特許第6263550号(P6263550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263550
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】外カバーを製造する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20180104BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20180104BHJP
   B65B 19/28 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   B65B57/00 C
   B65B57/02 G
   B65B19/28
【請求項の数】13
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-548268(P2015-548268)
(86)(22)【出願日】2013年12月4日
(65)【公表番号】特表2016-506339(P2016-506339A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】EP2013003649
(87)【国際公開番号】WO2014094980
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年6月8日
(31)【優先権主張番号】102012025158.0
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504265684
【氏名又は名称】フォッケ・ウント・コンパニー(ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト)
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ドリュッケ・ディルク
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−502053(JP,A)
【文献】 特開平11−245916(JP,A)
【文献】 特開平10−053218(JP,A)
【文献】 特開昭56−048933(JP,A)
【文献】 特開平11−337501(JP,A)
【文献】 特開昭60−123329(JP,A)
【文献】 実開昭62−052106(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
B65B 19/00−23/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結機(49)で連続する開封帯(24)を連続するフォイルストリング(13)の一方の側(13.1)と連結して連結材料ストリング(50)とする、開封帯(24)を上に配置した、喫煙可能な物品用のパッケージ(10)のための外カバー(11)を製造する方法において、
この連結材料ストリング(50)又はその個々の半製品が、連結機(49)の下流で、特に、電気光学式の検査機構、有利には、ラインセンサを用いて、皺(55)の形成に関して監視されることと、
この検査機構が皺形成部(55)を検出した場合又は所定の基準を上回る皺形成部(55)を検出した場合、皺形成部(55)を阻止するために、この開封帯(24)及び/又はフォイルストリング(13)を連結機(49)に供給する際の開封帯及び/又はフォイルストリングのストリング応力が自動的に変更されることと、
を特徴とする方法。
【請求項2】
当該のストリング応力が、検出された皺形成部(55)の程度又は規模に応じて変更されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
皺形成部(55)の規模に関する基準として、単位長さ当たりの皺形成部(55)の皺の数及び/又は皺形成部(55)の皺のサイズ、特に、連結材料ストリング(50)の長手方向の延びに対して交差する皺の延び具合が決定されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
フォイルストリング(13)の少なくとも一つの材料特性値及び/又は開封帯(24)の少なくとも一つの材料特性値に応じて、単位長さ当たりの皺形成部(55)の皺の数及び/又は皺形成部(55)の皺のサイズが、皺形成部(55)の規模に関する基準として自動的に使用されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
閉じた制御ループにおいて、開封帯(24)及び/又はフォイル(13)のストリング応力が、制御量を構成する皺形成部(55)の規模に応じて設定される設定量であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
当該の制御の制御アルゴリズム及び/又は少なくとも一つのパラメータが、電子メモリからのフォイルストリング(13)の少なくとも一つの材料特性値及び/又は開封帯(24)の少なくとも一つの材料特性値に応じて自動的に選定されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
皺形成部(55)の規模が、ストリング応力の変更によって最小化されること、或いは皺形成部の規模が、予め決めた限界値に到達する、或いはその限界値を下回るまで低減されることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
連結材料ストリング(50)が、連結材料ストリング(50)の開封帯(24)を裁断するための切れ目(27)を連結材料(50)のフォイル(13)に入れる裁断機構(15)の下流で、検査機構により監視されることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
連結材料ストリング(50)が、連結材料ストリング(50)を、それぞれパッケージ(10)を包むための個々の半製品に裁断する裁断機構(28)の上流で、検査機構により監視されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
当該の検査機構が、予定している半製品に沿って連結材料ストリング(50)を複数回走査することと、
この複数の走査により収集した測定値から、皺形成部(55)に関する基準となる値、特に、測定値の平均値を導き出すことと、
開封帯(24)及び/又はフォイル(13)のストリング応力が、この導き出された値に応じて変更されることと、
を特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
フォイル(13)のストリング応力及び/又は開封帯(24)のストリング応力が、フォイルストリング又は開封帯に加える引張力の変更によって、特に、フォイルストリング(13)に作用するダンサーシステムの設定の変更及び/又は開封帯(24)に作用するダンサーシステムの設定の変更によって変更されることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
本装置の標準動作に関して、特に、本装置の始動に関して、一方のフォイルストリング(13)と他方の開封帯(24)に設定する、或いは設定すべき延伸値の差分がゼロとなるように、或いはゼロよりも大きい所望の皺形成部の規模を生じさせる、或いは生じさせると考えられる、ゼロよりも大きい予め決めた値と等しくなるように、フォイルストリング(13)及び/又は開封帯(24)に加わる標準引張力を設定することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
連続する開封帯(24)を連続するフォイルストリング(13)の一方の側(13.1)と連結して連結材料ストリング(50)とすることが可能な連結機(49)と、この連結機(49)に供給される開封帯ストリング(24)及び/又はフォイルストリング(13)のストリング応力を変更することが可能な機器(59,60)とを備えた、開封帯(24)を上に配置した、喫煙可能な物品用のパッケージ(10)のための外カバー(11)を製造する装置において、
