(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明による走行支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。また、本実施の形態において説明する各情報の形式、内容などは、あくまで例示であり、各情報の持つ意味を示すことができれば、形式、内容などは問わない。
【0034】
(実施の形態1)
本実施の形態において、走行支援装置11と、サーバ装置12とを備える走行支援システム1について説明する。走行支援装置11は、サーバ装置12から交通状況情報を受信し、当該交通状況情報が示す交通状況に応じて低速移動体の走行の支援を行う。また、サーバ装置12は、交通状況情報を保持しており、当該交通状況情報を、走行支援装置11に送信する。
【0035】
図1は、本実施の形態における走行支援システム1の概念図である。
図1において、走行支援装置11とサーバ装置12とは、通信手段13を介して接続されている。走行支援装置11は、通常、低速移動体に搭載されている。「低速移動体」とは、比較的低速で走行する移動体である。「比較的低速で走行する」とは、具体的には、最高速度が予め決められた条件を満たすほど遅い速度であることである。また、「低速移動体」は、通常、合法、違法に関係なく、物理的に歩道を走行することが可能な移動体であり、人が乗ることができる移動体であればよい。「低速移動体」は、例えば、セグウェイ(登録商標)や、立ち乗りスクーター、電動アシスト自転車、電動車椅子(シニアカー)、歩行補助装置(例えば、「http://www.honda.co.jp/robotics/weight/」など)などである。また、通信手段13は、通常、無線の通信手段であるが、有線の通信手段であってもよい。通信手段13は、例えば、無線LANや、インターネットなどである。
【0036】
また、
図2は、本実施の形態における走行支援装置11およびサーバ装置12のブロック図である。走行支援装置11は、受信部111、現在位置情報取得部112、受付部113、判断部114、走行支援部115を備える。また、サーバ装置12は、サーバ交通状況情報格納部121、サーバ送信部122を備える。
【0037】
受信部111は、サーバ装置12から、交通状況情報を受信する。「交通状況情報」とは、交通状況に関する情報である。また、「交通状況」とは、例えば、事故の発生の状況や、通行人の状況などである。「事故の発生の状況」とは、現在の事故の発生の有無や、過去の事故の発生の有無、事故が発生しやすいか否かなどである。また、「通行人の状況」とは、通行人の有無や、通行人の数などである。
【0038】
また、「交通状況情報」は、通常、1以上の位置情報を有する情報である。「位置情報」とは、位置を示す情報である。当該「位置」は、通常、経緯度である。また、当該「位置」は、例えば、地図上の座標であってもよい。また、当該「位置」は、例えば、高度(高さ)を含んでいてもよい。また、当該1以上の位置情報により、地図上のエリア(領域、区域、地域など)が示される。当該地図上のエリアは、交通状況の対象となるエリアである。また、当該地図上のエリアは、低速移動体の走行の支援を行うエリアでもある。従って、当該地図上のエリアを、以下、適宜、走行支援エリアとする。なお、走行支援エリアの形状は、問わない。
【0039】
また、「交通状況情報」は、例えば、交通状況内容情報を有していてもよい。「交通状況内容情報」とは、交通状況の内容を示す情報である。「交通状況の内容」とは、例えば、交通事故が発生していることや、交通事故多発エリアであること、通行人がいること、通行人が10人から20人であることなどである。
【0040】
また、受信部111は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0041】
現在位置情報取得部112は、現在位置を示す情報である現在位置情報を取得する。「現在位置情報」は、現在位置を示す位置情報である。また、現在位置情報取得部112は、通常、定期的に現在位置情報を取得する。また、現在位置情報取得部112は、通常、衛星航法システム(GPS受信機など)や、移動体通信用の基地局から位置情報を受信する装置などから、現在位置情報を取得する。この場合、現在位置情報取得部112は、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、現在位置情報取得部112の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0042】
受付部113は、指示を受け付ける。当該指示は、例えば、加速の指示である加速指示や、減速の指示である減速指示、電源ONの指示、電源OFFの指示などである。なお、これらの指示を受け付けた場合、走行支援装置11は、これらの各指示に応じた低速移動体の制御または予め決められた処理を行う。
【0043】
また、受け付けとは、例えば、ハンドルや、アクセルレバー、電源スイッチなどの操作に応じた情報の取得や、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体に格納されている情報の取得などを含む概念である。
【0044】
また、受付部113は、通常、ハンドルや、アクセルレバー、電源スイッチなどの操作を介して、ユーザから、上記の指示を受け付ける。この場合、受付部113は、例えば、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。また、受付部113の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0045】
判断部114は、低速移動体の走行の支援を行うか否かを判断する。「低速移動体の走行の支援」を、以下、適宜、走行支援とする。判断部114は、通常、走行支援を行うか否かを判断するための条件(以下、適宜、走行支援判断条件とする)を予め保持している。そして、判断部114は、当該走行支援判断条件を用いて、走行支援を行うか否かを判断する。具体的に、判断部114は、走行支援判断条件による判断の対象が、当該走行支援判断条件を満たすか否かを判断する。そして、判断部114は、走行支援判断条件による判断の対象が、走行支援判断条件を満たす場合に、走行支援を行うと判断する。
【0046】
本実施の形態において、上記「走行支援判断条件」は、通常、現在位置に関する条件である。「現在位置に関する条件」とは、具体的には、現在位置情報が示す現在位置と、受信部111が受信した交通状況情報が有する1以上の位置情報が示す位置との関係に関する条件である。言い換えると、「現在位置に関する条件」とは、現在位置と走行支援エリアとの位置関係に関する条件である。「現在位置に関する条件」は、例えば、現在位置が走行支援エリア内の位置であることや、現在位置が走行支援エリア周辺の位置であることなどである。当該「周辺」とは、走行支援エリアの境界との距離が予め決められた条件を満たすほど近いことを意味する。また、当該「距離」は、通常、空間的距離であるが、時間的距離であってもよい。
