(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263580
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】エコカーサウンドジェネレーター調整装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B60Q 5/00 20060101AFI20180104BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20180104BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20180104BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
B60Q5/00 650B
B60Q5/00 650A
B60Q5/00 620A
B60Q5/00 660B
B60R11/02 S
G10K15/04 302J
H04R3/00 310
【請求項の数】18
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-128854(P2016-128854)
(22)【出願日】2016年6月29日
(65)【公開番号】特開2017-13786(P2017-13786A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2016年7月1日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0093096
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】510086475
【氏名又は名称】エルエス オートモーティブ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】クォン、テウ
【審査官】
鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/145187(WO,A1)
【文献】
特開2006−264390(JP,A)
【文献】
特開2013−205478(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/061084(WO,A1)
【文献】
特開2002−123262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 5/00− 7/02
G10K15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と;
エコカーに配置されて歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と;
前記音響出力部に離隔配置されて、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部と;
前記音響感知部で感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と;
前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と;
前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と;を含み、
前記音響調整部は、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含み、
前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ピッチ調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるピッチ調整比だけ調整するピッチ調整制御信号を印加することを特徴とする、
エコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項2】
前記複数の周波数帯域は、500Hz以下の低周波帯域と、2000Hz以上5000Hz未満の中周波帯域と、5000Hz以上の高周波帯域を含むことを特徴とする請求項1に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項3】
前記ピッチ調整ポイントの間には線形接続が形成され、前記ピッチ調整ポイントが位置調整される場合、前記線形接続も連動して調整されることを特徴とする請求項2に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項4】
前記ピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比は、1km/h当たり1%以上であることを特徴とする請求項3に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項5】
前記ボリューム調整ポイントの間には線形接続が形成され、前記ボリューム調整ポイントが位置調整される場合、前記線形接続も連動して調整されることを特徴とする請求項2に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項6】
内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と;
エコカーに配置されて歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と;
前記音響出力部に離隔配置されて、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部と;
前記音響感知部で感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と;
前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と;
前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と;を含み、
前記音響調整部は、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含み、
前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ボリューム調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるボリューム調整比だけ調整するボリューム調整制御信号を印加することを特徴とする、
エコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項7】
内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と;
エコカーに配置されて歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と;
前記音響出力部に離隔配置されて、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部と;
前記音響感知部で感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と;
前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と;
前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と;を含み、
前記音響調整部は、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含み、
前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ピッチ調整ポイント及び前記ボリューム調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるピッチ調整比及びボリューム調整比だけ調整するピッチ及びボリューム調整制御信号を印加することを特徴とする、
エコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項8】
