(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0008】
(第一の実施形態)
まず、本発明の第一の実施形態に係る半導体集積回路について、図面を参照して説明する。
図1は半導体集積回路の概略構成を示す回路図である。本実施形態では、電源逆接続時に流れる電流を抑制し、素子の破壊を防止する保護回路を半導体集積回路に設けている。
【0009】
図1に示すように、半導体集積回路90は、制御部1(第1制御部)、制御部2(第2制御部)、出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)、出力端子Pvoutを有する。半導体集積回路90は、出力端子Pvoutを介して出力電圧Voutを負荷3に供給する。
【0010】
半導体集積回路90は、例えば降圧型DC−DCコンバータや昇圧型DC−DCコンバータなどに適用される。この際、半導体集積回路90は、出力電圧Voutを安定化する安定化コンデンサ、インダクタ、コイル等を接続して使用される。半導体集積回路90は、例えば車載電子システム、ポータブル電子機器、産業用自動制御機器、ラップトップコンピュータなどに搭載される。
【0011】
本実施形態では、半導体集積回路90の制御部2(第2制御部)に、電源逆接続時に半導体集積回路90に流れる電流を抑制し、半導体集積回路90を構成する素子の破壊を防止する保護回路40を設けている。
【0012】
制御部1(第1制御部)は、高電位側電源(電源)Vddと低電位側電源(接地電圧)Vssの間に設けられ、出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)のオン・オフ動作を制御する制御信号Ssg1を生成する。なお、高電位側電源(電源)Vddは、入力電圧Vinとも呼称される。
【0013】
出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)は、ハイサイド側に設けられるPch DMOSトランジスタである。DMOSトランジスタは、ドレイン−ソース間電圧、ゲート絶縁膜の絶縁破壊電圧などがロジック動作するMOSトランジスタと比較して高い、高耐圧トランジスタである。出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)は、一端(ソース)が高電位側電源(電源)Vddに接続され、ゲートに制御信号Ssg1が入力され、他端(ドレイン)がノードN4に接続される。出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)は、制御信号Ssg1に基づいて動作し、ノードN4側から出力電圧Voutを出力する。出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)は、制御信号Ssg1が“Low”レベル(イネーブル状態)のときにオンし、“High”レベル(ディセーブル状態)のときにオフする。
【0014】
制御部2(第2制御部)は、制御回路11と保護回路40を有する。制御回路11(信号処理部)は、高電位側電源(電源)Vddが供給され、出力トランジスタNMT1(第1出力トランジスタ)のオン・オフを制御する制御信号Ssg2を生成する。
【0015】
出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)は、ローサイド側に設けられるNch DMOSトランジスタである。出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)は、一端(ドレイン)がノードN4に接続され、ゲートに制御信号Ssg2が入力され、他端(ソース)が低電位側電源(接地電圧)Vssに接続される。出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)は、制御信号Ssg2に基づいて動作する。出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)は、制御信号Ssg2が“High”レベル(イネーブル状態)のときにオンし、“Low”レベル(ディセーブル状態)のときにオフする。
【0016】
出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)がオンし、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)がオフしたときに、“High”レベルの出力電圧Voutが出力される。出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)がオフし、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)がオンしたときに、“Low”レベルの出力電圧Voutが出力される。
【0017】
