029】
前述のアームのいずれかは、双方向の拡張(図4A及び図4Eに示されるように水平及び垂直)を有してもよく、又は、垂直若しくは水平のみに動作してもよい(又は、複数のアームのうちの1つのアーム又はいくつかのアームだけが、装置の展開中に、動作/広がってもよい)。
【0030】
以下の実施例は、さらなる実施形態に関する。
【0031】
実施例1は、第1の側端を有する第1の座部を含む椎間スペーシングインプラントシステムを含む。そのような座部は、例えば、図1Aの部分121’とともに部分121”で示される第2の座部を含むことができる。ケージ100は、第1の座部の第1の側端に結合され、第1の座部から離れて第1の横方向に延在する第1の分岐部(101,102,103,104)を含む。第1の座部及び第1の分岐部は、第1のケージから第1の内部容積を規定する。このような容積は、容積122と、対応する容積123で示されている。各第1の分岐部は、第1の内側面と第1の外側面とを有する。図1Cは、斜面124と、滑らかな、ねじ切りされていないショルダ125とを備えた分岐部又はアーム102を示す。第1のスペーサ(例えば、スペーサ111)は、第1のケージに嵌合するように構成され、スペーサ前進器具(例えば、図2のシステム280)の後押しによって第1の横方向(例えば、方向126)に移動するように構成されている。第1のスペーサ及び第1のケージは、第1のスペーサが第1の横方向に推進されたときに、1つ又は複数の第1の分岐部が非拡張位置から拡張位置に移動するように構成されており、1つ又は複数の第1のショルダ(例えば、ショルダ125)は、1つ又は複数の分岐部の内側面上に形成され、1つ又は複数のショルダは、第1の分岐部の第1の側端の近くで第1のスペーサを可逆的に固定するように構成されている。可逆的であることにより、スペーサをケージ100の中心に(すなわち、座部121に向かって)引っ込めるか又は動作させることが可能になる。スペーサは、スペーサ(図示せず)及び/又はショルダ(例えば、ショルダ125)の輪郭エッジに基づいて可逆的であり得る。第1のスペーサが1つ又は複数の第1のショルダによって固定されるとき、第1の座部の第1の側端と第1のスペーサとの間の第1の内部容積は、いかなるリンク手段によっても占められていない。アーム105,106,107,108を含む第2のケージは、アーム101,102,103,104を含む第1のケージと同様に機能する。実施形態は、第2の側端を有する第2の座部(例えば、部分121”)と、第2の座部の第2の側端に結合され、第2の座部から離れる第2の横方向(例えば、方向127)に延在する第2分岐部と、を含み、第2の座部と第2の分岐部とは、第2内部容積を画定する第2ケージを形成し、各第2の分岐部は、第2の内側面と第2の外側面とを有し、実施形態はさらに、前記第2のケージに嵌合し、スペーサ前進器具の付勢に応じて第2の横方向に移動するように構成された第2のスペーサを備え、第2のスペーサ及び第2のケージは、第2のスペーサが第2の横方向に付勢されたとき、1つ又は複数の第2の分岐部が非拡張位置から拡張位置へ移動するように構成されており、実施形態はさらに、1つ又は複数の分岐部の内側面上に形成された1つ又は複数の第2のショルダを含み、1つ又は複数の第2のショルダは、第2のスペーサを複数の第2の分岐部の第2の側端の近くに可逆的に固定するように構成されており、第2のスペーサが1つ又は複数の第2のショルダによって固定されているとき、第2の座部の第2の近位端と第2のスペーサとの間の第2の内部容積は、いかなるリンク手段によっても占められておらず、第1の座部、第2の座部、第1の分岐部、及び第2の分岐部はすべて互いに一体的に構成されている。したがって、部分121’、121”及びアーム101,102,103,104,105,106,107,108はすべて溶接、接着剤などなしで単一の要素から形成される(即ちモノリシック)。例えば、部分は、チタン又はスチールのような材料の単一のブロックから機械加工される。
【0032】
