特許第6263573号(P6263573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263573
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】積層電子デバイスとその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   H01L23/12 N
   H01L23/12 501B
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-93767(P2016-93767)
(22)【出願日】2016年5月9日
(65)【公開番号】特開2016-213465(P2016-213465A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2016年5月9日
(31)【優先権主張番号】201510230562.X
(32)【優先日】2015年5月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】焦 佑鈞
(72)【発明者】
【氏名】▲せん▼ 東義
(72)【発明者】
【氏名】林 晨曦
(72)【発明者】
【氏名】何 家▲か▼
(72)【発明者】
【氏名】▲せん▼ 孟璋
(72)【発明者】
【氏名】周 信宏
【審査官】 鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/041189(WO,A1)
【文献】 特開2005−183803(JP,A)
【文献】 特開2007−158352(JP,A)
【文献】 特開平11−163499(JP,A)
【文献】 特開平02−132881(JP,A)
【文献】 特開2003−101245(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0056913(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12−23/15
H01L 23/32
H05K 1/00−1/02
H05K 3/46
B29C 67/00−67/08
B29C 69/00−69/02
B29C 73/00−73/34
B29D 1/00−29/10
B29D 33/00
B29D 99/00
B33Y 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層電子デバイスの製造方法であって、
第一基板を提供する工程と、
第一三次元(3D)印刷を実行して、第一絶縁層、および、複数の第一再配線層(RDL)を、前記第一基板上に形成し、前記複数の第一RDLを、前記第一絶縁層に組み込む工程と、
第二3D印刷を実行して、第二基板、複数の絶縁スペーサ、および、複数のスルーサブストレートビア(TSV)を、前記第一絶縁層上に形成し、前記第二基板は半導体材料を有し、前記複数の絶縁スペーサは前記第二基板と前記複数のTSVを電気的に絶縁し、前記複数のTSVが前記第二基板を貫通し、且つ、前記複数の第一RDLに電気的に接続される工程と、
第三3D印刷を実行して、第二絶縁層、および、複数の第二RDLを、前記第二基板上に形成し、前記複数の第二RDLを、前記第二絶縁層に組み込み、且つ、前記複数のTSVに電気的に接続される工程と、
第三基板の複数の電気的接点を、前記第三基板が前記第二絶縁層に搭載される前記複数の第二RDLに接合する工程と、
を有することを特徴とする積層電子デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記第一基板は、プリント回路板(PCB)、ウェハ、チップ、あるいは、それらの組み合わせを有することを特徴とする請求項1に記載の積層電子デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記第一絶縁層、および、前記第二絶縁層は、セラミック材料、ポリマー材、樹脂材料、または、誘電材料を有することを特徴とする請求項1に記載の積層電子デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記複数の第一RDL、および、前記複数の第二RDLは、アルミニウム、銅、金、または、それらの合金を有することを特徴とする請求項1に記載の積層電子デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記複数のTSVは、タングステン、アルミニウム、銅、金、無鉛はんだ、または、それらの合金を有することを特徴とする請求項1に記載の積層電子デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記第一、第二、および、第三3D印刷は、少なくとも二つのプリントヘッドを有し、前記第一、第二、および、第三3D印刷のそれぞれの期間中、少なくとも二つの異なる材料を同時に形成可能な3Dプリンターにより実行されることを特徴とする請求項1に記載の積層電子デバイスの製造方法。