内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と;エコカーに配置されて歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と;前記音響出力部に離隔配置されて、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部と;前記音響感知部で感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と;前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と;前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と;を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供する提供ステップと;
前記音響感知部がエコカーの音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する感知ステップと;
前記音響感知部が感知した歩行者車両認知音響を複数の周波数帯域毎に抽出分割して、前記格納部の音響格納部に格納する音響抽出格納ステップと;
前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを比較する音響比較ステップと;
前記音響比較ステップで前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整ステップと;を含み、
前記音響調整部は:前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含み、
前記音響調整ステップは、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ピッチ調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるピッチ調整比だけ調整するピッチ調整制御信号を印加するピッチ調整ステップを含むことを特徴とする、
エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法。
【請求項9】
内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と;エコカーに配置されて歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と;前記音響出力部に離隔配置されて、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部と;前記音響感知部で感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と;前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と;前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と;を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供する提供ステップと;
前記音響感知部がエコカーの音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する感知ステップと;
前記音響感知部が感知した歩行者車両認知音響を複数の周波数帯域毎に抽出分割して、前記格納部の音響格納部に格納する音響抽出格納ステップと;
前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを比較する音響比較ステップと;
前記音響比較ステップで前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整ステップと;を含み、
前記音響調整部は:前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含み、
前記音響調整ステップは、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ボリューム調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるボリューム調整比だけ調整するボリューム調整制御信号を印加するボリューム調整ステップを含むことを特徴とする、
エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法。
【請求項10】
前記複数の周波数帯域は、500Hz以下の低周波帯域と、2000Hz以上5000Hz未満の中周波帯域と、5000Hz以上の高周波帯域を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法。
【請求項11】
前記ピッチ調整ポイントの間には線形接続が形成され、前記ピッチ調整ポイントが位置調整される場合、前記線形接続も連動して調整されることを特徴とする請求項10に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法。
【請求項12】
前記ピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比は、1km/h当たり1%以上であることを特徴とする請求項11に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法。
【請求項13】
前記ボリューム調整ポイントの間には線形接続が形成され、前記ボリューム調整ポイントが位置調整される場合、前記線形接続も連動して調整されることを特徴とする請求項10に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法。
【請求項14】
内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と;
歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と;
前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と;
前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と;
前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と;を含み、
前記音響調整部は、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含み、
前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ピッチ調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるピッチ調整比だけ調整するピッチ調整制御信号を印加することを特徴とする、
エコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項15】
前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部をさらに備えて、前記音響感知部は、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知したことと仮想処理されて信号伝達される仮想音響感知部をさらに備え、前記音源音響抽出部は、前記音響感知部で仮想感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割することを特徴とする請求項14に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項16】
前記音響出力部は、前記音響再生部側から伝達された音響再生データを仮想処理されて歩行者車両認知音響として出力する仮想音響出力部であることを特徴とする請求項15に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置。
【請求項17】
内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と;歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と;前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と;前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と;前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と;を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供する提供ステップと;
