特許第6263694号(P6263694)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6263694
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
   A63F7/02 332B
【請求項の数】1
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2012-165594(P2012-165594)
(22)【出願日】2012年7月26日
(65)【公開番号】特開2013-46754(P2013-46754A)
(43)【公開日】2013年3月7日
【審査請求日】2015年7月24日
【審判番号】不服2017-2393(P2017-2393/J1)
【審判請求日】2017年2月20日
(31)【優先権主張番号】特願2011-163988(P2011-163988)
(32)【優先日】2011年7月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(74)【代理人】
【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
(72)【発明者】
【氏名】有田 武
【合議体】
【審判長】 平城 俊雅
【審判官】 鹿戸 俊介
【審判官】 長井 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−236211(JP,A)
【文献】 特開2001−239030(JP,A)
【文献】 特開2003−260195(JP,A)
【文献】 特開2002−210199(JP,A)
【文献】 特開2002−306690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に設けられた入賞口毎に遊技価値が設定され、前記入賞口への入賞によって前記遊技価値に応じた対価を遊技者に付与する弾球遊技機において、
設定される遊技価値が異なる複数種類の入賞口と、
各入賞口に設けられ、各入賞口への入賞を検出する検出スイッチと、
各検出スイッチからの入力信号の変化に基づいて入賞検出がなされた入賞口に応じて付与される遊技価値を加算する入賞カウンタと、
該入賞カウンタが所定値に達する毎に入賞信号を機外へ出力する入賞信号出力手段と、
遊技状態が遊技者にとって遊技価値の獲得に有利な特別遊技への移行後に、前記入賞検出がなされた入賞口に応じて付与される遊技価値に基づいて、前記移行後から前記特別遊技の終了までに付与された遊技価値及び付与が予定された遊技価値の総数を計数する付与予定カウンタと、が設けられ、
前記付与予定カウンタの値を示唆する付与予定表示をするようになしたことを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾球遊技機、特に遊技に関する情報を遊技機外の装置へ送信が可能な弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の弾球遊技機では、遊技の制御を司る主制御装置又は/および賞球の払出し等を制御する賞球制御装置から遊技に関する情報が出力され、外部接続端子板等を介して遊技店のホールコンピュータへ入力されている。
遊技に関する情報とは、賞球10個を払出す毎に出力される賞球信号、大当りの当否判定に伴う特別図柄が確定表示される毎に出力される図柄確定信号、大当り時に出力される大当たり信号、時短遊技時に出力される時短信号、エラー発生時に出力されるエラー信号などの情報であり、ホールコンピュータではこれらの情報から各遊技機の履歴管理を行っている。(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−23373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図柄を変動して大当りか否かの抽選を行う遊技機(所謂、デジパチ)では、大当り時に賞球が払出される貯留皿が満タンになり、賞球の払出しを行うことができない状態なりやすい。この場合、従来の構成では、未払いの賞球数を記憶しておき、その後に貯留皿の満タンが解消され、賞球の払出しを行うことができる状態になったときに未払いの賞球を払出す構成となっている。このため、大当り中に賞球の払出しを行うことができない状態となると、賞球の払出しを再開するタイミングによっては、大当り中以外の遊技状態で前記賞球信号が出力されることになるため、大当り中の賞球数やベースが異常な値となるなどホールコンピュータによる遊技機の履歴管理に問題が生じる。
そこで、本発明は、賞球が払出せないエラー等の発生時であっても、遅延することなく的確に賞球に関する情報を出力することができ、もってホールコンピュータによる正確な遊技機の遊技履歴を管理させることができる弾球遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、遊技盤に設けられた入賞口毎に遊技価値が設定され、前記入賞口への入賞によって前記遊技価値に応じた対価を遊技者に付与する弾球遊技機において、
設定される遊技価値が異なる複数種類の入賞口と、
各入賞口に設けられ、各入賞口への入賞を検出する検出スイッチと、
各検出スイッチからの入力信号の変化に基づいて入賞検出がなされた入賞口に応じて付与される遊技価値を加算する入賞カウンタと、
該入賞カウンタが所定値に達する毎に入賞信号を機外へ出力する入賞信号出力手段と、
遊技状態が遊技者にとって遊技価値の獲得に有利な特別遊技への移行後に、前記入賞検出がなされた入賞口に応じて付与される遊技価値に基づいて、前記移行後から前記特別遊技の終了までに付与された遊技価値及び付与が予定された遊技価値の総数を計数する付与予定カウンタと、が設けられ、
前記付与予定カウンタの値を示唆する付与予定表示をする。
【0006】
本発明によれば、入賞により付与された遊技価値が所定の値になると入賞信号を機外へ出力する。付与される遊技価値とは実質的に払出し予定の賞球のことであり、払出し予定の賞球が所定の数に達すると入賞信号を出力する。よって、球切れや貯留皿の満タンなどのエラーで賞球の払出しが停止状態であっても、入賞信号を入賞の発生に近い状態で機外へ出力することが可能である。機外へ出力するとは、ホールコンピュータ又は遊技機が設置された設置島を管理する管理装置へ向けて送信することであり、外部接続端子板やその他の基板又は装置を介す構成も含む。また、対価を遊技者に付与するとは、対価として相当数の遊技球を遊技者に払出すこと、対価として獲得球又は持ち玉として計数されているカウンタへの相当数の加算等も含む。
従来のように賞球信号のみをホールコンピュータに出力するだけでは、払出し停止状態によって信号出力と入賞の発生タイミングが大きくずれて遊技機の履歴管理が困難な上、遊技者が故意に貯留皿を満タンにして払出し停止状態を起すことが可能であるため、データ上は不正行為がなされていることを判断することができないこともある。これに対して入賞の発生に近いタイミングで出力される入賞信号をホールコンピュータに送信することで、ホールコンピュータにより賞球の確認や通常遊技の賞球ベース等の遊技機の履歴管理を適切に行うことができ、更に不正行為等を早期に発見することができる。
【0007】
一般に遊技店では、遊技機の上方位置に設置された情報表示部にホールコンピュータにより管理された賞球数が表示される所が多い。この場合、入賞信号に基づいてホールコンピュータが管理する賞球数の表示は、賞球の払出しが停止状態でもカウントアップされるので、貯留皿への払出しが無いにも拘わらず賞球数が増えることに遊技者は違和感を覚え、更には遊技機が故障しているのではないかといった不信感を抱く。特に前記デジパチの大当り遊技中では貯留皿が満タンになりやすく前記賞球数の表示と貯留皿への払出しの差が顕著に現れる。
そこで本発明によれば、大当りとなると、入賞により付与される遊技価値の総数、実質、入賞により実際に払出しが行われた賞球数と払出しが予定された賞球数を合わせた賞球の総数を表示するので、貯留皿への賞球払出しが無くても、遊技機の表示部の前記総数を確認することで、遊技機の故障に関する遊技者の疑念を解消することができる。
尚、前記総数の表示は、大当り遊技中に実施することが望ましく、これによれば遊技者は大当り遊技の総出球数を把握することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を適用した第1の実施形態にかかる弾球遊技機の正面図である。
図2】前記弾球遊技機の背面図である。
図3】前記弾球遊技機の電気ブロック図である。
図4】前記弾球遊技機の入賞および賞球に関係する信号の通信に関する説明の図である。
図5】前記弾球遊技機の主制御装置で実行されるメインルーチンの制御内容を示すフローチャートである。
図6】前記主制御装置で実行される入力処理の制御内容を示すフローチャートである。
図7】前記主制御装置で実行されるコマンド出力処理の制御内容を示すフローチャートである。
図8】前記主制御装置で実行される入賞、賞球信号出力処理の制御内容を示すフローチャートである。
図9】前記サブ制御装置で実行される入力処理の制御内容を示すフローチャートである。
図10】前記サブ制御装置で実行される賞球払出し処理の制御内容を示すフローチャートである。
図11】前記弾球遊技機の入賞に関する入賞信号の出力を示すタイミングチャートである。
図12】前記主制御装置で実行される特別図柄の当否判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
