(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263583
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】矩形光パターンを有する一次光学発光源
(51)【国際特許分類】
H01L 33/58 20100101AFI20180104BHJP
H01L 33/56 20100101ALI20180104BHJP
H01L 33/54 20100101ALI20180104BHJP
G02B 13/00 20060101ALI20180104BHJP
G02B 3/04 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/56
H01L33/54
G02B13/00
G02B3/04
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-163145(P2016-163145)
(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公開番号】特開2017-228753(P2017-228753A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2016年8月23日
(31)【優先権主張番号】105119903
(32)【優先日】2016年6月24日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】598109154
【氏名又は名称】東貝光電科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】UNITY OPTO TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(74)【代理人】
【識別番号】100151677
【弁理士】
【氏名又は名称】播磨 里江子
(72)【発明者】
【氏名】呉慶輝
(72)【発明者】
【氏名】胡永清
(72)【発明者】
【氏名】歐政謙
(72)【発明者】
【氏名】林威沖
【審査官】
大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−533027(JP,A)
【文献】
特開2013−219205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、LEDチップと、パッケージゲル体とを備える矩形光パターンを有する一次光学発光源であって、
前記LEDチップを前記基板に設けて、前記パッケージゲル体を前記LEDチップに被覆してそれを前記基板に固定し、
前記パッケージゲル体のX軸方向断面は、前記基板から順に一対の第1屈曲部、一対の第2屈曲部及び頂部を有し、各前記第1屈曲部が対向設置されると共に、前記基板から延伸して各前記第2屈曲部と接合され、各前記第2屈曲部も対向設置されると共に、前記頂部の一端と接合され、かつ前記一対の第1屈曲部、前記一対の第2屈曲部及び前記頂部はそれぞれ弧形であり、前記パッケージゲル体のY軸方向断面は弧形であり、これにより前記LEDチップの光線が前記パッケージゲル体を透過して矩形光パターンを射出して形成し、その中、X軸とY軸が相互に垂直であり、かつX軸とY軸で挟まれて形成する平面は、前記基板に平行して前記LEDチップを設置するための平面であることを特徴とする、矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【請求項2】
前記LEDチップのサイズが55milである場合、前記矩形光パターンのアスペクト比が3.6:1〜3.9:1であることを特徴とする、請求項1に記載の矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【請求項3】
前記LEDチップのサイズが38milである場合、前記矩形光パターンのアスペクト比が5.45:1〜5.75:1であることを特徴とする、請求項1に記載の矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【請求項4】
