【実施例】
【0050】
例示的なものにすぎず、限定が意図されるものではないいくつかの例示的な実施形態およびその特定の実施形態に関して本開示の理解を深めるために、以下の例示的な実施例を提示するが、これらは、本明細書に特許請求された物品および方法の作製および評価がどのように行われうるかについて完全な開示および説明を提供することが意図されるものである。それらは、単に例示的であることが意図されるものであり、本発明者らが特許請求された自らの発明とみなす範囲を限定することが意図されるものではない。
【0051】
表1は、グリーン粒子の製造に使用される成分を列挙したものである。表2は、表1にA1、A2、およびA3と記されたベーマイト−3%シリカスラリーから得られた中空アルミナ−シリカグリーン粒子の実施例をまとめたものである。表2には、スプレー乾燥パラメーター、たとえば、固体充填率、界面活性剤添加、粘度、mm単位のノズルサイズ、℃単位の温度、圧力、ならびに気圧単位の入口圧力および出口圧力が列挙されている。得られたグリーン粒子は、粗粒子サイズおよび微細粒子サイズの画分に分離され、微細粒子画分に対する粗粒子画分の比、粗粒子画分の平均直径、微細粒子画分の平均直径、粒子画分の幅などのパラメーターにより特徴付けられる。それに加えて、SEMにより決定された中空粒子の画分が示されている。表2はまた、1300℃で焼成した後のスプレー乾燥粗粒子画分の得られたプレ反応粒子平均直径を示している。
【0052】
【表1】
【0053】
表1では、Ludox AS(登録商標)をSiO
2として使用し(水中コロイドシリカ)、微細アルミナ粉末を使用し、かつTritan ×−100(登録商標)を有機添加剤として使用した。表2では、ノズルサイズは、1.5mmであった。
【0054】
【表2】
【0055】
スプレー乾燥粒子サイズ分布に及ぼす種々のパラメーターの影響は、
図4〜8および表3を参照して記載されている。これらの結果に基づいて、工学的に作製される最適なバッチ原料および多孔性セラミック物品の最適な性質が得られるように、グリーン粒子処理の設定を決定することが可能である。
【0056】
図4は、本開示の例示的な実施形態に従ってさまざまな固体充填率(TS)を用いてスプレー乾燥することにより得られた分布を有するグリーン粒子サイズをプロットしたグラフである。
図4は、15、25、および30%の固体充填率の組成物A1、A2、およびA3(表1)で得られた微粉(F)および粗粉(C)のグリーン粒子サイズ分布を例示している。スプレー乾燥機の設定は、1.5atmの圧力、300℃の入口温度、120℃の出口温度、および65%のatmであった。
図4は、分布および平均粒子サイズd50が固体充填率TSの減少に伴って減少することを示している。実証された変化は、固体充填率による影響を受けることが示される組成物のレオロジーに関連付けられる。より低い固体充填率では、より狭い粒子サイズ分布を生じる。
【0057】
図5は、本開示の例示的な実施形態に従ってさまざまな出口温度で固定固体充填率(30%TSのベーマイト/3%Ludox(登録商標)シリカ)をスプレー乾燥することにより得られたグリーン粒子サイズ分布の進行をプロットしたグラフである。
図5は、90℃および120℃の出口温度での結果を示している。出口温度は、スプレー乾燥粒子サイズ分布に強い影響を及ぼす。より低い出口温度では、大きい平均粒子サイズを有して広い粒子サイズ分布が得られる。より高い出口温度では、より狭い粒子サイズ分布およびより小さい平均粒子サイズが提供される。
【0058】
図6は、1670℃で120時間焼成した後のアルミナ系組成物を用いたプレ反応粒子の研磨断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、本開示の例示的な実施形態に係る中空粒子の有意な画分を示している。
【0059】
バッチ材料として使用するために、スプレー乾燥およびプレ反応により、さまざまなサイズおよび組成を有する固体プレ反応粒子を作製した。表3は、スプレー乾燥によりアルミナ−シリカ組成物の固体グリーン粒子を処理する実施例をまとめたものである。実施例には、3%シリカを含むアルミナのスラリー組成物および列挙されたスプレー乾燥パラメーター(固体充填率、粘度、温度、圧力、ならびに入口および出口の圧力)が提示されている。1.0mmのノズルを使用したサンプル26〜28の組成物以外は、表3のすべての実施例で1.5mmのノズル直径を使用した。表3のすべての実施例で1%の界面活性剤(Tritan ×−100(登録商標))を使用した。達成されたグリーン粒子サイズ分布は、微細粒子に対する粗粒子の比、粗粒子画分の平均直径、微細粒子画分の平均直径、微細粒子画分の幅などのパラメーターにより特徴付けられる。それに加えて、100%と異なる場合、SEMにより決定された固体粒子の画分が示されている。40%の固体充填率では、より低い固体充填率の時よりも多くの中空粒子が得られることが、結果から示唆される。スプレー乾燥粗粒子画分を1300℃で焼成した。表3はまた、プレ反応粒子の平均直径を列挙している。
【0060】
【表3】
【0061】
グラフで
図7には、グリーン粒子サイズ分布に及ぼすスプレー乾燥パラメーターの影響が例示されている。
図7は、さまざまな固体充填率(TS)の微細アルミナ/3%Ludox(登録商標)シリカをスプレー乾燥させることにより得られたグリーン粒子サイズ分布をプロットしたグラフであり、本開示の例示的な実施形態に従って40%の個体充填率で広い粒子サイズ分布が得られることを示している。
図8は、本開示の例示的な実施形態に従って異なるスプレー乾燥機出口温度(ここでは、90℃または120℃)を用いて固定固体充填率(30%TSの微細アルミナ/3%Ludox(登録商標)シリカ)でスプレー乾燥させることにより得られたグリーン粒子サイズ分布をプロットしたグラフである。2atmの圧力で120℃のより高い出口温度にすると、最小の平均グリーン粒子サイズを有して最も狭いグリーン粒子サイズ分布を生じる。
【0062】
スプレー乾燥によりグリーン粒子組成物の多くの実施例を作製した。これらは、表4に示される。スプレー乾燥バッチ成分の組合せの例示的な実施形態は、1.5〜15%のシリカを有する微細なαアルミナまたはベーマイト、B、Mg、Y、Feの酸化物などの焼結添加剤を有するアルミナ、さまざまな焼結添加剤のB酸化物、Mg酸化物、La酸化物、Y酸化物、Fe酸化物などを有するアルミナ/シリカ、種々のレベルのシリカを有するチタニア、および長石系組成物を含む。また、例示的な実施形態に従って、チタン酸アルミニウム−長石複合組成物(無機物の完全ATバッチ)、完全ATバッチからアルミナまたはシリカまたは(アルミナ+シリカ)がわずかに不足したもの、および酸化ランタンなどの焼結助剤を含有するいくつかスプレー乾燥完全バッチ組成物を作製した。