【0047】
例えば、判断部114は、現在位置情報と、1以上の交通状況情報を用いて、現在位置情報が示す現在位置が、いずれの走行支援エリア内の位置であるか否かや、現在位置情報が示す現在位置が、いずれの走行支援エリア周辺の位置であるか否かなどを判断する。当該走行支援エリアの範囲は、交通状況情報が有する1以上の位置情報により示される。そして、判断部114は、現在位置が、いずれかの走行支援エリア内の位置である場合や、現在位置が、いずれかの走行支援エリア周辺の位置である場合などに、現在位置が走行支援判断条件を満たすと判断する。そして、判断部114は、走行支援を行うと判断する。
【0048】
また、判断部114は、例えば、現在位置情報取得部112が現在位置情報を取得するたびに、上記の判断を行う。
【0049】
また、判断部114は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。また、判断部114などの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。なお、判断部114などは、ハードウェア(専用回路)で実現されてもよい。
【0050】
走行支援部115は、判断部114が走行支援を行うと判断した場合に、走行支援を行う。「走行支援」とは、例えば、低速移動体の走行の制御を行うことや、予め決められた出力を行うことなどである。
【0051】
上記「低速移動体の走行の制御」とは、具体的には、速度の制御や、加速度の制御などである。「速度の制御」とは、通常、予め決められた閾値以上の速度にならないように、速度を抑えることである。また、「加速度の制御」とは、通常、予め決められた閾値以上の加速度にならないように、加速度を抑えることである。また、当該「予め決められた閾値」は、通常、走行支援部115が予め保持している。また、「以上」には、「超過」も含まれる。
【0052】
また、上記「予め決められた出力」は、通常、現在位置が走行支援エリア内であること、または、現在位置が走行支援エリア周辺であることの注意喚起を行うためのものである。また、「予め決められた出力」とは、具体的には、画面出力や、音出力、低速移動体を振動させるための信号の出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。なお、送信や蓄積、処理結果の引渡しについては、出力対象が最終的にユーザに提示されるものとする。
【0053】
以上より、「走行支援」とは、通常、ユーザが安全に低速移動体による走行が行えるように(低速移動体が安全に走行できるように)するために行う支援である。
【0054】
また、走行支援部115は、例えば、どのような内容の走行支援を行うか否かを判断するための条件(以下、適宜、走行支援実行条件とする)を予め保持していてもよい。この場合、走行支援部115は、当該走行支援実行条件を用いて、走行支援を行う。具体的に、走行支援部115は、走行支援実行条件による判断の対象が、当該走行支援実行条件を満たすか否かを判断する。そして、走行支援部115は、走行支援実行条件による判断の対象が、走行支援実行条件を満たす場合に、走行支援を行う。
【0055】
上記「走行支援実行条件」は、例えば、速度に関する条件や、加速度に関する条件などである。「速度に関する条件」とは、例えば、速度が予め決められた閾値以上であることや、速度が予め決められた閾値超過であることなどである。また、「加速度に関する条件」とは、加速度が予め決められた閾値以上であることや、加速度が予め決められた閾値超過であることなどである。当該「以上」は、「以下」であってもよい。また、当該「超過」は、「未満」であってもよい。
【0056】
例えば、上記「走行支援実行条件」が速度に関する条件である場合、走行支援部115は、低速移動体の速度を取得する。そして、走行支援部115は、当該速度が、走行支援実行条件を満たすか否かを判断する。そして、当該速度が走行支援実行条件を満たす場合、走行支援部115は、速度が走行支援実行条件を満たさないように、速度の制御を行う。
【0057】
また、例えば、上記「走行支援実行条件」が加速度に関する条件である場合、走行支援部115は、低速移動体の加速度を取得する。そして、走行支援部115は、当該加速度が、走行支援実行条件を満たすか否かを判断する。そして、当該加速度が走行支援実行条件を満たす場合、走行支援部115は、速度が走行支援実行条件を満たさないように、加速度の制御を行う。
【0058】
また、走行支援部115は、例えば、低速移動体の速度や加速度などが、速度や加速度などに関する走行支援実行条件を満たす場合に、予め決められた出力を行ってもよい。
【0059】
また、走行支援部115は、例えば、低速移動体の速度や加速度などが、速度や加速度などに関する走行支援実行条件を満たさない場合に、走行支援を行ってもよい。つまり、この場合、例えば、走行支援実行条件が速度に関する条件である場合、走行支援部115は、低速移動体の速度が走行支援実行条件を満たさない場合に、速度が走行支援実行条件を満たすように、速度の制御を行う。また、例えば、走行支援実行条件が加速度に関する条件である場合、走行支援部115は、低速移動体の加速度が走行支援実行条件を満たさない場合に、加速度が走行支援実行条件を満たすように、加速度の制御を行う。また、走行支援部115は、例えば、低速移動体の速度や加速度などが、速度や加速度などに関する走行支援実行条件を満たさない場合に、予め決められた出力を行う。
【0060】
また、上記「加速度に関する条件」は、例えば、受付部113が受け付けた加速指示が予め決められた条件を満たすほど急な加速の指示であることであってもよい。当該条件は、言い換えると、受付部113が、予め決められた条件を満たすほど急な加速の指示である加速指示を受け付けたことである。この場合、走行支援部115は、受付部113が受け付けた加速指示が、走行支援実行条件を満たすか否か(受付部113が、走行支援実行条件を満たす加速指示を受け付けたか否か)を判断する。そして、加速指示が走行支援実行条件を満たす場合(受付部113が走行支援実行条件を満たす加速指示を受け付けた場合)、走行支援部115は、加速度の制御を行う。
【0061】
また、低速移動体が電動アシスト自転車である場合、走行支援部115は、判断部114が低速移動体の走行の支援を行うと判断した場合に、電動アシスト自転車によるユーザへのアシストの度合の制御を行う。「アシスト度合の制御」とは、例えば、予め決められた閾値以上の加速度にならないように、アシストを緩めることや、予め決められた閾値以上の速度にならないように、アシストを緩めることなどである。
【0062】
