(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザ装置UEの上りリンク電力増幅器PAが電源オフになった後のUEの第1の送信電力を、前記UEの第2の送信電力に設定するステップであり、前記UEの前記第2の送信電力は、前記UEの前記上りリンクPAが電源オフになる前の送信電力であり、前記UEの前記第1の送信電力は、前記上りリンクPAの最大出力電力未満であり、UEの上りリンク電力増幅器PAが電源オフになった後のUEの第1の送信電力を、前記UEの第2の送信電力に設定するステップは、自動利得制御AGCを通じた前記UEの前記第1の送信電力の利得を停止するステップと、前記UEの最大送信電力を前記UEの前記第1の送信電力に制限するステップとを含むステップと、
前記PAが起動した場合、前記UEの前記第1の送信電力で信号を送信するステップと、
前記上りリンクPAが起動した後に、前記AGCを通じた前記UEの前記第1の送信電力の前記利得を開始するステップと、
前記UEの前記最大送信電力に対する制限を取り消すステップと
を有する信号送信方法。
前記上りリンクPAが起動した後に、前記AGCを通じた前記UEの前記第1の送信電力の前記利得を開始するステップと、前記UEの前記最大送信電力に対する制限を取り消すステップとは、
前記上りリンクPAが起動した後に、10ミリ秒以内に、前記AGCを通じた前記UEの前記第1の送信電力の前記利得を開始し、前記UEの前記最大送信電力に対する制限を取り消すことを有する、請求項1に記載の方法。
前記処理回路は、前記上りリンクPAが起動した後に、10ミリ秒以内に、前記AGCを通じた前記UEの前記第1の送信電力の利得を開始し、前記UEの前記最大送信電力に対する制限を取り消すように特に構成される、請求項3に記載のプロセッサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在のQPC用途では、UEが信号を送信した後に、UEは、上りリンクPAを電源オフにする。しかし、AGCの閉ループの負のフィードバック機能のため、UEは、UEの送信電力が最大送信電力まで増加するまで、AGCを通じて上りリンクPAによりUEの送信電力の利得を依然として増加させる。このように、UEが信号を再び送信する前に、UEは、PAを再起動する。この場合、PAは全利得で起動するため、UEが信号を送信する場合、UEは最大送信電力で信号を送信する。これは、UEの送信電力の浪費を生じる。
【0005】
本発明の実施例は、PAが起動した後にUEが最大送信電力で信号を送信することを妨げるための信号送信方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、信号送信方法が提供され、ユーザ装置UEの上りリンク電力増幅器PAが電源オフになった後に、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定し、PAが起動した場合、UEの送信電力で信号を送信することを含む。
【0007】
第1の態様の第1の可能な実装方法では、UEの送信電力は、UEの上りリンクPAが電源オフになる前の送信電力である。
【0008】
第1の態様又は第1の態様の第1の可能な実装方法と組み合わせて、第2の可能な実装方法では、UEの送信電力を設定することは、自動利得制御AGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限することを含む。
【0009】
第1の可能な実装方法又は第2の可能な実装方法と組み合わせて、第3の可能な実装方法では、この方法は、上りリンクPAが電源オフになる前のUEの送信電力を維持することを更に含む。
【0010】
第2の可能な実装方法又は第3の可能な実装方法と組み合わせて、第4の可能な実装方法では、この方法は、上りリンクPAが起動した後に、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すことを更に含む。
【0011】
第4の可能な実装方法と組み合わせて、第5の可能な実装方法では、上りリンクPAが起動した後に、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すことは、上りリンクPAが起動した後に、10ミリ秒以内に、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すことを含む。
【0012】
第2の態様では、プロセッサが提供され、処理回路と記憶回路とを含む。記憶回路は、コンピュータ実行命令を格納し、処理回路は、通信バスを通じて記憶回路に接続される。処理回路が動作中の場合に、処理回路は、記憶回路により格納されたコンピュータ実行命令を実行し、これにより、処理回路は、ユーザ装置UEの上りリンク電力増幅器PAが電源オフになった後に、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定し、PAが起動した場合、UEの送信電力で信号を送信するように構成される。
【0013】
第2の態様の第1の可能な実装方法では、UEの送信電力は、UEの上りリンクPAが電源オフになる前の送信電力である。
【0014】
第2の態様又は第2の態様の第1の可能な実装方法と組み合わせて、第2の可能な実装方法では、処理回路は、自動利得制御AGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限するように更に構成される。