【0063】
【表4-1】
【0064】
【表4-2】
【0065】
【表4-3】
【0066】
【表4-4】
【0067】
さまざまなバインダー、分散剤、界面活性剤、および他の有機添加剤を無機スプレー乾燥バッチに添加しうる。表5は、97%アルミナ/3%シリカ無機バッチ混合物に対して1〜5%のレベルで、トリトン(商標)X100(SIGMA−ALDRICH(登録商標))、Duramax(商標)D−3005(THE DOW CHEMICAL COMPANY(登録商標))、高分子電解質のアンモニウム塩またはDarvan−C(登録商標)(R.T.VANDERBILT COMPANY,INC)、アンモニウムポリメチルアクリレートの添加を有する組成物を示しているいくつかの場合、起泡を回避するために、Tritonと共に消泡剤(消泡剤A)を添加した。1.5atmの圧力、65%のフロー、300℃の入口温度、120℃の出口温度、および1.5mmの先端のスプレー乾燥機の設定を使用した。さまざまなレベルのDarvanまたはDuramaxおよび少量添加のTritonを用いて組成物をスプレー乾燥することにより、同一のスプレー処理条件下で類似のスプレー乾燥メジアン粒子サイズを生成した。
図9に示されるように、消泡剤の存在下で小粒子の凝集および形成が促進されるため、より高いトリトン/消泡剤Aレベルでは、より小さい粒子サイズが生成された。スプレー乾燥粒子サイズは、異なるDuramaxおよびDarvanレベルで非常に類似していたが、粒子の形状は、有意に異なっていた。種々のレベル、すなわち、0%、1%、2%、3%、4%、および5%のDarvanを用いてアルミナ/3%シリカをスプレーすることにより得られたスプレー乾燥粒子(
図10、左上から中央下へ)は、平滑表面を有するが不規則なトーラス形状を有する粒子を生成した。Darvan画分を増加させた場合、追加の微細粒子、より不規則な形状、および粉末への微細粒子の凝集が観測されたので、1%のDarvanの添加が好ましいレベルであるように思われた。種々のレベル、すなわち、0%、1%、2%、3%、4%、および5%のDuramaxを用いてアルミナ/3%シリカをスプレーすることにより得られたスプレー乾燥粒子は、低いDuramaxレベルでは、平滑表面を有する球形状の粒子を生成したが、より高いDuramaxレベルでは、次第に粗くなる多孔性表面を生成した(
図11、左上から中央下へ)。高いDuramaxレベルでは凝集や他の欠点が観測されなかったので、5%の添加が好ましい構成であると考えられる。
【0068】
スプレー乾燥アルミナ系バッチに対して3〜5%のDuramaxレベルにしたところ、好ましい粒子サイズ、形状、および表面テクスチャーが得られた。界面活性剤Tritonは、スプレー乾燥粒子のファインポロシティーを生成する可能性があるが、ファインポロシティーは、観測されなかった。Darvanは、多くのタイプのセラミックスラリーで使用可能な分散剤である。Darvanの添加によるスプレー乾燥粒子では、相分布の利点は、観測されなかった。高濃度では、Duramaxは、分散剤およびバインダーとして作用するが、スプレー乾燥粒子にポロシティーを導入しうる。バインダー、分散剤、および界面活性剤のこれらの実施例は、完全なリストであることが意図されるものではない。当業者であれば、カルボキシメチルセルロース、アクリルバインダー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)などの他の有機バインダー、分散剤、および界面活性剤を同一の目的で使用しうることは、分かるであろう。
【0069】
【表5】
【0070】
バッチ中のグリーンスプレー乾燥粒子は、組成および有機物添加のタイプに関係なく、混合および押出しの剪断力に耐えられなかった。このことは、押出し焼成部の微細構造および多孔度を調べることにより明確に実証された。グリーンスプレー乾燥粒子または炭化スプレー乾燥粉末を用いて作製された材料の多孔度およびメジアン細孔サイズは、市販の粗粒アルミナを用いて作製された標準材料の多孔度および細孔サイズに達しなかった(表6参照)。
【0071】
【表6】
【0072】
表6には、押出し焼成材料(1410℃、15h)の多孔度および細孔サイズと共に、スプレー乾燥アルミナ/3%シリカ/有機バインダーバッチ材料(無機物としての97%アルミナA1000、3%シリカ(Ludox)および追加添加の界面活性剤)を含むチタン酸アルミニウム型バッチが示されている。グリーン粉末、炭化粉末、またはプレ焼成スプレー乾燥粉末を使用し、バインダーをなんら用いずに、Tritonおよび消泡剤、Darvan、またはDuramaxを用いて、スプレー乾燥粉末を作製した。シリカ−8.78%、炭酸ストロンチウム−8.1%、炭酸カルシウム−1.4%、二酸化チタン−30.32%、スプレー乾燥粒子(グリーン、炭化、またはプレ焼成)−51.2%、酸化ランタン−0.2%、追加添加のジャガイモデンプン(PS)−15%、追加添加のメトセル−4.5%のバッチ組成で、スプレー乾燥粒子をバッチに添加した。実施例を二軸スクリュー型混合および1インチ(2.54cm)ラム押出しに付した。焼成条件は、1410℃/15時間であった。
【0073】
機械的強度を改良して押出しに耐えられるようにするために、例示的なスプレー乾燥粉末をプレ焼成した。粒子が未反応、部分反応、または完全反応の状態になるように、かつそれに対応して非緻密化、部分緻密化、または完全緻密化の状態になるように、プレ焼成条件を変化させ、1000℃〜1600℃の温度および1時間の何分の一(産業用回転か焼炉)から多時間までのさまざまな持続時間をカバーした。粒子サイズおよび形状は、プレ焼成時、かなり保持された。
図12Aは、スプレー乾燥したまま(左側)および焼成後(右側)のアルミナ/3%シリカ組成物の例示的なスプレー乾燥粉末を示している。
図12Bは、
図12Aの例示的なスプレー乾燥粉末のグリーン粒子および焼成粒子のサイズ分布を示している。
図12Aおよび12Bは、グリーン粒子のサイズおよびサイズ分布が焼成の終始にわたり良好に保持されることを例示している。表7、8、および9は、例示的なグリーンスプレー乾燥粉末の焼成後のか焼粒子の平均サイズおよび相組成を示している。表7および8の例示的な粉末は、指定がある場合を除いて、CMRボックス炉内の指示温度の空気中で焼成された。表7は、プレ反応アルミナ/シリカ粒子の特性を示している。表8は、プレ反応完全チタン酸アルミニウム−長石バッチ粒子の特性を示している。表9の例示的な粉末は、1440℃で産業用サイズの回転か焼炉で焼成された。表9は、プレ反応完全チタン酸アルミニウム−長石バッチ粒子の特性を示している。