この連結機(49)の下流に配置された、特に、電気光学式の検査機構、有利には、ラインセンサが、皺(55)の形成に関して、連結材料ストリング(50)又はその個々の半製品を監視することが可能であり、
この検査機構により皺形成部(55)を検出した場合又は所定の基準を上回る皺形成部(55)を検出した場合に、皺形成部(55)を阻止するように、検出した皺形成部(55)に応じて、この開封帯ストリング(24)及び/又はフォイルストリング(13)のストリング応力を変更するための機器(59,60)を設定する形に、制御機器(58)が構成されている、
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に基づく外カバーを製造する方法及び請求項13の上位概念に基づく、その方法を実施する装置に関する。更に、本発明は、請求項14の上位概念に基づく平坦なフォイル材料を自動的に検査する方法及び請求項30の上位概念に基づく、その方法を実施する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きたばこパッケージを製造する範囲内では、紙又はボール紙の半製品から成る紙巻きたばこパッケージは、通常透明なフォイルから成る外カバーに包まれている。そのフォイル上には、所謂開封帯が取り付けられている。そのような外カバーを有する紙巻きたばこパッケージを開封する最終消費者は、開封帯の垂れ耳状の端を掴んで、その端を引っ張り、そのようにしてカバーを開封帯に沿って切り離すことによって、カバーを簡単に取り外すことができる。
【0003】
その外カバーの製造時には、連続した開封帯又は開封帯ストリングが連結機に搬送されて、そこでフォイルストリングと共に、フォイルと開封帯から成る連結材料ストリングに連結されている。次に、その連結材料ストリングは、少なくとも一つの延伸ローラにより引張力を加えられて、更なる処理のために、特に、それに続くその後の紙巻きたばこパッケージ用の個々の半製品に裁断するために転送されている。
【0004】
それらの引張力は、それらのフォイルストリング又は開封帯にストリング応力を引き起こし、その結果、それらのストリングが引き延ばされる。それらのフォイルストリングと開封帯が連結前に異なる強さで引き延ばされた場合、垂れ耳状の端を形成する役割を果たす切れ目を連結材料ストリングに入れた後に、フォイルストリング又は開封帯に皺が形成されることとなる。それは、一方の開封帯と他方のフォイルの収縮挙動が異なるために、それ以前に連結材料ストリングの搬送中に切れ目と関連する連結材料ストリング帯に作用していた引張力が各切れ目のために解除されると同時に起こる。
【0005】
それと関係無く、パッケージ製造中の外カバー上における開封帯の位置を制御することが重要である。その制御は、通常各パッケージの周りに外カバーを折り重ねる前に行なわれる。特に、外カバー自体だけでなく、開封帯も透明なフォイル材料から構成されている場合、フォイル上の帯を光電式に検出することは難しい。
【0006】
そのような目的のために反射方式で動作するフォトアイソレータを用いることが知られている。その場合、光送信器とフォトダイオードとして構成された受信器とを備えたセンサユニットがフォイル材料の一方の側に隣接して配置され、光送信器の光がフォイルを透過して、フォイルの他方の側に隣接して配置された反射体に当たるようになっている。次に、その反射体は、光をダイオードの方向に反射して、ダイオードが新たに透過した後の光を受信する。ファイル上に置かれた開封帯が、ダイオードに当たる信号に影響を及ぼす。センサユニットが走査する検査領域内に開封帯が存在する場合、ダイオードは、開封帯が無い場合と異なる信号を発生する。
【0007】
その方法の欠点は、特に、センサユニットが製品交換時に負担のかかる学習を行なわなければならないことである。即ち、例えば、電子評価機器が、反射した信号の強度変化をエラーとして判定するための上限の閾値をそれぞれ使用しているフォイル又は使用している開封帯の種類に適合させなければならない。
【0008】
更に、フォイル上の開封帯の位置を精確に検出することができない。そのセンサユニットは、開封帯が存在するか否かだけを検知する。従って、例えば、フォイル上の開封帯が意図せずに斜めに延びていることを検出できない。何れにせよ、開封帯が「存在する」とセンサユニットが検知する限界内において検出できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、冒頭で述べた方法及び冒頭で述べた装置を改善構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本課題は、請求項1の特徴を有する方法及び請求項13の特徴を有する、その方法を実施する装置によって解決される。
【0011】
それによると、本発明では、連結材料ストリング又はその個々の半製品が、連結ステーションの下流で、特に電気光学式検査機構、有利には、ラインセンサを用いて、皺の形成に関して監視される。この監視時に、皺形成部又は許容範囲外に有る皺形成部が出現したことを確認した場合、進行しているプロセスの間に、開封帯ストリング及び/又はフォイルストリングが連結機への供給時に有する開封帯ストリング及び/又はフォイルストリングのストリング応力が変更される。そのために、このストリング応力を設定するための少なくとも一つの機器を自動的に好適に制御する。詳しくは、皺形成部を阻止するか、或いは皺形成部を軽減するように制御する。
【0012】
備考:本出願の範囲内において、「及び/又は」との用語における「及び」と「又は」は、「及び」或いは「又は」の意味での二者択一であると解釈する。
【0013】
例えば、好適なストリング応力設定機器による、開封帯のストリング応力の軽減は、フォイルストリングのストリング応力が一定である場合、フォイルストリングとの連結中に受ける開封帯ストリングの延伸力を低下させ、そのため、特に延伸ローラにより加えられる引張力が解除された場合に開封帯に生じる収縮規模も減少させることとなる。
【0014】
それに代わって、或いはそれに追加して、皺形成部を阻止するために、フォイルストリングのストリング応力を相応に変更することも考えられる。そして、フォイルストリングにも、それに対応するストリング応力を設定するための機器が割り当てられる。
【0015】
全体として、この場合開封帯ストリングとフォイルストリングの連結時に生じる一方の開封帯ストリングの延伸値と他方のフォイルストリングの延伸値の間の差分が最終的に各ストリング応力の差分の軽減により低減されることによって、ゼロと異なる規模の皺形成部が阻止される。
【0016】
各ストリング応力の設定は、通常特定の引張力を各ストリングに加えることによって行なわれる。
【0017】
この場合、特定のストリング応力を設定するための機器は、有利には、必要に応じて一つ又は複数の延伸ローラにより加えられる引張力に追加して、フォイルストリング又は開封帯ストリングの各ストリングに更なる引張力を加えることができる手段を有する。そのような手段は、例えば、従来技術で周知のダンサーシステムを備えることができる。この場合、ダンサーシステムの好適な調節機構を用いて、加える引張力の強さを変更又は設定することができる。
【0018】
検査機構により検出した皺形成部の程度又は規模に応じてストリング応力を変更する。皺形成部の規模に関する基準として、例えば、単位長さ当たりの、特に、半製品当たり又は予定している半製品当たりの皺形成部の皺の数を用いることができる。それに追加して、又はそれに代わって、皺形成部の皺のサイズ、特に、連結材料ストリングの長手方向の延びに対して交差する方向において検出した皺の延び具合を基準として使用することができる。これらの前述した測定量は、場合によっては、皺形成部を検出する検査機構の信号を相応に評価する好適な評価機器を用いて決定することができる。
