特許第6263547号(P6263547)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6263547ユーザ記述子を使用するソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザへのサードパーティ通信
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263547
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】ユーザ記述子を使用するソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザへのサードパーティ通信
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20180104BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20180104BHJP
【FI】
   G06F13/00 540A
   G06Q50/10
【請求項の数】19
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-545080(P2015-545080)
(86)(22)【出願日】2013年11月14日
(65)【公表番号】特表2015-537313(P2015-537313A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】US2013070165
(87)【国際公開番号】WO2014085104
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年11月10日
(31)【優先権主張番号】13/687,397
(32)【優先日】2012年11月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ラジャラム、ゴクル
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア−マルティネス、アントニオ フェリペ
(72)【発明者】
【氏名】ボーランド、ブライアン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マトゥラ、ニプン
【審査官】 北川 純次
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/147828(WO,A1)
【文献】 特開2005−260896(JP,A)
【文献】 特表2012−528394(JP,A)
【文献】 特開2012−018569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のアプリケーションから、前記アプリケーションによって生成されるメッセージを1または複数のターゲット・ユーザに提供するための要求を受信する工程であって、前記要求は、ターゲット・ユーザに関連付けられている個人識別可能な情報のアイテムであるデータから生成される前記1または複数のターゲット・ユーザのそれぞれについての識別子ハッシュを含む、要求受信工程と、
前記ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されている1または複数のユーザ・プロフィールにアクセスする工程であって、ユーザ・プロフィールは、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての情報を含む、プロフィールアクセス工程と、
前記ユーザ・プロフィール内の情報から1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての識別子ハッシュを生成するハッシュ生成工程と、
ターゲット・ユーザについての識別子ハッシュに一致する前記1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての1または複数の識別子ハッシュを選択する識別子ハッシュ選択工程と、
前記アプリケーションによって生成される前記メッセージを、前記1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての前記選択された識別子ハッシュに関連付けられている前記ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して提供するメッセージ提供工程と、
を備える方法。
【請求項2】
ターゲット・ユーザについての前記識別子ハッシュは、前記ターゲット・ユーザの個人識別可能な情報の前記アイテムに関する一方向性関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ターゲット・ユーザについての前記識別子ハッシュは、前記ターゲット・ユーザの個人識別可能な情報の前記アイテムに関する暗号学的ハッシュである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲット・ユーザの個人識別可能な情報の前記アイテムは、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、名前、電子メール・アドレス、電話番号、加入者識別モジュール(SIM)カード識別子、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、クレジット・カード番号、社会保障番号、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ・プロフィール内の情報は、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、名前、電子メール・アドレス、電話番号、加入者識別モジュール(SIM)カード識別子、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、クレジット・カード番号、社会保障番号、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記メッセージ提供工程は、
前記1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての前記選択された識別子ハッシュに関連付けられている前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの前記ユーザに直接、前記メッセージを送信する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージは、前記メッセージを生成する前記アプリケーションを識別する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記メッセージ提供工程は、
前記アプリケーションに関連付けられている前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内のページに前記メッセージをポストする工程であって、前記メッセージは、前記ページを閲覧する前記選択された識別子ハッシュに関連付けられている前記ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにとって可視であり、前記ページを閲覧する前記選択された識別子ハッシュに関連付けられていない前記ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにとって可視でない、工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムまたはソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のアプリケーションから、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記システムまたは前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記アプリケーションによって生成されるメッセージを1または複数のターゲット・ユーザに提供するための要求を受信する工程であって、前記要求は、ターゲット・ユーザに関連付けられている個人識別可能な情報のアイテムであるデータから生成される前記1または複数のターゲット・ユーザのそれぞれについての識別子ハッシュを含む、要求受信工程と、