図17Aは、グリーンの、炭化された、または1300℃でプレ焼成されたスプレー乾燥粒子を用いた、5%Duramaxと共にスプレー乾燥アルミナ/3%シリカを有する多孔性セラミック物品の実施例の細孔サイズ分布のグラフ比較を示している。
図17Bは、1300℃でプレ焼成された界面活性剤の添加されたスプレー乾燥アルミナ/3%シリカを有する多孔性セラミック物品の実施例の細孔サイズ分布のグラフ比較を示している。
【0074】
【表7】
【0075】
【表8-1】
【0076】
【表8-2】
【0077】
【表9】
【0078】
図13A〜C、14A〜C、および15A−BのSEM画像は、種々の組成物の特徴的なスプレー乾燥粒子形状および相分布を例示している。
図13A、13B、および13Cは、本開示の例示的な実施形態に従って1410℃で焼成した後(
図13A)、短い保持時間で1610℃で焼成した後(
図13B)、および長い保持時間で1610℃で焼成した後(
図13C)の17%シリカ(Ludox(登録商標))を有するアルミナ(ベーマイト)を含むスプレー乾燥粒子の一連のSEM顕微鏡写真である。細孔1201、1203は、粒子中に顕在化しており、第1の相1205および第2の相1207も同様である。細孔1203は、細孔1201と比較して大きい細孔である。粒子は、
図13Aから
図13Cまで緻密化が増加する。
【0079】
図14Aおよび14Bは、本開示の例示的な実施形態に従って1200℃でプレ焼成した後の完全無機AT(チタン酸アルミニウム+長石)バッチ組成物を用いたプレ反応粒子のSEM顕微鏡写真である。
図14Aは、粒子のレギュラー表面図であり、
図14Bは、粒子の断面図である。
図14Cおよび14Dは、本開示の例示的な実施形態に従って1300℃でプレ焼成した後の
図14Aおよび14Bと同一の組成物を有するプレ焼成スプレー乾燥粒子のレギュラー表面および断面のSEM顕微鏡写真である。
【0080】
図15Aおよび15Bは、本開示の例示的な実施形態に従って1100℃で回転か焼した後の0.7%酸化ホウ素添加の実施例番号34のスプレー乾燥粉末のSEM顕微鏡写真である(通常図(
図15A)および研磨断面図(
図15B))。
【0081】
焼成セラミック部に存在する相をX線回折(XRD)により同定した。Philips PW1830(登録商標)回折計(Co Ka線)をX線回折に使用した。スペクトルは、典型的には、20〜100°で取得された。リートフェルト精密化を相寄与の定量に使用した。
【0082】
グリーンスプレー乾燥粒子および焼成スプレー乾燥粒子ならびにそれらの研磨断面で、ハニカム壁表面および研磨ハニカム壁断面で、標準的な走査型電子顕微鏡法SEMキャラクタリゼーションを行った。研磨断面の観察では、焼成製品にエポキシを浸透させ、スライスし、そして研磨した。微視的レベルで存在するポロシティーおよび相の空間分布は、研磨サンプル断面図で可視化された。高分解能SEMを用いて微細構造および相分布の詳細を評価した。SEMを用いてエネルギー分散型X線分光法により、さまざまな相の化学組成および元素分布を(定性)分析および元素マッピングから得た。
【0083】
多孔度、メジアン細孔直径、および細孔サイズ分布は、Micromeritics(登録商標)のソフトウェアを用いてAutopore(商標)IV9500ポロシメーターに基づく水銀圧入ポロシメトリーにより決定された。水銀圧入ポロシメトリー法では、ウォッシュバーン式D=−(1/P)4y CosΦ(式中、Dは細孔直径であり、Pは加圧力であり、yは表面張力であり、かつΦは接触角である)で表されうる非湿潤液体およびシリンダー細孔を用いた毛管法則が使用される。水銀の体積は、圧力に正比例する。データ整理では、微分およびlog微分を用いて、計算されたlog直径の関数として累積比圧入体積の一次微分を計算した。水銀ポロシメトリーを用いて透過性を計算した。透過性は、加圧力下で材料を貫通するガス流量である。Autoporeデバイスで、水銀がサンプルに広がって臨界圧力に達するまで圧力を増加させ、水銀が次第に小さい細孔を満たすようにする。この場合、k[ミリダルシー単位]=1/226(Lc)2σ/σ
o(式中、σは長さLcでの伝導率であり、かつσ
oは細孔中のコンダクタンスである)として表される。水銀多孔度データをさらに使用して屈曲度を推定することが可能である。屈曲係数は、多孔性媒体を通って輸送する際のガスと表面との相互作用の効率を特徴付ける。屈曲度は、細孔相互接続性に強く依存する。屈曲係数が大きくなるほど、ガスと材料内表面との相互作用が大きくなる。J.Hagerは、細孔がランダム方向に均一に分布する毛管束モデルに基づいて、材料透過性を表す式を誘導した。シリンダージオメトリーの流体フローに対してハーゲン・ポアズイユ相関を用いて、かつ測定可能なパラメーターで置き換えることにより、かつダルシーの法測と組み合わせることにより、全細孔容積、材料の密度、細孔サイズによる細孔体積分布、および材料屈曲度に基づいて、材料透過性を表す式を誘導することが可能である。全細孔容積、材料の密度、および細孔サイズによる細孔体積分布は、水銀ポロシメトリー試験から取得可能である。また、KatzおよびThompsonは、水銀ポロシメトリーから取得可能なかつ材料屈曲度の知見に依存しない測定値に基づいて、材料透過性を表す式を誘導した。Hagerの式とKatz−Thompsonの式とを組み合わせることにより、水銀ポロシメトリーにより収集されたデータから屈曲度を決定するための手段が提供される。
【0084】
室温から1200℃まで4℃/分の速度で加熱してから、室温に冷却することにより、0.25”×0.25”×2”(0.623×0.623×5.08cm)の寸法を有するバー形状のサンプルで、熱膨張を測定した。本明細書にとくに断りのないかぎり、試験バーの長手方向軸は、ハニカムチャネルの方向に方向付けられるので、ハニカム部の軸方向の熱膨張を提供した。本明細書にとくに断りのないかぎり、本明細書に記載の室温は、25℃を意味する。表および本文に列挙された種々の温度範囲での平均熱膨張係数は、室温〜800℃の温度範囲の平均熱膨張係数としてL(800℃)−L(20℃)/780℃で定義される、室温〜800℃のK
−1単位の平均熱膨張係数CTE20−800、室温〜1000℃の温度範囲の平均熱膨張係数としてL(1000℃)−L(20℃)/980℃で定義される、室温〜1000℃のK
−1単位の平均熱膨張係数CTE20−1000、500℃〜800℃の温度範囲の平均熱膨張係数としてL(900℃)−L(500℃)/400℃で定義される、500〜900℃のK
−1単位の平均熱膨張係数CTE500−900である。
【0085】