図13】前記主制御装置で実行される特別図柄確定処理の制御内容を示すフローチャートである。
図14】前記主制御装置で実行される当り遊技終了処理の制御内容を示すフローチャートである。
図15図12(a)はモードバッファと遊技状態との関係を示す図、図12(b)はモードバッファに応じた設定項目および設定値を示す図である。
図16】前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行されるコマンド受信処理の制御内容を示すフローチャートである。
図17】本発明の第2の実施形態にかかる弾球遊技機の信号通信に関する説明の図である。
図18】前記弾球遊技機の主制御装置で実行される入賞、賞球信号出力処理の制御内容を示すフローチャートである。
図19】本発明の第3の実施形態にかかる弾球遊技機の信号通信に関する説明の図である。
図20】前記弾球遊技機の主制御装置で実行される入賞、賞球信号出力処理の制御内容を示すフローチャートである。
図21】本発明の第4の実施形態にかかる弾球遊技機の信号通信に関する説明の図である。
図22】前記弾球遊技機の主制御装置で実行される入賞、賞球信号出力処理の制御内容を示すフローチャートである。
図23】本発明の第5の実施形態にかかる弾球遊技機の信号通信に関する説明の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を適用した弾球遊技機たるパチンコ機を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ12を介して、前枠(ガラス枠)11および後述の内枠が開閉可能に設けてある。
前枠11は中央部が大きく円形に開口し、開口部が、透明板であるガラス板により閉鎖されて窓部110となっている。窓部110は、遊技者がパチンコ機1と向き合ったときに遊技者の視界の正面に位置し、窓部110を通して、遊技者と前枠11後方に設置された遊技盤20とが対面する構成である。
【0017】
遊技盤20にはレール部材21によって囲まれた略円形の遊技領域が形成されている。遊技領域には、その中央部に大型のセンターケース22が装着されている。センターケース22は中央に演出表示装置23(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース22には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
センターケース22の左右両側には普通図柄始動口(作動ゲート(通過口))24等が、設置されている。
【0018】
センターケース22の直下には、チューリップ式普通電動役物からなる特別図柄始動口25が設置されている。特別図柄始動口25は特別図柄(以下、単に特図という)の抽選を実行する始動口である。特図始動口25の普通電動役物(以下、単に普電役物という)は、羽根部材の開閉により特図始動口25への入球を困難な状態と容易な状態とに切換可能な構成である。普電役物は、遊技球が作動ゲート23を通過したことに起因して実行される普通図柄(以下、単に普図という)の抽選で当りとなると所定の時間開放する。そして、特図始動口25に遊技球が入球すると大当りの当否判定用として複数種類の乱数が抽出され、特図の保留記憶として記憶される。
【0019】
特図始動口25の左右両側位置には複数の普通入賞口26が設置されている。また、特図始動口25の下方には、開閉板にて開閉される大入賞口27が設置され、盤面最下部にはアウト口28が設けられている。
尚、普通図柄始動口24、特別図柄始動口25、普通入賞口26、および大入賞口27は特許請求の範囲に記載の「入賞口」に相当する。
遊技盤20には、図略ではあるが特図表示装置、特図保留数表示装置、普通図柄表示装置、普図保留数表示装置が設けてある。更に遊技領域には、多数の遊技釘や風車等が植設されている。
【0020】
前枠11には窓部110の外周に、遊技者の趣向性を向上させる目的で、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプや、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
前枠11の下半部には遊技球を貯留する貯留皿たる上皿13と下皿14とが形成してある。下皿14は上皿13から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿14に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0021】
下皿14の右側には発射ハンドル15が設けてあり、該発射ハンドル15を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿13から供給された遊技球が遊技盤20の遊技領域に向けて発射される。
【0022】
本パチンコ機1はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット、台間サンド)16が付属しており、パチンコ機1には上皿13に貸出ボタン、精算ボタンおよび残高表示器からなる精算表示装置17が設けてある。
また前枠11の下端左コーナー部には遊技者により操作可能な遊技ボタン18が設けてある。
尚、図1の19は、前枠11および前記内枠を外枠10にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠19に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
【0023】
図2に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤20を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図2の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、主制御装置31、サブ制御装置32、賞球・発射制御装置33、電源基板34、外部接続端子装置35などが設けられている。
主制御装置31、サブ制御装置32は遊技盤20に設けられ、賞球・発射制御装置33、電源基板34は内枠30に設けられている。更に内枠30には図略の遊技球流下通路等が設けられている。
【0024】
また、球タンク71の右側には、外部接続端子装置35が設けてあり、外部接続端子装置35により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、ひとつの外部接続端子装置35を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信しているが、従来のようにホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子装置には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠11、内枠30、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いてもよい。
【0025】
図3は本パチンコ機1の電気的構成を示すもので、主制御装置31、サブ制御装置32、賞球・発射制御装置33、演出図柄制御装置32においては、詳細の図示は省略するが、これらの制御装置は何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、主制御装置31には各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。
【0026】
主制御装置31は、外部接続端子装置35を介して機外の遊技店に設置されたホールコンピュータと電気的に接続される。主制御装置31には、前枠11および内枠30が閉鎖しているか検出する扉・枠閉鎖SW(スイッチ)410、不正を検出する不正検知SW411、普図作動ゲート23への入球を検出する普通図柄始動SW412、特図始動口25への入球を検出する特別図柄始動SW413、大入賞口27への入球を検出するカウントSW414、普通入賞口26への入賞球を検出する一般入賞口SW415等の検出信号が入力される。尚、普通図柄始動SW412、特別図柄始動SW413、カウントSW414、および一般入賞口SW415は特許請求の範囲に記載の「検出スイッチ」に相当する。
【0027】
主制御装置31は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種の信号やコマンドを生成する。特に主制御装置31は、普通図柄始動SW412、特別図柄始動SW413、カウントSW414、および一般入賞口SW415等の検出信号に基づいて入賞を確認すると、入賞に対応する遊技価値を付与し、遊技価値に対する対価の払出し制御を行う。即ち遊技価値に基づいて払出すべき賞球数を決定し、賞球の払出しを制御する。尚、入賞口ごとに予め異なる遊技価値が割当てられており、入賞口ごとに賞球数が異なる。例えば本パチンコ機では、特図始動口25の入賞に対して3個の賞球が、大入賞口27に対して13個の賞球、普通入賞口26の入賞に対して10個の賞球が払出しされる。尚、普通図柄始動口24の賞球は無い。
【0028】
そして主制御装置31は、入賞時の遊技価値に基づく賞球の払出しに関係する信号やコマンドを賞球・発射制御装置33や、サブ制御装置32および演出図柄制御装置36に出力する。