また、低速移動体が歩行補助装置である場合、走行支援部115は、判断部114が低速移動体の走行の支援を行うと判断した場合に、歩行補助装置によるユーザへの補助の度合の制御を行う。「補助の度合の制御」とは、例えば、予め決められた閾値以上の加速度にならないように、補助を緩めることや、予め決められた閾値以上の速度にならないように、補助を緩めることなどである。
【0063】
また、走行支援部115は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。また、走行支援部115などの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。なお、走行支援部115などは、ハードウェア(専用回路)で実現されてもよい。
【0064】
また、走行支援部115は、例えば、ディスプレイやスピーカーなどの出力デバイスを含むと考えてもよいし、含まないと考えてもよい。この場合、走行支援部115は、出力デバイスのドライバソフトまたは、出力デバイスのドライバソフトと出力デバイスなどで実現され得る。
【0065】
サーバ装置12を構成するサーバ交通状況情報格納部121には、1以上の交通状況情報が格納される。サーバ交通状況情報格納部121は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。また、サーバ交通状況情報格納部121などに所定の情報が記憶される過程は、問わない。例えば、当該所定の情報は、記録媒体や、通信回線、入力デバイスなどを介してサーバ交通状況情報格納部121などに記憶されてもよい。
【0066】
サーバ送信部122は、サーバ交通状況情報格納部121に格納されている1以上の交通状況情報を、走行支援装置11に送信する。このとき、サーバ送信部122は、例えば、サーバ交通状況情報格納部121に格納されているすべての交通状況情報を送信する。
【0067】
また、サーバ送信部122は、例えば、サーバ交通状況情報格納部121に格納されている1以上の交通状況情報のうち、予め決められた条件を満たす交通状況情報のみを送信してもよい。当該予め決められた条件とは、通常、低速移動体(走行支援装置11)の現在位置と、交通状況情報が有する1以上の位置情報により示される走行支援エリアとの距離に関する条件である。つまり、サーバ送信部122は、現在位置と、走行支援エリアとの距離が予め決められた条件を満たすほど近い1以上の交通状況情報を、サーバ交通状況情報格納部121から取得する。そして、サーバ送信部122は、当該取得した1以上の交通状況情報を、走行支援装置11に送信する。
【0068】
なお、上記1以上の交通状況情報の取得は、例えば、図示しないサーバ交通状況情報取得部が行ってもよい。この場合、サーバ送信部122は、サーバ交通状況情報取得部が取得した1以上の交通状況情報を、走行支援装置11に送信する。
【0069】
また、サーバ送信部122は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されてもよい。
【0070】
次に、走行支援システム1の全体動作について、フローチャートを用いて説明する。なお、所定の情報におけるi番目の情報は、「情報[i]」と記載するものとする。まず、走行支援装置11の全体動作について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0071】
(ステップS301)走行支援装置11は、受付部113が電源ONの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS302に進み、そうでない場合は、ステップS301に戻る。
【0072】
(ステップS302)走行支援装置11は、電源ONの処理を行う。
【0073】
(ステップS303)図示しない蓄積部は、受信部111が1以上の交通状況情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS304に進み、そうでない場合は、ステップS303に戻る。
【0074】
(ステップS304)図示しない蓄積部は、ステップS303で受信した1以上の交通状況情報を、予め決められた記憶領域に蓄積する。
【0075】
(ステップS305)現在位置情報取得部112は、現在位置情報の取得を開始する。以降、現在位置情報取得部112は、通常、走行支援装置11の電源がOFFになるまで、現在位置情報を定期的に取得し続ける。
【0076】
(ステップS306)判断部114は、現在位置情報取得部112が現在位置情報を取得したか否かを判断する。取得した場合は、ステップS307に進み、そうでない場合は、ステップS317に進む。
【0077】
(ステップS307)判断部114は、現在位置情報取得部112が取得した現在位置情報が走行支援判断条件を満たすか否かを判断する。この処理の詳細は、
図4のフローチャートを用いて説明する。また、この処理の結果、変数resultに、現在位置情報が走行支援判断条件を満たすか否かの判断結果がセットされるものとする。
【0078】
(ステップS308)走行支援部115は、変数resultがtrueであるか否かを判断する。trueである場合は、ステップS309に進み、そうでない場合は、ステップS317に進む。
【0079】
(ステップS309)走行支援部115は、走行支援の内容を判断する。当該判断は、例えば、走行支援の内容を示す情報が予め決められた記憶領域に格納されており、当該情報を用いて行う。そして、速度の制御を行う場合は、ステップS310に進み、加速度の制御を行う場合は、ステップS313に進み、出力を行う場合は、ステップS316に進む。
【0080】
(ステップS310)走行支援部115は、低速移動体の速度を取得する。
【0081】
(ステップS311)走行支援部115は、ステップS310で取得した速度が走行支援実行条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は、ステップS312に進み、そうでない場合は、ステップS317に進む。
【0082】
(ステップS312)走行支援部115は、低速移動体の速度が走行支援実行条件を満たさないように、低速移動体の速度を制御する。そして、ステップS317に進む。
【0083】
(ステップS313)走行支援部115は、受付部113が加速指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS314に進み、そうでない場合はステップS317に進む。
【0084】
(ステップS314)走行支援部115は、ステップS313で受け付けた加速指示が走行支援実行条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は、ステップS315に進み、そうでない場合は、ステップS317に進む。
【0085】
