【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の特定の実施形態により、上に外層(複数可)を有して血栓形成性の低いデバイスを提供する、医療デバイス(例えば、ステント)が提供される。複数の実施形態では、本開示の医療デバイスは、血管内に移植するよう構成された複数の編組フィラメントを有する拡張可能な管状体を含み、かかる編組フィラメントは、白金、コバルト、クロム、ニッケルのような金属、その合金、及びその組み合わせを含み、ここで、かかるフィラメントは、ホスホリルコリンを含む外面を有し、かつ、かかるホスホリルコリンは、100ナノメートル未満の厚さを有する。
【0005】
本開示の医療デバイスを使用するシステムもまた提供される。複数の実施形態では、本開示のシステムは、動脈瘤を治療するためのシステムを含む。このようなシステムは、血管内挿入用に構成されたコアアセンブリを含み、かかるコアアセンブリは遠位セグメントと該コアアセンブリの遠位セグメントにより担持される拡張可能な管状体を有し、該管状体は、血管内に移植するよう構成された複数の編組フィラメントを有し、該編組フィラメントは、白金、コバルト、クロム、ニッケルのような金属、その合金、及びその組み合わせを含み、ここで、かかるフィラメントはホスホリルコリンを含む外面を有し、かつ、該ホスホリルコリンは厚さが100ナノメートル未満である。
【0006】
本開示の医療デバイスを用いて病状を治療するための方法もまた、提供される。複数の実施形態では、本開示の方法は、親血管の壁に形成された動脈瘤を治療する方法を含む。このような方法は、本開示の医療デバイスの管状体を、医療デバイスの側壁が動脈瘤のネックを横断して伸長するよう親血管内に展開し、これにより動脈瘤を血栓化させることを含む。
【0007】
その他の実施形態では、患者の親血管の壁に形成された動脈瘤を治療する方法は、厚さ100ナノメートル未満のホスホリルコリン外面を有する分流(flow−diverting)金属ステントを動脈瘤のネックを横断するよう親血管内で展開して、動脈瘤を治療すること、及び、(a)ホスホリルコリン外面のない他の類似ステントを患者に展開した場合に患者に処方されるであろうプロトコルよりも抗血小板薬の少ないプロトコルを患者に処方すること、または(b)患者に対していかなる抗血小板薬の処方も控えることのいずれかを含む。
【0008】
さらに別の実施形態では、患者の親血管の壁に形成された動脈瘤を治療する方法は、ピークトロンビン濃度が、ホスホリルコリン外面のない他の類似ステントのピークトロンビン濃度と比べて0.8倍未満となるよう、少なくとも一部に厚さ100ナノメートル未満のホスホリルコリン外面を有する分流(flow−diverting)ステントを、動脈瘤のネックを横断するように親血管内に展開して動脈瘤を治療すること;及び、(a)ホスホリルコリン外面のない他の類似ステントを患者に展開した場合に患者に処方されるであろうプロトコルよりも抗血小板薬の少ないプロトコルを患者に処方すること、または(b)患者に対していかなる抗血小板薬の処方も控えることのいずれかを含む。
【0009】
対象技術を、例えば、以下に記載されるさまざまな態様にしたがって説明する。対象技術の態様のさまざまな実施例を、便宜上、各項に番号を付して(1、2、3など)記載する。これらは、例として記載するもので、対象技術を限定するものではない。任意の従属項を任意の組み合わせで併用し、独立項、例えば、項1または項5それぞれに置いてよいことが留意される。他の項を同様に提示することが可能である。
項1.
白金、コバルト、クロム、ニッケル、その合金、及びその組み合わせからなる群から選択される金属を含む、血管内に移植するよう構成された編組フィラメントを複数含む、拡張可能な管状体を含み、
ここで、かかるフィラメントはホスホリルコリンを含む外面を有し、かつ
かかるホスホリルコリンは、厚さが100ナノメートル未満である、医療デバイス。
項2.