前記ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されている1または複数のユーザ・プロフィールにアクセスする工程であって、ユーザ・プロフィールは、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての情報を含む、プロフィールアクセス工程と、
前記ユーザ・プロフィール内の情報から1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての識別子ハッシュを生成するハッシュ生成工程と、
ターゲット・ユーザについての識別子ハッシュに一致する前記1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての1または複数の識別子ハッシュを選択する識別子ハッシュ選択工程と、
前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記システムまたは前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記アプリケーションによって生成される前記メッセージを、前記1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての前記選択された識別子ハッシュに関連付けられている前記ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して提供するメッセージ提供工程と、
を備える方法。
【請求項10】
ターゲット・ユーザについての前記識別子ハッシュは、前記ターゲット・ユーザの個人識別可能な情報の前記アイテムに関する一方向性関数である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ターゲット・ユーザについての前記識別子ハッシュは、前記ターゲット・ユーザの個人識別可能な情報の前記アイテムに関する暗号学的ハッシュである、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記ターゲット・ユーザの個人識別可能な情報の前記アイテムは、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、名前、電子メール・アドレス、電話番号、加入者識別モジュール(SIM)カード識別子、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、クレジット・カード番号、社会保障番号、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザ・プロフィール内の情報は、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、名前、電子メール・アドレス、電話番号、加入者識別モジュール(SIM)カード識別子、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、クレジット・カード番号、社会保障番号、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記メッセージ提供工程は、
前記1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての前記選択された識別子ハッシュに関連付けられている前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの前記ユーザに直接、前記メッセージを送信する工程を含む、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記メッセージは、前記メッセージを生成する前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記システムまたは前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記アプリケーションを識別する、請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記メッセージ提供工程は、
前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記システムまたは前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記アプリケーションに関連付けられている前記ソーシャル・ネットワーキング・システム内のページに前記メッセージをポストする工程であって、前記メッセージは、前記ページを閲覧する前記選択された識別子ハッシュに関連付けられている前記ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにとって可視であり、前記ページを閲覧する前記選択された識別子ハッシュに関連付けられていない前記ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにとって可視でない、工程を含む、請求項9〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記要求は、前記ターゲット・ユーザのそれぞれについての前記識別子ハッシュを生成するために使用されるハッシュ関数の記述をさらに含む、請求項9〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ハッシュ関数の前記記述は、前記ターゲット・ユーザについての前記識別子ハッシュを生成するために使用される前記ターゲット・ユーザに関連付けられている個人識別可能な情報の前記アイテムのタイプを識別する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記システムまたは前記ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部の前記アプリケーションのオペレータによって支払われるべき料金を決定する工程であって、前記料金は、前記選択された識別子ハッシュに関連付けられているユーザの数によって決定される、工程をさらに備える、請求項9〜18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にソーシャル・ネットワーキング・システムにおける通信に関し、より詳細には、ソーシャル・ネットワーキング・システム上に存在する、アプリケーション、ページ、または他のサードパーティ・エンティティから、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにメッセージを通信することに関する。
【背景技術】
【0002】
ソーシャル・ネットワーキング・システムは、そのユーザ間の関係を維持する。さらに、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ユーザが、メッセージを送り、コンテンツを共有し、ソーシャル・ネットワーキング・システム内で関係を形成することによって互いに対話することを可能にする。ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザは、個人のユーザであっても、レストラン、小売業者、ブランド所有者、または事業体など非個人のエンティティであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの非個人のエンティティは、顧客リソース管理(CRM)データベースなどユーザ・データベース内でユーザについての情報を維持することがあるが、その顧客にソーシャル・ネットワーキング・システムを通じて通信するための好都合な手段を有していない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムがソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザに対するメッセージを、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザを個人として識別する情報を共有することなしにソーシャル・ネットワーキング・システムに通信することをソーシャル・ネットワーキング・システムが可能にする。