前記制御部がエコカーの音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を複数の周波数帯域毎に抽出分割して、前記格納部の音響格納部に格納する音響抽出格納ステップと;
前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを比較する音響比較ステップと;
前記音響比較ステップで前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整ステップと;を含み、
前記音響調整部は:前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含み、
前記音響調整ステップは、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ピッチ調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるピッチ調整比だけ調整するピッチ調整制御信号を印加するピッチ調整ステップを含むことを特徴とする、
エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法。
【請求項18】
前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部をさらに備えて、前記音響感知部は、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知したことと仮想処理されて信号伝達される仮想音響感知部をさらに備えて、前記音源音響抽出部は、前記音響感知部で仮想感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割して、前記音響抽出格納ステップの実行前に、前記仮想音響感知部がエコカーの音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知することと仮想信号伝達する仮想感知ステップをさらに備え、前記音響抽出格納ステップで前記音響感知部が仮想感知した歩行者車両認知音響が複数の周波数帯域毎に抽出分割されることを特徴とする請求項17に記載のエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境に優しい車両、つまりエコカーサウンドジェネレーター調整装置およびその制御方法に関する。より詳細には、運転者と歩行者に伝達出力を可能にして、それにより歩行者の安全をさらに確保することができるだけでなく、運転者に対して安全運行を誘導することができるように、実際のエンジン音に近く認知性を大幅に増大させた仮想音、すなわち作動音を生成及び調整するエコカーサウンドジェネレーター調整装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギー枯渇による代替輸送手段としてエコカーの開発が盛んに行われている。エコカーとしては、代表的にハイブリッド車(Hybrid Vehicle)、電気自動車(Electric Vehicle)、水素燃料電池自動車(Fuel Cell Electric Vehicle)などがあるが、これらのエコカーは、エンジンが作動する方式ではないので、従来の内燃機関車両とは異なり、走行時にエンジンの騒音などが発生しない。したがって、このようなエコカーについては周辺の歩行者保護のための法律の制定が準備中であり、これらの法律の制定と関連したエコカーの仮想作動サウンド発生システムの研究開発が必要な実情である。
【0003】
つまり、ハイブリッド車、電気自動車、水素燃料電池自動車などのエコカーは、ガソリン車とディーゼル車から発生するエンジン特有の音が発生していないが、これにより、車が歩行者に向かって接近または路地や屋内駐車場のような場所で歩行者が車を認知できず、事故が発生するなど、車の騒音が発生しないため運転者も車の始動状態、あるいは車の現在の状態について認知しにくい問題がある。
【0004】
それだけでなく、電気自動車や水素燃料電池自動車のようにエネルギーを充電する必要があるシステムの車では、充電器に接続して充電する場合、充電が開始されたか否か、または完了したか否かを分かりづらく、バッテリーの放電または燃料不足によるリスクについて運転者が認識することができる車両の情報が不足して、使用するには非常に不便な問題がある。
【0005】
これらの問題を解決するために、最近ではエコカーにおいて仮想のエンジン音を発生させる装置が開発されているが、現在開発されている仮想のエンジン音発生装置は、単に車の走行に伴うエンジン類似音を発生させる程度であり、歩行者や運転手に様々な機能が提供できず、車の現在の状態についての情報提供などが不足して、依然としてその技術レベルが低い。
【0006】
特に、車の始動をかけても、特有の車の起動音が発生していないため、車の始動状態を知ることができず、単にメーター・パネル(cluster)に車が走行できるとのフレーズだけを表示して運転者に現在の車の状態を伝達するに当たり不足がある。エコカーに仮想のエンジン音を発生する装置があるにしても、現在は特定の速度区間で走行している場合は、単に車の速度に応じて車両類似音を発生させて、ボリュームを増加したり、あるいは減少して歩行者に車両の接近を知らせるが、実際運転者が加減速をする行為と発生する車の仮想エンジン音が多少異なっており、運転者と歩行者に若干抵抗感が感じられるとの問題点がある。また、自動車の走行の主体となる運転者に現在の車の状態を知らせることができず、運転者が現在の車の状態を正確に把握できない問題点もある。
【0007】
また、このような従来技術の場合、単に音響のボリューム調整だけ行うが、このようなボリュームの調整に対する全体的な自己診断を介した正常音源出力の可否の確認が困難であった。
【0008】
先行技術としては、韓国登録特許第10−985767号などがある。
また、このような従来技術の場合、エンジン類似音を出力するが、音源自体の認知性が弱いか、単に速度に応じてボリュームを単純増加感させる構造を取っているが、このような音源使用の場合、周辺の騒音との関係で歩行者に正確に伝達されるか否かを確認する必要性が増大している。このような認知性確認過程は、繰り返し作業を介して実行されるべきであるが、音源を調整して出力してさらに確認する繰り返し過程上、相当の時間と労力を要する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術の問題点を解決するために発明されたものであって、本発明の目的は、実際の内燃機関の単一エンジン音から複数の周波数帯域に対してサンプル音源を形成し、ピッチシフトおよびボリュームレベルの調整をなして、車の走行速度に応じて当該サンプル音源をミキシング出力生成することにより、周波数帯域毎の迅速な調整を可能にして認知性の拡大をなす音源導出を可能にして、それにより歩行者の安全をさらに確保することができるだけでなく、運転者に対して安全運行を誘導することができるエコカーサウンドジェネレーターの製造を可能にするエコカーサウンドジェネレーター調整装置及びその制御方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、ピッチシフトとボリュームレベルの調整を車の走行速度に応じて周波数帯域毎に変動させるピッチ調整ポイント及びボリューム調整ポイントを提供し、これらの間の接続は、線形連動構造をなして簡単かつ迅速な音源の調整を可能にすることで、作業者の作業時間短縮およびこれによって製造コストの低減をなすエコカーサウンドジェネレーター調整装置及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と、エコカーに配置されて歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と、前記音響出力部に離隔配置されて、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部と、前記音響感知部で感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と、前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と、前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と、を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供する。