前記パッケージゲル体を前記基板に結合する前に、前記基板に接着剤を設けて、前記パッケージゲル体と前記基板との結合強度を向上させるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【請求項5】
前記パッケージゲル体がシリカゲルであることを特徴とする、請求項1に記載の矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【請求項6】
基板と、LEDチップと、パッケージゲル体とを備える矩形光パターンを有する一次光学発光源であって、
前記LEDチップを前記基板に設けて、前記パッケージゲル体を前記LEDチップに被覆してそれを前記基板に固定し、
前記パッケージゲル体のX軸方向断面は、前記基板から順に一対の第1屈曲部、一対の第2屈曲部及び頂部を有し、各前記第1屈曲部が対向設置されると共に、前記基板から延伸して各前記第2屈曲部と接合され、各前記第2屈曲部も対向設置されると共に、前記頂部の一端と接合され、かつ前記一対の第1屈曲部、前記一対の第2屈曲部及び前記頂部はそれぞれ弧形であり、前記パッケージゲル体のY軸方向断面は、一対の第3屈曲部及び弧部を有し、前記一対の第3屈曲部が対向設置されると共に、前記基板から延伸して前記弧部の両端と接合され、前記一対の第3屈曲部が前記基板に対して垂直に配置された平面であって、これにより前記LEDチップの光線が前記パッケージゲル体を透過して矩形光パターンを射出して形成し、その中、X軸とY軸が相互に垂直であり、かつX軸とY軸で挟まれて形成する平面は、前記基板に平行して前記LEDチップを設置するための平面であることを特徴とする、矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【請求項7】
前記LEDチップのサイズが55milである場合、前記矩形光パターンのアスペクト比が2.25:1〜2.55:1であることを特徴とする、請求項6に記載の矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【請求項8】
前記LEDチップのサイズが38milである場合、前記矩形光パターンのアスペクト比が3.5:1〜3.8:1であることを特徴とする、請求項6に記載の矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【請求項9】
前記パッケージゲル体を前記基板に結合する前に、前記基板に接着剤を設けて、前記パッケージゲル体と前記基板との結合強度を向上させるようにすることを特徴とする、請求項6に記載の矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【請求項10】
前記パッケージゲル体がシリカゲルであることを特徴とする、請求項6に記載の矩形光パターンを有する一次光学発光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードの分野に係り、特に、一次光学系において矩形の照明光パターンを投射することができる、一次光学発光源に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)の優れた演色性と発光効率などの利点に鑑みて、LEDは、各種の灯具において主流の光源となりつつある。現在、一般のLEDの実装後、基本の発散・出光能力しか有しないため、LED光源を特定の光パターンに形成させようとすると、例えばレンズまたは反射鏡などのような1個以上の光学素子を透過する必要があり、光学屈折・反射特性を利用して、需求に応じてLED光源から発出される光線を様々な照明光パターンに形成させ、LED光源自身以外に行う当該種類の光学素子設計は、即ち、通称の二次光学設計であり、前述したレンズと反射鏡を除いて、よく見られるランプハウジング設計も二次光学設計の範疇に属する。
【0003】
車用灯具は、交通安全を確保するために、関連法規では、その輝度、照明角度及び照明光パターンなどについて、いずれも対応する規範がある。LED光源を車灯の分野に応用する時に、所要の照明光パターンは、矩形を例としてLED光源の出光制限に基づいて業者の大半が、二次光学技術を採用して車用灯具を設計し、例えば、LEDの発光経路にレンズを増設して光線を集光すること、及び外部に投射される光パターンを調整することで、LEDの照明輝度を向上させることができ、光パターンの要求を満たすことができる。
【0004】