たとえば、ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のアプリケーションは、アプリケーション・ユーザに対するメッセージを、ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して通信することができる。ターゲット・ユーザを識別するために外部システムによって使用される情報が、ソーシャル・ネットワーキング・システムに通信されるターゲット・ユーザ・ハッシュ識別子を生成するために外部システムによって使用される。ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されているユーザ・プロフィールからの情報からハッシュ識別子を生成する。たとえば、外部システムは、ターゲット・ユーザのハッシュ識別子、およびハッシュ識別子を生成するために使用されたハッシュ関数と共にメッセージをソーシャル・ネットワーキング・システムに送る。次いで、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ハッシュ関数をユーザ・プロフィール・データに適用し、ハッシュ識別子を生成する。ターゲット・ユーザ・ハッシュ識別子がソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについてのハッシュ識別子と比較され、ターゲット・ユーザ・ハッシュ識別子に一致するハッシュ識別子を生成するために使用されたユーザ・プロフィールに関連付けられている情報が、ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して外部システムからターゲット・ユーザに情報を通信するために使用される。したがって、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されているユーザについての情報に外部アプリケーションがアクセスすることを許すことなしに、外部システムがアプリケーションのユーザに情報をより容易に提供することを可能にする。
【0005】
ハッシュ識別子およびターゲット・ユーザ・ハッシュ識別子は、任意の好適な技法を使用して生成されてよい。たとえば、一方向ハッシング・アルゴリズムを、外部アプリケーションによって使用される情報のアイテムに適用し、ターゲット・ユーザを識別する。ユーザを識別するために外部アプリケーションによって使用される情報の例は、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、電子メール・アドレス、電話番号、クレジット・カード番号、および社会保障番号を含む。ターゲット・ユーザのハッシュ識別子は、一方向ハッシング・アルゴリズムを、ユーザを識別するために外部アプリケーションによって使用される情報に適用することによって生成される。ソーシャル・ネットワーキング・システムは、一方向ハッシング・アルゴリズムをそのユーザのために維持されているユーザ・プロフィールからの情報に適用し、得られるハッシュ識別子をターゲット識別子のハッシュ識別子と比較する。したがって、これらのハッシュ識別子は、ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されている追加のユーザ情報を外部アプリケーションに漏らすことなしに、外部アプリケーションによって識別されたターゲット・ユーザに関連付けられているユーザ・プロフィールを識別するために使用される。
【0006】
本発明による実施形態は、コンピュータに実装される方法を対象とする添付の特許請求の範囲に特に開示されている。
一実施形態では、コンピュータに実装される方法は、
ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のアプリケーションから、アプリケーションによって生成されるメッセージを1または複数のターゲット・ユーザに提供するための要求を受信する工程であって、要求は、ターゲット・ユーザに関連付けられている個人識別可能な情報のアイテムであるデータから生成されるターゲット・ユーザのそれぞれについての識別子ハッシュを含む、工程と、
ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されている1または複数のユーザ・プロフィールにアクセスする工程であって、ユーザ・プロフィールは、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての情報を含む、工程と、
ユーザ・プロフィール内の情報から1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての識別子ハッシュを生成する工程と、
ターゲット・ユーザについての識別子ハッシュに一致する1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての1または複数の識別子ハッシュを選択する工程と、
アプリケーションによって生成されるメッセージを、1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに、ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して提供する工程とを備える。
【0007】
特にターゲット・ユーザについての識別子ハッシュは、そのターゲット・ユーザの個人識別可能な情報のアイテムに関する一方向性関数である。
ターゲット・ユーザについての識別子ハッシュは、そのターゲット・ユーザの個人識別可能な情報のアイテムに関する暗号学的ハッシュとすることができる。
【0008】
ターゲット・ユーザの個人識別可能な情報のアイテムは、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、名前、電子メール・アドレス、電話番号、加入者識別モジュール(SIM)カード識別子、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、クレジット・カード番号、社会保障番号、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0009】
ユーザ・プロフィール内の情報は、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、名前、電子メール・アドレス、電話番号、加入者識別モジュール(SIM)カード識別子、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、クレジット・カード番号、社会保障番号、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0010】
特に、アプリケーションによって生成されるメッセージを、1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに、ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して提供する工程は、
1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに直接、メッセージを送信する工程を備える。
【0011】
好ましくは、メッセージは、メッセージを生成するアプリケーションを識別する。
好ましくは、アプリケーションによって生成されるメッセージを、1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに、ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して提供する工程は、
アプリケーションに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システム内のページにメッセージをポストする工程であって、メッセージは、ページを閲覧する選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにとって可視であり、ページを閲覧する選択された識別子ハッシュに関連付けられていないソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにとって可視でない、工程を含む。
【0012】
他の実施形態では、この方法は、
ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムから、ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムによって生成されるメッセージを1または複数のターゲット・ユーザに提供するための要求を受信する工程であって、要求は、ターゲット・ユーザに関連付けられている個人識別可能な情報のアイテムであるデータから生成されるターゲット・ユーザのそれぞれについての識別子ハッシュを含む、工程と、
ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されている1または複数のユーザ・プロフィールにアクセスする工程であって、ユーザ・プロフィールは、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての情報を含む、工程と、
ユーザ・プロフィール内の情報から1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての識別子ハッシュを生成する工程と、
ターゲット・ユーザについての識別子ハッシュに一致する1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての1または複数の識別子ハッシュを選択する工程と、
ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムによって生成されるメッセージを、1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに、ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して提供する工程とを備える。
【0013】
特にターゲット・ユーザについての識別子ハッシュは、そのターゲット・ユーザの個人識別可能な情報のアイテムに関する一方向性関数である。
ターゲット・ユーザについての識別子ハッシュは、そのターゲット・ユーザの個人識別可能な情報のアイテムに関する暗号学的ハッシュとすることができる。
【0014】
ターゲット・ユーザの個人識別可能な情報のアイテムは、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、名前、電子メール・アドレス、電話番号、加入者識別モジュール(SIM)カード識別子、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、クレジット・カード番号、社会保障番号、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0015】
ユーザ・プロフィール内の情報は、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、名前、電子メール・アドレス、電話番号、加入者識別モジュール(SIM)カード識別子、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、クレジット・カード番号、社会保障番号、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0016】
特に、ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムによって生成されるメッセージを、1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに、ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して提供する工程は、
1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに直接、メッセージを送信する工程を備える。
【0017】
好ましくは、メッセージは、メッセージを生成するソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムを識別する。
好ましくは、ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムによって生成されるメッセージを、1または複数のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザについての選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに、ソーシャル・ネットワーキング・システムを介して提供する工程は、
ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システム内のページにメッセージをポストする工程であって、メッセージは、ページを閲覧する選択された識別子ハッシュに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにとって可視であり、ページを閲覧する選択された識別子ハッシュに関連付けられていないソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにとって可視でない、工程を備える。
【0018】
好ましくは、要求は、ターゲット・ユーザのそれぞれについての識別子ハッシュを生成するために使用されるハッシュ関数の記述をさらに含む。
好ましくは、ハッシュ関数の記述は、ターゲット・ユーザについての識別子ハッシュを生成するために使用されるターゲット・ユーザに関連付けられている個人識別可能な情報のアイテムのタイプを識別する。
【0019】
他の実施形態では、この方法は、ソーシャル・ネットワーキング・システムの外部のシステムのオペレータによって支払われるべき料金を決定し、料金は、選択された識別子ハッシュに関連付けられているユーザの数によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態によるソーシャル・ネットワーキング・システムを含むシステム環境の一実施形態のブロック図。
図2】一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されるソーシャル・グラフの一例の図。
図3】外部ビジネス・システムからの情報を使用してソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにメッセージを提供するための例示的な方法のフローチャート。
図4】外部システムに関連付けられソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されているページに対するポスト内にユーザ情報を含める一例の図。
図5】一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザに直接通信される外部システムからのメッセージの一例の図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
これらの図は、本発明の様々な実施形態を例示のためだけに示す。当業者なら、本明細書に示されている構造および方法の代替の実施形態を本明細書に記載の本発明の原理から逸脱することなしに使用することができることを、以下の考察から容易に理解するであろう。
【0022】
概要
図1は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100を含むシステム環境の一実施形態のブロック図である。ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ネットワーク120を通じてユーザ・デバイス110および外部システム130と通信する。ネットワーク120は、ワイヤレス・ネットワーク、有線ネットワーク、またはネットワーク・タイプの組合せを含んでもよく、任意の好適なプロトコルまたはプロトコルの組合せを使用して交換することができるユーザ・デバイス110、外部システム130、および/またはソーシャル・ネットワーキング・システム100の間の通信のためにチャネルを提供する。
【0023】
図1は単一のユーザ・デバイス110を示すが、実際には、複数のユーザ・デバイス110がソーシャル・ネットワーキング・システム100および/または外部システム130と通信する。ユーザ・デバイス110は、スマートフォン、タブレット・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、セットトップ・ボックス、ビデオ・ゲーム・コンソール、ネットワーキング機能付きのテレビ、および任意の他の好適なコンピューティング・システムなど、様々なコンピューティング・デバイスを備えることができる。ユーザ・デバイス110は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100からソーシャル・ネットワーキング情報を受信し、そのソーシャル・ネットワーキング情報をユーザ・デバイス110のユーザに提供する。また、ユーザ・デバイス110は、ユーザ・デバイス110のユーザからユーザ対話を受け取り、そのユーザ対話をソーシャル・ネットワーキング・システム100に送信する。
