特許第6263677号(P6263677)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6263677-眼部マッサージ器具 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263677
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】眼部マッサージ器具
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/02 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   A61H23/02 332
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-172686(P2013-172686)
(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公開番号】特開2015-29896(P2015-29896A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】505248358
【氏名又は名称】明石 計一
(72)【発明者】
【氏名】明石 計一
【審査官】 胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−066667(JP,U)
【文献】 実開昭62−179719(JP,U)
【文献】 特開2010−088558(JP,A)
【文献】 特開2001−238904(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3171629(JP,U)
【文献】 実開平06−036624(JP,U)
【文献】 特開2004−350803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主杵部(1)は、スイッチ(5)と電池(8)と偏心錘(7)を回転軸にとりつけたモーター(6)からなるバイブレーター機構を内蔵し、主杵部(1)に取り付ける振動子(2)は、主杵部(1)に着脱可能にするために主杵部(1)を嵌め込めるようになっている接続部(4)を有し、振動子(2)は眼球を囲むのに十分なようにリング状に曲げた中空のパイプであり、振動子(2)内部には砂状物質(3)と水が充填されている。以上の構成からなる眼部マッサージ器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は旋回又は搖動又は振動等で駆動する振動子を身体の部位に押し当てて、マッサージ効果による身体の働きを活性円滑化するマッサージ方法とマッサージ器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来眼精疲労については目によいとされる緑色の色彩の景色や物体や遠景や、星を眺めたり、眼球の上からマッサージによる刺激や過熱・冷却によって眼球周辺の血行を促進することが有効であることが知られている。
【0003】
器具としては超音波を眼球の回りにあてたり、眼部や眼精疲労に有効なつぼに突起物を押し当てる器具やそれをバイブレーターなどで振動させるものが存在した。
【0004】
また、眼球の上から冷却もしくは加熱するための素材をあてがうことにより、眼精疲労の血行促進を促すような健康器具も存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法には様々な欠点があった。
【0006】
眼精疲労に対しては上記治癒方法を同時に行う方が、すなわち振動等の物理的な刺激と、冷却もしくは過熱による血行促進を同時に行う方が効果があるがそのような商品は存在しない。
【0007】
その理由としては電気的な機構をもつ装置は水分や熱に対して弱く、構成物への加温や冷却により機械部分が故障する可能性が非常に高く、その安全性からも装置に加温や冷却を行うことが実質的に不可能であるためである。
【0008】
逆に加温や冷却に耐えうる保温剤や保冷剤を利用する製品は、その発熱もしくは冷却部分が電気的な機構に取り付けることにより、装置の故障をまねき、同様に安全性を保証することができない。
【0009】
眼球へのマッサージのために眼球部に押し当てるものの場合、必然的にまぶたを閉じなければいけないため、目をあけて目によい色の景色や物体を眺めるという治療法を同時に実行することができない。
【0010】
さらに、目をつぶっての使用となると長時間に渡ってそのような状態を維持する事は使用者にとっては治療自体が退屈なものとなり、十分な治療が行われる前に使用を停止してしまう可能性がある。そうなると治療効果を十分に発揮できなくなる。
【0011】
また眼球は極めて繊細な器官であり、眼球部へ直接振動や刺激を押し当てるのは安全上からも問題であり、接触させるものによっては眼球近辺に不衛生なものを接触させる可能性もあり衛生面でも問題がある。
【0012】
本発明は以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(イ)主杵部(1)は、スイッチ(5)と電池(8)と偏心錘(7)を回転軸にとりつけたモーター(6)からなるバイブレーター機構を内蔵する。
(ロ)主杵部(1)に取り付ける振動子(2)は、主杵部(1)に着脱可能にするために主杵部(1)を嵌め込めるようになっている接続部(4)を有する
(ハ)振動子(2)は眼球を囲むのに十分なようにリング状に曲げた中空のパイプであり、振動子(2)内部には砂状物質(3)と水が充填されている。
【0014】
本発明は以上の構成からなるマッサージ器具である。
【0015】