保護回路40は、ゲート制御回路12とNch MOSトランジスタNMT11を有する。ゲート制御回路12は、Nch MOSトランジスタNMT11のオン・オフ動作の制御を行う。ゲート制御回路12は、一端が制御回路11に接続され、他端がNch MOSトランジスタNMT11のゲートに接続される。ゲート制御回路12は、抵抗R1、抵抗R2、及びダイオードD1を有する。
【0018】
抵抗R2(第1抵抗)は、一端(ノードN1)が制御回路11に接続され、他端がノードN2に接続される。抵抗R1(第2抵抗)は、一端がノードN2(抵抗R2の他端)に接続され、他端が基板Subに接続される。ダイオードD1は、カソードがノードN2(抵抗R2の他端)に接続され、アノードが基板Subに接続される。ダイオードD1は、ツェナーダイオードである。
【0019】
Nch MOSトランジスタNMT11は、ゲートにゲート制御回路12から出力される信号が入力され、ゲート制御回路12から出力される信号に基づいてオン・オフ動作する。Nch MOSトランジスタNMT11は、Nch DMOSトランジスタである。Nch MOSトランジスタNMT11は、一端(ドレイン)が制御回路11の基板Subとゲート制御回路12の基板Subに接続され、ゲートがノードN2に接続され、他端(ソース)が低電位側電源(接地電圧)Vssに接続される。
【0020】
ここで、制御回路11が1つの半導体集積回路から構成されている場合、制御回路11の基板Subは半導体基板である。制御回路11が複数の半導体集積回路から構成されている場合、制御回路11の基板Subは、複数の半導体集積回路を載置する、例えば金属などから構成される導電性基板である。
【0021】
ゲート制御回路12が1つの半導体集積回路から構成されている場合、ゲート制御回路12の基板Subは半導体基板である。ゲート制御回路12が複数の半導体素子から構成されている場合、ゲート制御回路12の基板Subは、複数の半導体素子を載置する、例えば金属などから構成される導電性基板である。
【0022】
次に、半導体集積回路の電源供給時と電源逆接続時での動作について
図2乃至4を参照して説明する。
図2は電源供給時での半導体集積回路90の動作を示す図である。
図3は電源逆接続時での半導体集積回路90の動作を示す図である。
図4は電源逆接続時での第一の比較例の半導体集積回路100の動作を示す図である。ここで、第一の比較例の半導体集積回路100は、本実施形態の半導体集積回路90から保護回路40を省略したものである。
【0023】
図2に示すように、半導体集積回路90は、高電位側電源(電源)Vddが供給されると、制御部1(第1制御部)が動作を開始し、制御信号Ssg1を出力トランジスタPMT1のゲートに出力する。
【0024】
制御回路11に高電位側電源(電源)Vddが供給され、ゲート制御回路12のノードN2が“High”レベルとなる。制御回路11の基板Subとゲート制御回路12の基板Subに接続されるNch MOSトランジスタNMT11の一端(ドレイン)が“High”レベルとなり、Nch MOSトランジスタNMT11の他端(ソース)が低電位側電源(接地電圧)Vssとなる。
【0025】
抵抗R1とダイオードD1は、ノードN2の電圧(Nch MOSトランジスタNMT11のゲート電圧)を制御回路11の基板Subとゲート制御回路12の基板Subよりも高い電圧に維持する。このため、Nch MOSトランジスタNMT11がオンし、制御回路11の基板Subとゲート制御回路12の基板Subが低電位側電源(接地電圧)Vssに接続される。制御回路11の基板Subとゲート制御回路12の基板Subが低電位側電源(接地電圧)Vssに設定される。
【0026】
制御回路11は動作を開始し、制御信号Ssg2を出力トランジスタNMT1のゲートに出力する。この結果、半導体集積回路90は、通常動作して負荷3に出力電圧Voutを供給する。
【0027】
図3に示すように、半導体集積回路90の電源逆接続時、制御部1(第1制御部)は動作せず、イネーブル状態の“Low”レベルの制御信号Ssg1を出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)のゲートに出力できない。このため、出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)はオフしている。
【0028】
Nch MOSトランジスタNMT11の他端(ソース)が“High”レベル(高電位側電源(電源)Vdd電圧)となり、制御回路11の基板Subとゲート制御回路12の基板Subに接続されるNch MOSトランジスタNMT11の一端(ドレイン)が“Low”レベル、Nch MOSトランジスタNMT11のゲート(ゲート制御回路12のノードN2)が“Low”レベルとなる。
【0029】