【0012】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記音響調整部は、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含んでもよい。
【0013】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記複数の周波数帯域は、500Hz以下の低周波帯域と、2000Hz以上5000Hz未満の中周波帯域と、5000Hz以上の高周波帯域を含んでもよい。
【0014】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記ピッチ調整ポイントの間には線形接続が形成され、前記ピッチ調整ポイントが位置調整される場合、前記線形接続も連動して調整されてもよい。
【0015】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記ピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比は、1km/h当たり1%以上であってもよい。
【0016】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記ボリューム調整ポイントの間には線形接続が形成され、前記ボリューム調整ポイントが位置調整される場合、前記線形接続も連動して調整されてもよい。
【0017】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ピッチ調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるピッチ調整比だけ調整するピッチ調整制御信号を印加してもよい。
【0018】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ボリューム調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるボリューム調整比だけ調整するボリューム調整制御信号を印加してもよい。
【0019】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ピッチ調整ポイント及び前記ボリューム調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるピッチ調整比及びボリューム調整比だけ調整するピッチ及びボリューム調整制御信号を印加してもよい。
【0020】
本発明の他の一面によると、本発明は、内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と、エコカーに配置されて歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と、前記音響出力部に離隔配置されて、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部と、前記音響感知部で感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と、前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と、前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と、を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供する提供ステップと、前記音響感知部がエコカーの音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する感知ステップと、前記音響感知部が感知した歩行者車両認知音響を複数の周波数帯域毎に抽出分割して、前記格納部の音響格納部に格納する音響抽出格納ステップと、前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを比較する音響比較ステップと、前記音響比較ステップで前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整ステップと、を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法を提供する。
【0021】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法において、前記音響調整部は、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含み、前記音響調整ステップは、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ピッチ調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるピッチ調整比だけ調整するピッチ調整制御信号を印加するピッチ調整ステップを含んでもよい。
【0022】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法 において、 前記音響調整部は、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるピッチ調整ポイントを含むピッチ調整部と、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含むボリューム調整部と、を含み、前記音響調整ステップは、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記制御部は、前記音響調整部に当該周波数帯域の前記ボリューム調整ポイントを前記格納部に事前設定データに含まれるボリューム調整比だけ調整するボリューム調整制御信号を印加するボリューム調整ステップを含んでもよい。
【0023】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法において、前記複数の周波数帯域は、500Hz以下の低周波帯域と、2000Hz以上5000Hz未満の中周波帯域と、5000Hz以上の高周波帯域を含んでもよい。
【0024】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法において、前記ピッチ調整ポイントの間には線形接続が形成され、前記ピッチ調整ポイントが位置調整される場合、前記線形接続も連動して調整されてもよい。
【0025】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法において、前記ピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比は、1km/h当たり1%以上であってもよい。
【0026】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法において、前記ボリューム調整ポイントの間には線形接続が形成され、前記ボリューム調整ポイントが位置調整される場合、前記線形接続も連動して調整されてもよい。
【0027】
本発明のさらに他の一面によると、本発明は、内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と、歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知したことと仮想処理されて信号伝達される仮想音響感知部と、前記音響感知部で仮想感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と、前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と、前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と、を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供する。
【0028】