3つまたは4つの曲げ点のいずれかを用いて試験試料に荷重して破壊させる横方向曲げ技術を用いて、セラミックの強度を試験した。破壊前の最大応力は、多くの場合、破壊係数またはMORとして参照される。2インチ(50.8ミリメートル)の下限間隔(L)および0.75インチ(19ミリメートル)の上限間隔(U)の四点曲げを用いて、MORを測定した。4点曲げ試験の試料ジオメトリーは、2.5インチ(63.5ミリメートル)の長さ、0.5インチ(12.7ミリメートル)の幅(b)、および0.25インチ(6.4ミリメートル)の厚さ(d)であった。使用された力測定システムは、最大力(P)の読取りおよび校正ロードセルを備えていた。矩形試料に対するASTM曲げ強度式を用いて、MOR値を計算した。試験した試料はすべて、ハニカムの長さ方向にチャネルを有する矩形セル(ハニカム)構造を有していた。本体の構造に関係なく壁強度として参照されることが多い実際の材料の強度は、ASTM規格C1674−08を用いて、ハニカム試験バーのセル構造を補償するように従来のMOR式に変更を加えることにより決定された。
【0086】
5”×1”×0.5”(12.7×2.54×1.27cm)の寸法を有しかつ長手方向軸がハニカムチャネルの方向に方向付けられたバー形状のサンプルを用いて、曲げ共振周波数により弾性率を測定した。サンプルを1200℃に加熱し、そして冷却して室温に戻した。各温度に対して、共振周波数から弾性率を直接誘導し、ASTM C1198〜01に準拠してサンプルジオメトリーおよび重量に対して規格化した。
【0087】
表6に戻ってそれを参照すると、種々のレベルのさまざまな分散剤、界面活性剤、およびバインダーを用いて得られたスプレー乾燥バッチ粉末から作製された材料が示されている。ATバッチは、8.78%のシリカ、8.1%の炭酸ストロンチウム、1.4%の炭酸カルシウム、30.32%の二酸化チタン、51.2%の表6のスプレー乾燥グリーン組成物(アルミナ/シリカ)、0.2%の酸化ランタン、15%の追加添加のジャガイモデンプン、4.5%の追加添加のメトセルを含んでいた。スプレー乾燥粉末は、グリーン(スプレー乾燥されたまま)粉末、炭化粉末、またはプレ反応粉末としてバッチに組み込まれた。表6は、市販の原料、グリーンスプレー乾燥粒子、炭化スプレー乾燥粒子、およびプレ焼成スプレー乾燥粒子を含むバッチから作製された焼成押出し(300/13)材料の多孔度を比較している。AT型無機組成物と細孔形成剤パッケージとを含むバッチを使用した。アルミナおよび小分率のシリカを同一組成のスプレー乾燥バッチ粉末と置き換えた。バッチ添加は、押出し焼成材料の得られた多孔度と共に6に列挙されている。バッチを二軸スクリュー型混合に付し、そして1”(2.54cm)ラム押出しを行った。1410℃/15hrで乾燥押出し品を焼成した。
【0088】
スプレー乾燥粉末を前処理しないか(グリーン)、窒素中500℃で炭化するか、または空気中1300℃で5時間焼成してプレ反応させるかのいずれかを行った。同一の条件下で押出しおよび焼成が行われた10μmのメジアン粒子サイズを有する市販の微粒子のアルミナA10を用いた標準的なATバッチ比較例は、約50%の多孔度および15μmの細孔サイズを生成した。
【0089】
グリーン未焼成スプレー乾燥粉末(いずれの界面活性剤も添加しない)は、比較例よりも有意に小さいメジアン細孔サイズd50=9μmを有して、わずかに小さい多孔度(48%)を生成することが、水銀圧入ポロシメトリーにより示された。窒素中500℃でスプレー乾燥粒子を炭化させたところ、多孔度のさらなる低下が促進され、43%の多孔度、9μmの細孔サイズが得られた。これとは対照的に、プレ焼成スプレー乾燥粒子では、多孔度は、22μmのメジアン細孔サイズを有して54.4%に増加した。市販の粗粒アルミナ原料の使用と比較される利得は、多孔度が4〜5%増加することおよび細孔サイズが6〜7μm増加することであった。
【0090】
種々の有機物添加(Darvan、Duramax、Triton)を用いてグリーンスプレー乾燥バッチ材料または炭化スプレー乾燥バッチ材料から得られた材料は、多孔度の変化をほとんど示さなかったことから、グリーンスプレー乾燥粒子および炭化スプレー乾燥粒子は、二軸スクリュー様の混合および押出し時の剪断に耐えられないことが示唆される。DarvanまたはDuramaxを含有するスプレー乾燥プレ焼成粒子の使用により、多孔度および細孔サイズの有意な増加が得られた。多孔度および細孔サイズは両方とも、スラリー中のDarvanまたはDuramaxの量と共に増加した。5%添加では、5%のDarvanおよびDuramaxを用いて、それぞれ、53%および58%の多孔度、21μmおよび23μmのメジアン細孔サイズが得られた。これは、多孔度の有意な利得(それぞれ3%および8%)およびメジアン細孔サイズの有意な利得(それぞれ5および7μm)である。そのような低い細孔形成剤レベルで市販の原料を用いて、そのような高い多孔度および大きい細孔サイズを得るのは、非常に難しいであろう。
【0091】
押出しグリーンウェアの
図16A、16B、および16CのSEM画像から、ほとんどのスプレー乾燥グリーン粒子およびスプレー乾燥炭化粒子は、混合および押出しに耐えられないが、より高い温度でプレ焼成されたスプレー乾燥粒子は、混合および押出しに耐えられることが判明した。
図16A、16B、および16Cには、アルミナおよび小分率のシリカがアルミナ/3%シリカ/有機バインダーのスプレー乾燥粉末により置き換えられたAT型押出しグリーンウェアが示されている。スプレー乾燥されたままのグリーンバッチ(
図16A)、空気中1300℃で5時間プレ焼成したバッチ(
図16B)、または窒素中500℃で炭化したバッチ(
図16C)に、スプレー乾燥粒子を組み込んだ。なんら添加することなく(一段目)、5%Darvanを添加して(二段目)、5%Duramaxを添加して(三段目)、または1%トリトンを添加して(最後の行)、スプレー乾燥粉末を得た。SEM画像は、グリーンウェアの研磨断面を示している。
図16BのSEM画像は、プレ焼成スプレー乾燥粒子がすべて、完全に保持され、かつグリーンウェア中に規則的に分配されることを示している。
【0092】
図16Dは、なんら添加することなく作製された
図16Bのより高倍率のSEM画像(一段目)を示しており、
図16Eは、5%Darvanが添加された
図16Bのより高倍率のSEM画像(二段目)を示しており、
図16Fは、5%Duramaxが添加された
図16Bのより高倍率のSEM画像(三段目)を示している。
図16Dのより高倍率のSEM画像は、球形状を保持しかつ破壊を受けない有機物なしの粒子を例示している。DarvanおよびDuramaxを含有する材料の断面は、おそらくグリーンウェアの切断および研磨から生じたまたは有機物質の添加に関連付けられる歪みに起因して、スプレー乾燥粒子のいくらかの歪みを示す。
【0093】