更に主制御装置31は、特別図柄表示装置420、普通図柄表示装置421、特図保留数表示装置422および普図保留数表示装置423の表示制御や、特図始動口25を開閉する普電役物ソレノイド424の作動制御、および大入賞口27を開閉駆動する大入賞口ソレノイド425の作動制御等を行う。
【0029】
サブ制御装置32は、遊技ボタン18の操作を検出する遊技ボタンSW426などの検出信号が入力される。また主制御装置31から送られてくるコマンドに応じて、各種ランプ450や各種LED451の点灯、消灯等を制御することや、スピーカ452を駆動して音声を出力する。更に演出図柄制御装置36へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0030】
賞球・発射制御装置33は、球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW433、遊技球が払い出されたことを検出する賞球払出しSW431、遊技球貯留皿が満タン状態になったことを検出する皿満タンSW432等の検出信号が入力される。
また、主制御装置31から送られてくる賞球のコマンドに応じて賞球モータ430を稼働させて遊技球を払出す。更に台間サンド16と電気的に接続され、精算表示装置17を介して貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、台間サンド16とデータを送受信し、貸出要求信号に応じて賞球モータ430を稼働させて貸球を払い出させ、台間サンド16に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。尚、賞球・発射制御装置33は特許請求の範囲に記載の「払出し制御装置」に相当する。
【0031】
一方では、賞球・発射制御装置33は、発射停止SW442、発射ハンドルに遊技者が接触していることを検出するタッチセンサ444、発射ハンドルを操作していることを検出する操作検出機443等の検出信号が入力される。そして、主制御装置31から送られてくるコマンド(タッチSWの信号や遊技状況を反映している)、操作検出機443の信号および発射停止SW442の信号に基づいて発射モータ440、ハンドルモータ441を制御して遊技球を発射および停止させ、タッチランプ445の点灯を制御する。
尚、扉・枠閉鎖SW、不正検知SWを主制御装置31に入力する構成としているが、賞球・発射制御装置33に入力されるようにしても良い。その際には、主制御装置31に向け、扉・枠閉鎖SW、不正検知SWの入力状況を示すコマンドを送信するようにしたり、外部接続端子装置35を介して機外の遊技店に設置されたホールコンピュータに信号を出力するようにすることが望ましい。
【0032】
演出図柄制御装置36は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置23を構成している。演出図柄制御装置36は、サブ制御装置32から送られてくるコマンドに応じてLCDパネルの表示を制御する。
【0033】
図4は、主制御装置31とサブ制御装置32との間、主制御装置31と賞球・発射制御装置33との間、および主制御装置31と遊技店のホールコンピュータHCとの間で、入賞および賞球に関連する信号の通信経路を示す。
主制御装置31内には、入賞カウンタ、未払い賞球カウンタ、および払出しカウンタを有する。
前記入賞カウンタは、普通図柄始動SW412、特別図柄始動SW413、カウントSW414、および一般入賞口SW415等の検出信号に応じて遊技価値をカウントするカウンタである。
前記未払い賞球カウンタは、前記検出信号に基づく遊技価値を未払いの賞球としてカウントするカウンタである。
前記払出しカウンタは、未払い賞球カウンタの値に基づいて賞球・発射制御装置33へ向けて払出すように指示(賞球コマンド)した後に、該賞球コマンドの示した賞球数を払出しが済んだものとして認識してカウントするカウンタである。
尚、前記未払い賞球は特許請求の範囲に記載の「払出し対価」に相当し、かつ未払い賞球カウンタは「払出し対価カウンタ」に相当する。
そしてサブ制御装置32へ、入賞カウンタに基づく入賞コマンド(11)、前記払出しカウンタに基づいて賞球を示す払出しコマンド(12)および賞球の払出しの完了を示す完了コマンド(13)を送信する。
【0034】
サブ制御装置32は、前記入賞コマンドに基づいて払出す予定の賞球をカウントする払出し予定カウンタと、入賞コマンドの値を加算するとともに払出しコマンドに基づいて主制御装置31が払出しを指示した賞球数を減算する未払出しカウンタとを備えている。
【0035】
賞球・発射制御装置33には主制御装置31から前記賞球コマンド(8)が送信される。これに基づいて賞球・発射制御装置33は自ら払出した払出し済みの賞球をカウントする払出し中カウンタを備える。また賞球・発射制御装置33は主制御装置31へ向けて払出し中信号(9)や、貯留皿の満タンおよび球切れなどのエラー発生を示すエラーコマンド(10)を送信する。
【0036】
主制御装置31は、外部接続端子装置35を介してホールコンピュータHCへ向け、セキュリティ信号(1)、扉・枠閉鎖信号(2)、始動口信号(3)、図柄確定信号(4)、大当り信号(5)、入賞信号(6)および賞球信号(7)を個別の信号線により送信する構成である。
【0037】
パチンコ機1では、普図の抽選に応じて特図始動口25の普電役物が開放し、特図始動口25への入球があると、特図の当否判定を行い、特図表示装置420および演出図柄表示装置23の図柄変動を開始する。判定結果が大当りであれば、各表示装置420,23に大当りを示す図柄を確定表示して大入賞口27の開放する大当り遊技(特別遊技)を実行する構成である。
演出図柄表示装置15には特図に対応する擬似図柄や演出を表示する。
【0038】
大当り遊技は、大入賞口27の開放回数、開放時間、開放態様が異なる複数種類の遊技がある。また大当り遊技終了後に複数種類の遊技状態に変更可能である。大当り遊技終了後の遊技状態として、通常の遊技状態、特図の当選確率が高確率となる確変遊技状態、特図の変動時間を短縮して当否抽選の生起を多くする時短遊技状態、および確変と時短とが共に作動する確変時短遊技状態がある。
【0039】
図5は主制御装置80で実行されるプログラム処理の「メインルーチン」の概要を示す。「メインルーチン」は本処理(S100〜S111,S115)と残余処理(S112)とで構成され、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0040】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期乱数更新処理(S101)、大当り判定用乱数の更新処理(S102)、大当り図柄決定用乱数の更新処理(S103)、普図の当り判定用乱数の更新処理(S104)、普図の当り図柄決定用乱数の更新処理(S105)、特図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S106)、特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S107)、入賞確認処理(S108)、当否判定処理(S109)、各出力処理(S110)、不正監視処理(S111)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S112)をループ処理する。
【0041】
図6は前記入賞確認処理(S108)のサブルーチンたる主制御装置31の「入力処理」を示す。尚、特図始動SW、普図始動SW、カウントSWの検出に応じて付与される遊技価値を主とし、その他の部分は割愛している。この処理では先ず、普図始動SWにより通過ゲート23への入球があるか否か確認する(S200)。通過ゲート23は付与される遊技価値がないためいずれのときも(S200:yes,no)、続くS201の処理で特図始動SWにより特図始動口25への入賞があるか否か確認する(S201)。
【0042】
特図始動口25への入賞を確認すると(S201:yes)、前記入賞カウンタに遊技価値として「3」を加算する(S202)。続いて入賞の遊技価値に対して払出すべき賞球を示す前記未払い賞球カウンタに「3」を加算し(S203)、S204の処理ではサブ制御装置32へ送る「入賞コマンド3」を設定する。
【0043】
S201が否定判定(S201:no)又はS204の処理の後、カウントSWにより普通入賞口26への入球があるか否か確認する(S205)。普通入賞口26への入賞を確認すると(S205:yes)、入賞カウンタに「10」を加算し(S206)、未払い賞球カウンタに「10」を加算(S207)するとともに、サブ制御装置32へ送る「入賞コマンド10」を設定する(S208)。
【0044】
S205が否定判定(S205:no)又はS208の処理の後、カウントSWにより大入賞口27への入賞があるか否か確認する(S209)。大入賞口27への入賞を確認すると(S209:yes)、入賞カウンタに「13」を加算し(S210)、前記未払い賞球カウンタに「13」を加算し(S211)、サブ制御装置32へ送る「入賞コマンド13」を設定する(S212)。
【0045】
S209が否定判定(S209:no)又はS212の処理の後、前記入賞カウンタのカウント値が「10以上」であるか確認し、入賞カウンタのカウント値が「10以上」であれば(S213:yes)、入賞信号出力回数に「1」を加算し(S214)、その後、入賞カウンタのカウント値から「10」を減算する(S215)。このS215の処理の後は、S213の処理に戻る。入賞カウンタのカウント値が「10未満」であれば(S213:no)リターンし、そうでなければS214およびS215の処理は、入賞カウンタのカウント値が「10未満」になるまで繰り返し行われる。