(ステップS315)走行支援部115は、予め決められた閾値以下の加速度になるように、加速度を制御する。そして、ステップS317に進む。
【0086】
(ステップS316)走行支援部115は、予め決められた出力を行う。
【0087】
(ステップS317)走行支援装置11は、受付部113が電源OFFの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS318に進み、そうでない場合は、ステップS306に戻る。
【0088】
(ステップS318)走行支援装置11は、電源OFFの処理を行う。そして、ステップS301に戻る。
【0089】
なお、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0090】
図4は、
図3のフローチャートのステップS307の走行支援判断条件を満たすか否かの判断処理を示すフローチャートである。なお、
図4のフローチャートにおいて、予め決められた記憶領域には、m個の交通状況情報が格納されているものとする。
【0091】
(ステップS401)判断部114は、変数resultにfalseをセットする。
【0092】
(ステップS402)判断部114は、カウンタiに1をセットする。
【0093】
(ステップS403)判断部114は、現在位置情報が示す現在位置が、交通状況情報[i]が有する1以上の位置情報により示される走行支援エリアである走行支援エリア[i]内の位置であるか否かを判断する。走行支援エリア[i]内の位置である場合は、ステップS405に進み、そうでない場合は、ステップS404に進む。
【0094】
(ステップS404)判断部114は、現在位置情報が示す現在位置が、走行支援エリア[i]周辺の位置であるか否かを判断する。走行支援エリア[i]周辺の位置である場合は、ステップS405に進み、そうでない場合は、ステップS406に進む。
【0095】
(ステップS405)判断部114は、resultにtrueをセットする。そして、上司処理にリターンする。
【0096】
(ステップS406)判断部114は、iがmであるか否かを判断する。mである場合は、上位処理にリターンし、そうでない場合は、ステップS407に進む。
【0097】
(ステップS407)判断部114は、iを1インクリメントする。そして、ステップS403に戻る。
【0098】
次に、サーバ装置12の全体動作について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0099】
(ステップS501)図示しないサーバ蓄積部は、図示しないサーバ受信部が1以上の交通状況情報を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップS502に進み、そうでない場合は、ステップS503に進む。
【0100】
(ステップS502)図示しないサーバ蓄積部は、ステップS501で受信した1以上の交通状況情報を、サーバ交通状況情報格納部121に蓄積する。
【0101】
(ステップS503)サーバ送信部122は、交通状況情報の送信のタイミングであるか否かを判断する。当該タイミングは、例えば、走行支援装置11から交通状況情報を送信する旨の指示を受信したときや、定期的などである。そして、送信のタイミングである場合は、ステップS504に進み、そうでない場合は、ステップS501に戻る。
【0102】
(ステップS504)サーバ送信部122は、サーバ交通状況情報格納部121に1以上の交通状況情報が格納されているか否かを判断する。格納されている場合は、ステップS505に進み、そうでない場合は、ステップS501に戻る。
【0103】
(ステップS505)サーバ送信部122は、サーバ交通状況情報格納部121に格納されている1以上の交通状況情報を、走行支援装置11に送信する。
【0104】
なお、
図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0105】
(具体例)
次に、走行支援システム1の動作の具体例について説明する。なお、本具体例において、低速移動体は、電動車椅子であるものとする。また、走行支援装置11は、電動車椅子の制御装置であるものとする。また、走行支援装置11が備える現在位置情報取得部112は、電動車椅子の電源がONになってから電源がOFFになるまで、定期的に現在位置情報を取得するものとする。また、サーバ交通状況情報格納部121には、
図6に示す交通状況情報が格納されているものとする。当該交通状況情報は、レコードを一意に特定するためのIDと、1以上の位置情報(項目名:走行支援エリア)と、交通状況内容情報(項目名:内容)とを有する。当該1以上の位置情報により、走行支援エリアが示される。また、走行支援判断条件は、現在位置が走行支援エリア内であること、であるものとする。
【0106】
(例1)
本例において、走行支援エリア内において、加速度を制御する例について説明する。
【0107】
まず、ユーザが、電動車椅子に乗り、電動車椅子の電源をONにし、走行を開始したとする。すると、図示しない送信部は、交通状況情報を送信する旨の指示である交通状況情報送信指示を、サーバ装置12に送信する。当該送信部は、走行支援装置11が備える。
【0108】
次に、図示しないサーバ受信部は、走行支援装置11から、交通状況情報送信指示を受信する。当該サーバ受信部は、サーバ装置12が備える。
【0109】
次に、サーバ送信部122は、サーバ交通状況情報格納部121に格納されている
図6のすべての交通状況情報を取得し、走行支援装置11に送信する。なお、当該交通状況情報の取得は、例えば、図示しないサーバ交通状況情報取得部が行ってもよい。この場合、サーバ交通状況情報取得部は、サーバ装置12が備える。
【0110】
次に、走行支援装置11を構成する受信部111は、
図6の交通状況情報を受信する。当該受信した交通状況情報は、例えば、図示しない蓄積部により、予め決められた記憶領域に蓄積される。
【0111】
ここで、現在位置が、走行支援エリア外であるとする。当該現在位置は、現在位置情報取得部112が取得した現在位置情報により示される。また、当該走行支援エリアは、
図6の交通状況情報が有する1以上の位置情報により示される。この場合、走行支援装置11は、受付部113が受け付けた指示に応じて、電動車椅子を制御したり、予め決められた処理を行ったりする。例えば、受付部113が、加速指示を受け付けた場合、走行支援装置11は、当該加速指示に従い、電動車椅子を加速させる。また、例えば、受付部113が、電源OFFの指示を受け付けた場合、走行支援装置11は、当該電源OFFの指示に従い、電動車椅子の電源をOFFにする。
【0112】
次に、判断部114が、現在位置が、走行支援エリア内であると判断したとする。当該走行支援エリアは、
図6の「ID=012」の交通状況情報が有する1以上の位置情報により示される走行支援エリアであるものとする。そして、判断部114は、走行支援を行うと判断する。
