特許第6263614号(P6263614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6263614ベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物、その医薬組成物及びその調製方法と用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263614
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】ベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物、その医薬組成物及びその調製方法と用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/12 20060101AFI20180104BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20180104BHJP
   A61K 9/02 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 7/04 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20180104BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   C07D401/12
   C07D403/12CSP
   A61K31/506
   A61K31/496
   A61K31/501
   A61K31/497
   A61K31/5377
   A61K9/20
   A61K9/48
   A61K9/10
   A61K9/14
   A61K9/16
   A61K9/06
   A61K9/02
   A61P43/00 111
   A61P9/00
   A61P9/10
   A61P25/28
   A61P7/04
   A61P29/00
   A61P35/00
【請求項の数】16
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2016-520260(P2016-520260)
(86)(22)【出願日】2014年6月13日
(65)【公表番号】特表2016-521758(P2016-521758A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(86)【国際出願番号】CN2014079827
(87)【国際公開番号】WO2014201972
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2015年12月24日
(31)【優先権主張番号】201310240069.7
(32)【優先日】2013年6月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515351334
【氏名又は名称】上海匯倫生命科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】樊興
(72)【発明者】
【氏名】秦継紅
【審査官】 土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/106430(WO,A1)
【文献】 特表2009−523801(JP,A)
【文献】 特表2010−533728(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/014038(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で示す化合物或いはその薬学的に許容される塩であり、
【化1】


ただし、一般式(I)において、
Rがフッ素であり、
X、Y、Zの中のいずれか1つが窒素であり他のものがCHであるか、又はX、Y、ZがいずれもCHであり、
が水素、C−Cアルキル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、CONR、又はNRであり、
が水素、若しくはC−Cアルキル基であり、Rが水素、C−Cアルキル基、若しくはC−Cシクロアルキル基であるか、
又はNRが環化してモルホリノ基、テトラヒドロピロリル基もしくはピペリジニル基を形成している、ベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物。
【請求項2】
前記一般式(I)に示す化合物であり、
ただし、
Rがフッ素であり、
X、Y、Zの中のいずれか1つが窒素であり他のものがCHであるか、又はX、Y、ZがいずれもCHであり、
が水素、C−Cアルキル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、フッ素、ニトロ基、シアノ基、CONR、又はNRであり、
が水素、若しくはC−Cアルキル基であり、Rが水素、C−Cアルキル基、若しくはC−Cシクロアルキル基であるか、
又はNRが環化してモルホリノ基、もしくはテトラヒドロピロリル基を形成していることを特徴とする請求項1に記載のベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物。
【請求項3】
前記一般式(I)に示す化合物が、以下の化合物(16)〜(41)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物。
【化2】


【化3】


【化4】

【請求項4】
前記薬学的に許容される塩が、一般式(I)に示す化合物の塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩又はリンゴ酸塩であることを特徴とする請求項1に記載のベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物。
【請求項5】
その反応式が以下の通りであり、
【化5】


ただし、Rの定義及びRの定義は一般式(I)中におけるRの定義及びRの定義とそれぞれ同じであり、
置換された2,3−ジアミノ安息香酸メチルとカルボニルジイミダゾールとを環化反応させ、置換された2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(II)を得るステップ1)と、
ステップ1)で得られた置換された2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(II)とオキシ塩化リンとを塩素化反応させ、置換された2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(III)を得るステップ2)と、
塩基の存在下で、ステップ2)で得られた置換された2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(III)とピペラジンとを求核置換反応させ、置換された2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(IV)を得るステップ3)と、
ステップ3)で得られた置換された2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(IV)をアミノメタノール溶液でエステル基のアミノリシス反応を行い、置換された2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(V)を得るステップ4)と、
ステップ4)で得られた置換された2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(V)を芳香族求核置換反応させることにより、一般式(I)に示す化合物を生成するステップ5)と、を含む請求項1に記載の一般式(I)に示す化合物の調製方法。
【請求項6】
活性成分としての治療上有効な量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の一般式(I)に示す化合物或いはその薬学的に許容される塩と、1種又は多種の薬学的に許容される担体物質及び/又は希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物が、錠剤、カプセル剤、水性懸濁液、油性懸濁液、分散性粉末、顆粒剤、乳剤、シロップ剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤又は注射剤である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
PARP活性阻害により改善可能な疾患の治療のために用いられる、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記PARP活性阻害により改善可能な疾患が、血管疾患、敗血性ショック、虚血性傷害、神経毒性、出血性ショック、炎症性疾患又は多発性硬化症である請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
腫瘍治療に用いる補助薬として用いられる、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項11】
腫瘍の強化放射線治療のために用いられる、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項12】
腫瘍の化学療法に用いられる、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項13】
相同組換え(HR)依存的DNA二本鎖切断(DSB)修復を欠損する癌の個々に応じた治療のために用いられる、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記癌が、相同組換え(HR)によりDNAの二本鎖切断(DSB)を修復する能力が正常細胞に比べて低下または喪失している1種又は多種の癌細胞を含む癌である請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記癌が、BRCA−1若しくはBRCA−2欠陥、又は突然変異表現型を有する癌である請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記癌が、乳癌、卵巣癌、膵臓癌又は前立腺癌である請求項13に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物、その調製方法及び該化合物を含有する医薬組成物、並びにその治療剤とポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤としての用途に関する。
【背景技術】
【0002】
化学療法による薬物治療と電離放射線による治療は癌を治療するための2種の一般的な方法である。両方の治療法はいずれもDNA一本鎖及び/又は二本鎖切断を誘発して細胞毒性効果を生じさせ、標的腫瘍細胞が染色体の損傷により死亡する。DNA損傷シグナルへの応答で重要なものは、制御部位における細胞周期のシグナルが活性化されることであり、DNA損傷の場合に有糸分裂を行わないように細胞を保護することにより、細胞の損傷を防止することを目的とする。たいていの場合、腫瘍細胞は細胞周期の制御部位のシグナルが欠損するとともに高い増殖率を有する。したがって、腫瘍細胞に特有なDNA修復機構が存在し、それにより迅速に応答して増殖制御に関する染色体の損傷を修復することができ、その結果、腫瘍細胞はある治療薬物の細胞毒性効果に耐性を有するとともに生き続けさせることができると推測される。
【0003】
臨床応用において、化学療法薬物の有効濃度又は放射線療法の放射線強度により、これらのDNA修復機構と争って、標的腫瘍細胞に対する消滅効果を確保することができる。しかし、腫瘍細胞はそのDNA損傷修復機構を強化することにより、治療に対する耐性を発達させ、致命的なDNA損傷を受けても生き残ることができる。発生した耐性に打ち勝つために、通常、治療薬物の投与量や放射線強度を増加させる必要があるが、それにより病巣付近の正常組織に悪影響を及ぼし、治療プロセスには重篤な副作用があり、更に治療の危険性が高くなる。一方、増加し続ける耐性は治療効果を低減することができ、このため、DNA損傷シグナルによって促進される修復機構を制御することにより、腫瘍細胞の特異性に合うようにDNA損傷薬剤の細胞毒性を向上させることができると推測できる。
【0004】