【0019】
皺形成部の規模に関する基準として、検査機構の信号から直接導き出される値を用いることもできる。即ち、例えば、検査機構により連結材料ストリングの単位長さ毎に連結材料ストリングを複数回走査して、そのような単位長さ毎に測定値の平均値を演算すると規定することができる。この平均値は、何れにせよ検査機構としてラインセンサを使用した場合、単位長さ当たりの皺形成部の規模に直接依存する。
【0020】
この皺形成部は開封帯又はフォイルストリングの特定の材料特性値に依存するので、特定の製造プロセスに関して、実際に使用すべき基準が、そのプロセスで如何なる特定の材料が使用されているのかに応じて自動的に選定されると規定することができる。従って、一般的に言うと、この基準は、開封帯の少なくとも一つの材料特性値及び/又はフォイル材料の少なくとも一つの材料特性値に応じて選定される。
【0021】
同様に、制御ループのコントローラ及び/又はそれが使用する制御アルゴリズムのパラメータも、メモリ又はデータベースからのフォイルストリングの少なくとも一つの材料特性値及び/又は開封帯の少なくとも一つの材料特性値に応じて自動的に選定することができる。そのような制御パラメータは、例えば、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲイン、リセット時間、リードタイム、遅延T等々とすることができる。
【0022】
本発明の特に重要な実施構成では、皺形成部の規模(又は程度)は、閉じた制御ループを用いて、その規模が最小値を取るように制御されるか、或いはそれに代わって、その規模が所定の限界値に到達するか、或いはその値を下回るように低減される。この場合、フォイルストリング及び/又は開封帯の応力が生じており、その結果、特に、各ストリングに作用する引張力の設定によって、制御ループの設定量が、制御量を生じさせる皺形成部の規模に応じて設定されることとなる。
【0023】
本発明の別の実施形態では、連結材料ストリングは、連結材料ストリングの開封帯と開封帯が連結されたフォイルの領域を開封帯の長手方向の延びに対してほぼ交差する方向に同時に裁断するための(短い)直線又は曲線の切れ目を連結材料のフォイルに入れるカッティング機構の下流で検査機構によって監視される。これらの切れ目は、フォイルカバーを後で開くために、開封帯とそれと連結されたフォイルカバーのフォイル区画を掴むことを可能とする垂れ耳状の端が連結材料に生じるように構成される。そのため、有利には、これらの切れ目を入れた後に皺が生じるので、前記の監視は、切れ目を入れるカッティング機構の下流で行なわれる。
【0024】
本発明の別の実施形態では、この連結材料の監視が、切れ目を入れるカッティング機構と、その下流に配置された、連結材料ストリングを最終的にそれぞれ紙巻きたばこパッケージを外カバーとして個別に包むための個々の半製品に切り離す裁断機構との間で行なわれる。
【0025】
更に、本発明の課題は、請求項14の特徴を有する方法と、請求項26の特徴を有する、その方法を実施する装置とによって解決される。
【0026】
それによると、本発明では、平坦なフォイル材料の開封帯を含む検査領域がラインセンサにより走査される。このラインセンサによって、一つの、各々の、或いは全ての走査プロセス時に測定された検査信号が、開封帯によって引き起こされる一つ又は複数の特徴的な信号情報に関して、その後評価される。そのような信号情報は、例えば、信号内の、或いは好適に再処理された信号内の特徴的なエッジ又は信号ピークとすることができる。この場合、有利には、検査信号は、評価縞の存在に関して評価される。それに追加して、或いはそれに代わって、この検査信号は、有利には、フォイル材料上における開封帯又は開封帯の一方又は両方の縦方向エッジの実際の位置に関して評価される。
【0027】
本発明による検査方法は、有利には、製造プロセス内で直ちに、即ち、喫煙可能な物品用のパッケージの製造が進行している間に直ちに行なわれる。
【0028】
この場合、本方法は、比較的材料に依存しない。製品の交換時に、新しい製品へのセンサ方式の骨の折れる適合が不要であるか、或いはそのための負担が大幅に軽減される。
【0029】
ラインセンサの出力信号は、ラインセンサにおいて一般的である通り、基本的に、一列に配置された光学式検出器又は光検出器(ピクセル)から出力される多数の個別信号から構成される。そして、本発明では、従来技術と異なり、信号推移(通常は場所に依存する光強度の推移)において特徴的な信号ピーク、エッジなどが存在するか否かに関して、ラインセンサの信号を空間的に分解して分析することができる。それに対して、従来技術によるフォトダイオードを用いた測定では、確かに空間的に分解した測定が原理的に行なわれないので、信号の空間的に分解した評価は不可能である。
【0030】
従って、本発明によるラインセンサの使用によって、フォイル材料上の開封帯のその時々の実際の位置又は開封帯のその時々に検出された区画の精確な測定も可能である。従って、検査領域内における、特に、目標位置範囲内における帯の精確な位置に関する情報を提供することも可能である。それは、従来技術の方法では考えられないことである。従来技術では、検査帯がダイオードにより与えられる検査領域内に存在する場合、「存在」信号が出力されている。フォイル材料上の検査領域内における検査帯の起こり得る意図しないずれ又は傾斜した推移を検出することができない。
【0031】
本発明の基本的な実施構成では、フォイル材料の半製品がそれぞれ各パッケージの周りに外カバーとして折り重ねられ、その前に、半製品が、特に、(それぞれ連続する材料ストリングの一部として依然として繋がっている形又は既に切り離された形で)サイクリックにラインセンサの前を通過して搬送される。この場合、前を通過して搬送される半製品の全部又は半製品の相応の検査領域がラインセンサにより走査されるか、或いはそれに代わって、所定の選定された半製品だけが、例えば、二又は四つの半製品毎に一つだけが走査される(抜き取り検査)。
【0032】
本発明の目的に適うこととして、ラインセンサが走査する各半製品の少なくとも一つの検査領域は、開封帯の目標位置又は目標位置範囲に対して交差して延びる。言い換えると、ラインセンサの列は、開封帯の長手方向に延びるのではなく、(当然のことながら、フォイル材料又は半製品に対して間隔を開けて)開封帯に対して交差する方向に延びる。この場合、通常開封帯の目標位置又は目標位置範囲は、ほぼ検査領域の中心又は検査領域内の中央に位置する。
【0033】
その時々に検査すべき半製品は、出来る限り精確な測定結果を得るために、有利には、複数回順次走査される。この場合、各走査プロセスは、評価可能なセンサ信号を発生する。
【0034】
この場合、複数回の走査は、ラインセンサが開封帯の長く延びる方向に対してフォイル材料の各半製品の複数の異なる検査領域を順番に走査することに関連付けることができる。そのために、半製品又は一部を半製品とすることができるフォイルストリングは、通常(この場合、固定位置の)ラインセンサに対して相対的に転送される。この場合、有利には、個々の走査プロセスの大部分又は全部は、各半製品がそれに対応して、通常はサイクリックに搬送されて動いている間に、即ち、半製品が動いている時に行なわれる。
【0035】
しかし、それに代わって、少なくとも理論的には、異なる検査領域を順番に走査できるように、固定位置の半製品に対してセンサを動かすことも考えられる。それに対応して、センサが半製品に沿って動かされている間に、或いはラインセンサが断続的に動かされている場合には、その個々の静止状態フェーズにおいて、個々の走査プロセスが行なわれる。
【0036】
各半製品の走査は、ラインセンサが各半製品の一つの同じ検査領域を順次複数回走査するという観点においても、複数回行なうことができる。そして、電子評価機器では、例えば、測定した検査信号の時間的な平均をとることができる。
【0037】
当然のことながら、前述した走査プロセスの組合せも、即ち、半製品の複数の異なる検査領域の走査も可能であり、個々の検査領域は、それぞれ複数回走査される。
【0038】
