(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る情報配信システム100の概略図である。
【0008】
情報配信システム100は、例えば食料品店などの販売店で販売される商品の配置を示す案内を利用者に提供する。
図1が示すように、情報配信システム100は、棚札装置10、携帯端末30、及び、情報配信装置40などを備える。棚札装置10と店舗識別装置50とは、販売店内に設置される。携帯端末30と情報配信装置40とは、ネットワーク21を通じてデータを送受信する。棚札装置10は、情報配信システム100を設置する販売店が取り扱う商品などに応じて、複数個あってもよい。ここでは、
図1においては1つの棚札装置10を示している。
【0009】
棚札装置10は、商品の値段などを表示するため、商品の近傍に設置される。たとえば、棚札装置10は、販売店の陳列棚に陳列される複数の商品のそれぞれに対応するように、陳列棚などに取り付けられる。棚札装置10は、陳列棚に陳列される商品の値段を示す棚札画像を表示する。また、棚札装置10は、棚札装置10をユニークに特定する棚札コードを他の装置へ無線送信することができる。
【0010】
ネットワーク21は、携帯端末30と情報配信装置40との間のデータ通信を可能にするネットワークである。たとえば、ネットワーク21は、インターネットなどの外部ネットワーク、又は、LANなどの内部ネットワークである。
【0011】
携帯端末30は、情報配信システム100が設置される販売店の利用者が所持する端末である。携帯端末30は、表示部37に商品配置案内を表示する。携帯端末30の動作及び商品配置案内については、後に詳述する。
情報配信装置40は、ネットワーク21を通じて、商品配置案内を携帯端末30に配信する。情報配信装置40の動作については、後に詳述する。
【0012】
店舗識別装置50は、携帯端末30に店舗を特定する識別コードを提供する。店舗識別装置50は、販売店の入り口などに設置される。なお、店舗識別装置50は、情報配信システム100を設置する店舗の名称を示す棚札画像などを表示してもよい。
【0013】
次に、実施形態に係る情報配信システム100の構成例について説明する。
図2は、実施携帯に係る情報配信システム100の構成例を示すブロック図である。
図2が示すように、情報配信システム100は、棚札装置10、ルータ20、棚札管理装置22、無線中継器23、携帯端末30および情報配信装置40などを備える。
【0014】
図2が示すように、棚札装置10は、棚札コントローラ11、通信デバイス12、近距離通信部13、メモリ14、表示デバイス15および伝送システム16などを備える。
棚札コントローラ11は、CPU(central processing unit)、ROM(read-only memory)およびRAM(random-access memory)などから構成される。棚札コントローラ11は、棚札装置10としての所期の機能を実現するべく各部を制御する。
【0015】
通信デバイス12は、無線中継器23と無線通信を行うためのインターフェースである。通信デバイス12は、棚札コントローラ11と棚札管理装置22とのデータ通信を可能とする。通信デバイス12は、例えばIEEE802.15.4に準拠したデバイスなどである。
【0016】
近距離通信部13は、棚札装置10に近接された携帯端末30とデータ通信を行うためのインターフェースである。近距離通信部13は、たとえば、携帯端末30と数センチ程度の近距離で無線によりデータ通信を行う。たとえば、近距離通信部13は、国際標準規格として認証されたNFC(Near Field Communication)の通信規格に準ずる無線通信(NFC通信)により、携帯端末30とデータ通信を行う。なお、近距離通信部13は、携帯端末30と物理的に接触してデータ通信を行うインターフェースであってもよい。
【0017】
メモリ14は、不揮発性のメモリである。メモリ14は、棚札装置10に割り振られた棚札コードを格納する記憶領域14aなどを備える。メモリ14は、棚札装置10の製造時又は出荷時などにおいて、記憶領域14aに棚札コードを格納される。また、メモリ14内の記憶領域14aが格納する棚札コードは、棚札管理装置22などの外部装置によって適宜更新されてもよい。
【0018】
