特許第6263553号(P6263553)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6263553CNS疾患の処置のためのオキシトシン受容体アゴニスト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263553
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】CNS疾患の処置のためのオキシトシン受容体アゴニスト
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/415 20060101AFI20180104BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/433 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20180104BHJP
   C07D 231/42 20060101ALI20180104BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20180104BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20180104BHJP
   C07D 417/04 20060101ALI20180104BHJP
   C07K 7/16 20060101ALN20180104BHJP
【FI】
   A61K31/415
   A61K31/427
   A61K31/433
   A61K31/4439
   A61K31/506
   A61P25/00
   A61P25/18
   A61P25/22
   A61P25/24
   A61P25/28
   A61P25/30
   A61P25/32
   C07D231/42CSP
   C07D401/04
   C07D403/04
   C07D417/04
   !C07K7/16ZNA
【請求項の数】8
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-553055(P2015-553055)
(86)(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公表番号】特表2016-506910(P2016-506910A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】EP2014050526
(87)【国際公開番号】WO2014111356
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2016年10月26日
(31)【優先権主張番号】13151632.0
(32)【優先日】2013年1月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ネッテコフェン,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】プランシャー,ジャン−マルク
(72)【発明者】
【氏名】ビサンツ,カテリーナ
(72)【発明者】
【氏名】グルントショーバー,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィフィアン,ヴァルター
【審査官】 鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03014038(US,A)
【文献】 西独国特許出願公告第01115261(DE,B)
【文献】 英国特許出願公告第01054278(GB,A)
【文献】 特表2012−522847(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/063953(WO,A1)
【文献】 特表2003−524003(JP,A)
【文献】 Archives of Biochemistry and Biophysics,2001年,Vol.394, No.2,p.189-200
【文献】 ChemMedChem,2010年,Vol.5, No.12,p.2088-2101
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33−31/44
C07D 231/00−231/56
C07D 401/00−401/14
C07D 403/00−403/14
C07D 417/00−417/14
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化33】

[式中、
は、フェニル、又は5員若しくは6員環ヘテロアリール基(N又はSから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有している)であり;
は、水素、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンで置換されている低級アルキル又はシクロアルキルであり;
は、フェニルであり;
は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、シアノ、ハロゲンで置換されているS−低級アルキル、ハロゲンで置換されているS(O)−低級アルキルであり;
nは、1又は2である]で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/若しくは光学異性体を含む、自閉症、ストレス(外傷後ストレス障害を含む)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)、統合失調症、精神障害及び記憶喪失、アルコール禁断、薬物中毒の処置のための、ならびにプラダー・ウィリー症候群の処置のための、医薬組成物。
【請求項2】
化合物が、
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−プロピル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−ジフルオロメトキシ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリミジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
2,4−ジクロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(1−フルオロ−エチル)−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンゼンスルホンアミド
4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミド
3−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、又は
4−クロロ−2−フルオロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
自閉症、ストレス(外傷後ストレス障害を含む)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)、統合失調症、精神障害及び記憶喪失、アルコール禁断、薬物中毒の処置用の、ならびにプラダー・ウィリー症候群の処置用の医薬の製造のための、請求項1記載の式Iの化合物の使用。
【請求項4】
化合物が、
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−プロピル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−ジフルオロメトキシ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリミジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
2,4−ジクロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(1−フルオロ−エチル)−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンゼンスルホンアミド
4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミド
3−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、又は
4−クロロ−2−フルオロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
である、請求項3記載の式Iの化合物の使用。
【請求項5】
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−プロピル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−ジフルオロメトキシ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリミジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
2,4−ジクロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(1−フルオロ−エチル)−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンゼンスルホンアミド
4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミド
3−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、及び
4−クロロ−2−フルオロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
からなる群より選択される、式Iの化合物ならびに治療上不活性な担体を含む、医薬組成物。
【請求項6】
化合物が、下記:
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−プロピル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−ジフルオロメトキシ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリミジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
2,4−ジクロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(1−フルオロ−エチル)−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンゼンスルホンアミド
4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミド
3−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、又は
4−クロロ−2−フルオロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
である、請求項1に記載された、式Iの化合物。
【請求項7】
式IA:
【化34】