【0015】
第1の可能な実装方法又は第2の可能な実装方法と組み合わせて、第3の可能な実装方法では、記憶回路は、上りリンクPAが電源オフになる前のUEの送信電力を維持するように更に構成される。
【0016】
第2の可能な実装方法又は第3の可能な実装方法と組み合わせて、第4の可能な実装方法では、処理回路は、上りリンクPAが起動した後に、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すように更に構成される。
【0017】
第4の可能な実装方法と組み合わせて、第5の可能な実装方法では、処理回路は、上りリンクPAが起動した後に、10ミリ秒以内に、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すように特に構成される。
【0018】
第3の態様では、プロセッサが提供され、ユーザ装置UEの上りリンク電力増幅器PAが電源オフになった後に、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定するように構成された設定回路と、PAが起動した場合、UEの送信電力で信号を送信するように構成された通信回路とを含む。
【0019】
第3の態様の第1の可能な実装方法では、UEの送信電力は、UEの上りリンクPAが電源オフになる前の送信電力である。
【0020】
第3の態様又は第3の態様の第1の可能な実装方法と組み合わせて、第2の可能な実装方法では、設定回路は、自動利得制御AGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限するように更に構成される。
【0021】
第1の可能な実装方法又は第2の可能な実装方法と組み合わせて、第3の可能な実装方法では、設定回路は、上りリンクPAが電源オフになる前のUEの送信電力を維持するように更に構成される。
【0022】
第2の可能な実装方法又は第3の可能な実装方法と組み合わせて、第4の可能な実装方法では、設定回路は、上りリンクPAが起動した後に、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すように更に構成される。
【0023】
第4の可能な実装方法と組み合わせて、第5の可能な実装方法では、設定回路は、上りリンクPAが起動した後に、10ミリ秒以内に、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すように特に構成される。
【0024】
第4の態様では、ユーザ装置UEが提供され、第2の態様に記載のプロセッサ又は第3の態様に記載のプロセッサと、AGCコントローラと、送受信機と、上りリンク電力増幅器PAとを含む。上りリンクPAは、信号の電力増幅を実行するように構成され、AGCコントローラは、上りリンクPAが電源オフになった後に、上りリンクPAにより提供される送信電力の利得を増加させるように構成され、送受信機は、送信電力に従って信号を送信するように構成される。
【0025】
第3の態様の第1の可能な実装方法では、プロセッサは、ベースバンドチップである。
【0026】
前述の対策を採用することにより、UEが上りリンクPAを電源オフにした後に、UEは、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定する。これにより、上りリンクPAが起動した後にUEが最大送信電力で信号を送信することを妨げることにより、UEの電力消費を節約する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例又は従来技術の技術的対策を更に明確に説明するために、実施例又は従来技術を説明するために必要な添付図面について以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における添付図面は、単に本発明のいくつかの実施例を示しているに過ぎず、当業者は、創造的取り組みを行うことなく、これらの添付図面に従って他の図面を更に得ることができる。
【0029】
本発明の実施例の技術的対策について、本発明の実施例の添付図面を参照して以下に明確且つ完全に説明する。明らかに、記載の実施例は、本発明の実施例の全てではなく、一部に過ぎない。創造的取り組みを行うことなく本発明の実施例に基づいて当業者により得られる全ての他の実施例は、本発明の保護範囲内に入るものとする。
【0030】
本発明の実施例は、信号送信方法を提供する。
図1に示すように、この方法の実行主体はUEであり、この方法は以下のステップを含む。
【0031】
S101:UEは、UEの上りリンクPAが電源オフになった後に、PAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定する。
【0032】
特に、UEが上りリンクを通じて信号を基地局に送信する場合、上りリンクUEは起動状態にあり、これにより、UEの信号送信の性能を確保する。UEが信号を送信し終えた後に、UEは、UEの電力消費を低減するために、上りリンクPAを電源オフにする。信号は、データ、コマンド及びメッセージのような様々な種類の情報を送信するために使用される担体(キャリア)である。
【0033】
任意選択で、UEにより設定された送信電力は、UEの上りリンクPAが電源オフになる前の送信電力である。
【0034】
更に、UEの上りリンクPAが電源オフになる前に、UEは、上りリンクPAが電源オフになる前のUEの送信電力を維持する。これにより、UEは、UEの送信電力を、上りリンクPAが電源オフになる前のUEの送信電力に設定する。
