【課題を解決するための手段】
【0010】
本課題は、請求項1の特徴を有する方法及び請求項13の特徴を有する、その方法を実施する装置によって解決される。
【0011】
それによると、本発明では、連結材料ストリング又はその個々の半製品が、連結ステーションの下流で、特に電気光学式検査機構、有利には、ラインセンサを用いて、皺の形成に関して監視される。この監視時に、皺形成部又は許容範囲外に有る皺形成部が出現したことを確認した場合、進行しているプロセスの間に、開封帯ストリング及び/又はフォイルストリングが連結機への供給時に有する開封帯ストリング及び/又はフォイルストリングのストリング応力が変更される。そのために、このストリング応力を設定するための少なくとも一つの機器を自動的に好適に制御する。詳しくは、皺形成部を阻止するか、或いは皺形成部を軽減するように制御する。
【0012】
備考:本出願の範囲内において、「及び/又は」との用語における「及び」と「又は」は、「及び」或いは「又は」の意味での二者択一であると解釈する。
【0013】
例えば、好適なストリング応力設定機器による、開封帯のストリング応力の軽減は、フォイルストリングのストリング応力が一定である場合、フォイルストリングとの連結中に受ける開封帯ストリングの延伸力を低下させ、そのため、特に延伸ローラにより加えられる引張力が解除された場合に開封帯に生じる収縮規模も減少させることとなる。
【0014】
それに代わって、或いはそれに追加して、皺形成部を阻止するために、フォイルストリングのストリング応力を相応に変更することも考えられる。そして、フォイルストリングにも、それに対応するストリング応力を設定するための機器が割り当てられる。
【0015】
全体として、この場合開封帯ストリングとフォイルストリングの連結時に生じる一方の開封帯ストリングの延伸値と他方のフォイルストリングの延伸値の間の差分が最終的に各ストリング応力の差分の軽減により低減されることによって、ゼロと異なる規模の皺形成部が阻止される。
【0016】
各ストリング応力の設定は、通常特定の引張力を各ストリングに加えることによって行なわれる。
【0017】
この場合、特定のストリング応力を設定するための機器は、有利には、必要に応じて一つ又は複数の延伸ローラにより加えられる引張力に追加して、フォイルストリング又は開封帯ストリングの各ストリングに更なる引張力を加えることができる手段を有する。そのような手段は、例えば、従来技術で周知のダンサーシステムを備えることができる。この場合、ダンサーシステムの好適な調節機構を用いて、加える引張力の強さを変更又は設定することができる。
【0018】
検査機構により検出した皺形成部の程度又は規模に応じてストリング応力を変更する。皺形成部の規模に関する基準として、例えば、単位長さ当たりの、特に、半製品当たり又は予定している半製品当たりの皺形成部の皺の数を用いることができる。それに追加して、又はそれに代わって、皺形成部の皺のサイズ、特に、連結材料ストリングの長手方向の延びに対して交差する方向において検出した皺の延び具合を基準として使用することができる。これらの前述した測定量は、場合によっては、皺形成部を検出する検査機構の信号を相応に評価する好適な評価機器を用いて決定することができる。
【0019】
皺形成部の規模に関する基準として、検査機構の信号から直接導き出される値を用いることもできる。即ち、例えば、検査機構により連結材料ストリングの単位長さ毎に連結材料ストリングを複数回走査して、そのような単位長さ毎に測定値の平均値を演算すると規定することができる。この平均値は、何れにせよ検査機構としてラインセンサを使用した場合、単位長さ当たりの皺形成部の規模に直接依存する。
【0020】
この皺形成部は開封帯又はフォイルストリングの特定の材料特性値に依存するので、特定の製造プロセスに関して、実際に使用すべき基準が、そのプロセスで如何なる特定の材料が使用されているのかに応じて自動的に選定されると規定することができる。従って、一般的に言うと、この基準は、開封帯の少なくとも一つの材料特性値及び/又はフォイル材料の少なくとも一つの材料特性値に応じて選定される。
