(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263679
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】有機廃棄物堆肥化装置及び方法
(51)【国際特許分類】
C05F 17/02 20060101AFI20180104BHJP
B09B 3/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
C05F17/02ZAB
B09B3/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-82813(P2016-82813)
(22)【出願日】2016年4月18日
(65)【公開番号】特開2017-193454(P2017-193454A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2016年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】313007792
【氏名又は名称】帆士 政信
(72)【発明者】
【氏名】帆士 政信
【審査官】
小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−259591(JP,A)
【文献】
特開平11−188338(JP,A)
【文献】
特開2004−099341(JP,A)
【文献】
特開平08−259364(JP,A)
【文献】
特開2001−002483(JP,A)
【文献】
特開2002−210435(JP,A)
【文献】
特表2002−520245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05F 17/00
C05F 9/00
B09B 3/00
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ゴミ及び有機廃棄物からなる被処理物を堆肥化する堆肥槽(14)を縦型回転式収納装置本体内に複数備え、これらの堆肥槽(14)を上下方向に延在するエンドレスの駆動機構に取り付けて循環昇降させる機構において、前記エンドレス駆動機構の前面中間位置を未処理物及びph値調整用添加物の投入位置とする手段、各堆肥槽(14)の内部に被処理物の撹拌流動用リボンスクリュー羽根(33)を備え、当該リボンスクリュー羽根の駆動用中空シャフト(32)の両端に駆動輪(15)を設け、前記エンドレス駆動機構の最下段位置にてシーソー方式駆動機構(18)による当該リボンスクリューを回転させ同時にベンチュリ混合エダクターノズルによる中空シャフトを空気強制挿入管とし、同時に中空シャフト管体に空気噴出口を明け空気の強制挿入とし、堆肥槽(14)の底板(41)を穴あき板パンチングメタルとして常時自然通風口として吸気し好気性発酵とする手段、前記エンドレス駆動機構の最上段位置を被処理物の進捗データ収集用のセンサー位置として被処理物の温度、水分濃度、ph値、酸素濃度などの進捗データを検出して、記録及びデータを基に自動操作制御する手段、その他の位置を発酵待機位置としたことを特徴とする縦型回転式収納堆肥化装置。
【請求項2】
堆肥槽(14)にて
、前記エンドレス駆動機構により順次に
図8参照センサーにより温度、水分濃度、ph値及び酸素濃度の進捗データ収集、記録及び内容に応じた処理、たとえば撹拌動作、加水及びph値の調整用添加物投入作業、被処理物が発酵して減容にともない堆肥槽(14)の収納容量に余裕が出来れば未処理物の再投入をプログラムにより累積投入を実行して堆肥化の効率アップ、処理設備の省スペース化を図る制御シーケンス及び数値制御を行うシステムとした請求項1記載の縦型回転式収納堆肥化装置。
【請求項3】
前記被処理
物の生ゴミ及び有機廃棄
物が投入口より投
入され図4参照、被処理物を受け入れホッパー(1)にて受け入れ
図5参照、切り出しコンベア(2)により切り出し、先端の定寸切断刃(34,35)にて裁断されスクリューコンベアにて脱
水膨潤処理を施し高密度に減容され被処理物の処理量アッ
プ及び被処理物の堆肥槽(14)への過積載を防ぐた
めにスクリューコンベア排出口に計量槽(4)を設け、バッチ計量収納として被処理物減容化高効率の処理をすることを特徴とする請求項1記載の縦型移動回転式収納堆肥化装置。
