(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記振動付与ローラは、上記送風エリアにおける上記コンベアベルトを振動させるべく、上記コンベアベルト裏面側に単一に設けられたものであることを特徴とする請求項1記載の風力選別装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1,2の装置は、振動コンベアベルトの上面側を広い面積に亘って吸引フードで覆い、当該吸引フードを介してコンベアベルト上に浮遊した軽量異物を吸引するものであるため、軽量異物を効率的に吸引し得ないという課題がある。
【0006】
また、吸引した異物にはプラスチックフィルム類、紙類等の軽量物の他、粉塵、砂等の微小な粒状物が含まれるが、これらのフィルム類と微小な粒状物を分別する構成は開示されていない。
【0007】
特許文献3の装置は、ハードプラスチックとプラスチックフィルムという何れも比較的軽量な物を分別するために適した構造であるし、仮に、上記フィルムと共に微小な粒状物が回収された場合であっても、上記フィルムと上記粒状物とを分別することができないとの課題がある。
【0008】
また、上記従来の装置は、移送面が平面状のコンベアベルトを用いた装置であるが、例えばコンクリート破砕物等の重量の大きな破砕物を移送する場合に使用されるU型(トラフ型)のコンベアベルトを使用したコンベア装置には、何れの従来装置も適用し難いという課題がある。
【0009】
本発明は上記従来装置の課題に鑑みてなされたものであり、がれき類及び砕石等のような比較的重量の大きい破砕物を搬送するコンベア装置に適用可能であって、がれき類、砕石等の混合廃材中の破砕物等とプラスチック、木片等の軽量異物を効率的に分別可能な風力選別装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、軽量物として分別された異物としてのプラスチック、木片等と、製品となり得るコンクリート粉等の粒状物とをさらに分別収集可能な風力選別装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、比較的重量の大きい破砕物等を搬送可能なU型(トラフ型)のコンベア装置であっても適用が可能な風力選別装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、既存のコンベア装置に、容易に適用可能な風力選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために本発明は、
第1に、
重量物と軽量物の混合物をコンベアベルト上で分離するために、上記コンベアベルト上面側において上記コンベアベルトの進行方向に直交する方向に空気を送風する送風ノズルを設け、上記送風の方向に対向する上記コンベアベルトの反対側に軽量物の投入口を形成し、上記コンベアベルトの裏面側に、その回転中心軸が上記送風方向に平行な振動付与ローラを設置し、当該振動付与ローラを回転させることで上記送風ノズルの送風エリアの上記コンベアベルトを上下方向に往復振動させるように構成し、上記投入口に連通して下方に延びるシュートを設け、当該シュートの落下経路途中に第1シュート部と第2シュート部に分岐する分岐部を設け、上記第2シュート部上端部に仕切網を設け、落下してくる軽量物の内、上記仕切網を通過できない第1軽量物を上記第1シュート部に誘導し、上記仕切網を通過し得る第2軽量物を上記第2シュート部に落下させるように構成し、上記第1シュート部と上記第2シュート部の各下端部に各々第1及び第2軽量物収集箱を接続したものであ
り、上記シュートの側面に上記仕切網の方向に空気を送風し得る第2の送風ノズルを設け、落下してきた上記第2軽量物を上記第2の送風ノズルからの送風により、上記仕切網の方向に吹き飛ばすことにより上記仕切網を通過させて上記第2シュート部内に誘導し得るように構成し、さらに、上記シュートの側面にシュート内部方向であって上記仕切網の方向に延びる誘導板を、上記第2の送風ノズルより上流側に設け、上記誘導板の先端部と上記仕切網との間に空間を形成し、落下してきた上記第2軽量物を上記誘導板に当接させて上記仕切網の方向に反射させることにより当該第2軽量物を上記第2シュート部内に誘導し得るように構成し、上記第1軽量物は上記空間を介して上記第1シュート部方向に落下し得るよう構成したものであることを特徴とする風力選別装置により構成される。
【0014】
上記仕切網は、上記第1シュート部の方向に傾斜して設けることが好ましい。上記送風エリアとは、送風ノズルから送風されるコンベア上のエリアをいい、例えば送風ノズル(8)からの送風エリア(T)をいう。上記第1軽量物は例えばプラスチック、木片等の仕切網を通過できない比較的大きい軽量物をいう。上記第2軽量物は例えば破砕されたコンクリート破砕物中に含まれるコンクリート粉等のような仕切網を通過し得る粒状物をいう。このように構成すると、例えばコンクリート塊等の重量物とプラスチック、粒状物等の軽量物を含むがれき類、砕石等をコンベアベルトにて搬送し、送風エリアに至ると、コンベアベルトの上下往復振動により、がれき類、砕石等がコンベアベルト上方に浮き上がり、重量物と軽量物が空中で分離するため、当該往復振動位置にて、送風ノズルからコンベアベルト進行方向に直交する方向に送風することで、軽量物のみを投入口に向けて、コンベア進行方向に直交する方向に吹き飛ばすことができる。製品となるコンクリート塊等の重量物(例えば直径40mmアンダーのコンクリート塊等の重量物)はそのままコンベアベルトにより上流側に搬送される。投入口に投入された軽量物は分岐部において、仕切網を通過し得ない軽量物(プラスチック、木片等)は第1シュート部に誘導され、仕切網を通過し得る軽量物(コンクリート粉等の粒状物)は第2シュート部に落下して行き、最終的に異物としてのプラスチック、木片等の軽量物は第1軽量物収集箱に収集され、製品になり得るコンクリート粉等の粒状物(例えば直径5mm程度以下のコンクリート粉等)は第2軽量物収集箱に収集することができる。このように、がれき類、砕石等から軽量物を選択的に除去することができ、さらに軽量物を異物(ゴミ)としての例えばプラスチック、木片等の比較的大きい軽量異物と、最終的に製品としてコンクリート塊の収集場所に戻されるコンクリート粉等の粒状の軽量物に分別収集することができる。