【0035】
S102:PAが起動した場合、UEの送信電力で信号を送信する。
【0036】
特に、UEがUEの送信電力を設定することは、以下のステップを通じて完了してもよい。UEは、AGCを通じたUEの送信電力の利得(増加)を停止し、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限することを含む。
【0037】
AGCは、UEのAGCコントローラにより実施される閉ループの負のフィードバック機能であり、入力信号が相当に変化する場合に、UEの出力信号が閉ループの負のフィードバックを通じて上りリンクPAの送信電力の利得を自動的に調整可能にすることを目的とする。これにより、出力信号は、基本的に変化しないままになり、又は比較的小さい範囲内で変動し、これにより、出力信号を一定に保持する効果を実現する。すなわち、UEが上りリンクPAを電源オフにした後に、AGCの閉ループの負のフィードバック機能のため、UEの送信電力は、上りリンクPAの利得を増加させることにより、UEの最大送信電力まで増加し続ける。電力の調整が実行された場合、AGCは、最大送信電力により制限され、AGCを通じて調整可能な送信電力は、最大送信電力を超えない。
【0038】
特に、UE内にAGCの状態を制御する停止命令が記憶装置に書き込まれる。停止命令は、ソフトウェアの書き込み命令を通じて記憶装置に書き込まれてもよい。UEが信号を送信する前に、信号が送信されていないことをUEのベースバンドチップが判定し、上りリンクPAのイネーブルエンド(enable end)を読み取ることにより、又はベースバンドチップのプロセッサを通じて、記憶装置に格納された上りリンクPAに対応するグローバル変数が設定されているか否かを読み取ることにより、上りリンクPAが電源オフになっていることを判定した後に(グローバル変数が0である場合、上りリンクPAが起動状態にあると判定され、グローバル変数が0ではなく1に設定されている場合、上りリンクPAが電源オフ状態にあると判定される)、UEのベースバンドチップは、停止命令を実行する。これにより、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止する。同様に、UE内にAGCの状態を制御する制限命令が記憶装置に書き込まれる。特に、制限命令は、ソフトウェアの書き込み命令を通じて記憶装置に書き込まれてもよい。UEが信号を送信する前に、信号が送信されていないことをUEのベースバンドチップが判定し、上りリンクPAのイネーブルエンドを読み取ることにより、又はベースバンドチップ内の上りリンクPAに対応するグローバル変数が設定されているか否かを読み取ることにより、上りリンクPAが電源オフになっていることを判定した後に、UEのベースバンドチップは、制限命令を実行する。これにより、AGCを通じて調整されるUEの最大送信電力をUEの送信電力に制限する。
【0039】
UEは、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止する点に留意すべきである。このことは、PAが起動した後に、UEがAGCを通じてUEの送信電力を増加させることを妨げる。特に、従来技術では、上りリンクPAが電源オフになった後に、UEは、AGCを通じて上りリンクPAのバイアス電圧を最大バイアス電圧まで増加させる。上りリンクPAが起動した後に、UEは上りリンクPAで最大バイアス電圧に到達しているため、UEの送信電力は最大送信電力を超える可能性があり、これにより、UEの送信電力の浪費を生じる。従って、本発明の実施例では、UEは、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、これにより、上りリンクPAが電源オフになった後に、AGCの閉ループの負のフィードバック機能によるUEの送信電力の増加を妨げる。
【0040】
更に、UEは、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限する。UEの送信電力は、上りリンクPAの最大出力電力未満である。このことは、基地局によるUEでの閉ループ電力制御のため、上りリンクPAが起動した後にUEが最大出力電力で信号を送信することを妨げる。特に、基地局は、最大送信電力をUEに送信する。上りリンクPAが起動した後に、UEは、UEの送信電力を最大送信電力に調整し、最大送信電力に従って信号を送信する。閉ループ電力制御は、UEが基地局によりフィードバックされた信号に従って信号を送信するためのUEの送信電力を制御することを意味する。これにより、信号を基地局に送信するためのセル内の全てのUEの送信電力は同じになり、これにより、基地局がUEに安定したサービスを提供することを確保する。従って、本発明の実施例では、UEは、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限する。このことは、PAが起動した後に基地局によるUEでの閉ループ電力制御のため、UEが最大送信電力で信号を送信することを妨げる。
【0041】
