【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による道路管制支援装置(システム)は、
道路地点または道路区間と、道路地点または道路区間の各々に関連付けられた、閉鎖の始点または終点となる車両出入口(例えば、本線への進入規制が敷かれる車両出入口であり、本線を走行する車両はそこより先は通行止めとなり、本線から出されるインターチェンジなど)を少なくとも含む道路閉鎖区間情報とを含む道路情報マスターテーブルを格納する記憶部と、
前記管制対象道路における、事象に関連する道路地点または道路区間(地点と地点との間、その名称、略称など)を含む事象位置情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記事象位置情報に基づき、前記道路情報マスターテーブルを参照して、道路閉鎖区間情報を抽出する抽出部と、
(前記事象位置情報と、)前記抽出した道路閉鎖区間を表示する表示部と、
を有する。
道路閉鎖区間情報には、閉鎖の終点となる車両出入口(例えば、事象発生位置からみて遠くの本線への進入規制が敷かれない車両出入口であり、本線を走行する車両はその区間から離れる方に進入可能のインターチェンジ、入口など)を含むことが好適である。この2つの車両出入口が決定できれば、その間にある車両出入口も、その走行方向においては全て閉鎖となり、閉鎖すべき全ての車両出入口が定まる。
なお、道路地点または道路区間は、例えば、xx高速の起点から1km、xx高速の12kポスト、xxインターチェンジから下り200m、yyインターチェンジから上る3km、xx高速のZZインターチェンジとYYインターチェンジとの間、xx高速のWWトンネル内、WWトンネルから下り方面280mなど様々な態様がある。
【0010】
また、第2の発明による道路管制支援装置は、
前記表示部が、
前記管制対象道路を含む地図を表示し、
前記入力受付部が、
前記表示部に表示された地図上でタッチパネル、マウス、または、座標指示装置を用いた、前記道路地点または道路区間を含む事象位置情報の入力を受け付ける、
ことを特徴とする。
【0011】
また、第3の発明による道路管制支援装置は、
前記記憶部が、
管制対象道路における位置情報または走行方向の順序または前後関係が規定された複数の車両出入口の各々に関連付けられた、当該車両出入口に直接的に或いは間接的に(所定の距離内で)接続する接続道路についての、車線数の情報、道路幅員の情報、および、単位時間あたりの車両通行可能量の情報のうち少なくとも1つを含む接続道路情報、を含む接続道路情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記抽出部が、
前記事象位置情報に基づき、前記道路情報マスターテーブルを参照して、道路閉鎖区間情報を抽出し、
該道路閉鎖区間情報に含まれる閉鎖の始点(即ち、高速道路を走行する車両が、先に(閉鎖区間内に侵入したくても)行きたくても本線から強制的に下されてしまうインターチェンジ)または終点となる車両出入口に基づき、前記接続道路情報マスターテーブルを参照して、前記閉鎖の始点または終点となる車両出入口に、直接的に或いは間接的に接続される第1の接続道路の接続道路情報を抽出し、
前記事象に関連する道路地点または道路区間から見て、前記閉鎖の始点または終点となる車両出入口よりも、遠方の車両出入口に基づき、前記接続道路情報マスターテーブルを参照して、該遠方の車両出入口に、直接的に或いは間接的に接続される第2の接続道路の接続道路情報を抽出し、
前記第1の接続道路の接続道路情報と、前記第2の接続道路の接続道路情報とを比較して、前記第2の接続道路の接続道路情報の数値の方が大きい場合(例えば、第1よりも第2の方が、車線数が多い場合など)は、前記抽出した道路閉鎖区間の閉鎖の始点または終点となる車両出入口を、前記第2の接続道路に接続するように、前記遠方の車両出入口に置き換える、
ことを特徴とする。
【0012】
また、第4の発明による道路管制支援装置は、
前記記憶部が、
管制対象道路における位置情報または走行方向の順序または前後関係が規定された複数の車両出入口の各々に関連付けられた、当該車両出入口に直接的に或いは間接的に(所定の距離内で)接続する接続道路についての、車線数の情報、道路幅員の情報、および、単位時間あたりの車両通行可能量の情報のうち少なくとも1つを含む接続道路情報、を含む接続道路情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記抽出部が、
前記事象位置情報に基づき、前記道路情報マスターテーブルを参照して、道路閉鎖区間情報を抽出し、
該道路閉鎖区間情報に含まれる閉鎖の始点(即ち、高速道路を走行する車両が、先に行きたくても強制的に下されてしまうインターチェンジ)または終点となる車両出入口に基づき、前記接続道路情報マスターテーブルを参照して、前記閉鎖の始点または終点となる車両出入口に、直接的に或いは間接的に接続される第1の接続道路の接続道路情報を抽出し、
