特許第6263670号(P6263670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6263670ケース、ケースユニット、及びケースユニットの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6263670
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】ケース、ケースユニット、及びケースユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/00 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   H05K5/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-501730(P2017-501730)
(86)(22)【出願日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】JP2016055632
【審査請求日】2017年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】市川 正人
(72)【発明者】
【氏名】上田 剛一郎
【審査官】 宮下 誠
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−81101(JP,U)
【文献】 特開平6−260777(JP,A)
【文献】 特開2014−29974(JP,A)
【文献】 特開2004−281909(JP,A)
【文献】 特開平11−354586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容対象物の少なくとも周縁部が載置される載置面と、
前記載置面の外周と繋がり前記収容対象物の外周を囲むように周方向へ延びる内側面と、
を備え、
前記内側面は、
前記載置面と繋がり前記周方向へ延びる第一面部と、
前記第一面部を前記載置面との間に挟んで前記第一面部と繋がって前記周方向へ延びるとともに前記載置面の外周から離れる方向へ広がる段差面部と、
前記段差面部を前記第一面部との間に挟んで前記段差面部と繋がり前記周方向へ延び前記第一面部よりも前記載置面から離れて位置する第二面部と、
を有し、
前記第一面部及び前記載置面は、前記第二面部よりも表面粗さが小さく、
前記第一面部は、前記載置面の面精度と同等の面精度を有しており、
前記段差面部は、前記載置面の面精度よりも低い面精度を有しており、
前記第一面部及び前記第二面部は、前記載置面に対してほぼ垂直な方向に延びており、
前記段差面部は、前記載置面に対して垂直な方向に前記載置面から離れるに従って、漸次外周側に向かって傾斜している、
ケース。
【請求項3】
請求項1に記載のケースと、
前記載置面に少なくとも前記周縁部が載置されるように前記ケースに収容された前記収容対象物と、
前記第二面部に接し前記収容対象物を前記ケース内に封止する樹脂部と、
を備えたケースユニット。
【請求項4】
前記ケースは金属からなる請求項3に記載のケースユニット。
【請求項5】
収容対象物の少なくとも周縁部が載置される載置面、及び、前記載置面の外周と繋がる内側面を有し、前記内側面のうち前記載置面との境界近傍の部分が内周側へ突出したケースを成形する成形工程と、
前記内側面のうち前記内周側へ突出した部位における前記内周側の部分が切削されるまで前記載置面を切削して前記載置面の表面粗さを小さくする切削工程と、
前記切削工程後に、前記周縁部が前記載置面に接触するように前記収容対象物を前記載置面に載置する載置工程と、
前記収容対象物が前記載置面に載置された状態で前記収容対象物を樹脂により封止する封止工程と、
を備えたケースユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース、ケースユニット、及びケースユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板等の収容対象物がケース内に収容され、ケース内に注入された樹脂によって基板が封止されたケースユニットが知られている。
例えば、ケースの内周に形成された段差部(載置面)に基板が固着され、基板を覆うように載置面上に樹脂が充填された混成集積回路装置(ケースユニット)が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−121881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなケースユニットでは、基板と載置面との密着性を向上するために、載置面に切削加工を施して載置面の面精度を高める(表面粗さを減少させる)ことがある。しかしながら、ケースにおいては、載置面の外周に内側面が繋がっている。このため、載置面に切削加工を施すと、ケースの内側面も切削加工によって一緒に切削されてしまい、ケースの内側面の表面粗さも減少してしまう。その結果、樹脂とケースの内側面との密着性を確保できない可能性がある。この場合には、例えば、水分がケースの内側面と樹脂との間に入り込み、基板に水分が到達する可能性があるため、好ましくない。