実施例2において、実施例1の構成は、第1及び第2の分岐部が非拡張位置にあるときに、第1及び第2のケージの外側の全体形状が少なくとも1つの円筒形及び略円筒形であり、1つ又は複数の第1及び第2の分岐部が拡張位置にあるときに、第1及び第2のケージの外側の全体形状が円すい台形状(frustoconical)であり、第1及び第2の座部からそれぞれ広がっている、という構成を選択的に含みうる。実施形態は、第1及び第2のケージのそれぞれの外側の全体形状は卵形又は略卵形であることを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、側端部は拡張前には、座部121の高さ132よりも低い高さ133,135を有することができる(図1C)。しかし、側端部は拡張後には、座部121の高さ132よりも高い高さ133,135を有することができる(図1D)。さらに、外壁の例えば溝が設けられた領域134は、拡張後になくなるような曲率で、膨張前に弓なりに又は湾曲して形成されていてもよいし、他の実施形態では、外壁の例えば溝が設けられた領域134は、拡張前になくなる曲率で、拡張後に弓なりに又は湾曲して形成されていてもよい。そのような実施形態は、様々な荷重定格を有してもよく、異なる位置(例えば、頚部対腰椎)に対してより適当であり得る。
【0034】
実施例3において、実施例1−2の構成は、スペーサ前進器具が、スペーサ前進器具の回転に応じて、第1及び第2のスペーサを第1及び第2の横方向において同時に前進させるように構成されている、という構成を選択的に含みうる。
【0035】
他の実施形態は、異なる方法で第1及び第2のスペーサを展開することができる。例えば、図2Aのユニット242,243のようなケージ展開モジュールを操作するために、「トリガ」システムを備えたラチェットシステムを使用することができる(すなわち、器具部分の回転を必ずしも必要としない)。
【0036】
実施例4において、実施例1−3の構成は、スペーサ前進器具が、第1及び第2のスペーサを、スペーサ前進器具の部分の回転に応じて、非同期的にかつ同時に横方向に前進させるように構成されている、という構成を含みうる。
【0037】
実施例5において、実施例1−4の構成は、第1及び第2のケージが直接側方椎体間固定(DLIF)ケージを含む、という構成を選択的に含むことができる。
【0038】
実施例6では、実施例1−5の構成は、各第1の分岐部の内側面及び各第2の分岐部の第2の内側面が滑らかでねじ切りされていない、という構成を選択的に含むことができる。
【0039】
実施例7では、実施例1−6の構成は、長軸(例えば、軸131)が第1及び第2の横方向(例えば、方向126,127)に沿って第1及び第2のケージ内の中心に延び、第1のスペーサが1つ又は複数の第1のショルダによって固定されたときに、1つの第1の分岐部が長軸から半径方向に第1の距離だけ撓み、第1のスペーサが1つ又は複数の第1のショルダによって固定されたときに、別の第1の分岐部が長軸から半径方向に第2の距離だけ撓み、第1の距離は第2の距離と等しくない、という構成を含むことができる。
【0040】
実施例8において、実施例1−7の構成は、第1の分岐部の追加の1つが、前記1つの第1の分岐部と前記別の第1の分岐部との間に位置する、という構成を選択的に含むことができる。
【0041】
実施例9において、実施例1−8の構成は、第1及び第2の座部の各々が、長軸に直交する平面内において、実質的に円筒形の断面外形を含む、という構成を選択的に含むことができる。例えば、図1Aは、座部121又は座部部分121’、121”は(図1Aに示された小さな平坦部分に関わらず)、「略」又は「実質的に」円筒形の断面を有する。実際には、これらの断面は略又は実質的に円形であるが、図3Aのケージ300の座部321は、略又は実質的に円筒形の断面を有するものの、座部321は略又は実質的に円形の断面を有さない。
【0042】
