【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態において、治療用装置、特に歯科用又は外科用治療装置が提供される。該治療装置は、単方向回転運動を伝達するための駆動軸と、治療装置のヘッド部に配置されることにより、リフティング運動及び回転運動を好適には同時に生じる器具を保持するための器具保持装置と、単方向回転運動をリフティング運動及び回転運動に好適には同時に変換することにより、リフティング運動及び回転運動を器具保持装置に好適には同時に生じさせ、かつ単方向回転運動の回転速度を変更、特に減速するためのギア、及び偏心ギアを含むギアアセンブリとを備える。単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアは、回転軸線を有する入力軸と、器具保持装置に結合された出力軸と、回転軸線に対して角度を付けた中心軸線を有すると共に、入力軸に結合された突出部と、複数個の歯を有すると共に、回転不能に配置された第1歯列と、複数個の歯を有すると共に、出力軸に回転可能に結合された第2歯列と、入力軸に結合された突出部上に回転可能に配置され、かつ第1端部に第3歯列を、また第2端部に第4歯列を有するスリーブとを含み、この場合にスリーブは、第1歯列及び第2歯列の間に配置されることにより、第3歯列における少なくとも1個の歯が第1歯列における少なくとも1個の歯と噛み合い、また第4歯列における少なくとも1個の歯が第2歯列における少なくとも1個の歯と噛み合い、これにより入力軸に対する出力軸の回転速度を変更する。
【0010】
単方向回転運動における回転速度を変更するために上述の構成としたギアは、極めてコンパクトであるだけでなく所要スペースが僅かであるため、医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置、特にハンドピース又は角度付きハンドピース内により容易に組み込むことができる。このようなギアは、比較的僅かな個数の個別部品で構成されると共に、広範囲に亘る回転速度の減速、例えば1:25から極めて高い減速比、例えば1:900以上を可能にするものである。
【0011】
本発明の治療装置における特に有利な実施形態は、以下の点を個別に又は組み合わせとして含む。即ち、
・入力軸に結合された突出部上には、少なくとも1個の軸受装置が設けられることにより、突出部上に配置されたスリーブが突出部に対して回転可能であり、また、突出部の特に一端は遊端として構成され、器具保持装置方向において、支持されることなく軸受装置を越えて自由に延在している点と、
・入力軸に結合された突出部の中心軸線及び入力軸の回転軸線による角度は、約5°〜15°である点と、
・入力軸に結合された突出部及び入力軸による角度は、約5°〜15°である点と、
・中心軸線との関連において、入力軸に結合された突出部の軸線方向における長さは、約3〜7mmである点と、
・入力軸に結合された突出部上に設けられた軸受装置は、ローラ軸受、特にボール軸受又は滑り軸受として構成される点と、
・軸受装置は、入力軸に結合された突出部を包囲する点と、
・軸受装置は、入力軸に結合された突出部及び該突出部上に配置されたスリーブの間に配置される点と、
・治療装置又は単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアは、第1面領域及び該第1面領域に対してほぼ平行に配置された第2面領域を有する円板状又はプレート状キャリアを含み、また、第1歯列は、その歯が第2歯列を指向するよう第1面領域に回転不能に配置され、更に、第2面領域は、入力軸を支持する軸受要素、特にローラ軸受又はボール軸受のための軸受座として構成される点と、
・回転不能に配置された第1歯列は、プレート状キャリアと一体的に構成される点と、
・プレート状キャリアは、治療装置の回転不能な部材、特に治療装置の外側スリーブに固定され、好適には、肩部又は対応する肩部上の凹部又は治療装置の突出部に固定される点と、
・軸受要素は、第2面領域に直接に支持される点と、
・プレート状キャリアは、穿孔、好適には中央穿孔を有し、該穿孔を通して以下の少なくとも1個の部品、即ち、単方向回転運動における回転速度を変更、特に減速するためのギアが含む入力軸、単方向回転運動を伝達するための駆動軸、及び偏心ギアを駆動する軸、特に偏心ギアの一部、例えば偏心ピンに結合された軸が延在する点と、
・偏心ギアは、単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアを通過する軸で駆動可能であり、これに関連して、好適には、偏心ギアを駆動する軸は、偏心ギアの一部、例えば偏心ピン又は偏心ピン用のレセプタクルに結合され、好適には、単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアを構成する以下の少なくとも1個の部品、即ち、入力軸、回転不能に配置された第1歯列、第1歯列が設けられたプレート状キャリア、入力軸に結合された突出部、出力軸に回転可能に配置された第2歯列、及び器具保持装置に結合された出力軸には、穿孔が設けられる点と、
・単方向回転運動における回転速度を変更するためのギア及び偏心ギアを駆動する軸は、ほぼ同心円状に配置される点と、