図18A、18B、18C、および18Dは、スプレー乾燥アルミナ/3%シリカから作製されたAT型バッチ押出し焼成製品を示している。SEM画像は、多孔度、表面ポロシティー、相分布、および微小亀裂発生の詳細を示している。十分に混合された微細原料の典型的なレギュラー相分布は、グリーンスプレー乾燥粒子(
図18Aおよび18B)および炭化スプレー乾燥粒子(
図18Cおよび18D)の使用で得られる。
【0094】
図19Aおよび19Bは、本開示の例示的な実施形態に従ってスプレー乾燥プレ焼成アルミナ/3%シリカから作製されたAT型押出し焼成製品のバルクおよび表面のインバースポロシティー特性、相分布、ならびに低い微小亀裂密度のSEM画像を示している(チタン酸アルミニウムは灰色相コントラストを示し、長石は明るく、かつ未反応アルミナは暗灰色である)。
図19Aおよび19Bに示されるプレ焼成スプレー乾燥材料から作製された実施例は、高い細孔相互接続性を有するインバースポロシティーにより特徴付けられる。個別のスプレー乾燥粒子の形状は、依然として目視されうるが、チタン酸アルミニウムおよび長石のより大きい粒子凝集体に変換された。これらの2つの相の分布は、レギュラーであった。未反応アルミナは、市販のバッチ材料から作製された材料中には典型的には存在しない凝集体の形態で目視された。十分な反応を達成するために、A1000中のさまざまな不純物レベルを補償するために、またはAT型バッチ組成を調節するために、スプレー乾燥粒子のプレ焼成時間を延長することにより、典型的にはチタン酸アルミニウム粒子中に小さいアルミナ混入物を生じる3%過剰のアルミナが抑制されうる。必ずというわけではないが、おそらく、過剰のアルミナのさまざまな分布に関連付けられて、プレ焼成スプレー乾燥粉末から作製された材料中の微小亀裂密度は、かなり低かった。5%Darvan(
図20A、20B、20C、および20D)または5%Duramax(
図21(a)〜(f))を含有するスラリーからスプレー乾燥されたプレ焼成スプレー乾燥材料から作製された材料は、同一の特徴的なインバースポロシティーを示したが、より不規則でかなり粗い細孔およびより多くの凝集を含む相分布を呈した。また、有機物なしのスプレー乾燥材料から作製された材料と比較して、未反応アルミナの凝集が増強された。低い微小亀裂密度は、
図20Dおよび21(d)で明らかである。
【0095】
レギュラー細孔構造およびインバース細孔構造(
図3Aおよび3Bを参照されたい)は、プレ焼成スプレー乾燥AT型バッチコンポーネントを用いて得られた。レギュラー細孔構造(
図3A)は、典型的には、市販の原料から作製された材料中に見いだされ、原料粒子間の接触ゾーン、反応ゾーン、および拡散ゾーンでの原料の反応および広範な焼結から生じる。インバース細孔構造(
図3B)は、大きい細孔ネックおよび小さい材料焼結ネックにより特徴付けられる。そのような細孔網状組織は、粒子が溶接されかつ仮に起こるとしてもごくわずかに反応または焼結が起こる構造で観測された。インバース細孔構造は、特定のスプレー乾燥バッチ材料、プレ焼成条件、および部分焼成条件を用いて得られた。完全(またはほとんど完全)バッチ組成物がスプレー乾燥および完全プレ反応された時に、インバースポロシティーが得られた。そのような条件では、焼成時、押出し材料で主反応は起こらなかった。また、スプレー乾燥粒子は、それらの接触点でのみ焼結された。インバースポロシティーはまた、高多孔度および超高多孔度の材料でより高頻度で形成された。しかしながら、インバースポロシティーを生じるバッチおよび焼成条件は、低多孔度および部分反応スプレー乾燥バッチ材料でも見いだされた。後続の図は、それらのスプレー乾燥粉末、バッチ組成物、および焼成サイクルと共に、得られた微細構造の実施例を例示している。
【0096】
図22A〜Fは、小さい細孔ネックを有するレギュラー細孔構造の代表的な材料を示している。この材料は、スプレー乾燥アルミナ/3%シリカがプレ反応粒子バッチ材料として使用されたAT型組成物バッチを用いて得られた。実施例番号78のスプレー乾燥アルミナ/シリカ粉末は、16μmの平均粒子サイズを有し、1300℃でプレ焼成された。SEM画像は、1427℃/15hで焼成した後の実施例番号H1(実施例番号78の粒子を用いて作製されたAT型バッチ押出し焼成製品)の製品を示している。多孔度は、約50%の多孔度であった。
図22A〜Cは、異なる倍率で焼成壁の研磨断面を示しており、細孔構造および相分布を例示している。より明るいコントラストを有する相は、長石であり、より暗いコントラストを有する相は、チタン酸アルミニウムである。
図22D〜Fは、焼成非研磨表面を示している。焼成材料の性質を表10にまとめられている。
【0097】
【表10】
【0098】
図23A〜Dは、インバースポロシティーを有するスプレー乾燥アルミナ/3%シリカ/酸化ランタンプレ反応粒子から作製された高多孔度AT型製品を示している。材料は、焼成時、それらの接触点で焼結一体化された球状クラスターの形状を保持したので、大きい細孔ネックを有するインバースポロシティーを生成した。実施例番号H2は、19μmの平均粒子サイズを有するスプレー乾燥実施例番号92の粒子(10%シリカおよび0.4%酢酸ランタンを含むアルミナ)から作製され、1410℃で焼成された。材料は、細孔形成剤としての20%ジャガイモデンプンと共に押し出された。
図23A〜Dには、異なる倍率の壁表面および研磨断面のSEM画像が示されている。
図23Aは、大きい細孔ネックを有するインバースポロシティーを示す壁の研磨断面を示している。
図23Bおよび23Cは、より大きい倍率の研磨断面を示しており、大きい細孔ネックを有するインバースポロシティーおよび相分布を例示している。
図23Dは、非研磨表面のSEM顕微鏡写真であり、細孔およびプレ反応粒子の相互接続性を例示している。
図23Bでは、より明るいコントラスト相は長石であり、灰色相はチタン酸アルミニウムであり、かつ暗い相はアルミナである。
【0099】
高多孔度およびレギュラーポロシティー形態を有する材料はまた、スプレー乾燥組成物および焼成スケジュールの例示的な実施形態により得られた。
図24A〜Fは、AT型バッチ中に少量のシリカを含むプレ反応チタニアから作製された55%の多孔度を有する高多孔度材料の実施例番号H3の実施例を示している。実施例番号H3で使用された実施例番号111のプレ反応スプレー乾燥粒子(チタニア/シリカ)は、13μmの平均粒子サイズを有し、1300℃でプレ焼成された。実施例番号H3の押出し製品は、1427℃で15時間焼成された。実施例番号H3は、比較的小さい細孔ネックを有するレギュラーポロシティーを示した。相分布は粗く、微小亀裂密度はいくぶん低かった。
図24A、24B、および24Cは、異なる倍率で焼成壁の研磨断面を示しており、細孔構造および相分布を例示している。