本発明のさらに他の一面によると、本発明は、内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と、歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知したことと仮想処理されて信号伝達される仮想音響感知部と、前記音響感知部で仮想感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と、前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と、前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と、を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供する提供ステップと、前記仮想音響感知部がエコカーの音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知することと仮想信号伝達する仮想感知ステップと、前記音響感知部が仮想感知した歩行者車両認知音響を複数の周波数帯域毎に抽出分割して、前記格納部の音響格納部に格納する音響抽出格納ステップと、前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを比較する音響比較ステップと、前記音響比較ステップで前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整ステップと、を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法を提供する。
【0029】
本発明のさらに他の一面によると、本発明は、内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と、歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と、前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と、前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と、を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供する。
【0030】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部をさらに備えて、前記音響感知部は、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知したことと仮想処理されて信号伝達される仮想音響感知部をさらに備え、前記音源音響抽出部は、前記音響感知部で仮想感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割することを特徴とするエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供することもできる。
【0031】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置において、前記音響出力部は、前記音響再生部側から伝達された音響再生データを仮想処理されて歩行者車両認知音響として出力する仮想音響出力部であってもよい。
【0032】
本発明のさらに他の一面によると、本発明は、内燃機関車両の実際の単一エンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納する音源格納部及び周波数帯域毎の基準音響レベルデータを格納する基準データ格納部を含む格納部と、歩行者車両認知音響を出力する音響出力部と、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割する音源音響抽出部と、前記音源音響抽出部で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを前記格納部の音響格納部に格納させる制御部と、前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較する音響比較部と、前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整部と、前記音響出力部で歩行者車両認知音響を出力するように前記複数の周波数帯域のサンプル調整音源データをミキシングして前記音響出力部側に伝達する音響ミキシング部と、を含む音響再生部と、を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置を提供する提供ステップと、前記仮想音響感知部がエコカーの音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を複数の周波数帯域毎に抽出分割して、前記格納部の音響格納部に格納する音響抽出格納ステップと、前記制御部の比較制御信号に応じて前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータと前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データを比較する音響比較ステップと、前記音響比較ステップで前記複数の周波数帯域毎の抽出音響データが、前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、前記複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整ステップと、を含むエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法を提供する。
【0033】
前記エコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法において、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知する音響感知部をさらに備えて、前記音響感知部は、前記音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知したことと仮想処理されて信号伝達される仮想音響感知部をさらに備えて、前記音源音響抽出部は、前記音響感知部で仮想感知された歩行者車両認知音響を前記複数の周波数帯域毎に抽出分割して、前記音響抽出格納ステップの実行前に、前記仮想音響感知部がエコカーの音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知することと仮想信号伝達する仮想感知ステップをさらに備え、前記音響抽出格納ステップで前記音響感知部が仮想感知した歩行者車両認知音響が複数の周波数帯域毎に抽出分割されてもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明によると、認知性が増大された歩行者車両認知出力音を迅速に形成して確認可能にすることで、作業者の調整時間短縮及び作業者の作業回数を減少させて製造期間を短縮して、製造コストを低減させる効果がある。
また、作業者の回当たり調整時間が減少されることで、当該作業期間内認知性が拡大された警告音源導出が可能で、これにより、歩行者の安全をさらに確保することができるだけでなく、運転者に対して安全運行を誘導することができるサウンドジェネレーターの製造を可能にする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の構成を機能的に示す機能ブロック図。
【
図2】本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の具体的な構成を機能的に示す拡大機能ブロック図。
【
図3】本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置のエコカーの出力音響を感知する状態を示す作動状態図。
【
図4】本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置のピッチ調整ポイント及びボリューム調整ポイントを例示的に表現する車両速度対比周波数及びボリューム線図。
【
図5】本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法のフローチャート。
【
図6】本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法の具体的なフローチャート。
【
図7】本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法の具体的なフローチャート。
【
図8】本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法の具体的なフローチャート。
【
図9】本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法の具体的なフローチャート。