このため、Nch MOSトランジスタNMT11はオフし、制御回路11の基板Sub及びゲート制御回路12の基板Subと低電位側電源(電圧)Vssの間が開放される。この結果、制御回路11は動作できず、イネーブル状態の“High”レベルの制御信号Ssg2を出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)のゲートに出力できない。この結果、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)はオフし、半導体集積回路90に流れる電流を大幅に抑制することができる。
【0030】
図4に示すように、第一の比較例の半導体集積回路100の電源逆接続時、制御回路11に発生する寄生ダイオードDp11を介して、高電位側電源(電源)Vddと出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)のゲートが接続される。具体的には、寄生ダイオードDp11のアノードが高電位側電源(電源)Vddに接続され、寄生ダイオードDp11のカノードが出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)のゲートに接続される。
【0031】
出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)のゲートが“High”レベルとなり、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)の他端(第2端子)が“High”レベルとなり、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)の一端(第1端子)が“Low”レベルとなる。この結果、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)がオンし、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)の他端(第2端子)側から出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)の一端(第1端子)側へ非常に大きな電流Ipが流れる。この電流Ipは、出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)に設けられるダイオード(図示せず)を介して低電位側電源(接地電圧)Vss側に流れる。また、出力端子Pvoutを介して負荷3側にも流れる。
【0032】
上述したように、本実施形態の半導体集積回路90では、半導体集積回路90の電源逆接続時、ゲート制御回路12に基づいてNch MOSトランジスタNMT11がオフし、制御回路11の基板Sub及びゲート制御回路12の基板Subと低電位側電源(接地電圧)Vssの間が開放される。
【0033】
このため、電源逆接続時、半導体集積回路90に発生する電流を大幅に抑制することができる。したがって、電源逆接続時に発生する半導体集積回路90を構成する素子の劣化や破壊を防止することができる。保護回路40を構成する回路や素子数が少ないので、半導体集積回路90のスペース増加を大幅に抑制することができる。
【0034】
なお、
図9に示す第一の変形例の半導体集積回路90aのような構成にしてもよい。具体的には、制御部2b(第2制御部)は制御回路11と保護回路40aを有する。保護回路40aはゲート制御回路12aとNch MOSトランジスタNMT11を有する。ゲート制御回路12aは抵抗R1乃至R3、ダイオードD1を有する。ゲート制御回路12aは、本実施形態のゲート制御回路12に抵抗R3を追加したものである。抵抗R3は、一端がノードN2に接続され、他端がノードN3(Nch MOSトランジスタNMT11のゲート)に接続される。ゲート制御回路12aは、Nch MOSトランジスタNMT11を制御する。
【0035】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態に係る半導体集積回路について、図面を参照して説明する。
図5は半導体集積回路の概略構成を示す回路図である。本実施形態では、ハイサイド側の出力トランジスタを制御する制御部にも保護回路を設けて、半導体集積回路に流れる電流を抑制し、半導体集積回路内部の素子の破壊を防止している。
【0036】
以下、第1の実施形態と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0037】
図5に示すように、半導体集積回路91は、制御部1a(第1制御部)、制御部2(第2制御部)、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)、出力トランジスタNMT2(第1出力トランジスタ)、出力端子Pvoutを有する。半導体集積回路91は、出力端子Pvoutを介して出力電圧Voutを負荷3に供給する。
【0038】
半導体集積回路91は、例えば降圧型DC−DCコンバータや昇圧型DC−DCコンバータなどに適用される。半導体集積回路91は、例えば車載電子システム、ポータブル電子機器、産業用自動制御機器、ラップトップコンピュータなどに搭載される。