[式中、
は、チアゾリル、ピリミジニル又は1,2,4−チアジアゾリルであり;
は、水素、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンで置換されている低級アルキル又はシクロアルキルであり;
は、フェニルであり;
は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、シアノ、ハロゲンで置換されているS−低級アルキル、ハロゲンで置換されているS(O)−低級アルキルであり;
nは、1又は2である]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/若しくは光学異性体。
【請求項8】
化合物が、下記:
N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリミジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、又は
4−クロロ−2−フルオロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
である、請求項7記載の式IAの化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【化1】

[式中、
は、フェニル、又は5員若しくは6員環ヘテロアリール(hereroaryl)基(N又はSから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有している)であり;
は、水素、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンで置換されている低級アルキル又はシクロアルキルであり;
は、フェニルであり;
は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、シアノ、ハロゲンで置換されているS−低級アルキル、ハロゲンで置換されているS(O)−低級アルキルであり;
nは、1又は2である]で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/若しくは光学異性体の、自閉症、ストレス(外傷後ストレス障害を含む)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)、統合失調症、精神障害及び記憶喪失、アルコール禁断、薬物中毒の処置のための、ならびにプラダー・ウィリー(Prader-Willi)症候群の処置のための、使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ピラゾール基を含有している置換されているベンゼン−スルホンアミドは、文献、例えば、WO2010118063、BE655242、US3014038、GB893755、DE1115739、DE1115261及びGB865341に、利胆薬として、ならびに癌及び低血糖の処置における使用のために、急性及び慢性の肝障害を改善するための、及び肝臓の愁訴の場合には肝機能を活性化するための使用のために、記載されている。
【0003】
本化合物は、オキシトシン受容体アゴニストであり、該化合物はオキシトシン生理活性を保持するオキシトシン類縁体であることが見いだされた。当該類縁体分子は、オキシトシン受容体に結合することを含め、内因性オキシトシンと同様の方法で作用すことができる。オキシトシン類縁体は、全く新しい分子構造を有する。
【0004】
オキシトシンは、1位と6位の間にジスルフィド架橋を形成する2個のシステイン残基を有する9個のアミノ酸からなる環状ペプチドホルモンである。ヒトオキシトシンは、配列Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Glyを含む。
【0005】
オキシトシンは、陣痛を誘発するために臨床的に使用される、子宮弛緩及び過度の出血を制御するための強力な子宮収縮剤であり、かつ乳汁分泌の開始及び維持を増強することが示されている(Gimpl et al., Physiol. Rev., 81, (2001), 629 - 683, Ruis et al.,BMJ, 283, (1981), 340 - 342)。また、カルベトシン(1−デアミノ−1−カルバ−2−チロシン(O−メチル)−オキシトシン)も、子宮弛緩及び過度の出血の制御のために臨床的に使用される、強力な子宮収縮剤である。
【0006】
オキシトシンアゴニストは、25,000人に1人の子どもが発症する稀な遺伝性疾患である、プラダー・ウィリー症候群の処置のために使用され得る。
【0007】
更なる研究は、オキシトシンアゴニストが、腹部及び背中の痛みを含む炎症及び疼痛(Yang, Spine, 19, 1994, 867-71)、男性(Lidberg et al., Pharmakopsychiat., 10, 1977, 21 - 25)及び女性(Anderson-Hunt, et al., BMJ, 309, 1994, 929)の両方の性機能障害、過敏性腸症候群(IBS, Louvel et al., Gut, 39, 1996, 741 - 47)、便秘及び消化管閉塞(Ohlsson et al., Neurogastroenterol. Motil., 17, 2005, 697 - 704)、自閉症(Hollander et al., Neuropsychopharm., 28, 2008, 193 - 98)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を含むストレス(Pitman et al., Psychiatry Research, 48, 107 - 117)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)(Kirsch et al., J. Neurosci., 25, 49, 11489 - 93, Waldherr et al., PNAS, 104, 2007, 16681 - 84)、外科失血又は産後出血の制御(Fujimoto et al., Acta Obstet. Gynecol., 85, 2006, 1310 -14)、陣痛誘発及び維持(Flamm et al., Obstet. Gynecol., 70, 1987, 70 - 12)、創傷治癒及び感染症、乳腺炎及び胎盤娩出、及び骨粗鬆症の処置のために有用であることを示唆している。加えて、オキシトシンアゴニストは、癌及び胎盤機能不全の両方の診断に有用であり得る。
【0008】
更に、記事“Intranasal Oxyrixub blocks alcohol withdrawal in human subjects”(Alcohol Clin Exp Res, Vol, No. 2012)及び“Breaking the loop: Oxytocin as a potential treatment for drug addiction”(Hormones and Behavior, 61, 2012 , 331- 339)は、アルコール禁断及び薬物中毒をオキシトシンアゴニストで処置することを提唱している。
【0009】