本発明は、載置面の面精度を高めても、樹脂とケースとの密着性を確保できるケース、ケースユニット、及びケースユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に係るケースは、収容対象物の少なくとも周縁部が載置される載置面と、前記載置面の外周と繋がり前記収容対象物の外周を囲むように周方向へ延びる内側面と、を備える。前記内側面は、前記載置面と繋がり前記周方向へ延びる第一面部と、前記第一面部を前記載置面との間に挟んで前記第一面部と繋がって前記周方向へ延びるとともに前記載置面の外周から離れる方向へ広がる段差面部と、前記段差面部を前記第一面部との間に挟んで前記段差面部と繋がり前記周方向へ延び前記第一面部よりも前記載置面から離れて位置する第二面部と、を有する。前記第一面部及び前記載置面は、前記第二面部よりも表面粗さが小さい。前記第一面部は、前記載置面の面精度と同等の面精度を有している。前記段差面部は、前記載置面の面精度よりも低い面精度を有している。前記第一面部及び前記第二面部は、前記載置面に対してほぼ垂直な方向に延びている。前記段差面部は、前記載置面に対して垂直な方向に前記載置面から離れるに従って、漸次外周側に向かって傾斜している。
【0006】
本発明の第2の態様は、上記態様のケースと、前記載置面に少なくとも前記周縁部が載置されるように前記ケースに収容された前記収容対象物と、前記第二面部に接し前記収容対象物を前記ケース内に封止する樹脂部と、を備えたケースユニットである。
【0007】
本発明の第3の態様は、収容対象物の少なくとも周縁部が載置される載置面、及び、前記載置面の外周と繋がる内側面を有し、前記内側面のうち前記載置面との境界近傍の部分が内周側へ突出したケースを成形する成形工程と、前記内側面のうち前記内周側へ突出した部位における前記内周側の部分が切削されるまで前記載置面を切削して前記載置面の表面粗さを小さくする切削工程と、前記切削工程後に、前記周縁部が前記載置面に接触するように前記収容対象物を前記載置面に載置する載置工程と、前記収容対象物が前記載置面に載置された状態で前記収容対象物を樹脂により封止する封止工程と、を備えたケースユニットの製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のケース及びケースユニットは、載置面の面精度を高めつつ、第二面部の表面が載置面よりも粗い状態とされている。このため、本発明のケース及びケースユニットは、載置面に収容対象物が載置された状態として収容対象物が樹脂部により封止された場合に、樹脂部と第二面部との密着性が高い。その結果、本発明のケース及びケースユニットによれば、載置面の面精度を高めても、樹脂とケースとの密着性を確保できる。
また、本発明のケースユニットの製造方法によれば、載置面を切削する過程で内側面と載置面との境界部が切削されても内側面のうち当該境界部から離れた部分が未切削状態で残る。このため、本発明のケースユニットの製造方法によれば、載置面の面精度が高く、且つ樹脂とケースとの密着性が高いケースユニットを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態のケースユニットの断面図である。
図2】本発明の第1実施形態のケースの断面図である。
図3】本発明の第1実施形態のケースユニットの製造方法において、切削工程前の状態を示す拡大断面図である。
図4】本発明の第2実施形態のケースユニットにおけるケースの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のケースユニット1は、収容対象物15が内部に収容されたユニットである。本実施形態では、収容対象物15の一例として、電子部品17が実装された回路基板16を示す。本実施形態において例示する回路基板16は、電子部品17を実装するためのランドや配線パターン等を有している。また、回路基板16の周縁部16aは、後述する載置面6に接触する部位として平坦な面を有している。
本実施形態のケースユニット1は、ケース2と、上記の収容対象物15と、樹脂部12とを備えている。
【0011】
図1及び図2に示すように、ケース2は、底部3及び側壁4を有する有底筒状(容器状)に形成されている。ケース2は、金属からなる。底部3及び側壁4によって、収容対象物15を収容するための空間が構成されている。
【0012】
底部3は、例えば平坦な板状をなしている。底部3の形状は、収容対象物15の形状に対応して適宜設定されていてもよい。