【0039】
半導体集積回路91の制御部1a(第1制御部)に、電源逆接続時に半導体集積回路91のハイサイド側に流れる電流を抑制し、半導体集積回路91内部の素子の破壊を防止する保護回路41を設けている。半導体集積回路91の制御部2(第2制御部)に、電源逆接続時に半導体集積回路91のローサイド側に流れる電流を抑制し、半導体集積回路92内部の素子の破壊を防止する保護回路40(第一の実施形態と同様)を設けている。
【0040】
制御部1a(第1制御部)は、高電位側電源(電源)Vddと低電位側電源(接地電圧)Vssの間に設けられる。制御部1a(第1制御部)は、制御回路13と保護回路41を有する。制御回路13(信号処理部)は、高電位側電源(電源)Vddが供給され、出力トランジスタNMT2(第1出力トランジスタ)のオン・オフを制御する制御信号Ssg11を生成する。
【0041】
出力トランジスタNMT2(第1出力トランジスタ)は、ハイサイド側に設けられるNch DMOSトランジスタである。出力トランジスタNMT2(第1出力トランジスタ)は、一端(ドレイン)が高電位側電源(電源)Vddに接続され、ゲートに制御信号Ssg11が入力され、他端(ソース)がノードN4に接続される。出力トランジスタNMT2(第1出力トランジスタ)は、制御信号Ssg11が“High”レベル(イネーブル状態)のときにオンし、“Low”レベル(ディセーブル状態)のときにオフする。出力トランジスタNMT2(第1出力トランジスタ)は、制御信号Ssg11に基づいて動作し、出力電圧VoutをノードN4側から出力する。
【0042】
保護回路41は、ゲート制御回路14とNch MOSトランジスタNMT12を有する。ゲート制御回路14は、第一の実施形態のゲート制御回路12と同様な回路構成を有し、Nch MOSトランジスタNMT12を制御する。ゲート制御回路14は、一端が制御回路13に接続され、他端がNch MOSトランジスタNMT12のゲートに接続される。
【0043】
Nch MOSトランジスタNMT12は、ゲート制御回路14に基づいてオン・オフ動作する。Nch MOSトランジスタNMT12は、Nch DMOSトランジスタである。Nch MOSトランジスタNMT12は、一端(ドレイン)が制御回路13の基板Subとゲート制御回路14の基板Subに接続され、ゲートがゲート制御回路14に接続され、他端(ソース)が低電位側電源(接地電圧)Vssに接続される。
【0044】
半導体集積回路91に高電位側電源(電源)Vddが供給されると、Nch MOSトランジスタNMT12は、一端(ドレイン)が“High”レベル、ゲートが“High”レベル、他端(ソース)が“Low”レベルとなる。
【0045】
このため、Nch MOSトランジスタNMT12がオンし、制御回路13の基板Subとゲート制御回路14の基板Subを低電位側電源(接地電圧)Vssに設定する。
【0046】
制御回路13は動作を開始し、制御信号Ssg11を出力トランジスタNMT2のゲートに出力する。この結果、半導体集積回路91は、通常動作して負荷3に出力電圧Voutを供給する。
【0047】
半導体集積回路91の電源逆接続時、Nch MOSトランジスタNMT12の他端(ソース)が“High”レベル(高電位側電源(電源)Vdd電圧)となり、制御回路13の基板Subとゲート制御回路14の基板Subに接続されるNch MOSトランジスタNMT11の一端(ドレイン)が“Low”レベル、Nch MOSトランジスタNMT12のゲートが“Low”レベルとなる。
【0048】
このため、Nch MOSトランジスタNMT12はオフし、制御回路13の基板Sub及びゲート制御回路14の基板Subと低電位側電源(接地電圧)Vssの間が開放される。この結果、制御回路13は動作できず、イネーブル状態の“High”レベルの制御信号Ssg11を出力トランジスタNMT2のゲートに出力できない。この結果、出力トランジスタNMT2はオフし、半導体集積回路91に流れる電流を大幅に抑制することができる。
【0049】
上述したように、本実施形態の半導体集積回路91では、半導体集積回路91の電源逆接続時、ゲート制御回路14に基づいてNch MOSトランジスタNMT12がオフし、制御回路13の基板Sub及びゲート制御回路14の基板Subと低電位側電源(接地電圧)Vssの間が開放される。
【0050】
このため、電源逆接続時、半導体集積回路91に発生する電流を大幅に抑制することができる。したがって、電源逆接続時に発生する半導体集積回路91を構成する素子の劣化や破壊を防止することができる。
【0051】
(第三の実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態に係る半導体集積回路について、図面を参照して説明する。
図6は半導体集積回路の概略構成を示す回路図である。本実施形態では、保護回路の構成を変更している。
【0052】
以下、第1の実施形態と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0053】