・入力軸に結合された突出部の中心軸線及び偏心ギアを駆動する軸の回転軸線による角度は、約5°〜15°である点と、
・入力軸に結合された突出部及び偏心ギアを駆動する軸による角度は、約5°〜15°である点と、
・偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸は、好適には滑り軸受によって、出力軸内に回転可能に支持される点と、
・出力軸及び/又は突出部及び/又は入力軸は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸が収容された中空軸として構成する点と、
・入力軸及び/又は突出部は、例えば加圧により、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸に回転不能に結合され、これにより共通の軸及び/又は共通のギアで有利に駆動可能な点と、
・突出部が結合された入力軸、及び偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸は、互いに回転可能であると共に、特に異なる回転速度で駆動可能な点と、
・入力軸、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸、及び好適には回転不能に配置された第1歯列は、互いに同心円状に配置され、及び/又は、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸、第2歯列、及び出力軸は、互いに同心円状に配置される点と、
・治療装置は、医療用ハンドル要素、特に歯科用又は外科用ハンドル要素、特に歯内治療用に構成された例えばハンドピース又は角度付きハンドピースを含む点と、
・治療装置、特に角度付きハンドピースは、ヘッド近傍のセクション、及び該セクションに対して角度又は曲げ部付きで配置された後方セクションを含むハンドル部分を備え、単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアは、ヘッド近傍のセクションに少なくとも部分的に配置される点と、
・ギアアセンブリは、付加的な機械的ギアを含み、該付加的な機械的ギアは、単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成されていることにより、器具保持装置に振動回転運動を生じさせることができ、好適には、この場合の振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転、及び第2回転角に亘る(第1回転方向とはほぼ逆の)第2回転方向への回転を器具に対して交互にもたらし、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有し、これに関連して、リフティング運動及び回転運動を器具保持装置に好適には同時に生じさせる上述の回転運動は、特に振動回転運動を含み、単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、好適には回転速度を減速させる構成とすることもできる点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、好適には器具保持装置に設けられた偏心ギア、及び単方向回転運動における回転速度を変更、特に減速するためのギアの間に設けられるか、又は、好適には、回転速度を変更、特に減速するためのギアは、後方セクションに設けられ、単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、後方セクションに対して角度又は曲げ部付きで配置された治療装置、特に角度付きハンドピースのヘッド近傍のセクションに設けられる点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素、及び単方向回転運動を伝達するための第2要素を含む点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアに器具保持装置を結合する出力軸は、振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動及び単方向回転運動が出力軸に同時に伝達されるよう、第1要素及び/又は第2要素に結合される点と、
・偏心ギアは、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギア及び/又は出力軸を通過する軸により駆動可能であり、好適には、単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギア、特に中央歯車は、偏心ギアを駆動する軸を収容するための穿孔を有する点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアに器具保持装置を結合する出力軸は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸が収容された中空軸として構成され、また、出力軸及び偏心ギアを駆動する軸は、特に異なる回転速度で駆動可能である点と、
・駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素は、(付加的な)偏心ギアを含み、単方向回転運動を伝達するための第2要素は、複数個の歯車を含む点と、
を含む。
【0012】
他の実施形態において、医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置が提供される。該治療装置は、医療用器具、特に歯科用又は外科用器具を保持するための器具保持装置と、振動回転運動を器具に生じさせるよう構成された駆動装置とを備え、振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転と、第2回転角に亘る(第1回転方向とはほぼ逆の)第2回転方向への回転とを器具に対して交互にもたらし、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有し、更に、駆動装置は、単方向回転運動を伝達するよう構成された駆動軸アセンブリと、出力軸と、駆動軸アセンブリによって駆動可能であり、かつ駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成され、該振動回転運動を出力軸に伝達する機械的ギアと、器具保持装置と協働する偏心ギアとを含むことにより、リフティング運動及び振動回転運動を器具保持装置に好適には同時に生じさせる。
【0013】
本発明の治療装置における特に有利な実施形態は、以下の点を個別に又は組み合わせとして含む。即ち、
・器具保持装置と協働する偏心ギアは、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギア、特に機械的ギアが含む中央歯車を通過する軸によって駆動可能であり、好適には、単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギア、特に中央歯車は、偏心ギアを駆動する軸を収容するための穿孔を有する点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアに器具保持装置を結合する出力軸は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸が収容された中空軸として構成されるか又は穿孔を有し、また、出力軸および偏心ギアを駆動する軸は、特に互いに対して可動である及び/又は異なる回転速度で駆動可能である点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアが含む駆動軸は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸が収容された中空軸として構成されるか又は穿孔を有する点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアが含む駆動軸は、例えば加圧により、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸に回転不能に結合され、これにより2個の軸は、共通の駆動軸及び/又は共通のギアによって有利に駆動可能である点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアが含む駆動軸は、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸と互いに回転可能であると共に、特に異なる回転速度で駆動可能である点と、
・治療装置は、単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギアを更に備える点と、
・回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギア、特にギアが含む歯車の少なくとも一部は、偏心ギアを駆動し、かつ好適には偏心ギアの一部が設けられた軸上、及び/又は、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアを駆動する駆動軸アセンブリ上に直接に配置され、これにより偏心ギアを駆動する軸、及び単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアを駆動する駆動軸アセンブリは、ギアが含む歯車の少なくとも一部によって共に駆動可能である点と、
・単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギアは、回転軸線を有する入力軸と、器具保持装置に結合された出力軸と、回転軸線に対して角度を付けた中心軸線を有すると共に、入力軸に結合された突出部と、複数個の歯を有すると共に、回転不能に配置された第1歯列と、複数個の歯を有すると共に、出力軸に回転可能に結合された第2歯列と、入力軸に結合された突出部上に回転可能に配置され、かつ第1端部に第3歯列を、また第2端部に第4歯列を有するスリーブとを含み、この場合にスリーブは、第1歯列及び第2歯列の間に配置されることにより、第3歯列における少なくとも1個の歯が第1歯列における少なくとも1個の歯と噛み合い、また第4歯列における少なくとも1個の歯が第2歯列における少なくとも1個の歯と噛み合い、これにより入力軸に対する出力軸の回転速度を変更する点と、