【0013】
側壁4は、底部3の外周から底部3の板厚方向(図1に符号Xで示す方向)へほぼ垂直に延び、底部3の外周に沿って一続きに延びている。側壁4は筒状に形成されている。
【0014】
側壁4の外面は、ケース2の外側面5を構成する。外側面5の形状は、ケース2の意匠性や放熱性など、あるいはケース2を取り付ける対象の形状などを考慮して、適宜設定されてよい。
【0015】
側壁4の内面は、載置面6と、第一内側面7と、第二内側面11とを有している。
【0016】
載置面6は、収容対象物15の周縁部16aが載置される面である。本実施形態における載置面6は、平面状をなしている。載置面6と収容対象物15との間の隙間が少なくなるように、載置面6は高い面精度を有している。本実施形態において、載置面6が「高い面精度を有する」とは、第一内側面7の第二面部10(後述)の面精度と比較して載置面6が相対的に高い面精度を有していることをいう。本実施形態における載置面6の面精度は、例えば、算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)、凹凸の平均間隔(Sm)、局部山頂の平均間隔(S)及び負荷長さ率(tp)などの表面粗さを示すパラメータによって表すことができる。本実施形態の載置面6の表面粗さは、後述する第二面部10の表面粗さよりも小さい。
なお、載置面6は、少なくとも第二面部10よりも面精度が高ければよい。載置面6の面精度が十分に高ければ、載置面6の面精度を高めるための加工は必須でない。たとえば、第二面部10に対して粗面加工が施されることにより相対的な面精度の大小が生じることで載置面6が第二面部10に対して相対的に高い面精度を有してもよい。
本実施形態において、収容対象物15の周縁部16aは、接着剤等により載置面6に固定されている。載置面6の面精度が高いため、載置面6と収容対象物15の周縁部16aとの間の隙間を無くす又は減らすことができる。
【0017】
第一内側面7は、第一面部8と、段差面部9と、第二面部10とを有する。
【0018】
第一面部8は、載置面6と繋がり、収容対象物15の外周を囲む方向(周方向)へ延びている。第一面部8は、載置面6の外周から、載置面6に対してほぼ垂直に延びている。第一面部8は、載置面6に載置された収容対象物15の外周に倣った形状を有している。
【0019】
第一面部8は、載置面6の面精度と同等の面精度を有している。なお、第一面部8において、載置面6との境界近傍の部分のみが載置面6の面精度と同等の面精度を有していてもよい。この場合、第一面部8における残部は、載置面6の面精度よりも低い面精度を有している。
【0020】
第一面部8は、載置面6と同等の面精度を必須としない。しかしながら本実施形態では、第一面部8において載置面6と同程度に高い面精度を有している部位は、載置面6の面精度を高める切削加工(後述)により生じる。
【0021】
段差面部9は、第一面部8を載置面6との間に挟んで第一面部8と繋がっている。段差面部9は、ケース2の平面視(図1,2に符号A1で示す方向)において収容対象物15の外周を囲む周方向へ延びている。さらに、段差面部9は、ケース2の平面視において、載置面6の外周から離れる方向へ広がっている。段差面部9は、載置面6と平行な面を有している。
段差面部9の面精度は、後述する樹脂部12との密着性を高めるために、載置面6の面精度よりも低い。
【0022】
第二面部10は、段差面部9を第一面部8との間に挟んで段差面部9と繋がっている。第二面部10は、収容対象物15の外周を囲む周方向へ延びている。第二面部10は、ケース2の平面視(符号A1で示す方向)において、第一面部8載置面6から離れて位置している。
第二面部10の面精度は、載置面6の面精度よりも低い。たとえば、第二面部10は、後述する樹脂部12の構成に対応して、樹脂部12に対する密着性が高くなるように、粗面加工されている。
なお、樹脂部12に対する密着性を十分に発揮する表面状態の第二面部10を上記の梨地加工などの粗面加工なしで成形することもできる。この場合には、ケース2の成形後に第二面部10の粗面加工をする必要がない。
【0023】
第二内側面11は、載置面6と底部3との間に位置する面であり、収容対象物15に取り付けられた部品など(例えば上記の電子部品17など)が進入可能な空間をケース2内に生じさせる。ケース2の平面視(図1,2に符号A1で示す方向)において、第二内側面11は、収容対象物15の周縁よりも内周側に位置している。底部3及び第二内側面11により構成される空間は、収容対象物15がケース2内に収容された状態において空洞であってもよいし、不図示の樹脂等が充填されていてもよい。
【0024】
樹脂部12は、収容対象物15を封止する。樹脂部12は、ケース2の内面のうち第一内側面7(第一面部8,段差面部9,及び,第二面部10)に密着している。収容対象物15と第一面部8との間に隙間を有する状態で収容対象物15が載置面6に載置されている場合、樹脂部12は、載置面6における外周部分6aにも接してよい。