【0113】
次に、ユーザが、電動車椅子に対して、加速するための操作を行ったとする。すると、受付部113は、加速指示を受け付ける。また、当該加速指示は、加速度「8km/s・s」で加速するための指示であるものとする。当該「s・s」は、秒の2乗を表す。また、ここで、走行支援実行条件が、加速度に関する条件「加速度>5km/s・s」であるものとする。当該走行支援実行条件は、加速度が「5km/s・s」超過であることを意味する。
【0114】
次に、走行支援部115は、上記加速指示により指示された加速度「8km/s・s」が、走行支援実行条件「加速度>5km/s・s」を満たすと判断する。そして、走行支援部115は、当該走行支援実行条件を満たさない加速度にて加速するように、電動車椅子の加速度を制御する。走行支援部115は、例えば、加速度「5km/s・s」で加速するように、電動車椅子が備えるモーターを制御する。
【0115】
(例2)
本例において、走行支援エリア内において、速度を制御する例について説明する。
【0116】
まず、例1と同様に、電動車椅子が、加速度「5km/s・s」で加速しながら、走行支援エリア内を走行しているとする。ここで、走行支援実行条件は、速度に関する条件「速度>20km/h」であるものとする。当該走行支援実行条件は、速度が「20km/h」超過であることを意味する。
【0117】
次に、上記の加速の結果、電動車椅子の速度が「20km/h」に達したとする。すると、走行支援部115は、当該速度「20km/h」が、走行支援実行条件「速度>20km/h」を満たすと判断する。そして、走行支援部115は、当該走行支援実行条件を満たさない速度にて走行するように、電動車椅子の速度を制御する。走行支援部115は、例えば、速度「20km/h」で走行するように、電動車椅子が備えるモーターを制御する。
【0118】
(例3)
本例において、走行支援エリア内において、走行支援エリア内である旨をユーザに通知する例について説明する。当該通知の手段は、音出力であるものとする。つまり、走行支援エリア内において音出力を行うことが、予め決められているものとする。
【0119】
まず、例1と同様に、電動車椅子が走行しているとする。
【0120】
次に、判断部114が、現在位置が、走行支援エリア内であると判断したとする。当該走行支援エリアは、
図6の「ID=018」の交通状況情報が有する1以上の位置情報により示される走行支援エリアであるものとする。そして、判断部114は、走行支援を行うと判断する。
【0121】
次に、走行支援部115は、電動車椅子が備えるスピーカーを用いて、音出力を行う。当該出力される音は、例えば、いわゆるビープ音や、いわゆる警告音などである。
【0122】
また、電動車椅子が走行を続け、走行支援エリア外に移動したとする。すると、判断部114は、現在位置が、走行支援エリア外であると判断する。そして、判断部114は、走行支援を行わないと判断する。
【0123】
次に、走行支援部115は、音出力を終了する。
【0124】
以上、本実施の形態による走行支援システム1によれば、交通状況に応じて、低速移動体の走行を支援することができる。例えば、本実施の形態による走行支援システム1によれば、交通事故の発生の状況や、通行人の状況などに応じて、低速移動体の速度や加速度などを制御することができる。また、例えば、本実施の形態による走行支援システム1によれば、交通事故の発生の状況や、通行人の状況などに応じて、ユーザに対して、走行に注意が必要である旨を通知することができる。
【0125】
なお、本実施の形態において、交通状況情報は、走行支援の内容を示す走行支援内容情報を有していてもよい。この場合、判断部114は、走行支援判断条件を満たすと判断した交通状況情報が有する走行支援内容情報を取得する。また、この場合、走行支援部115は、当該判断部114が取得した走行支援内容情報が示す内容の走行支援を行う。
【0126】
また、本実施の形態において、現在位置情報が示す現在位置と交通状況情報が有する1以上の位置情報が示す位置との関係が、走行支援判断条件を満たすか否かの判断と、走行支援実行条件による判断の対象が、走行支援実行条件を満たすか否かの判断とを、判断部114が行ってもよい。この場合、走行支援部115は、判断部114が、現在位置情報が示す現在位置と交通状況情報が有する1以上の位置情報が示す位置との関係が、走行支援判断条件を満たす、かつ、走行支援実行条件による判断の対象が、走行支援実行条件を満たすと判断した場合に、予め決められた内容の走行支援を行う。
【0127】
(実施の形態2)
本実施の形態において、通行人の状況または低速移動体の状態に応じて低速移動体の走行の支援を行う走行支援装置21について説明する。
【0128】
なお、本実施の形態における走行支援装置21は、実施の形態1と同様に、通常、低速移動体に搭載されている。
【0129】
図7は、本実施の形態における走行支援装置21のブロック図である。走行支援装置21は、状況状態関連情報取得部211、受付部212、判断部213、走行支援部214を備える。なお、受付部212における処理や動作などは、実施の形態1の受付部113における処理や動作などと同様であるので、説明を省略する。また、走行支援部214における処理や動作などは、判断部213が走行支援を行うと判断した場合に走行支援を行うこと以外は、実施の形態1の走行支援部115における処理や動作などと同様であるので、説明を省略する。
【0130】
状況状態関連情報取得部211は、状況状態関連情報を取得する。「状況状態関連情報」とは、例えば、通行人の状況や、低速移動体の状態などに関する情報である。また、「状況状態関連情報」は、例えば、通行人の状況や、低速移動体の状態などを示す情報でもある。「通行人の状況」とは、通行人の有無や、通行人の数などである。また、「移動体の状態」とは、通常、低速移動体の燃料残量の状態である。当該「燃料」とは、通常、バッテリーである。また、「燃料残量の状態」とは、例えば、燃料残量があるか否かや、燃料残量の割合などである。また、状況状態関連情報取得部211は、通常、定期的に、状況状態関連情報を取得する。
【0131】
また、通行人の状況に関する状況状態関連情報(以下、適宜、通行人状況関連情報とする)を取得する場合、状況状態関連情報取得部211は、例えば、低速移動体の前方の画像(以下、適宜、前方画像とする)を取得する。前方画像は、当該2以上の画像を有する映像であってもよい。そして、状況状態関連情報取得部211は、取得した前方画像を画像処理し、当該画像内の人物を検出する。そして、状況状態関連情報取得部211は、当該人物の検出結果を用いて、通行人の状況を判断する。そして、状況状態関連情報取得部211は、通行人の状況の判断結果に応じた通行人状況関連情報を取得する。
【0132】