表示デバイス15は、棚札コントローラ11の制御に基づいて、棚札画像を表示する。表示デバイス15は、棚札コントローラ11の制御に基づいて、表示内容を変更することができる。表示デバイス15は、例えば電子ペーパー又は液晶パネルなどである。表示デバイス15は、たとえば、商品の値段などを表示する。
【0019】
伝送システム16は、棚札コントローラ11、通信デバイス12、近距離通信部13、メモリ14および表示デバイス15の間でデータを伝送する。伝送システム16は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインターフェース回路とを含む周知のものであって良い。
【0020】
棚札コントローラ11は、携帯端末30からの命令に従って、近距離通信部13を通じて棚札コードを送信する機能を有する。たとえば、棚札コントローラ11は、近距離通信部13を通じて、携帯端末30から棚札コードを取得する命令を受信する。棚札コントローラ11は、当該命令を受信すると、メモリ14内の記憶領域14aから棚札コードを取得する。棚札コントローラ11は、近距離通信部13を通じて、記憶領域14aが格納する棚札コードを携帯端末30へ送信する。
【0021】
ルータ20は、情報配信システム100内にネットワークを形成する。ルータ20は、たとえば、無線又は有線LANを構築する。ルータ20は、無線又は有線で、情報配信装置40、及び、棚札管理装置22などと通信する。ルータ20は、ある装置から受信されたデータを、他の装置へ送信する。
【0022】
また、ルータ20は、ネットワーク21を通じて携帯端末30とデータを送受信する。たとえば、ルータ20は、携帯端末30から送信されたデータを情報配信装置40へ送信する。また、ルータ20は、情報配信装置40から送信されたデータを携帯端末30へ送信する。
【0023】
なお、ネットワーク21がLANなどの内部ネットワークである場合、ルータ20がネットワーク21を形成してもよい。
【0024】
棚札管理装置22は、販売店の事務室などに設置される。棚札管理装置22は、無線中継器23を通じて、複数の棚札装置10のそれぞれと無線通信することができる。棚札管理装置22は、無線中継器23を通じて各棚札装置10と無線通信することで、各棚札装置10を管理する。具体的には棚札管理装置22は、棚札コードと、商品の個々を識別可能に定められた商品コードとの関連付けを管理する。棚札管理装置22は、商品コードとの関連づけが変更された棚札コードで識別される棚札装置10で表示する棚札画像を変更する。棚札装置10は、新たに関連付けられる商品コードで識別される商品の値段を示す棚札画像を表示する。
【0025】
また、棚札管理装置22は、無線中継器23を通じて、店舗識別装置50と無線通信することができる。棚札管理装置22は、無線中継器23を通じて店舗識別装置50と無線通信することで、店舗識別装置50を管理する。たとえば、棚札管理装置22は、店舗識別装置50が表示する棚札画像を変更する。
【0026】
無線中継器23は、棚札管理装置22が棚札装置10又は店舗識別装置50へ送信するデータを中継する。無線中継器23は、無線通信にて各棚札装置10又は店舗識別装置50と通信する。無線中継器23は、たとえば、無線LAN又は近距離無線通信などを用いて棚札装置10又は店舗識別装置50と通信する。また、無線中継器23は、棚札管理装置22と無線又は有線で通信する。
【0027】
次に、携帯端末30について説明する。
図2が示すように、携帯端末30は、CPU31、ROM32、RAM33、不揮発性メモリ34、近距離通信部35、タッチパネル36、表示部37、通信デバイス38および伝送システム39などを備える。伝送システム39は、CPU31、ROM32、RAM33、不揮発性メモリ34、近距離通信部35、タッチパネル36および通信デバイス38の間でデータを伝送する。伝送システム39は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインターフェース回路とを含む周知のものであって良い。
【0028】