検査信号が予め決めた判定基準を満たさない場合、エラー信号を発生する。
【0039】
例えば、検査した半製品又は検査したフォイルストリング領域の検査領域内に開封帯が存在しないとの検査信号の評価結果が得られた場合に、エラー信号を発生することができる。検査領域内の開封帯の実際の位置が予め決めた判定基準に合致しない、例えば、目標位置からずれているか、或いは目標位置範囲内に無い場合に、エラー信号を発生すると規定することもできる。
【0040】
有利には、エラー信号の結果、その後半製品又は場合によっては、欠陥の有る半製品を外カバーとして包装したパッケージが自動的に生産活動から除去される。
【0041】
既に前に述べた通り、半製品の異なる検査領域を走査する場合、異なる検査領域でそれぞれ測定された検査信号の評価時に、予め定義した(1より大きな)数の走査した検査領域又はそれらの中の予め決めた百分率の検査領域において、開封帯が存在しないことが明らかになった場合に、初めてエラー信号を発生すると規定することもできる。即ち、例えば、半製品のそのような20、40又は100個の検査領域を走査して、その中の所定の百分率の検査領域において、開封帯に結び付く信号情報が検出されなかった場合に、初めてエラー信号を発生すると規定できる。
【0042】
同様に、異なる検査領域で測定した検査信号の評価時に、一つの検査領域だけでなく、複数の検査領域又は予め定義した(1よりも大きい)数の検査領域において、開封帯の実際の位置が予め決めた判定基準に合致しないことが明らかとなった場合に、初めてエラー信号を発生すると規定することができる。同じく、予め決めた百分率の検査領域において、実際の位置が予め決めた判定基準に合致しない場合に、初めてエラー信号を発生すると規定することもできる。
【0043】
半製品又は開封帯の長手方向における半製品の前述した複数回の走査は、半製品上における開封帯の誤った向き又はずれを検出するために使用することもできる。即ち、各半製品に対して、異なる検査領域でそれぞれ測定した検査信号から、それぞれ開封帯の長く延びる方向における、半製品上の開封帯の向きを共に規定する、開封帯の個々の部分区画の複数の実際の位置を検出することができる。
【0044】
開封帯の実際の位置又は開封帯の部分区画の実際の位置は、有利には、ラインセンサの信号において、それぞれ二つの縦方向エッジの中の一方のそれに対応する実際の位置を決定することによって検出される。
【0045】
そして、開封帯の複数の部分区画の実際の位置が検出されたら、予め決めた目標の向きに対する、或いは予め決めた目標の向きの範囲に対する半製品上における開封帯の実際の向きの起こり得る偏差に関して、これらの実際の位置を評価することができる。この場合、評価は、有利には、開封帯の長く延びる方向に対して交差して延びる方向又はラインセンサのセンサ列に対して平行に延びる方向の偏差に関して行なわれる。
【0046】
ラインセンサの各検査信号の分析は、特に、検査信号の数学的な一次微分を演算することによって容易に行なうことができる。そして、それに対応する結果信号又は結果信号の絶対値を開封帯により引き起こされる一つ又は複数の特徴的な信号情報に関して評価することができる。それらは、通常特徴的な信号ピークである。
【0047】
一般的に、本発明による検査方法は、反射方法として構成される。言い換えると、開封帯を上に配置した、或いは配置すべきフォイル材料、特に、各半製品は、少なくとも領域に渡って、フォイル材料の第一の側に隣接して配置された電磁波源の電磁波(通常可視光、赤外光又は紫外光)を照射される。そして、この電磁波は、フォイル材料の対向する第二の側に隣接して配置された反射体によって反射される。最終的に、この反射された光線が、フォイル材料を新たに透過した後、フォイル材料の第一の側に隣接して配置された電磁波を検出するラインセンサによって検出される。
【0048】
更に、本発明では、ラインセンサが、フォイル内におけるフォイルの引き裂きを容易にする、特に、U字形状の切れ目の予め決めた目標位置又は予め決めた目標位置範囲を含む、フォイル材料、特に、各半製品の検査領域を走査することが可能である。この場合、開封帯の制御の場合と同様に、走査プロセスでラインセンサが発生する、それに対応する検査信号は、フォイル内の切れ目により引き起こされる一つ又は複数の特徴的な信号情報に関して評価される。そして、それらは、切れ目に関する特徴的な信号エッジ又は信号ピークとすることができる。
【0049】
この検査方法を実施する装置に関して、その装置は、ラインセンサの外に、ラインセンサが発生する検査信号を前述した手法により評価することが可能な評価機器(通常紙巻きたばこパッケージの製造時における高いサイクルタイム用に設計された十分に速い電子評価機器)を備えている。当業者は、前記の評価プロセスを実行可能とするために、それに対応する評価機器又は電子評価機器を如何に構成するのかを知っている。
【0050】
本発明の更なる特徴は、添付した請求項、以下における有利な実施例の記述、並びに添付図面から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】紙巻きたばこパッケージ用の外カバーを製造する装置の基本的な集合体及び構成部分の全体図
図2】半製品に切り離す前に、連結材料ストリング又は連結材料ストリングの個々の半製品が第一の電気光学式検査機構、即ち、ここでは、ラインセンサにより、並びに第二の検査機構、即ち、超音波センサにより検出される、図1の装置の部分領域、即ち、連続するフォイル材料ストリングの(予定している)半製品がその上に配置された開封帯と共に個々の半製品に切り離されて、それぞれ個々の紙巻きたばこパッケージの周りに折り重ねられる領域の斜視図
図3図2の方向IIIから見た図2の装置の部分領域の側面図
図4】本発明の検査方法に基づき第一の検査機構を用いて行なわれるフォイル材料ストリングの走査の基本的な関係の模式図
図4a図4の細部IVaの拡大図
図4b図4の細部IVbの拡大図
図5】基準ピクセルからのラインセンサの各ピクセルの相対的な距離を横座標軸にプロットし、そのピクセルの強度をそれぞれ縦座標軸にプロットした、個々の走査プロセス中に検出されたラインセンサの検査信号とそれから導き出された結果信号を図示したグラフ
図6】横座標軸に時間をプロットし、縦座標軸にパッケージ機械の機械角度、更に、開封帯の有無と場合によっては、位置を検知可能な、場所に依存する検査信号、更に、検査信号内におけるU字形状の切れ目に起因する信号情報の出現を示す真偽信号、並びにその状態が開封帯の有無を表すエラー信号(真/偽)をプロットしたグラフ
図7図3の断面線VII−VIIに沿った図2の装置の部分領域の断面図
図8】本発明による連結材料ストリング上の皺形成部の規模を最小化する制御ループの基本的な関係の原理図
図9】皺形成部の規模が異なる三つの連結材料ストリング区画の平面図
図10】皺形成部の検出範囲内での三つの連結材料ストリング区画の走査時に第一の検査機構がそれぞれ発生した生信号のグラフ
図11】生信号から導き出された信号のグラフ
図12】一方の皺形成部の規模と開封帯の延伸値eFaden、フォイルストリングの延伸値eFolieの比率との間の関係を可視化したグラフd)及び図7の断面線XII−XIIに沿った連結材料ストリングの起こり得る皺形成部状態の三つの断面図a)〜c)
【発明を実施するための形態】
【0052】
外カバーを製造するための本発明による方法及び本発明による装置を図面に基づき更に説明する。これらは、特に、ヒンジ蓋付箱の形式の紙巻きたばこパッケージ10を有利にはサイクリックに製造することと関連する。
【0053】
パッケージ10に対して、有利には、全ての側面に外カバーを配備する、外カバーを製造する装置において進行する製造プロセスが図示されている。この外カバー11は、透明な材料、有利には、フォイルから構成される。この場合、各半製品12は、各パッケージ10の周りに折り重ねられる。
【0054】