また、この場合、状況状態関連情報取得部211は、通常、CMOSやCCDなどのイメージセンサ(固体撮像素子)や、イメージセンサを用いたカメラ(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ)などから、前方画像を取得する。また、この場合、状況状態関連情報取得部211は、例えば、これらの装置を有していてもよい。
【0133】
また、低速移動体の状態に関する状況状態関連情報(以下、適宜、移動体状態関連情報とする)を取得する場合、状況状態関連情報取得部211は、通常、低速移動体が備える燃料計や、バッテリーなどから、低速移動体状態関連情報を取得する。また、この場合、状況状態関連情報取得部211は、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。
【0134】
なお、状況状態関連情報は、例えば、周囲の環境に関する情報(以下、適宜、周囲環境関連情報)であってもよい。「周囲の環境」とは、通常、天候である。つまり、周囲環境関連情報は、通常、天気や、降水量、風速、風向などを示す情報である。また、周囲環境情報は、例えば、雨が降っているか否かを示す情報であってもよい。
【0135】
また、周囲の環境に関する状況状態関連情報を取得する場合、状況状態関連情報取得部211は、通常、照度計や、雲量計、風速計などの装置から、周囲環境関連情報を取得する。この場合、状況状態関連情報取得部211は、例えば、これらの装置を有していてもよいし、これらの装置で実現され得てもよい。
【0136】
また、状況状態関連情報取得部211の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0137】
判断部213は、走行支援を行うか否かを判断する。判断部213は、通常、走行支援を行うか否かを判断するための走行支援判断条件を予め保持している。そして、判断部213は、当該走行支援判断条件を用いて、走行支援を行うか否かを判断する。具体的に、判断部213は、走行支援判断条件による判断の対象が、当該走行支援判断条件を満たすか否かを判断する。そして、判断部213は、走行支援判断条件による判断の対象が、走行支援判断条件を満たす場合に、走行支援を行うと判断する。
【0138】
なお、本実施の形態において、走行支援判断条件は、実施の形態1とは異なり、通行人の状況や、低速移動体の状態などに関する条件である。当該「通行人の状況」は、状況状態関連情報取得部211が取得した状況状態関連情報が示す通行人の状況である。また、当該「低速移動体の状態」は、状況状態関連情報取得部211が取得した状況状態関連情報が示す低速移動体の状態である。また、本実施の形態における走行支援判断条件は、例えば、周囲の環境に関する条件であってもよい。当該「周囲の環境」は、状況状態関連情報取得部211が取得した周囲環境関連情報が示す周囲の環境である。
【0139】
つまり、判断部213は、状況状態関連情報取得部211が取得した状況状態関連情報が、走行支援判断条件を満たすか否かを判断する。そして、判断部213は、状況状態関連情報が走行支援判断条件を満たす場合に、走行支援を行うと判断する。
【0140】
また、判断部213は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。また、判断部213などの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。なお、判断部213などは、ハードウェア(専用回路)で実現されてもよい。
【0141】
次に、走行支援装置21の全体動作について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0142】
(ステップS801)走行支援装置21は、受付部212が電源ONの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS802に進み、そうでない場合は、ステップS801に戻る。
【0143】
(ステップS802)走行支援装置21は、電源ONの処理を行う。
【0144】
(ステップS803)状況状態関連情報取得部211は、状況状態関連情報の取得を開始する。以降、状況状態関連情報取得部211は、走行支援装置21の電源がOFFになるまで、状況状態関連情報を定期的に取得し続ける。
【0145】
(ステップS804)判断部213は、状況状態関連情報取得部211が状況状態関連情報を取得したか否かを判断する。取得した場合は、ステップS805に進み、そうでない場合は、ステップS814に進む。
【0146】
(ステップS805)判断部213は、状況状態関連情報取得部211が取得した状況状態関連情報が走行支援判断条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は、ステップS806に進み、そうでない場合は、ステップS814に進む。
【0147】
(ステップS806)走行支援部214は、走行支援の内容を判断する。当該判断は、例えば、走行支援の内容を示す情報が予め決められた記憶領域に格納されており、当該情報を用いて行う。そして、速度の制御を行う場合は、ステップS807に進み、加速度の制御を行う場合は、ステップS810に進み、出力を行う場合は、ステップS813に進む。
【0148】
(ステップS807)走行支援部214は、低速移動体の速度を取得する。
【0149】
(ステップS808)走行支援部214は、ステップS807で取得した速度が走行支援実行条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は、ステップS809に進み、そうでない場合は、ステップS814に進む。
【0150】
(ステップS809)走行支援部214は、低速移動体の速度が走行支援実行条件を満たさないように、低速移動体の速度を制御する。そして、ステップS814に進む。
【0151】
(ステップS810)走行支援部214は、受付部113が加速指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS811に進み、そうでない場合はステップS814に進む。
【0152】
(ステップS811)走行支援部214は、ステップS810で受け付けた加速指示が走行支援実行条件を満たすか否かを判断する。満たす場合は、ステップS812に進み、そうでない場合は、ステップS814に進む。
【0153】
(ステップS812)走行支援部214は、予め決められた閾値以下の加速度になるように、加速度を制御する。そして、ステップS814に進む。
【0154】
(ステップS813)走行支援部214は、予め決められた出力を行う。
【0155】
(ステップS814)走行支援装置21は、受付部212が電源OFFの指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合は、ステップS815に進み、そうでない場合は、ステップS804に戻る。