しかしながら、光が灯具レンズを透過して出光した後、その光パターンを発散の態様から矩形の態様に調整させて、灯具の全体構造は、設計上、考慮と制御する必要がある変数の種類が相当に多いがゆえに、設計の不便と困難度を増加させてしまう。なおかつ、異なる車両型番に伴い、灯具のサイズ規格も幾らか変動するため、車用LED光源は、如何にして各種の縮尺変化においても、依然として所要の光パターンを安定に提供するか、及び灯具構造の設計を簡化するかが、現在、早急に解決すべき問題となっている。
【0005】
そこで、本発明者は、光源とするLEDの実装技術を構想の起点にして、灯具構造を簡単化に合わせて設置することで、灯具の設計と生産コストを低減できる、矩形光パターンを有する一次光学発光源を提供することを可能とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、発光源を点灯させる時に、矩形の照明光パターンを直接形成することができるので、応用の灯具構造の小型化に合わせて設置と開発コストを低減できる、矩形光パターンを有する一次光学発光源を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、一実施例において矩形光パターンを有する一次光学発光源が開示され、基板と、LEDチップと、パッケージゲル体とを備え、前記LEDチップを前記基板に設けて、前記パッケージゲル体を前記LEDチップに被覆してそれを前記基板に固定し、前記パッケージゲル体のX軸方向断面は、前記基板から順に一対の第1屈曲部、一対の第2屈曲部及び頂部を有し、各前記第1屈曲部が対向設置されると共に、前記基板から延伸して各前記第2屈曲部と接合され、各前記第2屈曲部も対向設置されると共に、前記頂部の一端と接合され、かつ前記一対の第1屈曲部、前記一対の第2屈曲部及び前記頂部はそれぞれ弧形であり、前記パッケージゲル体のY軸方向断面は弧形であり、これにより前記LEDチップの光線が前記パッケージゲル体を透過して矩形光パターンを射出して形成し、その中、X軸とY軸が相互に垂直であり、かつX軸とY軸で挟まれて形成する平面は、前記基板に平行して前記LEDチップを設置するための平面であることを特徴とする。このようにすれば、前記パッケージゲル体を透過して前記一次光学発光源を点灯させることで、所要の前記矩形光パターンを直接形成することができるので、残りの光学素子を再び利用して二次光学設計を行う必要がない。
【0008】
より好ましくは、前記LEDチップのサイズが55milである場合、前記矩形光パターンのアスペクト比が3.6:1〜3.9:1である一方、前記LEDチップのサイズが38milである場合、前記矩形光パターンのアスペクト比が5.45:1〜5.75:1である。
【0009】
また、前記パッケージゲル体を前記基板に結合する前に、前記基板に接着剤を設けて、前記パッケージゲル体と前記基板との結合強度を向上させるようにする。より好ましくは、前記パッケージゲル体はシリカゲルを選択使用してもよく、優れた実装と透光効果を兼ね備えることができる。
【0010】
本発明は、別の実施例において矩形光パターンを有する一次光学発光源が提案され、基板と、LEDチップと、パッケージゲル体とを備え、前記LEDチップを前記基板に設けて、前記パッケージゲル体を前記LEDチップに被覆してそれを前記基板に固定し、前記パッケージゲル体のX軸方向断面は、前記基板から順に一対の第1屈曲部、一対の第2屈曲部及び頂部を有し、各前記第1屈曲部が対向設置されると共に、前記基板から延伸して各前記第2屈曲部と接合され、各前記第2屈曲部も対向設置されると共に、前記頂部の一端と接合され、かつ前記一対の第1屈曲部、前記一対の第2屈曲部及び前記頂部はそれぞれ弧形であり、前記パッケージゲル体のY軸方向断面は、一対の第3屈曲部及び弧部を有し、前記一対の第3屈曲部が対向設置されると共に、前記基板から延伸して前記弧部の両端と接合され、前記一対の第3屈曲部が前記基板と垂直し、これにより前記LEDチップの光線が前記パッケージゲル体を透過して矩形光パターンを射出して形成し、その中、X軸とY軸が相互に垂直であり、かつX軸とY軸で挟まれて形成する平面は、前記基板に平行して前記LEDチップを設置するための平面であることを特徴とする。前記パッケージゲル体により、前記一次光学発光源を点灯させることで、所要の前記矩形光パターンを直接形成することができるので、残りの光学素子を再び利用して二次光学設計を行う必要がない。
