【実施例】
【0080】
本発明及びその有益性を説明するために、次の具体的な実施例が示される。当該実施例は、実例としてのみ意図されており、決して本発明を制限するものではないことが理解される。
【0081】
[実施例1] 集団の研究
この研究のために選択された猫は、猫の主要な遺伝の分岐及び種の分類に基づいていた。この研究のために選択された猫の三大タイプは、ヨーロッパ猫、シャム猫及びペルシャ猫であった。この研究のために選択された猫の性別は、雌(F)、卵巣が除去された雌(CF)、雄(M)及び去勢された雄(CM)であった。
【0082】
猫は、1群5匹で、12群を構成していた。この集団は、最初の調査として検討された。得られた結果は、個々の猫又はそれらの血統に基づいて、分泌組成物に大きな不均一性を示した。それゆえ、より大きな猫集団で、サンプリングが繰り返されなければならなかった。
【0083】
血統及び性別の基準に加えて、12群に取り入れられる他の基準が定められ、それらは:(1)認証された繁殖クラブの一つによって管理された血統台帳に登録されていた;(2)8か月乃至5才の年齢を有する;(3)過去3か月以内に医療処置を受けなかった;(4)市販の猫引っ掻き棒を有していなかった;(5)化学作用のある又は芳香で満たされたトイレを使用しなかった;猫用トイレは、純粋な粘土で構成されていなければならなかった;(6)不安神経症の症状が存在しなかった;(7)引っ掻き傷マーキングは、縄張り区域の近傍において、同じ棒に毎日実行されなければならなかった、ここで、猫は、侵入の間、縄張り侵害によって確認される侵入を非常に寛大に許容した;及び(8)猫は、少なくとも1か月の間、少なくとも1日1回、その飼い主によって観察された引っ掻きの習性を有していた。
【0084】
次の表Iは、この研究のために選択された猫を示している。
【表1】
【0085】
群の均一性は、スチューデントT検定によって確かめられ、それは、年齢及び血統、並びに引っ掻きの継続期間及び血統について、次の結果を与えた。
理論上のギャップが0で、年齢と血統の可変群との対応のないT検定
【表2】
血統の年齢可変群による群の情報
【表3】
理論上のギャップが0で、引っ掻きの継続期間と血統の可変群との対応のないT検定
【表4】
血統の可変群での引っ掻きの継続期間群の情報
【表5】
【0086】
[実施例2] 猫の引っ掻きに関連する情報化学物質を同定するための単離及び分析
(単離)
猫によって自然に堆積された分泌物が利用されたことを確実にするために、支持体上に引っ掻き傷が生ずるのを可能にし、且つ、化学分析の要求に適合した装置が使用された。
【0087】
ラテックス製検査用手袋を使用して、猫によって引き裂かれた表面の一部の上に外科用圧定布を固定することによって、48時間の間サンプルが採取された。引き裂かれた表面は、高さの点で二つに分けられた。二つ割にしたものの一方は、殺菌された圧定布の助けで回収された。分泌物の沈殿において、非対称ではないことを確実にするために、サンプルは、左半分と右半分で、各側二日間ずつ、交互に集められて、フェロモンが集められた。
【0088】
集められた殺菌された圧定布は、飼い主が眠りにつき且つ目覚める同じ時間において、1日の間に6時間毎に交換された。これは、猫1匹当たり1日当たり、9枚の圧定布を意味し、したがって、採集した2日間、猫1匹当たり平均で18枚の圧定布であった。採集の間、殺菌された圧定布は、手袋をはめた手で扱われ、そして、直ちに、10mlのアセトニトリルが入っているフラスコ内に入れられた。この溶剤は、サンプルの分析の間に利用されたものの一つであった。
【0089】
猫の飼い主に割り振られたフラスコは、補充の際、その動物に関連して符号化された番号を持っていた。各飼い主は、3-4枚の殺菌された圧定布を含む5個のフラスコを返却した。
【0090】
この採集操作の間、仮に、圧定布が引っ掻きの実行の過程においてその支持体からはぎとられ、採集の間に地面上において見出されたら、サンプルの他の物質による汚染の危険を冒さないように、それらは研究から除かれた。この研究の間、9枚の殺菌された圧定布が、除去されねばならなかった。