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば従来の発明にない、以下の効果を得ることができる。
【0017】
振動子(2)を顔面に押し当てると振動子(2)は眼球部を囲むように顔面に接触することになる。この状態で主杵部(1)のスイッチ(5)を入れることにより主杵全体が振動し、その振動が振動子(2)に伝わることによって、眼部の周辺の血行を促進する。
【0018】
振動子(2)は主杵部(1)から着脱可能であり、通常は冷却装置や加温用の装置に入れ、冷却もしくは加温しておく。冷却装置や加温用の装置は家庭に一般的に存在する冷蔵庫や電子レンジなどで問題ない。使用時には振動子(2)を主杵部(1)に取り付けて使用することで、従来品では実現が不可能であった振動によるマッサージ効果と冷却もしくは加温による血行促進効果を同時に与えることが可能になる。
【0019】
また振動子(2)が脱着可能であることから、使用後には振動子(2)を取り外して洗浄することができるので、肌に接触する部分を衛生的に維持することができるので、衛生面からも優れた効果を発揮できる。
【0020】
振動子(2)はリング状に形成されているため、使用者は目を開いたまま物や景色を眺めながら本発明品を使用することができる。それにより、眼精疲労にやさしい緑色の多い景色や物体および遠景を眺めることによる眼精疲労のための治療を同時に実施することができる。
【0021】
目を開いたまま本発明を使用することにより、使用者は本や映像を見ることも可能なので、退屈することなく継続的に治療を続けることが可能になる。これにより、長時間にわたる治療が可能となり、眼精疲労の回復効果を十分に発揮することができる。
【0022】
また、振動子(2)は眼球の上に直接おしあてることはなく、眼球の周辺部にのみ振動と熱を伝えるだけなので、眼球に対し過度の刺激を伝えることはないし、眼球部近辺に振動子(2)はあたらないので不衛生なものが接触する可能性もない。よって安全面からも衛生面から望ましい形で眼精疲労に対する血行促進効果を与えることができる。
【0023】
振動子(2)内部の砂状物質(3)の存在により、砂状物質(3)どうしの分子間力と砂状物質(3)同士の隙間によって生み出される毛細管現象により、水は砂状物質(3)の間に漏れなく充填され、かつ粘性を有して水と砂状物質(3)の流動性が低くなり、水と砂状物質(3)とがあたかも一体化したような状態となり、水が装置外部に漏れ出すことを防ぎ、主杵内部の機械部分に漏れ出して漏電のような危険性もなくなる。
【0024】
また、水だけで振動子(2)内の中空を充填するよりも、砂状物質(3)とまざることにより必然的に充填に必要とされる水自体はすくなくて済むために、本発明を冷却装置によって冷却し、もしくは加温装置によって加温する際の速度は、単に水だけを振動子(2)内に充填している場合よりも大幅に短縮される。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の正面図である。
図2】本発明の縦断正面図である。
図3】本発明の使用状態を示す参考正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0028】
振動子(2)は目を囲むようにリング状に曲げた形をしており、中空のパイプになっている。振動子(2)を構成するパイプ全体には水と砂状物質(3)が充填されている。
【0029】
さらに振動子(2)は主杵部(1)から着脱が可能なように、主杵部(1)の先端を嵌め込むための接続部(4)を有している。
【0030】
振動子(2)を構成するパイプは水が漏れ出すような素材でなく、またパイプ内部に熱を伝える物質であれば、プラスチックや金属等その素材は問わない。
【0031】
砂状物質(3)は水により化学変化を起こすような成分でなければその成分は問わない。重要なのは粒子として砂状物質(3)同士の間隙による毛細管現象と分子間力で砂状物質(3)に付着した水分を保持させることにある。
【0033】
主杵部(1)はバイブレーター機能を実現するための電池(8)と偏心錘(7)を回転軸に有するモーター(6)とスイッチ(5)を内蔵している。主杵部(1)の先端は振動子(2)の接続部(4)分にはめ込めるようになっており、振動子(2)の着脱が可能になっている。
【0034】
振動子(2)自体は着脱可能であるので、あらかじめ振動子(2)だけを取り外して冷蔵庫などの冷却装置で冷却したり、加温装置で加温しておくことができ 、必要に応じて振動子(2)を洗浄することができる。
【0035】
主杵部(1)内部のモーター(6)の回転軸には偏心錘(7)が装着されている。この仕組みにより、通電してモーター(6)が回転することにより、重心が偏った偏心錘(7)が高速回転するため、主杵部(1)全体が激しく振動する。
【0036】
スイッチ(5)を入れ主杵部(1)が振動を開始すると、実際に使用している状態を示す図3のように振動子(2)が眼球の周りに密着するため、心地よい振動が伝達され、また振動子(2)をあらかじめ冷却または加温していた場合その熱も眼球の周りに伝達されるため、血行が促進され、眼精疲労の回復を促進する。
【0037】
また図3からわかるとおり、振動子(2)は眼球自体は外れて、眼球周辺を囲むようにリング状に形成されているので、使用者は目を閉じることなく本発明を使用することが可能であり、目に良い色彩の物体や景色を眺めながら使用できる。資料や映像を見ながら使用することも可能なので、使用時にじっと目をつぶっている必要はないので、退屈することなく継続的に眼精疲労の回復を行うことも可能である。
【0038】
本発明は以上のような構造である。
【0039】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 主杵部
2 振動子
3 砂状物質
4 接続部
5 スイッチ
6 モーター
7 偏心錘
8 電池
図1
図2
図3