【0024】
ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスをソーシャル・ネットワーキング・システム100の様々なユーザに提供する。ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザは、ソーシャル・ネットワーキング・システムと通信するためにユーザ・デバイス110を操作する。ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザは、個人、および非個人のエンティティを含む。ユーザ・デバイス110のユーザは、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって維持されているユーザ・プロフィールに関連付けられ、そのユーザがソーシャル・ネットワーキング・システム100の他のユーザへの、またソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されているオブジェクトへの接続を形成することを可能にする。ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ユーザ・プロフィールを使用して、そのユーザに提示するためにソーシャル・ネットワーキング・コンテンツを選択する。また、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ユーザ・プロフィールを使用し、そのユーザに提示するために広告を選択することもできる。
【0025】
さらに、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、外部システム130によって生成されたメッセージを、外部システム130と関係または関連付けを有するソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザに通信する。たとえば、外部システム130は、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザによって使用されるアプリケーションを提供し、その結果、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、下記にさらに記載されているように、そのアプリケーションからメッセージを受信し、そのメッセージをユーザに通信することができるようになる。アプリケーションは、ソーシャル・ネットワーキング・システム100内の任意の通信チャネルを通じてソーシャル・ネ
ットワーキング・システム100の1または複数のユーザにメッセージを配布するために、ソーシャル・ネットワーク内のページ所有者によって操作されても、他の非ユーザのエンティティによって操作されてもよい。別の例として、外部システム130は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100へのプロモーションまたはメッセージを受信する顧客管理システム内の特定の顧客を識別することができる小売業者であり、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、指定された顧客に関連付けられているユーザ・プロフィールを識別し、識別されたユーザ・プロフィールを使用し、そのプロモーションまたはメッセージをその特定の顧客に通信する。外部システム130によって生成されたメッセージは、特定のユーザに配信するために個人化されてもよく、それにより、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、外部システム130からの情報を使用し、その特定のユーザに関連付けられているユーザ・プロフィールを識別する。これは、外部システム130が、ソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザでもあるその顧客管理システム内の顧客にメッセージを送信することを可能にする。
【0026】
メッセージ配布を可能にしながらユーザ・プライバシを維持するために、外部システム130は、ユーザを識別するために外部システム130によって使用される情報にハッシュ関数を適用する。得られるハッシュ識別子は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100に通信され、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって維持されているユーザ・プロフィール内の情報にそのハッシュ関数を適用する。外部システム130から受信されたハッシュ識別子は、ユーザ・プロフィール情報から生成されたハッシュ識別子と比較される。外部システム130から受信されたハッシュ識別子に一致するハッシュ識別子に関連付けられているユーザ・プロフィールが識別され、メッセージを外部システム130から、識別されたユーザ・プロフィールに関連付けられているユーザに通信するために使用される。これは、外部システム130がソーシャル・ネットワーキング・システム100を利用し、メッセージまたはコンテンツをユーザに広めることを可能にし、一方、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって維持されているユーザについての追加の情報に外部システム130がアクセスするのをソーシャル・ネットワーキング・システム100が妨げることを可能にする。
【0027】
外部システム130は、ユーザから対話を受け取り、コンテンツをそのユーザに提供する。たとえば、外部システム130は、ユーザ・デバイス110を介してユーザとコンテンツを交換するアプリケーションを動作させる。別の例として、外部システム130は、情報をそのユーザに通信する小売業者またはコンテンツ・プロバイダである。一実施形態では、外部システム130は、そのユーザのためにユーザ・アカウントを維持する。ユーザ・アカウントは、そのユーザを個人として識別するために外部システム130によって使用される情報を含む。外部システム130のユーザ・データベース134が、そのユーザを個人として識別するために外部システム130によって使用される情報を含む。ユーザ・データベース134内に含まれる情報の例は、ソーシャル・ネットワーキング・システム識別子、名前、電子メール・アドレス、電話番号、加入者識別モジュール(SIM)カード識別子、媒体アクセス制御(MAC)アドレス、クレジット・カード番号、社会保障番号、またはユーザを識別するのに適した任意の他の情報を含む。一実施形態では、外部システム130は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100からのアカウント情報を使用してユーザが外部システム130にアクセスすることを可能にする。たとえば、ソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング識別子が、ユーザを識別するために外部システム130によって使用され、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、受信されたときユーザに関連付けられているユーザ・プロフィールをソーシャル・ネットワーキング・システム100が取り出すことを可能にする。コンテンツをユーザに配布するために、外部システム130は、下記にさらに記載されているように、外部システム130のユーザを識別する情報と
、コンテンツまたはコンテンツを取り出すためのリンクとを含む要求をソーシャル・ネットワーキング・システム100に通信する。
【0028】
また、外部システム130は、ユーザを個人として識別するために外部システム130によって使用される少なくとも1つのアイテムにハッシュ関数を適用するハッシング・モジュール132を含む。ユーザを個人として識別するアイテムにハッシュ関数を割り当てることにより、そのユーザに関連付けられているハッシュ識別子が生成される。ハッシュ識別子は、コンテンツを通信するための要求内でソーシャル・ネットワーキング・システム100に通信され、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって維持されているユーザ・プロフィールからの情報にハッシュ関数を適用し、ハッシュ識別子を生成する。外部システム130からのハッシュ識別子は、ユーザ・プロフィールから生成されたハッシュ識別子と比較され、外部システム130からのハッシュ識別子に一致するハッシュ識別子に関連付けられているユーザ・プロフィールが識別され、要求内に含まれているコンテンツを配布するために使用される。