【
図10】本発明の他の実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の構成を機能的に示す機能ブロック図。
【
図11】本発明の他の実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法の概略的なフローチャート。
【
図12】本発明の他の実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法の概略的なフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態による光学分析用セルについて詳述する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を附すに際して、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面の上に表示されていてもできる限り同じ符号を附していることに留意されたい。また、本発明を説明するに当たって、関連する公知構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0037】
本発明の一実施形態に係るエコカーサウンドジェネレーター調整装置1は、歩行者に認知可能性を増大させて、エコカーの走行などの状況で歩行者車両認知音響で歩行者が車の存在を確実に認知することにより、車両事故の発生を防止するようにする車両歩行者認知音響生成を可能にするエコカーサウンドジェネレーター調整装置である。
エコカーサウンドジェネレーター調整装置1は、音響感知部10と制御部20と格納部30と音響抽出部40と音響再生部50と音響出力部70を含み、本実施形態では、音響再生部50から音響出力部70側に伝達される音源データを増幅させて音響出力部70に伝達する音源増幅部60がさらに備えられる。
【0038】
本実施形態のエコカーサウンドジェネレーター調整装置1は、実際の内燃機関車両のエンジン音を音源として格納する。より具体的には、格納部30は、音源格納部31を含むが、音源格納部31は、内燃機関車両の実際のエンジン音を格納して、実際のエンジン音は、単数の単一エンジン音を音源として格納するが、単一エンジン音を複数の周波数帯域毎に分割して個別格納する。つまり、音源格納部31は、内燃機関車両の実際の単一エンジン音を録音取得した後、これを周波数帯域毎に分割して複数の周波数帯域毎のサンプル音源データを格納するが、音源格納部31は、本実施形態では低周波音源格納部311と中周波音源格納部313と高周波音源格納部315を含むことができる。
本実施形態では、音源格納部31に格納される実際の内燃機関のエンジン音の複数の周波数帯域毎のサンプル音源データは、事前に格納される方式で記述されたが、場合によっては下記の音響感知部で感知されて、音源音響抽出部40で周波数帯域毎に抽出分割格納される構造を取ってもよい。
【0039】
本発明の格納部30は、音響格納部33も含むが、音響格納部33は、下記の音響感知部10で感知されて音源音響抽出部40で抽出分割される複数の周波数帯域毎に歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを格納することができる。本実施形態では、音響格納部33は、低周波音格納部331、中周波音格納部333、及び高周波音格納部335を含み、これらは別々の格納部で構成されてもよいが、単一格納装置に仮想的に割り当てられた構造を取ってもよいなど、様々な変形が可能である。
【0040】
また、本発明の格納部30は、下記の音響比較部53乃至音響調整部55で使用される事前設定データなどを格納する基準データ格納部35をさらに備えてもよい。基準データ格納部35に格納される事前設定データは、歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データと比較される周波数帯域毎の基準音響レベルデータを含む。
【0041】
本実施形態では、音源格納部、音響格納部、及び基準データ格納部は、個別要素であると記述されたが、単一格納部に個別格納される構造を取ってもよいことは本記述から明らかである。
【0042】
音響出力部70は、エコカーに配置されるスピーカーで具現されるが、音響出力部70から歩行者車両認知音響が出力されるが、これは、実際の道路環境で歩行者にエコカーの存在を警告するための警告音機能を行う。
【0043】
音響出力部70は、車の前方に配置される前方音響出力部71を含むが、場合によってはエコカーの後進時にエコカーの後方にいる歩行者などに警告音を出力するための後方音響出力部73が、車両の後方にさらに配置される構造を取ってもよい。
【0044】
音響感知部10は、エコカーの音響出力部70から出力される歩行者車両認知音響を感知するが、音響感知部10は、エコカーに対して一定の相対位置に配置されるマイクで具現されてもよい。
【0045】
音響感知部10は、車の前方側、すなわち車の前方側での歩行者車両認知音響を感知する前方音響感知部11を備えて、場合によって車の後方側での歩行者車両認知音響を感知する後方音響感知部13をさらに備えてもよい。
先述したように、音響感知部10は、マイクで具現されるがエコカーから分離離隔された位置に配置されてエコカーが走行して事前設定された位置を、当該検測速度で走行して通る時に感知される歩行者車両認知音響を感知してもよく、エコカーに取り付けられて音響出力部70から事前設定された相対位置に配置されて音響出力部70から出力される音響を感知する構造を取ってもよい。音響感知部10は、歩行者車両認知音響を感知するように事前設定された速度単位で具現されてもよい。
【0046】
音源音響抽出部40は、音響感知部10で感知された歩行者車両認知音響を複数の周波数帯域毎に抽出分割するが、音源音響抽出部40は、下記の音響再生部50と一体に形成される音響処理装置で具現されてもよい。
【0047】
制御部20は、音響感知部10で感知された歩行者車両認知音響が音源音響抽出部40で抽出分割された歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データを格納部30の音響格納部33に格納するように音響格納制御信号を印加する。音響格納部33に格納される歩行者車両認知音響の周波数帯域毎の音響データは、周波数帯域毎の音響レベル乃至音圧データを含んでもよい。
【0048】
制御部20は、本発明の他の構成要素と接続されて、所定の制御信号乃至当該構成要素からの信号の入力を受けてエコカーサウンドジェネレーター調整装置を制御する。
【0049】
音響再生部50は、音響比較部53と音響調整部55と音響ミキシング部51を含む。音響比較部53は、制御部20の比較制御信号に応じて、格納部30の基準データ格納部35に格納された周波数帯域毎の基準音響レベルと音響感知部で感知されて音源音響抽出部40で周波数帯域毎に抽出分割された複数の周波数帯域毎の抽出音響データを周波数帯域毎に比較するが、下記の表1には、周波数帯域毎の最小音響レベルで具現される周波数帯域毎の基準音響レベルの一例が図示される。
【0050】
【表1】
ここで、dBAは人の耳で聞くことができる音の大きさを周波数に対する重み付けフィルタを適用してdBで示す単位を意味する。
【0051】
音源音響抽出部40で周波数帯域毎に抽出分割された複数の周波数帯域毎の抽出音響データの音圧レベルが最小音響レベルよりも小さい場合の周波数帯域が存在するか否かが確認され、制御部20は、音響調整部55に音響調整制御信号を印加して当該周波数帯域に対する最小音響レベル以上の音圧の音響出力が可能にする。
【0052】
つまり、音響調整部55は、複数の周波数帯域毎の抽出音響データが前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する。
【0053】
音響調整部55は、ピッチ調整部551とボリューム調整部553を含む。ピッチ調整部551は、周波数帯域毎に一つ以上のピッチ調整ポイントを含むが、ピッチ調整ポイントは、複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にピッチシフトさせてピッチを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させる。
ピッチ調整ポイント間の接続は様々な方式で接続される構造を取ってもよいが、本実施形態に係るピッチ調整ポイント間の接続は、線形接続方式で具現されて、所定の比例性を付与して、演算量を最小限に抑える方法をとり、迅速な調整を可能にしてもよい。このようなピッチ調整ポイント間の線形的な接続構造をとる場合、ピッチ調整ポイントが位置調整される場合でも、ピッチ調整ポイント間の接続される線形接続も連動して調整される。