図6に示すように、半導体集積回路92は、制御部1(第1制御部)、制御部2a(第2制御部)、出力トランジスタPMT1(第1出力トランジスタ)、出力トランジスタNMT1(第2出力トランジスタ)、出力端子Pvoutを有する。半導体集積回路92は、出力端子Pvoutを介して出力電圧Voutを負荷3に供給する。
【0054】
制御部2a(第2制御部)は、制御回路11と保護回路40bを有する。保護回路40bは、ゲート制御回路12、Nch MOSトランジスタNMT11、及びダイオードD2を有する。保護回路40bは、第一の実施形態の保護回路40にダイオードD2を追加している。
【0055】
ダイオードD2は、アソードがNch MOSトランジスタNMT11の一端(ドレイン)に接続され、カソードが低電位側電源(接地電圧)Vssに接続される。ダイオードD2は、保護ダイオードとして機能する。具体的には、半導体集積回路92の電源逆接続時、高電位側電源(電源)Vdd側に静電気が印可された場合、Nch MOSトランジスタNMT11をESD(Electrostatic Discharge)から保護する。
【0056】
上述したように、本実施形態の半導体集積回路92では、半導体集積回路92の電源逆接続時、高電位側電源(電源)Vdd側に静電気が印可された場合、ダイオードD2がNch MOSトランジスタNMT11をESDから保護する。
【0057】
このため、第一の実施形態と同じ効果の他に、半導体集積回路92をESDから保護することができる。
【0058】
(第四の実施形態)
次に、本発明の第四の実施形態に係る半導体集積回路について、図面を参照して説明する。
図7は半導体集積回路の概略構成を示す回路図である。
図8はゲート制御回路を示す回路図である。本実施形態では、アナログ回路及びデジタル回路を有する半導体集積回路の電源逆接続時に半導体集積回路に流れる電流を抑制し、素子の破壊を防止する保護回路を設けている。
【0059】
図7に示すように、半導体集積回路200は、アナログ回路4、デジタル回路5、及び保護回路42を有する。保護回路42は、電源逆接続時、アナログ回路4とジタル回路5に発生する電流を抑制し、半導体集積回路200を構成する素子の劣化や破壊を防止する。
【0060】
アナログ回路4(信号処理部)は、高電位側電源(電源)Vddが供給され、アナログ信号である入力信号Sinが入力され、増幅処理などのアナログ処理が行われ、アナログ・デジタル変換された信号Sad1を生成する。
【0061】
デジタル回路5(信号処理部)は、高電位側電源(電源)Vddが供給され、信号Sad1が入力され、デジタル演算処理された出力信号Soutを出力する。デジタル回路5は、例えば論理回路、順序回路、及びメモリ等から構成される。
【0062】
保護回路42は、ゲート制御回路31、ゲート制御回路32、Nch MOSトランジスタNMT13、Nch MOSトランジスタNMT14、及びダイオードD3乃至6を有する。Nch MOSトランジスタNMT13とNch MOSトランジスタNMT14は、例えばNch DMOSトランジスタである。
【0063】
ゲート制御回路31は、Nch MOSトランジスタNMT13を制御する。ゲート制御回路31は、高電位側電源(電源)Vddが供給され、Nch MOSトランジスタNMT13のゲート(ノードN11)に接続される。
【0064】
Nch MOSトランジスタNMT13は、一端(ドレイン)がアナログ回路4の基板Subとゲート制御回路31の基板Subに接続され、ゲートがゲート制御回路31に接続され、他端(ソース)が低電位側電源(接地電圧)Vssに接続される。
【0065】
ダイオードD3は、アノードがNch MOSトランジスタNMT13の一端(ドレイン)に接続され、カソードがNch MOSトランジスタNMT13の他端(ソース)に接続される。
【0066】
ゲート制御回路32は、Nch MOSトランジスタNMT14を制御する。ゲート制御回路32は、高電位側電源(電源)Vddが供給され、Nch MOSトランジスタNMT14のゲート(ノードN12)に接続される。
【0067】
Nch MOSトランジスタNMT14は、一端(ドレイン)がデジタル回路5の基板Subとゲート制御回路32の基板Subに接続され、ゲートがゲート制御回路32に接続され、他端(ソース)が低電位側電源(接地電圧)Vssに接続される。
【0068】
ダイオードD4は、アノードがNch MOSトランジスタNMT14の一端(ドレイン)に接続され、カソードがNch MOSトランジスタNMT14の他端(ソース)に接続される。
【0069】
ダイオードD5は、アノードがアナログ回路4の基板Subとゲート制御回路31の基板Subに接続され、カソードがデジタル回路5の基板Subとゲート制御回路32の基板Subに接続される。ダイオードD6は、カソードがアナログ回路4の基板Subとゲート制御回路31の基板Subに接続され、アノードがデジタル回路5の基板Subとゲート制御回路32の基板Subに接続される。