ホスホリルコリンが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、並びに、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、及びその組み合わせのようなモノマーをもとにしたホスホリルコリン、からなる群から選択される、項1に記載の医療デバイス。
項3.
ホスホリルコリンが、反応性の化学基を有する共重合体を含む、項1に記載の医療デバイス。
項4.
反応性の化学基が、アミン基、ヒドロキシル基、エポキシ基、シラン基、アルデヒド基、カルボキシレート基及びチオール基からなる群から選択される、項3に記載の医療デバイス。
項5.
金属とホスホリルコリンの間にシラン層をさらに含む、項1に記載の医療デバイス。
項6.
シランが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、(3−トリエトキシシリルプロピル)−t−ブチルカルバマート、トリエトキシシリルプロピルエチルカルバマート、3−チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、及びその組み合わせからなる群から選択される、項5に記載の医療デバイス。
項7.
管状体が、(a)白金または白金合金のフィラメントを、(b)コバルト−クロム合金フィラメントとともに併せて含む、項1に記載の医療デバイス。
項8.
白金または白金合金のフィラメントがホスホリルコリンの層を有し、コバルト−クロム合金フィラメントが該コバルト−クロム合金フィラメントとホスホリルコリンとの間にシラン中間層を有する、項7に記載の医療デバイス。
項9.
ホスホリルコリン、またはその重合体若しくは共重合体が、白金または白金合金のフィラメントに直接化学的に結合している、項7に記載の医療デバイス。
項10.
ホスホリルコリン、またはその重合体若しくは共重合体が、白金または白金合金のフィラメントに共有結合している、項7に記載の医療デバイス。
項11.
ホスホリルコリン、またはその重合体若しくは共重合体が、コバルト−クロム合金フィラメント上のシランに化学結合している、項7に記載の医療デバイス。
項12.
ホスホリルコリン、またはその重合体若しくは共重合体が、コバルト−クロム合金フィラメント上のシランに共有結合している、項11に記載の医療デバイス。
項13.
管状体が、白金または白金合金のフィラメントを含む、項1に記載の医療デバイス。
項14.
ホスホリルコリン、またはその重合体若しくは共重合体が、白金または白金合金のフィラメントに共有結合している、項13に記載の医療デバイス。
項15.
ホスホリルコリン、またはその重合体若しくは共重合体が、白金または白金合金のフィラメントに化学結合している、項13に記載の医療デバイス。
項16.
管状体が、編組フィラメントで形成された側壁を有し、該側壁は、管状体を動脈瘤に隣接して血管内に位置させた場合に、側壁から動脈瘤内への血液流入を阻害して動脈瘤を血栓化させ治癒をもたらすのに十分な程度にサイズ調整されている細孔を中に複数有している、項1に記載の医療デバイス。
項17.
管状体が、編組フィラメントで形成された側壁を有し、該側壁は平均細孔径が500ミクロン以下である細孔を中に複数有している、項1に記載の医療デバイス。
項18.
管状体内でのフィラメントにかかるストレスが最も小さい構成となるよう管状体をヒートセットする、項1に記載の医療デバイス。
項19.
外面がフィラメントの最表面である、項1に記載の医療デバイス。
項20.
医療デバイスがステントを含む、項1に記載の医療デバイス。
項21.
ホスホリルコリンが、厚さ約1〜約100ナノメートルである、項1に記載の医療デバイス。
項22.
管状体が自己拡張型である、項1に記載の医療デバイス。
項23.
デバイスが、編組フィラメント全体がベアメタルである同一デバイスより血栓形成性が低い、項1に記載の医療デバイス。
項24.
デバイスでトロンビンピークが形成されるまでの経過時間が、編組フィラメント全体がベアメタルである同一デバイスでトロンビンピークが形成されるまでの経過時間の少なくとも1.5倍である、項1に記載の医療デバイス。
項25.