【0054】
本実施形態では、周波数帯域は500Hz以下の低周波帯域と、2000Hz以上5000Hz未満の中周波帯域と、5000Hz以上の高周波帯域を含むが、これは500Hzの低周波帯域の近くでは、工事現場周辺の騒音下でも歩行者が認知可能で、人の耳で認知可能な音の変化を形成する1/3オクターブ帯域の差によって歩行者にどのような環境下でも、より簡単かつ容易に認知可能にする歩行者車両認知音響を形成させることができる。
【0055】
また、本発明のピッチ調整部は、ピッチ調整ポイントの調整時に制御部20の制御信号によってピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比が、1km/h当たり1%以上になるように制御して、当該比が1%未満でピッチ調整ポイントが移動する場合、移動不可になるように制御してもよい。このような構成を介して、歩行者が当該周波数帯域での車の加減速の可否を聴覚的に認知可能にすることができる。
【0056】
このような構造により、所定のピッチシフトを介した当該周波数帯域での最小音響レベルを遵守可能に迅速に調整された音響の形成を可能にすることができる。すなわち、
図4に示すように、各周波数帯域毎に事前設定された複数のピッチポイントが図示されるが、本実施形態では、ピッチポイント(PP1、PP2、PP3)は、当該設定速度に対してピッチシフトを実行するように
図4から見て垂直方向に可動調整可能な方式で具現されて、場合によってはピッチポイントは、図面上水平方向にも可動調整可能で、ピッチポイントの対応する速度を調整する方法を取ってもよい。本実施形態では、当該設定速度に対してピッチシフトされる構造に基づいて説明する。
【0057】
例えば、20km/h及び30km/hの走行速度時、周波数帯域500Hz(ここで、500Hzは中心周波数であり、これを中心に、事前設定された範囲を周波数帯域と定義する)で出力されて感知された抽出音響データの音圧レベルが、対応する周波数帯域の最小音響レベルの音圧よりも小さいと判断された場合、ピッチ調整部53で20km/h及び30km/hの速度に対応した地点のピッチポイント(PP2、PP3)を位置調整して新しい地点でのピッチポイント(PP2’、PP3’)に調整することができる。この時、位置調整は、事前設定された範囲に移動する方式を取ってもよい。
つまり、制御部20は、複数の周波数帯域毎の抽出音響データが前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、音響調整部55に当該周波数帯域のピッチ調整ポイント(PP2、PP3)を格納部30の基準データ格納部35の事前設定データに含まれるピッチ調整比、例えば、以前のピッチ調整比の10%だけ調整するピッチ調整制御信号を印加する構造を取ってもよい。
この時、先述されたピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比が1km/h当たり1%以上である条件が同時に適用されてピッチポイント(PP2)を調整すべきであり、ピッチ調整ポイント(PP2)の位置調整によって新しいPP2’及び以前のPP3との間の線形比がピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比が1km/h当たり1%以上を満たさない場合、事前設定データに含まれる隣接ピッチ調整比の事前設定された範囲にPP3を新しいPP3’に位置調整する方式で具現されてもよい。
【0058】
このような方式により、自動的に当該速度での当該周波数帯域に対するピッチシフトを介した最小音響レベルの基準を合わせる調整過程が実行されてもよい。
【0059】
また、音響調整部55のボリューム調整部553は、複数の周波数帯域毎のサンプル音源データをエコカーの走行速度毎にボリューム増減させてボリュームを調整して新しい複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成させるボリューム調整ポイントを含み、このようなボリューム調整ポイント(PV1、PV2、PV3)を調整することができる。
【0060】
先のピッチ調整ポイントの場合と同様に、ボリューム調整ポイント(PV1、PV2、PV3)の間にも線形接続が形成されて、ボリューム調整ポイントが位置調整される場合、線形接続も連動して調整されてもよく、音量調整制御信号もピッチ調整制御信号と同様に印加されてもよい。
つまり、制御部20は、複数の周波数帯域毎の抽出音響データが周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、音響調整部55のボリューム調整部553に当該周波数帯域のボリューム調整ポイントを格納部30の基準データ格納部35に格納される事前設定データに含まれるボリューム調整比、例えば、以前の音圧レベルの10%だけ増加調整するボリューム調整制御信号を印加してもよい。
【0061】
本実施形態では、ボリューム調整制御信号とピッチ調整制御信号が、事前設定範囲に自動調整させる方式で記述されたが、場合によって調整入力部80が備えられて調整入力部80を介して入力されるピッチ調整値及びボリューム調整値のに対する信号が制御部20に入力伝達されて、制御部が、ボリューム制御部および/またはピッチ制御部にボリューム調整制御信号および/またはピッチ調整制御信号を印加する方式を取ってもよいなど、様々な変形が可能である。
【0062】
このように周波数帯域毎に調整された複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データは、音響調整部55から音響ミキシング部51に伝達されて、音響ミキシング部51は、制御部20のミキシング制御信号に応じて入力される低周波、中周波、高周波帯域の周波数帯域毎の調整信号に当該する周波数帯域毎のサンプル調整音源データをミキシングして音声出力部70側に伝達する。音響ミキシング部51と音響出力部70との間には、音響増幅部60が配置されて音響ミキシング部51から出力される音響を増幅させて音響出力部70を介して出力させることができる。
【0063】
以下では、図面を参照して、エコカーサウンドジェネレーター調整装置1の制御方法について説明する。
【0064】
まず、本発明のエコカーサウンドジェネレーター調整装置の制御方法は、提供ステップ(S10)と、感知ステップ(S20)と、音響抽出格納ステップ(S30)と、音響比較ステップ(S40)と、音響調整ステップ(S50)とを含む。
【0065】
まず、提供ステップ(S10)でエコカーサウンドジェネレーター調整装置が提供されるが、エコカーサウンドジェネレーター調整装置は、先述された構造と同様であるため、重複した説明は省略して、前記と置き換える。
【0066】
エコカーサウンドジェネレーター調整装置が提供された後、制御部20は、音響感知部10に感知制御信号を印加して、音響感知部10がエコカーの音響出力部から出力される歩行者車両認知音響を感知するようにする感知ステップ(S20)を実行させる。
【0067】
その後、制御部20は、音響抽出格納ステップ(S30)を実行するが、音響抽出格納ステップ(S30)で制御部20は、音源音響抽出部40に音響抽出制御信号を印加して、音響感知部10が感知した歩行者車両認知音響を複数の周波数帯域毎に抽出分割して格納部の音響格納部に格納する。つまり、音響抽出格納ステップ(S30)は、音響抽出ステップ(S31)と抽出音響格納ステップ(S33)を含み、音響抽出ステップ(S31)で制御部20は、音源音響抽出部40に音響抽出制御信号を印加するが、音響抽出制御信号の印加を受けた音源音響抽出部40は、音響感知部10が感知した歩行者車両認知音響を複数の周波数帯域毎に抽出分割し、周波数帯域は先述したように、低周波、中周波、及び高周波の範囲で形成する。ステップS31で分割抽出された周波数帯域毎の歩行者車両認知音響は、格納部30の音響格納部33に格納する格納制御信号が印加されて、格納制御信号に応じて分割抽出された周波数帯域毎の歩行者車両認知音響が格納される。
【0068】
その後、制御部20は、音響比較部53に比較制御信号を印加して音響比較ステップ(S40)が実行されるが、音響比較ステップ(S40)は、音響比較実行ステップ(S41)と音響比較判断ステップ(S43)を含む。
【0069】
まず、音響比較実行ステップ(S41)で音響比較部53は、制御部20の比較制御信号に応じて周波数帯域毎の基準音響レベルデータと複数の周波数帯域毎の抽出音響データを比較する。
【0070】