【請求項7】
積層電子デバイスであって、
第一基板と、
共に前記第一基板上に設置される、第一絶縁層、および、前記第一絶縁層に組み込まれる複数の第一RDLと、
共に前記第一絶縁層上に設置される、半導体材料を有する第二基板、前記第二基板を貫通し前記複数のRDLに電気的に接続される複数のTSV、および、前記第二基板と前記複数のTSVを電気的に絶縁する複数の絶縁スペーサと、
共に前記第二基板上に設置される、第二絶縁層、および、前記第二絶縁層中に組み込まれ前記複数のTSVに電気的に接続される複数の第二RDLと、
前記第二絶縁層上に搭載され、且つ、前記複数の第二RDLに接合される複数のコンタクトを有する第三基板とを有し、
前記第一絶縁層、前記複数の第一RDL、前記第二基板、前記複数のTSV、前記第二絶縁層、および、前記複数のRDLは、3D印刷に用いられる材料で形成されていることを特徴とする積層電子デバイス。
【請求項8】
前記第一絶縁層、および、前記第二絶縁層は、セラミック材料、ポリマー材、樹脂材料、または、誘電材料を有することを特徴とする請求項7に記載の積層電子デバイス。
【請求項9】
前記複数の第一RDL、および、前記複数の第二RDLは、アルミニウム、銅、金、または、それらの合金を有することを特徴とする請求項7に記載の積層電子デバイス。
【請求項10】
前記複数のTSVは、タングステン、アルミニウム、銅、金、無鉛はんだ、または、それらの合金を有することを特徴とする請求項7に記載の積層電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年5月8日に出願された中国特許出願番号第201510230562.X号からの優先権を主張するものであり、これらの全ての記載は引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、半導体技術に関するものであって、特に、3次元(3D)印刷技術を用いて製造される積層(スタック)電子デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0003】
半導体産業の向上発展により、トランジスタ、ダイオード、抵抗(レジスタ)、キャパシタ等の電子デバイス(素子)の集積化、あるいは集積密度が増加している。集積回路(IC)の集積密度をさらに増加させるため、3次元IC(3DIC)が研究されている。一般に、3DICにおいては、スルーサブストレートビア(TSV)を電気的接続経路として、ウェハまたはチップの積層構造(スタック構造)を完成させ、これにより、電子デバイスの集積度や密度を増加している。
【0004】
3DICの製造においては、チップまたはウェハが、互いに基板(たとえば、チップ、ウェハ、プリント回路基板(PCB))と接合され、且つ、電気的接続が、各チップ/ウェハ、および、基板のコンタクト間に形成される。さらに、TSVは、通常、ドライエッチングまたはレーザードリルプロセスを用いて、基板(たとえば、チップまたはウェハ)中にビアホールを形成し、ビアホールに導電材料を充填することにより製造される。その後、基板、別のウェハ/チップ、および、キャリア基板が積層状態に配置され、その後、化学機械研磨(CMP)プロセスにより、基板薄化プロセスを実行して、ビアホールを導電材料を露出したスルーホールにし、TSVを形成する。最後に、キャリア基板を除去して、積層電子デバイスを完成する。ボンディングワイヤを利用した従来の電子デバイスと比較して、TSVを有する3D積層電子デバイスは、内部の電気的接続経路を短縮させることができ、これにより、デバイスの伝送速度を加速し、ノイズを減少させ、デバイス性能を向上させることができる。
【0005】
しかし、上述のように、TSVの製造は、ビアホールの形成、導電材料によるビアホールの充填、基板の薄化、キャリア基板の除去等の工程を含むので、製造時間を効果的に減少させたり、プロセスを簡潔にしたり、コストを抑えたりすることができない。よって、上述の問題を改善する積層電子デバイスを製造する方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、製造時間を短縮し、製造プロセスを簡潔にし、コストを抑制することができる積層電子デバイスとその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の積層電子デバイスの製造方法は、以下の工程を有する。まず、本方法は、第一基板を提供する工程を有する。第一三次元(3D)印刷を実行して、第一絶縁層、および、第一再配線層(RDL)を、第一基板上に形成する。複数の第一RDLを第一絶縁層に組み込む。第二3D印刷を実行して、第二基板、および、複数のスルーサブストレートビア(TSV)を、第一絶縁層上に形成する。複数のTSVは第二基板を貫通し、且つ、複数の第一RDLに電気的に接続される。第三3D印刷を実行して、第二絶縁層、および、複数の第二RDLを、第二基板上に形成する。複数の第二RDLを第二絶縁層に組み込むとともに、複数のTSVに電気的に接続される。第三基板の複数の電k的接点が、複数の第二RDLに接合されて、第三基板を第二絶縁層に搭載する。