CPU31は、携帯端末30の各部を統括的に制御する。CPU31は、ROM32又は不揮発性メモリ34に記憶されたオペレーティングシステム、及び/又は、ROM32または不揮発性メモリ34に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、携帯端末30としての所期の機能を実現するための制御処理を実行する。上記の所期の機能の一部は、例えば既存のスマートフォンが備える周知の機能であって良い。また、上記の所期の機能の一部は、後述する制御処理により実現される。
【0029】
ROM32は、予め制御用のプログラム及び制御データなどが記憶された不揮発性のメモリである。ROM32に記憶される制御プログラム及び制御データは、予め携帯端末30の仕様に応じて組み込まれる。ROM32は、たとえば、携帯端末30の回路基板を制御するプログラム(例えば、BIOS)などを格納している。
【0030】
RAM33は、揮発性のメモリである。RAM33は、CPU31の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM33は、CPU31からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納している。また、RAM33は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0031】
不揮発性メモリ34は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。不揮発性メモリ34は、例えば、ハードディスク、SSD、EEPROM又はフラッシュメモリなどにより構成される。不揮発性メモリ34は、携帯端末30の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション、及び種々のデータを格納する。また、不揮発性メモリ34は、CPU31での処理によって生成されたデータを保存する。
不揮発性メモリ34は、商品リストを記録する記憶領域34aを備える。商品リストについては、後述する。
【0032】
近距離通信部35は、棚札装置10又は店舗識別装置50とデータ通信を行うインターフェースである。近距離通信部35は、携帯端末30が棚札装置10又は店舗識別装置50に近接された際(たとえば、数センチ)に、棚札装置10又は店舗識別装置50と無線でデータ通信を行う。即ち、CPU31は、近距離通信部35を通じて、棚札装置10又は店舗識別装置50とデータ通信を行う。たとえば、近距離通信部35は、NFC通信を用いて、棚札装置10又は店舗識別装置50とデータ通信を行う。なお、近距離通信部35は、棚札装置10又は店舗識別装置50と物理的に接触してデータ通信を行うインターフェースであってもよい。
【0033】
タッチパネル36は、利用者が各種の操作を入力する入力装置である。タッチパネル36は、利用者が表面をタッチすることで操作の入力を受け付ける。
【0034】
表示部37は、CPU31の制御により種々の情報を表示する表示装置である。表示部37は、たとえば、液晶モニタなどである。
【0035】
表示部37は、GUI画面などの任意の画面を表示する。タッチパネル36は、表示部37の表示面に重ねて配置されている。タッチパネル36は、表示部37の表示面へのユーザのタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU31へと送信する。
なお、携帯端末30は、タッチパネル36の代わりに又はタッチパネル36に追加してキーボード又はテンキーなどの他の操作部を備えてもよい。
【0036】
通信デバイス38は、ルータ20及びネットワーク21を通じて情報配信装置40と通信するためのインターフェースである。ネットワーク21がインターネットなどの外部ネットワークである場合、通信デバイス38は、たとえば、3G又は4G通信などのデータ通信をサポートするインターフェースである。また、ネットワーク21がLANなどの内部ネットワークである場合、通信デバイス38は、たとえば、wifi通信などのデータ通信をサポートするインターフェースである。
【0037】
携帯端末30は、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などのような、アプリケーションプログラムを任意にインストール可能なデバイスである。携帯端末30は、不揮発性メモリ34に、携帯端末30の販売者あるいは利用者によって制御プログラムをインストールされることで、各種の機能を実現する。制御プログラムは、たとえば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して販売者あるいは使用者へと配布される。なお、制御プログラムは、ROM32に記憶されていても良い。