音響比較実行ステップ(S41)が完了した後、音響比較判断ステップ(S43)が実行され、音響比較判断ステップ(S43)で複数の周波数帯域毎の抽出音響データが周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下であるか否かを判断するが、音響比較判断ステップ(S43)で制御部20が複数の周波数帯域毎の抽出音響データが周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下であると判断した場合、制御部20は、制御フローを音響調整ステップ(S50)に移行させ、逆に複数の周波数帯域毎の抽出音響データが周波数帯域毎の基準音響レベルデータを超えたと判断した場合、制御部20は、当該速度に対する完成された形の音源が形成されたと判断して、当該過程を終了させるか、または他の走行速度の制御過程でステップS10に移行されてもよい。
【0071】
ステップS43で、複数の周波数帯域毎の抽出音響データが周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下であると判断した場合、制御部20は、複数の周波数帯域毎のサンプル音源データのピッチまたはボリュームを調整して、複数の周波数帯域毎のサンプル調整音源データを形成する音響調整ステップ(S50)を実行する。
【0072】
音響調整ステップ(S50)は、調整入力部80からの信号入力の可否を判断する調整入力判断ステップ(S51)をさらに含んでもよい。この場合、ピッチ調整部551及びボリューム調整部553のピッチ/ボリューム調整ポイントを調整するための別の入力信号の存在可否を判断するが、一定時間の間、いかなる入力信号も存在しない場合は、事前設定範囲に自動的に調整される方式で後続の手順が進行されてもよい。
つまり、調整入力判断ステップ(S51)で一定時間の間、いかなる入力もないと判断された場合、制御部20は、複数の周波数帯域毎の抽出音響データが周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、音響調整部55に当該周波数帯域のピッチ調整ポイント(PP1、PP2、PP3)を格納部30に事前設定データに含まれるピッチ調整比だけ調整するピッチ調整制御信号を印加するピッチ調整ステップ(S53)を実行する。
【0073】
つまり、調整入力判断ステップ(S51)で一定時間の間に入力が存在すると判断された場合、制御フローは、ステップS51aに進行して実行されるべきピッチ調整は入力調整モードであると判断して、入力されたピッチ調整信号に応じてピッチ調整ステップ(S53)を実行する。一方、調整入力判断ステップ(S51)で一定時間の間、いかなる入力もないと判断された場合、制御フローは、ステップ(S51b)に進行して実行されるべきピッチ調整は自動調整モードであると判断して、事前設定された大きさだけピッチシフトを自動実行する。
【0074】
ピッチ調整ステップ(S53)は、場合によりピッチ調整モード判断ステップ(S531)を含むが、ピッチ調整モード判断ステップ(S531)で当該モードに応じて、制御フローを進行させる。ピッチ調整モードが入力調整モードである場合、制御部20は、制御フローをステップS353に進行して調整入力部80を介して入力された調整値だけの所定のピッチシフトを進行する(S535)。
【0075】
一方、ステップ(S531)で実行されるピッチ調整モードが自動モードであると判断した場合、制御部20は、自動ピッチ調整モードを実行する(S533)。例えば、制御部20は、複数の周波数帯域毎の抽出音響データが前記周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下であると判断した場合、音響調整部55に当該周波数帯域のピッチ調整ポイント(PP2、PP3)を格納部30の基準データ格納部35の事前設定データに含まれるピッチ調整の比、例えば、以前のピッチ調整比の10%だけ調整するピッチ調整制御信号を印加してもよい。
【0076】
この時、自動ピッチ調整モードのステップ(S533)では、先述されたピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比が、1km/h当たり1%以上である条件が同時に適用されてピッチポイント(PP2)を調整しなけらばならず、ピッチ調整ポイント(PP2)の位置調整によって新しいPP2’及び以前PP3との間の線形比がピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比が1km/h当たり1%以上を満たさない場合、事前設定データに含まれる隣接ピッチ調整比の事前設定された範囲にPP3を新しいPP3’に位置調整する方式で具現されてもよい。
【0077】
また、これと同時に複数の周波数帯域毎の抽出音響データが周波数帯域毎の基準音響レベルデータ以下である場合、制御部は、音響調整部に当該周波数帯域のボリューム調整ポイントを格納部に事前設定データに含まれるボリューム調整比だけ調整するボリューム調整制御信号を印加するボリューム調整ステップ55を実行してもよい。本実施形態では図示されないがピッチ調整ステップと音量調整のステップは、個別に行われてもよく、場合によっては同時に進行されるピッチ/音量調整ステップで具現されてもよい。
【0078】
ここで、複数の周波数帯域は、500Hz以下の低周波帯域と、2000Hz以上5000Hz未満の中周波帯域と、5000Hz以上の高周波帯域を含み、ピッチ調整ポイントの間には線形接続が形成されてピッチ調整ポイントが位置調整される場合は、線形接続も連動して調整されて、ピッチ調整ポイント間の線分の速度対ピッチシフトの比は、1km/h当たり1%以上であり、ボリューム調整ポイント間にも線形接続が形成され、ボリューム調整ポイントが位置調整される場合は、線形接続も連動して調整された構造を取ることは、前記同様である。
【0079】
一方、前記実施形態では、音響感知部は、実際のマイクで具現される物理的入力感知装置で具現されたが、本発明はこれに限定されない。音響感知部を排除して、音響出力部から音源音響抽出部に直接音響データが伝達される構造を取ってもよく、この場合先述されたステップにおいて感知ステップが排除されてもよい(
図11参照)。この場合、音響感知部が排除されると同時に音響ミキシング部を経た音響データが直接音源音響抽出部に伝達されてもよいなど、場合によっては音響増幅器及び音響出力部も選択的に排除されてもよいことは明らかである。
【0080】
また一方で、本発明のエコカーサウンドジェネレーター調整装置及びその制御方法は、音響出力部から出力された出力音響が音響感知部を経て、音源音響抽出部に入力される構造を取って、音響感知部がマイクのような実際の物理的入力感知装置で具現されず、仮想の模写手段乃至仮想の模写ステップでプログラム処理される構造を取ってもよい。
【0081】
つまり、本発明の一実施形態の変形による音響感知部は、物理的に実在せずプログラム的に処理される仮想音響感知部で具現されてもよい。仮想音響感知部10aは、個別の信号処理装置で具現されてもよく、先の他の構成要素の音声処理のための処理装置乃至制御部などで一体化されてもよいなど、様々な具現が可能であることは明らかである。
このように、音響出力部から出力される音響を実際の物理的に感知することなく、歩行者車両認知音響は、実際に歩行者を感知する物理環境を反映するように、様々な変数を実際化された模写環境を考慮して、信号処理された仮想の音響感知部10a(
図10を参照)に伝達されて、これをデータ信号処理する仮想の音響感知ステップ(
図12参照)を実行して、仮想の音響感知ステップで信号処理された仮想の感知音響は音源音響抽出部に伝達されて、所定の周波数帯域毎の音響抽出するためのデータ処理過程が具現されてもよい。
【0082】
また、このような場合、音声出力部も実際の物理的な音響出力をなすスピーカーではなく、仮想の音響出力部として、データ伝達のためのデータ処理装置で具現されてもよく、場合によっては音響増幅器も選択的に排除されてもよいことは明らかである。
【0083】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能である。
【0084】
したがって、本発明で開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、これらの実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、以下の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0085】
10 音響感知部
20 制御部
30 格納部
40 音源音響抽出部
50 音響再生部
60 音源増幅部
70 音響出力部
80 調整入力部