この目的のために、その時点では未だ重ねて連結されている(予定している)半製品12から成る連続するフォイルストリング13が、延伸ローラ76により引張力を加えられた状態で、フォイルストリング13上に置かれた連続する開封帯24と共に半製品設備14に送られる。この機器は、開封帯24と共にフォイルストリング13を裁断して、個々の、或いは切り離された半製品12を形成するための裁断集合体15を備えている。この場合、裁断集合体15は、相手カッター17が固定された回転式カッターローラ16である。
【0055】
これらのフォイルストリング13と、特に、半製品12とは、半製品設備14の領域内をエンドレスベルトにより、詳しくは、ここでは、上と下の方向転換ローラ19,20により駆動される吸引ベルト18により搬送される。吸引ベルト18により側端をそれぞれ把持された半製品12は、パッケージ10によって受け取られる準備が整っている。この受け取りは、口部品21と協力して行なわれる。
【0056】
この場合、パッケージ10と半製品12から成るユニットは、口部品21を通して、封印・折り重ね機構、この場合、個別ポケット22を備えた相応の封印・折り重ね機構のそれに対応して構成された各ポケット22に押し出される。
【0057】
この目的のために、帯封設備54から出力された個々のパッケージ10は、コンベヤ53により互いに間隔を開けて封印・折り重ね機構23の方向に移送されて、差込位置に引き渡される。この差込位置は、封印・折り重ね機構23に対向している。この機構の各ポケット22は、差込位置に有る、即ち、差し込むべきパッケージ10の方を向いている。パッケージは、それぞれ準備できた半製品12に対して交差する形でスライダを介してポケット22内に差し込まれ、その際、半製品12は、パッケージ10のU字形状のカバーとなって、吸引ベルト18から剥がされて一緒に押し出される。
【0058】
この封印・折り重ね機構23は、半製品12の折り重ね片、即ち、側面の折り重ね片をパッケージ10の周りに折り重ねて、個々の互いに重なり合った折り重ね片を互いに封印する役割を果たす。次に、パッケージ10は、それぞれ取出位置に有るポケット22から押し出されて転送される。この場合、個々のパッケージ10の更なる搬送動作中又は封印・折り重ね機構23の領域からのパッケージの搬出中に、外カバー11の頭部又は底部領域に有る折り重ね片の折り重ねが行なわれる。これらのパッケージ10は、周知の付着・封印機51とその後の収縮機52に続く更なる処理に送られ、その機能は、本発明と関係無いので、詳しく考察しない。
【0059】
既に述べた通り、フォイルストリング13上には、連続する開封帯24又は開封帯ストリングが有る。これらのフォイルストリング13と開封帯24は、それに対応して連結材料ストリング50を形成する。この場合、開封帯24は、図2に図示された集合体の上流でフォイルストリング13の移送路に運び込まれて、連結機49でフォイルストリング13と連結される。この場合、それは、フォイルストリング13の前側13.1に載せられる。この連結機49の詳細は、詳しく説明しないが、従来技術で周知である。最も簡単な構成では、それは、例えば、ローラを備え、それに沿ってフォイルストリング13を案内することができ、その際、開封帯24は、ローラの領域内においてフォイルストリング13の移送路に運び込まれて、ローラでフォイルストリング13上に載せられる、或いは貼り付けられる。
【0060】
この場合、開封帯24は、フォイルストリング13の前側13.1と相応に接触させて、開封帯24とフォイルストリング13の間を付着させる役割を果たす自己粘着性の側面を有する。
【0061】
この実施例では、開封帯24は、フォイルストリング13の縦方向エッジ25a,25bに対して平行に、詳しくは、それらの二つの縦方向エッジ25a,25bの間のほぼ中央を延びる。それに対応して、フォイルストリング13を個々の半製品12に裁断する場合、上に載せられた連続する開封帯24のそれに対応する個々の開封帯半製品26への裁断が同時に行なわれる。
【0062】
フォイルストリング13を個々の半製品12に裁断する前に、フォイルストリング13の(予定している)各半製品12に切れ目27を入れる。この場合、この切れ目27は、U字形状に構成される。しかし、当然のことながら、それは別の輪郭を持つこともできる。この切れ目27は、それに対応してサイクリックに動作するカッター刃ユニット28によって入れられる。
【0063】
この切れ目27の領域には、その後、一種の垂れ耳が形成され、後日、この垂れ耳を掴んで、外カバー11を手で引き裂くことができる。
【0064】
本発明の第一の重要な特徴は、連続するフォイルストリング13又はその上に載せられた開封帯24の(予定している)半製品12の検査を製造プロセスにおいて自動的に行なうことに関する。
【0065】
この目的のために、検査機29が裁断集合体15の上流に配置される。この検査機29は、電気光学式検査機構として、センサ集合体30と、反射体31、詳しくは、この場合、所謂三面反射鏡とを有する。このセンサ集合体30は、フォイルストリング13の前側に、フォイルストリング13の前側に対して間隔を開けて配置され、この反射体31は、それと対向する側に隣接して、フォイルストリング13の後側13.2、即ち、フォイルストリング13の他方の側に対して間隔を開けて配置される。
【0066】
一方で、このセンサ集合体30は、検査機構として、多数の、例えば、少なくとも30個、少なくとも100個又はそれ以上の一列に並んで配置された光電式センサ素子から成るラインセンサを有し、これらのセンサ素子は、ラインセンサの個々のピクセルを構成する。そのようなラインセンサは、従来技術で周知である。
【0067】
他方で、このセンサ集合体30は、電磁波源、例えば、可視光又は不可視光(赤外光又は紫外光)を放射する光送信器を有する。
【0068】
これらのセンサ集合体30と反射体31は、共焦点に配置構成される。この場合、これらは、光送信器の光がフォイルストリング13を前側13.1から入射して後側13.2から出射し、反射体31に当たって、それにより反射され、少なくとも大部分が新たにフォイルストリング13を(逆方向に)透過した後、センサ集合体30のラインセンサに当たるか、或いはそれにより受信されるように配置される。
【0069】
この場合、センサ集合体30は、旋回可能な形で軸支されている。それによって、一方におけるラインセンサの視点方向と他方における光送信器から放出される光線との角度を(ここでは、5°〜10°の間で)フォイルストリング13又はフォイルストリングの垂線に対して設定することが可能である。言い換えると、光送信器の光がフォイルストリング13に当たる角度とフォイルストリング13に対するラインセンサの視点方向の角度とを設定することが可能である。それによって、例えば、大きく反射する材料から成る開封帯の場合に、それにより反射された光が雑音となる散乱光としてラインセンサ上に当たらなくなる、或いは少なくとも大部分が当たらなくなることが実現される。
【0070】
このセンサ集合体30又は検査機29は、特に、ラインセンサの速い制御とラインセンサからそれぞれ出力される検査信号の速い評価とを可能とする好適な電子制御・評価機器を有する。
【0071】
この検査機29は、特に、開封帯24が所定の通り存在するか否か、即ち、フォイルストリング13上に所定の通り貼り付けられているか否かに関して、フォイルストリング13の所定の検査領域32を検査するために配備されている。更に、この検査機29を用いて、フォイルストリング13上における開封帯24の長手方向の向きが所定の判定基準に合致するか否か、即ち、例えば、各半製品12上において(予定している)各半製品12の縦方向の中心軸に対して傾斜して(傾斜し過ぎて)延びているかに関して検査することができる。更に、この検査機29を用いて、この場合、U字形状の切れ目27が(完全又は部分的に)存在するか否か及び/又は所定の通り配置されているか否かに関して、切れ目を制御することができる。
【0072】