携帯端末30は、所定の制御プログラムをインストールされることで、以下の機能を実現する。
【0038】
CPU31は、不揮発性メモリ34の記憶領域34aに商品リストを格納する機能を有する。商品リストは、利用者が店舗で購入しようとする商品のリストである。CPU31は、利用者がタッチパネル36を通じて入力する操作に従って、商品リストを記憶領域34aに格納する。たとえば、CPU31は、タッチパネル36を通じて商品を示す商品コードの入力を受け付ける。CPU31は、受け付けられた商品コードに従って、商品リストを生成し、記憶領域34aに商品リストを格納する。
【0039】
また、CPU31は、情報配信装置40を通じて商品リストを受信し、記憶領域34aに格納してもよい。たとえば、利用者は、情報配信装置40に会員情報(ID及びパスワードなど)を設定する。利用者は、PCなどを通じて、情報配信装置40に、会員情報に紐付けて商品リストを格納する。利用者は、同一の会員情報を携帯端末30に設定する。たとえば、利用者は、タッチパネル36を通じて会員情報を携帯端末30に入力する。CPU31は、通信デバイス38を通じて、設定された会員情報を用いて、情報配信装置40から商品リストをダウンロードする。CPU31は、ダウンロードされた商品リストを記憶領域34aに格納する。
【0040】
CPU31は、店舗識別装置50から識別コードを取得する機能を有する。たとえば、CPU31は、近距離通信部35を通じて識別コードを取得する命令を店舗識別装置50へ送信する。その後、CPU31は、近距離通信部35を通じて、店舗識別装置50が送信する識別コードを受信する。
【0041】
また、CPU31は、通信デバイス38を通じて、識別コードと商品リストとを情報配信装置40へ送信する機能を有する。
【0042】
また、CPU31は、情報配信装置40から受信された商品配置案内を表示部37に表示する機能を有する。即ち、CPU31は、通信デバイス38を通じて情報配信装置40から商品配置案内を受信し、受信された商品配置案内を表示する。商品配置案内については、後述する。
【0043】
また、CPU31は、棚札装置10から棚札コードを取得する機能を有する。たとえば、CPU31は、近距離通信部35を通じて棚札コードを取得する命令を棚札装置10へ送信する。その後、CPU31は、近距離通信部35を通じて、棚札装置10が送信する棚札コードを受信する。
【0044】
また、CPU31は、取得された棚札コードに対応する商品を決済処理する機能を有する。たとえば、CPU31は、利用者によって予め設定されたクレジットカード情報などに基づいて、決済処理を実行する。
【0045】
次に、情報配信装置40について説明する。
図2が示すように、情報配信装置40は、CPU41、ROM42、RAM43、不揮発性メモリ44、通信デバイス45および伝送システム46などを含む。伝送システム46は、CPU41、ROM42、RAM43、不揮発性メモリ44および通信デバイス45の間でデータを伝送する。伝送システム46は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインターフェース回路とを含む周知のものであって良い。
【0046】
CPU41は、情報配信装置40の各部を統括的に制御する。CPU41は、ROM42に記憶されたオペレーティングシステムや、ROM42または不揮発性メモリ44に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、情報配信装置40としての所期の機能を実現するための制御処理を実行する。
【0047】
ROM42は、予め制御用のプログラム及び制御データなどが記憶された不揮発性のメモリである。ROM42に記憶される制御プログラム及び制御データは、予め情報配信装置40の仕様に応じて組み込まれる。ROM42は、たとえば、情報配信装置40の回路基板を制御するプログラム(例えば、BIOS)などを格納している。
【0048】