【0046】
図7は前記各出力処理(S110)のサブルーチンたる主制御装置31の「コマンド出力処理」を示す。尚、遊技価値の付与を主とし、その他の部分は割愛している。先ず、後述する賞球・発射制御装置33からの特定のエラーコマンドがあるか確認して、貯留皿の満タンや球切れなどの特定のエラーが発生していないか確認する(S300)。エラーが無ければ(S300:no)、賞球・発射制御装置33からの払出し中信号の入力を確信する(S301)。何れの処理も肯定判定(S300,301:yes)であればリターンする。
【0047】
前記払出し中信号の入力が無ければ(S301:no)、前記未払い賞球カウンタのカウント値が「15以上」であるか否かを確認する(S302)。
前記カウント値が「15以上」であれば(S302:yes)、未払い賞球カウンタのカウント値から「15」を減算し(S303)、前記払出しカウンタのカウント値に「15」を加算し(S304)、前記賞球コマンドおよび前記払出しコマンドにそれぞれ「15」を設定する(S305,S306)。
【0048】
前記未払い賞球カウンタのカウント値が「15以上」でなければ(S302:no)、前記カウント値が「14」であるか確認する(S307)。カウント値が「14」であれば(S307:yes)、未払い賞球カウンタのカウント値から「14」を減算し(S308)、前記払出しカウンタのカウント値に「14」を加算し(S309)、前記賞球コマンドおよび前記払出しコマンドにそれぞれ「14」を設定する(S310,S311)。
【0049】
前記未払い賞球カウンタのカウント値が「14」でなければ(S307:no)、この処理と同様にしてカウント値が漸次「13」〜「1」の何れであるかを確認し、確認したカウント値に応じて未払い賞球カウンタを減算し(S308,S313参照)、払出しカウンタを加算し(S309,S314参照)、前記賞球コマンドおよび前記払出しコマンドを設定する(S310,S315,S311,S316)。
【0050】
続いて払出しコマンドの設定処理(S306,S311,S316参照)の後、又は前記未払い賞球カウンタのカウント値が「1」でなく「0」のとき(S312:no)、S317の処理で前記払出しカウンタのカウント値が「10以上」であるか確認する。
払出しカウンタのカウント値が「10以上」であれば(S317:yes)、賞球信号出力回数に「1」を加算し(S318)、その後、払出しカウンタのカウント値から「10」を減算する(S319)。このS319の処理の後は、S317の処理に戻る。払出しカウンタのカウント値が「10未満」になるまでS318およびS319の処理が繰り返し行われる。
【0051】
払出しカウンタのカウント値が「10未満」になると(S317:no)未払い賞球カウンタのカウント値が「0」であるか確認し(S320)、「0」であれば前記完了コマンドの設定を行う(S321)。
該完了コマンドの設定処理の後、又は前記未払い賞球カウンタのカウント値が「0」でないとき(S320:no)、S322の処理において、サブ制御装置32および賞球・発射制御装置33へ向けて入賞コマンド、払出しコマンド、賞球コマンド、完了コマンドの送信処理を行う(S322)。尚、S322の処理は、特許請求の範囲に記載の「払出し指示手段」、「払出しコマンド制御手段」、「入賞コマンド制御手段」、「完了コマンド送信手段」に相当する。
【0052】
図8は前記各出力処理(S110)のサブルーチンたる主制御装置31の「信号出力処理」を示す。尚、入賞信号および賞球信号の送信を主とし、その他の部分は割愛している。「信号出力処理」では、主制御装置31は外部接続端子装置35を介して機外のホールコンピュータへ向けて入賞信号および賞球信号の送信処理を行う。この処理では先ず、入賞信号を出力中であるか確認し(S400)、出力中でなければ(S400:no)、入賞信号の出力インターバル中であるか確認する(S411)。尚、入賞信号は、ホールコンピュータにおいて信号の入力回数をカウントする必要があるため、複数の信号が繋がらないように信号間に所定時間のインターバルを設ける必要がある。
【0053】
インターバル中でなければ(S401:no)、入賞信号出力回数(図6のS214参照)が「0」でないか確認し(S402)、「0」でなければ(S402:yes)、入賞信号を出力設定し、実質的に信号出力を行う(S403)。そして入賞信号出力回数を減算する(S404)。
【0054】
一方、S400の処理で信号出力中であれば(S400:yes)、出力時間が経過したか確認し(S405)、そうであれば(S405:yes)、入賞信号の出力を解除して(S406)、インターバルの設定を行う(S407)。この処理の後、又はS401の処理でインターバル中であれば(S401:yes)、続くS408の処理でインターバル時間が経過したか確認し、時間が経過していれば(S408:yes)インターバルを解除する(S409)。
【0055】
S404又はS409に続くS410の処理では、賞球信号を出力中であるか確認し(S410)、出力中でなければ(S410:no)、賞球信号の出力インターバル中であるか確認する(S411)。尚、賞球信号は、入賞信号と同様に信号間に所定時間のインターバルを設ける必要がある。
【0056】
インターバル中でなければ(S411:no)、賞球信号出力回数(図7のS318参照)が「0」でないか確認し(S412)、「0」でなければ(S412:yes)、賞球信号を出力設定し、実質的に信号出力を行う(S413)。そして賞球信号出力回数を減算する(S414)。
【0057】
一方、S410の処理で信号出力中であれば(S410:yes)、出力時間が経過した確認し(S415)、賞球信号の出力を解除して(S416)、インターバルの設定を行う(S417)。この処理の後、又はS411の処理でインターバル中であれば(S411:yes)、続くS418の処理でインターバル時間が経過したか確認し、時間が経過していれば(S418:yes)インターバルを解除する(S419)。
【0058】
このように主制御装置31は、前記「入力処理」、「コマンド出力処理」および「信号出力処理」の処理により、入賞があり、これに対応して付与される遊技価値(賞球)が所定の数(本実施例では「10」)に達すると入賞信号を出力する。特許請求の範囲に記載の「入賞信号出力手段」、「賞球信号出力手段」に相当する。
【0059】
説明は前後するが、図9図10に基づいて、主制御装置31への特定のエラーおよび払出し中信号の入力に関係するとともに、主制御装置31からの賞球コマンドを受けて賞球の払出しを行う賞球・発射制御装置33の「入力処理」と「賞球払出し処理」について説明する。
「入力処理」では先ず、玉切れSW433により玉切れ状態であるか確認し(S500)、そうであれば(S500:yes)、玉切れを示す「エラー信号1」を設定する(S501)。玉切れ状態でなければ(S500:no)、エラー信号1を解除する(S502)。
【0060】
次に、皿満タンSW432により貯留皿が満タン状態であるか確認し(S503)、そうであれば(S503:yes)、満タンを示す「エラー信号2」を設定する(S504)。満タン状態でなければ(S503:no)、エラー信号2を解除する(S505)。
これら「エラー信号1」、「エラー信号2」は主制御装置31へ送信され、前記「コマンド出力処理」(図7)において特定のエラー入力として認識される。
続いて払出しされた賞球を検出する賞球払出しSWにより賞球の払出しがあるか確認し(S506)、賞球の払出しがあれば(S506:yes)、前記払出し中カウンタを減算する(S507)。
【0061】
次に、主制御装置31から賞球コマンドの受信があるか確認し(S508)、受信があれば(S508:yes)、その賞球コマンドが15個の賞球の払出しを支持するものか確認して(S509)、そうであれば(S509:yes)、前記払出し中カウンタに「15」を加算する(S510)。
前記「15」を示す賞球コマンドの受信がなければ(S509:no)、前記S509,S510の処理と同様にして、賞球コマンドが指示する賞球数が漸次「14」〜「2」の何れを示す賞球コマンドであるかを確認し(S511参照)、確認した賞球数に応じて払出し中カウンタを加算する(S512参照)。またS511が否定(S511:no)であれば、賞球コマンドの値は「1」であり、払出し中カウンタに1を加算する(S513)。
前記払出し中カウンタを加算処理(S510,S512,S513)した後、賞球を払出し中であることを示す払出し中信号の設定を行う(S514)。
【0062】
続いて、賞球・発射制御装置33は図10に示す「賞球払出し処理」を実行して前記払出し中カウンタが「0」でないか確認する(S530)。「0」でなければ(S530:yes)、払出し中カウンタのカウント値が「15」であるか確認し(S531)、そうであれば(S531:yes)、賞球モータ430の駆動時間を15個の賞球が払出しされる時間に設定する(S532)。
前記カウント値が「15」で(S531:no)なければ、前記カウント値が漸次「14」〜「2」の何れを示すか確認し(S533参照)、確認したカウント値に応じて賞球モータ430の駆動時間を設定する(S534参照)。またS533が否定(S533:no)であれば、カウント値は「1」であり、賞球モータの駆動時間を1個の賞球が払出しされる時間に設定する(S535)。
【0063】