デバイスのピークトロンビン濃度が、編組フィラメント全体がベアメタルである同一デバイスのピークトロンビン濃度の0.8倍未満である、項1に記載の医療デバイス。
項26.
動脈瘤を治療するためのシステムであって、
遠位セグメントを有する、血管内挿入用に構成されたコアアセンブリと、
白金、コバルト、クロム、ニッケル、その合金、及びその組み合わせからなる群から選択される金属を含み、血管内に移植するよう構成された編組フィラメントを複数含む、該コアアセンブリ遠位セグメントにより担持される拡張可能な管状体と、を含み、
ここで、フィラメントは、ホスホリルコリンを含む外面を有し、かつ
ホスホリルコリンは、厚さが100ナノメートル未満である、システム。
項27.
ホスホリルコリンが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、並びに、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスファート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスファート、及びその組み合わせのようなモノマーをもとにしたホスホリルコリン、からなる群から選択される、項26に記載のシステム。
項28.
金属とホスホリルコリンの間にシラン層をさらに含む、項26に記載のシステム。
項29.
シランが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、(3−トリエトキシシリルプロピル)−t−ブチルカルバマート、トリエトキシシリルプロピルエチルカルバマート、3−チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、及びその組み合わせからなる群から選択される、項28に記載のシステム。
項30.
管状体が、(a)白金または白金合金のフィラメントを、(b)コバルト−クロム合金フィラメントとともに併せて含む、項26に記載のシステム。
項31.
白金または白金合金のフィラメントがホスホリルコリンの層を有し、コバルト−クロム合金フィラメントが該コバルト−クロム合金フィラメントとホスホリルコリンの間にシラン中間層を有する、項30に記載のシステム。
項32.
ホスホリルコリンが、白金または白金合金のフィラメントに直接化学結合している、項30に記載のシステム。
項33.
ホスホリルコリンが、白金または白金合金のフィラメントに共有結合している、項30に記載のシステム。
項34.
ホスホリルコリンが、コバルト−クロム合金フィラメント上のシランに化学結合している、項30に記載のシステム。
項35.
ホスホリルコリンが、コバルト−クロム合金フィラメント上のシランに共有結合している、項34に記載のシステム。
項36.
管状体が、白金または白金合金のフィラメントを含む、項26に記載のシステム。
項37.
ホスホリルコリンが、白金または白金合金のフィラメントに共有結合している、項36に記載のシステム。
項38.
ホスホリルコリンが、白金または白金合金のフィラメントに化学結合している、項36に記載のシステム。
項39.
管状体が、編組フィラメントで形成された側壁を有し、該側壁は、管状体を動脈瘤に隣接して血管内に位置させた場合に、側壁から動脈瘤内への血液流入を阻害して動脈瘤を血栓化させ治癒をもたらすのに十分な程度にサイズ調整されている細孔を中に複数有している、項26に記載のシステム。
項40.
管状体が、編組フィラメントで形成された側壁を有し、該側壁は平均細孔径が500ミクロン以下である細孔を中に複数有している、項26に記載のシステム。
項41.
管状体内でのフィラメントにかかるストレスが最も小さい構成となるよう管状体をヒートセットする、項26に記載のシステム。
項42.
外面がフィラメントの最表面である、項26に記載のシステム。
項43.
管状体がステントを含む、項26に記載のシステム。
項44.
ホスホリルコリンが厚さ約1〜約100ナノメートルである、項26に記載のシステム。
項45.
管状体が自己拡張型である、項26に記載のシステム。
項46.
管状体が、編組フィラメント全体がベアメタルである同一体より血栓形成性が低い、項26に記載のシステム。
項47.
管状体が示すトロンビンピーク形成までの経過時間が、編組フィラメント全体がベアメタルである同一管状体のトロンビンピークが形成されるまでの経過時間の少なくとも1.5倍である、項26に記載のシステム。
項48.