RAM43は、揮発性のメモリである。RAM43は、CPU41の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM43は、CPU41からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納している。また、RAM43は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0049】
不揮発性メモリ44は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。不揮発性メモリ44は、例えば、ハードディスク、SSD、EEPROM又はフラッシュメモリなどにより構成される。不揮発性メモリ44は、情報配信装置40の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション、及び種々のデータを格納する。また、不揮発性メモリ44は、CPU41での処理によって生成されたデータを保存する。
不揮発性メモリ44は、店舗コードテーブルを格納する記憶領域44a(第2記憶部)、及び、案内情報テーブルを格納する記憶領域44b(第3記憶部)などを備える。
【0050】
店舗コードテーブルは、識別コードと、識別コードが示す店舗識別装置50が設置される店舗を示す店舗コードとを対応付けて格納する。即ち、店舗コードテーブルは、店舗識別装置50がどの店舗に配置されているかを示す。店舗コードテーブルは、販売店が店舗識別装置50を設置する際に、オペレータなどによって、記憶領域44aに格納されてもよい。また、店舗コードテーブルは、店舗識別装置50が設置される店舗が変わる度に、オペレータなどによって、更新されてもよい。
【0051】
案内情報テーブルは、店舗コードと、店舗コードが示す店舗の案内情報とを対応付けて格納する。即ち、案内情報テーブルは、店舗コードに対応する案内情報を示す。案内情報は、対応する店舗コードが示す店舗の見取図(即ち、識別コードが示す店舗の見取図)と、当該店舗内において各商品が配置される位置を示す位置情報と、を備える。たとえば、見取図は、商品が陳列される棚、利用者が通行する通路、又は、出入口などを示す図面である。位置情報は、各商品が陳列される棚などを示す。案内情報は、店舗が新たに設置された場合に、オペレータなどの操作などによって、案内情報テーブルに新たに追加される。また、ある店舗内において商品が陳列される位置が変更された場合に、当該店舗に対応する位置情報は、オペレータなどの操作などによって更新される。なお、案内情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0052】
通信デバイス45(第2通信部)は、ルータ20と通信するためのインターフェースである。即ち、通信デバイス45は、ルータ20を通じて、携帯端末30とデータ通信する。通信デバイス45は、たとえば、イーサネット(登録商標)通信を用いてルータ20と通信を行うインターフェースである。通信デバイス45は、無線でルータ20と通信してもよい。
【0053】
CPU41は、通信デバイス38を通じて、携帯端末30から識別コード及び商品リストを受信する機能を有する(第2受信処理部に対応)。
また、CPU41は、受信された識別コードから案内情報を検索する機能を有する(検索部に対応)。たとえば、CPU41は、記憶領域44aが格納する店舗コードテーブルに基づいて、受信された識別コードに対応する店舗コードを検索する。CPU41は、記憶領域44bが格納する案内情報テーブルに基づいて、検索された店舗コードに対応する案内情報を検索する。
【0054】
また、CPU41は、案内情報と商品リストとに基づいて商品配置案内を生成する機能を有する(生成部に対応)。商品配置案内は、商品リストが格納する商品の位置を示す案内である。即ち、商品配置案内は、商品リストが格納する商品が店舗内のどの位置にあるかを示す。たとえば、商品配置案内は、見取図を含む案内であってもよい。また、たとえば、商品配置案内は、店舗の見取図上に、商品リストが含む商品の位置を図示する画像であってもよい。
【0055】
また、CPU41は、通信デバイス38を通じて、商品配置案内を携帯端末30へ送信する機能を有する(第2送信処理部に対応)。
なお、棚札装置10、携帯端末30及び情報配信装置40は、必要に応じて適宜他の構成を備えてもよい。