この場合、検査領域32は、基本的にラインセンサの列の幅によって定義される。センサ集合体30のラインセンサは、フォイルストリング13の(予定している)半製品12毎に、少なくとも一つの、この場合はそれどころか90個の検査信号を記録する。この場合、一つの機械サイクル内において、フォイルストリング13は、それぞれ半製品12の長さに一致する所定の区画だけ更に搬送される。そして、この搬送動作中に、ラインセンサは、動いているフォイルストリング区画又は(予定している)半製品12を短い時間間隔で順番に走査する。ラインセンサは、各走査プロセスで、それに対応する検査信号を発生する。
【0073】
図4の線33上の点記号は、図4に図示された開封帯24又はそこに図示された切れ目27により引き起こされた各検査信号内のその信号情報の位置を表す。
【0074】
ラインセンサは、各走査プロセスで、生信号として検査信号34を発生する。図5には、例えば、図4に示された領域Bに関して、そのようなラインセンサにより記録された検査信号34が図示されている。縦座標軸には、検査信号の強度、例えば、ピクセルの輝度値がプロットされ、横座標軸には、ラインセンサの定義された基準点からの、例えば、ラインセンサのセンサ列の左端又は右端からの各光電式センサ素子又はピクセルの距離がプロットされている。
【0075】
この場合、ラインセンサ又はセンサ集合体30と反射体31は、図4から分かる通り、フォイルストリングの検査領域32が、「存在する」として評価されるために開封帯24を配置しなければならない予め定義された目標位置範囲又は良好範囲35を含むように、フォイルストリング13に対して相対的に配置構成される。
【0076】
ラインセンサが領域Bにおいて受信又は発生した生信号又は検査信号34は、評価機器、この場合、電子評価機器によって、開封帯24により引き起こされる一つ又は複数の特徴的な信号情報に関して評価される。
【0077】
走査された領域Bの例では、目標位置範囲32内の中央の信号34は、開封帯24に起因する特徴的な信号減衰36を有する。この場合、小さいピクセル距離又は基準点から見ると、当初一定の生信号34は、距離の値が大きくなると、先ずは第一の遷移エッジを形成して強度を飛躍的に低下させ、更に距離の値が大きくなると、別の遷移エッジを形成して再び元の値に飛躍している。この特徴的な信号情報36は、開封帯24の領域における光信号送信器の光信号の特別な減衰のために生じる。
【0078】
これらの特徴的な信号36の信号エッジは、具体的には開封帯24の縦方向エッジ25a又は25bによって引き起こされる。従って、開封帯24の位置を検出するためには、二つの縦方向エッジ25a,25bの中の一方の位置を検出すれば、それで十分である。この場合、それは、図4の縦方向エッジ25b(記号33を参照)である。
【0079】
しかしながら、更に、必要な場合には、両方の縦方向エッジ25a,25bの位置の検出によって、開封帯24の実際の幅を決定して、所定の目標幅又は所定の目標幅範囲と比較することができる。
【0080】
この信号評価に関して、この場合、その簡単化のために、電子評価機器によって、先ずは生信号34の数学的な一次微分を演算する。しかし、当然のことながら、この評価工程は必ずしも必要ではない。
【0081】
図5では、この数学的な微分の絶対値は信号37に対応する。数学的な一次微分37の絶対値において出現する信号ピークが検査信号34内の二つの遷移エッジと一致することが良く分かる。電子評価機器は、これらの信号ピークを容易に検知することができる。
【0082】
図5には、この(フォイルストリング13の領域Bで記録された)検査生信号34に対して、別の検査生信号34’,34’’が対比されている。更に、それらの数学的な一次微分37’,37’’の絶対値がそれぞれ図示されている。
【0083】
信号34’は、フォイルストリング13の領域A(図4)で記録された。この信号34’は、開封帯24も切れ目27も検査領域に存在する場合を表す。この場合、開封帯24も切れ目27も所定の通り構成、配置されている。
【0084】
信号34’は、相応の三つの特徴的な信号情報、即ち、信号情報36’、38’及び39’を有する。この場合、信号情報36’は、(領域Aで記録される信号34の信号情報36と同様に)開封帯24を表すか、或いは開封帯によって引き起こされる。
【0085】
信号38’,39’は、それぞれU字形状の切れ目27の左側又は右側を表す。言い換えると、切れ目27は、信号情報36’の左側又は右側にそれぞれ位置する二つの信号情報38’,39’を引き起こす。
【0086】
そのため、信号34’の数学的な一次微分37’の絶対値において、全部で6つの信号ピーク(縦方向エッジ25aと25bに関して、二つの信号ピーク、切れ目27の左側と右側に関して、それぞれ二つの信号ピーク)が生じている。
【0087】
信号34’’は、フォイルストリング13の領域C(図3)で記録された。この信号34’’は、確かに開封帯24が存在し、それに対して、切れ目27に欠陥が有る場合を表す。切れ目27の左側が欠落している。
【0088】
それに対応して、検査生信号34’’内では、信号34’と比べて、切れ目27の左側に関する、信号情報38’に対応する信号情報が欠落している。従って、微分37’’において、四つの信号ピーク(縦方向エッジ25aと25bに関して、二つの信号ピーク、切れ目27の右側に関して、二つの信号ピーク)しか存在しない。
【0089】
最後に、図6は、横座標軸に時間をプロットした図面に対応する。
【0090】
縦座標軸には、パッケージング機械の機械角度が領域40に図示されている。破線41は、それぞれ一つの機械サイクルの終端を定義する。一つの機械サイクルの長さは、それぞれフォイルストリング13上の一つの(予定している)半製品12の長さに対応する。言い換えると、ラインセンサは、一つの機械サイクルに対応する時間区画の間に、フォイルストリング13上において、それぞれ精確にその後の裁断プロセス後の個々の半製品12に対応する一つの領域を走査する。
【0091】
縦座標軸上の領域42は、(ミリメートルで示した)図3の目標位置範囲35の幅に対応する。この場合、検査信号42.1は、フォイルストリング13上における、詳しくは、目標位置範囲35内の開封帯24の位置の時間的な推移を記号化している。信号成分46に基づき分かる通り、目標位置範囲35における約3,880msの時点で、所定通りの開封帯信号が検出できていない。
【0092】
それに対応して、その時点で、縦座標軸の領域43に図示された状態信号43.1が、「真」(欠陥無し)から「偽」(欠陥有り)に切り換わっている(信号成分47を参照)。その結果、エラー信号「偽」は、それに対応する時間区画又はそれに対応する機械サイクルの間にラインセンサにより走査された、その後欠陥有りと検知される半製品12に包まれる当該のパッケージ10を製造プロセスから自動的に排除させることとなる。
【0093】
最後に、縦座標軸の領域44には、電子評価機器による評価の範囲内において、切れ目27に起因するとともに、評価を悪化させる可能性の有る、目標位置範囲35でサイクリックに予め決めた時点に出現する信号成分45を抑制又は無視する(信号成分48を参照)役割を果たす抑制信号44.1が図示されている。
【0094】
本発明は、別の重要な特徴を有する。この場合、皺形成部の規模を制御することによって、生産プロセス内における連結材料ストリング50上での皺の形成を防止又は低減することが重要である。
【0095】
連結材料ストリング50は、場合によっては、カッター刃ユニット28が連結材料ストリング50に切れ目27を入れた時に皺を作り出す。何故なら、それによって、何れにせよ切れ目と関連する開封帯24の領域において、連結材料ストリング50に作用する引張力の反力が喪失して、その結果、半製品設備14への搬送中に連結材料ストリング50が受けるストリング応力が低下する。切れ目27を入れた後、一方の開封帯24と他方のフォイル又はフォイルストリング13が異なる延伸値を有し、これらが連結機49で組み合わされた場合に、皺形成部が出現する。何故なら、この場合、その後、例えば、前述した通り、前記の切れ目27のために、連結材料ストリング50の引張力又は応力が喪失又は低下すると、直ちに開封帯24が、フォイルストリング13と比べて、より強く又はより弱く一緒に引っ張られるか、或いはフォイルストリング13よりも強く又は弱く収縮する。この場合、一方の開封帯24と他方のフォイルストリング13の延びの違いが大きくなる程、より大きな皺形成部が出現する。