実施例10において、実施例1−9の構成は、第1のスペーサが第1の横方向に推進されたときに非拡張位置から拡張位置に移動する第1の分岐部が、1つ又は複数のショルダをさらに備え、第1のスペーサは、第1のスペーサをスペーサ前進器具に取り外し可能に結合するための第1のコネクタ(例えば、スペーサ111の雌ねじ)を含み、第2のスペーサが第2の横方向に推進されたときに非拡張位置から拡張位置に移動する第2の分岐部は、1つ又は複数の第2のショルダをさらに備え、第2のスペーサは、第2のスペーサをスペーサ前進器具に取り外し可能に結合するための第2のコネクタを含む、という構成を、選択的に含みうる。
【0043】
実施例11では、実施例1−10の構成は、選択的に、第1の分岐部がインプラントの双方向の拡張を可能にするように構成され、第2の分岐部がインプラントの双方向の拡張を可能にするように構成されている、という構成を含みうる。
【0044】
実施例12において、実施例1−11の構成は、選択的に、第1ケージの第1の内部容積(例えば、空間122)から第1ケージの第1の座部(例えば、部分121’)を通って第2の座部(例えば、部分121“)に延在し、スペーサ前進器具が通過できるように構成された第1のオリフィスと、第2のケージの第2の内部容積(例えば、空間123)から第2の座部を通って第1の座部に延在し、スペーサ前進器具を通過させるように構成された第2のオリフィスとを含みうる。
【0045】
ここで用いられるように、第1の座部及び第2の座部は、より大きな表面の一部であってもよい。例えば、部分121’及び12”は、両方とも表面121の一部である。したがって、実施例1の第1及び第2のケージは、第1及び第2のケージ部分と呼ぶことができる。
【0046】
実施例13において、実施例1〜12の構成は、プラグを含み、少なくとも1つの第1及び第2のスペーサは、プラグと密封的に嵌合するように構成されたオリフィスを含む、という構成を選択的に含みうる。例えば、図1Dのスペーサ112は、図2Aの挿入デバイス200と噛み合う雌ねじを有する。スペーサ112が完全に横方向に展開された後、骨粒子又は他の移植片/骨生成材料は空間122,123内に配置されうる。その後、スペーサ112内の開口にプラグを加えて空間123を密閉し、骨生成材料をケージ100内に封入する。実施形態は、スペーサ111のオリフィスに嵌合する別のプラグ(又は、スペーサ112ではなくスペーサ111のためのプラグ)を含むことができる。
【0047】
実施例14において、実施例1−13の構成は、第1の分岐部が非拡張位置にあるときに、第1の内部容積の少なくとも一部が円すい台形状(truncated cone)を有し、第2の分岐部が非拡張位置にあるときに、第2の内部容積の少なくとも一部が円すい台形状である、ことを選択的に含むことができる。
【0048】
実施例15において、実施例1−14の構成は、インプラントが第1のケージのために複数の第1のスペーサと、第2のケージのために複数の第2のスペーサとを含む、という構成を選択的に含むことができる。追加のスペーサは、より大きなサポートを提供するために、近位及び遠位ケージに沿った途中に、ターミナル又は完全に展開されたステージを有することができる。
【0049】
実施例16では、実施例1−14の構成は、第1の座部が第2の座部と第1の側端との間に1つ又は複数の第1の平坦な表面(例えば、部分121’)を含み、第2の座部は、第1のシ座部と第2の側方端との間に1つ又は複数の第2の平坦な表面(例えば、部分121”)を含む、ことを選択的に含みうる。
【0050】
実施例17において、実施例1−16の構成は、第1のスペーサの周の第1の内側縁がテーパ状であり、第2のスペーサの周の第2の内側縁がテーパ状である、という構成を選択的に含むことができる。したがって、スペーサの内縁(座部に最も近い端部)は、可逆性を促進するのに役立つようにテーパ状にされ、完全に展開されたスペーサを引き戻すことができ、ケージを完全に又は部分的にしぼませることができる。
【0051】
実施例18では、実施例1−17の構成は、第1の座部及び第1の分岐部が一体構造を形成し、第2の座部及び第2の分岐部が第2の一体構造を形成することを選択的に含むことができる。
【0052】