前述のことから、UEがAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止することと、UEがUEの最大送信電力をUEの送信電力に制限することとが、この実施例のUEの送信電力の設定を実施するために必要な2つのステップであることが分かる。UEは、AGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、これにより、PAが電源オフになった後にAGCの閉ループの負のフィードバック機能のため、UEの送信電力の増加を妨げる。UEは、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限し、これにより、PAが起動した後に基地局によるUEでの閉ループ電力制御のため、UEが最大送信電力で信号を送信することを妨げる。
【0042】
以下のステップの絶対的な実施順序に制限は存在しない点に留意すべきである。UEは、AGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、UEは、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限する。UEは、最初にUEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、次にUEの最大送信電力をUEの送信電力に制限してもよい。また、UEは、最初にUEの最大送信電力をUEの送信電力に制限し、次にUEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止してもよい。これは本発明で限定されない。
【0043】
更に、UEが信号を送信する前に、UEは、上りリンクPAを起動する。この場合、UEは、UEの送信電力が信号を送信するための要件を満たすことができることを確保するため、AGCを通じた送信電力に対する制御を復旧する必要がある。従って、上りリンクPAが起動した後に、UEは、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消す。
【0044】
上りリンクPAが起動した後に、UEは、10ms(ミリ秒)以内にAGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消してもよい点に留意すべきである。これにより、UEが信号を送信するための送信電力を確保する。
【0045】
実行主体がUEである対策を採用することにより、UEが上りリンクPAを電源オフにした後に、UEは、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定する。これにより、上りリンクPAが起動した後にUEが最大送信電力で信号を送信することを妨げることにより、UEの電力消費を節約する。
【0046】
本発明の実施例は、信号送信方法を提供する。
図2に示すように、この方法は以下のステップを含む。
【0047】
S201:UEが信号を送信し終えて、上りリンクPAが電源オフになっていないことを判定した後に、UEは、上りリンクPAを電源オフにする。
【0048】
信号は、データ、コマンド及びメッセージのような様々な種類の情報を送信するために使用される担体(キャリア)である。
【0049】
特に、UEは、上りリンクを通じて信号を基地局に送信する。この場合、上りリンクUEは起動状態にあり、これにより、UEの信号送信の性能を確保する。UEが信号を送信し終えた後に、UEは、UEの電力消費を低減するために、上りリンクPAを電源オフにする。
【0050】
S202:UEは、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止する。
【0051】
AGCは、UEのAGCコントローラにより実施される閉ループの負のフィードバック機能であり、入力信号が相当に変化する場合に、UEの出力信号が閉ループの負のフィードバックを通じて上りリンクPAの送信電力の利得を自動的に調整可能にすることを目的とする。これにより、出力信号は、基本的に変化しないままになり、又は比較的小さい範囲内で変動し、これにより、出力信号を一定に保持する効果を実現する。すなわち、UEが上りリンクPAを電源オフにした後に、AGCの閉ループの負のフィードバック機能のため、UEの送信電力は、上りリンクPAの利得を増加させることにより、UEの最大送信電力まで増加し続ける。電力の調整が実行された場合、AGCは、最大送信電力により制限され、AGCを通じて調整可能な送信電力は、最大送信電力を超えない。
【0052】
特に、UE内にAGCの状態を制御する停止命令が記憶装置に書き込まれる。特に、停止命令は、ソフトウェアの書き込み命令を通じて記憶装置に書き込まれてもよい。UEが信号を送信する前に、信号が送信されていないことをUEのベースバンドチップが判定し、上りリンクPAのイネーブルエンド(enable end)を読み取ることにより、又はベースバンドチップのプロセッサを通じて、記憶装置に格納された上りリンクPAに対応するグローバル変数が設定されているか否かを読み取ることにより、上りリンクPAが電源オフになっていることを判定した後に(グローバル変数が0である場合、上りリンクPAが起動状態にあると判定され、グローバル変数が0ではなく1に設定されている場合、上りリンクPAが電源オフ状態にあると判定される)、UEのベースバンドチップは、停止命令を実行する。これにより、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止する。
【0053】
S203:UEは、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限する。
【0054】