【0096】
図7と9及び図12の図面a)には、例えば、開封帯24がフォイルストリング13上に設置された場合又はフォイルストリング13と連結された場合にフォイルストリング13よりも大きく延びて、その結果、引張力の喪失後に、フォイルストリング13に皺形成部55が出現した状況が図示されている。
【0097】
しかしながら、逆の場合も考えられる、即ち、その場合には、フォイルストリング13の方が、より大きく延ばされて、その結果、引張力が喪失した時に、開封帯24が皺を引き起こす(図12の図面c)を参照)。
【0098】
それに対して、延伸値が前記の時点で一致している場合、フォイルストリング13と開封帯24は、引張力が喪失した時に等しい大きさで収縮し、その結果、皺形成部55は出現しない(図12の図面b)を参照)。
【0099】
皺形成部がフォイルストリング13に出現している図12の図面a)に対応する皺形成部55は、例えば、カッター刃ユニット28と裁断集合体15の間に配置された、既に前述した検査機29又はセンサ集合体30を用いて検知又は検出することができ、その検出範囲は、前述した通り、連結材料ストリング50の長手方向の延びに対して交差して延びる。この場合、予定している半製品毎に、或いは半製品の長さ毎に、センサ集合体30のラインセンサの多数の個別測定が行なわれるか、或いは(予定している)半製品が、縦方向に複数回走査される。当然のことながら、それ以外のセンサも皺を検出するラインセンサとして考えられる。
【0100】
開封帯24が波形になっている、或いは皺形成部55が開封帯24内に出現している図12の図面c)に対応する皺形成部55は、ラインセンサによって測定することができない。この目的のために、カッター刃ユニット28と裁断集合体15の間に、この場合、超音波センサを有するセンサ集合体73を備えた第二の検査機72が配置されている。しかし、開封帯の皺形成部55を検出できる、それ以外のセンサも考えられる。
【0101】
図12のグラフd)には、前述した関係が再度可視化されている。この横座標には、延伸値eFadenとeFolieの比率が示されている。この縦座標には、皺形成部fの規模がプロットされている。この直線74は、前記の延伸値の比率と皺形成部fの間の関係を可視化している。この比率の数値が1よりも大きい場合、フォイルの皺形成部55が発生し、この比率の数値が1よりも小さい場合、開封帯24の皺形成部55が発生する。それに対して、この比率の数値が1の場合、皺形成部55が出現しないか、或いは値0の皺形成部が出現する。符号75は、センサ集合体30が最適に動作できる動作範囲を表す。この比率の数値が1よりも小さい場合、開封帯24の皺形成部55を検出できるセンサ集合体73が使用される。
【0102】
図9には、例えば、フォイルストリング13の異なる規模の三つの異なる皺形成部55.1,55.2.55.3が図示されている。明らかな通り、皺形成部55.1が最も大きく、特に、皺形成部55.2,55.3よりも大きく現れている。この皺形成部55.1の個々の皺は、外側に向かって大きく突き出ている。皺形成部55.2は、多少小さく形成されている。この皺形成部の個々の皺は、外側に向かってより小さく突き出ている。皺形成部55.3は、比較すると、最も小さく現れている。
【0103】
図10には、検査機29のセンサ集合体30が皺形成部55.1,55.2又は55.3の検出時にそれぞれ発生した生信号56.1,56.2及び56.3がそれぞれ図示されている。この場合、垂直の一点鎖線は、半製品の長さを示す。この目的のために、センサ集合体30は、連結材料ストリング50を長手方向に、有利には、複数回、例えば、連続して、或いは所定の時間間隔で走査する。この実施例では、その間、連結材料ストリング5は、連続してセンサ集合体30の前を通過するように動かされる。
【0104】
皺形成部55.1とそれに対応する生信号56.1、皺形成部55.2とそれに対応する生信号56.2、或いは皺形成部55.3とそれに対応する生信号56.3を比較すると、各皺形成部55.1〜55.3の規模が生信号56.1〜56.3に反映されていることに気付く。即ち、生信号は、皺形成部の規模に関する基準である。言い換えると、センサ集合体30のラインセンサの信号は、各皺形成部55.1,55.2,55.3に依存する。
【0105】
この依存性は、図11から一層明らかに導き出される。そこの信号57.1,57.2又は57.3は、各生信号56.1,56.2又は56.3から導き出された信号である。この場合、それぞれ半製品の長さに渡って、生信号(値)の平均値演算が行なわれる。一つの半製品上の皺形成部55.1〜55.3が大きくなる程、各生信号56.1,56.2又は56.3の各平均値57.1,57.2又は57.3が大きくなっている。
【0106】
本発明では、ここで、プロセス内で生じた皺形成部55の検出後、皺形成部55を阻止するように、プロセスのパラメータを制御する。この目的のために、相応の皺形成部55を表す相応のセンサ集合体30の信号(例えば、センサ集合体30の生信号56.1〜56.3又は場合によっては、センサ集合体30の電子評価機器により生信号56.1〜56.3から相応に導き出した値)が好適なコントローラ58に伝達される(図8を参照)。
【0107】
そして、コントローラ58は、それに応じて、皺形成部55が小さく又は最小となるように、材料ストリングを連結機49に搬送する際の開封帯24、フォイルストリング13又は両方の材料ストリングのストリング応力を設定する。何故なら、連結機49で互いに連結される際に開封帯24とフォイルストリング13が有するストリング応力が、既に前に詳しく説明した通り、皺形成部55に直接的な影響を与えるからである。
【0108】
例えば、コントローラ58は、フォイルストリング13の所定の規模の皺形成部55を検出した場合、皺形成部55が最早測定されなくなるか、或いは皺形成部の規模に関する許容できる基準に到達するまでの間、開封帯24のストリング応力を低減する。それによると、皺形成部55の規模が、結局は閉じた制御ループの制御量であり、その(少なくとも一つの)設定量が、開封帯24のストリング応力及び/又はフォイルストリング13のストリング応力である。
【0109】
この場合、必ずしも常にストリング応力の規模をゼロに低減することが望ましいとは限らない。即ち、前述したプロセス段階では、或る程度の皺形成部が依然として望ましい場合が有る。何故なら、例えば、フォイルが、その後の別個の熱後処理プロセス(収縮機52を参照)で部分的に未だ定義した通り収縮するからである。しかしながら、この収縮プロセスでは、開封帯は、通常加熱機関と反対の側に断熱して置かれており、その結果、フォイルへのより大きな熱伝導によって、フォイルが開封帯よりも大きく収縮する。それゆえ、フォイルの皺形成部の事前に許容される程度は、さもなければ収縮プロセスにより引き起こされる皺形成部を相殺し、その結果、熱後処理プロセスに続いて、全ての皺を消失させることができる。
【0110】
この実施例では、コントローラ58は、ストリング応力設定の具体的な変換のために、従来技術で既に知られているストリング応力調整器59,60を必要とする。このストリング応力は、各ストリング13又は24に加わる引張力により直接決定される。
【0111】
図9に図示されている通り、コントローラ58は、例えば、それぞれ電空式変換器61,62によって、空気圧アクチュエータ65又は65と好適なダンサーシステム67a,67bとを介して、引張力を各材料ストリング24又は13に加えることが可能な、そのため、ストリング応力を変更することが可能な圧力源63,64を制御することができる。
【0112】
当然のことながら、有効に作用する引張力は、一つ又は複数の相応の延伸ローラ(例えば、延伸ローラ76)が加える引張力によっても決定される。
【0113】