・入力軸に結合された突出部上には、少なくとも1個の軸受装置が設けられることにより、突出部上に配置されたスリーブが突出部に対して回転可能であり、また、突出部の一端は遊端として構成され、器具保持装置方向において、支持されることなく軸受装置を越えて自由に延在している点と、
・入力軸に結合された突出部及び入力軸による角度は、約5°〜15°である点と、
・中心軸線との関連において、入力軸に結合された突出部の軸線方向における長さは、約3〜7mmである点と、
・入力軸に結合された突出部上に設けられた軸受装置は、ローラ軸受、特にボール軸受又は滑り軸受として構成される点と、
・軸受装置は、入力軸に結合された突出部を半径方向に包囲する点と、
・軸受装置は、入力軸に結合された突出部及び該突出部上に配置されたスリーブの間に配置される点と、
・治療装置又は単方向回転運動における回転速度を変更するためのギアは、第1面領域及び該第1面領域に対してほぼ平行に配置された第2面領域を有する円板状又はプレート状キャリアを含み、また、第1歯列は、その歯が第2歯列を指向するよう第1面領域に回転不能に配置され、更に、第2面領域は、入力軸を支持する軸受要素のための軸受座として構成される点と、
・回転不能に配置された第1歯列は、プレート状キャリアと一体的に構成される点と、
・プレート状キャリアは、治療装置の回転不能な部材、特に治療装置の外側スリーブに固定され、好適には、肩部又は対応する肩部上の凹部又は治療装置の突出部に固定される点と、
・軸受要素は、第2面領域に直接に支持される点と、
・プレート状キャリアは、穿孔、好適には中央穿孔を有し、該穿孔を通して以下の少なくとも1個の部品、即ち、単方向回転運動における回転速度を変更、特に減速するためのギアが含む入力軸、単方向回転運動を伝達するための駆動軸、及び偏心ギアを駆動する軸、特に偏心ギアの一部、例えば偏心ピンに結合された軸が延在する点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、好適には器具保持装置に設けられた偏心ギア、及び単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するための歯車の間に設けられる点と、
・治療装置は、医療用ハンドル要素、特に歯科用又は外科用ハンドル要素、特に歯内治療用に構成された例えばハンドピース又は角度付きハンドピースを含む点と、
・治療装置、特に角度付きハンドピースは、器具保持装置を含むヘッド部、及びヘッド部近傍のセクション並びに該セクションに対して角度又は曲げ部を付けて配置された後方セクションを含むハンドル部分を備え、また、単方向回転運動を振動回転運動に変換するための機械的ギアは、ヘッド部近傍のセクションに少なくとも部分的に配置され、更に、単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギアは、好適には少なくとも部分的に後方セクションに配置される点と、
・駆動軸アセンブリは、単方向回転運動における回転速度を伝達及び/又は変更、特に減速するためのギアが少なくとも部分的に設けられた第1駆動軸、及び単方向回転運動を振動回転運動に変換するための歯車が設けられた第2駆動軸を含み、これら2個の駆動軸はギア、好適には、減速ギア又は減速比を1:1としたギアとして構成され、また、好適には、第1駆動軸は実質的に後方セクションに配置され、第2駆動軸は実質的にヘッド部近傍のセクションに配置される点と、
・2個の駆動軸は、互いに対して角度を付けて配置され、及び/又は、好適には偏心ギアの一部が設けられ、かつ偏心ギアを駆動する軸は、第1駆動軸に対して角度を付けて配置される点と、
・単方向回転運動を振動回転運動に変換するためのギアは、駆動軸から伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素、及び単方向回転運動を伝達するための第2要素を含む点と、
・出力軸は、振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動及び単方向回転運動が、出力軸に同時に伝達されるよう、第1要素及び/又は第2要素に結合される点と、
を含む。
【0014】
他の第3実施形態において、医療用器具、特に歯科用又は外科用器具の駆動装置が提供される。該駆動装置は、振動回転運動を器具に生じさせるよう構成され、該振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転、及び第2回転角に亘る(第1回転方向とはほぼ逆の)第2回転方向への回転を器具に対してもたらし、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有し、更に、駆動装置は、単方向回転運動を伝達するよう構成された駆動軸アセンブリと、出力軸と、駆動軸アセンブリによって駆動可能であり、かつ駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成され、該振動回転運動を出力軸に伝達する機械的ギアとを備える。
【0015】