シュートを落下してきた軽量物の内、本来第2シュート部に移行すべきコンクリート粉等の粒状物が第1シュート部の方向に落下してきた場合、この粒状物を第2の送風ノズルからの送風により、仕切網の方向に吹き飛ばすことができ、当該粒状物を第2シュート部の方向に誘導することができる。これにより、より正確な分別を行うことができる。従って、異物としての比較的大きい軽量物(第1軽量物)と、製品に戻されるコンクリート粉等の粒状の軽量物(第2軽量物)との分別をより正確に行うことができる。シュートを落下してきた軽量物の内、本来第2シュート部に移行すべきコンクリート粉等の粒状物等が第1シュート部の方向に落下してきた場合、この粒状物を誘導板に当接させて仕切網の方向に反射させることができ、しかも仕切網を通過し得ない第1軽量物は空間を通過して第1のシュート部の方向に落下し得るため、より正確な分別を行うことができる。誘導板に当接する砂等の粒状物を仕切網の方向に反射誘導し得るし、空間を通過してきた粒状物をさらに第2送風ノズルからの送風により仕切網の方向に吹き飛ばすことができ、これにより比較的大きい軽量物とコンクリート粉等の粒状の軽量物との分別をより正確に行うことができる。
【0015】
第2に、上記振動付与ローラは、上記送風エリアにおける上記コンベアベルトを振動させるべく、上記コンベアベルト裏面側に単一に設けられたものであることを特徴とする上記第1記載の風力選別装置により構成される。
【0016】
このように構成すると、単一の振動付与ローラによって送風エリアのコンベアベルトを上下振動させることができるため、簡潔な構成により効果的な風力選別装置を実現し得る。
【0021】
第
3に、上記コンベアベルトは水平ローラと両側の傾斜ローラからなるキャリアローラ上を走行するトラフ型のベルトであり、上記コンベアベルトの上記送風エリアを挟む上流側と下流側の各キャリアローラの内、少なくとも上記投入口側の傾斜ローラを各々取り外すことにより、上記送風エリアにおいては、上記コンベアベルトは上記投入口に向かう水平面を形成しているものであることを特徴とする請求項1
又は2に記載の風力選別装置により構成される。
【0022】
尚、上記キャリアローラの内、傾斜ローラと共に水平ローラを取り外しても良い。このように構成すると、送風ノズルからの送風方向に沿う上記投入口側のコンベアベルトが水平面を構成しているので、送風ノズルからの送風により、軽量物を円滑に投入口の方向に吹き飛ばすことができる。
【0023】
第
4に、上記コンベアベルトの上記送風エリアの上面に上記送風エリアを覆う遮蔽函部を設け、上記遮蔽函部の上流側入口と下流側出口に各々弾性部材からなる飛散防止板を設けたものであることを特徴とする請求項1〜
3の何れかに記載の風力選別装置により構成される。
【0024】
このように構成すると、軽量物の吹き飛ばしに伴う粉塵等が遮蔽函部の外側に飛散することを効果的に防止することができる。
【0027】
第
5に、上記送風ノズルに送風する送風機、上記送風ノズル、上記振動付与ローラ、上記投入口と上記第1及び第2シュート部を有する上記シュートは、上記コンベアベルトを支持する既存の機枠に固定し得るように構成したものであることを特徴とする請求項1〜
4の何れかに記載の風力選別装置により構成される。
【0028】
このように構成すると、例えば建築廃材等のリサイクル工場において、がれき類、砕石等を搬送する既存のコンベア装置に、大幅な改造を加えることなく本発明に係る風力選別装置を取り付けることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は上述のように、がれき類、砕石等の混合廃材を搬送中に所定エリアにおいて重量物と軽量物とをコンベアベルト上で浮かせてがれき類、砕石等の分離した状態で、コンベアベルト進行方向に直交する方向に送風することで、軽量物のみを投入口に向けて効率的に吹き飛ばして分別することができる。また投入口に投入された軽量物を、分岐部において、さらに異物としての例えばプラスチック、木片等の比較的大きい軽量物(軽量異物)と、製品になり得るコンクリート粉等の粒状物に効率的に分別し収集することができる。
【0030】
また単一の振動付与ローラによって送風エリアのコンベアベルトを上下振動させることができ、送風エリアにおいて、コンベアベルト進行方向に直交する方向に軽量物を吹き飛ばし得るため、簡潔な構成により効果的な風力選別装置を実現し得る。
【0031】
また、シュートに第2の送風ノズルを設け、当該ノズルからの送風により軽量物を仕切網の方向に吹き飛ばすことにより、製品にならない軽量物(異物)と、製品に戻すことが可能なコンクリート粉等の粒状物をより正確に分別することができ、リサイクル能力の高い風力選別装置を実現することができる。
【0032】
また、本来第2のシュート部に移行すべき粒状物を誘導板にて当接させて仕切網の方向に反射させることができるため、軽量物のより正確な分別を行うことができる。
【0033】
また、例えば既存のトラフ型のコンベアベルトを用いたコンベア装置においても支障なく適用することができる。
【0034】
また、軽量物の吹き飛ばしに伴う粉塵等が遮蔽函部の外側に飛散することを効果的に防止することができる。
【0035】
また、例えばリサイクル工場において、がれき類、砕石等を搬送する既存のコンベア装置に本発明に係る風力選別装置を取り付けることができ、極めて汎用性の高い風力選別装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る風力選別装置を詳細に説明する。
図1は、同上装置の側面図を示すものであり、同図において、1はコンベア装置であり、図面中左側(低位置の下流側)から右側(高位置の上流側、矢印A方向)に上り傾斜状体で走行するキャリア側の無端コンベアベルト2と、逆方向(矢印B方向)に走行するリタン側の無端コンベアベルト2を具備するものである。このコンベアベルト2は、同図中下流側の端部に設けられた駆動プーリ(図示せず)と、同図中上流側の端部に設けられた従動プーリ(図示せず)に掛け回され、上記矢印A,B方向に駆動されることにより、被搬送物を低位置から高位置に搬送するものである。尚、