【0011】
同様に、前記LEDチップのサイズが55milである場合、前記矩形光パターンのアスペクト比が2.25:1〜2.55:1である一方、前記LEDチップのサイズが38milである場合、前記矩形光パターンのアスペクト比が3.5:1〜3.8:1である。前記パッケージゲル体を前記LEDチップの異なる規格に合わせて、前記矩形光パターンを依然として投射することができるのは明白である。
【0012】
前記パッケージゲル体を前記基板に結合する前に、前記基板に接着剤を設けて、前記パッケージゲル体と前記基板との結合強度を向上させるようにする。より好ましくは、前記パッケージゲル体はシリカゲルを選択使用してもよく、優れた実装と透光効果を兼ね備えることができる。
【発明の効果】
【0013】
上記を総合すると、本発明の前記一次光学発光源は、一次光学設計において、矩形の投射光パターンを直接獲得することができ、二次光学設計をさらに行う必要がなく、光源の応用効果を効果的に向上させて、車灯の煩雑な灯具構造設計を切り捨てることができ、他の光学素子の使用量をダウンサイジングできることから、灯具の全体体積を縮小できる。前記パッケージゲル体を透過して前記LEDチップから射出される光線を効果的に調整できることで、前記矩形光パターンを直接形成することができると共に、優秀な出光品質を保つことができる。かつ、前記パッケージゲル体もその大きさを等比例に拡大・縮小する場合でも、あるいは前記LEDチップの規格を変更する場合でも、依然として前記一次光学発光源から投射される前記矩形光パターンの態様を保持させ、及び前記矩形光パターンを相等のアスペクト比に保持させることができる。また、前記パッケージゲル体のY軸方向長さを減縮しても、依然として前記一次光学発光源から投射される前記矩形光パターンの態様に影響・変化を与えない。これゆえ、本発明は、現在の車灯光源の分野において、二次光学設計をしなければ、指定の光パターンを形成することができない不便の効果的な改善を確実に図ることで、車灯の設計と開発コストを低減できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明の第1実施例のX軸方向断面概略図である。
【
図3】本発明の第1実施例のY軸方向断面概略図である。
【
図4】本発明の第1実施例の配光曲線概略図(一)である。
【
図5】本発明の第1実施例の配光曲線概略図(二)である。
【
図8】本発明の第2実施例のX軸方向断面概略図である。
【
図9】本発明の第2実施例のY軸方向断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
審査官の方々が本発明の内容のさらなる理解を図るため、以下にて図面と合わせて説明する。ご参照ください。
(第1実施例)
【0016】
車灯の構造設計を効果的に簡化するために、本発明者は、遂にLED光源自身について光学設計を行い、一次光学設計概念を応用してLED光源を点灯させた後、矩形の照明光パターンを形成することができることを見出した。
図1、
図2、
図3、
図4、
図5及び
図6を参照し、それらは本発明の第1実施例の斜視概略図、X軸方向断面概略図、Y軸方向断面概略図、配光曲線概略図(一)、配光曲線概略図(二)及び応用概略図である。本発明が開示する矩形光パターンを有する一次光学発光源1は、基板10と、LEDチップ11と、パッケージゲル体12とを備え、前記LEDチップ11を前記基板10の表面101に設けて、前記パッケージゲル体12を前記LEDチップ11に被覆してそれを前記基板10に固定する。
【0017】
前記一次光学発光源1の特徴は、
図2に示すように、前記パッケージゲル体12のX軸方向断面は、前記基板10から順に一対の第1屈曲部121、一対の第2屈曲部122及び頂部123を有し、各前記第1屈曲部121が対向設置されると共に、前記基板10から延伸して各前記第2屈曲部122と接合され、各前記第2屈曲部122も対向設置されると共に、前記頂部123の一端と接合され、かつ前記一対の第1屈曲部121、前記一対の第2屈曲部122及び前記頂部123はそれぞれ弧形である。