【0008】
本発明は、また、積層電子デバイスを提供する。積層電子デバイスは、第一基板を有する。第一絶縁層、および、複数の第一RDLを第一基板上に設置する。複数の第一RDLを第一絶縁層に組み込む。第二基板、および、複数のTSVを、第一絶縁層上に設置する。複数のTSVは第二基板を貫通し、且つ、複数の第一RDLに電気的に接続される。第二絶縁層、および、複数の第二RDLを、第二基板上に設置する。複数の第二RDLを第二絶縁層に組み込むとともに、複数のTSVに電気的に接続される。第三基板を第二絶縁層に搭載する。第三基板は、複数の第二RDLに接合される複数の電気的接点を有する。第一絶縁層、複数の第一RDL、第二基板、複数のTSV、第二絶縁層、および、複数のRDLは、3D印刷に用いられる材料で形成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造時間を短縮し、製造プロセスが簡潔になり、製造コストも減少することができる積層電子デバイスとその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
次に、本発明が充分理解できるように、添付図面を参照しながら本発明を説明する。
図1図1は、本発明の一実施形態による積層電子デバイスを製造する方法を説明する第1の断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による積層電子デバイスを製造する方法を説明する第2の断面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による積層電子デバイスを製造する方法を説明する第3の断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による積層電子デバイスを製造する方法を説明する第4の断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による積層電子デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記述は、本発明を実施する最適な実施形態の例である。ただし、この説明は、本発明の一般的原理を説明するためのものであり、本発明はこれに限定されると解釈されるべきではない。なお、本実施形態の記載では、各実施形態において、同じ参照番号を繰り返し使用している場合がある。これは、説明を簡潔にするとともに説明をはっきりわかりやすくするためのものであり、記載される各実施形態、および/または、各配置等の間の関係の限定的な解釈を許容するためのものではない。
【0012】
図4は、本発明による積層電子デバイスの断面図である。積層電子デバイス200は、第一基板100、第一絶縁層102、複数のRDL104、第二基板106、複数のTSV108、第二絶縁層110、複数の第二RDL112、および、第三基板130を有する。一実施形態において、第一基板100は、PCB、ウェハ、チップ、または、それらの組み合わせである。
【0013】
第一絶縁層102、および、複数の第一RDL104を、第一基板100上に設置し、複数の第一RDL104を、第一絶縁層102に組み込み、且つ、第一基板100の接続部(コンタクト、電気的接点、接続端子)(図示されない)に電気的に接続される。第一基板100の接続部は、パッド、はんだバンプ、導電ポスト、または、それらの組み合わせを有する。ここでは、図を簡潔にするため、二個の単一の導電層だけで、複数の第一RDL104を表示している。しかし、注意すべきことは、複数の第一RDL104は、それぞれ、単一の導電層、または、マルチレイヤー導電構造(層)を有し、且つ、第一RDL104の数量は、設計上の要求に基づき、図4に示されるものに限定されないことである。
【0014】
本実施形態において、第一絶縁層102、および、複数の第一RDL104は、3D印刷に用いられる材料で形成される。たとえば、第一絶縁層102は、3D印刷技術に用いられるセラミック材料、ポリマー材、樹脂材料、または、誘電材料を有する。さらに、複数の第一RDL104は、3D印刷技術に用いられる導電性金属、たとえば、アルミニウム、銅、金、無鉛はんだ、それらの合金、または、その他の金属合金を有する。
【0015】
第二基板106、および、複数のTSV108を、第一絶縁層102上に設置する。複数のTSV108は、第二基板106を貫通し、且つ、複数の第一RDL104に電気的に接続される。ここでは、図を簡潔にするため、二個のTSVだけが示されている。しかし、注意すべきことは、TSV108の数量は設計上の要求に基づき、図4に示されるものに限定されないことである。