オキシトシン及びその受容体は、側坐核及び海馬のような統合失調症の症状に関与する脳の領域に存在する。オキシトシン受容体アゴニストは、自閉症、ストレス(外傷後ストレス障害を含む)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)、統合失調症、アルツハイマー病、精神疾患、記憶喪失及び代謝性疾患の処置に使用し得る(WO2012/016229)。
【0010】
式Iの化合物はまた、潜在的アゴニスト活性を測定するためにヒトバソプレシン1a及びヒトバソプレシン2受容体を発現する細胞株について機能的に試験され、ヒトオキシトシン受容体に対して選択的であることが見出された。
【0011】
本発明の目的は、疾患が、自閉症、ストレス(外傷後ストレス障害を含む)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)、統合失調症、精神障害及び記憶喪失、アルコール禁断、薬物中毒であるオキシトシン受容体に関連するCNS疾患の処置のための、ならびにプラダー・ウィリー症候群の処置のための、式Iの化合物及び式Iの範囲内に該当する新規な特定の化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩の使用である。
【0012】
更なる目的は、式Iの新規な化合物及び前述の疾患の処置のための式Iの新規な化合物を含有する医薬の製造である。
【0013】
本発明は、自閉症、ストレス(外傷後ストレス障害を含む)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)、統合失調症、精神障害及び記憶喪失、アルコール禁断、薬物中毒を含む特定のCNS疾患の処置における、ならびにプラダー・ウィリー症候群の処置のための、選択性及び/又は改善を与える、選択的で有効な化合物を提供し得る。
【0014】
本明細書において使用される、用語「低級アルキル」は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチル、t−ブチルなどの、1〜7個の炭素原子を含有している飽和の直鎖又は分枝鎖基を示す。
【0015】
本明細書において使用される、用語「N又はSから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有している5員若しくは6員環ヘテロアリール基」は、ピリジン、チアゾール、ピリミジン又は1,2,4−チアジアゾールから選択される芳香環を示す。
【0016】
用語「ハロゲン」は、塩素、フッ素、ヨウ素及び臭素を包含する。
【0017】
用語「ハロゲンで置換されている低級アルキル」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、上記で定義したとおりの低級アルキル基、例えば、CF、CHF又はCHFCHを示す。
【0018】
用語「ハロゲンで置換されている低級アルコキシ」は、「ハロゲンで置換されている低級アルキル」が上記で定義したとおりである、基O−「ハロゲンで置換されている低級アルキル」を示す。
【0019】
用語「薬学的に許容し得る酸付加塩」は、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのような無機及び有機酸との塩を包含する。
【0020】
本発明の一つの実施態様は、自閉症、ストレス(外傷後ストレス障害を含む)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)、統合失調症、精神障害及び記憶喪失、アルコール禁断、薬物中毒の処置のための、ならびにプラダー・ウィリー症候群の処置のための、式Iの化合物の使用である。
【0021】
本発明の一つの更なる実施態様は、自閉症、ストレス(外傷後ストレス障害を含む)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)、統合失調症、精神障害及び記憶喪失、アルコール禁断、薬物中毒の処置用の、ならびにプラダー・ウィリー症候群の処置用の医薬の製造のための、式Iの化合物の使用である。
【0022】
本発明の更なる実施態様は、自閉症、ストレス(外傷後ストレス障害を含む)、不安症(不安障害及びうつ病を含む)、統合失調症、精神障害及び記憶喪失、アルコール禁断、薬物中毒の処置のための、ならびにプラダー・ウィリー症候群の処置のための方法であって、有効量の式Iの化合物を投与することを含む、方法である。
【0023】
本発明の一つの更なる実施態様は、
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−プロピル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−ジフルオロメトキシ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリミジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
2,4−ジクロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(1−フルオロ−エチル)−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンゼンスルホンアミド
4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミド
3−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、及び
4−クロロ−2−フルオロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
からなる群より選択される式Iの新規な化合物ならびに治療上不活性な担体を含む、医薬組成物である。
【0024】
本発明の一つの実施態様は、化合物が、下記:
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−プロピル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−ジフルオロメトキシ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリミジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
2,4−ジクロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−(1−フルオロ−エチル)−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−シアノ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンゼンスルホンアミド
4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミド
3−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、及び
4−クロロ−2−フルオロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
である、式Iの新規な化合物である。
【0025】
本発明の一つの更なる実施態様は、式IA:
【化2】