【0021】
同様に、制御ループのコントローラ及び/又はそれが使用する制御アルゴリズムのパラメータも、メモリ又はデータベースからのフォイルストリングの少なくとも一つの材料特性値及び/又は開封帯の少なくとも一つの材料特性値に応じて自動的に選定することができる。そのような制御パラメータは、例えば、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲイン、リセット時間、リードタイム、遅延T等々とすることができる。
【0022】
本発明の特に重要な実施構成では、皺形成部の規模(又は程度)は、閉じた制御ループを用いて、その規模が最小値を取るように制御されるか、或いはそれに代わって、その規模が所定の限界値に到達するか、或いはその値を下回るように低減される。この場合、フォイルストリング及び/又は開封帯の応力が生じており、その結果、特に、各ストリングに作用する引張力の設定によって、制御ループの設定量が、制御量を生じさせる皺形成部の規模に応じて設定されることとなる。
【0023】
本発明の別の実施形態では、連結材料ストリングは、連結材料ストリングの開封帯と開封帯が連結されたフォイルの領域を開封帯の長手方向の延びに対してほぼ交差する方向に同時に裁断するための(短い)直線又は曲線の切れ目を連結材料のフォイルに入れるカッティング機構の下流で検査機構によって監視される。これらの切れ目は、フォイルカバーを後で開くために、開封帯とそれと連結されたフォイルカバーのフォイル区画を掴むことを可能とする垂れ耳状の端が連結材料に生じるように構成される。そのため、有利には、これらの切れ目を入れた後に皺が生じるので、前記の監視は、切れ目を入れるカッティング機構の下流で行なわれる。
【0024】
本発明の別の実施形態では、この連結材料の監視が、切れ目を入れるカッティング機構と、その下流に配置された、連結材料ストリングを最終的にそれぞれ紙巻きたばこパッケージを外カバーとして個別に包むための個々の半製品に切り離す裁断機構との間で行なわれる。
【0025】
更に、本発明の課題は、請求項14の特徴を有する方法と、請求項26の特徴を有する、その方法を実施する装置とによって解決される。
【0026】
それによると、本発明では、平坦なフォイル材料の開封帯を含む検査領域がラインセンサにより走査される。このラインセンサによって、一つの、各々の、或いは全ての走査プロセス時に測定された検査信号が、開封帯によって引き起こされる一つ又は複数の特徴的な信号情報に関して、その後評価される。そのような信号情報は、例えば、信号内の、或いは好適に再処理された信号内の特徴的なエッジ又は信号ピークとすることができる。この場合、有利には、検査信号は、評価縞の存在に関して評価される。それに追加して、或いはそれに代わって、この検査信号は、有利には、フォイル材料上における開封帯又は開封帯の一方又は両方の縦方向エッジの実際の位置に関して評価される。
【0027】
本発明による検査方法は、有利には、製造プロセス内で直ちに、即ち、喫煙可能な物品用のパッケージの製造が進行している間に直ちに行なわれる。
【0028】
この場合、本方法は、比較的材料に依存しない。製品の交換時に、新しい製品へのセンサ方式の骨の折れる適合が不要であるか、或いはそのための負担が大幅に軽減される。
【0029】
ラインセンサの出力信号は、ラインセンサにおいて一般的である通り、基本的に、一列に配置された光学式検出器又は光検出器(ピクセル)から出力される多数の個別信号から構成される。そして、本発明では、従来技術と異なり、信号推移(通常は場所に依存する光強度の推移)において特徴的な信号ピーク、エッジなどが存在するか否かに関して、ラインセンサの信号を空間的に分解して分析することができる。それに対して、従来技術によるフォトダイオードを用いた測定では、確かに空間的に分解した測定が原理的に行なわれないので、信号の空間的に分解した評価は不可能である。
【0030】