続いて貯留皿が満タンであるか確認し(S536)、そうであれば(S536:yes)、賞球モータ430を停止させ(S537)、モータの駆動時間の計測を中断する(S538)。
貯留皿が満タンでなければ(S536:no)、賞球モータ430を駆動させ、駆動時間を計測する(S539)。
【0064】
続いて賞球モータ430の駆動時間が経過したか確認し(S540)、時間経過であれば(S540:yes)、払出し中カウンタのカウント値が「0」であるか確認する(S541)。「0」であれば、(S541:yes)、賞球モータ430を停止させ(S542)、払出し中信号を解除する(S543)。
前記カウント値が「0」でなければ(S541:no)、賞球モータ430の駆動時間を1個の賞球を払出す駆動時間に設定する(S544)。
【0065】
図11に示すタイムチャートにより入賞とこれに対応する入賞信号および賞球信号の出力について説明する。
カウントSWの入賞検出(ア)により入賞カウンタの値が「13」となって、入賞信号出力回数に「1」を加算(イ)すると共に入賞カウンタの値から10を減算し、前記入賞信号出力回数に基づいて入賞信号を機外(ホールコンピュータ)へ出力(ウ)する。入賞信号を出力することで入賞信号出力回数が減算される。
続いて特別図柄始動口SWの入賞検出(エ)があるが、この時点では入賞カウンタの値が「6」であり、入賞信号は入賞カウンタの値が10個単位で出力されるのでこの場合は出力されない。
次の一般入賞口SWの入賞検出(オ)により入賞カウンタの値が「16」となって入賞信号出力回数が加算(カ)されると共に入賞カウンタの値から10が減算され、入賞信号が出力(キ)される。入賞信号出力(ウ)と(キ)の間は一定のインターバルをおく。
入賞信号の出力(キ)中に特別図柄始動口SWの入賞検出(ク)があり更にカウントSWの入賞検出(ケ)によって入賞カウンタの値が「22」となって入賞信号出力回数が2カウント(コ)されると共に入賞カウンタの値から20が減算される。入賞信号出力(サ)により入賞信号出力回数が1回減算される。
続く特別図柄始動口SWの入賞検出(シ),(ス)更にカウントSWの入賞検出(セ)により入賞カウンタの値が「21」となって、入賞信号出力回数に2カウント関されて出力回数が「3」となると共に入賞カウンタの値から20が減算され、これらに応じて順次に入賞信号は出力される(タ),(チ)。尚、特別図柄始動口SWの入賞検出(ツ)時点では入賞信号出力回数は加算されない。
【0066】
皿満タンSWにより満タン状態が検出されている間(テ)は、賞球コマンドおよび払出し中信号が出力されず、よって賞球信号出力回数が「0」であり、賞球信号は出力されない。尚、ここでは皿満タンSWにより満タン状態が検出されたときに、払出中でなかったために(テ)期間中に払出中信号が出力されていないが、皿満タンSWにより満タン状態が検出されたときに、払出中であれば、払出中信号は(テ)期間中に出力された状態となる。この場合、満タン状態が解除(ト)されても払出が終了するまでは賞球コマンド(ナ)は送信されない。
満タン状態が解除されると(ト)、賞球コマンド(ナ)に応じて払出し中信号(ニ)が出力され、賞球信号出力回数が加算される(ヌ)。そしてこれに応じて賞球信号が出力される(ネ)。
この時点で、未払い賞球が溜まっているので、賞球コマンドおよび払出し中信号が順次出力され(ノ)・・・(フ)、賞球信号出力回数が増減しながら賞球信号出力される(ヘ)(ホ)。
【0067】
前記タイミングチャートに示すように、貯留皿が満タン状態で賞球が停止状態であっても、入賞信号は、実際の入賞と近いタイミングで出力させることができる。よって、入賞信号を受信したホールコンピュータは、賞球の確認や通常遊技の賞球ベース等の遊技機の履歴管理を適切に行うことができる。
また遊技者が故意に貯留皿を満タンにして行う不正行為を容易に発見することができるともに、不正行為を防ぐ効果を発揮する。
【0068】
ところで、ホールコンピュータにより管理される数値は、遊技機から入力される信号によって表示できる数値の意味合いが変わる。
入賞信号に基づいてホールコンピュータが管理する数値は総払出予定賞球数であり、賞球信号に基づいてホールコンピュータが管理する数値は総払出済賞球数であり、入賞信号及び賞球信号に基づいてホールコンピュータが管理する数値は総払出予定賞球数及び総払出済賞球数に加えて総未払い賞球数(総払出予定賞球数−総払出済賞球数)である。
ホールコンピュータにより管理された総払出予定賞球数のみを遊技機の上方位置に設置された情報表示部などに表示した場合、賞球の払出しが停止状態でもカウントアップされるので、貯留皿への払出しが無いにも拘わらず賞球数が増えることに遊技者は違和感を覚え、更には遊技機が故障しているのではないかといった不信感を抱く。特に前記デジパチの大当り遊技中では前記賞球数の表示と貯留皿への払出しの差が顕著に現れる。
また、そのような状況下で遊技機にトラブルが生じた場合、ホールコンピュータに入賞信号のみが入力されていると、ホールコンピュータでは総払出済賞球数、総未払い賞球数を把握することが困難であるため、遊技店と遊技者とのトラブルに発展することも想定される。
そこで、本パチンコ機1では遊技者の違和感や不信感を解消するべく、大当り遊技中や大当り遊技後の遊技者にとって有利な特典遊技状態の期間に、払出し賞球の総数と未払い賞球の数をカウントし、演出表示装置23にカウントした払出し賞球の総数と未払い賞球の数を示唆する表示を行う構成とし、遊技機にトラブルが生じても遊技店と遊技者とのトラブルに発展しないように構成しており、この構成について説明する。
【0069】
大当り遊技や大当り遊技後の特典遊技状態は、図12ないし図14に示すように、主制御装置31で実行される「当否判定処理」、「特別図柄確定処理」、「当り遊技終了処理」等により制御される。
図12の「当否判定処理」では、先ずS600の処理で特図の始動条件が成立しているか確認する。この処理では、大当り遊技中でないこと、特図変動中でないこと、および特図の保留記憶があることを確認すると(S600:yes)、保留記憶のシフト処理を行い(S601)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を減算する。
【0070】
S602の処理では、確変フラグを確認して現在の遊技状態が特図の当選確率が確変中(高確率)であるか確認する(確変フラグが1であれば確変中)。確変中であれば(S602:yes)、特図の当否判定を高確率で判定するように大当り判定用乱数と対比するテーブルとして高確率当否判定用テーブルを設定する(S603)。
一方、確変中でなければ(S602:no)、特図の当否判定を通常確率で判定するように大当り判定用乱数と対比するテーブルとして通常確率当否判定用テーブルを設定する(S604)。
【0071】
続くS605の大当り判定用乱数比較処理では、前記大当り判定用乱数と、S603又はS604の処理で設定された当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか確認する。
S606の処理では、大当り判定用乱数比較処理(S605)の結果が大当りであるか否か確認する。
【0072】
S606の処理で大当りであれば(S606:yes)、保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて図柄モードの設定(S311)、特図表示装置420に表示する大当り図柄の選択(S608)、大当り図柄に対応して演出図柄表示装置23に表示される擬似図柄の選択(S609)、および保留記憶の変動パターン決定用乱数に基いて変動パターンの選択(S610)を行う。
【0073】
続くS611の処理でモードバッファを設定する。
図15(a)に示すように、モードバッファは前記図柄モードに基づいて設定され、大当り遊技終了後の遊技状態において確変機能および時短機能の作動の有無を決定するもので、「特図の低確率(通常)時短無し」の「0(000)」と、「特図の低確率(通常)時短有り」の「1(010)」と、「特図の高確率(確変)時短無し」の「2(000)」と、「特図の高確率(確変)時短有り」の「3(011)」の何れかが設定される。
【0074】
また図15(b)に示すように、モードバッファに応じて、時短フラグ、時短回数を制限する時短カウンタ、確変フラグ、確変カウンタおよび状態フラグが決定される。
モードバッファ「0」では、時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ、確変カウンタおよび状態フラグが全て「00H」となる。
モードバッファ「1」では、時短フラグが「01H」、時短カウンタが「0064H」、確変フラグが「00H」、確変カウンタが「0000H」、状態フラグが「01H」となる。
モードバッファ「2」では、時短フラグが「00H」、時短カウンタが「0000H」、確変フラグが「02H」、確変カウンタが「2710H」、状態フラグが「02H」となる。
モードバッファ「3」では、時短フラグが「01H」、時短カウンタが「0064H」、確変フラグが「02H」、確変カウンタが「2710H」、状態フラグが「03H」となる。
【0075】
図12に示すS612の各種送信処理では、前記選択された擬似図柄、変動パターン等の情報を、サブ制御装置32へ送信する。この情報を受信することにより、サブ制御装置32からの指示に基づいて演出制御装置36は演出表示装置23を制御し、前記擬似図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。
サブ制御装置32への送信とほぼ同時に主制御装置31は、特図表示装置420を直接制御して特図の変動を開始する。