【0070】
Nch MOSトランジスタNMT13は、電源印可時にゲート制御回路31に基づいてオンし、アナログ回路4の基板Subとゲート制御回路31の基板Subを低電位側電源(接地電圧)Vssに設定する。Nch MOSトランジスタNMT13は、電源逆接続時にゲート制御回路31に基づいてオフし、アナログ回路4の基板Sub及びゲート制御回路31の基板Subと低電位側電源(接地電圧)Vssの間が開放される。
【0071】
Nch MOSトランジスタNMT14は、電源印可時にゲート制御回路32に基づいてオンし、デジタル回路5の基板Subとゲート制御回路32の基板Subを低電位側電源(接地電圧)Vssに設定する。Nch MOSトランジスタNMT14は、電源逆接続時にゲート制御回路32に基づいてオフし、デジタル回路5の基板Sub及びゲート制御回路32の基板Subと低電位側電源(接地電圧)Vssの間が開放される。
【0072】
図8に示すように、ゲート制御回路31とゲート制御回路32は同様な回路構成を有し、Nch MOSトランジスタNMT21、抵抗R4乃至6、及びダイオードD7乃至10を有する。
【0073】
ゲート制御回路31では、抵抗R4は、一端が高電位側電源(電源)Vddに接続され、他端がノードN21に接続される。抵抗R5は、一端が高電位側電源(電源)Vddに接続され、他端がノードN22に接続される。
【0074】
Nch MOSトランジスタNMT21は、一端(ドレイン)がノードN22に接続され、ゲートがノードN21に接続され、他端(ソース)がアナログ回路4の基板Sub及びゲート制御回路31の基板Subに接続される。
【0075】
ダイオードD7は、ツェナーダイオードである。ダイオードD7は、カソードがノードN21に接続され、アノードがアナログ回路4の基板Sub及びゲート制御回路31の基板Subに接続される。ダイオードD8は、アノードがノードN21に接続される。ダイオードD9は、ツェナーダイオードである。ダイオードD9は、カソードがダイオードD8のカソードに接続され、アノードがアナログ回路4の基板Sub及びゲート制御回路31の基板Subに接続される。
【0076】
抵抗R6は、一端がノードN11に接続され、他端がアナログ回路4の基板Sub及びゲート制御回路31の基板Subに接続される。ダイオードD10は、ツェナーダイオードである。ダイオードD10は、カソードがノードN11に接続され、アノードがアナログ回路4の基板Sub及びゲート制御回路31の基板Subに接続される。
【0077】
ゲート制御回路32では、抵抗R4は、一端が高電位側電源(電源)Vddに接続され、他端がノードN21に接続される。抵抗R5は、一端が高電位側電源(電源)Vddに接続され、他端がノードN22に接続される。
【0078】
Nch MOSトランジスタNMT21は、一端(ドレイン)がノードN22に接続され、ゲートがノードN21に接続され、他端(ソース)がデジタル回路5の基板Sub及びゲート制御回路32の基板Subに接続される。
【0079】
ダイオードD7は、ツェナーダイオードである。ダイオードD7は、カソードがノードN21に接続され、アノードがデジタル回路5の基板Sub及びゲート制御回路32の基板Subに接続される。ダイオードD8は、アノードがノードN21に接続される。ダイオードD9は、ツェナーダイオードである。ダイオードD9は、カソードがダイオードD8のカソードに接続され、アノードがデジタル回路5の基板Sub及びゲート制御回路32の基板Subに接続される。
【0080】
抵抗R6は、一端がノードN12に接続され、他端がデジタル回路5の基板Sub及びゲート制御回路32の基板Subに接続される。ダイオードD10は、ツェナーダイオードである。ダイオードD10は、カソードがノードN12に接続され、アノードがデジタル回路5の基板Sub及びゲート制御回路32の基板Subに接続される。
【0081】
上述したように、本実施形態の半導体集積回路200では、Nch MOSトランジスタNMT13は、電源逆接続時にゲート制御回路31に基づいてオフし、アナログ回路4の基板Sub及びゲート制御回路31の基板Subと低電位側電源(接地電圧)Vssの間が開放される。Nch MOSトランジスタNMT14は、電源逆接続時にゲート制御回路32に基づいてオフし、デジタル回路5の基板Sub及びゲート制御回路32の基板Subと低電位側電源(接地電圧)Vssの間が開放される。
【0082】
このため、半導体集積回路200に発生する電流を大幅に抑制することができる。したがって、電源逆接続時に発生する半導体集積回路200を構成する素子の劣化や破壊を防止することができる。
【0083】
実施形態では、DC−DCコンバータに保護回路を設けているが必ずしもこれに限定されるものではない。スイッチングレギュレータ、電源監視回路などにも適用することができる。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。