[式中、
は、チアゾリル、ピリミジニル又は1,2,4−チアジアゾリルであり;
は、水素、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンで置換されている低級アルキル又はシクロアルキルであり;
は、フェニルであり;
は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルキル、ハロゲンで置換されている低級アルコキシ、シアノ、ハロゲンで置換されているS−低級アルキル、ハロゲンで置換されているS(O)−低級アルキルであり;
nは、1又は2である]で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る酸付加塩、ラセミ化合物又はその対応する鏡像異性体及び/若しくは光学異性体、例えば、以下の化合物:
N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−エチル−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(2−ピリミジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、又は
4−クロロ−2−フルオロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
である。
【0026】
本発明の式Iの化合物の調製は、逐次又は収束合成経路で実施し得る。本発明の化合物の合成は、以下のスキームにおいて示される。反応及び得られた生成物の精製を実施するために必要とされる技能は、当業者に公知である。以下のプロセスの説明において使用される置換基及び指数は、それと反対のものを示さない限り、本明細書において既定の意味を有する。より詳細には、式Iの化合物は、以下に記載の方法によるか、実施例に記載の方法によるか、又は類似の方法により製造されることができる。個々の反応工程に関して適切な反応条件は、当業者に公知である。また文献に記載されている、本記載の反応に影響する反応条件に関しては、例えば: Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999を参照のこと。本発明者らは、反応を溶媒の存在下又は非存在下で実施することが好都合であることを見出している。溶媒が反応又は関連する試薬に悪影響がなく、かつ溶媒が試薬を少なくともある程度溶解することができることを条件として、用いられる溶媒の性質に特別な制限はない。本記載の反応は、広い範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は本発明にとって重要ではない。本記載の反応を−78℃〜還流までの温度範囲において実施することが好都合である。反応に必要な時間はまた、多くの要因、とりわけ反応温度及び試薬の性質に応じて、広く変化し得る。しかしながら、0.5時間〜数日間の期間が、通常、本記載の中間体及び化合物を生成するのに十分であろう。反応順序は、スキームに表示されたものに限定されないが、出発物質及びそれらのそれぞれの反応性に依存して、反応工程の順序は自由に変更することができる。出発物質は、市販されているか、又は以下に記載の方法と類似の方法により、本明細書で引用されている参考文献若しくは実施例に記載されている方法により、又は当技術分野において公知の方法により調製されることができるかのいずれかである。
【0027】
式Iの本化合物及びその薬学的に許容し得る塩を、当該技術分野において公知の方法、例えば以下に記載する方法で調製することができ、該方法は、
a)式II:
【化3】