フォイルストリング13又は開封帯24を引っ張るための各ボビン68,69の慣性力もストリング応力又は引張力に影響を与えることができる。これらは、加速又は減速プロセス時に作用する。従って、コントローラ58は、ボビン68,69の加速又は減速を規定する相応のサーボモータ70,71を制御することもできる。これらのボビン68,69の慣性力の値は、周知のセンサ機器によって計測することができる。
【0114】
更に、本発明では、コントローラ58が、皺形成部の規模を制御して、具体的に使用されるフォイル材料13又は具体的に使用される開封帯材料24に適合させる際に用いる制御アルゴリズムも規定することができる。それに対応して、コントローラ58は、処理する材料に応じて、即ち、一般的に言うと、組み込まれた電子メモリ又は組み込まれたデータベースからの開封帯24及び/又はフォイルストリング13の少なくとも一つの特定の材料特性値に応じて、実際に使用すべき制御アルゴリズム又はその制御用の少なくとも一つの重要なパラメータを選定することができる。これは、例えば、コンピュータ機器77に組み込まれたデータベースとすることができる。このメモリには、様々な材料又は材料の組合せに対応して、それぞれ少なくとも一つの制御アルゴリズム、或いはそれぞれ少なくとも一つの制御パラメータが選択可能な形で保存されている。
【0115】
「材料特性値」との用語は、本出願の範囲内において、例えば、幅、厚さ、弾性係数などの、各材料又は各フォイルストリング/各開封帯に関して、その物理特性を規定する全ての量に対して、さもなければ、それぞれ材料を特定するために、それに対応付けられた特性に対して使用する。
【0116】
前述した皺形成部の規模の制御は、有利には、外カバー11の製造プロセスが進行している際に行なわれ、前述した通り、許容可能な、或いは所望の基準を上回る(実際の)皺形成部を検出した時に介入する。
【0117】
本発明のこの実施構成では、標準動作又は誤りの無い動作において、先ずはストリング13,24に加える引張力の目標値又は標準値を使用するか、或いはそれに対応する値を設定することができる。これらは、以下において、例示して詳しく説明する通り、何れにせよ理論的にゼロに等しい、或いは場合によっては、ゼロを上回る一つ又は所望の目標規模の皺形成部が得られるように選定される。しかしながら、実際には、製造プロセスでは、そのような標準的な引張力値の前記の設定にも関わらず、種々のプロセス作用のために、予期しない実際の規模の皺形成部となる可能性が有り、それは、前に詳しく述べた通り、その後、前記の皺形成部の規模の制御によって、センサ技術による実際の規模の皺形成部の検出と関連して、所望の基準に補正制御される。
【0118】
このプロセスで最初に使用される引張力標準値は、例えば、それらを保存することが可能な一つ又は前記のデータベースから取り出すことができる。この目的のために、このデータベースには、例えば、表又はグラフの形で、特定のフォイルストリング13又は特定の開封帯24に設定できる、或いは設定すべき様々な(目標)延伸値又は(目標)延伸値差分に対する様々なフォイルストリング形式又は様々な開封帯形式、或いは様々なフォイルストリング形式と開封帯形式の組合せに関して、特定のフォイルストリング13又は特定の開封帯24毎に、それぞれ設定によって、それに対応する(目標)延伸値又は(目標)延伸値差分を生じさせる、或いは生じさせると考えられる(目標)延伸値又は(目標)延伸値差分を保存することができる。
【0119】
この場合、これらの保存された延伸値又は延伸値差分/引張力値の組合せは、特定のフォイルストリング13又は特定の開封帯24の材料特性値(特に、幅、厚さ、弾性係数)を用いて、周知の技術的な関係に基づき事前に計算又は決定した後、保存することができる。しかし、これらの値の組合せ又は引張力値と延伸値の間の依存性の決定は、前記の材料特性値に基づき、詳しくは、好適な計算アルゴリズムを用いて、プロセス内で直接自動的に行なうこともできる。
【0120】
これらの値が表に保存されている場合、コントローラ58は、例えば、先ずは、所望の皺形成部の規模を生じさせるフォイルストリング13と開封帯24に関する延伸値を決定することによって、所望の皺形成部の規模に基づき、制御プロセスのために設定すべき引張力値を選定する。この目的のために、例えば、特定のフォイルストリング13と特定の開封帯24の延伸値の間の異なる延伸値差分に対する別の表に、異なる皺形成部の規模を保存することができる。
【0121】
そして、例えば、ゼロの皺形成部の規模、即ち、皺形成部の無いことが望ましい場合、コントローラ58は、フォイルストリング13と開封帯24に対して、それぞれ表内で合致するゼロの延伸値又は延伸値差分に対応する引張力値を選定する。この場合、理論的には、システムが一定の速度で動作すれば、皺形成部は発生しない。
【0122】
ゼロよりも大きい或る程度の皺形成部の規模が望ましい場合、コントローラ58は、それぞれその皺形成部の規模に対応する所定の差分だけ互いに異なる延伸値又は延伸値差分に対応する引張力値を選定する。
【0123】
フォイルストリング13と開封帯24の実行している減速及び加速プロセスも、この制御に取り込むことができる。そして、このシステムは、定義された通り追従制御しなければならない。この場合、同じく材料別に、即ち、開封帯及び/又はフォイルストリングの少なくとも一つの材料特性値に応じて、追従制御の度合い、即ち、相応の追従制御パラメータの値又は特別な追従制御アルゴリズムをデータベースに保存しておいて、コントローラ58により選定できるようにすることが考えられる。
【0124】
更に、本装置の始動時に、その後のプロセスでゼロの皺形成部の規模が望ましい場合でも、先ずは、皺形成部の測定のためにセンサ集合体30を使用できることを保証するために、延伸値比率>1に対応する引張力値を設定することが考えられる。それに続いて、延伸値比率が1の方向に低下するように、引張力を定義した通り変更するか、或いは前述した皺形成部の規模の制御が直接別の制御を採用して、測定した皺形成部の規模に応じて引張力をゼロに制御することができる。
【符号の説明】
【0125】
10 紙巻きたばこパッケージ
11 外カバー
12 半製品
13 フォイルストリング
13.1 前側
13.2 後側
14 半製品設備
15 裁断集合体
16 カッターローラ
17 相手カッター
18 吸引ベルト
19 方向転換ローラ
20 方向転換ローラ
21 口部品
22 ポケット
23 封印・折り重ね機構
24 開封帯
25a 縦方向エッジ
25b 縦方向エッジ
26 開封帯半製品
27 切れ目
28 カッター刃ユニット
29 検査機
30 センサ集合体
31 反射体
32 検査領域
33 線
34 検査生信号
34’ 検査生信号
34’’ 検査生信号
35 目標位置範囲
36 信号情報
36’ 信号情報
36’’ 信号情報
37 一次微分
37’ 一次微分
37’’ 一次微分
38’ 信号情報
39’ 信号情報
39’’ 信号情報
40 機械角度
40.1 信号
41 サイクルの終端
42 目標位置範囲
42.1 信号
43 真/偽信号領域
43.1 信号
44 抑制信号領域
44.1 信号
45 信号成分
46 信号成分
47 信号成分
48 信号成分
49 連結機
50 連結材料ストリング
51 付着・封印機
52 収縮機
53 コンベヤ
54 帯封設備
55 皺形成部
55.1 皺形成部
55.2 皺形成部
55.3 皺形成部
56.1 生信号
56.2 生信号
56.3 生信号
57.1 平均値
57.2 平均値
57.3 平均値
58 コントローラ
59 ストリング応力調整器
60 ストリング応力調整器
61 変換器
62 変換器
63 圧力源
64 圧力源
65 アクチュエータ
66 アクチュエータ
67a ダンサーシステム
67b ダンサーシステム
68 ボビン
69 ボビン
70 サーボモータ
71 サーボモータ
72 検査機
73 センサ集合体
74 直線
75 動作範囲
76 延伸ローラ
77 コンピュータ機器
図1
図2
図3
図4
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9-11】
図12