【0029】
ハッシュ関数は、ハッシング・モジュール132への各入力についてハッシュ値を決定する任意の好適なハッシング方法であってよい。ハッシング方法は、ユーザを識別する情報のアイテムをハッシュ識別子に変換する任意の変換関数であってよい。ハッシング方法は、チェックサムまたは非対称暗号化関数など、非可逆関数、決定性関数、および/または一方向性関数であってよい。ハッシュ識別子からは、ハッシング方法への入力を識別することが暗号学的に困難となり得る。一実施形態では、外部システム130からの要求は、使用されたハッシュ関数の記述を含み、ハッシュ識別子を生成するために使用されたユーザ識別情報のタイプを含んでもよい。たとえば、この要求は、ハッシュ関数識別子を含み、識別されたハッシュ関数に入力されるユーザ情報のタイプ(たとえば、電子メール・アドレス、名前、クレジット・カード番号など)を指定する。
【0030】
一実施形態では、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、コンテンツ・サーバ10、ソーシャル・グラフ・ストア104、ユーザ識別モジュール106、およびハッシング・モジュール108を含む。ソーシャル・グラフ・ストア104は、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザおよびソーシャル・ネットワーキング・システム100によって維持されている他のオブジェクトの特徴、ならびにソーシャル・グラフ・ストア104内に含まれるユーザと他のオブジェクトとの間の接続を記述するユーザ・プロフィールを記憶する。ソーシャル・グラフ・ストア104内に含まれるオブジェクトの例は、事業体、団体もしくは他のエンティティに関連付けられているアプリケーション、イベント、グループ、ページ、または他の好適なデータを含む。例示的なソーシャル・グラフ・ストア、および関連の情報取出については、米国特許第8,239,364号に記載されており、その全体を本願明細書に援用する。ソーシャル・ネットワーキング・システムによってユーザに提供されるコンテンツ(ソーシャル・ネットワーキング・コンテンツ)は、コンテンツ・サーバ102によって管理され、コンテンツ・サーバ102は、ソーシャル・グラフ・ストア102内のデータに基づいて、ユーザ・デバイス110を介してユーザに提示するためにソーシャル・グラフ・ストア104内のデータからソーシャル・ネットワーキング・コンテンツを選択する。たとえば、複数のユーザに関連付けられているページにナビゲートするユーザは、外部システム130をも運営するエンティティ・ユーザに関連付けられているページにナビゲートしてもよい。別の例では、個々のユーザが、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって維持されているメールボックスを通じてなど、ソーシャル・ネットワーキング・システム100を介して外部システム130から直接メッセージまたは他の通信を受信してもよい。
【0031】
また、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、外部システム130によっ
て提供される情報に対応するソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザを識別するユーザ識別モジュール106を含む。たとえば、外部システム130は、顧客電子メール・アドレスまたはユーザを識別する他の情報のハッシュ化されたリストを提供する。ユーザ識別モジュール106は、ソーシャル・グラフ・ストア104内の情報に基づいて、ハッシュ化されたリストに対応するソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザを識別する。一実施形態では、ユーザ識別モジュール106は、ハッシング・モジュール108を使用し、ソーシャル・グラフ・ストア104内のユーザ・プロフィールからの情報にハッシュ関数を適用し、ハッシュ関数の結果を外部システム130からのハッシュ化されたリストと比較する。ハッシング・モジュール108は、外部システム130のハッシング・モジュール132と同じハッシュ関数を実行し、一実施形態では、外部システムによって使用されるハッシュ関数は、ハッシュ化されたリストと共にソーシャル・ネットワーキング・システム100に通信される。この例では、ハッシング・モジュール108は、ハッシュ関数をソーシャル・グラフ・ストア104内のユーザの電子メール情報に適用し、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザのためのハッシュ識別子を生成する。ユーザ識別106は、ハッシュ識別子をハッシュ化されたリストと比較し、ハッシュ化されたリストに一致するソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザを識別する。
【0032】
したがって、ユーザ識別モジュール106は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100がそのユーザについての情報を外部システム130に漏らすことなしに、外部システム130がソーシャル・ネットワーキング・システム100を介してユーザと通信することを可能にする。外部システム130がハッシュ化されたユーザ情報を提供する場合、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、そのハッシュ化された情報と、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって記憶された情報とに基づいてユーザを識別し、次いで、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、外部システム130のために、ハッシュ化された情報に一致するそのユーザに情報を通信することができる。ハッシュ化された情報に対するソーシャル・ネットワーキング・システム100によって記憶されたユーザ情報のマッチングは、ユーザ情報に対するユーザ・プライバシ設定によって管理されてもよい。一方、ソーシャル・ネットワーキング・システムによって記憶されたユーザ情報は外部システム130に提供されず、ソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザのプライバシがさらに維持される。
【0033】
ユーザ識別モジュール106は、外部システム130によって維持されているユーザ識別情報から外部システム130によって生成されたハッシュ識別子と、ソーシャル・グラフ・ストア104によって維持されている情報からユーザ識別モジュール106によって生成されたハッシュ識別子とのマッチングを行う。一実施形態では、ユーザ識別モジュール106はまた、外部システム130にさらなる情報を要求してもよく、外部システム130からのハッシュ識別子に対して一致が存在しないことを外部システム130に通知してもよい。一実施形態では、ユーザ識別モジュール106は、外部システム130によって提供された顧客情報に一致する全てのユーザに対し一致を示す。この実施形態では、ユーザ識別モジュール106は、この方法を使用して外部システム130が接近する最大数のユーザを提供してもよい。たとえば、外部システム130が都市「ニューヨーク」および名前「ジョン」を指定するユーザ情報からハッシュ識別子を生成する場合、ユーザ識別モジュール106は、外部システム130からのこのハッシュ識別子に一致するハッシュ識別子に関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システム100の複数のユーザを識別してもよい。この場合におけるユーザ識別モジュール106は、限られた数の一致するユーザについてメッセージを送っても、要求を完全に拒絶してもよい。
【0034】
一実施形態では、外部システム130によって提供される情報は、外部システム130によって提供される特定の情報が個々の顧客に指定されているかどうか、またはユーザの