特に、UE内にAGCの状態を制御する制限命令が記憶装置に書き込まれる。特に、制限命令は、ソフトウェアの書き込み命令を通じて記憶装置に書き込まれてもよい。UEが信号を送信する前に、信号が送信されていないことをUEのベースバンドチップが判定し、上りリンクPAのイネーブルエンドを読み取ることにより、又はベースバンドチップ内の上りリンクPAに対応するグローバル変数が設定されているか否かを読み取ることにより、上りリンクPAが電源オフになっていることを判定した後に、UEのベースバンドチップは、制限命令を実行する。これにより、AGCを通じて調整されるUEの最大送信電力をUEの送信電力に制限する。
【0055】
前述のステップS203がステップS202の後に実行されることに限定されない点に留意すべきである。本発明の実施例では、ステップS203が最初に実行され、次にステップS202が実行されてもよい。このことに限定されない。
【0056】
S204:UEは、信号を基地局に送信する準備をし、上りリンクPAが電源オフになっていることを判定した後に、上りリンクPAを起動する。
【0057】
この場合、UEは、UEの送信電力が信号を送信するための要件を満たすことができることを確保するため、AGCを通じた送信電力に対する制御を復旧する必要がある。
【0058】
S205:UEは、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を開始する。
【0059】
S206:UEは、UEの最大送信電力に対する制限を取り消す。
【0060】
上りリンクPAが起動した後に、UEは、10ms(ミリ秒)以内にAGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消す点に留意すべきである。これにより、UEが信号を送信するための送信電力を確保する。
【0061】
ステップS205及びステップS206は、AGCを通じた送信電力に対する閉ループ制御の機能を復旧するために実行されてもよい。これにより、UEの送信性能を確保する。
【0062】
前述のステップS206がステップS205の後に実行されることに限定されない点に留意すべきである。本発明の実施例では、ステップS206が最初に実行され、次にステップS205が実行されてもよい。このことに限定されない。
【0063】
S207:UEは、UEにより設定された送信電力で信号を送信する。
【0064】
説明を簡単にするため、前述の方法の実施例は、一連の動作の組み合わせとして記載されている点に留意すべきである。しかし、当業者は、本発明が記載の動作により制限されないことを認識すべきである。当業者はまた、明細書に記載の実施例は例示的な実施例であり、関与する動作及び回路は本発明にとって不可欠であるとは限らないことを認識すべきである。
【0065】
前述の対策を採用することにより、UEが上りリンクPAを電源オフにした後に、UEは、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定する。これにより、上りリンクPAが起動した後にUEが最大送信電力で信号を送信することを妨げることにより、UEの電力消費を節約する。
【0066】
本発明の実施例は、プロセッサ30を提供する。プロセッサは、UE内に適用されてもよい。UEにおいて、プロセッサは、ベースバンドチップでもよい。
図3に示すように、プロセッサ30は、処理回路(プロセッサ)31と、通信インタフェース32と、記憶回路(メモリ)33と、通信回路34とを含む。処理回路31、通信インタフェース32及び記憶回路33は、通信回路34を通じて相互との通信を完了する。
【0067】
処理回路31は、中央処理装置CPU(central processing unit)又は特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)でもよく、本発明の実施例を実施する1つ以上の集積回路として構成されてもよい。
【0068】
記憶回路33は、プログラムコードを格納するように構成される。プログラムコードは、コンピュータ動作命令を含む。記憶回路33は、高速RAMメモリを含んでもよく、また、少なくとも1つのディスクメモリのような不揮発性メモリを含んでもよい。
【0069】
通信インタフェース32は、プロセッサ30と他の装置との間の接続及び通信を実施するように構成される。
【0070】
処理回路31は、ユーザ装置UEの上りリンク電力増幅器PAが電源オフになった後に、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定し、PAが起動した場合、UEの送信電力で信号を送信するように、プログラムコードを実行する。
【0071】
任意選択で、UEの送信電力は、UEの上りリンクPAが電源オフになる前の送信電力である。
【0072】
更に、記憶回路33は、上りリンクPAが電源オフになる前のUEの送信電力を維持するように更に構成される。これにより、プロセッサは、UEの送信電力を、上りリンクPAが電源オフになる前のUEの送信電力に設定する。
【0073】
更に、処理回路31は、自動利得制御AGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限するように特に構成される。
【0074】