図1中上流側から下流側を向いた場合の「左右」を「左方向」、「右方向」とする。また、
図2は
図1中、位置Xから上流側を見た場合の概略正面図、
図3は
図1中、位置Yから下流側を見た場合の概略背面図である。
【0038】
3は上記コンベアベルト2の複数のキャリアローラ4及びリタンローラ5(
図2、
図3参照)を支持するための機枠である。この機枠3は、コンベアの進行方向に沿う上杆3aと下杆3bとこれら上下杆3a,3bを上下に連結する連結杆3cにより構成された梯子型機枠を左右に一定間隔を以って上り傾斜に設置し、左右の梯子型機枠を左右方向に複数の水平連結杆3dにより接続することにより構成されている(
図3参照)。尚、上下杆3a,3b間、連結杆3c、水平連結杆3d間に斜めに接続されたものは補強杆3eである。
【0039】
上記キャリアローラ4は、
図3、
図7に示すように左右の対向方向に傾斜した一対の傾斜ローラ4a,4a’と中央の水平ローラ4bとから構成されており、キャリア側のコンベアベルト2はこれらのローラ4a,4a’,4b上にU字型(トラフ型)に湾曲した状態で進行し、リタン側では水平の上記リタンローラ5により水平な状態で進行するように構成されている(
図3参照)。
【0040】
上記各傾斜ローラ4a,4a’は、
図3、
図7に示すように、上記機枠3の上側の水平連結杆3d上に固定された起立アングル31,31と、中央の支持アングル7,7に各々回転軸Pを傾斜状態で回転自在に支持されており、中央のキャリアローラ4bは上記水平連結杆3d上の上記支持アングル7,7間にその回転軸Pを水平状態に回転自在に支持されている。
【0041】
このキャリアローラ4は、コンベアベルト2の進行方向に沿って、所定間隔毎に設けられており、上記コンベアベルト2はこれらのキャリアローラ4a,4a’,4b上に載置され、両側が対向方向に斜めに起立することによりU字状態に湾曲した状態(トラフ型)で進行し得るように構成されている。これにより、建築廃材としてのコンクリート塊等の重量物をコンベアベルト2の両側縁から落とすことなく、同コンベアベルト2の中央部近傍において円滑に搬送し得る。
【0042】
当該コンベア装置1は、その上流の始端部側においてコンベアベルト2上に供給される原材料には、建設廃材から振動篩を経てインパクトクラッシャー等の破砕機にて一次的又は二次的に破砕された製品としての例えば直径40mm以下のコンクリート塊等の重量大の破砕物、及び、建築廃材等に含まれるプラスチック(プラスチックフィルム類等を含む)、木片等(その他紙類等を含む)、コンクリート粉等の粒状物(例えば直径5mm程度以下〜数mm程度のコンクリート粒等)、その他の塵等からなる軽量物が含まれた混合廃材(がれき類、砕石等)であり、これらのがれき類、砕石等を矢印A方向に搬送する。そして、当該コンベア装置1の経路途中(
図1、
図4の設置エリアE)において、本発明に係る風力選別装置6が設置されている。
【0043】
従って、上記コンベアベルト2にて上記破砕物等の混合廃材を搬送中に、上記風力選別装置6において、上記混合廃材から上記プラスチック、木片類、コンクリート粉等の軽量物を選別除去し、当該コンベア装置1の終端部において、軽量物の除去された製品としてのコンクリート塊、砕石(例えば直径40mm以下)を次段に移行させるものである。
【0044】
また選別された軽量物の中には製品としての例えば40mm以下の軽量のコンクリート粉(例えば直径5mm程度以下のコンクリート粒等の粒状物)が含まれているので、選別された軽量物を、さらに、異物(ゴミ)としてのプラスチック、木片等の軽量異物と、製品になり得る例えば直径5mm程度以下のコンクリート粉(粒状物)に分別し、各別に収集するものである。
【0045】
次に、本発明に係る風力選別装置6の構成を説明する。
尚、ここで上記コンベア装置1において、本発明における風力選別装置6の位置を特定するために、
図4に示すように、キャリアローラ4を風力選別装置6の上流側から下流側に向けて、4−1〜4−5の符号を付してそれらの位置を便宜上特定する。
【0046】
また、上記コンベア装置1において、キャリアローラ4−3,4−4に囲まれた所定エリア(
図1、
図4における設置エリアE)を当該風力選別装置6を設置するエリアとして特定し、当該設置エリアEに対して最も近い上流側及び下流側のキャリアローラ4−3,4−4において、各々水平ローラ4b,4bと、左側(投入口22側)の傾斜ローラ4a’,4a’を起立アングル31,31及び支持アングル7,7から除去し、かつ一方の起立アングル31、及び支持アングル7も除去する(
図4、
図7(b)参照)。即ち、上記コンベアベルト2の送風エリアT(
図4参照)を挟む上流側と下流側の各キャリアローラ4−3,4−4の内、少なくとも投入口22側の傾斜ローラ4a’,4a’、中央ローラ4b,4bを各々取り外す。
【0047】
ここで、上記キャリアローラ4−3,4−4において、上記傾斜ローラ4a’,4a’と上記水平ローラ4b,4bを除去された後の残った傾斜ローラを、符号4A,4Aで示す(
図1、
図4参照)。尚、上記キャリアローラ4−3,4−4において、各上記キャリアローラ4a’,4a’を除去し、上記水平ローラ4b,4bは残しても良い。
【0048】
このように上記キャリアローラ4−3,4−4の上記傾斜ローラ4a’,4a’及び水平ローラ4b,4bを除去すると、トラフ型のコンベアベルト2において、上記エリアEにおける進行方向(矢印A方向)に対して右側のベルトは上記傾斜ローラ4A,4Aにより、右側に斜めに立ち上がった状態の立上面2aを維持しているが(
図6(a)(b)参照)、上記エリアEにおける進行方向(矢印A方向)に対して左側のベルトは、上記キャリアローラ4−3の1つ上流側のキャリアローラ4−2を過ぎたあたりから徐々に水平状態となり、上記キャリアローラ4−3から4−4に至る設置エリアEの範囲においては、コンベアベルト進行方向に対して上り傾斜の水平面2a’を形成する(
図6(a)(b)参照)。
【0049】