【0091】
(分析)
この研究を通して使用された溶剤は、SIGMA(カタログ番号43,913-4)によって市販されているHPLCグレードのアセトニトリル(CH
3CN)であった。サンプルは、個々の猫が属する群を区別して取り扱われた。各猫について、48時間にわたって採取されたサンプルが混合された。
【0092】
殺菌された圧定布は、初めに、ガラス攪拌機を用いて混合され、他の猫由来のサンプルを入れる前に、アセトニトリルで洗浄され且つ濯がれた。各猫について、30mlの溶液が得られた。各溶液中の10mlが、窒素気流の下で蒸発せられ、1mlのアセトニトリルで希釈され、10倍濃度になった。
【0093】
その後、サンプルは、パーキン・エルマー製のターボ式質量分析器を用いるガス・クロマトグラフ質量分析に供された。検出は、180℃、70eVのエネルギーにおいて、(EI
+)を使用し、インパクトで達成された。1/20のスプリットにおいて且つスプリット/スプリット無しを3秒として、60mの長さのJWカラム・タイプDB1(id=0.25mm、フィルム=0.25μm)が使用された。サンプルより、1.0μlが注入された。
【0094】
最も確実性の高いスペクトルを得るために、データ・ベースを使用して、最初の結果が解析された。そのようなデータを含むデータ・ベースは、当該分野でよく知られている。
【0095】
60のクロマトグラフ・プロファイルを伴って得られた最初の結果は、猫間の相違をほとんど提供しなかった。これらのクロマトグラフは、11の化学物質を含んでおり、それらは一意的に、典型的な脂肪酸又はメチル・エステルの形態の脂肪酸であった。7種の脂肪酸中の4種はエステルの形態であり、これは11成分という数字を導いている。これらの11種の成分は、以下の表IIに明記されている。
【表6】
【0096】
イソ吉草酸は、猫の34%においてのみ存在したので、具体的な分泌物において、それは除外された。同様に除外されたのは、エステル類である。それらは、情報化学物質分泌物の、皮膚細菌による分解産物であるかもしれないと考えられ得たからである。分泌物は、その活性な構造を獲得する前に、共生生物又は腐生菌による生体内変化も受け得る。この点において、情報化学物質前駆体の変化は、重要であり且つ構造を単純化する方向に進む。これは、肉食動物の
肛門嚢において生じていることである。分泌腺は、局所腐生菌によってアミンに変換されるタンパク質を分泌する。この場合、脂肪酸のそのメチル・エステルへの移行は、脂肪酸の空間構造にはあまり影響を与えず、これは、単なる事例であり、それゆえ、エステルであるためにその脂肪酸の割合の増加を可能にする。
【0097】
6種の異なる脂肪酸を有する二つのフラクションが確認された。一のフラクションSc1は、全分泌物の69%乃至83%で存在した。このフラクションは、Sc1と呼称され、その化合物は、表III中にある。第二のフラクションSc2は、非常に珍しく、研究された猫の集団において、決して単独では現れなかった。Sc2は、全分泌物の17%乃至31%で存在した。Sc2は、研究の間に、よりストレスのかかった猫中に存在した。Sc2の化合物は、表IV中にある。
【表7】
【表8】
【0098】
[実施例3] 猫の引っ掻き情報化学物質の構造類似体の試験
この研究において、溶液SC10-98、SC10-75、SC10-60、SC20-98、SC20-75及びSC20-60(これらは、猫科動物の引っ掻き傷マーキング・フェロモンの構造類似体である)を使用して、70匹の猫が試験された。SC10-98は、10%のフラクションSc1(上記表IIIを参照のこと)と98%のリノール酸を有していた;SC10-75は、10%のフラクションSc1(上記表IIIを参照のこと)と75%のリノール酸を有していた;SC10-60は、10%のフラクションSc1(上記表IIIを参照のこと)と60%のリノール酸を有していた;SC20-98は、20%のフラクションSc1(上記表IIIを参照のこと)と98%のリノール酸を有していた;SC20-75は、20%のフラクションSc1(上記表IIIを参照のこと)と75%のリノール酸を有していた;そして、SC20-60は、20%のフラクションSc1(上記表IIIを参照のこと)と60%のリノール酸を有していた。