【0016】
本実施形態において、第二基板106には、アクティブ素子またはパッシブ素子が含まれない。さらに、第二基板106、および、複数のTSV108は、3D印刷に用いられる材料で形成される。たとえば、第二基板106は、3D印刷技術に用いられる成型材料、セラミック材料、ポリマー材、樹脂材料、または、誘電材料を有する。さらに、複数のTSV108は、3D印刷技術に用いられる導電性金属、たとえば、タングステン、アルミニウム、銅、金、無鉛はんだ、それらの合金、または、その他の金属合金を有する。
【0017】
別の実施形態において、第二基板106は、半導体材料、たとえば、シリコン、または、ゲルマニウムを有する。この場合、積層電子デバイス200は、さらに、絶縁スペーサを有して、第二基板106と複数のTSV108を電気的に絶縁する。絶縁スペーサは、3D印刷技術に用いられるセラミック材料、ポリマー材、樹脂材料、または、誘電材料を有する。
【0018】
第二絶縁層110、および、複数の第二RDL112を、第二基板106に設置し、複数の第二RDL112を、第二絶縁層110に組み込み、且つ、複数のTSV108に電気的に接続させる。ここでは、図を簡潔にするため、二個の単一の導電層だけで、複数の第二RDL112を表示している。しかし、注意すべきことは、複数の第二RDL112は、それぞれ、単一の導電層、または、マルチレイヤー導電構造(層)を有し、第二RDL112の数量は、設計の需要に基づき、図4に示されるものに限定されない。
【0019】
本実施形態において、第二絶縁層110、および、複数の第二RDL112は、3D印刷に用いられる材料で形成される。たとえば、第二絶縁層110は、3D印刷技術に用いられるセラミック材料、ポリマー材、樹脂材料、または、誘電材料を有する。さらに、複数の第二RDL112は、3D印刷技術に用いられる導電性金属、たとえば、アルミニウム、銅、金、無鉛はんだ、それらの合金、または、その他の金属合金を有する。
【0020】
第三基板130を、第二絶縁層110に搭載する。本実施形態において、第三基板130は、ウェハ、チップ、あるいは、それらの組み合わせである。さらに、第三基板130は、複数の第二RDL112に接合される複数の電気的接点(電極、コンタクト、接続部、接続端子)120を有する。複数の接点120は、パッド、はんだバンプ、導電ポスト、または、それらの組み合わせである。ここで、複数の接点120は、はんだバンプを例としている。
【0021】
次に、図1から図4、および、図5を参照する。図1から図4は、本発明の一実施形態による積層電子デバイスを製造する方法の断面図で、図5は、本発明の一実施形態による積層電子デバイスの製造方法300のフローチャートである。
【0022】
本実施形態の積層電子デバイスの製造方法300においては、図1に示されるように、まず、ステップ301において、第一基板100を提供する。一実施形態において、第一基板100は、PCB、ウェハ、チップ、または、それらの組み合わせである。第一基板100は、接続部(コンタクト、電気的接点、接続端子)(図示されない)を有する。接続部は、たとえば、パッド、はんだバンプ、導電ポスト、または、それらの組み合わせである。
【0023】
次に、図1図5を参照すると、ステップ303において、3Dプリンター10を用いて、第一3D印刷20を実行して、第一絶縁層102、および、複数の第一RDL104を、第一基板100上に形成する。複数の第一RDL104は、第一絶縁層102に組み込まれ、且つ、第一基板100の接続部(図示されない)に電気的に接続される。
【0024】
本実施形態において、3Dプリンター10は、複数のプリントヘッドを有し、第一3D印刷20開始後、第一絶縁層102、および、複数の第一RDL104を同時に形成する。たとえば、第一3D印刷20期間中、3Dプリンター10は、第一基板100に平行な方向に沿って往復移動し、第一プリントヘッド10aを用いることにより、第一絶縁層102を形成し、第二プリントヘッド10bを用いることにより、複数の第一RDL104を形成する。本実施形態において、第一絶縁層102は、3D印刷技術に用いられるセラミック材料、ポリマー材、樹脂材料、または、誘電材料を有する。さらに、複数の第一RDL104は、導電性金属、たとえば、アルミニウム、銅、金、無鉛はんだ、それらの合金、または、その他の金属合金を有する。
【0025】
次に、図2図5を参照すると、ステップ305において、3Dプリンター10を用いることにより、第一3D印刷20と同様の第二3D印刷20’を実行して、第二基板106、および、複数のTSV108を、第一絶縁層102上に形成する。複数のTSV108は、第二基板106を貫通し、且つ、複数の第一RDL104に電気的に接触される。
【0026】