ポリアデノシン二リン酸−リボシル化活性を特徴とするPARPs(Poly(ADP−ribose)polymerases)は18種の細胞核酵素と細胞質酵素のスーパーファミリーを構成する。そのようなポリアデノシン二リン酸−リボシル化の効果により、標的タンパク質の触媒活性とタンパク質間の相互作用を調整し、そしてDNA修復、細胞死を含む複数の基本的な生物学的プロセスを制御することができ、また、ゲノム安定性もそれと関係している。
【0005】
PARP−1の活性は、細胞PARP活性全体の約80%を占めている。PARP−1は、最も類似しているPARP−2とともにPARPファミリーにおけるDNA損傷修復能を有するメンバーである。DNA損傷のセンサとシグナルタンパク質として、PARP−1はDNA損傷部位を迅速に検出するとともに直接にDNA損傷部位に結合し、次いでDNA修復に必要な多種のタンパク質の凝集を誘導して、更にDNA損傷を修復することができる。細胞におけるPARP−1が欠乏する場合、PARP−2はPARP−1の代わりにDNA損傷の修復を実現することができる。研究から明らかなように、正常細胞に比べて、PARPsタンパク質の固形腫瘍での発現が一般に亢進している。また、DNA修復に関連する遺伝子が欠損(例えばBRCA−1又はBRCA−2)している腫瘍(例えば乳腺腫瘍と卵巣癌)は、PARP−1阻害剤に非常に感受性が高いことを示している。それは、PARP阻害剤が単剤としてこのようなトリプル陰性乳癌と呼ばれる癌を治療する潜在的な用途が示される。同時に、DNA損傷修復機構は化学療法薬物治療と電離放射線治療によって生じた耐性へ応答する腫瘍細胞のメイン機構であるため、PARP−1は癌の治療法を探すための新たな有効なターゲットであると考えられる。
【0006】
PARP阻害剤は、PARP触媒基質としてのNADニコチンアミドをその類縁体開発のテンプレートとして用いて、早期に開発し、デザインした。これらの阻害剤はNADの拮抗阻害剤として、NADとPARP触媒部位で競合し、それによりポリ(ADP−リボース)鎖の合成を防止する。ポリ(ADP−リボシル化)の修飾を持たないPARPはDNA損傷部位から解離されないため、修復に関与する他のタンパク質が損傷部位に入ることができなく、更に修復プロセスを実行することができない。このため、細胞毒性薬物又は放射線の作用で、PARP阻害剤の存在によりDNAが損害された腫瘍細胞を最終的に死亡させる。
【0007】
なお、PARP触媒基質として消耗されるNADは、細胞のATP合成プロセスにおける不可欠な要素である。高レベルのPARP活性下で、細胞内のNADレベルが大幅に減少し、それにより細胞内のATPレベルに影響する。細胞内のATP含有量が不足すると、細胞はプログラムされたATP依存性の細胞死プロセスを達成できなくなり、壊死のような特別なアポトーシスプロセスしかできない。壊死のプロセスには、大量の炎症性サイトカインが放出され、それにより、他の器官と組織に毒性作用が発生する。このため、PARP阻害剤は、この機構に関連する多種の疾患、即ち、神経変性疾患(例えばアルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病)、糖尿病、心筋梗塞症と急性腎不全などの虚血又は虚血再灌流プロセスにおける併発症、感染性ショックなどの循環器系疾患、及び慢性リウマチなどの炎症性疾患等の治療にも用いることができる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の目的は、新たなベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物及びその誘導体、それらの互変異性体、鏡像体、非鏡像体、ラセミ体及びそれらの薬学的に許容される塩、並びに代謝産物と代謝産物の前駆体又はプロドラッグを提供することである。
【0009】
本発明の第2目的は、前記ベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物を活性成分とする医薬組成物を提供することである。
【0010】
本発明の第3目的は、上記ベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物の調製方法を提供することである。
【0011】
本発明の第4目的は、上記ベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物の薬物での応用を提供することである。
【0012】
本発明の第1の態様として、ベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物であって、一般式(I)で示す化合物であり、
【0013】
【化1】
【0014】
ただし、一般式(I)において、Rが水素又はハロゲンであり、
X、Y、Zの中のいずれか1つが窒素であり他のものが炭化水素であるか、又はX、Y、Zがいずれも炭化水素であり、
が水素、C−Cアルキル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、CONR及びNRであり、
が水素、C−Cアルキル基であり、
が水素、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はNRとともに環化して形成されたモルホリノ基、テトラヒドロピロリル基及びピペリジニル基である。
【0015】
より好ましくは、本発明が提供する化合物は、構造が一般式(I)に示す化合物であり、
ただし、
Rが水素又はフッ素であり、
X、Y、Zの中のいずれか1つが窒素であり他のものが炭化水素であるか、又はX、Y、Zがいずれも炭化水素であり、
が水素、C−Cアルキル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、フッ素、ニトロ基、シアノ基、CONR及びNRであり、
が水素、C−Cアルキル基であり、
が水素、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はNRとともに環化して形成されたモルホリノ基、テトラヒドロピロリル基である。
【0016】
最も好ましくは、本発明の一般式(I)に示す化合物が以下の化合物(1)〜(41のいずれかである。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
前記一般式(I)に示す化合物は鏡像異性体、非鏡像異性体、配座異性体の中のいずれか1種又は任意の2種又は3種の異性体の混合物である。
【0022】
前記一般式(I)に示す化合物は薬学的に許容される誘導体である。
【0023】
本発明の前記一般式(I)に示す化合物は薬学的に許容される塩として存在することができる。
【0024】
本発明の前記薬学的に許容される塩は一般式(I)に示す化合物の塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩又はリンゴ酸塩である。
【0025】
本発明の1つの好ましい実施例において、前記一般式(I)に示すベンゾイミダゾール−2−ピペラジン複素環系化合物は2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド系化合物及びその薬学的に許容される塩である。
【0026】
本発明の第2の様態として、一般式(I)に示す化合物の調製方法であって、その反応式が以下の通りであり、
【0027】
【化6】
【0028】
ただし、RとRの定義は以上の通りであり、
置換された2,3−ジアミノ安息香酸メチルとカルボニルジイミダゾールとを環化反応させ、置換された2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(II)を得るステップ1)と、
ステップ1)で得られた置換された2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(II)とオキシ塩化リンとを塩素化反応させ、置換された2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(III)を得るステップ2)と、
塩基の存在下で、ステップ2)で得られた置換された2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(III)とピペラジンとを求核置換反応させ、置換された2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(IV)を得るステップ3)と、
ステップ3)で得られた置換された2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(IV)をアミノメタノール溶液でエステル基のアミノリシス反応を行い、置換された2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(V)を得るステップ4)と、
ステップ4)で得られた置換された2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(V)が酸とのカップリング反応、又はアルデヒドとの還元的アミノ化反応により、一般式(I)に示す化合物を生成するステップ5)と、を含む。
【0029】
本発明の第3の様態として、医薬組成物であって、活性成分としての治療上有効な量の一般式(I)に示す化合物と1種又は多種の薬学的に許容される担体物質及び/又は希釈剤を含む。又は活性成分としての治療上有効な量の一般式(I)に示す化合物と薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む。
【0030】
本発明の第3の様態として、医薬組成物であって、活性成分としての治療上有効な量の一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される誘導体と1種又は多種の薬学的に許容される担体物質及び/又は希釈剤を含む。又は活性成分としての治療上有効な量の一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される誘導体と薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む。
【0031】
本発明の第3の様態として、医薬組成物であって、活性成分としての治療上有効な量の一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される塩と1種又は多種の薬学的に許容される担体物質及び/又は希釈剤を含む。又は活性成分としての治療上有効な量の一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含む。
【0032】
前記医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、水性懸濁液、油性懸濁液、分散性粉末、顆粒剤、錠剤、乳剤、シロップ剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤又は注射剤に製造される。
【0033】
前記医薬組成物において、前記一般式(I)に示す化合物が遊離の形態で存在する。
【0034】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の、PARP活性阻害により改善可能な疾患の治療薬の調製での応用である。
【0035】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される誘導体の、PARP活性阻害により改善可能な疾患の治療薬の調製での応用である。
【0036】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される塩の、PARP活性阻害により改善可能な疾患の治療薬の調製での応用である。
【0037】
本発明の第4の様態として、前記医薬組成物の、PARP活性阻害により改善可能な疾患の治療薬の調製での応用である。
【0038】
前記PARP活性阻害により改善可能な疾患は血管疾患、敗血性ショック、虚血性傷害、神経毒性、出血性ショック、炎症性疾患又は多発性硬化症である。
【0039】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の、腫瘍治療に用いる補助薬の調製での応用である。
【0040】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される誘導体の、腫瘍治療に用いる補助薬の調製での応用である。
【0041】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される塩の、腫瘍治療に用いる補助薬の調製での応用である。
【0042】
本発明の第4の様態として、前記医薬組成物の、腫瘍治療に用いる補助薬の調製での応用である。