図3に示すように、前記パッケージゲル体12のY軸方向断面は、湾弧部124を有し、かつより好ましくは、前記湾弧部124の両端がそれぞれ前記基板10に接合され、前記パッケージゲル体12のY軸方向断面を弧形にさせる。これにより、前記LEDチップ11の光線が前記パッケージゲル体12を透過して射出した後、矩形光パターンAを形成することができる。その中、X軸とY軸が相互に垂直であり、かつX軸とY軸で挟まれて形成する平面は、前記基板10に平行して前記LEDチップ11を設置するための平面である。詳細に言えば、前記LEDチップ11を前記基板10の表面101に固設すると共に、前記LEDチップ11を原点にして、前記表面101の第1側辺1011に平行する軸方向をX軸とし、前記表面101の第2側辺1012に平行する軸方向をY軸とする。前記一次光学発光源1の出光方向は、X軸とY軸と同時に垂直するZ軸に向かう方向であり、かつ前記パッケージゲル体12の全体は、Z軸に向かって漸縮設置される態様を呈している。
【0018】
より好ましくは、前記パッケージゲル体12がシリカゲルであるため、前記LEDチップ11を実装できる効果と、光線の差し込みと出光の調整を容易にする光パターンが得られる効果を兼ね備える。さらに、前記パッケージゲル体12と前記基板10において、より良好な接合強度を有させるために、前記パッケージゲル体12を前記基板10に結合する前に、前記基板10に接着剤を塗布してもよく、前記接着剤により前記パッケージゲル体12と前記基板10との固着力を強化することができる。
【0019】
図4に示すように、本発明者は、サイズが55milである前記LEDチップ11を利用して前述の形状の前記パッケージゲル体12に合わせて、実験を経て得られた前記LEDチップ11の光線が前記パッケージゲル体12を経て出光した後、前記一次光学発光源1から形成される前記矩形光パターンAのアスペクト比が3.6:1〜3.9:1であり、さらに測定すると、前記矩形光パターンAは、極座標C0−C180平面における拡がり角度範囲が約150度であり、極座標C90−C270平面における拡がり角度範囲が約38.5度であることから、前記矩形光パターンAが3.9:1のアスペクト比を呈する態様であるので、前述の範囲に該当する。
図5に示すように、本発明者は、またサイズが38milである前記LEDチップ11を利用して前述の形状の前記パッケージゲル体12に合わせて、実験を経て得られた前記LEDチップ11の光線が前記パッケージゲル体12を経て出光した後、前記一次光学発光源1から形成される前記矩形光パターンAのアスペクト比が5.45:1〜5.75:1であり、さらに測定すると、前記矩形光パターンAは、極座標C0−C180平面における拡がり角度範囲が約142度であり、極座標C90−C270平面における拡がり角度範囲が約25度であることから、前記矩形光パターンAが5.68:1のアスペクト比を呈する態様であるので、前述の範囲に該当する。
図6に示すように、その図は前記一次光学発光源1を駆動させた後、投射される前記矩形光パターンAを示す態様である。前記一次光学発光源1がZ軸方向に向かって出光することで形成される前記矩形光パターンAのアスペクト比が略4:1を呈する態様である。
【0020】
前記一次光学発光源1の実際応用において、特殊な光学の要求または応用する車灯の投具条件により制限されるため、前記LEDチップ11の規格も前述の内容によって制限または指定される。以上の内容から、前記LEDチップ11の規格を変更する場合でも、前記パッケージゲル体12により、前記一次光学発光源1の投射光パターンを矩形の態様に保持させることができ、応用需求に応じられると共に、さらに簡易な灯具設計要件を提供する効果が達成されることが分かる。なおかつ、前述の形状に基づいて前記パッケージゲル体12の大きさを等比例に拡大または縮小する場合でも、前記一次光学発光源1の投射光パターンを矩形に保持させることができるため、前記一次光学発光源1は優越な可調整性を有し、その設置された環境条件に基づいて前記パッケージゲル体12を等比例に拡大・縮小した後、依然として矩形の投射光パターンを提供することができる。
(第2実施例)
【0021】
続いて、
図7、
図8及び