単方向回転運動を振動回転運動に変換する機械的ギアを設けることにより、駆動装置は、電源、特に電気モータ駆動部及び/又は電気的制御に依存することがなくなり、これにより任意の治療装置、特に空圧作動式の治療装置も有利に使用することができる。
【0016】
本発明の駆動装置における特に有利な実施形態は、以下の点を個別に又は組み合わせとして含む。即ち、
・機械的ギアは、駆動軸アセンブリを介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素、及び単方向回転運動を伝達するための第2要素を含む点と、
・出力軸は、振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動及び単方向回転運動が、出力軸に同時に伝達されるよう、第1要素及び/又は第2要素に結合される点と、
・駆動軸アセンブリを介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素は、偏心ギアを含む点と、
・機械的ギアが含む内歯ギアに偏心ギアの少なくとも一部が設けられ、好適には、内歯ギアは、駆動軸アセンブリに対して回転可能に構成される点と、
・単方向回転運動を伝達するための第2要素は、複数個の歯車を含む点と、
・歯車の少なくとも1個は出力軸上に固定、好適には回転可能に固定され、特に第1要素が生じる振動回転運動は、出力軸に結合された歯車の少なくとも1個を介して伝達可能である点と、
・単方向回転運動を伝達するための第2要素が含む歯車の少なくとも1個は、内歯ギア内に配置される点と、
・内歯ギアは、該内歯ギア内に配置された歯車の少なくとも1個と噛み合う内歯を有する点と、
・駆動軸アセンブリ又は出力軸に回転可能に結合され、かつ好適には周辺に位置する第2歯車の少なくとも1個は、駆動軸アセンブリ又は出力軸に回転不能に配置され、かつ好適には中央に位置する第1歯車周りに回転し、第2歯車の少なくとも1個は、内歯ギアの内歯と噛み合う点と、
・駆動軸アセンブリは、第1駆動軸及び第2駆動軸を含み、第1駆動軸は、駆動軸アセンブリを介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するために、機械的ギアが含む第1要素に結合され、第2駆動軸は、単方向回転運動を伝達するために、第2要素に結合される点と、
・第1駆動軸及び第2駆動軸は、分配歯車によって互いに結合されることにより、同一のモータで駆動可能である点と、
・好適には、機械ギアには、器具に伝達可能なトルクを制限するために、例えば摩擦クラッチとしたトルク制限装置が設けられる点と、
・出力軸は、単方向回転運動を伝達するための第2要素、特に該第2要素が含む歯車の少なくとも1個に直接的に及び/又は固定的に結合される点と、
・出力軸は、駆動軸アセンブリを介して伝達された単方向回転運動を振動運動、特に振動振子運動又は振動旋回運動に変換するための第1要素、特に偏心ギア、好適には内歯ギアに直接的に及び/又は固定的に結合され、また、第1要素の一部、特に偏心ギアの一部における例えば偏心要素又はレセプタクルは、周辺歯車の少なくとも1個におけるキャリア、例えば結合要素に設けられる点と、
を含む。
【0017】
一実施形態において、医療用治療装置、特に歯科用又は外科用治療装置、好適には、特に歯内治療用に構成された医療用ハンドル要素、特に歯科用又は外科用ハンドル要素が提供される。これらハンドル要素は、上述した第3実施形態に係る駆動装置、特に、駆動軸アセンブリによって駆動可能であり、かつ駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成され、該振動回転運動を出力軸に伝達する機械的ギアを含む駆動装置を備える。
【0018】
他の実施形態において、医療用装置、特に歯科用又は外科用治療装置、好適には、特に歯内治療用に区政された医療用ハンドル要素、特に歯科用又は外科用ハンドル要素が提供される。これらハンドル要素は、単方向回転運動を伝達するよう構成された駆動軸と、器具を保持するための器具保持装置と、駆動軸を器具保持装置に結合すると共に、複数個、好適には3個の機械的ギアを含み、かつ駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を変換することにより、駆動軸を介して伝達された単方向回転運動における回転速度に比べて減速したリフティング運動及び振動回転運動を、器具保持装置に好適には同時に生じさせるギアアセンブリとを備える。この場合の振動回転運動は、第1回転角に亘る第1回転方向への回転と、第2回転角に亘る(第1回転方向とはほぼ逆の)第2回転方向への回転とを器具に対して交互にもたらし、また、好適には第1及び第2回転角は異なる値を有する。好適には、ギアアセンブリは、単方向回転運動における回転速度を減速するためのギアと、偏心ギアと、駆動軸を介して伝達された単方向回転運動を振動回転運動に変換するよう構成されたギアとを含む。好適には、これら3個のギアには、上述した特定の実施形態の1つ以上が含まれる。
【0019】
上述した医療用治療装置、特に歯科用若しくは外科用治療装置、又は医療用ハンドル要素、特に歯科用若しくは外科用ハンドル要素における使用方法の実施形態は、歯内治療を含む。
【0020】
以下、添付図面に関連した好適な実施形態を詳述する。