【0076】
前記S606の処理で大当りでなければ(S606:no)、特図のハズレ図柄を選択(S613)し、続いて前記大当りの時と同様、ハズレ図柄に対応する擬似図柄の選択(S609)、変動パターンの選択(S610)を実行し、S612に移行して、ハズレに関する擬似図柄および変動パターンの情報をサブ制御装置32へ送信する。その後、サブ制御装置32からの指示に基づき演出制御装置36は演出表示装置23を制御し、前記擬似図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。
サブ制御装置32への送信とほぼ同時に主制御装置31は、特図表示装置420を直接制御して図柄変動を開始する。
【0077】
図13に示す「特別図柄確定処理」では、図柄の変動時間の経過を確認すると(S630:yes)、S631の処理において、確定コマンドをサブ制御装置32へ送信するとともに選択された特図を特図表示装置420に確定表示し、サブ制御装置32からの指示に基づいて演出制御装置36は演出表示装置23の図柄を確定表示せしめる。
その後、特図表示装置420の確定図柄が大当り図柄であれば(S632:yes)、大当りフラグに「1」をセットする(S633)。このように大当りフラグを「1」にセットすることで、別のサブルーチンにおいて大当り遊技が実行される。
また大当りフラグをセットするとともに、大当りを生起する変動の確定コマンドを、サブ制御装置32へ送信する。サブ制御装置32において前記変動の確定コマンドを受信することにより、前記払出し賞球の総数と未払い賞球の数のカウントの開始と、前記演出表示装置23に払出し賞球の総数と未払い賞球の数の表示を行う期間を示す「計数フラグ」に「1」がセットされる。尚、この処理は、前記確定コマンドを特許請求の範囲に記載の「特別コマンド」としてこれ発信する「特別コマンド制御手段」に相当する。
また「特別コマンド」は前記確定コマンドに限らず、「特別コマンド」として、大当りの開始インターバルコマンド、大当り遊技の最初(1R)のランドコマンド、大当り遊技における最初の大入賞口への入賞コマンドとしてもよい。
【0078】
S632の処理で確定図柄が大当り図柄でなければ(S632:no)、状態フラグを確認し(S634)、「00」でなければ(S634:yes)、確変フラグにより遊技状態が確変中であるか確認し(S635)、確変中であれば(S635:yes)、前記確変カウンタを減算する(S636)。
次に前記減算した確変カウンタが「0」であれば(S637:yes)、確変となってから特図の変動回数(特図の当否判定回数)が所定の回数に達したので、確変フラグを「0」にセットする(S638)。
【0079】
続くS639の処理で時短フラグが「1」であれば(S639:yes)、前記時短カウンタを減算する(S640)。
次に前記減算した時短カウンタが「0」であれば(S641:yes)、時短フラグが「1」となってから特図の変動回数(特図の当否抽選回数)が所定の回数に達したので、時短フラグを「0」にセットする(S642)。
続くS648の状態フラグ設定処理では、S634〜S642の処理で確変フラグ、時短フラグの設定が変更された時に、該変更に応じて状態フラグを変更する。そして、変更したフラグに応じて遊技状態を変更する。例えばS638で確変フラグが「0」となると確変遊技状態から通常確率に戻し、またS412で時短フラグが「0」となると時短遊技状態であれば通常に戻す。
また該状態フラグ設定処理では、状態フラグが「01H」、「02H」、「03H」に設定されたときにサブ制御装置32へ向けて前記特別コマンドを送信して前記計数フラグに「1」をセットさせる。一方、状態フラグが「00H」に設定されたときは計数フラグを「0」にリセットさせる。
【0080】
図14に示す「当り遊技終了処理」は前記大当りフラグが立った大当り遊技中に実行され、先ず、大当り遊技の終了インターバルの時間が経過していれば(S660:yes)、役物連続作動装置および条件装置の作動停止処理を行う(S661,S662)。
そして、前記「当否判定処理」(図12)で設定されたモードバッファを参照し(S663)、モードバッファに基づき、状態フラグの設定処理(S664)を行う。この処理では、前記S648の処理と同様に、状態フラグが「01H」、「02H」、「03H」に設定されたときにサブ制御装置32へ向けて前記特別コマンドを送信して前記計数フラグに「1」をセットさせる。
時短フラグの設定処理(S665)、時短カウンタの設定処理(S666)、確変フラグの設定処理(S667)、および確変カウンタの設定処理(S668)を行い、モードバッファをクリアする(S669)。
そしてサブ制御装置32および演出制御装置36へ大当り遊技終了のコマンドを送信し(S670)、大当りフラグをクリアする(S671)。
【0081】
図16にはサブ制御装置32で実行される「コマンド受信処理」を示し、この処理によりサブ制御装置32が演出表示装置23へ払出し賞球および未払い賞球に関する表示を行う。
この処理では先ず、前記計数フラグにより、現在の遊技状態が大当り遊技中、又は確変や時短が付与された特典遊技状態であるか確認する(S700)。この処理が肯定であれば(S700:yes)、主制御装置31から遊技価値が「13」であることを示す入賞コマンドの受信があるか確認し(S701)、そうであれば(S701:yes)、賞球の払出し予定数を示す払出し予定カウンタに「13」を加算(S702)するとともに、未払出し賞球数を示す未払出しカウンタに「13」を加算(S703)する。
【0082】
前記S703の処理に続き、又は前記S701の処理が否定(S701:no)のときは、遊技価値が「10」であることを示す入賞コマンドの受信があるか確認し(S704)、そうであれば(S704:yes)、前記払出し予定カウンタおよび前記未払出しカウンタにそれぞれ「10」を加算する(S705,S706)。
【0083】
前記S706の処理に続き、又は前記S704の処理が否定(S704:no)のときは、遊技価値が「3」であることを示す入賞コマンドの受信があるか確認し(S707)、そうであれば(S707:yes)、前記払出し予定カウンタおよび前記未払出しカウンタにそれぞれ「3」を加算する(S708,S709)。
【0084】
前記S709の処理に続き、又は前記S707の処理が否定(S704:no)のときは、主制御装置31が賞球・発射制御装置33へ向けて15個の賞球を払出すように指示(賞球コマンド)し、主制御装置31が既に払出し済みであると認識している賞球数が「15」であることを示す払出しコマンドの受信があるか確認し(S710)、そうであれば(S710:yes)、前記未払出しカウンタから「15」を減算(S711)する。
【0085】
前記S710が否定であれば(S710:no)、主制御装置31が既に払出し済みであると認識している賞球数が「14」であることを示す払出しコマンドの受信があるか確認し(S712)、そうであれば(S712:yes)、前記未払出しカウンタから「14」を減算(S713)する。
【0086】
前記「14」を示す払出しコマンドの受信がなければ(S712:no)、この処理と同様にして、主制御装置31が既に払出し済みであると認識している賞球数が漸次「13」〜「1」の何れを示す払出しコマンドであるかを確認し(S714参照)、確認した賞球数に応じて未払出しカウンタを減算する(S715参照)。
【0087】
前記未払出しカウンタを減算処理(S711,S713,S715)の後、S716の処理において、前記払出し予定カウンタのカウント値と前記未払出しカウンタのカウント値とを対比し、払出し予定カウンタのカウント値よりも未払出しカウンタのカウント値が大きいときは(S716:yes)、未払出しカウンタに払出し予定カウンタのカウント値を設定する(S717)。
【0088】
前記S716が否定のときは(S716:no)、主制御装置31から全ての賞球の払出しが完了したことを示す完了コマンドの受信があるか確認し(S718)、受信があれば(S718:yes)、前記未払出しカウンタのカウント値をクリアする(S719)
【0089】
前記完了コマンドの受信がないとき(S718:no)、S717の処理の後、又はS719の処理の後、S720の処理において、前記払出し予定カウンタのカウント値および未払出しカウンタのカウント値に基づいて、演出表示装置に表示させるデータを作成し、該データを表示させる。
例えば、前記完了コマンドの受信がない(S718:no)状態からS720の処理に至ったときは、S702、S705又はS708の処理で加算した払出し予定カウンタのカウント値を払出し賞球数として表示するとともに、S711、S713、S715等の処理で減算した未払出しカウンタのカウント値を未払い賞球数として表示する。具体的には演出表示装置23に「賞球数=43個、未払い賞球数=13個」のように数字で直接表示することが望ましいが、何らかのキャラクタにより間接的に表示するようにしてもよい。
またS717の処理からS720の処理に至ったときは、S702、S705又はS708の処理で加算した払出し予定カウンタのカウント値を払出し賞球数として表示するとともに、同カウント値を未払い賞球数として表示する。
更にS719の処理からS720の処理に至ったときは、S702、S705又はS708の処理で加算した払出し予定カウンタのカウント値を払出し賞球数として表示するとともに、未払い賞球数がない旨を示す表示を行う。
【0090】