【0056】
次に、店舗識別装置50について説明する。
図3は、店舗識別装置50の構成例を示すブロック図である。
【0057】
図3が示すように、店舗識別装置50は、識別装置コントローラ51、通信デバイス52、近距離通信部53、メモリ54、表示デバイス55および伝送システム56などを備える。
識別装置コントローラ51は、CPU(central processing unit)、ROM(read-only memory)およびRAM(random-access memory)などから構成される。識別装置コントローラ51は、店舗識別装置50としての所期の機能を実現するべく各部を制御する。
【0058】
通信デバイス52は、無線中継器23と無線通信を行うためのインターフェースである。通信デバイス52は、識別装置コントローラ51と棚札管理装置22とのデータ通信を可能とする。通信デバイス52は、例えばIEEE802.15.4に準拠したデバイスなどである。
【0059】
近距離通信部53(第1通信部)は、店舗識別装置50に近接された携帯端末30とデータ通信を行うためのインターフェースである。近距離通信部53は、たとえば、携帯端末30と数センチ程度の近距離で無線によりデータ通信を行う。たとえば、近距離通信部53は、国際標準規格として認証されたNFC(Near Field Communication)の通信規格に準ずる無線通信(NFC通信)により、携帯端末30とデータ通信を行う。なお、近距離通信部53は、携帯端末30と物理的に接触してデータ通信を行うインターフェースであってもよい。
【0060】
メモリ54は、不揮発性のメモリである。メモリ54は、店舗識別装置50に割り振られた識別コードを格納する記憶領域54a(第1記憶部)などを備える。メモリ54は、店舗識別装置50の製造時又は出荷時などにおいて、記憶領域54aに識別コードを格納される。また、メモリ54は、記憶領域54a内の識別コードを棚札管理装置22などの外部装置によって適宜更新されてもよい。
【0061】
表示デバイス55は、識別装置コントローラ51の制御に基づいて、棚札画像を表示する。表示デバイス55は、識別装置コントローラ51の制御に基づいて、表示内容を変更することができる。表示デバイス55は、例えば電子ペーパー又は液晶パネルなどである。なお、表示デバイス55は、必要に応じて設置されればよい。
【0062】
伝送システム56は、識別装置コントローラ51、通信デバイス52、近距離通信部53、メモリ54および表示デバイス55の間でデータを伝送する。伝送システム56は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインターフェース回路とを含む周知のものであって良い。
【0063】
識別装置コントローラ51は、携帯端末30からの命令に従って、近距離通信部53を通じて識別コードを送信する機能を有する。たとえば、識別装置コントローラ51は、近距離通信部53を通じて、携帯端末30から識別コードを取得する命令を受信する(第1受信処理部に対応)。識別装置コントローラ51は、当該命令を受信すると、メモリ54内の記憶領域54aから識別コードを取得する。識別装置コントローラ51は、近距離通信部53を通じて、記憶領域54aが格納する識別コードを携帯端末30へ送信する(第1送信処理部に対応)。
【0064】
次に、情報配信システム100の動作例について説明する。
図4は、情報配信システム100の動作例を示すシーケンス図である。
ここでは、情報配信システム100は、商品を販売する販売店に設置されているものとする。
【0065】
また、販売店を利用する利用者は、上記の機能を備えた携帯端末30を所持するものとする。携帯端末30は、不揮発性メモリ34内の記憶領域34aに商品リストを予め格納する。携帯端末30は、利用者の操作によって、アプリケーションなどを立ち上げ、上記の機能を実現可能に設定される。
【0066】
また、利用者は、商品配置案内を取得するため、携帯端末30を店舗識別装置50にかざすものとする。即ち、携帯端末30の近距離通信部35と店舗識別装置50の近距離通信部53とが通信可能な距離に配置される。
【0067】