潜在的なグループについて記述しているかどうかを示す。たとえば、全国的小売業者によって運営される外部システム130は、特定の都市に住み、女性であり特定の年齢範囲内にあるユーザを識別するユーザ情報を選択し、選択されたユーザ情報からハッシュ識別子を生成してもよい。ユーザ情報が個人でなくグループを指定することを示すことにより、ユーザ識別モジュール106は、顧客情報に対する複数の一致を可能にする。
【0035】
一実施形態では、ユーザ識別モジュール106は、外部システム130からのハッシュ識別子に一致するユーザを、その一致するユーザが外部システム130に関連付けられているエンティティに関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・オブジェクトにも接続されているとき、識別する。たとえば、外部システム130は、ソーシャル・グラフ・ストア104内に記憶されたページまたはプロフィールを有する全国的小売業者によって運営されることがある。一部のユーザは、ソーシャル・グラフ104内で全国的小売業者のページまたはプロフィールに接続されていることがある。この実施形態では、ユーザ識別モジュール106は、外部システム130によって提供されたハッシュ識別子に一致するユーザ識別モジュールによって生成されたハッシュ識別子に関連付けられているユーザが、外部システム130に関連付けられているエンティティに関連付けられているページまたはプロフィールへの接続を有するかどうか決定する。この実施形態では、ソーシャル・グラフ・ストア104内で外部システム130に関連付けられているエンティティへの接続を有していないユーザは、ユーザ識別モジュール106によって識別されない。ハッシュ化されたデータからソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザを識別することの追加の説明は、2011年11月29日に出願された米国特許出願第13/306,901号にさらに記載されており、その全体を本願明細書に援用する。
【0036】
一実施形態では、外部システム130は、ソーシャル・ネットワーキング・ユーザにメッセージを提供することに対してソーシャル・ネットワーキング・システム100に料金を支払う。この料金は、外部システム130によって提供されるメッセージの数に基づいても、メッセージを受信するユーザの数を計算することによるものでもよい。この料金は、外部システム130に関連付けられているソーシャル・ネットワーキング・システム内のエンティティと関係を有していない可能性があるソーシャル・ネットワーキング・システム100のユーザと外部システム130が通信することを可能にする。
【0037】
ソーシャル・グラフ
図2は、別のオブジェクトに作用する、および/または別のオブジェクトによる作用を受けることができるソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されている様々なオブジェクトを表す複数のノード202、204、206、210、212、214を含む例示的なソーシャル・グラフ200を示す。図2では、ノード202、204、206は、ユーザ・オブジェクトを表す。ノード208は、外部ウェブサイトに関連付けられているページ・オブジェクトを表し、一方、ノード210は、料理アプリケーションからのレシピ・オブジェクトを表す。また、ノード212は、ビデオ・ストリーミング・アプリケーションからのビデオ・オブジェクト(たとえば、映画)を表し、ノード214は、音楽ストリーミング・アプリケーションからの楽曲オブジェクトを表す。
【0038】
ソーシャル・グラフ200内のノード間のエッジは、それらのノードに対応するオブジェクト間の接続を表し、特定の接続タイプを有してもよい。たとえば、ノード202とノード204との間のエッジ216は、「知人」の接続タイプを有し、ノード202およびノード204に対応するユーザ間の関係を示し、同様に、ノード202とノード206との間のエッジ216もまた、「知人」タイプを有し、ノード202およびノード206に対応するユーザ間の関係を示す。別の例では、「嗜好」接続タイプを有するエッジ218は、ノード202をノード208と接続し、ノード202に対応するユーザがノード208に対応するページ・オブジェクトに「いいね」する、または該ページ・オブジェクトを
好むことを示す。
【0039】
エッジによって表される接続は、あるオブジェクトによって別のオブジェクトに対して実行されるアクションから生み出されることがある。たとえば、ノード202によって表されるユーザは、ノード210に対応するレシピ・オブジェクトへの「用意」のタイプを有するアクションを実行し、その結果、「用意」接続タイプを有するエッジ220がノード202とノード210との間に作成される。同様に、ノード202によって表されるユーザは、ノード214に関連付けられている楽曲の「聴取」のアクションを実行し、「聴取」の接続タイプを有するエッジ226をノード202とノード214との間に作成させる。図2では、ノード202に対応するユーザもまた、ノード212に対応する映画に対して「閲覧」アクションを実行し、その結果、「閲覧」接続タイプを有するエッジ222がノード202とノード214との間に作成される。他のアクションの例は、ユーザ・プロフィール内のオブジェクトを聴くこと、ファン・ページに加入する、もしくは参加すること、別のソーシャル・ネットワーキング・システム・ユーザにメッセージを送ること、オブジェクトに関連付けられている購買を行うこと、コンテンツ・アイテムにコメントすること、またはイベントへの招待に応答することを含む。したがって、ソーシャル・グラフ200は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100がソーシャル・ネットワーキング・システム100内のオブジェクト、ならびにそれらのオブジェクト間の関係または関連付けを表すことを可能にする。
【0040】
ターゲットを設定したポスト
図3は、外部ビジネス・システムからの情報を使用して、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにメッセージを提供するための例示的な方法のフローチャートである。この例示的な方法は、一実施形態ではユーザ識別モジュール106によって実行される。ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ビジネス・システム130によって維持されている識別情報に一致するソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザにメッセージを提供するためにビジネス・システム130から要求を受信する(300)。ビジネス・システム130は、識別子ハッシュなど、識別情報をソーシャル・ネットワーキング・システム100に提供する。メッセージ生成要求は、上述のように、ユーザ情報に一致する各ユーザにソーシャル・ネットワーキング・システム100によってメッセージが提供されることになるように、ビジネス・システム130の複数のユーザに関連付けられているユーザ識別情報を含んでもよい。
【0041】
一致についての識別情報として使用することができるユーザ情報を識別するために、ユーザ・プロフィールにアクセスする(310)。このユーザ情報を使用し、ユーザ・プロフィール内の情報を表すユーザ・プロフィール識別子ハッシュを生成する(320)。メッセージ生成要求を受信する(300)前に、ユーザ・プロフィールにアクセスしてもよく(310)、ユーザ・プロフィール識別子ハッシュが生成されてもよい(320)。
【0042】
メッセージ生成要求内で受信されたハッシュ識別子、およびユーザ・プロフィール識別子ハッシュに基づいて、メッセージを受信するユーザが選択される(330)。選択されたユーザに提供するために、メッセージが生成される(340)。生成されるメッセージは、メッセージ・オブジェクトもしくは他の直接通信、ポスト、または広告など、ソーシャル・ネットワーキング・オブジェクトであってよい。ソーシャル・ネットワーキング・オブジェクトは、ソーシャル・グラフ200内で選択されたユーザに関連付けられてもよい。別の方法として、ソーシャル・ネットワーキング・オブジェクトは、選択されたユーザへのアクセスを可能にするように、プライバシ設定に関連付けられてもよい。生成されたメッセージが選択されたユーザに提供される(350)。生成されたメッセージは、たとえば、生成されたメッセージのタイプに関連するソーシャル・ネットワーキング・システム100上のページにユーザがナビゲートしたとき提供されてもよい。たとえば、ソー