【0156】
(ステップS815)走行支援装置21は、電源OFFの処理を行う。そして、ステップS801に戻る。
【0157】
なお、
図8のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理を終了してもよい。
【0158】
(具体例)
次に、走行支援装置21の動作の具体例について説明する。なお、本具体例において、低速移動体は、電動車椅子であるものとする。また、走行支援装置21は、電動車椅子の制御装置であるものとする。また、走行支援装置21が備える状況状態関連情報取得部211は、電動車椅子の電源がONになってから、電源がOFFになるまで、定期的に状況状態関連情報を取得するものとする。
【0159】
(例1)
本例において、燃料残量が少ない場合に、加速度または速度を制御する例について説明する。なお、本例において、電動車椅子の燃料は、バッテリーであるものとする。また、走行支援判断条件は、「バッテリー残量≦30%」であるものとする。当該走行支援判断条件は、バッテリーの残量が30%以下であることを意味する。
【0160】
まず、ユーザが、電動車椅子に乗り、電動車椅子の電源をONにし、走行を開始したとする。当該走行により、電動車椅子のバッテリー残量は、徐々に低下する。
【0161】
ここで、状況状態関連情報取得部211が、バッテリー残量を示す移動体状態関連情報「30%」を取得したとする。すると、判断部213は、当該移動体状態関連情報「30%」が、走行支援判断条件「バッテリー残量≦30%」を満たすと判断する。そして、判断部213は、走行支援を行うと判断する。
【0162】
次に、ユーザが、電動車椅子に対して、加速するための操作を行ったとする。すると、受付部212は、加速指示を受け付ける。また、当該加速指示は、加速度「8km/s・s」で加速するための指示であるものとする。当該「s・s」は、秒の2乗を表す。また、ここで、走行支援実行条件が、加速度に関する条件「加速度>5km/s・s」であるものとする。当該走行支援実行条件は、加速度が「5km/s・s」超過であることを意味する。
【0163】
次に、走行支援部214は、上記加速指示により指示された加速度「8km/s・s」が、走行支援実行条件「加速度>5km/s・s」を満たすと判断する。そして、走行支援部214は、当該走行支援実行条件を満たさない加速度にて加速するように、電動車椅子の加速度を制御する。走行支援部214は、例えば、加速度「5km/s・s」で加速するように、電動車椅子が備えるモーターを制御する。
【0164】
また、例えば、電動車椅子が、上記の様に、加速度「5km/s・s」で加速しながら走行しているとする。ここで、走行支援実行条件は、速度に関する条件「速度>20km/h」であるものとする。当該走行支援実行条件は、速度が「20km/h」超過であることを意味する。
【0165】
次に、上記の加速の結果、電動車椅子の速度が「20km/h」に達したとする。すると、走行支援部214は、当該速度「20km/h」が、走行支援実行条件「速度>20km/h」を満たすと判断する。そして、走行支援部214は、当該走行支援実行条件を満たさない速度にて走行するように、電動車椅子の速度を制御する。走行支援部214は、例えば、速度「20km/h」で走行するように、電動車椅子が備えるモーターを制御する。
【0166】
(例2)
本例において、通行人の状況に応じて、加速度または速度を制御する例について説明する。なお、本例において、走行支援判断条件は、「通行人=あり」であるものとする。当該走行支援判断条件は、通行人がいることを意味する。
【0167】
まず、例1と同様に、電動車椅子が走行しているとする。
【0168】
ここで、状況状態関連情報取得部211が、通行人がいることを示す通行人状況関連情報「あり」を取得したとする。このとき、状況状態関連情報取得部211は、例えば、前方画像を取得し、取得した前方画像を画像処理し、当該前方画像内の人物を検出する。そして、当該前方画像内から人物を検出できた場合、例えば、状況状態関連情報取得部211は、通行人がいることを示す通行人状況関連情報「あり」を取得する。また、当該前方画像内から人物を検出できなかった場合、例えば、状況状態関連情報取得部211は、通行人がいないことを示す通行人状況情報「なし」を取得する。
【0169】
次に、判断部213は、上記通行人状況関連情報「あり」が、走行支援判断条件「通行人=あり」を満たすと判断する。そして、判断部213は、走行支援を行うと判断する。
【0170】
なお、加速度および速度の制御の例は、例1と同様であるので、説明を省略する。
【0171】
以上、本実施の形態による走行支援装置21によれば、通行人の状況または低速移動体の状態に応じて、低速移動体の走行を支援することができる。例えば、本実施の形態による走行支援装置21によれば、通行人の状況や、低速移動体の状態などに応じて、低速移動体の速度や加速度などを制御することができる。また、例えば、本実施の形態による走行支援装置21によれば、通行人の状況や、低速移動体の状態などに応じて、ユーザに対して、走行に注意が必要である旨を通知することができる。
【0172】
(実施の形態3)
本実施の形態において、走行支援装置31と、サーバ装置12とを備える走行支援システム3について説明する。走行支援装置31は、サーバ装置12から交通状況情報を受信する。また、走行支援装置31は、状況状態関連情報を取得する。そして、走行支援装置31は、当該交通状況情報および当該状況状態関連情報を用いて、低速移動体の走行の支援を行う。また、サーバ装置12は、交通状況情報を保持しており、当該交通状況情報を、走行支援装置31に送信する。
【0173】
なお、本実施の形態における走行支援装置31は、実施の形態1と同様に、通常、低速移動体に搭載されている。
【0174】
また、本実施の形態における走行支援システム3の概念図は、
図1における走行支援システム1を走行支援システム3と、走行支援装置11を走行支援装置31と読み替えたものである。
【0175】
また、本実施の形態における走行支援装置31のブロック図は、
図9である。走行支援装置31は、受信部111、現在位置情報取得部112、状況状態関連情報取得部211、受付部113、判断部314、走行支援部115を備える。
【0176】
判断部314は、走行支援を行うか否かを判断する。判断部213は、通常、走行支援を行うか否かを判断するための走行支援判断条件を予め保持している。そして、判断部314は、当該走行支援判断条件を用いて、走行支援を行うか否かを判断する。具体的に、判断部314は、走行支援判断条件による判断の対象が、当該走行支援判断条件を満たすか否かを判断する。そして、判断部314は、走行支援判断条件による判断の対象が、走行支援判断条件を満たす場合に、走行支援を行うと判断する。
【0177】