本実施形態においては、第二3D印刷20’実行開始後、第二基板106、および、複数のTSV108が同時に形成される。たとえば、第二3D印刷20’期間中、第二基板106が、第一プリントヘッド10aを用いて形成され、第二プリントヘッド10bを用いて、複数のTSV108が形成される。本実施形態において、第二基板106は、3D印刷技術に用いられる成型材料、セラミック材料、ポリマー材、樹脂材料、または、誘電材料を有する。さらに、複数のTSV108は、導電性金属、たとえば、タングステン、アルミニウム、銅、金、無鉛はんだ、それらの合金、または、その他の金属合金を有する。
【0027】
本実施形態においては、第二3D印刷20’を実行する時間が調整されて、第二基板106は所望の厚さに形成される。さらに、複数のTSV108は、第二基板106を貫通するので、複数のTSV108は、第二基板106表面から露出する。これにより、研磨プロセス(たとえば、CMPプロセス)を実行して、第二基板106の厚さを調整して、複数のTSV108を形成する、すなわち第2基板106の表面に露出させる必要がない。
【0028】
別の実施形態において、第二基板106は、半導体材料(たとえば、シリコン、または、ゲルマニウム)を有する構成であってもよい。すなわち、第二基板106は、3D印刷技術に用いられる半導体材料を有する。この場合、3Dプリンター10は、少なくとも3個のプリントヘッドを有し、第二3D印刷20’を実行して、第二基板106、複数のTSV108とともに、さらに、絶縁スペーサを形成し、第二基板106と複数のTSV108を電気的に絶縁する。絶縁スペーサは、セラミック材料、ポリマー材、樹脂材料、または、誘電材料を有する。
【0029】
次に、図3図5を参照すると、ステップ307において、3Dプリンター10を用いて、第一3D印刷20と同様の第三3D印刷20”を実行して、第二絶縁層110および複数の第二RDL112を、第二基板106上に形成する。複数の第二RDL112は、第二絶縁層110に組み込まれ、且つ、複数のTSV108に電気的に接続される。
【0030】
本実施形態においては、第三3D印刷20”実行開始後、第二絶縁層110、および、複数の第二RDL112が同時に形成される。たとえば、第三3D印刷20”期間中、第二絶縁層110を、3Dプリンター10の第一プリントヘッド10aを用いることにより形成し、複数の第二RDL112は、3Dプリンター10の第二プリントヘッド10bを用いることにより形成される。本実施形態において、第二絶縁層110は、第一絶縁層102と同じ、または、異なる材料を有する。さらに、複数の第二RDL112は、複数の第一RDL104と同じ、または、異なる材料を有する。
【0031】
次に、図4図5を参照すると、ステップ309において、第三基板130の複数の電気的接点(電極)120を、複数の第二RDL112に接合して、第三基板130を、第二絶縁層110上に搭載する。本実施形態において、第三基板130は、ウェハ、チップ、あるいは、それらの組み合わせである。さらに、複数の接点120を、複数の第二RDL112に接合する。複数の接点120は、パッド、はんだバンプ、導電ポスト、または、それらの組み合わせを有する。たとえば、第三基板130はチップを有し、複数の接点120は、複数のはんだバンプを有する。さらに、複数の接点120は、フリップチップ技術により、複数の第二RDL112に接合する。
【0032】
前述の実施形態によると、第一絶縁層102と複数の第一RDL104、第二基板106と複数のTSV108、第二絶縁層110と複数の第二RDL112が、各々、3D印刷により順序よく形成されるので、積層電子デバイスの製造時間を効果的に減少させることができる。さらに、3D印刷により形成されるTSVは、高いアスペクト比により生じるギャップ充填困難度を排除することができる。その結果、高い信頼性のTSVが達成される。さらに、TSVの従来の製造方法と比較して、3D印刷を利用したTSVの形成は、ビアホールを形成する、ビアホールを導電材料で充填する、基板を薄化する、および、キャリア基板を除去する等の工程が不要である。よって、デバイスを製造するプロセスが効果的に簡潔になり、製造コストも減少すると同時に、上述の余分なステップにより生じる技術問題も排除される。
【0033】
本発明では好ましい実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の技術的思想を脱しない範囲内で各種の変更や改変を加えることができる。従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0034】
10…3Dプリンター
10a…第一プリントヘッド
10b…第二プリントヘッド
20…第一3D印刷
20’…第二3D印刷
20”…第三3D印刷
100…第一基板
102…第一絶縁層
104…第一再配線層
106…第二基板
108…スルーサブストレートビア
110…第二絶縁層
112…第二再配線層
200…積層電子デバイス
300…積層電子デバイスの製造方法
301、303、305、307、309…ステップ
図1
図2
図3
図4
図5