実施例19において、実施例1−18の構成は、2つの第1の分岐部が、グラフト材料と椎骨との間の固定を可能にするように構成された第1のスロット(例えば、スロット128)を部分的に画定し、2つの第2の分岐部は、グラフト材料と椎骨との間の固定を可能にするように構成された第2のスロット(例えば、スロット129)を部分的に画定する、という構成を選択的に含みうる。
【0053】
実施例20において、実施例1−19の構成は、1つ又は複数の第1の分岐部が拡張位置にあるときに、第1の座部、第1のスペーサ、及び、2つの第1の分岐部が第1のスロットを画定し、1つ又は複数の第2の分岐部が拡張位置にあるときに、第2の座部、第2のスペーサ、及び、2つの第2の分岐部が第2のスロットを画定する、という構成を選択的に含むことができる。
【0054】
実施例21において、実施例1−20の構成は、追加の2つの第1の分岐部が、グラフト材料と追加の椎骨との間の固定を可能にするように構成された追加のスロットを部分的に画定する、という構成を選択的に含むことができる。
【0055】
実施例22では、実施例1−21の構成は、1つ又は複数の第1の分岐部が拡張位置にあるとき、第1の座部、第1のスペーサ、及び、第1の追加の2つの分岐部が追加のスロットを画定することを選択的に含むことができる。
【0056】
実施例23において、実施例1−22の構成は、第1の分岐部が3つ以上の分岐部を含み、第2の分岐部が3つ以上の分岐部を含み、2つ以上の第1の分岐部の第1の横方向端部が互いに接続し、2つ以上の第2の分岐部の第2の横方向端部が互いに接続し、1つ以上の第1の分岐部の外側面の少なくとも一部が突出部を含み、拡張位置は活動位置であり、非拡張位置は休止位置である、という構成を選択的に含みうる。
【0057】
実施例24では、実施例1−23の構成は、スペーサ前進器具が複数のネジ付きロッドを含む、スペーサ前進器具を選択的に含みうる。
【0058】
実施例25では、実施例1−24の構成は、スペーサ前進器具が、第1及び第2の横方向の少なくとも一方への押圧モジュールの前進に応じて、第1及び第2のスペーサを第1及び第2の横方向に同時に前進させるように構成されている、という構成を選択的に含みうる。例えば、トリガベースのラチェットシステムは、スペーサとかみ合い、スペーサを前進又は後退させるように構成されたロッドなどのモジュールを含むことができる。
【0059】
実施例25において、実施例1−24の構成は、第1の分岐部の第1の最も外側のエッジ部分は、第1のスペーサが1つ以上の第1のショルダによって固定されていないときに第1の非拡張高さを有するとともに、第1のスペーサが1つ以上のショルダに固定されているときに第1の拡張高さを有し、第2の分岐部の第2の最も外側のエッジ部分は、第2のスペーサが1つ以上の第2のショルダによって固定されていないときに第2の非拡張高さを有するとともに、第2のスペーサが1つ以上のショルダによって固定されているときに第2の拡張高さを有し、第1の座部は第1の座部高さを有し、第1の座部高さは(a)第1及び第2の非拡張高さよりも大きく、(b)第1及び第2の拡張高さよりも小さい、という構成を選択的に含みうる。
【0060】
例えば、高さ132は、図1Cの高さ133,135よりも大きいが、図1Dの高さ133,135よりも小さい。他の実施形態(図示せず)では、高さ132は図1Cの高さ133,135より大きいが、図1Dの高さ133,135と実質的に(+/−5%)等しい。他の実施形態(図示せず)では、高さ132は、図1Cの高さ133,135に実質的に(+/−5%)等しく、図1Dの高さ133,135よりも小さい。
【0061】
本発明を限定された数の実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、多くの変更及び変形が可能であることを理解するであろう。添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲内にあるこのような修正及び変形のすべて含むことを意図するものである。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e