これによれば、大当りとなると、遊技盤の演出表示装置に、入賞により実際に払出しが行われた賞球数と払出しが予定された賞球数を合わせた賞球の総数を表示する。貯留皿への賞球払出しが無くても、遊技機の表示部の賞球の総数を確認することで、遊技機の故障に関する遊技者の疑念を解消することができる。
尚、賞球の総数の表示は、大当り遊技中、および大当り遊技後に確変や時短が付与された特典遊技状態中に実施することが望ましく、これによれば遊技者は大当たりの生起から派生した時短や確変などの遊技も含めた一連の総出球数を把握することもできる。
また入賞により払出しが予定されているが実際には払出しされていない未払い賞球数を表示するので、貯留皿への賞球払出しが無くても、遊技機の表示部の未払い賞球数を確認することができてユーザーフレンドリーであり、遊技機にトラブルが生じても遊技店と遊技者とのトラブルに発展しない。
尚、本構成では賞球の総数と未払い賞球数とを表示するようにしたが、これに限らず、賞球の総数のみ、または未払い賞球のみを表示することとしてもよく、賞球の総数のみを表示する場合であっても、トラブル(エラー)の発生によって未払い賞球数を表示するように構成することが望ましい。
【0091】
前記実施形態では、入賞信号と賞球信号とを個別の信号線によってホールコンピュータへ送信する構成であるが、ホールコンピュータによっては信号入力端子が1つであり、入賞用と賞球用の2種類の信号入力端子を備えていないものがある。そこで、本発明を適用した第2の実施形態のパチンコ機として、入賞信号と賞球信号とを同一端子(同一信号線)で送信するように構成し、信号入力端子が1つのホールコンピュータのハードウェアを変更することなく、ソフトウェアの変更のみで対応できるようにしたものである。尚、本実施形態のパチンコ機の基本構成は、前記実施形態のそれとほぼ同一であり、相違点を中心に説明する。
【0092】
図17に示すように、主制御装置31から外部接続端子装置35へ、入賞信号(6)と賞球信号(7)とを個別の信号線により送信するようになし、かつ外部接続端子装置35において両信号線を1つの信号線にまとめ、外部接続端子装置35からホールコンピュータHCへ入賞信号(6)と賞球信号(7)とを共に1つの共用の信号線により送信するようにしてある。
【0093】
図18は本パチンコ機の主制御装置で実行される「信号出力処理2」を示し、この処理において、入賞信号(6)と賞球信号(7)とを1つの信号線により送信可能としている。
この処理は、前記実施形態のパチンコ機と同様に「入力処理」(図6)、「コマンド出力処理(図7)に続いて実行され、先ず、入賞信号を出力中であるか確認し(S420)、そうでなければ(S420:no)、入賞信号の出力インターバル中であるか確認する(S421)。尚、入賞信号は、ホールコンピュータにおいて信号の入力回数をカウントする必要があることか、複数の信号が繋がらないように信号間に所定時間のインターバルを設ける必要がある。
【0094】
インターバル中でなければ(S421:no)、入賞信号出力回数(図6のS214参照)が「0」でないか確認し(S422)、「0」でなければ(S422:yes)、入賞信号を出力設定し、実質的に信号出力を行う(S423)。そして入賞信号出力回数を減算する(S424)。
【0095】
一方、S420の処理で信号出力中であれば(S420:yes)、出力時間が経過したか確認し(S425)、そうであれば(S425:yes)、入賞信号の出力を解除して(S426)、インターバルの設定を行う(S427)。この処理の後、又はS421の処理でインターバル中であれば(S421:yes)、続くS428の処理でインターバル時間が経過したか確認し、時間が経過していれば(S428:yes)インターバルを解除する(S429)。
【0096】
続くS430の処理では前記入賞信号出力回数が「0」であるか確認し、「0」でなければ(S430:no)、S423の処理で入賞信号を出力し、S424で入賞信号出力回数を減算する。
一方、入賞信号出力回数が「0」であれば(S430:yes)、S431の処理で賞球信号を出力中であるか確認し、出力中でなければ(S431:no)、賞球信号の出力インターバル中であるか確認する(S432)。尚、賞球信号は、入賞信号と同様に信号間に所定時間のインターバルを設ける必要がある。
【0097】
インターバル中でなければ(S432:no)、賞球信号出力回数(図7のS318参照)が「0」でないか確認し(S433)、「0」でなければ(S433:yes)、賞球信号を出力設定し、実質的に信号出力を行う(S434)。そして賞球信号出力回数を減算する(S435)。
【0098】
一方、S431の処理で信号出力中であれば(S431:yes)、出力時間が経過したか確認し(S436)、そうであれば(S436:yes)、賞球信号の出力を解除して(S437)、インターバルの設定を行う(S438)。この処理の後、又はS432の処理でインターバル中であれば(S432:yes)、続くS439の処理でインターバル時間が経過したか確認し、時間が経過していれば(S439:yes)インターバルを解除する(S440)。
このように本「信号出力処理2」によれば、賞球信号よりも入賞信号を優先的に出力させる。また入賞信号と賞球信号とでは、信号のオン時間を互いに相違させる、ホールコンピュータ側で識別可能とする。尚、「信号出力処理2」は特許請求の範囲に記載の「優先出力手段」に相当する。
【0099】
本実施形態のパチンコ機によれば、第1の実施形態と同様な作用効果が得られる上、入賞、賞球信号用の信号入力端子が1つのホールコンピュータに好適に接続することができる。
【0100】
次に、図19図20に基づいて、本発明を適用した第3の実施形態のパチンコ機について説明する。遊技店によっては、ホールコンピュータへパチンコ機からの入賞信号と賞球信号とを個別に入力させるように接続する場合や、入賞信号のみを入力させるように接続する場合、および賞球信号のみを入力させるように接続する場合がある。そこで、本パチンコ機は信号用の出力切換SWを設けて、これにより入賞信号および賞球信号の出力態様を切換える構成としたものである。尚、本実施形態のパチンコ機の基本構成は、前記実施形態のそれとほぼ同一であり、相違点を中心に説明する。
【0101】
図19に示すように、主制御装置31に出力切換SW37を設ける。そして、図19(a)のように、ホールコンピュータHCへ入賞信号と賞球信号の両信号を個別に入力させる接続では、出力切換SW37を「両方」の設定にすることで、入賞信号(6)と賞球信号(7)を個別の信号線により主制御装置31から外部接続端子装置35を介してホールコンピュータHCへ送信する。
また図19(b)のように、入賞信号のみを入力させる接続では、出力切換SW37を「入賞」の設定にすることで、入賞信号(6)のみを主制御装置31から外部接続端子装置35を介してホールコンピュータHCへ送信する。
更に図19(c)のように、賞球信号のみを入力させる接続では、出力切換SW37を「賞球」の設定にすることで、賞球信号(7)のみを主制御装置31から外部接続端子装置35を介してホールコンピュータHCへ送信する。
尚、出力切換SW37をどのように切り換えることで、主制御装置31から外部接続端子装置35に出力される信号は変化するが、主制御装置31からサブ制御装置32に送信されるコマンドに変化はない。
【0102】
図20は本パチンコ機の主制御装置で実行される「信号出力処理3」を示し、この処理において、出力切換SW37の設定により入賞信号(6)と賞球信号(7)とを送信可能としている。
この処理は、第1の実施形態のパチンコ機と同様に「入力処理」(図6)、「コマンド出力処理(図7)に続いて実行され、先ず、出力切換SW37が賞球信号のみの出力設定であるか確認し(S441)、賞球信号のみの出力設定でなければ(S441:no)、入賞信号を出力中であるか確認する(S420)。出力中なければ(S442:no)、入賞信号の出力インターバル中であるか確認する(S443)。
【0103】
インターバル中でなければ(S443:no)、入賞信号出力回数(図6のS214参照)が「0」でないか確認し(S444)、「0」でなければ(S444:yes)、入賞信号を出力設定し、実質的に信号出力を行う(S445)。そして入賞信号出力回数を減算する(S446)。
【0104】
一方、S442の処理で信号出力中であれば(S442:yes)、出力時間が経過したか確認し(S447)、そうであれば(S447:yes)、入賞信号の出力を解除して(S448)、インターバルの設定を行う(S449)。この処理の後、又はS443の処理でインターバル中であれば(S443:yes)、続くS450の処理でインターバル時間が経過したか確認し、時間が経過していれば(S450:yes)インターバルを解除する(S451)。
【0105】
続くS452の処理では出力切換SW37が入賞信号のみの出力設定であるか確認する。この処理で入賞信号のみの出力設定でなない場合(S452:no)、又は前記S441の処理で出力切換SW37が賞球信号のみの出力設定である場合(S441:yes)、賞球信号を出力中であるか確認する(S453)。出力中なければ(S453:no)、賞球信号の出力インターバル中であるか確認する(S454)。
【0106】
インターバル中でなければ(S454:no)、賞球信号出力回数(図7のS318参照)が「0」でないか確認し(S455)、「0」でなければ(S455:yes)、賞球信号を出力設定し、実質的に信号出力を行う(S456)。そして賞球信号出力回数を減算する(S457)。
【0107】