前記事象に関連する道路地点または道路区間から見て、前記閉鎖の始点または終点となる車両出入口よりも、遠方の車両出入口に基づき、前記接続道路情報マスターテーブルを参照して、該遠方の車両出入口に、直接的に或いは間接的に接続される第2の接続道路の接続道路情報を抽出し、
前記第1の接続道路の接続道路情報と、前記第2の接続道路の接続道路情報とを比較して、
前記第2の接続道路の接続道路情報の数値の方が大きい場合は、前記抽出した道路閉鎖区間の閉鎖の始点または終点となる車両出入口を、前記第2の接続道路に接続するように、前記遠方の車両出入口に置き換え、
前記記憶部が、
前記事象位置情報に含まれる道路地点または道路区間に関連付けられた、前記道路閉鎖区間情報に含まれる車両出入口を、前記遠方の車両出入口に置き換える、
ことを特徴とする。
【0013】
また、第5の発明による道路管制支援装置は、
前記記憶部が、
管制対象道路における位置情報または走行方向の順序または前後関係が規定された複数の車両出入口の各々に関連付けられた、当該車両出入口に直接的に或いは間接的に(所定の距離内で)接続する接続道路についての、車線数の情報、道路幅員の情報、および、単位時間あたりの車両通行可能量の情報のうち少なくとも1つを含む接続道路情報、を含む接続道路情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記抽出部が、
前記事象位置情報に基づき、前記道路情報マスターテーブルを参照して、道路閉鎖区間情報を抽出し、
該道路閉鎖区間情報に含まれる閉鎖の始点または終点となる車両出入口に基づき、前記接続道路情報マスターテーブルを参照して、前記閉鎖の始点または終点となる車両出入口に、直接的に或いは間接的に接続される第1の接続道路の接続道路情報を抽出し、
前記事象に関連する道路地点または道路区間から見て、前記閉鎖の始点または終点となる車両出入口よりも、遠方の車両出入口に基づき、前記接続道路情報マスターテーブルを参照して、該遠方の車両出入口に、直接的に或いは間接的に接続される第2の接続道路の接続道路情報を抽出し、
前記入力受付部が、
第1の接続道路についての、車線数の情報、道路幅員の情報、および、単位時間あたりの車両通行可能量の情報のうち少なくとも1つの入力を受け付け、該入力で第1の接続道路の接続道路情報を置き換え、
第2の接続道路についての、車線数の情報、道路幅員の情報、および、単位時間あたりの車両通行可能量の情報のうち少なくとも1つの入力を受け付け、該入力で第2の接続道路の接続道路情報を置き換え、
前記抽出部が、
前記第1の接続道路の接続道路情報と、前記第2の接続道路の接続道路情報とを比較して、前記第2の接続道路の接続道路情報の数値の方が大きい場合は、前記抽出した道路閉鎖区間の閉鎖の始点または終点となる車両出入口を、前記第2の接続道路に接続するように、前記遠方の車両出入口に置き換える、
ことを特徴とする。
【0014】
また、第6の発明による道路管制支援装置は、
前記記憶部が、
前記道路閉鎖区間情報に含まれる、閉鎖の始点または終点となる車両出入口のいずれか1つである第1の車両出入口に関連付けられ、該第1の車両出入口を閉鎖の始点または終点とするよりも、優先的に閉鎖の始点または終点とするよう公的機関(警察、自治体など)により要請(主に、渋滞、事故多発、地域のイベントなどによる要請)されている第2の車両出入口を含む公的機関要請情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記抽出部が、
前記公的機関要請情報マスターテーブルを参照して、前記抽出された道路閉鎖区間情報の閉鎖の始点または終点となる車両出入口が、前記第1の車両出口の場合は、関連付けられている該第2の車両出口に、前記道路閉鎖区間情報の閉鎖の始点または終点となる車両出入口を置き換える、
ことを特徴とする。
また、前記記憶部が、
管制対象道路における位置情報または走行方向の順序が規定された複数の車両出入口のうち、第1の車両出入口と、該第1の車両出入口に関連付けられ、該第1の車両出入口を閉鎖の始点または終点とするよりも、優先的に閉鎖の始点または終点とするよう公的機関(警察、自治体など)により要請(主に、渋滞、事故多発、地域のイベントなどによる要請)されている第2の車両出入口を含む公的機関要請情報マスターテーブルをさらに格納してもよい。
【0015】
また、第7の発明による道路管制支援装置は、
前記複数の車両出入口に直接的に或いは間接的に接続する接続道路を含む接続道路状況情報を取得する取得部をさらに有し、
前記記憶部が、