従って、本発明によるラインセンサの使用によって、フォイル材料上の開封帯のその時々の実際の位置又は開封帯のその時々に検出された区画の精確な測定も可能である。従って、検査領域内における、特に、目標位置範囲内における帯の精確な位置に関する情報を提供することも可能である。それは、従来技術の方法では考えられないことである。従来技術では、検査帯がダイオードにより与えられる検査領域内に存在する場合、「存在」信号が出力されている。フォイル材料上の検査領域内における検査帯の起こり得る意図しないずれ又は傾斜した推移を検出することができない。
【0031】
本発明の基本的な実施構成では、フォイル材料の半製品がそれぞれ各パッケージの周りに外カバーとして折り重ねられ、その前に、半製品が、特に、(それぞれ連続する材料ストリングの一部として依然として繋がっている形又は既に切り離された形で)サイクリックにラインセンサの前を通過して搬送される。この場合、前を通過して搬送される半製品の全部又は半製品の相応の検査領域がラインセンサにより走査されるか、或いはそれに代わって、所定の選定された半製品だけが、例えば、二又は四つの半製品毎に一つだけが走査される(抜き取り検査)。
【0032】
本発明の目的に適うこととして、ラインセンサが走査する各半製品の少なくとも一つの検査領域は、開封帯の目標位置又は目標位置範囲に対して交差して延びる。言い換えると、ラインセンサの列は、開封帯の長手方向に延びるのではなく、(当然のことながら、フォイル材料又は半製品に対して間隔を開けて)開封帯に対して交差する方向に延びる。この場合、通常開封帯の目標位置又は目標位置範囲は、ほぼ検査領域の中心又は検査領域内の中央に位置する。
【0033】
その時々に検査すべき半製品は、出来る限り精確な測定結果を得るために、有利には、複数回順次走査される。この場合、各走査プロセスは、評価可能なセンサ信号を発生する。
【0034】
この場合、複数回の走査は、ラインセンサが開封帯の長く延びる方向に対してフォイル材料の各半製品の複数の異なる検査領域を順番に走査することに関連付けることができる。そのために、半製品又は一部を半製品とすることができるフォイルストリングは、通常(この場合、固定位置の)ラインセンサに対して相対的に転送される。この場合、有利には、個々の走査プロセスの大部分又は全部は、各半製品がそれに対応して、通常はサイクリックに搬送されて動いている間に、即ち、半製品が動いている時に行なわれる。
【0035】
しかし、それに代わって、少なくとも理論的には、異なる検査領域を順番に走査できるように、固定位置の半製品に対してセンサを動かすことも考えられる。それに対応して、センサが半製品に沿って動かされている間に、或いはラインセンサが断続的に動かされている場合には、その個々の静止状態フェーズにおいて、個々の走査プロセスが行なわれる。
【0036】
各半製品の走査は、ラインセンサが各半製品の一つの同じ検査領域を順次複数回走査するという観点においても、複数回行なうことができる。そして、電子評価機器では、例えば、測定した検査信号の時間的な平均をとることができる。
【0037】
当然のことながら、前述した走査プロセスの組合せも、即ち、半製品の複数の異なる検査領域の走査も可能であり、個々の検査領域は、それぞれ複数回走査される。
【0038】
検査信号が予め決めた判定基準を満たさない場合、エラー信号を発生する。
【0039】
例えば、検査した半製品又は検査したフォイルストリング領域の検査領域内に開封帯が存在しないとの検査信号の評価結果が得られた場合に、エラー信号を発生することができる。検査領域内の開封帯の実際の位置が予め決めた判定基準に合致しない、例えば、目標位置からずれているか、或いは目標位置範囲内に無い場合に、エラー信号を発生すると規定することもできる。
【0040】
有利には、エラー信号の結果、その後半製品又は場合によっては、欠陥の有る半製品を外カバーとして包装したパッケージが自動的に生産活動から除去される。
【0041】