【0043】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の、腫瘍の強化放射線治療に用いる薬物の調製での応用である。
【0044】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される誘導体の、腫瘍の強化放射線治療に用いる薬物の調製での応用である。
【0045】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される塩の、腫瘍の強化放射線治療に用いる薬物の調製での応用である。
【0046】
本発明の第4の様態として、前記医薬組成物の、腫瘍の強化放射線治療に用いる薬物の調製での応用である。
【0047】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の、腫瘍の化学療法に用いる薬物の調製での応用である。
【0048】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される誘導体の、腫瘍の化学療法に用いる薬物の調製での応用である。
【0049】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される塩の、腫瘍の化学療法に用いる薬物の調製での応用である。
【0050】
本発明の第4の様態として、前記医薬組成物の、腫瘍の化学療法に用いる薬物の調製での応用である。
【0051】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の、相同組換え(HR)依存的DNA二本鎖切断(DSB)修復を欠損する癌の個々に応じた治療薬の調製での応用である。
【0052】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される誘導体の、相同組換え(HR)依存的DNA二本鎖切断(DSB)修復を欠損する癌の個々に応じた治療薬の調製での応用である。
【0053】
本発明の第4の様態として、前記一般式(I)に示す化合物の薬学的に許容される塩の、相同組換え(HR)依存的DNA二本鎖切断(DSB)修復を欠損する癌の個々に応じた治療薬の調製での応用である。
【0054】
本発明の第4の様態として、前記医薬組成物の、相同組換え(HR)依存的DNA二本鎖切断(DSB)修復を欠損する癌の個々に応じた治療薬の調製での応用である。
【0055】
好ましくは、前記癌はHRによりDNAのDSBを修復する能力が正常細胞に比べて低下または喪失している1種又は多種の癌細胞を含む癌である。
【0056】
好ましくは、前記癌はBRCA−1又はBRCA−2欠陥、突然変異表現型を有する癌である。
【0057】
好ましくは、前記癌は乳癌、卵巣癌、膵臓癌又は前立腺癌である。
【0058】
本発明が提供する化合物のPARP酵素に対する作用レベルを試験するために、生化学的酵素活性測定を採用して本発明の各種の化合物のPARP酵素に対する活性を確定する。
【0059】
PARPは転写後修飾酵素であり、DNA損傷されると、該酵素を活性化することができ、PARPの体内での触媒作用プロセスは主にNAD依存性poly(ADP−ribose)プロセスであり、その基質は主に、PARPを含む一部の核タンパク質であり、histoneがその中の1種である。本発明はPARPがNAD作用で96ウェルプレートに収納されたHistone poly(ADP−ribose)への作用程度を測定することにより、PARP活性を測定し、それに応じてPARP阻害剤で作用した後のPARP活性を測定し、それによりこの種類の化合物のPARP活性に対する阻害程度を評価する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
特に明記しない限り、以下の明細書と特許請求の範囲で用いられる技術用語は以下の意味を有する。
【0061】
本発明において、技術用語「C−Cアルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖部分を有するとともに1〜6個の炭素原子を含有する飽和の一価炭化水素基をいう。このような基の実例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びt−ブチルを含むが、これらに限定されない。
【0062】
技術用語「ハロゲン」及び「ハロゲン化」とは、F、Cl、Br、Iをいう。
【0063】
「薬学的に許容される塩」とは、親化合物の生物学的有効性及び特性を保持している塩をいう。そのような塩としては、以下の塩を含む。
【0064】
(1)親化合物の遊離塩基を無機酸例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、メタリン酸、硫酸、亜硫酸及び過塩素酸などと;又は有機酸例えば酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、シュウ酸、(D)又は(L)リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシ安息香酸、γ−ヒドロキシ酪酸、メトキシ基安息香酸、フタル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サルチル酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、マンデル酸、コハク酸又はマロン酸などと反応させることによって得られる酸付加塩。
【0065】
(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又はアルミニウムイオンによって置換されるか;もしくは有機塩基例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等と配位化合して生成した塩。
【0066】
「医薬組成物」とは、本発明における化合物の中の1つ又は複数、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物又はプロドラッグと、薬学的に許容される担体などの他の化学成分との混合物をいう。医薬組成物の目的は、動物への投与プロセスを促進することである。
【0067】
「薬学的に許容される担体」とは、有機体に対して明らかな刺激性を引き起こさずに、投与される化合物の生物活性及び性質に干渉しない医薬組成物における非活性成分、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種の糖(例えば乳糖、マンニトールなど)、澱粉、シクロデキストリン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、炭酸マグネシウム、アクリル酸ポリマー又はメチルアクリル酸ポリマー、ゲル、水、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、グリコール、ヒマシ油又は水素化ヒマシ油又はポリエトキシル化水素化ヒマシ油、胡麻油、コーン油、ピーナッツ油などをいうが、これらに限定されない。
【0068】
前記医薬組成物において、薬学的に許容される担体を含む以外、薬(剤)学によく用いられる助剤、例えば、抗菌剤、抗真菌剤、抗微生物剤、保存剤、調色剤、可溶化剤、増粘剤、界面活性剤、錯化剤、タンパク質、アミノ酸、脂肪、糖類、ビタミン、鉱物質、微量元素、甘味剤、色素、エッセンス又はこれらの組合せなどを含むことができる。
【0069】
本発明は、化合物及び該化合物をポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害剤とする応用を開示し、当業者は、本明細書の内容を参酌して、適切にプロセスパラメータを改善して実現することができる。特に注意すべきなのは、当業者にとって、すべての類似した置き換え及び修正は明らかであり、それらが本発明に含まれると見なされる。本発明の方法及び応用について既に好ましい実施例によって説明されたが、当業者は、本発明の内容、精神及び範囲から逸脱しない限り、本明細書に記載の方法及び応用を修正又は適切に変更して組み合わせることで、本発明の技術を実現して応用することができることが明らかである。
【実施例】
【0070】
以下、実施例を参照しながら、本発明をより詳しく説明する。
【0071】
調製の実施例
実施例1
化合物(1):2−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
具体的な反応式は以下の通りである。
【0072】
【化7】
【0073】
ステップ1:2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチルの調製
2,3−ジアミノ安息香酸メチル(0.8g、4.8mmol)を溶解した無水テトラヒドロフラン溶液(20mL)にカルボニルジイミダゾール(1.56g、9.6mmol)を添加し、還流まで加熱し、8時間反応させた後冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残留物を迅速にカラムクロマトグラフィーし(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)、淡黄色の固体化合物a:2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(0.3g、収率33%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=193。
【0074】
ステップ2:2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチルの調製
化合物a:2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(1.1g、5.7mmol)をオキシ塩化リン(8mL)に添加し、還流まで加熱し、8時間反応させた後冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残留物を迅速にカラムクロマトグラフィーし(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)、白色の固体化合物b:2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(1.5g、収率100%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=211。
【0075】
ステップ3:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチルの調製
化合物b:2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(59mg、0.28mmol)を溶解したジメチルホルムアミド(5mL)にピペラジン(110mg、1.12mmol)を添加し、100℃まで加熱し、8時間反応させた後冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残留物を迅速にカラムクロマトグラフィーし(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、白色の固体化合物c:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(100mg、収率100%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=261。
【0076】
ステップ4:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
化合物c:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(100mg、0.28mmol)を溶解したテトラヒドロフラン溶液(5mL)にアンモニア水(5mL)を添加し、70℃まで加熱し、管を密封して8時間反応させた後冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残留物を迅速にカラムクロマトグラフィーし(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、白色の固体化合物d:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(20mg、収率28%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=246。
【0077】
ステップ5:2−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0078】