図24D、24E、および24Fは、焼成非研磨表面のSEM図を示しており、微細構造および細孔構造の細孔および粒子相互接続性を例示している。明るい相は長石であり、灰色相はチタン酸アルミニウムである。表10には材料の性質がまとめられている。
【0100】
2つのプレ反応バッチ材料、たとえば、プレ焼成スプレー乾燥AlSi実施例番号78粒子およびプレ焼成スプレー乾燥TiSi実施例番号111粒子に基づく実施例番号H4を用いて、いくつかの実施例を作製した。
図25Aは、本開示の例示的な実施形態に係る約13μmの平均粒子サイズを有する1300℃でプレ焼成されたスプレー乾燥チタニア/シリカの粒子および約16μmの平均粒子サイズを有する1300℃にプレ焼成されたスプレー乾燥アルミナ/シリカの粒子から作製された、約54%の多孔度を有する1427℃/15hで焼成されたAT多孔性セラミックハニカムの壁の研磨断面を示している。粉末は両方とも、AT型バッチに組み込まれた。
図25Bおよび25Cは、より大きい倍率の研磨断面を示しており、小さい細孔ネックを有するレギュラーポロシティーおよび相分布を例示している。
図25D、25E、および25Fは、細孔および相の接続性を例示する焼成非研磨表面のSEM顕微鏡写真である。白色粒子は長石であり、灰色粒子はチタン酸アルミニウムである。表10には実施例H4の材料の性質がまとめられている。
【0101】
1427℃/15hで焼成した後の57%の多孔度を有する高多孔度実施例H5は、実施例H4と同一のスプレー乾燥粉末組成物から作製されたが、スプレー乾燥アルミナ系粉末は、より高いプレ焼成温度で焼成された。
図26Aは、本開示の例示的な実施形態に係る約13μmの平均粒子サイズを有する1300℃でプレ焼成されたスプレー乾燥チタニア/シリカの粒子および約13μmの平均粒子サイズを有する1600℃でプレ焼成されたスプレー乾燥アルミナ/シリカの粒子を有する、1427℃/15hで焼成された実施例H5の多孔性セラミックハニカムの壁の研磨断面を示している。
図26Bおよび26Cは、より大きい倍率の研磨断面を示しており、細孔構造および相分布を例示している。
図26D、26E、および26Fは、細孔および相の相互接続性を例示する焼成非研磨表面のSEM顕微鏡写真である。明るいコントラスト相は長石であり、灰色相はチタン酸アルミニウムである。レギュラーの粗い相分布が得られた。表10には実施例H5の材料の性質がまとめられている。
【0102】
図27Aは、本開示の例示的な実施形態に係るプレ焼成スプレー乾燥完全バッチ組成物の粒子とバインダーとしての微細アルミナとを有するAT多孔性セラミックハニカムの壁の研磨断面を示している。
図27Bは、より大きい倍率の研磨断面を示しており、かつ
図27Cは、焼成されたままの壁表面を示しており、小さい粒子ネックと大きい細孔ネックとを有するインバースポロシティーの回転楕円体充填を例示している。
【0103】
図28A、28B、および28Cは、中空プレ反応か焼アルミナ/シリカから作製されたAT型バッチ押出し焼成製品のSEM画像を示している。スプレー乾燥中空粒子は、1650℃で15時間プレ焼成された。押出しハニカム製品は本開示の例示的な実施形態に従って1410℃で焼成された。
図28Aは、ハニカムチャネル壁を貫通する研磨断面を示しており、保存された中空スフェアおよびインバースポロシティーを示している。
図28Bは、固相およびインバースポロシティーの詳細を示している。
図28Cは、表面ポロシティーおよび材料の詳細を示している。
【0104】
表11〜13にはスプレー乾燥プレ焼成アルミナ/シリカバッチ材料を有する実施例の性質がまとめられている。実施例は、表11〜13に示される1”および2”ラム押出しにより得られ、指示温度で焼成された。実施例は、幅広い多孔度範囲および細孔サイズ範囲をカバーすることが分かる。
図29Aおよび29Bは、同一のAT型組成物を有するが本開示の例示的な実施形態に係るスプレー乾燥アルミナ/シリカバッチ材料中に異なる量のシリカを有する材料の多孔度、メジアン細孔サイズd50、およびMORの進行を示している。スプレー乾燥粒子中のシリカ含有率は、多孔度にほとんど影響を及ぼさないことが分かる。多孔度は、スプレー乾燥粉末中のシリカレベルと共にわずかに減少する。スプレー乾燥粉末中のシリカレベルは、押出し焼成製品のメジアン細孔サイズに強い影響を及ぼす。シリカ含有率の増加に伴って、メジアン細孔サイズの大幅な減少が観測された。3%シリカは、20μmのメジアン細孔サイズを生成したが、17%シリカは、わずか10μmの細孔サイズを生成した。MORは、多孔度の減少に伴っておよび細孔サイズの減少に伴って増加する。実施例には、類似のまたはより高い多孔度および類似のまたはより大きいメジアン細孔直径で、MORが市販の粗粒アルミナ原料から作製された材料よりも高い場合が含まれる。多孔度が規格化されたMORに対して、同じことが当てはまる。
【0105】
【表11-1】
【0106】
【表11-2】
【0107】
【表11-3】
【0108】
【表11-4】
【0109】
【表11-5】
【0110】
【表12-1】
【0111】
【表12-2】
【0112】
【表13-1】
【0113】
【表13-2】
【0114】
一定の無機バッチ組成物およびスプレー乾燥アルミナ/3%シリカの使用では、スプレー乾燥スラリー中での有機物添加の使用は、プレ焼成スプレー乾燥粒子のスプレー乾燥粒子形状および多孔度に影響を及ぼすことが示された。表14は、スプレー乾燥スラリー中でのより多量の有機バインダーの使用がプレ焼成スプレー乾燥粒子のファインポロシティーを生成し、かつ最終バッチで多孔度の増加に寄与することを示している。スプレー乾燥スラリーで使用される有機物質のタイプおよび量は、最終材料で多孔度に影響を及ぼすだけでなく、微細構造にも影響を及ぼす。プレ焼成スプレー乾燥粒子の多孔度は、反応時、より高速の輸送および物質交換を可能にするので、異なる微細構造が得られる。反応した微細構造の相分布および粒子サイズは、微小亀裂発生レベルおよび微小亀裂分布を制御するので、最終材料の熱膨張に影響を及ぼす。
図30A、30B、30C、および30Dは、ヒステリシスの幅の差により表される広範にわたる微小亀裂挙動を呈する一群の材料を例示することにより、最終材料のCTEに及ぼす有機物質の影響をまとめたものである。
【0115】
【表14】
【0116】
表15および16には、完全無機バッチ混合物に近くなるようにスプレー乾燥およびプレ焼成を行うことにより得られた実施例の材料の性質がまとめられている。表15は、1”ラム押出しを示し、表16は、2”ラム押出しを示している。市販の非スプレー乾燥バッチ材料から作製されたATの比較例PDGもまた、提示される。
【0117】
【表15-1】
【0118】
【表15-2】
【0119】
【表16-1】