管制対象道路における位置情報または走行方向の順序または前後関係が規定された複数の車両出入口の各々に関連付けられた、当該車両出入口に直接的に或いは間接的に(所定の距離内で)接続する接続道路についての、車線数の情報、道路幅員の情報、および、単位時間あたりの車両通行可能量の情報のうち少なくとも1つを含む接続道路情報、を含む接続道路情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記抽出部が、
前記事象位置情報に基づき、前記道路情報マスターテーブルを参照して、道路閉鎖区間情報を抽出し、
該道路閉鎖区間情報に含まれる閉鎖の始点または終点となる車両出入口に基づき、前記接続道路情報マスターテーブルを参照して、前記閉鎖の始点または終点となる車両出入口に、直接的に或いは間接的に接続される第1の接続道路の接続道路情報を抽出し、
前記事象に関連する道路地点または道路区間から見て、前記閉鎖の始点または終点となる車両出入口よりも、遠方の車両出入口に基づき、前記接続道路情報マスターテーブルを参照して、該遠方の車両出入口に、直接的に或いは間接的に接続される第2の接続道路の接続道路情報を抽出し、
前記取得部が、
前記第1および第2の接続道路の接続道路状況情報を取得し、
前記抽出部が、
前記第1の接続道路の接続道路状況情報(渋滞情報など)と、前記第2の接続道路の接続道路状況情報とを比較して、前記第2の接続道路の方が、時間あたりの車両通行量を多くできる場合は、前記抽出した道路閉鎖区間の閉鎖の始点または終点となる車両出入口を、前記第2の接続道路に接続するように、前記遠方の車両出入口に置き換える、
ことを特徴とする。
【0016】
また、第8の発明による道路管制支援装置は、
前記記憶部が、
複数の道路閉鎖区間の各々に関連付けられた、少なくとも1つの作業情報を含む、閉鎖区間関連作業情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記抽出部が、
前記抽出した道路閉鎖区間に基づき、前記閉鎖区間関連作業情報マスターテーブルを参照して、対応する少なくとも1つの作業情報を抽出し、
前記表示部が、
前記抽出した道路閉鎖区間に対応する少なくとも1つの作業情報をさらに表示する、
ことを特徴とする道路管制支援装置。
【0017】
また、第9の発明による道路管制支援装置は、
前記記憶部が、
複数の複数の車両出入口の各々に関連付けられた、少なくとも1つの作業情報(道路情報板の設置、所定の位置の電光掲示板の表示操作、誘導員の配置など)を含む、車両出入口関連作業情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記抽出部が、
前記抽出した道路閉鎖区間に含まれる車両出入口に基づき、前記車両出入口関連作業情報マスターテーブルを参照して、対応する少なくとも1つの作業情報を抽出し、
前記表示部が、
前記抽出した道路閉鎖区間に対応する少なくとも1つの作業情報をさらに表示する、
ことを特徴とする。
【0018】
また、第10の発明による道路管制支援装置は、
道路地点または道路区間と、道路地点または道路区間の各々に関連付けられた、閉鎖の始点または終点となる車両出入口を含む道路閉鎖区間情報と、時間的な要素を示す第1の時間情報と、を含む第1の道路情報マスターテーブルと、道路地点または道路区間と、道路地点または道路区間の各々に関連付けられた、閉鎖の始点または終点となる車両出入口を含む道路閉鎖区間情報と、時間的な要素を示す第2の時間情報と、を含む第2の道路情報マスターテーブルと、を格納する記憶部と、
前記管制対象道路における、事象に関連する道路地点または道路区間を含む事象位置情報と、時間的な要素を示す事象発生時間情報との入力を受け付ける入力受付部と、
前記事象発生時間情報に基づき、前記第1の道路情報マスターテーブルと、前記第2の道路情報マスターテーブルのうち、対応する時間情報を持つ方を参照して、前記事象位置情報に基づき、道路閉鎖区間情報を抽出する抽出部と、
前記前記抽出した道路閉鎖区間を表示する表示部と、
を有する。
【0019】
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録したコンピュータ可読な記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。なお、下記の方法やプログラムの各ステップは、データの処理においては必要に応じて、CPU、DSPなどの演算処理装置(プロセッサ)を使用するものであり、入力したデータや加工・生成したデータなどを磁気テープ、HDD、メモリなどの記憶装置に格納するものである。
【0020】
例えば、本発明をプログラムとして実現させた、第11の発明による道路管制支援プログラムは、
演算処理装置を第1〜10の発明のいずれか1つに記載の道路管制支援装置として機能させる道路管制支援プログラムである。
【0021】
また、本発明をコンピュータ可読な記録媒体として実現させた、第12の発明による記憶媒体は、
道路管制支援プログラムを格納したコンピュータ可読な記憶媒体である。