化合物d:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(74mg、0.3mmol)を溶解したジメチルホルムアミド(5mL)に2−クロロピリミジン(34mg、0.3mmol)とトリエチルアミン(30mg、0.3mmol)を添加し、100℃まで加熱し、8時間反応させた後冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残留物を迅速にカラムクロマトグラフィーし(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、化合物(1):2−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(32mg、収率33%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 324(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.10(br,1H),9.16(br,1H),8.44−8.38(m,2H),7.62−7.54(m,2H),7.36−7.32(m,1H),7.01−6.95(m,1H),6.70−6.63(m,1H),3.89(br,4H),3.67(br,4H)。
【0079】
実施例2
化合物(2):2−(4−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0080】
【化8】
【0081】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−フルオロピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(2):2−(4−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(30mg、収率72%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 342(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.92(br,1H),9.13(br,1H),8.50(s,2H),7.60(d,1H,J=7.8Hz),7.52(br,1H),7.32(d,1H,J=7.8Hz),6.98(t,1H,J=7.8Hz),3.87−3.83(m,4H),3.67−3.64(m,4H)。
【0082】
実施例3
化合物(3):2−(4−(5−エチルアミンピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0083】
【化9】
【0084】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−エチルアミンピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(3):2−(4−(5−エチルアミンピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(23mg、収率42%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 367(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 9.08(br,1H),7.92(s,2H),7.78−7.72(m,2H),7.66−7.60(m,2H),7.22−7.16(m,1H),4.71−4.67(m,2H),4.19−4.15(m,2H),3.73−3.70(m,4H),2.65−2.60(m, 2H),1.37 (t,3H,J=4.5Hz)。
【0085】
実施例4
化合物(4):2−(4−(5−アセトアミドピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0086】
【化10】
【0087】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−アセトアミドピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(4):2−(4−(5−アセトアミドピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(12mg、収率22%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 381(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.85(br,1H),9.89(br,1H),9.14(s,1H),8.54(s,2H),7.60(d,1H,J=7.5Hz),7.51(br,1H),7.31(d,1H,J=7.5Hz),6.98(t,1H,J=7.5Hz),3.84−3.65(m,8H),2.00(s,3H)。
【0088】
実施例5
化合物(5):2−(4−(5−メトキシピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0089】
【化11】
【0090】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−メトキシピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(5):2−(4−(5−メトキシピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(17mg、収率41%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 354(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.86(br,1H),9.15(br,1H),8.25(s,2H),7.60(d,1H,J=7.5Hz),7.51(br,1H),7.31(d,1H,J=7.5Hz),6.98(t,1H,J=7.5Hz),3.77(br,7H),3.64(br,4H)。
【0091】
実施例6
化合物(6):2−(4−(5−アミノピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0092】
【化12】
【0093】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−アミノピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(6):2−(4−(5−アミノピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(190mg、収率83%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 339(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 9.12(br,1H),7.60−7.25(m,7H),7.00−6.95(m,1H),3.67(br,8H)。
【0094】
実施例7
化合物(7):2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0095】
【化13】
【0096】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと4−クロロピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(7):2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(25mg、収率65%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 324(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.85(br,1H),9.09(br,1H),8.53(s,1H),8.22(d,1H,J=8.1Hz),7.60(d,1H,J=7.5Hz),7.50(br,1H),7.33(d,1H,J=7.5Hz),6.99(t,1H,J=7.5Hz),6.91(d,1H,J=8.1Hz),3.80−3.79(m,4H),3.68−3.66(m,4H)。
【0097】
実施例8
化合物(8):2−(4−(3−エチルアミンピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0098】
【化14】
【0099】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−3−エチルアミンピリジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(8):2−(4−(3−エチルアミンピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(13mg、収率36%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 366(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.02(br,1H),9.18(br,1H),7.62−7.50(m,4H),7.34−7.31(m,1H),7.00−6.89(m,3H),3.77−3.74(m,4H),3.14−3.10(m,4H),2.00−1.93(m,2H),0.85−0.80(m,3H)。
【0100】
実施例9
化合物(9):2−(4−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0101】
【化15】
【0102】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(9):2−(4−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(36mg、収率55%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 392(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.87(br,1H),9.13(br,1H),8.72(d,1H,J=4.8Hz),7.61(d,1H,J=7.8Hz),7.53(br,1H),7.33(d,1H,J=7.8Hz),7.07(d,1H,J=4.8Hz),6.99(t,1H,J=7.8Hz),3.94(br,4H),3.69(br,4H)。
【0103】
実施例10
化合物(10):2−(4−(6−トリフルオロメチルピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0104】
【化16】
【0105】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと6−クロロ−4−トリフルオロメチルピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(10):2−(4−(6−トリフルオロメチルピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(40mg、収率61%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 392(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.88(br,1H),9.12(br,1H),8.66(s,1H),7.61(d,1H,J=7.5Hz),7.53(br,1H),7.35(s,1H),7.33(d,1H,J=7.5Hz),6.99(t,1H,J=7.5Hz),3.92(br,4H),3.69(br,4H)。
【0106】
実施例11
化合物(11):2−(4−(5−メチルカルバモイルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0107】
【化17】