一方、S453の処理で信号出力中であれば(S453:yes)、出力時間が経過したか確認し(S458)、そうであれば(S458:yes)、賞球信号の出力を解除して(S459)、インターバルの設定を行う(S460)。この処理の後、又はS454の処理でインターバル中であれば(S454:yes)、続くS461の処理でインターバル時間が経過したか確認し、時間が経過していれば(S461:yes)インターバルを解除する(S462)。
【0108】
本実施形態のパチンコ機によれば、第1の実施形態と同様な作用効果が得られる上、出力切換SW37により入賞信号および賞球信号の出力制御にかかる無駄を極力省くことができ、好適に制御することができる。
また、出力切換SW37の状態変化を示すコマンドをサブ制御装置32に送信することで、例えば、「両方」に設定されているときは、トラブル(エラー)の発生の有無に拘わらず賞球の総数のみを表示するように構成し、「入賞」又は「賞球」に設定されているときは、賞球の総数のみを表示するように構成しながらも、トラブル(エラー)の発生によって未払い賞球数を表示するなど、出力切換SW37の状態に応じて作成される表示データ又は該表示データの表示タイミングを、異ならせ、好適な表示を行うことができる。
尚、「入賞」に設定されている場合と、「賞球」に設定されていると異ならせてもよい。
【0109】
次に、図21図22に基づいて、本発明を適用した第4の実施形態のパチンコ機について説明する。本パチンコ機は、外部接続端子装置35から入賞信号(6)と賞球信号(7)とを共にホールコンピュータHCへ1つの共用の信号線により送信する構成に対応して、主制御装置31に出力切換SWを設けて、これにより入賞信号および賞球信号の出力態様を切換える構成としたものである。尚、本実施形態のパチンコ機の基本構成は、前記実施形態のそれとほぼ同一であり、相違点を中心に説明する。
【0110】
図21に示すように、主制御装置31に出力切換SW37を設ける。そして、図21(a)のように、出力切換SW37を「両方」の設定にすることで、入賞信号(6)と賞球信号(7)を共通の1つの信号線によりホールコンピュータHCへ送信する。
また図21(b)のように、出力切換SW37を「入賞」の設定にすることで、入賞信号(6)のみを上記信号線によりホールコンピュータHCへ送信する。
更に図21(c)のように、出力切換SW37を「賞球」の設定にすることで、賞球信号(7)のみを上記信号線によりホールコンピュータHCへ送信する。
【0111】
図22は本パチンコ機の主制御装置で実行される「信号出力処理4」を示し、この処理において、出力切換SW37の設定により入賞信号(6)と賞球信号(7)とを送信可能としている。
この処理は、第1の実施形態のパチンコ機と同様に「入力処理」(図6)、「コマンド出力処理(図7)に続いて実行され、先ず、出力切換SW37が賞球信号のみの出力設定であるか確認し(S470)、賞球信号のみの出力設定でなければ(S470:no)、入賞信号を出力中であるか確認する(S471)。出力中なければ(S471:no)、入賞信号の出力インターバル中であるか確認する(S472)。
【0112】
インターバル中でなければ(S472:no)、入賞信号出力回数(図6のS214参照)が「0」でないか確認し(S473)、「0」でなければ(S473:yes)、入賞信号を出力設定し、実質的に信号出力を行う(S474)。そして入賞信号出力回数を減算する(S475)。
【0113】
一方、S471の処理で信号出力中であれば(S471:yes)、出力時間が経過したか確認し(S476)、そうであれば(S476:yes)、入賞信号の出力を解除して(S477)、インターバルの設定を行う(S478)。この処理の後、又はS472の処理でインターバル中であれば(S472:yes)、続くS479の処理でインターバル時間が経過したか確認し、時間が経過していれば(S479:yes)インターバルを解除する(S480)。
【0114】
続くS481の処理では前記入賞信号出力回数が「0」であるか確認し、「0」でなければ(S481:no)、S474の処理で入賞信号を出力し、S475で入賞信号出力回数を減算する。
一方、入賞信号出力回数が「0」であれば(S481:yes)、S483の処理で出力切換SW37が入賞信号のみの出力設定であるか確認する。この処理で入賞信号のみの出力設定でない場合(S483:no)、又は前記S470の処理で出力切換SW37が賞球信号のみの出力設定である場合(S470:yes)、賞球信号が出力中であるか確認する(S484)。出力中なければ(S484:no)、賞球信号の出力インターバル中であるか確認する(S485)。
【0115】
インターバル中でなければ(S485:no)、賞球信号出力回数(図7のS318参照)が「0」でないか確認し(S486)、「0」でなければ(S486:yes)、賞球信号を出力設定し、実質的に信号出力を行う(S487)。そして賞球信号出力回数を減算する(S488)。
【0116】
一方、S484の処理で信号出力中であれば(S484:yes)、出力時間が経過したか確認し(S489)、そうであれば(S489:yes)、賞球信号の出力を解除して(S490)、インターバルの設定を行う(S491)。この処理の後、又はS485の処理でインターバル中であれば(S485:yes)、続くS492の処理でインターバル時間が経過したか確認し、時間が経過していれば(S492:yes)インターバルを解除する(S493)。
【0117】
本実施形態のパチンコ機によれば、第1の実施形態と同様な作用効果が得られる上、出力切換SW37により入賞信号および賞球信号の出力制御にかかる無駄を極力省くことができ、好適に制御することができる。
また、出力切換SW37の状態変化を示すコマンドをサブ制御装置32に送信することで、例えば、「両方」に設定されているときは、トラブル(エラー)の発生の有無に拘わらず賞球の総数のみを表示するように構成し、「入賞」又は「賞球」に設定されているときは、賞球の総数のみを表示するように構成しながらも、トラブル(エラー)の発生によって未払い賞球数を表示するなど、出力切換SW37の状態に応じて作成される表示データ又は該表示データの表示タイミングを、異ならせ、好適な表示を行うことができる。
尚、「入賞」に設定されている場合と、「賞球」に設定されていると異ならせてもよい。
【0118】
図23は本発明を適用した第5の実施形態を示すもので、本実施形態において、サブ制御装置32に設けた出力設定SW38は、第3及び第4の実施形態の出力切換SW37とは全く別の機能を果たす。
第3及び第4の実施形態の出力切替SW37は、切り替えることによって主制御装置31から外部接続端子装置35へと出力される信号を入賞信号(6)のみ、賞球信号(7)のみ、入賞信号(6)及び賞球信号(7)のいずれかに設定するものであるが、本実施形態の出力設定SW38は、切り替えても主制御装置31から外部接続端子装置35へと出力される信号は入賞信号(6)及び賞球信号(7)であり、変化することはない。
サブ制御装置32の出力設定SW38は、ホールコンピュータに入賞信号(6)のみ入力可能な接続状態、賞球信号(7)のみ入力可能な接続状態、入賞信号(6)及び賞球信号(7)を入力可能な接続状態のいずれであるかを設定するものであり、出力設定SW38の設定によって作成される表示データ又は該表示データの表示タイミングを異ならせる。
例えば、入賞信号(6)のみ又は賞球信号(7)のみを入力可能に設定されていれば、ホールコンピュータでは未払い賞球数を把握することができないため、遊技機にて何らかのトラブル(エラー)が生じた際に、未払い賞球数を即座に表示、又は遊技状態に拘わらず未払い賞球数が存在する場合には表示するようにし、入賞信号(6)及び賞球信号(7)を入力可能なに設定されていれば、ホールコンピュータでおおよその未払い賞球数を把握することができるため、遊技機にて何らかのトラブル(エラー)が生じても、未払い賞球数を即座に表示、又は遊技状態に拘わらず未払い賞球数が存在する場合には表示しないように、表示データの表示タイミングを異ならせる。
これによればサブ制御装置32の出力設定SW38により、例えば、「両方」に設定されているときは、トラブル(エラー)の発生の有無に拘わらず賞球の総数のみを表示するように構成し、「入賞」又は「賞球」に設定されているときは、賞球の総数のみを表示するように構成しながらも、トラブル(エラー)の発生によって未払い賞球数を表示するなど、出力切換SW37の状態に応じて作成される表示データ又は該表示データの表示タイミングを、異ならせ、好適な表示を行うことができる。
尚、「入賞」に設定されている場合と、「賞球」に設定されていると異ならせてもよい。
【0119】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0120】
1 パチンコ機(弾球遊技機)
20 遊技盤
23 演出表示装置
24 普通図柄始動口(入賞口)
25 特別図柄始動口(入賞口)
26 普通入賞口(入賞口)
27 大入賞口(入賞口)
31 主制御装置(入賞カウンタ、入賞信号出力手段、入賞コマンド制御手段、特別コマンド制御手段、払出し対価カウンタ、払出し指示手段、払出しコマンド制御手段、賞球信号出力手段、優先出力手段)
32 サブ制御装置(払出し予定カウンタ、未払出しカウンタ)
33 賞球・発射制御装置(払出し制御装置)
412 普通図柄始動SW(検出スイッチ)
413 特別図柄始動SW(検出スイッチ)
414 カウントSW(検出スイッチ)
415 一般入賞口SW(検出スイッチ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23