収容対象物15が載置面6に載置されて樹脂部12により封止されている状態において、樹脂部12は、収容対象物15と載置面6との間にほとんど入り込んでいない。収容対象物15と載置面6との間に樹脂部12が介在しない、又は、収容対象物15と載置面6との間に介在する樹脂部12の量が微小であることで、収容対象物15である回路基板16から載置面6への放熱効率を高めることができる。
【0025】
本実施形態のケースユニット1の製造方法について説明する。
まず、ケース2を成形する(成形工程)。
成形工程では、まず、プレス加工やキャスティングなどの公知の手法により、金属材料からケース2の概形が成形される。成形工程では、図3に示すように、ケース2の第一内側面7のうち、載置面6との境界近傍の部分が内周側へ突出されるようにケース2が成形される。ケース2の第一内側面7のうち、載置面6との境界近傍において内周側へ突出される部位(突出部21)は、後述する切削工程において切削される削り代22を考慮して成形される。削り代22は、突出部21のうちの内周側の部分である。
成形工程においては、ケース2の概形が出来上がった後、少なくとも第二面部10に対して、粗面加工が行われる。粗面加工の手段としてショットブラストなどの公知の手段が適宜選択されてよい。なお、成形工程では、ケース2の内面の全てが粗面加工されてもよい。
これで成形工程は終了し、切削工程へ進む。
【0026】
切削工程は、面精度の高い載置面6を形成するための工程である。
切削工程では、載置面6を切削加工することで、載置面6の表面粗さを小さくする。切削工程では、載置面6の切削加工と同時に、第一面部8上の削り代22も切削する。これにより、載置面6は、第一面部8との境界に至るまで切削加工される。また、切削工程後の状態では、第一面部8の面精度が、切削加工後の載置面6の面精度と同等となる。切削工程では、切削工具としてエンドミルを使用することができる。
切削工程では、ケース2の平面視において第一面部8が第二面部10よりも内側に位置するように、突出部21のうち削り代22が切削される。切削工程の後、突出部21のうち削り代22以外の部位は内周側へ突出した状態で残され、第二面部10は未切削状態で残される。
これで切削工程は終了し、載置工程へ進む。
【0027】
載置工程は、載置面6に収容対象物15を載置する工程である。
載置工程では、ロボットや手作業等によって、載置面6に収容対象物15が載置される。たとえば、載置工程では、収容対象物15の一例である回路基板16の周縁部16aが載置面6に接触するように、回路基板16が載置面6に載置される(図1参照)。また、回路基板16の両主面16b,16cのうち載置面6に接する側の主面16bに電子部品17が実装されている場合には、この電子部品17は、第二内側面11と底部3とによって構成される空間内に収容される。また、回路基板16の両主面16b,16cのうち載置面6に接する側とは反対側の主面16cに電子部品17が実装されている場合には、この電子部品17は、第一内側面7によって囲まれる空間内に収容される。本実施形態において、回路基板16は、接着等によって載置面6に固定される。
上記の切削工程における切削加工によって形成された第一面部8(図1参照)は、載置面6上で収容対象物15を位置決めするのを補助するガイドとして機能する。ケース2の第一内側面7に形成された第一面部8によって、載置面6に対する収容対象物15の位置ずれを少なくすることができる。
これで載置工程は終了し、封止工程へ進む。
【0028】
封止工程は、収容対象物15をケース2内に封止する工程である。
封止工程では、収容対象物15が載置面6に載置された状態で、流動体状の封止樹脂をケース2内に流し込む。流動体状の封止樹脂は、第一内側面7及び収容対象物15に密着した状態で硬化することによって、収容対象物15を封止する樹脂部12となる。本実施形態では、上記の切削工程における切削加工によって、収容対象物15と載置面6との隙間が少ない状態となるように載置面6の面精度が高められている。このため、封止工程においてケース2内に流し込まれた封止樹脂は、収容対象物15と載置面6との間にはほとんど入り込まない。その結果、封止樹脂は、第二内側面11と底部3とによって構成される空間内には入り込まない。
これで封止工程が終了する。
以上により、ケースユニット1の製造が完了する。
【0029】
以上に説明したように、本実施形態では、ケース2に形成された載置面6は、切削により面精度が高められている。すなわち、載置面6は、ケース2の他の部位と比較して表面粗さが小さな面となっている。このため、切削加工を経て形成された載置面6とこの載置面6に載置される収容対象物15(回路基板16)との密着性は、載置面6に対する切削加工がされていない場合よりも高い。