AGCは、UEのAGCコントローラにより実施される閉ループの負のフィードバック機能であり、入力信号が相当に変化する場合に、UEの出力信号が閉ループの負のフィードバックを通じて上りリンクPAの送信電力の利得を自動的に調整可能にすることを目的とする。これにより、出力信号は、基本的に変化しないままになり、又は比較的小さい範囲内で変動し、これにより、出力信号を一定に保持する効果を実現する。すなわち、UEが上りリンクPAを電源オフにした後に、AGCの閉ループの負のフィードバック機能のため、UEの送信電力は、上りリンクPAの利得を増加させることにより、UEの最大送信電力まで増加し続ける。電力の調整が実行された場合、AGCは、最大送信電力により制限され、AGCを通じて調整可能な送信電力は、最大送信電力を超えない。
【0075】
特に、停止命令が記憶回路に書き込まれる。停止命令は、ソフトウェアの書き込み命令を通じて記憶回路に書き込まれてもよい。UEが信号を送信する前に、信号が送信されていないことを処理回路が判定し、上りリンクPAのイネーブルエンド(enable end)を読み取ることにより、又はベースバンドチップの処理回路を通じて、記憶回路に格納された上りリンクPAに対応するグローバル変数が設定されているか否かを読み取ることにより、上りリンクPAが電源オフになっていることを判定した後に(グローバル変数が0である場合、上りリンクPAが起動状態にあると判定され、グローバル変数が0ではなく1に設定されている場合、上りリンクPAが電源オフ状態にあると判定される)、処理回路は、停止命令を実行する。これにより、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止する。同様に、制限命令が記憶回路に書き込まれる。特に、制限命令は、ソフトウェアの書き込み命令を通じて記憶回路に書き込まれてもよい。UEが信号を送信する前に、信号が送信されていないことを処理回路が判定し、上りリンクPAのイネーブルエンドを読み取ることにより、又はベースバンドチップ内の上りリンクPAに対応するグローバル変数が設定されているか否かを読み取ることにより、上りリンクPAが電源オフになっていることを判定した後に、処理回路は、制限命令を実行する。これにより、AGCを通じて調整されるUEの最大送信電力をUEの送信電力に制限する。
【0076】
処理回路は、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止する点に留意すべきである。このことは、PAが起動した後に、UEがAGCを通じてUEの送信電力を増加させることを妨げる。特に、従来技術では、上りリンクPAが電源オフになった後に、処理回路は、AGCを通じて上りリンクPAのバイアス電圧を最大バイアス電圧まで増加させる。上りリンクPAが起動した後に、UEは上りリンクPAで最大バイアス電圧に到達しているため、UEの送信電力は最大送信電力を超える可能性があり、これにより、UEの送信電力の浪費を生じる。従って、本発明の実施例では、処理回路は、UEによるAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、これにより、上りリンクPAが電源オフになった後に、AGCの閉ループの負のフィードバック機能によるUEの送信電力の増加を妨げる。
【0077】
更に、処理回路は、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限する。UEの送信電力は、上りリンクPAの最大出力電力未満である。このことは、基地局によるUEでの閉ループ電力制御のため、上りリンクPAが起動した後にUEが最大出力電力で信号を送信することを妨げる。特に、基地局は、最大送信電力をUEに送信する。上りリンクPAが起動した後に、処理回路は、処理回路の送信電力を最大送信電力に調整し、最大送信電力に従って信号を送信する。閉ループ電力制御は、UEが基地局によりフィードバックされた信号に従って信号を送信するためのUEの送信電力を制御することを意味する。これにより、信号を基地局に送信するためのセル内の全てのUEの送信電力は同じになり、これにより、基地局がUEに安定したサービスを提供することを確保する。従って、本発明の実施例では、処理回路は、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限する。このことは、PAが起動した後に基地局によるUEでの閉ループ電力制御のため、UEが最大送信電力で信号を送信することを妨げる。
【0078】
前述のことから、処理回路がAGCを通じたUEの送信電力の利得を停止することと、処理回路がUEの最大送信電力をUEの送信電力に制限することとが、この実施例のUEの送信電力の設定を実施するために必要な2つのステップであることが分かる。処理回路は、AGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、これにより、PAが電源オフになった後にAGCの閉ループの負のフィードバック機能のため、UEの送信電力の増加を妨げる。処理回路は、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限し、これにより、PAが起動した後に基地局によるUEでの閉ループ電力制御のため、UEが最大送信電力で信号を送信することを妨げる。
【0079】
更に、処理回路31は、上りリンクPAが起動した後に、UEの送信電力が信号を送信するための要件を満たすことができることを確保するため、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消す。
【0080】