そして、この水平面2a’は上記キャリアローラ4−4を過ぎたあたりから徐々に傾斜状態に立ち上がり、上記キャリアローラ4−5から上流側においては、その傾斜ローラ4a’により立上面に復帰し、当該キャリアローラ4−5以後の下流側においてはトラフ型のコンベアベルト2に復帰する。
【0050】
本発明に係る風力選別装置6は、上記キャリアローラ4−3,4−4間(傾斜ローラ4A,4A間)の上記コンベアベルト2の上記左側に水平面2a’が形成されている設置エリアEに設置される。
【0051】
上記傾斜ローラ4A,4A間において、上記コンベア装置1の進行方向(矢印A方向)に対して右側の上記機枠3に、上記コンベアベルト2の進行方向に直交する方向に送風ノズル8を固定する。この送風ノズル8は、
図11に示すように、円筒形状の管部8aと、該管部8aに接続されたノズル部8bとから構成されており、上記ノズル部8aは、上記管部8aとの方形の接続部分8a’より水平方向(横方向)に拡幅されると共に、上記方形の接続部分8a’より上下方向には縮小され、これにより水平方向(横方向)に細長い吹出口8b’が形成されている(上記吹出口8b’の横幅をTとする)。
【0052】
そして、
図1に示すように、右側の機枠3の長手方向の上杆3aの下流側と上流側に一対のブラケット9,9を外側に水平に突設し、これらブラケット9,9に支持アングル10,10を上記上杆3aに直交する方向に立設し、これら支持アングル10,10間に連結小杆11を上記上杆3aに平行に固定し、この連結小杆11に、U字状取付アングル12を以って上記送風ノズル8の管部8aを固定する。この送風ノズル8は、
図1に示すように、その横長の吹出口8b’が、上り傾斜のコンベアベルト2の右縁(立上面2a)に沿って平行となるように、コンベア進行方向に平行な上り傾斜状態で固定する。
【0053】
上記送風ノズル8の吹出口8b’は、
図4、
図5に示すように、コンベアベルト2の立上面2a側から、コンベアベルト2の進行方向に直交する方向に向けられ、当該吹出口8b’からコンベアベルト2の進行方向に直交する方向に空気を吹き出すことができるように構成されている。
【0054】
この送風ノズル8の取り付け位置、取り付け角度は任意であるが、上記吹出口8b’が、上記コンベアベルト2の上り傾斜状態の上記立上面2aの上端縁近傍に位置し、同吹出口8b’が当該上端縁に平行になるように上り傾斜状態で固定することが好ましい。
【0055】
また、この送風ノズル8は、
図5においては、上記コンベアベルト2の水平面2a’に平行に空気が噴き出すように固定しているが(矢印C方向)、
図5に二点鎖線で示すように、上記立上面2aに平行に空気が噴き出すように、コンベアベルト2の左右方向において、吹出口8b’を若干下向きにして管部8a側を高くした状態で固定しても良い。何れにしても搬送される破砕物及び軽量物の性状に応じて適切な位置に固定される。
【0056】
図1において、上記設置エリアEより上流側において、上記機枠3の右側の上杆3aに一対のブラケット13,13を固定し、これらブラケット13,13上に門型の支持アングル14を鉛直方向に固定し、当該支持アングル14上に送風機15を固定する。そして、当該送風機15の送風口と上記送風ノズル8の上記管部8aとの間にフレキシブルダクト(送風管)16を接続し、当該送風機15から上記送風ノズル8に送風可能とする。当該ダクト16の管路途中には風量調調整ダンパ17を設けて、上記送風ノズル8から送風される風量の調整を可能とする。
【0057】
従って、
図4に示すように、上記送風ノズル8の吹出口8b’から、当該吹出口8b’の幅Tに対応するコンベアベルト2表面における略幅Tに亘って、上記コンベアベルト2の上記水平面2a’に略平行に、当該コンベアベルト2の進行方向に直交する方向に空気を噴射することができる。ここで、吹出口8b’から送風される範囲である上記コンベアベルト2上の範囲を送風エリアTという。
【0058】
上記設置エリアEにおける上記コンベアベルト2の裏面側において、上記傾斜ローラ4A,4A間における中央位置に、振動付与ローラ18が設けられている(
図4参照)。この振動付与ローラ18は、
図5に示すように、上記機枠3の左右の上記上杆3a,3a上に固定された設置基台48,48上に軸受19,19を固定し、これらの軸受19,19に当該ローラ18の回転中心軸18aを回転自在に軸支することにより、上記コンベアベルト2裏面側に設置されている。この振動付与ローラ18は、その回転中心軸18aが、送風ノズル8の送風方向に平行となるように軸支されている。また、この振動付与ローラ18は、上記送風エリアTにおける上記コンベアベルト2を上下振動させるべく、上記コンベアベルト2裏面側に単一に軸支されている。
【0059】
この振動付与ローラ18のローラ部18bは、
図8に示すように横断面が楕円形をなすことで、全体として楕円形円筒により構成されており、当該ローラ部18b上面に上記コンベアベルト2の上記水平部2a’裏面が接触するように構成されている(
図1、
図5参照)。
【0060】
また、上記振動付与ローラ18の一方の回転中心軸18aには駆動用のプーリ20が固定されており、当該プーリ20と、右側の上記上杆3a上に固定された駆動モータ21の出力軸プーリ21aとの間に無端ベルト38が張設されている(
図1参照)。よって、上記駆動モータ21を回転駆動すると、上記振動付与ローラ18は、上記無端ベルト38、上記プーリ20を介して回転駆動され、当該ローラ18の外周面における回転中心軸18aに対する楕円の長径部dと短径部d’(
図8(b)参照)とが交互に上記コンベアベルト2の上記水平面2a’の裏面に当接することにより、上記ベルト2の上記水平面2a’の上記設置エリアEにおける略中央部N近傍(送風エリアT内)(
図4参照)を上下方向(矢印F,L方向)に往復振動させることができる(
図5のコンベアベルト2の二点鎖線参照)。
【0061】
このコンベアベルト2の水平面2a’の上下往復振動により、搬送されてきた混合廃材中の軽量物(プラスチック、木片等の軽量異物及びコンクリート粉等の粒状物)が浮き上がり、又は、上記軽量物上の破砕物(重量物)が当該軽量物から上下方向等に離脱するため、これらの軽量物を上記送風ノズル8からの噴射空気でコンベア装置1の進行方向に直交する方向に吹き飛ばすことができる。