【0099】
プラセボとして、エタノールが使用され、これは、溶液中で使用されたものと同じ溶剤であった。この研究は、二重盲検法として行われはしなかった。人の鼻によって6種の類似体は区別され得なかったけれども、エタノールは実際のところ区別され得たからである。しかしながら、処理は、ランダムに行われた。
【0100】
この研究のために、猫科動物の引っ掻き傷マーキング情報化学物質の類似体が、他の対象を引っ掻く習慣となっていた猫のための、新しい猫引っ掻き棒に塗布された。
【0101】
この研究のための猫は、パリ領域からのペットであった。研究に含められるためには、それらの飼い主の同意に加えて、猫は、次の条件を充足していなければならなかった:(1)すべての異なる血統の猫;(2)去勢された又は去勢されていない雄及び卵巣が除去された又は除去されていない雌;(3)最低年齢は9か月であり且つ最大年齢は8才である;(4)病気の兆候が無く且つ治療されていない;及び(5)少なくとも2ヶ月の間、特定の場所を絶えず引っ掻いた猫。
【0102】
含めない基準は、(1)猫が
爪切除術を受けたこと(抜爪手術がされた);(2)猫が健康状態に問題があったこと;(3)猫は、試験の7日間に治療介入を受けていたこと;(4)猫が、裂けた爪鞘(torn nail sheaths)の持ち主であったこと;及び(5)猫は、引っ掻きの習性治療を受けたことであった。
【0103】
除外する基準は、(1)器質的な疾患に罹っていること;(2)猫が麻酔を受けたこと;(3)猫が、内服用及び外用の抗寄生虫薬を除外して、医薬を投与されたこと;(4)引っ越しを含む、猫の環境の何らかの変化;及び(5)その家庭への新しい動物の導入、を包含していた。
【0104】
この研究に、70匹の猫が使用された;各処理に10匹の猫。Eはヨーロッパ猫を表し、Sはシャム猫を表し、そしてPはペルシャ猫を表す。試験された各猫の処理及び背景は、以下の表Vに明記されている。
【表9】
上記の表において、Pはプラセボを示す。SBは、バーミン(Birmin)猫(ビルマの聖なる猫)を示す。
【0105】
[実施例4] 情報化学物質類似体の試験
この研究では、2タイプの材料を使用した。市販の引っ掻き棒は、25×60cmの寸法を有する板であって、その横幅の方向において全長にわたって配置された麻紐で覆われたもので構成されていた。引っ掻き棒は、表面の一部が長さ方向において黄色の剥離紙で覆われており、これは、引っ掻き棒が使用されたことの検証を可能にしている。その紙は、7乃至8時間毎に交換され、このことは、1日に3回の測定を行わせることを可能にした。その紙が交換された際には、その紙は、引っ掻き棒上の異なる領域であって、別の範囲を取得する前の8時間の間に使用されなかった領域に配置された。引き裂かれたか否かに関わらず、紙は好感され、且つ、試験のために保存された。
【0106】
50mlの、アジュバントもプラセボも含まない情報化学物質の類似体のアルコール性溶液を含有する茶色のガラス製ボトルが用意された。この生成物は、殺菌された複合体の助けを借りて、引っ掻き棒に塗布され、そしてラテックス製のグローブを使用して塗布された。当該生成物は、引っ掻き棒の全長を占める4本の長手方向のバンドを使用して塗布された。この塗布は、研究の間、毎日、1日1回継続された。
【0107】
この研究のために選択された猫は、すでに引っ掻き棒を使用する習性を有している猫であった。それらが常用している引っ掻き棒は取り去られ、上記の引っ掻き棒に交換された。研究は、7日間にわたって実施された。
【0108】
次のパラメータが研究された。
NPL: 7日間に引き裂かれた紙の数
DBFL: 最初の引裂き前の遅延時間
SOA: 他の対象における引っ掻き傷の数
【0109】
NPLは、新たな引っ掻き傷の頻度を視覚的に評価することを可能にした。DBFLは、新たな引っ掻き棒における引裂き数を推定することを可能にした。SOAは、引裂きに結び付き、その後引っ掻き棒以外の他の対象に対して行われた失敗を特定することを可能にした。