で示される化合物を、式III:
【化4】

で示される化合物と反応させて、式I:
【化5】

で示される化合物とし、そして所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容し得る酸付加塩に変換することを含む。
【0028】
【化6】
【0029】
a)アミノ−ピラゾールIIは、市販品であるか、又は方法が当業者に公知の種々のやり方で合成することができるかのいずれかである。しかしながら、本発明者らは、最終ピラゾール誘導体Iを生成するために、IIをスルホニルクロリドIII(市販品であるか、又は方法が当業者に公知の種々のやり方で合成することができるかのいずれかである)と塩基性条件下で反応させることが好都合であることを見出している。
【0030】
化合物の単離及び精製
所望であれば、本明細書において記載されている化合物及び中間体の単離及び精製は、例えば、濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、厚層クロマトグラフィー、分取低圧又は高圧液体クロマトグラフィーあるいはそれらの組み合わせのような、任意の適切な分離又は精製方法によって達成できる。適切な分離及び単離方法の具体的な説明は、本明細書において以下の調製例及び実施例を参照することにより得られことができる。しかしながら、当然、他の同等の分離又は単離手順もまた、使用することもできる。式Iのキラル化合物のラセミ混合物は、キラルHPLCを用いて分離することができる。
【0031】
式Iの化合物の塩
式Iの化合物は、塩基性であり得、かつ対応する酸付加塩に変換され得る。変換は、少なくとも化学量論量の適切な酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)、及び有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸など)を用いた処理により達成される。一般的に、遊離塩基を、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、エタノール又はメタノールなどのような不活性有機溶媒、及び同様の溶媒中に加えた酸に溶解する。温度を0℃〜50℃の間に維持する。得られる塩は、自然に沈殿するか、又はより極性の低い溶媒を用いて溶媒から取り出され得る。
【0032】
式Iの塩基性化合物の酸付加塩は、少なくとも化学量論当量の適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム又はカリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニアなど)を用いた処理により、対応する遊離塩基に変換され得る。
【0033】
式Iの化合物はまた、酸性である場合もある。
【0034】
実験の部:
実施例1
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化7】

ピリジン 1mL中の2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(16.2mg、0.1mmol)(市販品)と4−クロロベンゼン−1−スルホニルクロリド(26.4mg、0.125mmol)との混合物を室温で一晩反応させ、蒸発させた。残留物をメタノール及びギ酸に溶かし、アセトニトリル、水及びギ酸から形成される勾配を用いて溶出する逆相分取HPLCによる精製に付した。生成物を含有する画分を蒸発させて、標記化合物20.7mg(58%)を黄色の粘性油状物として生成した。MS(m/e):335.3(MH)。
【0035】
実施例2
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
【化8】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製して、オフホワイトの固体として単離した。MS(m/e):369.1(MH)。
【0036】
実施例3
4−エチル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化9】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び4−エチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製して、黄色の粘性油状物として単離した。MS(m/e):329.4(MH)。
【0037】
実施例4
4−プロピル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化10】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び4−プロピルベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製して、黄色の粘性油状物として単離した。MS(m/e):343.4(MH+)。
【0038】
実施例5
2−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
【化11】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製して、明黄色の固体として単離した。MS(m/e):403.4(MH+)。
【0039】
実施例6
4−ジフルオロメトキシ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化12】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び4−(ジフルオロメトキシ)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製して、黄色の粘性油状物として単離した。MS(m/e):367.4(MH+)。
【0040】
実施例7
4−クロロ−N−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【化13】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−アミン(市販品)及び4−クロロベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):352.4(MH+)。
【0041】
実施例8
4−シアノ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化14】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製して、オフホワイトの固体として単離した。MS(m/e):326.4(MH+)。
【0042】
実施例9
N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
【化15】

a) 2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
N,N−ジメチルアセトアミド(150mL)中の2−ヒドラジニル−4−メチルチアゾール塩酸塩(5g、30.2mmol)とDIPEA(7.8g、10.5mL、60.4mmol)との混合物を、3−(ジメチルアミノ)アクリロニトリル(2.9g、3.05mL、30.2mmol)で処理して、145℃に4時間加熱した。溶液を室温に冷やし、高真空下で濃縮した。残留物をDCM(50mL)に溶解し、Isolute HM-N(30g)に吸収させ、減圧下で濃縮した。残留物をヘプタン及び酢酸エチルから形成される勾配を用いて溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、生成物を含有する画分の蒸発後に、標記化合物530mg(9.5%)を、明褐色の固体として生成した。MS(m/e):181.2(MH+)。
【0043】
b) N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン及び4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製して、明黄色の固体として単離した。MS(m/e):389.5(MH+).
【0044】
実施例10
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【化16】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン及び4−クロロベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製し、橙色の固体として単離した。MS(m/e):355.4(MH+)。
【0045】
実施例11
4−エチル−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【化17】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン及び4−エチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製し、橙色の固体として単離した。MS(m/e):349.5(MH+)。
【0046】
実施例12
N−(2−ピリミジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
【化18】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、1−(ピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(市販品)及び4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):370.5(MH+)。
【0047】
実施例13
2,4−ジクロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化19】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び2,4−ジクロロベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):367.4(MH+)。
【0048】
実施例14
4−クロロ−2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化20】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び4−クロロ−2−フルオロベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):351.4(MH+)。
【0049】
実施例15
4−(1−フルオロ−エチル)−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化21】