【0120】
【表16-2】
【0121】
表17は、粒子実施例番号42(表4、1300℃で焼成)、15%ジャガイモデンプン(PS)、および8%グラファイト細孔形成剤を含むバッチについてハニカムの物理的性質の進行をハニカム焼成温度の関数として示す例示的な実施例を示している。
【0122】
【表17】
【0123】
プレ焼成スプレー乾燥材料W11、W15、およびW10(表11)から作製された実施例2”フィルターと、市販の原料を用いて作製された比較例AT(CW7)と、の比較を行った。焼成ハニカムをセメントで塞いでベアフィルターを提供した。フィルターはすべて、近いジオメトリーを有しており、より良好な比較のために、データをジオメトリー(300/13)で共通のフィルター長さ6”(15.24cm)、直径2”(5.1cm)、および壁厚13ミル(0.33mm)に規格化した。3つのスプレー乾燥実施例は、ノーマルポロシティー材料およびインバースポロシティー材料を含む。スプレー乾燥材料から作製された実施例フィルターのベア圧力低下は、比較例フィルター未満であることが見いだされた。被覆圧力低下は、この傾向に従うことが観測された。
【0124】
図31は、本開示の例示的な実施形態に係るスプレー乾燥プレ焼成原料を用いて作製された非被覆多孔性セラミックフィルターサンプルおよび市販の原料を用いて作製された比較サンプルで、圧力低下のデータを煤充填率の関数としてプロットしたグラフである。ベア圧力低下は、スプレー乾燥プレ焼成バッチ材料を用いて作製されたフィルターの利点を示す。
【0125】
図32は、本開示の例示的な実施形態に係るスプレー乾燥プレ焼成原料を用いて作製された非被覆多孔性セラミックフィルターサンプルおよび市販の原料を用いて作製された比較サンプルで、濾過効率のデータを煤充填率の関数としてプロットしたグラフである。57%超の多孔度およびいくつかの場合にはインバースポロシティー(実施例番号H33)を呈する、スプレー乾燥プレ焼成材料から作製された実施例のフィルターの濾過効率を測定した。これらのベア濾過効率を、ノーマルバッチ粉末から作製されてわずか50%の多孔度および15〜16μmのメジアン細孔サイズを達成した比較サンプルAT材料と比較した。
図32は、比較を示している。かなり高い多孔度を有する実施例のフィルターの濾過効率は、50%の多孔度の比較サンプルのATフィルターの濾過効率と類似の範囲内にあることから、スプレー乾燥バッチ材料を用いて得られたインバースポロシティー細孔構造も微細構造も、濾過に関してなんら欠点を提供しないことが示唆される。
【0126】
本開示の例示的な実施形態によれば、同一の組成を有する比較サンプルを基準にして多孔度の8%の利得が得られることが実証された。63%以上の多孔度および15μm以上のメジアン細孔サイズを有するインバースポロシティーが実証された。焼結結合反応結合材料は、比較サンプルよりも少ない微小亀裂発生を示し、CTEヒステリシスがほとんどまたはまったくなく、しかも20〜30×10
−7K
−1の範囲内のCTEである。スプレー乾燥組成物の特定の実施形態では、微小亀裂発生を増強しかつCTEを低下させるプレ焼成および焼成の条件が達成された。いくつかの材料では、CTE<10×10
−7K
−1が達成された。アルミナ/6%シリカスプレー乾燥バッチ材料から作製された実施例番号H7は、58%の多孔度および15μmのメジアン細孔サイズでCTE=7×10
−7K
−1を生成した。スプレー乾燥アルミナ/シリカを用いた実施例番号H20およびH21は、60%の多孔度および19μmのメジアン細孔サイズでCTE=13×10
−7K
−1を示した。60%の多孔度を有する実施例番号H82は、9.5×10
−7K
−1のCTEを有していた。
【0127】
3%〜18%のさまざまなレベルのシリカを含むまたはシリカおよびランタンを含むアルミナに、実施例で種々の温度でスプレー乾燥およびプレ焼成を行った。高多孔度(55%〜61%)および16〜20μmの細孔サイズで13〜15×10
−7K
−1のCTEを有する材料を取得した。多孔度はシリカレベルの影響を受けなかったが、メジアン細孔サイズは、シリカ含有率の増加に伴って減少した。AT製品のメジアン細孔サイズは、スプレー乾燥粒子サイズの影響を受けて、15μm未満の粒子サイズの減少を呈した。
【0128】
実施例の物品を2”部として押し出し、ポリマーの焼き払いのために低酸素圧力下で焼成し、続いて、空気中で焼成した。ベアフィルター性能を試験した。ベアフィルターの圧力低下測定では、同一のフィルタージオメトリーを用いてAT型組成物の比較例と比較して、圧力低下の27%の減少を示した。60%超の多孔度および大きい細孔サイズを有する部材の濾過効率は、50%の多孔度および15μmのメジアン細孔サイズを有するAT型組成物の比較例に類似していた。
【0129】
コージエライトスプレー乾燥プレ焼成原料を含む本開示の例示的な実施形態の追加の実施例を作製した。
図33A、33B、33C、33D、および33Eは、スプレー乾燥実施例番号78で構成された、ただし、1410℃でプレ焼成された実施例Cor1のコージエライト型バッチ押出し焼成製品のSEM画像を示している。押出し材料は、本開示の例示的な実施形態に従って1300℃で焼成された。
図33Aは、ハニカム壁の表面を示しており、ポロシティーの形状および分布を表す。
図33Bは、ハニカムチャネル壁を貫通する研磨断面を示しており、インバースポロシティーを示している。
図33Cは、固相の詳細を示している。
図33Dおよび33Eは、表面ポロシティーおよび材料の詳細を示している。
【0130】
図34A、34B、34C、および34Dは、スプレー乾燥実施例番号78で構成された、ただし、1410℃でプレ焼成された実施例Cor2のコージエライト型バッチ押出し焼成製品のSEM画像を示している。押出し材料は、本開示の例示的な実施形態に従って1610℃で焼成された。
図34Aは、ハニカムチャネル壁を貫通する研磨断面を示しており、インバースポロシティーを示している。
図34Bは、固相、微小亀裂発生、およびインバースポロシティーの詳細を示している。
図34Cおよび34Dは、表面ポロシティーおよび材料の詳細を示している。
【0131】
表18は、実施例Cor1およびCor2の材料の性質を示している。実施例は、ごくわずかな微小亀裂発生を示した。実施例Cor1は、14×10
−7K
−1(RT〜800℃)のCTEを有し、実施例Cor2は、16×10
−7K
−1(RT〜800℃)のCTEを有していた。実施例Cor1のMORは740psi(5.10MPa)であり、実施例Cor2のMORは1130psi(7.79MPa)であった。
【0132】
【表18】
【0133】
図35は、実施例Cor1およびCor2の細孔サイズ分布を示している。