【0110】
この研究の評価方法は、次の通りであった。NPLの評価は、引裂きのあった紙全てについて、1の評価を使用して行われた。支持体から単に外された状態となった紙には、点数0が与えられ、無傷の引き裂かれていない紙はほとんどなかった。DBFLは、交換紙が追加されるまでは評価されなかった。引き裂かれた、最初の順番の紙の番号が考慮された。紙が引っ掻かれなかったならば、22の記録が与えられた。DBFLの値は、1と22との間であった。SOAは、気付かれた引っ掻き傷毎に評価された。引っ掻き傷がなかったなら、その場合にはゼロの記録が与えられた。したがって、SOAは、7日間の点数の合計であった。引っ掻き傷は、それが直接観察されたか又は引っ掻き傷の痕跡が見出され得たならば、得点が記録された。
【0111】
結果は以下の表VIに明記されている。
【表10】
Pはプラセボである。
【0112】
結果は、
図1〜
図3に明記されている。この解析の結果は、溶液SC20-98及びSC20-75が、より効果的な情報化学物質であると決定することを容認している。
【0113】
SC20-75及びSC20-98のt検定の結果は、以下に明記するとおりである。
NPL可変群:処理についての対応のないt検定
SC20-75,SC20-98のための理論上のギャップ=0
【表11】
NPL可変群:処理についての群の情報
【表12】
DBFL可変群:処理についての対応のないt検定
SC20-75,SC20-98のための理論上のギャップ=0
【表13】
DBFL可変群:処理についての群の情報
【表14】
SOA可変群:処理についての対応のないt検定
SC20-75,SC20-98のための理論上のギャップ=0
【表15】
SOA可変群:処理についての群の情報
【表16】
【0114】
この解析は、研究されたパラメータの全てについて、二つの処理の間に何ら統計的有意差がないことを目立たせた。これは、引っ掻きフェロモンの類似体の有効性を裏付けており、そして、異なる溶液間において区別をつけること及びより有効な溶液を選択することを容認している。
【0115】
[実施例5] SC20-75の最適化
SC20-75は、SC20-98よりも低いコストで作ることがより容易であったので、この研究のために選択された。この研究は、嗅神経アジュバントを使用して、又は、垂直の引裂きに関連して猫に対する誘引効果を再現し且つ壁紙や織物のような垂直の細長い一片の存在によって完全に模倣されている視覚的信号との関連によって、SC20-75を最適化するために行われた。
【0116】
この研究は、同じクリニックにおいて二人の獣医に診察してもらった猫について行われ、したがって、単一中心の研究であった。猫は、対象を引っ掻き且つ壊すことによるマーキングの習性を有していたので、デストラクター(destructors)と表現された。
【0117】
この研究に含められるためは、猫は、(1)少なくとも2か月間、引っ掻きによるマーキングの習性を有しており;(2)健康状態がよく且つ引っ掻き以外にはよい習性であり;(3)9か月と8才との間の年齢であり、;そして(4)性別及び血統は問題にしなかった。
【0118】
この研究に含められなかった猫は、(1)爪切除術を受けた(抜爪手術がされた);(2)爪を除去する治療に供された(3)身体上の疾患又は行動障害が見つかった(4)少なくとも6か月間、向精神剤又はホルモンの治療を受けた(5)その引っ掻きが、情報化学物質の治療によって減少させられた猫、であった。
【0119】
研究の間、次の理由により、猫は除外されたであろう:(1)引っ掻きの悪化;(2)引っ掻き傷の印が付けられ紙を返還しないというような研究のコンプライアンスを履行しないこと;(3)尿のマーキング又は攻撃性の出現;(4)麻酔がなされたこと;(5)外科的介入を受けたこと;(6)器質性疾患に罹ったこと;及び(7)抗寄生虫薬以外の医薬の内服又は外用での投与。
【0120】
15日間持続したこの研究のために、16匹の猫が選択された。以下の表において、Eはヨーロッパ猫、Sはシャム猫、そしてPはペルシャ猫を表す。猫は、次の特徴を有していた。