a) 4−アセチル−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び4−アセチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製し、明褐色の固体として単離した。MS(m/e):343.5(MH+)。
【0050】
b) 4−(1−ヒドロキシ−エチル)−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
THF(20mL)/MeOH(5mL)中の4−アセチル−N−(1−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(200mg、0.584mmol)とNaBH(22.1mg、0.584mmol)との混合物を室温で一晩撹拌した。NaCO溶液(10%、水溶液)を加え、30分間撹拌した。pHをpH6〜7に調整して、混合物を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。有機層をブライン(1×50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾別し、減圧下で濃縮して、標記化合物(193mg、0.56mmol、96%)を、オフホワイトのロウ状固体として得た。MS(m/e):345.5(MH+)。
【0051】
c) 4−(1−フルオロ−エチル)−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド
DCM(11mL)中の4−(1−ヒドロキシエチル)−N−(1−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド(100mg、0.290mmol)とDAST(51.5mg、42.2μL、0.319mmol)との混合物を0〜5℃で1時間撹拌した。NaHCO溶液(5%、水溶液、5mL)を加え、pHをpH6〜7に調整した。有機層を分離し、水層を、DCM(2×5mL)を用いて抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾別し、減圧下で濃縮した。残留物をメタノール(4mL)に溶解し、逆相分取HPLCによる精製に付し、生成物を含有する画分の蒸発の後、標記化合物57mg(55%)を、無色の粘性油状物として生成した。MS(m/e):347.6(MH+)。
【0052】
実施例16
N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
【化22】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、1−(4−メチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(市販品)及び4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):383.5(MH+)。
【0053】
実施例17
4−クロロ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【化23】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、1−(4−メチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(市販品)及び4−クロロベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):349.5(MH+)。
【0054】
実施例18
4−エチル−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【化24】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、1−(4−メチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(市販品)及び4−エチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):343.6(MH+)。
【0055】
実施例19
4−シアノ−N−[2−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【化25】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、1−(4−メチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(市販品)及び4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):340.5(MH+)。
【0056】
実施例20
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンゼンスルホンアミド
【化26】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(市販品)及び4−(トリフルオロメチルチオ)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製し、オフホワイトの固体として単離した。MS(m/e):401.5(MH+)。
【0057】
実施例21
4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【化27】

a) 2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
4−ヒドラジニル−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン(533mg、2.99mmol)と(E)−3−(ジメチルアミノ)アクリロニトリル(288mg、2.99mmol)との混合物を、145℃に90分間加熱した。混合物を室温に冷やし、DCM(5mL)に溶解し、isolute HM-Nに吸収させた。混合物を減圧下で濃縮し、ヘプタン及び酢酸エチルから形成される勾配を用いて溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、生成物を含有する画分の蒸発後に、標記化合物500mg(73%)を黄色の固体として得た。MS(m/e):230.2(MH+)。
【0058】
b) 4−トリフルオロメチル−N−[2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、1−(2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン及び4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):436.6(MH+)。
【0059】
実施例22
2−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
【化28】

2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドを、Org Biomol Chem 2010, 8, 5324-5332 中にMalet-Sanz L., Madrzak J., Ley S.V., Baxendale I.R.によって“Preparation of arylsulfonyl chlorides by chlorosulfonylation of in situ generated diazonium salts using a continuous flow reactor”に記載されたフロー手順と同様にして、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)アニリン(市販品)から合成し、その後、4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、1−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(市販品)と反応させて、褐色の固体として単離した。MS(m/e):387.4(MH+)。
【0060】
実施例23
N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミド
【化29】