【0030】
さらに、本実施形態では、ケース2に形成された載置面6の面精度を高める切削加工を行う過程で、第一面部8が切削される。これは、収容対象物15(回路基板16)を載置するために十分な広さを有し面精度の高い載置面6を切削加工により形成する場合に、ケース2の寸法公差や切削加工の許容誤差の範囲内において、切削加工のための切削工具が第一面部8に接するからである。本実施形態では、切削工具が第一面部8を載置面6とともに切削しても、第二面部10が未切削状態で残る。本実施形態におけるケース2の第二面部10は粗面であるから、第二面部10と封止樹脂(樹脂部12)との密着性は高い。
【0031】
このように、本実施形態のケース2及びケースユニット1によれば、載置面6の面精度を高めても樹脂部12とケース2との密着性を確保することができる。
【0032】
本実施形態のケース2に形成された載置面6は、収容対象物15の周縁部16aに対する密着性が高くなるように高い面精度を有している。このため、本実施形態では、収容対象物15から載置面6への放熱効率が高い。
また、本実施形態では、ケース2が金属からなり、載置面6が金属からなるので、収容対象物15の周縁部16aから載置面6へ効率よく放熱することができる。また、本実施形態では、ケース2全体が金属からなるので、収容対象物15から載置面6へ拡散した熱をさらにケース2全体へと速やかに拡散することができる。
【0033】
また、本実施形態のケース2に形成された載置面6は、収容対象物15の周縁部16aに対する密着性が高くなるように高い面精度を有しているので、封止樹脂が収容対象物15と載置面6との隙間に入り込みにくい。
【0034】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図4は、本実施形態のケースユニットにおけるケースの拡大断面図である。
図4に示すように、本実施形態のケース2は、第1実施形態に開示された段差面部9とは形状が異なる段差面部9Aを有している。
【0035】
段差面部9Aは、載置面6に対して垂直な方向(図4に符号A2で示す方向)において、載置面6から離れるに従って漸次外周側に向かうように傾斜している。
図4に示すように、本実施形態のケース2に形成された第一面部8及び段差面部9Aは、上記第1実施形態に開示された載置工程における収容対象物15の載置過程で、載置面6まで収容対象物15をスムーズに案内するガイドとして機能する。このため、本実施形態のケース2によれば、載置工程における収容対象物15の載置が容易である。また、本実施形態のケース2によれば、ロボットを用いて収容対象物15を載置面6に載置する場合における載置不良の頻度を下げることができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0037】
たとえば、上記第1実施形態に開示された収容対象物15の一例としての回路基板16は、回路基板16に実装された電子部品17が発する熱を載置面6を介してケース2へ逃がすための放熱パターンを周縁部16aに有していてもよい。また、上記の回路基板16上に実装される電子部品17の配置は特に限定されない。
【0038】
また、載置面は、例えばケースの底面であってもよい。この場合、収容対象物における周縁部以外の部分も、ケースの載置面(底面)に載置される。
【0039】
また、上述の各実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、収容対象物が内部に樹脂封止されるケース、収容対象物が樹脂封止されたケースユニット、及びこのケースユニットの製造方法として、利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 ケースユニット
2 ケース
3 底部
4 側壁
5 外側面
6 載置面
7 第一内側面
8 第一面部
9,9A 段差面部
10 第二面部
11 第二内側面
12 樹脂部
15 収容対象物
16 回路基板
17 電子部品
21 突出部
22 削り代
【要約】
本発明のケース(2)は、収容対象物(15)の周縁部が載置される載置面(6)と、前記載置面(6)の外周と繋がり前記収容対象物(15)の外周を囲むように周方向へ延びる第一内側面(7)と、を備え、前記第一内側面(7)は、前記載置面(6)と繋がり前記周方向へ延びる第一面部(8)と、前記第一面部(8)を間に挟んで前記載置面(6)とは反対側において前記第一面部(8)と繋がって前記周方向へ延びるとともに前記第一面部(8)から外周側へ広がる段差面部(9)と、前記段差面部(9)を間に挟んで前記第一面部(8)とは反対側において前記段差面部(9)と繋がり前記周方向へ延び前記第一面部(8)よりも外周側に位置する第二面部(10)と、を有し、前記第一面部(8)及び前記載置面(6)は、前記第二面部(10)よりも表面粗さが小さい。
図1
図2
図3
図4