【0108】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと6−クロロ−3−メチルカルバモイルピリジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(11):2−(4−(5−メチルカルバモイルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(15mg、収率24%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 380(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.86(br,1H),9.14(br,1H),8.6(s,1H),8.24(br,1H),7.96(d,1H,J=9.6Hz),7.61(d,1H,J=7.8Hz),7.52(br,1H),7.32(d,1H,J=7.8Hz),7.01−6.92(m,2H),3.77(br,4H),3.67(br,4H),2.74(d,3H,d=4.2Hz)。
【0109】
実施例12
化合物(12):2−(4−(5−カルバモイルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0110】
【化18】
【0111】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと6−クロロ−3−カルバモイルピリジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(12):2−(4−(5−カルバモイルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(25mg、収率41%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 366(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.86(br,1H),9.14(br,1H),8.64(s,1H),7.99(d,1H,J=7.8Hz),7.79(br,1H),7.60(d,1H,J=9.0Hz),7.51(br,1H),7.32(d,1H,J=7.8Hz),7.17(br,1H),7.01−6.91(m,2H),3.78(br,4H),3.67(br,4H)。
【0112】
実施例13
化合物(13):2−(4−(2−トリフルオロメチルピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0113】
【化19】
【0114】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと4−クロロ−2−トリフルオロメチルピリジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(13):2−(4−(2−トリフルオロメチルピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(7mg、収率13%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 391(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.88(br,1H),9.13(br,1H),8.34−8.29(m,1H),7.63−7.60(m,1H),7.53(br,1H),7.35−7.30(m,2H),7.12−7.09(m,1H),7.03−6.97(m,1H),3.70−3.64(m,8H)。
【0115】
実施例14
化合物(14):2−(4−(5−シアノピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0116】
【化20】
【0117】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−シアノピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(14):2−(4−(5−シアノピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(40mg、収率71%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 349(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 11.88(br,1H),9.09(br,1H),8.80(s,2H),7.60(d,1H,J=7.2Hz),7.53(br,1H),7.33(d,1H,J=7.2Hz),6.99(t,1H,J=7.2Hz),4.01(br,4H),3.69(br,4H)。
【0118】
実施例15
化合物(15):2−(4−(5−ジメチルカルバモイルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0119】
【化21】
【0120】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物d:2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと6−クロロ−3−ジメチルカルバモイルピリジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(15):2−(4−(5−ジメチルカルバモイルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(35mg、収率44%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 394(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.11(br,1H),9.19(br,1H),8.24(s,1H),7.66−7.59(m,2H),7.53(br,1H),7.34−7.31(m,1H),7.00−6.91(m,2H),3.73−3.70(m,8H),2.96(s,6H)。
【0121】
実施例16
化合物(16):6−フルオロ−2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0122】
具体的な反応式は以下の通りである。
【0123】
【化22】
【0124】
ステップ1:5−フルオロ−3−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)安息香酸の調製:
氷浴下で、2−トリフルオロアセトアミド−5−フルオロ−安息香酸(2.5g、10mmol)を発煙硝酸(14mL)にゆっくりと添加し、氷浴下で反応させて、続いて1時間撹拌した後、氷水に注入し、濾過して白色の固体化合物e:5−フルオロ−3−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)安息香酸(1.9g、収率65%)を得た。MS(ESI)m/z:[M−H]=295。
【0125】
ステップ2:2−アミノ−5−フルオロ−3−ニトロ安息香酸の調製:
10%の水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を化合物e:5−フルオロ−3−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)安息香酸(1.18g、4mmol)を溶解したエタノール溶液(20mL)に添加し、反応させて、80℃まで加熱し、3時間撹拌する。エタノールを減圧下で除去し、残留物のpHを塩酸で4に調整し、濾過して、黄色の固体化合物f:2−アミノ−5−フルオロ−3−ニトロ安息香酸(0.72g、収率90%)を得た。MS(ESI)m/z:[M−H]=199。
【0126】
ステップ3:2−アミノ−5−フルオロ−3−ニトロ安息香酸メチルの調製:
氷浴下で、塩化チオニル(2.38g)を、化合物f:2−アミノ−5−フルオロ−3−ニトロ安息香酸(0.8g、4mmol)を溶解したメタノール溶液(20mL)にゆっくりと滴下し、還流まで加熱し、8時間反応させた後冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残留物を迅速にカラムクロマトグラフィーし(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)、黄色の固体化合物g:2−アミノ−5−フルオロ−3−ニトロ安息香酸メチル(0.5g、収率58%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=215。
【0127】
ステップ4:2,3−ジアミノ−5−フルオロ安息香酸メチルの調製
10%のパラジウム炭素(0.7g)を化合物g:2−アミノ−5−フルオロ−3−ニトロ安息香酸メチル(7g、32.7mmol)を溶解したメタノール(50mL)溶液に添加し、常温で7時間水素化し、濾過して、残留物を迅速にカラムクロマトグラフィーし(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)、黄色の固体化合物h:2,3−ジアミノ−5−フルオロ安息香酸メチル(2.16g、収率36%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=185。
【0128】
ステップ5:6−フルオロ−2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチルの調製
実施例1における化合物(1)を調製するステップ1と類似する方法を採用して、化合物h:2,3−ジアミノ−5−フルオロ安息香酸メチルとカルボニルジイミダゾール(CDI)とを環化反応させることにより、化合物i:6−フルオロ−2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(711mg、収率37%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=211。
【0129】
ステップ6:2−クロロ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチルの調製
実施例1における化合物(1)を調製するステップ2と類似する方法を採用して、化合物i:6−フルオロ−2−オキソ−2,3−2H−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチルとオキシ塩化リンとを塩素化反応させることにより、化合物j:2−クロロ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(681mg、収率94%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=229。
【0130】
ステップ7:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチルの調製:
実施例1における化合物(1)を調製するステップ3と類似する方法を採用して、化合物j:2−クロロ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチルとピペラジンとを求核置換反応させることにより、化合物k:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(430mg、収率65%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=279。
【0131】
ステップ8:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
化合物k:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ギ酸メチル(100mg、0.28mmol)を溶解したテトラヒドロフラン溶液(5mL)にアンモニア水(5mL)を添加し、70℃まで加熱し、管を密封して8時間反応させた後冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残留物を迅速にカラムクロマトグラフィーし(ジクロロメタン:メタノール=10:1)、白色の固体化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(20mg、収率28%)を得た。MS(ESI)m/z:[M+H]=246。
【0132】