【請求項4】
前記エンドレス回転駆動機構の回転部最下段位置に隣接する固定部に
図3参照シーソー方式駆動機構(18)を堆肥槽(14)の移動に緩衝しない様に被処理物の処理進捗に応じて撹拌、空気強制挿入及び堆肥排出のいずれかの作業が必要となった時、該当堆肥槽(14)を当位置へ誘導し撹拌駆動回転動力の伝達及び被処理物の排出機構動力の伝達に
図7参照の完成堆肥排出時パターン及び堆肥撹拌パターンの要領でシーソー方式駆動機構(18)を請求項2記載の
システムにより位置制御及び反転伸縮制御にて行う、なお完成堆肥排出時堆肥槽(14)内に次の新たな被処理物の発酵に必要なアースラブ堆肥母材を残す必要があるため排出コンベアに
図9参照の瞬間輸送量を測定するコンベアスケール用ロードセル(28)、コンベアスケールベルトスピードセンサー(29)を設けて規定量を残して排出作業を終了させるなどを特徴とする請求項1記載の縦型回転式収納堆肥化装置。
【請求項5】
前記堆肥槽(14)において
図6参照、好気性発酵を促進するため底板(41)を穴あき板(パンチングメタル)にして内部側面に通気穴を明けたパイプを設け、堆肥発酵時の発酵熱による空気の自然対流効果を利用して堆肥槽の下層より上層への空気対流による空気の取り込み
、請求項2記載
の進捗データに基づく空気不足を検知した場合、堆肥槽(14)を請求項4記載のシーソー方式駆動機構(18)の位置へ移動して、ベンチュリ混合エダクターノズル(26)により加圧空気の強制挿入を行い、撹拌中空シャフト(32)の管体に明けた空気送入穴より強制的に挿入し、同時に撹拌し堆肥槽(14)内に平均して浸透させて好気性発酵を促進させる請求項1記載の縦型回転式収納堆肥化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品製造業、外食産業、食品流通産業
【背景技術】
【0002】
毎年、有機廃棄物や生ゴミおよび食品製造副産物などが食品製造業、外食産業、食品流通産業などより多量に発生する。例えば野菜屑、魚屑、肉屑、食べ残しなどの生ゴミ、おからや酒粕などの副産物が生じる。これらの有機廃棄物は、従来は焼却や埋め立て処理されることが多かった。しかし、焼却設備コストが大きくダイオキシンの問題もある。埋め立ては場所、臭気および汚水等の環境問題が有るのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこのような背景を認識してなされたものであって、有機廃棄物や生ゴミ中の有機成分分解のための条件をプログラム化して進捗データを収集分析管理することにより、高効率で短時間に減容ないしは消滅させることにより、省スペースの領域および省力設備にて、有機廃棄物や生ゴミの処理方法を開発するこ
とを技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
縦型回転式エンドレス循環方式収納型堆肥化装置にすることにより省スペース、投入被処理物を事前に脱水、膨潤する事による減容、及び作業工程を管理し進捗状況、結果をデータ化してこれをコンピュータ処理として省スペース、高効率化を図る手段。
【発明の効果】
【0005】
一般的な野菜生産農家の市場出荷前の残渣、外食産業の食物残渣、家庭食物残渣等の小規模処理施設を簡単に設置可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(発明1)生ゴミ及び有機廃棄物からなる被処理物を堆肥化する堆肥槽(14)を縦型回転式収納装置本体内に複数備え、これらの堆肥槽(14)を上下方向に延在するエンドレスの駆動機構に取り付けて循環昇降させる機構において、前記エンドレス駆動機構の前面中間位置を未処理物及びph値調整用添加物の投入位置とする手段、各堆肥槽(14)の内部に被処理物の撹拌流動用リボンスクリュー羽根(33)を備え、当該リボンスクリュー羽根の駆動用中空シャフト(32)の両端に駆動輪(15)を設け、前記エンドレス駆動機構の最下段位置にてシーソー方式駆動機構(18)による当該リボンスクリューを回転させ同時にベンチュリ混合エダクターノズルによる中空シャフトを空気強制挿入管とし、同時に中空シャフト管体に空気噴出口を明け空気の強制挿入とし、堆肥槽(14)の底板(41)を穴あき板パンチングメタルとして常時自然通風口として吸気し好気性発酵とする手段、前記エンドレス駆動機構の最上段位置を被処理物の進捗データ収集用のセンサー位置として被処理物の温度、水分濃度、ph値、酸素濃度などの進捗データを検出して、記録及びデータを基に自動操作制御する手段、その他の位置を発酵待機位置としたことを特徴とする縦型回転式収納堆肥化装置。