まず、携帯端末30のCPU31は、近距離通信部35を通じて、識別コードを取得する命令を棚札装置10へ送信する(ACT11)。たとえば、CPU31は、近距離通信部35を通じてポーリング信号を送信する。店舗識別装置50の識別装置コントローラ51は、近距離通信部53を通じてポーリング信号を受信する。ポーリング信号を受信すると、識別装置コントローラ51は、近距離通信部53を通じて、レスポンスを携帯端末30へ送信する。CPU31は、近距離通信部35を通じてポーリング信号に対するレスポンスを受信する。店舗識別装置50からポーリング信号に対するレスポンスを受信すると、CPU31は、近距離通信部35を通じて、店舗識別装置50へ識別コードを取得する命令を送信する。
【0068】
CPU31が近距離通信部35を通じて識別コードを取得する命令を店舗識別装置50へ送信すると、店舗識別装置50の識別装置コントローラ51は、近距離通信部53を通じて、携帯端末30から識別コードを取得する命令を受信する(ACT21)。識別コードを取得する命令を受信すると、識別装置コントローラ51は、メモリ54内の記憶領域54aから識別コードを取得する(ACT22)。
【0069】
識別コードを取得すると、識別装置コントローラ51は、近距離通信部53を通じて、携帯端末30へ識別コードを送信する(ACT23)。たとえば、識別装置コントローラ51は、識別コードをデータ部に格納するレスポンスを生成し、生成されたレスポンスを携帯端末30へ送信する。
【0070】
識別装置コントローラ51が識別コードを携帯端末30へ送信すると、携帯端末30のCPU31は、近距離通信部35を通じて識別コードを受信する(ACT12)。識別コードを受信すると、CPU31は、不揮発性メモリ34内の記憶領域34aから商品リストを取得する(ACT13)。
【0071】
商品リストを取得すると、CPU31は、通信デバイス38を通じて、受信された識別コードと取得された商品リストとを情報配信装置40へ送信する(ACT14)。たとえば、CPU31は、識別コードと商品リストとをデータ部に備えるリクエストを生成する。CPU31は、生成されたリクエストに情報配信装置40を宛先として設定して、当該リクエストをネットワーク21へ送信する。なお、リクエストは、商品配置案内を要求することを示すコードを備えてもよい。
【0072】
CPU31が通信デバイス38を通じて識別コードと商品リストとを情報配信装置40へ送信すると、情報配信装置40のCPU41は、通信デバイス45を通じて識別コードと商品リストとを受信する(ACT31)。
【0073】
識別コードと商品リストとを受信すると、CPU41は、識別コードに対応する店舗コードを取得する(ACT32)。即ち、CPU41は、不揮発性メモリ44内の記憶領域44aが格納する店舗コードテーブルから、識別コードに対応する店舗コードを検索する。
【0074】
識別コードに対応する店舗コードを取得すると、CPU41は、店舗コードに対応する案内情報を取得する(ACT33)。即ち、CPU41は、不揮発性メモリ44内の記憶領域44bが格納する案内情報テーブルから、店舗コードに対応する案内情報を検索する。
【0075】
案内情報を取得すると、CPU41は、受信された商品リストと検索された案内情報とに基づいて、商品配置案内を生成する(ACT34)。即ち、CPU41は、商品リストが含む商品の位置が記載された案内(商品配置案内)を生成する。
【0076】
商品配置案内を生成すると、CPU41は、通信デバイス45を通じて、生成された商品配置案内を携帯端末30へ送信する(ACT35)。たとえば、CPU41は、商品配置案内をコード化したデータをデータ部に含むレスポンスを生成する。CPU41は、生成されたレスポンスに携帯端末30を宛先として設定し、当該レスポンスをネットワーク21へ送信する。
【0077】
CPU41が商品配置案内を携帯端末30へ送信すると、携帯端末30のCPU31は、通信デバイス38を通じて商品配置案内を受信する(ACT15)。
【0078】
商品配置案内を受信すると、CPU31は、受信された商品配置案内を表示部37に表示する(ACT16)。
【0079】
CPU31が商品配置案内を表示部37に表示すると、情報配信システム100は、動作を終了する。
【0080】
なお、携帯端末30は、識別コードを情報配信装置40へ送信し、情報配信装置40から案内情報を受信してもよい。この場合、携帯端末30は、商品リストと案内情報とに基づいて商品配置案内を生成し、表示部37に表示してもよい。