既に前に述べた通り、半製品の異なる検査領域を走査する場合、異なる検査領域でそれぞれ測定された検査信号の評価時に、予め定義した(1より大きな)数の走査した検査領域又はそれらの中の予め決めた百分率の検査領域において、開封帯が存在しないことが明らかになった場合に、初めてエラー信号を発生すると規定することもできる。即ち、例えば、半製品のそのような20、40又は100個の検査領域を走査して、その中の所定の百分率の検査領域において、開封帯に結び付く信号情報が検出されなかった場合に、初めてエラー信号を発生すると規定できる。
【0042】
同様に、異なる検査領域で測定した検査信号の評価時に、一つの検査領域だけでなく、複数の検査領域又は予め定義した(1よりも大きい)数の検査領域において、開封帯の実際の位置が予め決めた判定基準に合致しないことが明らかとなった場合に、初めてエラー信号を発生すると規定することができる。同じく、予め決めた百分率の検査領域において、実際の位置が予め決めた判定基準に合致しない場合に、初めてエラー信号を発生すると規定することもできる。
【0043】
半製品又は開封帯の長手方向における半製品の前述した複数回の走査は、半製品上における開封帯の誤った向き又はずれを検出するために使用することもできる。即ち、各半製品に対して、異なる検査領域でそれぞれ測定した検査信号から、それぞれ開封帯の長く延びる方向における、半製品上の開封帯の向きを共に規定する、開封帯の個々の部分区画の複数の実際の位置を検出することができる。
【0044】
開封帯の実際の位置又は開封帯の部分区画の実際の位置は、有利には、ラインセンサの信号において、それぞれ二つの縦方向エッジの中の一方のそれに対応する実際の位置を決定することによって検出される。
【0045】
そして、開封帯の複数の部分区画の実際の位置が検出されたら、予め決めた目標の向きに対する、或いは予め決めた目標の向きの範囲に対する半製品上における開封帯の実際の向きの起こり得る偏差に関して、これらの実際の位置を評価することができる。この場合、評価は、有利には、開封帯の長く延びる方向に対して交差して延びる方向又はラインセンサのセンサ列に対して平行に延びる方向の偏差に関して行なわれる。
【0046】
ラインセンサの各検査信号の分析は、特に、検査信号の数学的な一次微分を演算することによって容易に行なうことができる。そして、それに対応する結果信号又は結果信号の絶対値を開封帯により引き起こされる一つ又は複数の特徴的な信号情報に関して評価することができる。それらは、通常特徴的な信号ピークである。
【0047】
一般的に、本発明による検査方法は、反射方法として構成される。言い換えると、開封帯を上に配置した、或いは配置すべきフォイル材料、特に、各半製品は、少なくとも領域に渡って、フォイル材料の第一の側に隣接して配置された電磁波源の電磁波(通常可視光、赤外光又は紫外光)を照射される。そして、この電磁波は、フォイル材料の対向する第二の側に隣接して配置された反射体によって反射される。最終的に、この反射された光線が、フォイル材料を新たに透過した後、フォイル材料の第一の側に隣接して配置された電磁波を検出するラインセンサによって検出される。
【0048】
更に、本発明では、ラインセンサが、フォイル内におけるフォイルの引き裂きを容易にする、特に、U字形状の切れ目の予め決めた目標位置又は予め決めた目標位置範囲を含む、フォイル材料、特に、各半製品の検査領域を走査することが可能である。この場合、開封帯の制御の場合と同様に、走査プロセスでラインセンサが発生する、それに対応する検査信号は、フォイル内の切れ目により引き起こされる一つ又は複数の特徴的な信号情報に関して評価される。そして、それらは、切れ目に関する特徴的な信号エッジ又は信号ピークとすることができる。
【0049】
この検査方法を実施する装置に関して、その装置は、ラインセンサの外に、ラインセンサが発生する検査信号を前述した手法により評価することが可能な評価機器(通常紙巻きたばこパッケージの製造時における高いサイクルタイム用に設計された十分に速い電子評価機器)を備えている。当業者は、前記の評価プロセスを実行可能とするために、それに対応する評価機器又は電子評価機器を如何に構成するのかを知っている。
【0050】
本発明の更なる特徴は、添付した請求項、以下における有利な実施例の記述、並びに添付図面から明らかとなる。