【0062】
ここで、
図4に示すように、上記振動付与ローラ18の中心軸方向に沿って、上記送風ノズル8からの空気を噴射することが好ましく、上記送風ノズル8の吹出口8b’の横方向の幅Tの範囲内(送風エリアTの範囲内)に、上記振動付与ローラ18を配置することにより、単一の振動付与ローラ18によって効率的に軽量物を吹き飛ばす(選別する)ことができる。
【0063】
上記振動付与ローラ18の回転数は、駆動モータ21の回転数をインバータ等により制御することにより、搬送される軽量物(軽量異物)を含むがれき類、砕石等の種類、重さ等の性状に応じて、上記コンベアベルト2の上下方向の振動の振動数を調整することができる。例えば、上記振動付与ローラ18の回転数を増加することにより、上記コンベアベルト2の上下方向の振動の振動数を増大することができる。
【0064】
また、上記振動付与ローラ18のローラ部18bの楕円の径(長径部dと短径部d’の長さ)を変更することにより、コンベアベルト2の上下方向の振動の振幅を変更することができる。例えば、上記振動付与ローラ18のローラ部18bの長径部dを短径部d’に対して長くすることにより、コンベアベルト2の上下振動の振幅を大きくすることができる。これにより、搬送される軽量物(軽量異物)を含むがれき類、砕石等の種類、重さ等の性状に応じて、コンベアベルト2の上下方向の振動の振幅を最適な状態に調整することができる。勿論、駆動モータ21の回転数、及び、上記振動付与ローラ18の径を同時に調整することにより、コンベアベルト2の上下振動の振動数及び振幅を調整することができる。
【0065】
また、搬送されるがれき類、砕石等の性状によっては、コンベアベルト2を振動させない場合もあり得る。従って、上記振動付与ローラ18の駆動モータ21にクラッチを設け、当該駆動モータ21を空転させ、上記振動付与ローラ18の回転を停止でるように構成することもできる。
【0066】
また、上記振動付与ローラ18の左右の設置基台48,48に上下方向の高さ調整機構を設け、通常は上記振動付与ローラ18のローラ部18bを上記コンベアベルト2の裏面に接触させておき、コンベアベルト2を振動させない場合は、上記高さ調整機構を以って、上記振動付与ローラ18の高さを低下させることにより、上記ローラ部18bを上記コンベアベルト2の裏面から離間させ、上記コンベアベルト2が振動しないように設定することもできる。尚、上記高さ調整機構は、例えば上記設置基台48,48に上記軸受19,19を支持するL型アングル等を上下方向スライド可能に設け、上記L型アングルを上下方向の数か所にロックピン等でロックし得るように構成することができる。
【0067】
図2に示すように、上記設置エリアEにおける上記コンベアベルト2を挟んで、上記送風ノズル8の反対側には、上記送風ノズル8からの送風によって吹き飛ばされた軽量異物及び粒状物を受け取るためのシュート23が設置されている。このシュート23には、上記送風ノズル8の送風方向に対向する位置に投入口22が開口形成されており、上記送風によって吹き飛ばされた軽量物(製品としてのコンクリート粉を含む)は上記投入口22から上記シュート23内に投入され、当該シュート23を下方に落下していく。即ち、上記投入口22に連通して下方に延びるシュート23が形成されており、送風ノズル8からの送風の方向に対向する上記コンベアベルト2の反対側に軽量物の投入口22が形成されている。
【0068】
上記シュート23は、
図2、
図3、
図13に示すように、上記コンベア装置1の左側において、上記投入された上記軽量物を下方に落下誘導する横断面方形の上シュート部24と、当該上シュート部24を落下してくる軽量物の内、軽量異物(ゴミ)としてのプラスチック、木片等の比較的大きい軽量物(第1軽量物)と、製品となり得るコンクリート粉等の粒状物からなる軽量物(第2軽量物)とを、シュートの落下経路途中で分別するための分岐部25と、上記分岐部25にて分別した第1軽量物を落下誘導する第1シュート部(横断面方形)26と、上記分岐部25にて分別した第2軽量物(粒状物)を落下誘導する第2シュート部(横断面方形)27とを有しており、上記第1シュート部26の下端開口部26cが地面G上に設置された軽量物収集箱(第1軽量物収集箱)28上面に固定されており、上記第2シュート部27の下端開口部27bは同じく地面G上に設置された軽量物収集箱(第2軽量物収集箱)29上面に固定されている。
【0069】
また、上記コンベアベルト2の左側縁、即ち上記水平面2a’の左側縁には、吹き飛ばされた軽量物を投入口22からシュート23内に案内する案内板51が設けられている。この案内板51は
図5に示すように、その水平面側を上記軸受19に固定され、そのシュート23側の下向き傾斜面51aがコンベアベルト2の左側縁と上記シュート23の投入口22間の間隙を閉鎖するように設置されている。この案内板51は
図4に示すように、遮蔽函部33の設置エリアE(少なくとも送風エリアT)の横幅に亘って設けられており、送風ノズルによって吹き飛ばされた軽量物がコンベアベルト2とシュート23間の隙間から落下することを防止し、軽量物を円滑にシュート23内に案内するものである。
【0070】
また
図2に示すように、上記シュート23は上記上シュート部24の上部において、上記コンベア装置1の機枠3の縦杆3cに固定アングル30aにて固定され、上記上シュート部24の下部において、上記機枠3の縦杆3cの下部に固定アングル30bにて固定されている。そして、このシュート23は、
図2、
図3に示すように上記収集箱28,29と共に全体として一体であり、上記コンベア装置1の左側において、上記地面G上に自立状態で設置されている。
【0071】
上記シュート23の上端部には、上記シュート23に連続して、湾曲部32を介して、上記設置エリアEにおいて、上記コンベアベルト2の上面側(送風エリアT)を覆うことで軽量物、粉塵等のコンベアベルト2外部への流出を防止するための遮蔽函部33が設けられている(
図13参照)。
【0072】