ステップ9:6−フルオロ−2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと4−クロロピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(16):6−フルオロ−2−(4−(ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(21mg、収率48%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 342(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.04(br,1H),9.10(br,1H),8.52(s,1H),8.22(d,1H,J=7.2Hz),7.71(br,1H),7.33−7.2(m,1H),7.19−7.17(m,1H),6.90(d,1H,J=7.2Hz),3.80(br,4H),3.66(br,4H)。
【0133】
実施例17
化合物(17):6−フルオロ−2−(4−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0134】
【化23】
【0135】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−フルオロピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(17):6−フルオロ−2−(4−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(27mg、収率87%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 360(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 9.11(br,1H),8.49(s,2H),7.71−7.69(m,1H),7.31−7.28(m,1H),7.18−7.15(m,1H),3.84−3.82(m,4H),3.68−3.65(m,4H)。
【0136】
実施例18
化合物(18):2−(4−(5−(ジホルムアミド)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0137】
【化24】
【0138】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと6−クロロ−3−ジメチルカルバモイルピリジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(18):2−(4−(5−(ジホルムアミド)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(14mg、収率18%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 412(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.57(br,1H),9.12(br,1H),8.23(s,1H),7.70−7.63(m,2H),7.31−7.27(m,1H),7.18−7.14(m,1H),6.94−6.91(m,1H),3.72(br,8H),2.95(s,6H)。
【0139】
実施例19
化合物(19):2−(4−(5−シアノピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0140】
【化25】
【0141】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−シアノピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(19):2−(4−(5−シアノピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(43mg、収率77%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 367(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.11(br,1H),9.07(br,1H),8.80(s,2H),7.72(br,1H),7.33−7.29(m,1H),7.20−7.16(m,1H),4.00(br,4H),3.69(br,4H)。
【0142】
実施例20
化合物(20):6−フルオロ−2−(4−(3−メチルアミドピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0143】
【化26】
【0144】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−N−メチルニコチンアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(20):6−フルオロ−2−(4−(3−メチルアミドピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(28mg、収率52%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 398(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.21(br,1H),9.10(br,1H),8.41(br,1H),8.26−8.25(m,1H),7.75−7.72(m,1H),7.68(br,1H),7.32−7.28(m,1H),7.18−7.15(m,1H),6.96−6.92(m,1H),3.69(br,8H),2.79(s,3H)。
【0145】
実施例21
化合物(21):6−フルオロ−2−(4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0146】
【化27】
【0147】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(21):6−フルオロ−2−(4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(23mg、収率52%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 409(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.32(br,1H),9.10(br,1H),8.44(s,1H),7.85−7.81(m,1H),7.70(br,1H),7.32−7.28(m,1H),7.19−7.15(m,1H),7.06−7.02(m,1H),3.81(br,4H),3.70(br,4H)。
【0148】
実施例22
化合物(22):6−フルオロ−2−(4−(5−メチルアミドピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0149】
【化28】
【0150】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−N−メチルピリミジン−5−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(22):6−フルオロ−2−(4−(5−メチルアミドピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(17mg、収率29%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 399(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.01(br,1H),9.08(br,1H),8.78(s,2H),8.37(br,1H),7.73(br,1H),7.34−7.27(m,1H),7.19−7.13(m,1H),3.98(br,4H),3.67(br,4H),2.75(s,3H)。
【0151】
実施例23
化合物(23):6−フルオロ−2−(4−(6−メチルアミドピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0152】
【化29】
【0153】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと6−クロロ−N−メチルピリダジン−3−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(23):6−フルオロ−2−(4−(6−メチルアミドピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(20mg、収率27%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 399(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.05(br,1H),9.11(br,1H),8.84(br,1H),7.87(d,1H,J=10.5Hz),7.74(br,1H),7.44−7.41(m,1H),7.31(d,1H,J=10.5Hz),7.20−7.17(m,1H),3.90(br,4H),3.72(br,4H),2.80(s,3H)。
【0154】
実施例24
化合物(24):6−フルオロ−2−(4−(5−メチルアミドピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製:
【0155】
【化30】
【0156】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと6−クロロ−N−メチルニコチンアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(24):6−フルオロ−2−(4−(5−メチルアミドピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(6mg、収率13%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 398(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.58(br,1H),9.12(br,1H),8.62(s,1H),8.04−7.98(m,1H),7.72(s,1H),7.32−7.26(m,2H),7.17−7.15(m,1H),6.98−6.92(m,1H),3.75−3.69(m,8H),2.73(s,3H)。
【0157】
実施例25
化合物(25):6−フルオロ−2−(4−(5−メチルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0158】
【化31】
【0159】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−クロロ−N−メチルピラジン−2−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(25):6−フルオロ−2−(4−(5−メチルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(38mg、収率64%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 399(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.05(br,1H),9.09(br,1H),8.62(s,1H),8.39(br,1H),8.34(s,1H),7.72(br,1H),7.33−7.29(m,1H),7.19−7.17(m,1H),3.88(br,4H),3.70(br,4H),2.77(s,3H)。
【0160】
実施例26
化合物(26):2−(4−(5−エチルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0161】
【化32】
【0162】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−クロロ−N−エチルピラジン−2−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(26):2−(4−(5−エチルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(19mg、収率31%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 413(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.09(br,1H),9.11(br,1H),8.63(s,1H),8.44−8.42(m,1H),8.34(s,1H),7.73(br,1H),7.33−7.29(m,1H),7.20−7.17(m,1H),3.87(br,4H),3.71(br,4H),3.28(q,2H,J=6.9Hz),1.09(t,3H,J=6.9Hz)。