管状体が示すピークトロンビン濃度が、編組フィラメント全体がベアメタルである同一管状体のピークトロンビン濃度の0.8倍未満である、項26に記載のシステム。
項49.
マイクロカテーテルの管腔内にコアアセンブリ及び管状部材を摺動自在に受容するよう構成されたマイクロカテーテルをさらに含む、項26に記載のシステム。
項50.
親血管の壁に形成された動脈瘤を治療する方法であって、
項1〜49に記載の管状体を、医療デバイスの側壁が動脈瘤のネックを横断して伸長するよう親血管内に展開し、これにより動脈瘤を血栓化させることを含む、方法。
項51.
患者の親血管壁に形成された動脈瘤を治療する方法であって、
厚さ100ナノメートル未満のホスホリルコリン外面を有する分流(flow−diverting)金属ステントを動脈瘤のネックを横断するよう親血管内で展開して、動脈瘤を治療し、かつ
(a)ホスホリルコリン外面のない他の類似ステントを患者に展開した場合に患者に処方されるであろうプロトコルよりも抗血小板薬の少ないプロトコルを患者に処方すること、または(b)患者に対していかなる抗血小板薬の処方も控えることのいずれかを含む、方法。
項52.
ステントが、項1〜51に記載の管状体を含む、項51に記載の方法。
項53.
患者が、頭蓋内出血のリスクがあると診断されたことがある患者である、項51に記載の方法。
項54.
患者が、動脈瘤による脳出血のリスクがあると診断されたことがある患者である、項51に記載の方法。
項55.
親血管は頭蓋内動脈である、項51に記載の方法。
項56.
マイクロカテーテルを親血管内に挿入し、マイクロカテーテルを介してステントを治療領域まで送達することにより、動脈瘤近傍の治療領域にアクセスすることをさらに含む、項51に記載の方法。
項57.
ステントが示すトロンビンピークが形成されるまでの経過時間が、ホスホリルコリン外面のない類似ステントでの経過時間の少なくとも1.5倍である、項51に記載の方法。
項58.
ステントが示すピークトロンビン濃度が、ホスホリルコリン外面のない類似ステントでのピークトロンビン濃度の0.8倍未満である、項51に記載の方法。
項59.
患者の親血管壁に形成された動脈瘤を治療する方法であって、
ピークトロンビン濃度が、ホスホリルコリン外面のない他の類似ステントのピークトロンビン濃度の0.8倍未満となるよう、厚さ100ナノメートル未満のホスホリルコリン外面を少なくとも一部に有する分流(flow−diverting)ステントを、動脈瘤のネックを横断するように親血管内に展開して動脈瘤を治療すること;かつ
(a)ホスホリルコリン外面のない他の類似ステントを患者に展開した場合に患者に処方されるであろうプロトコルよりも抗血小板薬の少ないプロトコルを患者に処方すること、または(b)患者に対していかなる抗血小板薬の処方も控えることのいずれかを含む、方法。
項60.
ステントが、項1〜59に記載の管状体を含む、項59に記載の方法。
項61.
患者が、頭蓋内出血のリスクがあると診断されたことがある患者である、項59に記載の方法。
項62.
患者が、動脈瘤による脳出血のリスクがあると診断されたことがある患者である、項59に記載の方法。
項63.
親血管は頭蓋内動脈である、項59に記載の方法。
項64.
マイクロカテーテルを親血管内に挿入し、マイクロカテーテルを介してステントを治療領域まで送達することにより、動脈瘤近傍の治療領域にアクセスすることをさらに含む、項59に記載の方法。
【0010】
対象技術の別の特徴及び利点を下記説明に記載し、一部はその説明から明らかとなり、また、対象技術の実施により知り得る。対象技術の利点は、明細書及びその実施形態並びに添付の図面で詳しく指摘される構造により実現され、達成されるであろう。
【0011】
上述の概要及び以下の詳細な説明はいずれも、例示し解説するものであり、対象技術を詳細に説明することを意図していると理解されるべきである。