この遮蔽函部33は、上記シュート23の上シュート部24に湾曲部32を介して連続して設けられ、上記設置エリアE(上記送風エリアTを含む)における上記コンベアベルト2の上方位置に水平方向に設けられた天面部33aと、上記天面部33aの下流側端部から鉛直下方にコンベアベルト2表面に向けて設けられた幅の広い下流側壁33bと、上記天面部33aの上流側端部から鉛直下方に上記コンベアベルト2表面に向けて設けられた幅の狭い上流側壁33cと、上記天面部33aの右側の端部に送風ノズル8の方向に鉛直下方に設けられた側面壁33dとから構成されている(
図13参照)。
【0073】
また、上記側面壁33dの下端縁は、コンベアベルト2に沿う上り傾斜に沿って傾斜状に構成されており、当該側面壁33dの下端縁には、当該遮蔽函部33内に上記送風ノズル8の吹出口8b’を位置させるため、或いは、吹出口8b’から送風可能とするために切欠34が形成されている。
【0074】
また、上記下流側壁33bの入口部36には軽量物等の外部への流出を防止するためのゴム製の飛散防止板35が垂下状態で取り付けられていると共に(
図3参照)、上記上流側壁33c側の出口部37には同じくゴム製の飛散防止板38が垂下状態で取り付けられている(
図2参照)。これらの防止板35,38には縦方向に複数のスリットMが設けられており、コンベアベルト2上の破砕物等が円滑に当該遮蔽函部33内に入出し得るように構成されている。
【0075】
図4中、40は上記コンベアベルト2の上面側に下流側から上記設置エリアEの方向に設けられた案内板である。この案内板40は、キャリアローラ4−2の傾斜ローラ4a’側(コンベアベルト2の左端部側)から上流側に向けて、その先端部がコンベアベルト2の水平面2a’の中央部近傍に位置するように傾斜して設けられている。この案内板40は、下流側から搬送されてきたがれき類、砕石等(破砕物)を案内するものであり、上記設置エリアEに搬送される場合に、徐々にコンベアベルト2表面の左側が水平状態になるため、上記破砕物が
図4中矢印H方向に移動してコンベアベルト2の左側縁から落下するのを防止するためのものである。尚、この案内板40は上記機枠3の左側の上杆3aに取付アングル(図示せず)等によって固定されている。
【0076】
図2に示すように、上記第2シュート部27は上記上シュート部24に連続して鉛直方向に設けられており、上記第1シュート部26は、上記第2シュート部27の右側の側面27aより、右方向に斜め下方に分岐して設けられ、これにより分岐部25が形成されている。
【0077】
図9に示すように、上記分岐部25の左側の側面25aに仕切網41の挿入用スリット41’を設け(
図13参照)、当該スリット41’から上記仕切網41を、上記分岐部25内の案内溝47に沿って、当該分岐部25内に、上記第1シュート26の傾斜角度と同一角度で挿入し、当該仕切網41が上記第1シュート部26の下側の側面26aに連続するように挿入配置する(
図2参照)。これにより、上記上シュート部24と上記第1シュート部26とを連通させると共に、上記上シュート部24から上記第2シュート部27に至る経路は、当該仕切網41の格子より小の粒状物等のみを通過させるように構成する。尚、上記案内溝47は上記分岐部25内で上記仕切網41を支持するためのものであり、上記分岐部25の対向する両内側面に当該仕切網41の挿入角度に沿って形成されている。
【0078】
即ち、上記第2シュート部27上端部に仕切網41を上記第1シュート部26の方向に傾斜して設け、落下してくる軽量物の内、上記仕切網41を通過できないプラスチック、木片等の軽量異物(第1軽量物)を上記第1シュート部26に誘導し、上記仕切網41を通過するコンクリート粉等の粒状物(第2軽量物)を上記第2シュート部27に落下させるように構成する。
【0079】
この仕切網41は
図10(b)に示すように、一格子が、例えば75mm×25mmの格子41aにて構成された網であり、上記上シュート部24から落下してくる軽量物(プラスチック、木片等の軽量異物(第1軽量物))が第2シュート部27に導入されることを阻止し、これらの第1軽量物を第1シュート部26に誘導する共に、上記格子41aより小の粒状物を通過させるものである。本実施形態の場合は、上記の大きさの格子41aにより、プラスチック、木片等の軽量異物は分別可能であるが、より小さい軽量異物を取り除く場合は、より小さな格子41aとすることができる。このように上記格子41aは上記の寸法に限定されることなく、がれき類、砕石等に含まれる軽量異物の大きさ、性状に応じて設定することができる。
【0080】
さらに、
図9に示すように、上記第1シュート部26の上記分岐部25側の基端部26b’(右側の側面26b側)に誘導板42の挿入用スリット42’を設け(
図13参照)、当該スリット42’から上記誘導板42を、上記分岐部25内の案内溝52に沿って、当該分岐部25内に、上記仕切網41に直交する方向(上記シュート23の内部方向であって、上記仕切網41の方向)に挿入する(
図2参照)。この誘導板42は、
図10(a)に示すように網ではなく板状部材であり、その先端部42aは上記仕切網41に接することなく、上記先端部42aと上記仕切網41との間には、軽量物(軽量異物)の通過空間(空間)Sが形成されている(
図2参照)。尚、上記案内溝52は上記分岐部25内で上記誘導板42を支持するためのものであり、上記分岐部25の対向する両内側面に当該誘導板42の挿入角度に沿って形成されている。
【0081】
この誘導板42は、
図2に示すように、上記上シュート部24から落下してくるコンクリート粉等の粒状物(第2軽量物)を当該誘導板42に当てることにより、当該粒状物を上記第2シュート部27(仕切網41)の方向に反射させ(矢印I方向)、上記粒状物が第1シュート部26に落下することを防止するものである。尚、プラスチック、木片等の軽量異物は上記空間Sを通過して、
図2中矢印J方向(第1シュート部26方向)に落下して行く。
【0082】
上記第1シュート部26における右側の側面26bには、第2の送風ノズル43が設置されている。この送風ノズル43は、
図12に示すように、円筒形状の管部43aと、該管部43aに接続されたノズル部43bとから構成されており、上記ノズル部43aは、上記管部43aとの方形の接続部分43a’より水平方向に拡幅されると共に、上記管部43aとの方形の接続部分43a’より上下方向には縮小され、これにより水平方向に細長い吹出口43b’(幅T’)が形成されている。