図36は、実施例Cor1およびCor2の熱膨張を示している。
【0134】
したがって、本開示の例示的な実施形態は、標準的な粉末原料と比較して、プレ反応粒子の使用により、より高い多孔度およびより大きい細孔サイズの多孔性セラミック物品を提供する。10〜30マイクロメートルの範囲内のメジアン細孔サイズで、55%超さらには65%超の多孔度を達成することが可能である。例示的なプロセスは、比較的低コストで、かつ原料および細孔形成剤の粒子サイズおよびサイズ分布を制御して、60%以上の多孔度および20μm以上のメジアン細孔サイズを有するフィルターを提供する。本開示の例示的な実施形態は、大サイズ粒子、狭い粒子サイズ分布、機械的ロバスト性、およびより高い多孔度、より大きい細孔サイズの材料がもたらされるように焼成時に保持可能な大細孔および高多孔度を有する有利なバッチ材料充填物が得られるようにプレ反応された1つ以上のバッチ材料の組合せの使用を可能にする。粒子が大きいほど、およびサイズが均一であるほど、多孔性セラミック物品の多孔度および細孔サイズが大きくなる。広範な細孔サイズ分布を生成することにより多孔性セラミック物品の性質に悪影響を及ぼす広い粒子サイズ分布、したがって、低い材料強度を回避することが可能である。
【0135】
本開示の例示的な実施形態は、妥当な費用で多孔性セラミック物品の高多孔度および大細孔サイズを可能にする。たとえば、かなりのコスト節約を行って、狭い粒子サイズ分布を有する他の大粒子サイズアルミナ源よりも優れた適合化された性質上の利点を有して、スプレー乾燥多孔性アルミナ系プレ焼成バッチ材料を作製することが可能である。狭い粒子サイズ分布のスプレー乾燥粒子は、自然に低密度の充填物を生成する。スプレー乾燥および回転か焼は両方とも、必要とされるバッチ材料を工学操作するために使用可能な高スループットで低コストの産業プロセスである。
【0136】
本開示の例示的な実施形態は、多孔性セラミック物品の同程度の多孔度で細孔形成剤のレベルおよび付随的な焼成亀裂の可能性の低減を可能にする。一般的には、粉末バッチを用いて作製される物品では、高い細孔形成剤レベルを使用することによってのみ、高多孔度の形成が可能であり、その場合、細孔形成剤焼き払いの発熱イベントおよび吸熱イベントに適合するように長い焼成サイクルが必要となり、ひいては焼成亀裂成形のリスクが増大する。したがって、本開示の例示的な実施形態は、より短い焼成時間を可能にする。
【0137】
本開示の例示的な実施形態は、多孔性セラミック物品で低レベルの微小亀裂発生、低CTE、および高強度を可能にする。本開示の例示的な実施形態は、小さいネックを有する相互接続細孔構造を形成する一般的な粉末バッチ反応焼結材料と比較して、大きい細孔ネックおよび小さい材料ネックを有するインバースポロシティーを可能にする。小さいネックは、透過性およびガスフローを制限して圧力低下を制御しうる。細孔構造中に非常に大きいネックを有する材料は、改良された透過性をもたらすので、圧力低下の小さいフィルターを提供する。
【0138】
本開示の例示的な実施形態によれば、広範にわたるサイズおよび単一バッチコンポーネントまたは複数バッチコンポーネントを含有可能な組成物で、プレ反応粒子を作製することが可能である。本開示の例示的な実施形態によれば、スプレー乾燥粒子で複数コンポーネントを密な混合物として組み合わせてプレ焼成する場合、スプレー乾燥粉末混合物は、押出しバッチの焼成時、他の反応経路および最終段階の異なる分布、粒子サイズ、要するに、同一の組成の混合粉末バッチとは異なる微細構造を促進する中間生成物または生成物の混合物にプレ焼成時に反応させることが可能である。
【0139】
本開示の例示的な実施形態は、プレ焼成時、中間体に十分に反応しない混合スプレー乾燥粒子を用いて押出しバッチの構造化を行って、小さいバッチ反応器として作用させたり、同一組成の混合粉末バッチとは異なる反応経路を誘導して、異なる工学的に形成される微細構造を生成したりすることが可能である。
【0140】
本開示の例示的な実施形態は、プレ反応バッチ成分を使用して、最終微細構造、その粗さ、および相分布を制御することが可能である。本開示の例示的な実施形態は、プレ反応材料を使用して、焼成および焼成性をより良好に制御することが可能である。本開示の例示的な実施形態はまた、完全反応スプレー乾燥プレ焼成バッチ材料を使用する場合、たとえば、反応関連熱イベントの寄与の抑制または減少を行ったり、同様に反応関連収縮イベントの抑制または減少を行ったりすることが可能である。
【0141】
本明細書全体を通して例示的な実施形態への参照および本明細書全体を通して類似の表現は、同一の実施形態を参照しうるが、必ずしもそうとはかぎらない。さらに、例示的な実施形態を参照して本明細書に記載された主題の記載の特徴、構造、または特性は、1つ以上の例示的な実施形態で任意の好適な方式で組み合わせうる。説明では、主題の実施形態の十分な理解を提供するために、多くの特定の詳細事項、たとえば、制御、構造、プロセス、組成物、物品などの例が提供される。しかしながら、主題態は、特定の詳細事項の1つ以上を有することなく、または他の方法、成分、材料などを用いて、実施しうることは、当業者であれば分かるであろう。他の場合には、周知の構造、材料、または操作は、主題の態様が曖昧にならないように、示されていないかまたは詳細には説明されていない。
【0142】
以上に記載の模式的フローチャート図および方法の概略図は、論理フローチャート図として一般的に示されている。このように、示された順序およびラベル付けされた工程は、代表的な実施形態の指標となる。概略図に例示された方法の1つ以上の工程またはその一部分と機能、論理、または効果が等価である他の工程および方法が考えられうる。そのほかに、利用される方式および記号は、概略図の論理的工程を説明するために提供されたものであり、図により例示された方法の範囲を限定するものではないと理解される。種々の矢印のタイプおよび線のタイプが概略図で利用されうるが、それらは、対応する方法の範囲を限定するものではないと理解される。実際に、いくつかの矢印または他の連結子は、方法の論理的フローのみを表すために使用されうる。たとえば、矢印は、示された方法の列挙された工程間の不特定の持続時間の待ち時間または監視時間を表しうる。そのほかに、特定の方法が行われる順序は、対応する示された工程の順序を正確に厳守することもあれば、そうでないこともある。
【0143】
当業者には自明なことであろうが、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく本開示に種々の修正および変更を加えることが可能である。したがって、特許請求された本発明は、添付の特許請求およびその等価物の範囲内に入るかぎり、本開示の修正形態および変更形態を包含することが意図される。