【0163】
実施例27
化合物(27):6−フルオロ−2−(4−(5−イソプロピルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0164】
【化33】
【0165】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−クロロ−N−イソプロピルピラジン−2−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(27):6−フルオロ−2−(4−(5−イソプロピルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(22mg、収率28%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 427(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.04(br,1H),9.09(br,1H),8.63(s,1H),8.32(s,1H),8.05−8.00(m,1H),7.70(br,1H),7.34−7.29(m,1H),7.20−7.16(m,1H),4.09(sep,1H,J=6.6Hz),3.88(br,4H),3.71(br,4H),1.15(d,6H,J=6.6Hz)。
【0166】
実施例28
化合物(28):2−(4−(5−t−ブチルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0167】
【化34】
【0168】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−クロロ−N−t−ブチルピラジン−2−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(28):2−(4−(5−t−ブチルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(29mg、収率35%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 441(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.04(br,1H),9.09(br,1H),8.62(s,1H),8.31(s,1H),7.71(br,1H),7.53(br,1H),7.33−7.29(m,1H),7.20−7.16(m,1H),3.86(br,4H),3.71(br,4H),1.37(s,9H)。
【0169】
実施例29
化合物(29):6−フルオロ−2−(4−(5−(ピロリン−1−アシル)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0170】
【化35】
【0171】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと(5−クロロピラジン−2−イル)(ピロリン−1−イル)メタノンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(29):6−フルオロ−2−(4−(5−(ピロリン−1−アシル)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(14mg、収率17%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 441(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.04(br,1H),9.08(br,1H),8.51(s,1H),8.34(s,1H),7.71(br,1H),7.33−7.29(m,1H),7.19−7.16(m,1H),3.86(br,4H),3.70(br,4H),3.47−3.45(m,4H),1.86−1.83(m,4H)。
【0172】
実施例30
化合物(30):6−フルオロ−2−(4−(5−(モルホリノ−4−アシル)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0173】
【化36】
【0174】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと(5−クロロピラジン−2−イル)(モルホリノ−2−イル)メタノンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(30):6−フルオロ−2−(4−(5−(ピロリン−1−アシル)ピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(32mg、収率37%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 455(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.04(br,1H),9.09(br,1H),8.41(s,1H),8.35(s,1H),7.71(br,1H),7.34−7.30(m,1H),7.20−7.16(m,1H),3.85(br,6H),3.70(br,4H),3.62(br,6H)。
【0175】
実施例31
化合物(31):6−フルオロ−2−(4−(6−トリフルオロメチルピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0176】
【化37】
【0177】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと3−クロロ−6−トリフルオロメチルピリダジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(31):6−フルオロ−2−(4−(6−トリフルオロメチルピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(15mg、収率20%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 410(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.05(br,1H),9.10(br,1H),7.94−7.85(m,1H),7.71(br,1H),7.51−7.47(m,1H),7.34−7.30(m,1H),7.21−7.17(m,1H),3.93(br,4H),3.72(br,4H)。
【0178】
実施例32
化合物(32):6−フルオロ−2−(4−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0179】
【化38】
【0180】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−ブロモ−2−トリフルオロメチルピリジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(32):6−フルオロ−2−(4−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(23mg、収率19%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 409(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 9.09(br,1H),8.50(s,1H),7.72−7.66(m,2H),7.52−7.48(m,1H),7.33−7.28(m,1H),7.20−7.16(m,1H),3.72(br,4H),3.54(br,4H)。
【0181】
実施例33
化合物(33):6−フルオロ−2−(4−(2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0182】
【化39】
【0183】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−ブロモ−2−トリフルオロメチルピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(33):6−フルオロ−2−(4−(2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(12mg、収率16%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 410(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.04(br,1H),9.09(br,1H),8.69(s,2H),7.71(br,1H),7.32−7.29(m,1H),7.20−7.17(m,1H),3.73(br,4H),3.62(br,4H)。
【0184】
実施例34
化合物(34):6−フルオロ−2−(4−(5−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0185】
【化40】
【0186】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(34):6−フルオロ−2−(4−(5−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(8mg、収率14%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 410(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.02(br,1H),9.09(br,1H),8.75(s,2H),7.72(br,1H),7.33−7.29(m,1H),7.20−7.17(m,1H),4.00(br,4H),3.69(br,4H)。
【0187】
実施例35
化合物(35):6−フルオロ−2−(4−(5−トリフルオロメチルピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0188】
【化41】
【0189】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと2−クロロ−5−トリフルオロメチルピラジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(35):6−フルオロ−2−(4−(5−トリフルオロメチルピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(60mg、収率90%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 410(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.04(br,1H),9.09(br,1H),8.51(s,1H),8.50(s,1H),7.71(br,1H),7.33−7.30(m,1H),7.20−7.17(m,1H),3.89(br,4H),3.71(br,4H)。
【0190】
実施例36
化合物(36):2−(4−(5−ジメチルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0191】
【化42】
【0192】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−クロロ−N,N−ジメチルピラジン−2−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(36):2−(4−(5−ジメチルアミドピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(29mg、収率37%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 413(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.02(br,1H),9.09(br,1H),8.37(s,1H),8.34(s,1H),7.71(br,1H),7.33−7.30(m,1H),7.20−7.16(m,1H),3.83(br,4H),3.73(br,1H),3.07(s,3H),2.98(s,3H)。