【0083】
そして、上記吹出口43b’には、上記第1シュート部26の右側の側面26bに設置するための固定用フランジ44が形成されており、当該フランジ44を以って、上記右側の側面26bに固定されている(
図2参照)。上記右側の側面26bには上記吹出口43b’に対応する水平方向の細長いスリット45が形成されている(
図13参照)。このスリット45の幅T’は上記吹出口43b’の幅に対応しており、当該第1シュート部26の右側の側面26bの横幅より若干短いが、上記右側面26bの略全域に亘って開口されている。そして、上記送風ノズル43の吹出口43b’を上記スリット45に宛がい、ボルトによって上記フランジ44と上記側面26bとを接続固定する。
【0084】
この送風ノズル43の固定角度は、上記管部43aの中心軸、即ち空気の送風方向(矢印K方向)が、上記仕切網41に直交する方向(仕切網41の方向)となるように構成されている(
図2参照)。そして、上記送風機15の上記フレキシブルダクト16の一部からシュート用のフレキシブルダクト(送風管)46を分岐し、当該フレキシブルダクト46の先端部を上記送風ダクト43の上記管部43aに接続し、上記送風機15からの空気を当該送風ダクト43の吹出口43b’から噴射し得るように構成されている。
【0085】
上記吹出口43b’からの空気は、幅T’に亘って、上記仕切網41に向けて直交する方向に噴射し得るように構成されており、上記空間Sから第1シュート部26の方向に落下してくる砂等の粒状物を第2シュート部27の方向に吹き飛ばす機能を有するものである。
【0086】
上述のように、上記分岐部25において、上記軽量物の落下方向に対して、上記誘導板42が上流側に、上記第2の送風ダクト43が下流側になるように配置している。これにより、誘導板42に当接するコンクリート粉等の粒状物を仕切網41の方向に反射誘導し得て、さらに空間Sを通過してきた粒状物を第2の送風ノズル43からの送風により仕切網41の方向に吹き飛ばすことができ、比較的大きい軽量物(軽量異物)とコンクリート粉等の粒状の軽量物との分別を非常に正確に行うことができる。尚、
図1中49は上記フレキシブルダクト46の風量調整ダンパ、
図2中50は分岐部25の点検口である。
【0087】
本発明の送風ノズル8、第2の送風ノズル43の風量は各々風量調整ダンパ17,49にて調整可能である。この風量は被搬送物の性状(搬送物及び軽量物の種類、大きさ等)に応じて調整することができるものである。例えば、軽量異物として比較的重量が大きい木片等が多い場合は、上記送風ノズル8の風量を増加する等の調整を行うことができる。
【0088】
また、上記風量調整ダンパ17,49を調整することにより、上記送風ノズル8から送風される風量と、上記第2の送風ノズル43から送風される風量のバランスを独立して調整することができ、軽量物の種類等に応じて上記送風ノズル8と上記第2の送風ノズル43の各風量を、最適のバランスに設定して選別動作を行うことができる。尚、上記送風機15の駆動モータの回転数をインバータ等により制御することにより、上記送風機15自体の風量を制御することもできる。
【0089】
本発明は上述のように構成されるものであるから、次の本発明に係る風力選別装置の動作を説明する。
【0090】
まず、コンベアベルト2を回転駆動すると共に、駆動モータ21を駆動して振動付与ローラ18を回転させ、設置エリアE(送風エリアT)におけるコンベアベルト2の水平面2a’は上下方向に往復振動しているものとする。同時に、送風機15を駆動して、送風ノズル8から矢印C方向に空気が噴射され(
図5参照)、かつ第2の送風ノズル43から矢印K方向に空気が噴射されているものとする。
【0091】
この状態で、コンベアベルト2にて建築廃材から二次的に破砕された直径が40mm以下の製品としての比較的重いコンクリート塊、砕石等(例えば直径約40mm〜10mm程度)、及び異物としての建築廃材に含まれるプラスチック、木片等のゴミ(軽量異物)、及び、最終的に製品として戻される、例えば直径約5mm程度以下のコンクリート粉等の粒状物からなる軽量物を含むがれき類、砕石等(混合廃材)が搬送されているものとする。
【0092】
これらのがれき類、砕石等は、トラフ型のコンベアベルト2によって上流側から下流側に円滑に搬送され、設置エリアEの手前側、キャリアローラ4−2を過ぎたあたりから案内板40にてコンベアベルト2の中央付近に誘導され、風力選別装置6の入口部36から風力選別装置6(遮蔽函部33)内に進入していく。
【0093】
上記遮蔽函部33内に進入した混合廃材は、コンベアベルト2の水平面2a’を経て出口部37より当該遮蔽函部33から出ていくが、上記水平面2a’は上記振動付与ローラ18の回転により上下方向に往復振動しているため、当該水平面2a’を通過する混合廃材である比較的重いコンクリート塊、及び石塊、砕石等の破砕物は、上方への浮き上がり、下方への落下を繰り返し行い、また、当該混合廃材に含まれるプラスチック、木片等の軽量物(軽量異物)及びコンクリート粒等の軽量物も同様に上方への浮き上がり、下方への落下を繰り返し行う。
【0094】
このため、重量大の上記破砕物と上記軽量物は、上記往復振動するコンベアベルト2の水平面2a’を通過する間、互いに空中にて分離された状態となる。従って、コンベアベルト2の進行方向と直交する方向(矢印C方向)の噴射空気によって、上記空中に浮き上がった軽量物は、空気の噴射方向(矢印C方向)、即ち、コンベアベルト2の進行方向に直交する方向に、水平面2a’上をシュート23の方向(投入口22の方向)に容易に吹き飛ばされ、対向位置にある投入口22からシュート23内に投入される。
【0095】
このとき、投入口22は上記コンベアベルト2の水平面2a’の縁部に接近しているので、コンベアベルト2上から短い距離で投入口22に直ちに移行することができ、軽量物のみを効率的に分別し得る。また、案内板51によって円滑にシュート23内に案内される。
【0096】
上記空気の噴射方向のコンベアベルト2には立上面は存在せず、水平面2a’となっており、当該水平面2a’のエリアに上記シュート23の上記投入口22が位置しているので、上記軽量物を上記シュート23の投入口22に円滑に導入することができる。