【表17】
SBは、バーミン(Birmin)猫(ビルマの聖なる猫)を示す。
【0121】
引っ掻きの適切な継続時間を有していた、この研究のために選択された猫の群における統計値は、次のとおりである。
【表18】
【0122】
引っ掻き棒は、実施例4で使用されたものと同じであった。但し、各試験で使用された方法を順守するために、各猫に2本の引っ掻き棒が与えられた。引っ掻き棒の一つには、猫の顔からは隠れて、Sのラベルが貼られた。それは、同じくSの印がつけられたフラスコに由来する、アジュバントを伴う引っ掻き情報化学物質類似体で被覆された。他方の引っ掻き棒には、Aの印がつけられ、Aの印がつけられたフラスコに由来する、アジュバントを伴うアルコールで被覆された。
【0123】
50mlの引っ掻き情報化学物質類似体の溶液が、茶色のガラス製フラスコに入れられ、それは、10%のキャットニップのチンク剤で補助されたSC20-75を含有していた。対照は、総容量の10%のキャットニップのチンク剤で補助された、95%アルコール溶液であった。引っ掻き棒は、実施例4におけると同様に被覆された。引っ掻き棒の上で使用された紙は、実施例4におけるものと同様であった。
【0124】
2本の引っ掻き棒の有効性を比べるために、それらは、60cm放して、従前に引っ掻かれた表面のどちらか一方の側に置かれた。引っ掻き棒(S)は、それに塗布された情報化学物質類似体を有しており、一方、棒(A)は、対照で被覆されていた。実施例4におけるように、引っ掻き棒の一部は、引っ掻き傷を検出するために、剥離紙で再び覆われていた。この場合、紙はまた、その猫によってすでに引っ掻かれた対象上において、同じ手順に従って配置された。(多くが存在していたとしたら、)一の対象だけが、その猫にとって接近し易いようにされ、それは、最も引っ掻かれるべき対象である。評価は、この対象に基づくものであった。研究は、7日間実施された。
【0125】
この研究の評価は、実施例4に明記されたものと同じパラメータを用いて行われたが、SOAは除外され、猫(OL)によって習慣的に引っ掻かれた対象の評価によって置換された。この対象は、猫の他の引っ掻き棒と競合する、引っ掻きの場所であると考えられた。
【0126】
猫引っ掻き傷情報化学物質類似体(S)を用いて実施された研究について、結果は、以下の表VIIIに明記されている。
【表19】
【0127】
対照(A)については、結果は以下の表IXに明記されている。
【表20】
【0128】
猫によって習慣的に引っ掻かれた対象(OL)については、結果は以下の表Xに示されている。
【表21】
【0129】
結果は、
図4及び5に示されている。
【0130】
その後、上記結果を使用して、統計による解析が行われた。
引っ掻き傷情報化学物質類似体 SC20-75
【表22】
対照(A)
【表23】
猫によって習慣的に引っ掻かれた対象
【表24】
【0131】
猫科動物の足指間の情報化学物質のSC20-75類似体が、16匹の猫において試験された。それらの猫は、それらの飼い主によって、自宅において激しく引っ掻くと説明されていた。各猫のために、飼い主は、猫が激しい引っ掻き活動を示した場所である「標的領域」を明確にするよう依頼された。二つのボール紙製引っ掻き棒が、標的領域の各側に60cmで固定された。それらの引っ掻き棒の一つは、プラセボで被覆され、他方は情報化学物質溶液で被覆された。評価パラメータは、引っ掻き表面の半分の上に1枚の紙を置くことによって数えられた、研究の7日間における引っ掻き傷の総数であった。比較は、マンヒットニー検定を使用してなされた。
【0132】
情報化学物質が噴霧された引っ掻き棒は、猫によって、標的領域と比べた時には著しく(p<0.05)、そして標的領域と比べた時には極めて高度に著しく(p<0.001)、より多く使用された。
【0133】
本発明が様々な好ましい実施態様に関して記載されているけれども、本発明の範囲から外れることなく様々な修飾、置換、省略及び変更がなされ得ることを、当業者は理解するであろう。つまり、本発明の範囲は、その等価物を包含して、次のクレームの範囲によって限定されることが意図されている。