4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホニルクロリドを、Org Biomol Chem 2010, 8, 5324-5332 中にMalet-Sanz L., Madrzak J., Ley S.V., Baxendale I.R.によって“Preparation of arylsulfonyl chlorides by chlorosulfonylation of in situ generated diazonium salts using a continuous flow reactor”に記載されたフロー手順と同様にして、4−(トリフルオロメチルスルホニル)アニリン(市販品)から合成し、その後、4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、1−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(市販品)と反応させて、明褐色の固体として単離した。MS(m/e):433.5(MH+)。
【0061】
実施例24
3−フルオロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
【化30】

3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドを、Org Biomol Chem 2010, 8, 5324-5332 中にMalet-Sanz L., Madrzak J., Ley S.V., Baxendale I.R.によって“Preparation of arylsulfonyl chlorides by chlorosulfonylation of in situ generated diazonium salts using a continuous flow reactor”に記載されたフロー手順と同様にして、3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)アニリン(市販品)から合成し、その後、4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、1−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(市販品)と反応させて、明褐色の固体として単離した。MS(m/e):387.5(MH+)。
【0062】
実施例25
N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド
【化31】

a) 2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
エタノール(50mL)中の5−クロロ−3−シクロプロピル−1,2,4−チアジアゾール(1.22g、7.6mmol)とヒドラジン一水和物(1.9g、1.85mL、38.0mmol)との混合物を、還流温度で1時間加熱した。混合物を室温に冷やし、減圧下で濃縮し、60℃にて高真空下で乾燥させた。残留物を3−(ジメチルアミノ)アクリロニトリル(1.83g、1.92mL、19.0mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド(30mL)と合わせ、145℃に2時間加熱した。1時間後、3−(ジメチルアミノ)アクリロニトリル(1.1g、1.15mL、11.4mmol)の更なる部分を加えた。溶液を室温に冷やし、高真空下で濃縮した。残留物をDCM(15mL)に溶解し、Isolute HMに吸収させ、減圧下で濃縮し、ヘプタン及び酢酸エチルから形成される勾配を用いて溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、生成物を含有する画分の蒸発後、標記化合物を、オフホワイトの固体として得た。MS(m/e):208.2(MH+)。
【0063】
b) N−[2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−(3−シクロプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン及び4−エチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製した。MS(m/e):374.5(MH+)。
【0064】
実施例26
4−クロロ−2−フルオロ−N−[2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【化32】