【0193】
実施例37
化合物(37):2−(4−(5−シアノピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0194】
【化43】
【0195】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−クロロ−2−シアノピラジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(37):2−(4−(5−シアノピラジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(40mg、収率58%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 367(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.05(br,1H),9.07(br,1H),8.59(s,1H),8.49(s,1H),7.69(s,1H),7.33−7.29(m,1H),7.20−7.16(m,1H),3.93(br,4H),3.71(br,4H)。
【0196】
実施例38
化合物(38):2−(4−(2−シアノピリミジン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0197】
【化44】
【0198】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−ブロモ−2−シアノピリミジンとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(38):2−(4−(2−シアノピリミジン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(18mg、収率26%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 367(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.03(br,1H),9.08(br,1H),8.63(s,2H),7.73−7.65(m,1H),7.33−7.29(m,1H),7.22−7.17(m,1H),3.73−3.69(m,8H)。
【0199】
実施例39
化合物(39):6−フルオロ−2−(4−(2−メチルアミドピリミジン−2−イル)ピペラジン−5−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド
【0200】
【化45】
【0201】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−ブロモ−N−メチルピリミジン−2−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(39):6−フルオロ−2−(4−(2−メチルアミドピリミジン−2−イル)ピペラジン−5−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(16mg、収率29%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 399(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.02(br,1H),9.08(br,1H),8.67(s,2H),8.34(br,1H),7.71(br,1H),7.33−7.27(m,1H),7.19−7.12(m,1H),3.99(br,4H),3.68(br,4H),2.72(s,3H)。
【0202】
実施例40
化合物(40):2−(4−(2−エチルアミドピリミジン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0203】
【化46】
【0204】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−ブロモ−N−エチルピリミジン−2−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(40):2−(4−(2−エチルアミドピリミジン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミド(17mg、収率23%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 413(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.01(br,1H),9.09(br,1H),8.64(s,2H),8.31(br,1H),7.72(br,1H),7.34−7.27(m,1H),7.19−7.13(m,1H),3.96(br,4H),3.65(br,4H),3.26(q,2H,J=6.9Hz),1.07(t,3H,J=6.9Hz)。
【0205】
実施例41
化合物(41):2−(4−(2−ジメチルアミドピリミジン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製
【0206】
【化47】
【0207】
実施例1における化合物(1)を調製するステップ5と類似する方法を採用して、化合物l:6−フルオロ−2−(ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドと5−ブロモ−N−ジメチルピリミジン−2−ホルムアミドとを芳香族求核置換反応させることにより、化合物(41):2−(4−(2−ジメチルアミドピリミジン−5−イル)ピペラジン−1−イル)−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−ホルムアミドの調製(19mg、収率26%)を得た。LC−MS(ESI):m/z 413(M+1)H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ 12.03(br,1H),9.07(br,1H),8.63(s,2H),8.32(br,1H),7.72(br,1H),7.31−7.26(m,1H),7.18−7.13(m,1H),3.97(br,4H),3.67(br,4H),3.08(s,3H),2.97(s,3H)。
【0208】
生物学的評価
実験原理
核タンパク質のポリADPリボシル化はDNA損傷応答の際の翻訳の後に発生する。PARPは、ポリアデノシン二リン酸リボースポリメラーゼと称し、NADが存在する際に、ポリ(ADP−リボース)を近燐の核タンパク質に結合させるように触媒し、塩基切除修復によるDNA修復機構を引き起こす。Trevigen社製のHT Universal Chemiluminescent PARP Assay Kitはこのようなビオチンによって標識されたADP−リボースとヒストンとの結合レベルを検出することができる。
【0209】
試薬及び消耗品
1.HT Universal Chemiluminescent PARP Assay Kit with Histone−coated Strip Wells、米国Trevigen社、製品番号:4676−096−K。
【0210】
2.プレートリーダー、米国Perkin Elmer社、EnVision Multilabel Plate Reader。
【0211】
溶液及び緩衝液
1.洗浄液。0.1%のTriton X−100を含有するPBS溶液。
【0212】
2.20×PARP緩衝液。脱イオン水で20×PARP緩衝液を20倍希釈し、1×緩衝液を得て、該緩衝液は組換えPARP酵素、PARP Cocktail及び被試験化合物の希釈に用いられる。
【0213】
3.10×PARP Cocktail。以下の方法で1×PARP Cocktailを調製する:10×PARP Cocktail 2.5μl/well、10×活性化DNA 2.5μl/well、1×PARP緩衝液 20μl/well。
【0214】
4.PARP Enzyme。使用される前のみに、1×PARP緩衝液で組換え酵素を慎重に希釈し、希釈された酵素溶液をできるだけ早く使用し、未使用のものを廃棄する。
【0215】
5.Strep−HRP。使用される前のみに、1×Strep希釈液でStrep−HRPを500倍希釈して1×溶液を得る。
【0216】
6.化学発光基質。使用される前のみに、同じ体積のPeroxyGlow A及びB溶液を均一に混合して、ホースラディッシュペルオキシダーゼの基質を得る。
【0217】
実験方法
化合物の調製
1.DMSOで10mMの各被試験化合物母液を10uM、1uMまで希釈する。
【0218】
2.実験を始める前のみに、DMSOに溶解した各化合物の勾配濃度溶液を1×PARP緩衝液で20倍希釈し、5×の化合物溶液を得て、テストに利用することができ、陽性対照(POSITIVE)と陰性対照(NEGATIVE)ウェルに1×PARP緩衝液(DMSO含有量5%)を注入する。
【0219】
操作ステップ
1.各ウェルに50μlの1×PARP緩衝液を添加してヒストンを湿らし、室温でウェルプレートを30分間インキュベートし、次にウェル内の1×PARP緩衝液を吸出するとともに、ペーパータオルで残留液を完全に除去する。
【0220】
2.化合物(1)〜(37)により、希釈された5×化合物溶液を対応するウェルに添加し、各ウェルで10μlを注入し、陽性対照(POSITIVE)と陰性対照(NEGATIVE)ウェルに1×PARP緩衝液(DMSO含有量5%)を注入する。
【0221】
3.1×PARP緩衝液でPARP酵素を溶液15μl当たり0.5Unitまで希釈し、次に、陰性対照ウェルを除いたウェルに15μlの酵素溶液を添加し、陰性対照ウェルに1×PARP緩衝液のみを添加し、室温でウェルプレートを10分間インキュベートする。
【0222】
4.続いて、25μlの1×PARP Cocktailを各ウェルに添加する。
【0223】
5.27℃でウェルプレートを60分間インキュベートする。
【0224】
6.インキュベートが終わった後、ウェル内の反応液を吸出するとともに、ペーパータオルで残留液を完全に除去する。次に、0.1%のTriton X−100を含有するPBS溶液でウェルプレートを4回洗浄し、毎回、各ウェルに200μlを注入し、ペーパータオルで残留液を完全に除去する。
【0225】
7.続いて、各ウェルに希釈された1×Strep−HRP溶液を添加し、次に、27℃でウェルプレートを60分間インキュベートする。
【0226】
8.インキュベートが終わった後、ウェル内の反応液を吸出するとともに、ペーパータオルで残留液を完全に除去する。次に、0.1%のTriton X−100を含有するPBS溶液でウェルプレートを4回洗浄し、毎回、各ウェルに200μlを注入し、ペーパータオルで残留液を完全に除去する。
【0227】
9.洗浄が終わった後、同じ体積のPeroxyGlow AとB溶液を均一に混合し、各ウェルに100μl添加し、直ちにプレートリーダーに置いて化学発光シグナルを記録する。
【0228】
データ処理
各ウェルの示度を阻害率に換算する必要がある。化合物の阻害率は以下の式で算出することができる。
【0229】
【数1】
【0230】
注:陽性対照ウェルの示度はpositiveウェルの示度であり、酵素が100%の活性があること意味し、陰性対照ウェルの示度はnegativeウェルの示度であり、酵素が0%であること意味し、活性Xは各サンプルの各濃度の示度である。
【0231】
【表1】
【0232】
表1に示す活性データから分かるように、本発明の化合物はいずれもPARP−1の阻害剤であり、実施例において、化合物(1)、(2)、(5)、(6)、(7)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(27)、(28)、(29)、(30)、(31)、(32)、(33)、(34)、(35)、(36)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)のIC50値は100nM以下であり、化合物(16)、(19)、(25)、(26)、(30)、(31)、(33)、(35)、(36)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)のIC50値は10nM以下である。