【0097】
また、上記回転する単一の振動付与ローラ18により送風エリアTのコンベアベルト2を上下往復振動させることができ、この振動付与ローラ18の軸方向に沿って空気を噴射することにより、効率的に、上記混同廃材から軽量物のみを分別することができる。
【0098】
また、上記風力選別装置6を通過する重量のあるコンクリート塊、砕石等は、上記送風によって吹き飛ばされることないため、上記コンベアベルト2によって下流側に搬送されていく。従って、上記風力選別装置6によって上記混合廃材中の軽量物は除去されるため、上記遮蔽函部33の出口部37からは、軽量物(軽量異物)の除去された材料、即ち製品としてのコンクリート破砕物、砕石等のみが出て行き、キャリアローラ4−5以降は再びトラフ型となったコンベアベルト2によって上流側に搬送される。
【0099】
上記風力選別が行われるコンベアベルト2の上面は上記遮蔽函部33により覆われているし、上記入口部36と上記出口部37は飛散防止板35,38により遮蔽されているので、上記風力分別動作によって発生した粉塵等が遮蔽函部33外に流出することを効果的に防止することができる。
【0100】
上記シュート23に投入された軽量物は、上シュート部24を落下して行き、プラスチック、木片等の比較的大きい軽量物(軽量異物)は、上記仕切網41の格子41aを通過できないため、第2シュート部27に落下することなく、上記空間Sを介して第1シュート部26を下方に落下して行き、第1軽量物収集箱28内に落下蓄積されていく。
【0101】
軽量物に含まれるコンクリート粉等の粒状物(例えば直径5mm程度以下のコンクリート粉)は、上記仕切網41の格子41aを通過して上記第2シュート部27を落下して行き、第2軽量物収集箱29内に落下蓄積されていく。
【0102】
また、上記コンクリート粒等の粒状物の内、上記第1シュート部26方向に落下してきたものは、誘導板42の表面に当接し矢印I方向の仕切網41の方向に反射するため、これらのコンクリート粒等の粒状物も仕切網41の格子を通過して第2シュート部27に方向に誘導し、第2軽量物収集箱29内に落下させることができる。
【0103】
さらに、上記第1シュート部26側に落下し、上記空間Sを通過したコンクリート粒等の粒状物については、上記送風ノズル43から矢印K方向(仕切網41の方向)に送風される空気によって進路を上記仕切網41の方向に変えられるため、これらのコンクリート粒等の粒状物も仕切網41の格子41aを通過して上記第2シュート部27の方向に誘導し、上記第2軽量物収集箱29内に落下させることができる。
【0104】
従って、上記シュート23内に投入された軽量物を、異物としてのプラスチック、木片類等の軽量異物と、製品としてのコンクリート粒等の粒状物(例えば直径5mm程度以下のコンクリート粉)に正確かつ効率的に分別することができる。
【0105】
上記風力選別装置6を通過した製品としてのコンクリート塊(直径40mm以下)は、上述のようにコンベアベルト2の終端部から落下して、製品としての収集場所(図示せず)にて製品として収集される。上記第2軽量物収集箱29に収集された5mm程度以下のコンクリート粒等の粒状物は、直径が40mm以下の製品となるため、最終的には製品としての上記収集場所に戻されることになる。
【0106】
本発明は上述のように、がれき類、砕石等(混合廃材)を搬送中に所定エリアにおいて重量物と軽量物とをコンベアベルト2上で浮かせて分離した状態で、コンベアベルト2の進行方向に直交する方向に送風することで、軽量物のみを投入口22に向けて効率的に吹き飛ばすことができる。また投入口22に投入された軽量物を、分岐部25において、さらに異物としての例えばプラスチッック、木片等の比較的大きい軽量物(軽量異物)と、製品となり得るコンクリート粉等の粒状の軽量物に効率的に分別し収集することができる。
【0107】
従って、風力で選別した軽量物の内、製品になり得る例えば直径5mm程度以下のコンクリート粉等の微小な粒状物(製品微細分、第2軽量物)をさらに分別して収集することができるので、極めてリサイクル性の高い風力選別装置を実現することができる。
【0108】
また単一の振動付与ローラ18によって送風エリアTのコンベアベルト2を上下振動させることができるため、簡潔な構成により効果的な風力選別装置を実現し得る。
【0109】
また、シュート23に第2の送風ノズル43を設け、当該ノズル43からの送風により軽量物を仕切網41の方向に吹き飛ばすことにより、異物としての比較的大きい軽量物(軽量異物)と、製品となり得るコンクリート粉等の粒状の軽量物との分別をより正確に行うことができる。
【0110】
また、本来第2のシュート部27に移行すべき粒状物を誘導板42に当接させて仕切網41の方向に反射させることができるため、軽量物のより正確な分別を行うことができる。
【0111】
また、上記送風ノズル8に送風する送風機15、上記送風ノズル8、上記振動付与ローラ18、上記遮蔽函部33と上記投入口22と第1及び第2シュート部26,27を有する上記シュート23等は、上記コンベアベルト2を支持する既存の機枠3に固定し得るように構成したので、例えば建築廃材等のリアサイクル工場において、がれき類、砕石等(混合廃材)を搬送する既存のコンベア装置に、大幅な改造を加えることなく、本発明に係る風力選別装置を取り付けることができ、極めて汎用性の高い風力選別装置を提供することができる。
【0112】
また、軽量物の吹き飛ばしに伴う粉塵等が遮蔽函部33の外側に飛散することを効果的に防止することができる。
【0113】
また、本実施形態(
図1参照)のように、ベルトコンベア2が上り傾斜を構成している場合であっても送風ノズル8の吹出口8b’をコンベアベルト2の上り傾斜に沿って上り傾斜状態で設置することにより、何ら支障なく本発明に係る風力選別装置を設置することができる。勿論、水平状態或いは下り傾斜のコンベア装置においても同様に設置が可能である。
【0114】
また、コンベア装置1も上記実施形態ではトラフ型のコンベアベルト2を示したが、トラフ型に限らず、フラットなコンベアベルトであっても適用は可能である。
また、上記