4−クロロ−N−(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(実施例1)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物を、2−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン及び4−クロロ−2−フルオロベンゼン−1−スルホニルクロリド(市販品)から調製して、オフホワイトの固体として単離した。MS(m/e):373.5(MH+)。
【0065】
式Iの化合物及びその薬学的に使用可能な付加塩は、有益な薬理学的特性を有する。特に、本発明の化合物はオキシトシン受容体に対する良好な親和性を有することが見いだされた。化合物は、本明細書の以下に記載の試験に従って検討した。
【0066】
材料及び方法
細胞培養及び安定的なクローン生産
ヒトV1a、ヒトオキシトシン(OTR)又はヒトV2受容体のいずれかをコードする発現プラスミドを用いて、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を遺伝子導入し、後に、キメラGqs5 Gタンパクと組み合わせて、シグナルをカルシウムフラックスにリダイレクトした。安定な細胞を限定希釈法によりクローニングし、ヒトV1a、ヒトV2+Gqs5又はヒトOTR受容体のいずれかを発現するモノクローナル細胞株を生成し、受容体活性化後の細胞内のカルシウムフラックスを検出する蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)上で検出された機能的応答に基づいて選定した。安定な細胞株を、湿度95%、10%COインキュベーター中、37℃で、10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン、1%L−グルタメート、200ug/mLのジェネティシンを含有するF−12K栄養混合物(Kaighn改変培地)内で増殖させた。
【0067】
蛍光イメージング(蛍光イメージングプレートリーダー、FLIPR)を用いるカルシウムフラックスアッセイ
アッセイ前の午後に、各ウェルの底から細胞検査及び蛍光測定を可能にする透明な底を有する黒色の96ウェルプレートに、細胞を50,000細胞/ウェルの密度で播種した。細胞の密度は、次の日にコンフルエントな単層を生成するのに十分だった。20mM HEPES(pH7.3)及び2.5mM プロベネシド(アッセイ緩衝液)を含有し、フェノールレッド不含のハンクス平衡塩溶液を、各実験の度に新たに調製した。化合物希釈液は、Beckman Biomek 2000ラボラトリー・オートメーション・ワークステーションを使用して、1%DMSOを含んでいるアッセイ緩衝液で調製した。色素をロードした緩衝液は、アッセイ緩衝液中、最終濃度2μM Fluo−4−AM(DMSO及びプルロニック酸に溶解している)で構成された。存在する培地はウェルから除去され、100μLの色素をロードした緩衝液が各ウェルに添加され、湿度95%、5%CO、インキュベーター中、37℃で約60分間インキュベートした。色素がロードされた後、取り込まれていない色素を除去するため、細胞をEmbla細胞洗浄機でアッセイ緩衝液を用いて十分に洗浄した。厳密に100μLのアッセイ緩衝液が各ウェルに残された。
【0068】
色素がロードされた細胞を含有する各96ウェルプレートを、FLIPR装置中に配置し、弱い基本蛍光を検出するためにレーザー強度を適切なレベルに設定した。化合物をアゴニストとして試験するために、25μLに希釈された化合物を、蛍光測定中にプレートに10秒間加え、蛍光応答を5分間記録した。蛍光データは、最大応答を100%に及び最小応答を0%に設定して、内因性完全アゴニストの用量応答に対して正規化した。各アゴニストの濃度応答曲線は、4パラメーターロジスティック方程式を用いてMicrosoft Excel XLFitで以下の通り構築した。: Y=最小値+((最大値−最小値)/(1+10(LogEC50−X)nH))[式中、yは%正規化された蛍光であり、最小値は最小のyで、最大値は最大のyであり、logEC50は最大誘起蛍光の50%を発生させるlog10濃度であり、xはアゴニスト化合物のlog10濃度であり、Hは曲線の傾き(ヒル係数)である]。最大値はアゴニスト試験化合物の有効性をパーセント表記で与える。最大反応の半分を生じるアゴニストの濃度は、EC50値で表され、その対数がpEC50値を与えた。
【0069】
特定の化合物についてのhEC50(uM)を、表1に提供し得る:
【表1】
【0070】
式Iの化合物及び式Iの化合物の薬学的に許容し得る塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用されることができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、ハード及びソフトゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与されることができる。しかし投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0071】
式Iの化合物は、医薬製剤を製造するために、薬学的に不活性な無機又は有機の担体と共に加工されることができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はそれらの塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及びハードゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。ソフトゼラチンカプセル剤のための適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール類などである。しかし、活性物質の性質に応じて、ソフトゼラチンカプセル剤の場合は、通常担体を必要としない。溶剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール類、グリセリン、植物油などである。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体のポリオールなどである。
【0072】
更に、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含むことができる。それらは、その他の治療上有用な物質も更に含有することができる。
【0073】
式Iの化合物又はその薬学的に許容し得る塩及び治療上不活性な担体を含有する医薬もまた、式Iの化合物及び/又は薬学的に許容し得る酸付加塩の1種以上と、所望により、他の治療上有用な物質の1種以上とを、治療上不活性な担体の1種以上と共に生薬投与形態にすることを含む製造プロセスと同様に、本発明の目的である。
【0074】
用量は、広い範囲内で変えることができ、当然それぞれの特定の症例における個別の要求に適合させなければならない。経口投与の場合、成人用の用量は、一般式Iの化合物の1日当たり約0.01mg〜約1000mg、又はその薬学的に許容し得る塩の対応する量で変えることができる。1日量を、1回量として又は分割量として投与してよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0075】
錠剤の処方(湿式顆粒化)
品目 成分 mg/錠剤
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.無水乳糖DTG 125 105 30 150
3.Sta-Rx 1500 6 6 6 30
4.微晶質セルロース 30 30 30 150
5.ステアリン酸マグネシウム 1 1 1 1
合計 167 167 167 831
【0076】
製造手順
1.品目1、2、3及び4を混合し、精製水と共に造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.品目5を加え、3分間混合し、適切な成形機で圧縮する。
【0077】
カプセルの処方
品目 成分 mg/カプセル
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.含水乳糖 159 123 148 ---
3.トウモロコシデンプン 25 35 40 70
4.タルク 10 15 10 25
5.ステアリン酸マグネシウム 1 2 2 5
合計 200 200 300 600
【0078】
製造手順
1.品目1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.品目4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]