更に、処理回路31は、上りリンクPAが起動した後に、10ミリ秒以内にAGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すように特に構成される。これにより、UEが信号を送信するための送信電力を確保する。
【0081】
前述のプロセッサを採用することにより、上りリンクPAが電源オフになった後に、プロセッサは、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定する。これにより、上りリンクPAが起動した後にUEが最大送信電力で信号を送信することを妨げることにより、UEの電力消費を節約する。
【0082】
本発明の実施例は、プロセッサ40を提供する。プロセッサは、ベースバンドチップでもよい。
図4に示すように、プロセッサ40は、ユーザ装置UEの上りリンク電力増幅器PAが電源オフになった後に、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定するように構成された設定回路41と、PAが起動した場合、UEの送信電力で信号を送信するように構成された通信回路42とを含む。
【0083】
任意選択で、UEの送信電力は、UEの上りリンクPAが電源オフになる前の送信電力である。
【0084】
更に、設定回路41は、自動利得制御AGCを通じたUEの送信電力の利得を停止し、UEの最大送信電力をUEの送信電力に制限するように更に構成される。
【0085】
AGCは、UEのAGCコントローラにより実施される閉ループの負のフィードバック機能であり、入力信号が相当に変化する場合に、UEの出力信号が閉ループの負のフィードバックを通じて上りリンクPAの送信電力の利得を自動的に調整可能にすることを目的とする。これにより、出力信号は、基本的に変化しないままになり、又は比較的小さい範囲内で変動し、これにより、出力信号を一定に保持する効果を実現する。すなわち、UEが上りリンクPAを電源オフにした後に、AGCの閉ループの負のフィードバック機能のため、UEの送信電力は、上りリンクPAの利得を増加させることにより、UEの最大送信電力まで増加し続ける。電力の調整が実行された場合、AGCは、最大送信電力により制限され、AGCを通じて調整可能な送信電力は、最大送信電力を超えない。
【0086】
更に、設定回路41は、上りリンクPAが電源オフになる前のUEの送信電力を維持するように更に構成される。
【0087】
更に、設定回路41は、上りリンクPAが起動した後に、UEの送信電力が信号を送信するための要件を満たすことができることを確保するため、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すように更に構成される。
【0088】
更に、設定回路41は、上りリンクPAが起動した後に、10ミリ秒以内に、AGCを通じたUEの送信電力の利得を開始し、UEの最大送信電力に対する制限を取り消すように更に構成される。
【0089】
前述のプロセッサを採用することにより、上りリンクPAが電源オフになった後に、プロセッサは、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定する。これにより、上りリンクPAが起動した後にUEが最大送信電力で信号を送信することを妨げることにより、UEの電力消費を節約する。
【0090】
本発明の実施例は、UE50を提供する。
図5a又は
図5bに示すように、UE50は、前述の実施例に記載のプロセッサ30(
図5aに対応する)又は前述の実施例に記載のプロセッサ(
図5bに対応する)と、AGCコントローラ51と、送受信機52と、上りリンクPA53とを含む。
【0091】
上りリンクPA53は、信号の電力増幅を実行するように構成される。
【0092】
AGCコントローラ51は、上りリンクPAが電源オフになった後に、上りリンクPAにより提供される送信電力の利得を増加させるように構成される。
【0093】
送受信機52は、送信電力に従って信号を送信するように構成される。
【0094】
更に、
図6に示すように、前述のプロセッサ30及びプロセッサ40は、UE50内のベースバンドチップ54でもよい。
【0095】
ベースバンドチップは、UEのベースバンド部に含まれ、前述のAGCコントローラ、送受信機及び上りリンクPAは、UEの無線周波数部に含まれる点に留意すべきである。
【0096】
前述のUEを採用することにより、上りリンクPAが電源オフになった後に、UEは、上りリンクPAの最大出力電力未満のUEの送信電力を設定する。これにより、上りリンクPAが起動した後にUEが最大送信電力で信号を送信することを妨げることにより、UEの電力消費を節約する。
【0097】
当業者は、前述の方法の実施例を実施する全てのステップ又は一部のステップが、関係するハードウェアに命令するプログラムにより完了されてもよいことを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。プログラムが実行される場合、前述の方法の実施例のステップが実行される。記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスクのようなプログラムコードを記憶可能ないずれかの媒体を含む。
【0098】
前述の説明は、本発明の単なる特定の実装方法であり、本発明の保護範囲を制限することを意図するものではない。本発明に開示される技術範囲内で当業者により行われる変更及び変形は、本発明の保護範囲内に入るものとする。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従う。