【0008】
(
発明2)堆肥槽(14)にて発酵処理過程中の前記被処物が前記エンドレス駆動機構により順次に図8参照センサーにより温度、水分濃度、ph値及び酸素濃度の進捗データ収集、記録及び内容に応じた処理、たとえば撹拌動作、加水及びph値の調整用添加物投入作業、被処理物が発酵して減容にともない堆肥槽(14)の収納容量に余裕が出来れば未処理物の再投入をプログラムにより累積投入を実行して堆肥化の効率アップ、処理設備の省スペース化を図る制御シーケンス及び数値制御を行うシステムとした請求項1記載の縦型回転式収納堆肥化装置。
【0009】
(発明3)前記被処理物の生ゴミ及び有機廃棄物が投入口より投入され図4参照、被処理物を受け入れホッパー(1)にて受け入れ図5参照、切り出しコンベア(2)により切り出し、先端の定寸切断刃(34,35)にて裁断されスクリューコンベアにて脱水膨潤処理を施し高密度に減容され被処理物の処理量アップ及び被処理物の堆肥槽(14)への過積載を防ぐためにスクリューコンベア排出口に計量槽(4)を設け、バッチ計量収納として被処理物減容化高効率の処理をすることを特徴とする請求項1記載の縦型移動回転式収納堆肥化装置。
【0010】
(発明4)前記エンドレス回転駆動機構の回転部最下段位置に隣接する固定部に図3参照シーソー方式駆動機構(18)を堆肥槽(14)の移動に緩衝しない様に被処理物の処理進捗に応じて撹拌、空気強制挿入及び堆肥排出のいずれかの作業が必要となった時、該当堆肥槽(14)を当位置へ誘導し撹拌駆動回転動力の伝達及び被処理物の排出機構動力の伝達に図7参照の完成堆肥排出時パターン及び堆肥撹拌パターンの要領でシーソー方式駆動機構(18)を請求項2記載の自動制御装置により位置制御及び反転伸縮制御にて行う、なお完成堆肥排出時堆肥槽(14)内に次の新たな被処理物の発酵に必要なアースラブ堆肥母材を残す必要があるため排出コンベアに図9参照の瞬間輸送量を測定するコンベアスケール用ロードセル(28)、コンベアスケールベルトスピードセンサー(29)を設けて規定量を残して排出作業を終了させるなどを特徴とする請求項1記載の縦型回転式収納堆肥化装置。
【0011】
(発明5)前記堆肥槽(14)において図6参照、好気性発酵を促進するため底板(41)を穴あき板(パンチングメタル)にして内部側面に通気穴を明けたパイプを設け、堆肥発酵時の発酵熱による空気の自然対流効果を利用して堆肥槽の下層より上層への空気対流による空気の取り込み、請求項2記載の進捗データに基づく空気不足を検知した場合、堆肥槽(14)を請求項4記載のシーソー方式駆動機構(18)の位置へ移動して、ベンチュリ混合エダクターノズル(26)により加圧空気の強制挿入を行い、撹拌中空シャフト(32)の管体に明けた空気送入穴より強制的に挿入し、同時に撹拌し堆肥槽(14)内に平均して浸透させて好気性発酵を促進させる請求項1記載の縦型回転式収納堆肥化装置。
【符号の説明】
【0012】
1 受け入れホッパー
2 寸切り切断コンベア
3 膨潤スクリューコンベア
4 被処理物及び
ph値調整用添加物計量ホッパー
5 投入ホッパーゲート電動シリンダー
6 ロードセル
7 p
h値調整用添加物投入ホッパー
8 p
h値調整用添加物投入スクリューコンベア
9 脱水溜桝
11 処理槽回転移動駆動用駆動スプロケット
12 駆動チェーン
13 処理槽吊下げアーム
14 処理槽
15 撹拌従動輪
16 撹拌駆動輪
17 排出ゲート開閉用電動シリンダー
18 撹拌及び排出装置シーソー機構
19 撹拌及び排出装置駆動モーター
21 センサー昇降用電動シリンダー
23 加水制御用散水ノズル
24 処理槽回転移動用駆動モーター
25 送風機
26 ベンチュリ混合エダクター送風ノズル
27 排出量制御コンベアスケール
28 コンベアスケール用ロードセル
29 コンベアスケールベルトスピードセンサー
30 処理槽位置検出センサー
31 撹拌羽根駆動モーター
32 撹拌用中空シャフト
33 撹拌用リボンスクリュー刃
34 寸切り切断用固定刃
35 寸切り切断用可動刃
39 寸切り切断コンベア寸動用ラチェット機構
40A 送り用プーリー
40B 切断用プーリー
41 自然通気孔床板
42 自然通気管
44 撹拌リボン刃支持腕