図9を参照し、それらは本発明の第2実施例の斜視概略図、X軸方向断面概略図及びY軸方向断面概略図である。前記一次光学発光源1の実際応用時に、各種の車灯の規格に応じて前記パッケージゲル体12の大きさが制限されることもあるかもしれない。本発明の前記一次光学発光源1は、狭隘な取付空間の車灯内に応用される場合でも、前記パッケージゲル体12の両端を略縮小させてそのY軸方向の総長さを減らすことになるが、依然として前記一次光学発光源1から投射される光パターンに影響を与えることがない。本実施例において、前記パッケージゲル体12のX軸方向断面は、同様に基板10から順に一対の第1屈曲部121、一対の第2屈曲部122及び頂部123を有し、その態様は前実施例と同じなので、ここでの説明は省略する。
図9に示すように、前記パッケージゲル体12のY軸方向長さを減縮しようとすると、前記パッケージゲル体12の両端部分を除去してもよく、このため、前記パッケージゲル体12のY軸方向断面は、一対の第3屈曲部124及び弧部125を有し、前記一対の第3屈曲部124が対向設置されると共に、前記基板10から延伸して前記弧部125の両端と接合され、前記一対の第3屈曲部124が前記基板10と垂直する。なお、本実施例において、X軸とY軸の定義も前実施例と同じで、X軸とY軸が相互に垂直であり、かつX軸とY軸で挟まれて形成する平面は、前記基板10に平行して前記LEDチップ11を設置するための平面である。詳細に言えば、前記LEDチップ11を前記基板10の表面101に設けると共に、前記LEDチップ11を原点にして、X軸は前記表面101の第1側辺1011に平行し、Y軸は前記表面101の第2側辺1012に平行する。
【0022】
同様に、サイズが55milである前記LEDチップ11を選択使用する時に、前記一次光学発光源1から測定された前記矩形光パターンAのアスペクト比が2.25:1〜2.55:1の範囲である。サイズが38milである前記LEDチップ11を選択使用する時に、前記一次光学発光源1から測定された前記矩形光パターンAのアスペクト比が3.5:1〜3.8:1の範囲である。このため、前記一次光学発光源1の前記パッケージゲル体12は、前実施例に記載の態様に基づいて等比例に拡大・縮小する以外にも、前記パッケージゲル体12のY軸方向長さを減縮することで、各車灯の規格の要求を満たすことができ、投射される光パターンを効果的に矩形の態様に保持させることもできる。また、前記パッケージゲル体12と前記基板10との固着力を増強するために、前記パッケージゲル体12を前記基板10に結合する前に、前記基板10に接着剤を設けて、前記パッケージゲル体12と前記基板10との結合強度を向上させるようにすると共に、前記パッケージゲル体12はシリカゲル材質を選択使用してもよく、透光と実装保護効果を兼ね備えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
上記を総合すると、本発明の前記一次光学発光源1は、一次光学的出光において、矩形の投射光パターンを直接形成することができ、二次光学設計をさらに行う必要がなく、光源の応用効果を効果的に向上させて、車灯の煩雑な灯具構造設計を切り捨てることができ、他の光学素子の使用量をダウンサイジングできることから、灯具の全体体積を縮小できる。前記パッケージゲル体12の特殊な造型を介して前記LEDチップ11から射出される光線を効果的に調整できることで、前記矩形光パターンAを直接形成することができると共に、優秀な出光品質を保つことができる。前記一次光学発光源1の取付環境に応じて、前記パッケージゲル体12もその大きさを等比例に拡大・縮小する場合でも、あるいは前記LEDチップ11の規格を変更する場合でも、依然として前記一次光学発光源1から投射される前記矩形光パターンAの態様を保持させ、及び前記矩形光パターンAを相等のアスペクト比に保持させることができる。また、例え特殊な車灯の取付環境において、例えば、前記一次光学発光源1を設置するための車灯の空間がかなり狭隘な場合でも、前記パッケージゲル体12のY軸方向長さを減縮しても、依然として前記一次光学発光源1から投射される前記矩形光パターンAの態様に影響・変化を与えない。これゆえ、本発明は、現在の車灯光源の分野において、二次光学設計をしなければ、指定の光パターンを形成することができない不便の効果的な改善を確実に図ることで、車灯の設計と開発コストを低減できるようにする。
【符号の説明】
【0024】
1 一次光学発光源
10 基板
101 表面
1011 第1側辺
1012 第2側辺
11 LEDチップ
12 パッケージゲル体
121 第1屈曲部
122 第2屈曲部
123 頂部
124 第3屈曲部(湾弧部)
125 弧部
A 矩形光パターン