なお、本実施の形態において、走行支援判断条件は、通常、現在位置と走行支援エリアとの位置関係に関する条件、および、状況状態関連情報に関する条件である。「状況状態関連情報に関する条件」とは、状況状態関連情報が示す通行人の状況や、低速移動体の状態、周囲の環境などに関する条件である。また、走行支援判断条件は、例えば、現在位置と走行支援エリアとの位置関係に関する条件と、状況状態関連情報に関する条件との論理積(AND)であることが好適である。また、当該論理積は、例えば、論理輪(OR)であってもよい。
【0178】
また、判断部314が、現在位置情報および交通状況情報が走行支援判断条件を満たすか否かを判断する方法や手順などは、判断部114における判断の方法や手順などと同様であるので、説明を省略する。また、判断部314が、状況状態関連情報が走行支援判断条件を満たすか否かを判断する方法や手順などは、判断部213における判断の方法や手順などと同様であるので、説明を省略する。
【0179】
また、走行支援装置31の全体動作などについては、走行支援装置11の全体動作および走行支援装置21の全体動作を組み合わせたものであるので、説明を省略する。
【0180】
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよいし、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0181】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよいし、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0182】
また、上記実施の形態1における走行支援装置11を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、事故の発生の状況または通行人の状況に関する情報であり、位置を示す1以上の位置情報を有する情報である交通状況情報を、前記サーバ装置から受信する受信部と、現在位置を示す情報である現在位置情報を取得する現在位置情報取得部と、前記現在位置情報が示す現在位置と前記受信部が受信した交通状況情報が有する1以上の位置情報が示す位置との関係が、予め決められた条件を満たすか否かを判断し、予め決められた条件を満たす場合に、低速移動体の走行の支援を行うと判断する判断部と、前記判断部が低速移動体の走行の支援を行うと判断した場合に、低速移動体の走行の支援を行う走行支援部として機能させるためのプログラムである。
【0183】
また、上記実施の形態2における走行支援装置21を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、通行人の状況または低速移動体の状態に関する情報である状況状態関連情報を取得する状況状態関連情報取得部と、前記状況状態関連情報取得部が取得した状況状態関連情報が示す通行人の状況または低速移動体の状態が、予め決められた条件を満たすか否かを判断し、予め決められた条件を満たす場合に、低速移動体の走行の支援を行うと判断する判断部と、前記判断部が低速移動体の走行の支援を行うと判断した場合に、低速移動体の走行の支援を行う走行支援部として機能させるためのプログラムである。
【0184】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。
【0185】
また、上記プログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよいし、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0186】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよいし、複数であってもよい。つまり、集中処理を行ってもよいし、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0187】
また、
図10は、前述のプログラムを実行して、前述の実施の形態の走行支援装置等を実現するコンピュータシステム9の概観図である。前述の実施の形態は、コンピュータハードウェア、およびその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
【0188】
図10において、コンピュータシステム9は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0189】
図11は、コンピュータシステム9のブロック図である。
図11において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012に加えて、MPU9013と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM9014と、MPU9013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM9015と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、およびデータを記憶するためのハードディスク9016と、CD−ROMドライブ9011、FDドライブ9012、MPU9013等を相互に接続するバス9017とを備える。ここでは図示しないが、コンピュータ901は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを備えていてもよい。
【0190】
コンピュータシステム9に、前述の実施の形態の走行支援装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM9101、またはFD9102に記憶されて、CD−ROMドライブ9011またはFDドライブ9012に挿入され、さらにハードディスク9016に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク9016に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM9015にロードされる。プログラムは、CD−ROM9101、FD9102またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0191】
プログラムは、コンピュータ901に、前述の実施の形態の走行支援装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム9がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0192】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。