【0081】
利用者は、携帯端末30の表示部37が表示する商品配置案内を参考に、店舗内で商品リストが含む商品を購入する。利用者は、携帯端末30を、購入する商品の棚札装置10にかざす。
【0082】
携帯端末30のCPU31は、近距離通信部35を通じて、棚札装置10から棚札コードを取得する。棚札コードを取得すると、CPU31は、棚札コードに対応する商品を「購入済み」に設定する。
【0083】
利用者は、商品リストが含む複数の商品について上記の動作を行ってもよい。
【0084】
利用者は、商品の購入を終了すると、店舗内に設置されるPOS端末に携帯端末30をかざす。なお、利用者は、商品リストが含む全ての商品を購入してもよいし、一部を購入してもよい。
【0085】
利用者がPOS端末に携帯端末30をかざすと、携帯端末30のCPU31は、「購入済み」と設定された商品を決済する。
【0086】
なお、利用者は、携帯端末30のタッチパネル36を通じて購入を終了することを示す操作を入力してもよい。この場合、携帯端末30は、当該操作を入力されると、「購入済み」と設定された商品を決済する。
【0087】
以上のように構成された情報配信システムは、店舗識別装置が格納する識別コードを携帯端末に提供し、携帯端末からの要求に応じて、情報配信装置から携帯端末に商品リストが含む商品の位置を示す商品配置案内を提供することができる。その結果、情報配信システムは、利用者の携帯端末に商品配置案内を提供することができる。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に本件出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
店舗識別装置と情報配信装置とを備える情報配信システムであって、
前記店舗識別装置は、
携帯端末とデータ通信する第1通信部と、
店舗の識別コードを格納する第1記憶部と、
前記第1通信部を通じて、前記携帯端末から前記識別コードを取得する命令を受信する第1受信処理部と、
前記第1受信処理部が受信した前記命令に従って、前記第1通信部を通じて、前記第1記憶部が格納する前記識別コードを前記携帯端末へ送信する第1送信処理部と、を備え、
前記情報配信装置は、
前記携帯端末とデータ通信する第2通信部と、
前記第2通信部を通じて、前記携帯端末から前記識別コードと商品リストとを受信する第2受信処理部と、
前記第2受信処理部が受信した前記識別コードに対応する案内情報を検索する検索部と、
前記検索部が検索した前記案内情報と、前記第2受信処理部が受信した前記商品リストとに基づいて、前記商品リストの各商品の配置を示す商品配置案内を生成する生成部と、
前記第2通信部を通じて、前記生成部が生成した前記商品配置案内を前記携帯端末へ送信する第2送信処理部と、
を備える、
情報配信システム。
[C2]
前記第1通信部は、NFC通信を用いて前記携帯端末とデータ通信する、前記C1に記載の情報配信システム。
[C3]
前記案内情報は、識別コードが示す店舗内の見取図と、前記店舗内において商品が配置される位置を示す位置情報と、を含み、
前記商品配置案内は、前記見取図を含む案内である、
前記C1又は2に記載の情報配信システム。
[C4]
前記商品配置案内は、前記見取図上に、前記商品リストの前記各商品の位置を図示する画像である、
前記C2又3に記載の情報配信システム。
[C5]
店舗識別装置と情報配信装置とを制御する情報配信方法であって、
前記店舗識別装置で、携帯端末とデータ通信する第1通信部を通じて、前記携帯端末から識別コードを取得する命令を受信し、
前記店舗識別装置で、受信された前記命令に従って、前記第1通信部を通じて、第1記憶部が格納する前記識別コードを前記携帯端末へ送信し、
前記情報配信装置で、前記携帯端末とデータ通信する第2通信部を通じて、前記携帯端末から前記識別コードと商品リストとを受信し、
前記情報配信装置で、受信された前記識別コードに対応する案内情報を検索し、
前記情報配信装置で、検索された前記案内情報と、受信された前記商品リストとに基づいて、前記商品リストの各商品の配置を示す商品配置案内を生成し、
前記情報配信装置で、前記第2通信部を通じて、生成された前記商品配置案内を前記携帯端末へ送信する、
情報配信方法。