シャル・ネットワーキング・システム上のエンティティのページに関連付けられているポストである生成されたメッセージは、そのエンティティのページにユーザがアクセスしたとき提供される。選択された、ターゲットのユーザに関連付けられているポストを管理するために、ソーシャル・ネットワーキング・システム100は、プライバシ設定をポストに関連付け、選択されたユーザへのアクセスを可能にしてもよい。ポスト前プライバシ設定については、2009年7月1日に出願された米国特許出願第12/485,856号にさらに記載されており、その全体を本願明細書に援用する。
【0043】
図4は、外部システム130に関連付けられソーシャル・ネットワーキング・システム100によって維持されているページに対するポスト内にユーザ情報を含める一例を示す。これらのポストは、ターゲット設定されたものであっても、ポストの受信者を選択するための他のフィルタリング基準を含んでもよい。図4は、エンティティのページのユーザ・ビューの一例を示す。図4では、ユーザ・ビュー300は、一般的なポスト401、およびターゲット設定されたポスト402が提示されることになるユーザのビューを示す。一般的なポスト401は、特定のビューを指定しないエンティティによるポストであり、そのエンティティのページを閲覧するどのユーザにも示される。ターゲット設定されたポスト402は、ポストに提供されたユーザ情報に基づいて、ページにアクセスする閲覧ユーザに向けて送られる。たとえば、外部システム130は、ターゲット設定されたポスト402を生成し、そのターゲット設定されたポスト402が提示されることになるユーザに関連付けられているハッシュ識別子を提供する。この場合、閲覧ユーザは、そのハッシュ識別子がターゲット設定されたメッセージ402に関連付けられているハッシュ識別子に一致するユーザの1人である。しかし、ユーザ・ビューは、閲覧ユーザを識別しないエンティティによってなされたターゲット設定されたポストを示さない。一実施形態では、的をターゲット設定されたポスト402は、ターゲット識別子403を含む。ターゲット識別子403は、そのポストが特にその閲覧ユーザ向けのものであることを記述する。別の実施形態では、ターゲット設定されたポストは、そのような記述を含まない。したがって、外部システム130は、外部システム130によって維持されているユーザを識別する情報から外部システム130によって生成されたハッシュ識別子をソーシャル・ネットワーキング・システムに提供することによって、ソーシャル・ネットワーキング・システム100によって維持されているそのエンティティのページを介してある閲覧ユーザに、ターゲット設定されたポストを提供することができる。
【0044】
一実施形態では、エンティティ・ビューにより、エンティティは、ターゲット設定されたポストのそれぞれを、そのポストが提供されることになるターゲット・ユーザと共に閲覧することができる。一実施形態では、エンティティによって閲覧可能なターゲット・ユーザは、外部システム130によって生成されたハッシュ識別子など、外部システム130によって提供されるユーザ情報によって識別される。
【0045】
直接メッセージング
図5は、一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システム100を介して指定されたユーザに提供されるメッセージ500の図である。外部システム130は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100を介して指定されたユーザに直接通信されるメッセージを生成することができる。メッセージ500は、外部システムの記述501、帰属情報502、およびメッセージ・コンテンツ503を含む。外部システム401は、メッセージ500をユーザに提供する外部システム130を識別する。帰属情報502は、ユーザに対して個人化されたメッセージの性質について記述する。たとえば、帰属情報502は、外部システム130によってソーシャル・ネットワーキング・システム100に提供されるユーザ情報の性質について記述する。一実施形態では、帰属情報502は、ソーシャル・ネットワーキング・システム100がユーザ情報を外部システム130に提供していないことをユーザに対して示す。帰属情報502は、たとえばユーザが帰属情
報の上でホバリングまたはクリックし、外部システム130に提供されたユーザ情報についての情報を受け取ることを可能にすることによって、インタラクティブなものとされてもよい。また、帰属情報は、メッセージを受け取るユーザが外部システム130へのユーザ情報によって識別されていないことを示してもよい。メッセージ・コンテンツ503は、ユーザに提示されることになる外部システム130からのコンテンツについて記述する。
【0046】
まとめ
本発明の実施形態の前述の説明は、例示のために提供されており、網羅的なものでも、開示されているその形態に本発明を限定するものでもない。当業者なら、上記の開示に照らして多数の修正および変形が可能であることを理解することができる。
【0047】
この説明の一部分は、アルゴリズム、および情報に対する演算の記号表現で表して、本発明の実施形態について記載している。これらのアルゴリズムによる記載および表現は、データ処理技術分野の当業者によって、自分の仕事の内容を他の当業者に効果的に伝えるために一般的に使用されている。これらの演算は、機能的、計算的、または論理的に記載されているが、コンピュータ・プログラムまたは等価な電気回路、マイクロコードなどによって実装されると理解される。さらに、演算のこれらの構成をモジュールとして言及することは、一般性を失うことなしに、折に触れて好都合であることもまた証明されている。記載の演算、およびそれらの関連付けられているモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せで実装することができる。
【0048】
本明細書に記載のステップ、演算、またはプロセスのどれも、1または複数のハードウェアまたはソフトウェア・モジュールで、単独または他のデバイスとの組合せで実行または実装することができる。一実施形態では、ソフトウェア・モジュールは、コンピュータ・プログラム・コードを含むコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品で実装され、コンピュータ・プログラム・コードは、記載のステップ、演算、またはプロセスのいずれか、またはすべてを実行するために、コンピュータ・プロセッサによって実行することができる。
【0049】
本発明の実施形態は、本明細書の動作を実行するための装置に関することもある。この装置は、必要とされる目的のために特別に構築されてもよく、および/またはコンピュータ内に記憶されたコンピュータ・プログラムによって選択的に起動もしくは再構成される汎用コンピューティング・デバイスを備えてもよい。そのようなコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム・バスに結合され得る、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体、または電子命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体内に記憶されてよい。さらに、本明細書内で言及されるコンピューティング・システムは、単一のプロセッサを含んでもよく、高い計算能力のためにマルチプロセッサ設計を使用するアーキテクチャであってもよい。
【0050】
本発明の実施形態は、本明細書に記載のコンピューティング・プロセスによって作り出される製品に関することもある。そのような製品は、コンピューティング・プロセスに起因する情報を備えることができ、その情報は、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、コンピュータ・プログラム製品の任意の実施形態、または本明細書に記載の他のデータ組合せを含むことができる。
【0051】
最後に、本明細書で使用される言語は、主に読みやすさ、および説明のために選択されており、本発明の主題を正確に示す、または制限するために選択されていないことがある。したがって、本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、本明細書に基づく出願に現れる特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、本発明の実施形
態の開示は、以下の特許請求に記載されている本発明の範囲を例示するものであり、限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5